JP2006280317A - 高粘性調味液 - Google Patents
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Abstract
【課題】 滑らかな食感を有し、かつ容器内壁に付着して残留し難い、pseudo plastic flowの高い調味液を提供すること。
【解決手段】 0.3〜1.0重量%のキサンタンガム及び0.05〜1.0重量%のネイティブジェランガムを含有し、キサンタンガムとネイティブジェランガムの含有比が6:1〜1:1であることを特徴とする粘度が4000cp以上の高粘性調味液並びに内表面が親油性である合成樹脂製容器に、前記調味液を充填してなる包装容器入り高粘性調味液。
【選択図】 なし
【解決手段】 0.3〜1.0重量%のキサンタンガム及び0.05〜1.0重量%のネイティブジェランガムを含有し、キサンタンガムとネイティブジェランガムの含有比が6:1〜1:1であることを特徴とする粘度が4000cp以上の高粘性調味液並びに内表面が親油性である合成樹脂製容器に、前記調味液を充填してなる包装容器入り高粘性調味液。
【選択図】 なし
Description
本発明は、粘度が4000cp以上の高粘性調味液に関し、詳しくは滑らかな食感を有し、かつ容器内壁に付着して残留し難い、pseudo plastic flowの高い調味液に関する。
調味液にはたれ、ソースなど様々な種類があり、焼肉、惣菜など広範な食品に多用されている。これらの調味液を物性の面から見ると、使用時に調理食品を調味液に浸漬して使用する低粘度タイプのものから、調理食品の上にかけて使用する高粘度タイプのものまで、消費者の嗜好に合わせて多様化している。また、使用時の操作性から見ても、その物性に起因して使い易いものから使い難いものまで様々である。
その中で、高粘度タイプの調味液(約4000cp以上)の中には、いわゆるあんかけといわれる澱粉を含有させたものや、タルタルソースのような乳化品など様々であるが、その物性上操作性に劣り、使用時に容器から必要な分量を排出させるのが困難である上に、容器の内壁に付着したまま使い残しにされる量も多い。
その中で、高粘度タイプの調味液(約4000cp以上)の中には、いわゆるあんかけといわれる澱粉を含有させたものや、タルタルソースのような乳化品など様々であるが、その物性上操作性に劣り、使用時に容器から必要な分量を排出させるのが困難である上に、容器の内壁に付着したまま使い残しにされる量も多い。
このような問題を解決する方法として、高粘度タイプの調味液をチューブ式の容器に充填することが提案されている。しかし、実際にはこの方法によっても依然として使い残しされる量が多い場合がある。
また、内容物を乳化剤と食用油を少量使用することによって、調味液表面を乳化させることにより、容器に充填された高粘度タイプ調味液の使い残される量を減らす技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この技術は、すでに乳化されている乳化品では利用するのは困難であり、含有されている増粘剤により調味液がゲル化するので、調味液自体がゼリー状のような物性になる。このため、滑らかな食感を有する調味液には応用できなかった。すなわち、滑らかな食感を有する高粘度タイプの調味液の使い残し量を減少する方法は未だ報告されていない。
また、内容物を乳化剤と食用油を少量使用することによって、調味液表面を乳化させることにより、容器に充填された高粘度タイプ調味液の使い残される量を減らす技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この技術は、すでに乳化されている乳化品では利用するのは困難であり、含有されている増粘剤により調味液がゲル化するので、調味液自体がゼリー状のような物性になる。このため、滑らかな食感を有する調味液には応用できなかった。すなわち、滑らかな食感を有する高粘度タイプの調味液の使い残し量を減少する方法は未だ報告されていない。
以上のように、滑らかな食感を有し、かつ高粘性で、容器内壁に付着して残りにくい調味液は未だ報告されていない。そこで、本発明は、調味液自体の組成を改良することにより、容器内壁に付着して残存する割合が少ない、pseudo plastic flowの高い調味液を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく検討を重ね、その過程において、調味液を作製する際に使用される増粘剤に着目し、増粘剤の改良もしくは2種類以上併用することにより、調味液の粘性を変えることで、目的を達成できるのではとの仮説を立て検証した。その結果、従来得ることができなかった、滑らかな食感の高粘性調味液が、容器内に残りにくくなることについての確かな確信を得た。
調味液を作製する際に粘度を付けるためには、通常増粘剤が使用される。このような増粘剤として、一般的には、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ジェランガムなどがあり、これらの増粘剤と共に加工澱粉を併用させることが多い。
調味液を作製する際に粘度を付けるためには、通常増粘剤が使用される。このような増粘剤として、一般的には、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ジェランガムなどがあり、これらの増粘剤と共に加工澱粉を併用させることが多い。
本発明では、ゲル状ではない滑らかな食感の調味液を提供することを意図しているため、キサンタンガムを用いることが必須である。このような前提のもとで、該キサンタンガムと併用する増粘剤やそれらの含有割合を検討した結果、キサンタンガムと共にネイティブジェランガムを一定割合で調味液に含有させることにより、該調味液を容器に充填した際の容器への残り量(残存率)を減少させることに成功した。
ここで、ネイティブジェランガムとは、増粘剤の1種であり、弾力のある、離水の少ない餅様のゲルを形成し、ゲル化温度が高く、凍結解凍性を有し、低粘度の使用で不溶性固形分の分散に有効であるという特徴を有するものである。
調味液に用いる増粘剤として、該ネイティブジェランガムを単独で用いた場合、餅様のゲルを形成してしまうため、滑らかな高粘度の調味液を作製することはできない。なお、ネイティブジェランガムの含有量を餅様のゲルを形成しない程度の量に抑えた場合には、増粘剤としての粘度付けの効果を十分に発揮することができない。
そのため、従来より、ネイティブジェランガムは、低粘度の飲料やノンオイルドレッシングなどに固形分の分散を目的として使用される程度であり、高粘度調味液に用いられることはなかった(例えば、特開2000−69932号公報参照)。
ここで、ネイティブジェランガムとは、増粘剤の1種であり、弾力のある、離水の少ない餅様のゲルを形成し、ゲル化温度が高く、凍結解凍性を有し、低粘度の使用で不溶性固形分の分散に有効であるという特徴を有するものである。
調味液に用いる増粘剤として、該ネイティブジェランガムを単独で用いた場合、餅様のゲルを形成してしまうため、滑らかな高粘度の調味液を作製することはできない。なお、ネイティブジェランガムの含有量を餅様のゲルを形成しない程度の量に抑えた場合には、増粘剤としての粘度付けの効果を十分に発揮することができない。
そのため、従来より、ネイティブジェランガムは、低粘度の飲料やノンオイルドレッシングなどに固形分の分散を目的として使用される程度であり、高粘度調味液に用いられることはなかった(例えば、特開2000−69932号公報参照)。
なお、通常調味液に用いられる増粘剤の一種としてジェランガムがあるが、このジェランガムは、ネイティブジェランガムを脱アシル化したものであり、脱アシルタイプのジェランガムとも呼ばれることがある。
ジェランガムは、ネイティブジェランガムとは異なる構造を有しており、その性質や用途の点でもネイティブジェランガムと全く異なる物質である。ジェランガムは、フレーバーリリースのよい脆いゲルを形成するなどの特徴を有することから、一般的には、マイクロゲルを形成させ、具剤分散に使用されるほか、乳化保持のために使用される(例えば、特開昭63−169932号公報参照)。
本発明者は、ジェランガムではなく、ネイティブジェランガムをキサンタンガムと組み合わせて用いることにより、高粘性の滑らかな食感を有し、かつ剥離性のよい調味液を安定的に生産するという目的を達成できることを見出し、本発明に到達したものである。
ジェランガムは、ネイティブジェランガムとは異なる構造を有しており、その性質や用途の点でもネイティブジェランガムと全く異なる物質である。ジェランガムは、フレーバーリリースのよい脆いゲルを形成するなどの特徴を有することから、一般的には、マイクロゲルを形成させ、具剤分散に使用されるほか、乳化保持のために使用される(例えば、特開昭63−169932号公報参照)。
本発明者は、ジェランガムではなく、ネイティブジェランガムをキサンタンガムと組み合わせて用いることにより、高粘性の滑らかな食感を有し、かつ剥離性のよい調味液を安定的に生産するという目的を達成できることを見出し、本発明に到達したものである。
すなわち、請求項1記載の本発明は、0.3〜1.0重量%のキサンタンガム及び0.05〜1.0重量%のネイティブジェランガムを含有し、キサンタンガムとネイティブジェランガムの含有比が6:1〜1:1であることを特徴とする粘度が4000cp以上の高粘性調味液である。
請求項2記載の本発明は、内表面が親油性である合成樹脂製容器に、請求項1記載の調味液を充填してなる包装容器入り高粘性調味液である。
請求項2記載の本発明は、内表面が親油性である合成樹脂製容器に、請求項1記載の調味液を充填してなる包装容器入り高粘性調味液である。
本発明により、滑らかな食感を有し、かつ高粘性の調味液が提供される。この調味液は、容器内壁に付着して容器内に残りにくいという性質を有している。そのため、本発明によれば、ボトルタイプの容器に充填しても欠減を最小限に抑えることができる高粘性調味液を提供することが可能である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において高粘性調味液とは、一般的に「たれ」、「ソース」、「あんかけ」等と呼ばれる、粘度が4000cpから20000cp程度のもの、及び「半固体状ドレッシング」や「乳化液状ドレッシング」、「タルタルソース」と呼ばれる、粘度が4000cpから30000cp程度の乳化物を示す。言い換えれば、pseudo plastic flowが高い調味液を意味する。ここで、pseudo plastic flowとは、擬塑性流動のことであり、ずり速度の増加に伴い見かけの粘度が減少する流動のことを指す。
一方、「粘度」は、B型粘度計(形式:BM、東機産業株式会社)等を用いて測定することができる。ここでB型粘度計とは、試料中でローターを回転し、これに加わる抵抗トルクによって、絶対粘度(cp)を測定するものである。なお、粘度が4000cp未満であれば、容器からの剥離性は問題視されていない。
本発明において高粘性調味液とは、一般的に「たれ」、「ソース」、「あんかけ」等と呼ばれる、粘度が4000cpから20000cp程度のもの、及び「半固体状ドレッシング」や「乳化液状ドレッシング」、「タルタルソース」と呼ばれる、粘度が4000cpから30000cp程度の乳化物を示す。言い換えれば、pseudo plastic flowが高い調味液を意味する。ここで、pseudo plastic flowとは、擬塑性流動のことであり、ずり速度の増加に伴い見かけの粘度が減少する流動のことを指す。
一方、「粘度」は、B型粘度計(形式:BM、東機産業株式会社)等を用いて測定することができる。ここでB型粘度計とは、試料中でローターを回転し、これに加わる抵抗トルクによって、絶対粘度(cp)を測定するものである。なお、粘度が4000cp未満であれば、容器からの剥離性は問題視されていない。
本発明では、高粘性調味液の製造に際して、通常用いられる原材料に、キサンタンガム及びネイティブジェランガムを特定の割合で添加する。本発明に用いるキサンタンガムとネイティブジェランガムは、食品添加物として認められ、食品への添加が許容されているものであれば、その製法などに制限はなく、市販品を用いても良い。
本発明の高粘性調味液は、調味液全体に対して、0.05〜1.0重量%、好ましくは0.05〜0.5重量%のネイティブジェランガムを含有する。ネイティブジェランガムを含有させることにより、滑らかな食感といった求められる物性を具備し、かつ剥離性に優れた調味液を得ることができる上に、カルシウムやナトリウムなどのカチオンによる影響を受けないので、溶解が容易である。そのため、目的とする高粘性で滑らかな食感を有し、かつ容器剥離性のよい調味液の安定的な生産が可能である。
ネイティブジェランガムの含有量が調味液全体に対して0.05重量%未満であると、ネイティブジェランガムの機能が発現せず、剥離性のよい調味料が得られない。また、1.0重量%を超えると、剥離性はあるものの、餅様になってしまい、求める物性の調味料が得られなくなる。
ネイティブジェランガムの含有量が調味液全体に対して0.05重量%未満であると、ネイティブジェランガムの機能が発現せず、剥離性のよい調味料が得られない。また、1.0重量%を超えると、剥離性はあるものの、餅様になってしまい、求める物性の調味料が得られなくなる。
なお、通常調味液に用いられる増粘剤の一種としてジェランガムがあるが、このジェランガムは、上記の如く、ネイティブジェランガムを脱アシル化したものであり、本発明で用いるネイティブジェランガムとはその構造、性質及び用途を異にする物質である。ジェランガムは、カルシウムやナトリウム等のカチオンの存在により熱不可逆なゲルを形成するという性質を有するために、本発明においてネイティブジェランガムの代わりにジェランガムを用いた場合は、調味液がゲル状になってしまい、滑らかな食感を有し、かつ容器剥離性に優れた高粘性調味液を得ることはできない。
一方、ブリックス度の高い高粘性調味液では、ネイティブジェランガムを溶解してから糖を添加するのが望ましい。
一方、ブリックス度の高い高粘性調味液では、ネイティブジェランガムを溶解してから糖を添加するのが望ましい。
本発明の高粘性調味液は、調味液全体に対して、0.3〜1.0重量%、好ましくは0.3〜0.7重量%のキサンタンガムを含有する。キサンタンガムは、主に調味液の粘度付けに用いられるものであり、ゲル状ではない滑らかな食感の調味液を提供するために必須の増粘剤である。キサンタンガムの含量が0.3重量%未満であると、粘度が不十分となり、求める高粘度の調味料が得られにくくなる。また、1.0重量%を超えると、粘度が過剰となり、求める物性の調味料が得られにくくなる。
また、本発明の高粘性調味液におけるキサンタンガムとネイティブジェランガムの含有比は、6:1〜1:1とする必要がある。ネイティブジェランガムの比率が6:1を下回ると、剥離性のよい調味料が得られない。また、ネイティブジェランガムの比率が1:1を超えると、キサンタンガムよりネイティブジェランガムの性質が優位に働くことにより、調味液の物性が餅様になってしまい、滑らかな調味液が得られなくなるので好ましくない。
本発明の高粘性調味液の原材料は、水、醤油、食用油脂、糖、塩、その他調味料などである。また、粘度を高める目的で、必要に応じて馬鈴薯澱粉、小麦粉澱粉等の澱粉類、グアガム、ローカストビーンガム、ペクチン等の増粘剤、ゲル化剤を適宜選択して加えることがある。これらの原材料の種類、使用量及び混合方法については制限がなく、使用目的などを考慮して適宜決定すればよい。
本発明の高粘性調味液は、容器に充填して製品化することができるが、特に内表面が親油性である合成樹脂製容器に充填することにより、包装容器入り調味液として本発明の効果を発揮することができる。
ここで、内表面が親油性である合成樹脂製容器の素材となる合成樹脂としては、例えばポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート等が挙げられる。また、該容器の形状についても特に制限はなく、ボトルタイプ、チューブタイプ等いかなるものでもよいが、特にボトルタイプとした場合に、高粘性調味液を充填しても容器内壁に付着して残存するという問題が解消され、本発明の高粘性調味液の効果が発揮される。
ここで、内表面が親油性である合成樹脂製容器の素材となる合成樹脂としては、例えばポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート等が挙げられる。また、該容器の形状についても特に制限はなく、ボトルタイプ、チューブタイプ等いかなるものでもよいが、特にボトルタイプとした場合に、高粘性調味液を充填しても容器内壁に付着して残存するという問題が解消され、本発明の高粘性調味液の効果が発揮される。
以下に、本発明を実施例等により詳しく説明する。しかし、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1)実施例1〜4、比較例1〜4(ネイティブジェランガムを含有させた効果の検証)
表1及び表2の組成物の原材料をすべて混合、攪拌し、その後2分間ホモジナイザーによって乳化してから、92℃まで加熱して所定粘度の5種類の調味液を1000mlずつ作製した。これらの調味液を冷却後、それぞれボトルタイプのポリエチレンテレフタレート製容器(1L用)に充填した。
なお、実施例と比較例において、調味液の粘度を近づけるため、実施例では比較例と比べてネイティブジェランガムを含有させた分だけキサンタンガムの量を減らした。
表1及び表2の組成物の原材料をすべて混合、攪拌し、その後2分間ホモジナイザーによって乳化してから、92℃まで加熱して所定粘度の5種類の調味液を1000mlずつ作製した。これらの調味液を冷却後、それぞれボトルタイプのポリエチレンテレフタレート製容器(1L用)に充填した。
なお、実施例と比較例において、調味液の粘度を近づけるため、実施例では比較例と比べてネイティブジェランガムを含有させた分だけキサンタンガムの量を減らした。
製造した調味液の粘度を測定し、直後に容器を傾けながら調味液の排出を開始し、10分間逆さまにして自然に排出させた後、排出した調味液の重量を測定して、調味液の容器内壁への残存率を算出した。なお、粘度はB型粘度計(形式:BM、東機産業株式会社)を用い、回転数30rpm、温度20℃の条件で測定した。得られた結果を表3に示す。
表3から明らかなように、ネイティブジェランガムを含有させた実施例1〜4の調味液は、ネイティブジェランガムを含有させない比較例1〜4の調味液と同程度の粘度であるにも関わらず、調味液の容器内壁への残存率が低く、力を加えることなくスムーズに容器から排出させることができ、操作性も良好であった。
(2)実施例5〜7、比較例5〜6(ネイティブジェランガムの添加割合の変化による効果の検証)
調味液の組成を表4に示す通りとすることの他は、上記(1)の実施例等と同様に調味液を作製した。すなわち、ネイティブジェランガムを0.01〜1.2重量%の範囲で含有させるとともに、粘度が6000〜12000cp程度となるようにキサンタンガムの含有量を調整して作製した。
上記(1)の実施例等と同様に粘度を測定し、また調味液の容器内壁への残存率を算定した。更に、作製した調味液の物性についても評価した。
残存率の可否は、上記(1)においてネイティブジェランガムを含有させなかった比較例のうち同程度の粘度を示す調味液と比較して、有意に残存率が減少したと考えられるものを○、減少していないと考えられるものを×とした。
また、物性の評価は、容器から排出させたときの様子を客観的に評価し、滑らかな高粘性調味液として許容できるものを○、許容できないものを×とした。得られた結果を表5に示す。
調味液の組成を表4に示す通りとすることの他は、上記(1)の実施例等と同様に調味液を作製した。すなわち、ネイティブジェランガムを0.01〜1.2重量%の範囲で含有させるとともに、粘度が6000〜12000cp程度となるようにキサンタンガムの含有量を調整して作製した。
上記(1)の実施例等と同様に粘度を測定し、また調味液の容器内壁への残存率を算定した。更に、作製した調味液の物性についても評価した。
残存率の可否は、上記(1)においてネイティブジェランガムを含有させなかった比較例のうち同程度の粘度を示す調味液と比較して、有意に残存率が減少したと考えられるものを○、減少していないと考えられるものを×とした。
また、物性の評価は、容器から排出させたときの様子を客観的に評価し、滑らかな高粘性調味液として許容できるものを○、許容できないものを×とした。得られた結果を表5に示す。
表5から明らかなように、ネイティブジェランガムを0.05重量%〜1.2重量%の範囲で用いた実施例5〜7及び比較例5〜6を、上記(1)においてネイティブジェランガムを含有させなかった比較例のうち同程度の粘度を示す調味液と、それぞれ対応させて比較すると、残存率が低下していることがわかる。
特に、ネイティブジェランガムを0.05〜1.0重量%の範囲で用いた実施例5〜7は、1.0重量%とした場合に若干餅様の物性が観察されたものの、いずれも、得られる調味液の残存率が低く、かつ物性が滑らかであり、好ましいとの評価が得られた。
一方、比較例5のように、ネイティブジェランガムを0.01重量%含有させただけでは、調味液の残存率を減少する効果がほとんどないことが分かった。
また、比較例6のように、ネイティブジェランガムを1.2重量%含有させると、物性が餅様になってしまい、滑らかな調味液を作製することができなくなってしまうことも判明した。
この結果より、物性が好ましく、残存率の少ない調味液を得るためには、ネイティブジェランガムを0.05重量%〜1.0重量%用いることが必要であり、さらには0.05〜0.5重量%を用いることが好ましいことが分かった。
特に、ネイティブジェランガムを0.05〜1.0重量%の範囲で用いた実施例5〜7は、1.0重量%とした場合に若干餅様の物性が観察されたものの、いずれも、得られる調味液の残存率が低く、かつ物性が滑らかであり、好ましいとの評価が得られた。
一方、比較例5のように、ネイティブジェランガムを0.01重量%含有させただけでは、調味液の残存率を減少する効果がほとんどないことが分かった。
また、比較例6のように、ネイティブジェランガムを1.2重量%含有させると、物性が餅様になってしまい、滑らかな調味液を作製することができなくなってしまうことも判明した。
この結果より、物性が好ましく、残存率の少ない調味液を得るためには、ネイティブジェランガムを0.05重量%〜1.0重量%用いることが必要であり、さらには0.05〜0.5重量%を用いることが好ましいことが分かった。
(3)実施例8〜10、比較例7〜8(キサンタンガムとネイティブジェランガムの含有比率の変化による効果の検証)
調味液の組成を表6に示す通りとすることの他は、上記(1)の実施例等と同様に調味液を作製した。すなわち、ネイティブジェランガムを0.1〜0.6重量%の範囲で含有させ、キサンタンガムとネイティブジェランガムの合計量が1.0重量%前後であり、かつキサンタンガムとネイティブジェランガムの比率が8:1〜1:2となるように調味液を作製した。
上記(1)の実施例等と同様に粘度を測定し、また調味液の容器内壁への残存率を算定した。さらに、作製した調味液について上記(2)の実施例等と同様の基準で物性などを評価した。結果を表7に示す。
調味液の組成を表6に示す通りとすることの他は、上記(1)の実施例等と同様に調味液を作製した。すなわち、ネイティブジェランガムを0.1〜0.6重量%の範囲で含有させ、キサンタンガムとネイティブジェランガムの合計量が1.0重量%前後であり、かつキサンタンガムとネイティブジェランガムの比率が8:1〜1:2となるように調味液を作製した。
上記(1)の実施例等と同様に粘度を測定し、また調味液の容器内壁への残存率を算定した。さらに、作製した調味液について上記(2)の実施例等と同様の基準で物性などを評価した。結果を表7に示す。
表7の実施例8〜10の結果から分かるように、キサンタンガムとネイティブジェランガムの含有比を6:1〜1:1の範囲とすることにより、1:1の場合に物性の面で若干固めであるとの評価がなされたものの、いずれも滑らかな物性であり、好ましいとの評価が得られた。また、残存率の少ない調味液を得ることができた。
一方、両者の含有比を8:1とした場合は、ネイティブジェランガムの効果が発揮できないため、調味液の残存率を減少する効果がほとんどないことが分かった。一方、含有比を1:2とした場合は、ネイティブジェランガムの特徴が出すぎることから、調味液の物性が餅様になってしまい、滑らかな調味液を作製することができなかった。
この結果より、物性も好ましく、残存率の少ない調味液を得るためには、キサンタンガムとネイティブジェランガムの含有比を6:1〜1:1の範囲とすることが必要であり、特に6:1〜2:1の範囲とすることが好ましいことが分かった。
一方、両者の含有比を8:1とした場合は、ネイティブジェランガムの効果が発揮できないため、調味液の残存率を減少する効果がほとんどないことが分かった。一方、含有比を1:2とした場合は、ネイティブジェランガムの特徴が出すぎることから、調味液の物性が餅様になってしまい、滑らかな調味液を作製することができなかった。
この結果より、物性も好ましく、残存率の少ない調味液を得るためには、キサンタンガムとネイティブジェランガムの含有比を6:1〜1:1の範囲とすることが必要であり、特に6:1〜2:1の範囲とすることが好ましいことが分かった。
(4)実施例11〜13(乳化しない澱粉入り調味液での効果の検証)
表8の組成物の原材料をすべて混合、攪拌し、90℃まで加熱して所定粘度の5種類の調味液を作製した。これらの調味液を冷却後、それぞれボトルタイプのポリエチレンテレフタレート製容器に充填した。
上記(1)の実施例等と同様に粘度を測定し、また調味液の容器内壁への残存率を算出した。結果を表9に示す。
表8の組成物の原材料をすべて混合、攪拌し、90℃まで加熱して所定粘度の5種類の調味液を作製した。これらの調味液を冷却後、それぞれボトルタイプのポリエチレンテレフタレート製容器に充填した。
上記(1)の実施例等と同様に粘度を測定し、また調味液の容器内壁への残存率を算出した。結果を表9に示す。
表9から明らかなように、ネイティブジェランガムを含有させた実施例11〜13の調味液は、澱粉を含有し、かつ乳化していない調味液であるにもかかわらず、乳化した調味液と同様に調味液の残存率を減少することができることが分かった。
本発明により、滑らかな食感を有し、かつ高粘性の調味液が提供される。しかも、該調味液は容器内壁に付着して残存する割合が少ない。そのため、本発明によれば、ボトルタイプの容器に充填しても欠減を最小限に抑えることができる高粘性調味液を提供することが可能である。
Claims (2)
- 0.3〜1.0重量%のキサンタンガム及び0.05〜1.0重量%のネイティブジェランガムを含有し、キサンタンガムとネイティブジェランガムの含有比が6:1〜1:1であることを特徴とする粘度が4000cp以上の高粘性調味液。
- 内表面が親油性である合成樹脂製容器に、請求項1記載の調味液を充填してなる包装容器入り高粘性調味液。
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Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10191926A (ja) * | 1997-01-17 | 1998-07-28 | Nakano Vinegar Co Ltd | 高粘性調味液 |
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-
2005
- 2005-04-04 JP JP2005107169A patent/JP2006280317A/ja active Pending
Patent Citations (6)
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