JP2006280297A - ゲラニルゲラニル2リン酸合成酵素及びその遺伝子等 - Google Patents

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Abstract

【課題】新規なゲラニルゲラニル2リン酸合成酵素、及びそれをコードする遺伝子を提供する。
【解決手段】特定のアミノ酸配列、又はそれに変異が導入されたアミノ酸配列であってゲラニルゲラニル2リン酸合成酵素活性を有するタンパク質、それをコードする遺伝子、それを含有する発現ベクター、その発現ベクターで形質転換された宿主細胞を培養し、その培養物からゲラニルゲラニル2リン酸合成酵素やカロテノイド類を回収する方法等。
【選択図】図1

Description

本発明は、新規なゲラニルゲラニル2リン酸合成酵素、該酵素をコードする遺伝子、該遺伝子を含有する発現ベクターで形質転換された宿主細胞を用いてゲラニルゲラニル2リン酸合成酵素を製造する方法、および該遺伝子を含有する発現ベクターで形質転換された宿主細胞を用いてアスタキサンチン等のカロテノイド類を製造する方法等に関するものである。なお、ゲラニルゲラニル2リン酸合成酵素活性とは、ファルネシル2リン酸とイソペンテニル2リン酸との縮合反応によりゲラニルゲラニル2リン酸を合成する際の触媒作用をいう。
Paracoccus sp. MBIC1143株はアスタキサンチン等のカロテノイドを生産する細菌として知られている(例えば非特許文献1参照)。アスタキサンチンは、動物(フラミンゴ、トキなどの鳥類、ならびにニジマスおよびサケのような魚類)、藻類および微生物等、広範な生物に存在が確認されている。また、アスタキサンチンは酸素ラジカルに対する強力な抗酸化活性を有することが知られており、癌のようないくつかの病気から、生細胞を守るための医療用途に応用することが期待されている。さらに、アスタキサンチンは動物を明瞭な赤燈色に染色し、染色飼料としての産業上の必要性が増加している。
アスタキサンチンの生合成は、イソプレノイド経路から重要な中間体であるファルネシル2リン酸にて分岐する。ファルネシル2リン酸およびイソペンテニル2リン酸はゲラニルゲラニル2リン酸合成酵素(遺伝子crtEによってコードされるもの)によって縮合され、ゲラニルゲラニル2リン酸が合成される。次いでゲラニルゲラニル2リン酸はフィトエンシンターゼ、フィトエンデサチュラーゼ、リコペンサイクラーゼの連続反応によってβ−カロテンに変換される。細菌においては、さらに、β−カロテンの酸化反応によりアスタキサンチンまで変換される(図1参照)(例えば非特許文献2参照)。
アスタキサンチン等のカロテノイド類は精力的な研究結果、化学合成によってその多くが提供されている。しかしながら、合成過程における副生成物、あるいは残存する有機溶媒の好ましくない副作用などの懸念から、発酵生産による天然物アスタキサンチンの要望が消費市場に広まっている。
発酵生産により天然物を生産するためには菌株の改良が第一に必要である。菌株改良は、一般に、ニトロソグアニジン等の化学処理剤によって行われ、古典的ではあるが多くの成功例がある。しかしながら、化学処理剤により対象とする微生物の遺伝子にランダムに変異を導入し、生産性の向上した菌株を単離することには多大な労力と時間を要する。
一方で、近年、ゲノム解析等による遺伝子情報の蓄積から遺伝子工学的技術による菌株改良も積極的に行われ生産性が向上した例が数多く報告されている。特に注目すべきは、ベリーらの遺伝子crtEを組換え、細菌を宿主としてカロテノイドの一つであるゼアキサンチンの生産性を向上させた例である(例えば特許文献1参照)。上述したように、カロテノイド類は複数の遺伝子によってコードされた各種合成酵素の働きにより合成される。複数の遺伝子をどの様に組換えるかは多数の組み合わせが存在し多大な労力を必要とする。肝心なことは生合成系の鍵となる酵素を特定し、該酵素をコードする遺伝子を集中的に組み換えることである。カロテノイドについては遺伝子crtEによってコードされているゲラニルゲラニル2リン酸合成酵素が鍵酵素の一つであるとされている(例えば特許文献1参照)。
Paracoccus sp. MBIC1143株についてはアスタキサンチン合成系遺伝子の解明が行われ、crtW、crtZ、crtY、crtI、crtBの各遺伝子配列が既知である(例えば非特許文献3参照)。しかしながら、鍵酵素の一つと想定される遺伝子crtEの配列が未知である。つまり、代謝工学、遺伝子組換え等の技術によりカロテノイド類を高度に生産する微生物を効率良く作製する際にはその知見を利用することができなかった。
特表2004−527265号公報 Yokoyama, A., and H. Izumida, and W. Miki, Production of astaxanthin and 4−ketozeaxanthin by marine bacterium, Agrobacterium aurantiacum, Biosci. Biotechnol. Biochme., 58: 1842−1844(1994). Paul D. Fraser, Yutaka Miura, and Norihiko Misawa, In vitro characterization of astaxanthin biosynthetic enzymes, J. Biol. Chem., 272: 6128−6135(1997). Norihiko Misawa, Yoshihiko Satomi, Keiji Kondo, Akihiro Yokoyama, Susumu Kajiwara, Toshiko Saito, Takeshi Ohtani, and Wataru Miki, Structure and functional analysis of a marine bacterial carotenoid biosynthesis gene cluster and astaxanthin biosynthetic pathway proposed at the gene level. J. Bacteriology, 177: 6575−6584(1995).
本発明の目的は、カロテノイド類等の有用物質の生産、及び有用物質生産の実用化研究に役立つ新規なゲラニルゲラニル2リン酸合成酵素をコードする遺伝子を提供することにある。さらに、本発明は、遺伝子工学的手法により、該遺伝子によってコードされるゲラニルゲラニル2リン酸合成酵素を生産する方法、及び組換えられた該遺伝子から構成される宿主生物を利用して有用物質を生産、提供することを目的としている。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、Paracoccus sp. MBIC1143株から単離された核酸断片が、新規なゲラニルゲラニル2リン酸合成酵素をコードする遺伝子であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の(a)又は(b)からなることを特徴とするタンパク質である。
(a)配列番号1のアミノ酸配列からなるタンパク質。
(b)配列番号1のアミノ酸配列の1ないし数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつゲラニルゲラニル2リン酸合成酵素活性を有するタンパク質。
また本発明は、上述のタンパク質をコードすることを特徴とする遺伝子である。さらに本発明は、上述の遺伝子を含有することを特徴とする発現ベクターである。また本発明は、上述の遺伝子が導入されたことを特徴とする微生物である。さらに本発明は、上述の発現ベクターで形質転換された宿主細胞を培養し、その培養物からゲラニルゲラニル2リン酸合成酵素を回収することを特徴とする、ゲラニルゲラニル2リン酸合成酵素の製造方法である。また本発明は、上述の発現ベクターで形質転換された宿主細胞を培養し、その培養物からカロテノイド類を回収することを特徴とする、カロテノイド類の製造方法である。以下、本発明を詳細に説明する。
1.ゲラニルゲラニル2リン酸合成酵素及びそれをコードする遺伝子
本発明によるゲラニルゲラニル2リン酸合成酵素は、以下の(a)又は(b)からなるタンパク質である。
(a)配列番号1のアミノ酸配列からなるタンパク質。
(b)配列番号1のアミノ酸配列の1ないし数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつゲラニルゲラニル2リン酸合成酵素活性を有するタンパク質。
(a)のタンパク質は、Paracoccus sp. MBIC1143株に存在するゲラニルゲラニル2リン酸合成酵素活性を有するタンパク質である。
(b)のタンパク質は、(a)のタンパク質に、ゲラニルゲラニル2リン酸合成酵素活性を失わせない程度のアミノ酸が欠失、置換、又は付加された、即ち変異が導入されたタンパク質である。このような変異は、自然界において生じる変異のほかに、人為的な変異をも含む。人為的変異を生じさせる手段としては、部位特異的変異誘発法(Nucleic Acids Res. 10, 6487−6500, 1982)などを挙げることができるが、これに限定されるわけではない。変異したアミノ酸の数は、ゲラニルゲラニル2リン酸合成酵素活性を失わせない限り、その個数は制限されないが、好ましくは10アミノ酸以内であり、更に好ましくは5アミノ酸以内である。
上述の(a)又は(b)のタンパク質をコードする遺伝子は、配列番号1に記載のアミノ酸配列の情報に基づき、一般的な工学的手法により製造することができる。例えば、Paracoccus sp. MBIC1143株から抽出したDNA又はRNAを鋳型とし、配列番号1記載のアミノ酸配列に基づいて設計されたプライマーを用いて核酸増幅反応を行うことにより、ゲラニルゲラニル2リン酸合成酵素をコードする遺伝子を得ることができる。またプライマーには、配列番号12及び13に記載された塩基配列の一部又は全部を用いることもできる。プライマーの長さは特に限定されないが、通常10塩基以上であり、好ましくは16〜50塩基であり、更に好ましくは20〜30塩基である。
核酸増幅の手法についても、特に限定されないが、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法の原理を利用した公知の方法を挙げることができる。例えば、PCR法、LAMP(Loop−mediated isothermal AMPlification)法、ICAN(Isothermal and Chimeric primer−initiated Amplification of Nucleic acids)法、RCA(Rolling Circle Amplification)法、LCR(Ligase Chain Reaction)法、SDA(Strand Displacement Amplification)法等を挙げることができる。
また、本発明の遺伝子は、Paracoccus sp. MBIC1143株のDNA又はmRNAより作成されたDNAライブラリー又はcDNAライブラリーから得ることもできる。ライブラリーの作製は、市販のライブラリー作製キット等を使用した一般的な方法により行うことができる。
ライブラリー作製にあたってはPCRを利用したゲノムウォーキング法(Nucleic Acids Res., 28, e55)が簡便であり、作製にあたっての労力を少なくすることができる。
ライブラリーから本発明の遺伝子を単離するためのスクリーニング方法は、特に限定されず、従来知られた公知の方法によって行うことができる。例えば、配列番号1に記載のアミノ酸配列に基づいてプローブを作製し、プラークハイブリダイゼーションやコロニーハイブリダイゼーションを行うことによって、本発明の遺伝子を含有するクローンを選択することができる。また本発明のタンパク質に特異的に結合する抗体を用いた免疫化学的スクリーニングによっても、本発明の遺伝子を含有するクローンを選択することが可能である。本発明の遺伝子は、上記のスクリーニング法によって選択されたクローンからDNAを抽出することによって得ることができる。
なお、Paracoccus sp. MBIC1143株は、MBIC(http://www.mbio.jp)より入手することができる。
上記のような方法によって得られたDNA断片は、公知の方法に従って塩基配列を決定し、本発明の遺伝子であることを確認する。塩基配列決定方法としては、例えば、チェーンターミネーター法(Proc. Natl. Acad. Sci.USA, 74, 5463−5467 (1977))、マキサム−ギルバート法(Method in Enzymology, 65, 499 (1980))等が挙げられるが、市販のシークエンスキットを利用すれば簡便に行うことができる。
2.ゲラニルゲラニル2リン酸合成酵素の製造法
本発明のゲラニルゲラニル2リン酸合成酵素は、上述の(a)又は(b)からなるタンパク質をコードする遺伝子を含有する発現ベクターを適当な宿主細胞に導入し、培養することによって得ることができる。発現ベクターの作製及び宿主細胞への導入は、公知の方法に従って行うことができる。
宿主細胞には、原核生物及び真核生物のいずれの細胞も用いることができる。例えば、原核生物の宿主細胞として一般的に用いられるものとしては、大腸菌や枯草菌等が挙げられる。また真核生物の細胞としては、例えば、酵母細胞等を挙げることができる。ただし、本発明に用いられる宿主細胞は、これらに限定されるものではない。
発現ベクターは、1.に記載のゲラニルゲラニル2リン酸合成酵素をコードする遺伝子を含有するものであり、その上流に遺伝子の発現を制御する配列を有していることが望ましい。更には、宿主細胞での複製を可能にする複製開始点を含んでいることが望ましい。遺伝子の発現を制御する配列としては、原核生物の場合、プロモーター、SD配列(Shine−Dalgarno sequence)等が挙げられる。プロモーターは、原核生物の細胞内で機能するものであれば、どんなものでもよい。例えば、大腸菌を宿主として使用する場合には、lacプロモーター等が挙げられる。また、たとえば、酵母を宿主細胞とする場合には、ADH1プロモーター、hCMVプロモーター等を挙げることができるが、宿主細胞内で機能するものであれば、どのようなものでも用いることができる。
宿主細胞への発現ベクターの導入は、公知の方法で行うことができ、たとえば、塩化カルシウム法、エレクトロポーレーション法、パーティクルガン法、接合伝達法等が挙げられる。
ゲラニルゲラニル2リン酸合成酵素の製造は、発現ベクターを導入した宿主細胞を、宿主細胞が生育可能でかつゲラニルゲラニル2リン酸合成酵素の誘導を可能とするような培地で培養することによって行う。この際、培養は液体培養で行うことが望ましい。この培養物からゲラニルゲラニル2リン酸合成酵素を回収することができる。例えば培養した細胞を遠心分離等により回収し、細胞を破砕して粗抽出液を作製する。粗抽出液の作製には、超音波破砕、フレンチプレス等の物理的な方法によって細胞を破砕する方法の他、市販のタンパク質抽出試薬等も用いることができる。
粗抽出液からのゲラニルゲラニル2リン酸合成酵素の精製は、一般的なタンパク質精製法により、行うことができる。たとえば、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティ−クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、吸着クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィー等の各種クロマトグラフィー法やこれらと塩析、限外ろ過、透析等を組み合わせた方法が挙げられる。このような精製法の例としては、次のようなものが挙げられる。イオン交換クロマトグラフィーでゲラニルゲラニル2リン酸合成酵素の活性画分を回収した後、限外ろ過処理によって活性画分を濃縮し、さらにゲルろ過クロマトグラフィーを行って活性画分を回収する。この方法により、SDSポリアクリルアミド電気泳動法で単一のバンドとなるまで精製することができる。ただし、本発明の精製方法はこれに限定されるものではない。
なお、本発明のゲラニルゲラニル2リン酸合成酵素の分子量は約30KDa(SDSポリアクリルアミド電気泳動法)であり、精製されたタンパク質が本発明のゲラニルゲラニル2リン酸合成酵素であるかどうかは、分子量とゲラニルゲラニル2リン酸合成酵素活性の有無によって確認することができる。ゲラニルゲラニル2リン酸合成酵素の活性測定は、ゲラニルゲラニル2リン酸の代謝物を定量することにより行うことができる。
3.カロテノイド類の製造方法
本発明のカロテノイド類の製造に用いられる宿主細胞としては、カロテノイド類を産生しうる微生物であればそのまま用いることができるが、カロテノイド類を産生しない微生物の場合は、カロテノイド類を産生するのに必要な遺伝子を導入して用いればよい。一般に、イソプレノイド類は生命活動に必須であり、多くの微生物はイソプレノイド類を合成する酵素遺伝子を保有している。したがって、本発明のゲラニルゲラニル2リン酸合成酵素をコードする遺伝子の他に、既知のカロテノイド類の合成酵素をコードする遺伝子を導入して用いればよい。複数の遺伝子を導入する際は、適当なプラスミドベクターを選択すれば良い。あるいは、同一のプラスミドベクターに各酵素をコードする領域を遺伝子工学技術によりそれぞれ発現するように組換えて用いても良い。カロテノイド類を産生しうる微生物においては、各種合成遺伝子が染色体にコードされているので、鍵酵素であるゲラニルゲラニル2リン合成酵素遺伝子が挿入された発現ベクターを導入するだけでカロテノイド類の合成活性が向上する。
カロテノイド類を産生しうる微生物としては、例えばChlorobium属、Chloroflexus属、Herpetosiphon属、Synechococcus属、Myxococcus属、Stigmatella属、Sorangium属、Chondramyces属、Bradyrhizobium属、Pseudomonas属、Xanthomonas属、Spirochaeta属、Flavobacterium属、Flexibacter属、Cytophaga属、Saprospira属、Streptomyces属、Nocardia属、Corynebacterium属、Brevibacterium属、Mycobacterium属、Micrococcus属、Bacillus属、Staphylococcus属、Sarcina属、Enterococcus属等の真正細菌、Halobacterium属等の古細菌、他に各種真菌類等を挙げることができる。
発現ベクターとしては例えば大腸菌発現ベクター、枯草菌発現ベクター、酵母発現ベクター等を挙げることができる。さらには、pBBR、pSFU、pRKなどの広宿主域ベクターを用いることもできる。これらのプラスミドベクターにより形質転換された宿主細胞を用いて、適当な培養培地を使用することにより、各種カロテノイド類を細胞内に蓄積させることができる。このカロテノイド類を回収するためには、例えば培養液からカロテノイド類を蓄積した微生物を集菌し、適当な有機溶媒により抽出すればよい。有機溶媒はメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジクロロメタン、クロロフォルム、ジメチルフォルムアミド、ジメチルスルフォキシド等がよい。好適にはアセトンである。
本発明により、ゲラニルゲラニル2リン酸の合成反応を触媒する新規なゲラニルゲラニル2リン酸合成酵素および該酵素をコードする遺伝子配列が提供される。ゲラニルゲラニル2リン酸は様々な生理活性を有するカロテノイド類の原料等に利用することができる。
以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]カロテノイド合成酵素遺伝子断片のクローニング
カロテノイド産生細菌Paracoccus sp. MBIC1143株をMBG培地(3.74%マリンブロス;Difco社製、1%グルコース)で25℃、18時間培養後、Puregen Genomic DNA isolation kit(Gentra社製)を用いてゲノムDNAを抽出、調製した。次いで、調製したDNAを制限酵素Bgl IIを用いて完全に消化した。反応液は40μLのDNA(約50μg/ml)、8μLの制限酵素Bgl II、添付緩衝液6μL、水6μLからなる。37℃、18時間反応後、フェノール・クロロホルム抽出およびエタノール沈殿によりDNAを精製し、TE緩衝液30μLに溶解した。このDNAに対してゲノムウォーキング法を利用することにより、ゲラニルゲラニル2リン酸合成酵素をコードするDNAをクローニングした。具体的にはLA PCR in vitro cloning kit(タカラバイオ社製)を用いた。まず、5μLの消化DNAに対して、キット中のSau3AIカセット(10倍希釈)2.5μL、Sol I溶液15μL、Sol II溶液7.5μLを添加し16℃、2時間反応させた。反応後、フェノール・クロロホルム抽出およびエタノール沈殿によりDNAを精製し、TE緩衝液5μLに溶解した。
この溶液を用いて第一段階のPCR反応を行った。反応は、まず、DNA溶液1μLに対して、13.5μLの水、2×GC buffer II(タカラバイオ社製)25μLを添加し、94℃、10分でDNAを変性させた。この溶液に、2mM dNTPを8μL、DNAポリメラーゼTaKaRa LA Taq(タカラバイオ社製)を0.5μL、10pmol/μLの配列番号3のGWP1プライマー(カロテノイド合成酵素をコードする遺伝子crtBにハイブリダイズするもの)を1μL、キット中の配列番号4のPrimerC1プライマーを1μLを添加した。PCR反応は94℃で30秒、55℃で30秒、72℃で4分を1サイクルとし、これを30サイクル行った。
次いで、第二段階のPCR反応をおこなった。第一段階と同様に、テンプレートDNAである第一段階のPCR反応液1μLに対して、水13.5μL、2×GC buffer II(タカラバイオ社製)25μLを添加し、94℃、10分でDNAを変性させた。この溶液に、2mM dNTPを8μL、DNAポリメラーゼTaKaRa LA Taq(タカラバイオ社製)を0.5μL、10pmol/μLの配列番号5のGWP2プライマー(カロテノイド合成酵素をコードする遺伝子crtBにハイブリダイズするもの)を1μL、キット中の配列番号6のPrimerC2プライマーを1μL添加した。PCR反応は94℃で30秒、55℃で30秒、72℃で4分を1サイクルとし、これを30サイクル行った。PCR産物の増幅確認は0.9%のアガロース電気泳動により行い、約5kbpのDNAフラグメントが増幅されたことを確認した。
このDNAフラグメントをDNA Extraction kit(QIAgen社製)を用いてアガロースから調整後、TA cloning kit(Invitrogen社製)を用いて増幅DNAフラグメントをpCR2.1ベクターに導入し、100μg/mlのカルベニシリンを含むLB寒天培地を用いて大腸菌JM109株を30℃で形質転換した。任意の形質転換株を数個選択し、100μg/mlのカルベニシリンを含むLB培地で培養後、Miniprep(QIAgen社製)を用いてプラスミドを調製し、上記の約5kbpのDNAフラグメントがインサートされたプラスミド(pCRCRTE)を得た。これを次の配列解析に供した。
[実施例2]カロテノイド合成酵素遺伝子断片の配列解析
実施例1で得られたpCRCRTEベクターを用いて、カロテノイド合成酵素遺伝子断片のDNA塩基配列を決定した。塩基配列は、まず、配列番号7のプライマーおよび配列番号3のプライマーをそれぞれ使用し、テェーンターミネーター法に基づくBig Dye Terminator Cycle Sequencing FS Ready Reaciton Kit(PE アプライドバイオシステム社製)を用いてサイクルシークエンス反応に供し、全自動シークエンサー ABI Prism 310 DNA Analyzer(PE アプライドバイオシステム社製)にて解析することにより開始した。次いで、判明した配列を基にして、配列番号8のプライマー、配列番号9のプライマー、配列番号10のプライマー、及び配列番号11のプライマーを用いて順次解析した。
Paracoccus sp. MBIC1143からクローニングしたゲラニルゲラニル2リン酸合成酵素をコードする遺伝子を含むDNA配列を配列番号2に、アミノ酸配列を配列番号1に示す。
[実施例3]ゲラニルゲラニル2リン酸合成酵素遺伝子の発現
実施例2で解析した配列を基にしてプライマーを設計し、PCRによりゲラニルゲラニル2リン酸合成酵素をコードするDNAを増幅した。設計したプライマーは配列番号12のCRTEF2および配列番号13のCRTER2である。それぞれ、5’側に制限酵素EcoR I、Hind IIIの配列を有する。PCRは、まず、DNA溶液1μL(実施例1で調製したParacoccus sp.MBIC1143株のゲノムDNA)に対して、13.5μLの水、2×GC buffer II(タカラバイオ社製)25μLを添加し、94℃、10分でDNAを変性させた。この溶液に、2mM dNTPを8μL、DNAポリメラーゼTaKaRa LA Taq(タカラバイオ社製)を0.5μL、10pmol/μLのCRTEF2プライマー(配列番号12)およびCRTER2プライマー(配列番号13)をそれぞれ1μL添加した。PCR反応は94℃で30秒、60℃で30秒、72℃で2分を1サイクルとし、これを30サイクル行った。終了後、反応液を0.9%アガロース電気泳動により確認したところ、設計通りのDNAが増幅された。
得られたPCR産物をフェノールクロロホルム抽出、エタノール沈殿により精製し、制限酵素EcoR I、Hind IIIによる消化を行った。並行して、発現ベクターpSTV28(タカラバイオ社製)も制限酵素EcoR I、Hind IIIにより消化した。得られた消化物をフェノールクロロホルム抽出、エタノール沈殿によりそれぞれ精製し、ライゲーション反応を行った。ライゲーションはインサート側である消化PCR産物10μL、ベクター側の消化pSTV28を1μL、次いでLigation high(東洋紡社製)11μL添加し、反応させた(16℃、2.0時間)。
この反応液を用いて、30μg/mlのクロラムフェニコール含むLB寒天培地で大腸菌JM109を形質転換した。任意の形質転換株を選択し、30μg/mlのクロラムフェニコール含むLB培地で培養後、ゲラニルゲラニル2リン酸合成酵素をコードするDNAが導入されたプラスミドベクター(pSCRTE)のコンストラクトを得た。その構造を図2に示す。
[実施例4]微生物によるアスタキサンチンの生産
Paracoccus sp. MBIC1143株のcrtW、crtZ、crtY、crtI、crtBからなるカロテノイド合成遺伝子クラスターを三沢らの方法(非特許文献1)に従ってpUC19ベクターのBamHIサイトに挿入したコンストラクトを作製し、pAK32とした。このpAK32と上記のpSCRTEを用いて、100μg/mlのカルベニシリンおよび30μg/mlのクロラムフェニコール含むLB寒天培地を用いてヒートショック法により大腸菌JM109株を形質転換した。得られた形質転換株を上記のLB液体培地で30℃、18時間培養した。培養後、遠心操作により集菌し、さらに、アセトンによりカロテノイド類を抽出・定量した。
カロテノイドの定量は逆相カラムを用いた高速液体クロマトグラフィーにより測定し、以下の操作手順で行なった。すなわち培養液の一部を遠心分離して菌体を回収し、適量の純水を加えチューブミキサーにて10分間懸濁させた。次いで純水に対して9倍量のアセトンを加えてチューブミキサーにて30分間攪拌後、14,000回転5分間遠心分離を行ない上清を回収しHPLCにより定量した。HPLCカラムはTSKgel ODS−80(東ソー社製)を使用し、流速1.0ml/min、470nmの検出波長で測定した。結果を図3に示す。図3の通り、pSCRTEとpAK32の組合わせにより形質転換された株はアスタキサンチンが有意に産生された。また、クローニングしたDNAはゲラニルゲラニル2リン酸合成酵素をコードすることが判明した。
カロテノイドの生合成経路を示す図である。 実施例3で得られたプラスミドベクターpSCRTEの構造を示す図である。 実施例4で得られた形質転換株抽出液のHPLCプロファイルを示す図である。

Claims (6)

  1. 以下の(a)又は(b)からなることを特徴とするタンパク質。
    (a)配列番号1のアミノ酸配列からなるタンパク質。
    (b)配列番号1のアミノ酸配列の1ないし数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつゲラニルゲラニル2リン酸合成酵素活性を有するタンパク質。
  2. 請求項1に記載のタンパク質をコードすることを特徴とする遺伝子。
  3. 請求項2に記載の遺伝子を含有することを特徴とする発現ベクター。
  4. 請求項2に記載の遺伝子が導入されたことを特徴とする微生物。
  5. 請求項3に記載の発現ベクターで形質転換された宿主細胞を培養し、その培養物からゲラニルゲラニル2リン酸合成酵素を回収することを特徴とする、ゲラニルゲラニル2リン酸合成酵素の製造方法。
  6. 請求項3に記載の発現ベクターで形質転換された宿主細胞を培養し、その培養物からカロテノイド類を回収することを特徴とする、カロテノイド類の製造方法。
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