JP2006278234A - 電気化学デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】 レート特性に十分優れ、且つ、高容量化及び高出力化を可能とするとともに長期に亘って安定した電気特性を維持できる電気化学デバイスを提供すること。
【解決手段】 上記課題を解決する電気化学デバイスは、炭素材料を含む一対の電極と、一対の電極と接触し、リチウム塩を含む電解液とを備える電気化学デバイスであって、一対の電極の少なくとも一方又は両方が、リチウムイオンを吸蔵放出する遷移金属酸化物を含み、一対の電極のうち第1の電極に含まれる遷移金属酸化物の炭素材料に対する質量比をXとし、一対の電極のうち第2の電極に含まれる遷移金属酸化物の炭素材料に対する質量比をYとした場合に、下記一般式(1)、(2)及び(3)を満たす。
0≦X≦1.0 …(1)
0≦Y≦1.0 …(2)
X+Y>0 …(3)
【選択図】 図1

Description

本発明は、電気二重層キャパシタ等の電気化学デバイスに関する。
電気二重層キャパシタをはじめとする電気化学キャパシタ、及び、リチウムイオン2次電池をはじめとする電池は、容易に小型化、軽量化が可能な電気化学素子であるため、例えば、携帯機器(小型電子機器)等の電源或いはバックアップ用電源、電気自動車又はハイブリッド車向けの補助電源として期待されている。
なかでも、活性炭に代表される高比表面積の炭素材料を電極材料として用いた電気二重層キャパシタは、従来のニッケル水素電池やリチウム2次電池と比較して、低インピーダンスでレート特性に優れていることから、大電流の充電・放電が可能であり、電池に代わる電源又はエネルギー蓄積デバイスとして、さらに多くの用途への利用が期待されている。しかし、実用性をより高め、広い用途に適用する観点から、さらに高容量化、高出力化することが求められている。
電気二重層キャパシタは平衡電位を持たず静電容量のみがセル容量となっているので、セル電圧を上げればそれに伴いセル容量が増加し、容量及び出力の双方の向上が期待できる。そこで、セル電圧を上げて高容量化及び高出力化を図る目的で、例えば、分解電圧の高い電解液を用いた電気二重層キャパシタが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−145009号公報
高容量化及び高出力化を図る観点からは、使用電圧をできるだけ電解液の分解電圧付近まで高めることが有効であるが、このような使用を長期間行った場合、上記特許文献1に記載のものをはじめとする従来の電気二重層キャパシタは、インピーダンスが増加したり容量が減少したりするなど、電気特性が低下することがあった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、レート特性に十分優れ、且つ、高容量化及び高出力化を可能とするとともに長期に亘って安定した電気特性を維持できる電気化学デバイスを提供することを目的とする。
本発明者の検討によると、従来の電気二重層キャパシタでは電極の電位が制御されないため、電解液の分解電圧を下回る電圧で使用した場合であっても電極の電位が電解液の酸化還元電位に達することがあり、これにより電解液の分解反応が進行して電気特性が低下することが分かった。
本発明者は、上記の知見に基づいてさらに鋭意検討した結果、一対の電極と電解液とを備える電気化学キャパシタにおいて、特定の電解液と、特定の組成の負極及び正極とを組み合わせることにより、電気化学キャパシタとしての高レート特性を十分確保しつつ、正極は電解液の酸化分解電位よりも卑であり、負極は電解液の還元分解電位よりも貴であるように、正極及び負極の電位を制御できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の電気化学デバイスは、炭素材料を含む一対の電極と、一対の電極と接触し、リチウム塩を含む電解液と、を備える電気化学デバイスであって、一対の電極の一方又は両方が、リチウムイオンを吸蔵放出する遷移金属酸化物を含み、一対の電極のうち第1の電極に含まれる遷移金属酸化物の炭素材料に対する質量比をXとし、一対の電極のうち第2の電極に含まれる遷移金属酸化物の炭素材料に対する質量比をYとした場合に、下記一般式(1)、(2)及び(3)を満たすことを特徴とする。
0≦X≦1.0 …(1)
0≦Y≦1.0 …(2)
X+Y>0 …(3)
本発明によれば、上記の構成を有することにより、レート特性に十分優れ、且つ、高容量化及び高出力化を可能とするとともに長期に亘って安定した電気特性を維持できる電気化学デバイスが有効に実現可能となる。このような効果が得られる理由は必ずしも明確ではないが、本発明者は以下のように考えている。
すなわち、一方の電極が上記遷移金属酸化物を含む場合、遷移金属酸化物を含む電極の電位はリチウムイオンの挿入脱離の平衡反応に依存することになり安定化すると考えられる。そして、充電時のセル電圧は充電回路によって任意に設定できるため、片側の電極電位が安定化することで対極の電位も同時に安定化することが可能となる。さらに、遷移金属酸化物の炭素材料に対する質量比を1.0以下とすることにより、電気二重層が寄与する容量を十分に確保でき、優れたレート特性を得ることができると考えられる。また、両方の電極が上記遷移金属酸化物を含む場合、双方の電極に含まれる遷移金属酸化物の炭素材料に対する質量比を1.0以下とすることによって対極の電位が所定の範囲を外れることを防止でき、双方の電極の電位が同時に安定化されると考えられる。また、双方の電極に含まれる遷移金属酸化物の炭素材料に対する質量比を1.0以下とすることによって電気二重層が寄与する容量を十分に確保することができ、優れたレート特性を得ることができると考えられる。このように、第1の電極及び第2の電極において上記遷移金属酸化物の上記炭素材料に対する質量比を、上記一般式(1)、(2)及び(3)を満足するように調節することによって、電極の電位の安定性と電極の静電容量の確保とが高水準で両立され、電解液の分解が生じることを十分に防止しつつ電極間により大きな電圧を印加してセルの容量及び出力の向上を図ることができ、その結果、高容量、高出力及び長期安定性のすべてを高水準で満足し、レート特性に十分優れた電気化学デバイスの実現が達成されたと本発明者は推察する。
本発明の電気化学デバイスにおいて、上記炭素材料は比表面積70m/g以上であることが好ましい。なお、炭素材料の比表面積は、窒素吸着等温線からBET等温吸着式を用いて求められるBET比表面積の値を採用する。
また、本発明の電気化学デバイスにおいて、上記第1の電極に含まれる遷移金属酸化物が、1.2V〜1.8V(Li/Li基準)にリチウムイオンを吸蔵放出する平衡電位を示すものであることが好ましい。
さらに、上記第2の電極に含まれる遷移金属酸化物が、3.8V〜4.7V(Li/Li基準)にリチウムイオンを吸蔵放出する平衡電位を示すものであることが好ましい。
また、上記第1の電極に含まれる遷移金属酸化物が、LiTi12、TiO、CoO、CuO、NiO又はFeOであることが好ましい。
さらに、上記第2の電極に含まれる遷移金属酸化物が、LiMO(Mは、Co、Ni又はMnを示す)、LiNiMnCo(1−x−y)(0.1≦x≦0.8、0.05≦y≦0.5)、LiNiCoAl(1−x−y)(0.1≦x≦0.8、0.1≦y≦0.5)、LiNiMn(2−x)(0.1≦x≦0.8)若しくはLiNiMn(1−x)(0.1≦x≦0.8)で表される金属酸化物又はLiMnであることが好ましい。
上記の遷移金属酸化物を用いることにより、高容量、高出力及び長期安定性のすべてをさらに高水準で満足する電気化学デバイスが実現可能となる。
本発明よれば、レート特性に十分優れ、且つ、高容量化及び高出力化を可能とするとともに長期に亘って安定した電気特性を維持できる電気化学デバイスを提供することができる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一または相当要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。また、各図面の寸法比率は、必ずしも実際の寸法比率とは一致していない。
図1は本発明の一実施形態に係る電気化学キャパシタとしての電気二重層キャパシタ100を示す部分破断斜視図である。また、図2は図1のYZ断面図、図3は、図1の積層構造体85、リード線12及びリード線22のZX断面矢視図である。
本実施形態に係る電気二重層キャパシタ100は、図1〜図3に示すように、主として、積層構造体85と、積層構造体85を密閉した状態で収容するケース50と、積層構造体85とケース50の外部とを接続するためのリード線12及びリード線22とから構成されている。積層構造体85は、上から順に、負極集電体15、電気二重層キャパシタ要素61、正極集電体16、電気二重層キャパシタ要素62、負極集電体15、電気二重層キャパシタ要素63、正極集電体16、電気二重層キャパシタ要素64、及び、負極集電体15を有し、それぞれ板状を呈している。
(電気二重層キャパシタ要素)
電気二重層キャパシタ要素61,62,63,64は、図2に示すように、それぞれ、互いに対向する板状の負極(第1の電極)10及び板状の正極(第2の電極)20と、負極10と正極20との間に隣接して配置される板状の電気絶縁性のセパレータ40と、電解質を含み負極10、正極20、及び、セパレータ40中に含有された電解質溶液(図示せず)と、から各々構成されている。ここで正極及び負極は説明の便宜上、電気二重層キャパシタ100の放電時の極性を基準に決定したものである。
電気二重層キャパシタ要素61,62,63,64のそれぞれの負極10及び正極20は、炭素材料と、リチウムイオンを吸蔵放出する遷移金属酸化物とを含んで構成されている。
本実施形態においては、負極10に含まれる遷移金属酸化物の炭素材料に対する質量比をXとし、正極20に含まれる遷移金属酸化物の炭素材料に対する質量比をYとした場合に、下記一般式(1)、(2)及び(3)を満たすことが必要である。
0≦X≦1.0 …(1)
0≦Y≦1.0 …(2)
X+Y>0 …(3)
なお、上記一般式(1)〜(3)で示されるように、負極にリチウムイオンを吸蔵放出する遷移金属酸化物が含まれていれば、正極にリチウムイオンを吸蔵放出する遷移金属酸化物が含まれていなくてもよく、或いは、正極にリチウムイオンを吸蔵放出する遷移金属酸化物が含まれていれば、負極にリチウムイオンを吸蔵放出する遷移金属酸化物が含まれていなくてもよい。
本実施形態においては、炭素材料が比表面積70m/g以上であることが好ましい。
比表面積70m/g以上の炭素材料としては、例えば、原料炭(例えは、石油系重質油の流動接触分解装置のボトム油や減圧蒸留装置の残さ油を原料油とするディレードコーカーより製造された石油コークス等)を賦活処理することにより得られる炭素材料(例えば、活性炭)が挙げられる。
また、負極10及び正極20に含まれる上記炭素材料は、電気二重層キャパシタ100の容量及びレート特性を十分確保する観点から、電極を構成する材料全量を基準として50質量%以上であることが好ましい。
負極10に含まれるリチウムイオンを吸蔵放出する遷移金属酸化物としては、例えば、LiTi12、TiO、CoO、CuO、NiO、及び、FeO等が挙げられる。
また、負極10に含まれるリチウムイオンを吸蔵放出する遷移金属酸化物は、1.2V〜1.8V(Li/Li基準)にリチウムイオンを吸蔵放出する平衡電位を示すものであることが好ましい。
さらに、負極10に含まれるリチウムイオンを吸蔵放出する遷移金属酸化物は、比表面積が0.1〜65m/gであることが好ましい。
正極20に含まれるリチウムイオンを吸蔵放出する遷移金属酸化物としては、例えば、LiMO(Mは、Co、Ni又はMnを示す)、LiNiMnCo(1−x−y)(0.1≦x≦0.8、0.05≦y≦0.5)、LiNiCoAl(1−x−y)(0.1≦x≦0.8、0.1≦y≦0.5)、LiNiMn(2−x)(0.1≦x≦0.8)、LiNiMn(1−x)(0.1≦x≦0.8)及びLiMnで表される金属酸化物等が挙げられる。
また、正極20に含まれるリチウムイオンを吸蔵放出する遷移金属酸化物は、3.8V〜4.7V(Li/Li基準)にリチウムイオンを吸蔵放出する平衡電位を示すものであることが好ましい。
さらに、正極20に含まれるリチウムイオンを吸蔵放出する遷移金属酸化物は、比表面積が0.1〜65m/gであることが好ましい。
また、本実施形態においては、セル容量をより向上させる観点から、上記X又は上記Yの少なくとも一方が、0.05以上であることが好ましい。
また、本実施形態においては、セル容量をさらに向上させる観点から、負極10に含まれる上記遷移金属酸化物の上記炭素材料に対する質量比をXとし、正極20に含まれる上記遷移金属酸化物の上記炭素材料に対する質量比をYとした場合に、下記一般式(4)、(5)を満たすことが好ましい。
0.05≦X≦0.9 …(4)
0.05≦Y≦0.9 …(5)
負極10及び正極20には、上記した遷移金属酸化物及び炭素材料以外に、例えば、炭素材料に導電性を付与するための導電助剤(カーボンブラック類、炭素材料、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属微粉、炭素材料及び金属微粉の混合物、ITO等の導電性酸化物等)と、結着剤(ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PEA)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂及びスチレン−ブタジエンゴム(SBR)等)とが添加されていてもよい。
負極10と正極20との間に配置されるセパレータ40は、電気絶縁性の多孔体から形成されていれば特に限定されず、公知の電気二重層キャパシタに用いられているセパレータを使用することができる。例えば、電気絶縁性の多孔体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリオレフィンからなるフィルムの積層体や上記樹脂の混合物の延伸膜、或いは、セルロース、ポリエステル及びポリプロピレンからなる群より選択される少なくとも1種の構成材料からなる繊維不織布が挙げられる。
電解液は、負極10及び正極20、及びセパレータ40の孔の内部に含有されている。この電解液には電解質としてリチウム塩が含まれている。本明細書において、リチウム塩とはリチウムイオンと対アニオンとを含むものをいう。具体的には、例えば、LiPF、LiBF、LiClO、LiN(SOCF、LiN(SO、CFSOLi、LiC(SOCF、及びLiPF(C等が挙げられる。
また、電解液の溶媒としては、プロピレンカーボネート(以下、PCと略す)、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、スルホラン、及びジメトキシエタン等が挙げられる。
さらに、本実施形態においては、電解液がさらに第4級オニウム塩を含むことが好ましい。本明細書において、第4級オニウム塩とは第4級オニウムイオンと対アニオンとを含むものをいう。具体的には、例えば、第4級オニウムイオンとしては(CCH、(C、及び(C等が挙げられ、第4級オニウムイオンの対アニオンとしては、PF 、BF 、ClO 、N(SOCF 、N(SO 、CFSO 、C(SOCF 、及びPF(C 等が挙げられる。電解液が上記リチウム塩と上記第4級オニウム塩とを含むことにより、電解液の電気伝導度を高くでき、大電流密度放電における容量密度を大きくできる。
また、本実施形態においては、イオン伝導度を上げるの観点から、電解液が上記リチウム塩と、上記第4級オニウム塩のうちの第4級アンモニウム塩とを含むことがより好ましい。
電解液に含まれる上記リチウム塩の濃度は、0.5〜2.0mol/Lが好ましい。
また、電解液が上記リチウム塩及び上記第4級オニウム塩を含む場合には、リチウム塩及び第4級オニウム塩の濃度の合計が、0.5〜2.0mol/Lであることが好ましい。さらに、セル容量の向上の観点から、リチウム塩と第4級オニウム塩とのモル比を、[リチウム塩]:[第4級オニウム塩]=99:1〜1:2とすることが好ましい。
なお、本実施形態において、電解質溶液は液状の状態以外にゲル化剤を添加することにより得られるゲル状電解質であってもよい。また、電界質溶液に代えて、固体電解質(固体高分子電解質又はイオン伝導性無機材料からなる電解質)が含有されていてもよい。
負極集電体15及び正極集電体16は、電荷の移動を充分に行うことができる良導体であれば特に限定されず、公知の電気二重層キャパシタに用いられている集電体を使用することができる。例えば、アルミニウムなどの金属箔等が挙げられる。負極集電体15及び正極集電体16の端には、図1及び図3に示すように、各集電体がそれぞれ外側に向かって延びてなる舌状部15a,16aが形成されている。
ケース50は、積層構造体85を密封し、ケース内部へ空気や水分が進入するのを防止できるものであれば特に限定されず、公知の電気二重層キャパシタ要素に用いられているケースを使用することができる。例えば、エポキシ樹脂等の合成樹脂や、アルミニウム等の金属シートを樹脂ラミネートしたものを使用することができる。図1に示す電気二重層キャパシタ100のケース50は、矩形状の可撓性のシート51を長手方向の略中央部で2つ折りにして形成したものであり、積層構造体85を積層方向(上下方向)の両側から挟み込んでいる。2つ折りにされたシート51の端部のうち、折り返し部分50aを除く3辺のシール部50bがヒートシール又は接着剤により接着されており、積層構造体85が内部に密封されている。
このケース50を構成するシート51は可とう性を有するシートであれば特に限定されないが、ケース50の十分な機械的強度と軽量性を確保しつつ、ケース50外部からケース50内部への水分や空気の侵入及びケース50内部からケース50外部への電解質成分の漏出を効果的に防止する観点から、電解質溶液に接触する合成樹脂製の最内部の層と、最内部の層の外側に配置される金属層とを少なくとも有する「複合包装フィルム」であることが好ましい。
具体的には、図2に示すように、金属層52の両面に樹脂層53及び樹脂層54が形成された複合包装フィルムが好ましい。ここで、樹脂層54が負極集電体15に接触している。なお、シート51が外側の樹脂層53を有さなくても動作は可能である。
最内部の樹脂層54は可とう性を有する層であり、その構成材料は上記の可とう性を発現させることが可能であり、かつ、使用される電解質溶液に対する化学的安定性(化学反応、溶解、膨潤が起こらない特性)、並びに、酸素及び水(空気中の水分)に対する化学的安定性を有している合成樹脂であれば特に限定されないが、更に酸素、水(空気中の水分)及び電解質溶液の成分に対する透過性の低い特性を有している材料が好ましい。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン酸変成物、ポリプロピレン酸変成物、ポリエチレンアイオノマー、ポリプロピレンアイオノマー等の熱可塑性樹脂などが挙げられる。
また、樹脂層53は、樹脂層54と同様の構成材料を使用できるが、特に本実施形態では、合成樹脂製の層としては、例えば、強度の高いポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(ナイロン)等のエンジニアリングプラスチックからなる層を使用している。
金属層52としては、酸素、水(空気中の水分)及び電解質溶液に対する耐腐食性を有する金属材料から形成されている層であることが好ましい。例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、クロム等からなる金属箔を使用できる。
リード線12及びリード線22は、図1に示すように、図1に示すように、リボン状の外形を呈してケース50内からシール部50bを通って外部に突出している。
リード線12は、金属等の導体材料より形成されている。この導体材料としては、例えば、アルミニウム等を採用することができる。リード線12のケース50内の端部は、図3に示すように、各負極集電体15,15,15の各舌状部15a、15a,15aと抵抗溶接等によって接合されており、リード線12は各負極集電体15を介して各負極10と電気的に接続されている。
一方、リード線22も、金属等の導体材料より形成されている。この導体材料としては、例えば、銅やニッケル等の導電材料を利用できる。リード線22のケース50内の端部は、正極集電体16,16の舌状部16a、16aと溶接されており、リード線22は各正極集電体16を介して各正極20に電気的に接続されている。
また、リード線12、22においてケース50のシール部50bに挟まれる部分は、図1及び図3に示すように、シール性を高めるべく、樹脂等の絶縁体14によって被覆されている。絶縁体14の材質は特に限定されないが、例えば、それぞれ合成樹脂から形成されていることが好ましい。リード線12とリード線22とは積層構造体85の積層方向と直交する方向に離間している。
次に、上述したケース50及び電気二重層キャパシタ100の作製方法の一例について説明する。
まず、負極10及び正極20となる電極層を形成するための構成材料を含む塗布液(スラリー)を各々調整する。負極用塗布液は、前述の、炭素材料、遷移金属酸化物、導電助剤、結着剤等を有する溶剤であり、正極用塗布液は、前述の、炭素材料、遷移金属酸化物、導電助剤、結着剤等を有する溶剤である。塗布液に用いる溶媒としては、結着剤を溶解可能とし、炭素材料、遷移金属酸化物及び導電助剤を分散可能とするものであれば特に限定されるものではない。例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等を用いることができる。
次に、銅やニッケル等の負極集電体15、及び、アルミニウム等の正極集電体16を用意する。そして、図4に示すように、負極集電体15の片面に負極用塗布液を塗布し乾燥させて負極10を形成すると共に、舌状部15aを有する矩形形状に切り抜いて図4に示す両端用の2層積層体120を2つ得る。
同様に、負極集電体15の両面に負極用塗布液を塗布し乾燥させて両面に負極10を形成すると共に、舌状部15aを有する矩形形状に切り抜いて、負極用の3層積層体130を1つ得る。
また、正極集電体16の両面に正極用塗布液を塗布し乾燥させて両面に正極20を形成すると共に、舌状部16aを有する矩形形状に切り抜いて、正極用の3層積層体140を2つ得る。
ここで、集電体に塗布液を塗布する際の手法は特に限定されるものではなく、集電体用金属板の材質や形状等に応じて適宜決定すればよい。例えば、メタルマスク印刷法、静電塗装法、ディップコート法、スプレーコート法、ロールコート法、ドクターブレード法、グラビアコート法、スクリーン印刷法等が挙げられる。塗布後、必要に応じて、平版プレス、カレンダーロール等により圧延処理を行う。
続いて、セパレータ40を用意する。セパレータ40は、絶縁性の多孔質材料を負極10及び正極20の矩形よりも大きな矩形に切り抜いて作成する。
続いて、2層積層体120、3層積層体130、3層積層体140を、セパレータ40を各間に挟むようにして図4の順番、すなわち、2層積層体120/セパレータ40/3層積層体140/セパレータ40/3層積層体130/セパレータ40/3層積層体140/セパレータ40/2層積層体120のように積層し、積層方向の両側の面内中央部分を挟んで加熱することにより、図3のような積層構造体85を得る。このとき、図4に示すように、各セパレータ40の一方の面に負極10が接触し、他方の面に正極20が接触するように配置する。
そして、図3に示すようなリード線12,22を用意し、長さ方向中央部を樹脂等の絶縁体14でそれぞれ被覆する。
続いて、図3に示すように、各舌状部15aとリード線12の端部とを溶接し、各舌状部16aとリード線22の端部とを溶接する。
これにより、リード線12及びリード線22が接続された積層構造体85が完成する。
次に、ケース50の作製方法の一例について説明する。まず、ケース50のシート51を先に述べた複合包装フィルムから構成する場合には、ドライラミネーション法、ウエットラミネーション法、ホットメルトラミネーション法、エクストルージョンラミネーション法等の既知の製造法を用いて作製する。
例えば、複合包装フィルムを構成する合成樹脂製の層となるフィルム、アルミニウム等からなる金属箔を用意する。金属箔は、例えば金属材料を圧延加工することにより用意することができる。
次に、好ましくは先に述べた複数の層の構成となるように、合成樹脂製の層となるフィルムの上に接着剤を介して金属箔を貼り合わせる等して複合包装フィルム(多層フィルム)を作製する。そして、複合包装フィルムを所定の大きさに切断し、矩形状のフィルムを1枚用意する。
次に、先に図1を参照して説明したように、1枚のフィルムを中央で折り曲げて重ね合わせ、2辺のみを、例えば、シール機等を用いて所定の加熱条件で所望のシール幅だけヒートシールする。これによって、積層構造体85を導入するための開口部が形成された状態の袋状のケース50が得られる。
そして、開口部を有した状態のケース50の内部に、リード導体12及びリード導体22が電気的に接続された積層構造体85を挿入する。
続いて、ケース50内に積層構造体85を収容した後、前述の電解質溶液を注入して、積層構造体85を電解質溶液に含浸させる。
その後、リード線12、リード線22の一部がそれぞれケース50内から外部に突出した状態で、シール機を用いて、ケース50の開口部をシールする。このようにして電気二重層キャパシタ100の作製が完了する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されずさまざまな変形態様を取ることが可能である。
上記の実施形態では、積層構造体85は単セルとしての電気二重層キャパシタ要素61〜64を4つ有するものであったが、電気二重層キャパシタ要素を4つより多く有していてもよく、又、3つ以下、例えば、1つでもよい。また、これらの電気二重層キャパシタは、用途に応じて、複数を直列に接続して使用できる。
また、積層構造体85の作製においては、負極10及び正極20を上記塗布法以外の公知の薄膜製造技術を用いて形成することができる。具体的には、上述した、炭素材料、遷移金属酸化物、導電助剤及び結着剤を混合して混練し、混練物を圧延伸してシート状に成形することにより負極10及び正極20を形成することができる。
以下、実施例及び比較例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
(1)電極の作製
正極及び負極は以下の手順により作製した。まず、賦活処理を施した活性炭素材料(活性炭、比表面積:2000m/g))を82質量部、LiCoOを5質量部、結着剤としての熱可塑性樹脂(PTFE、三井・デュポンフロロケミカル社製、商品名「テフロン6J」)を5質量部、及び、導電助剤としてのアセチレンブラックを8質量部混合し、混練することによりペレット化した。得られたペレットをチタンメッシュに圧着し、これを打ち抜いて15mmφの正極を作製した。
次に、負極を作製した。負極の作製では、賦活処理を施した活性炭素材料(活性炭、比表面積:2000m/g))を82質量部、LiTi12を5質量部、結着剤としての熱可塑性樹脂(PTFE、三井・デュポンフロロケミカル社製、商品名「テフロン6J」)を5質量部、及び、導電助剤としてのアセチレンブラックを8質量部混合し、混練することによりペレット化した。得られたペレットをチタンメッシュに圧着し、これを打ち抜いて15mmφの負極を作製した。
(2)電解質溶液の調整
非水電解質溶媒としてのプロピレンカーボネート(PC)と、電解質塩としてのLiBFとを、塩濃度1Mとなるように混合して電解質溶液を調整した。
(3)充放電試験
上記で作製した正極及び負極について以下の充放電試験を行い、正極及び負極が到達する電位を測定した。
(3−1)正極の到達電位
上記で作製した正極を作用極、リチウム金属を対極及び参照極とし、上記電解質溶液を用いて作製したガラスセルに対して、電流密度1mA/cmにて3Vの充放電試験を行った。なお、試験はグローブボックス内で行った。そして、このときの充放電曲線から正極の到達電位を求めた。得られた結果を表1に示す。
(3−2)負極の到達電位
上記で作製した負極を作用極、リチウム金属を対極及び参照極とし、上記電解質溶液を用いて作製したガラスセルに対して、電流密度1.76mA/cmにて3Vの充放電試験を行った。なお、試験はグローブボックス内で行った。そして、このときの充放電曲線から負極の到達電位を求めた。得られた結果を表1に示す。
(4)容量及び電気二重層容量の割合の算出
上記で作製した正極及び負極を組み合わせた場合のセル容量を、正極及び負極の上記3V充電における充放電曲線での到達電位の差から算出した。得られた結果を表1に示す。
(実施例2)
正極の作製において、活性炭素材料を67質量部、LiCoOを20質量部、熱可塑性樹脂を5質量部、及びアセチレンブラックを8質量部混合、混練して得られたペレットから正極を作製したこと以外は実施例1と同様にして、実施例2の充放電試験、並びに、容量及び電気二重層容量の割合の算出を行った。得られた結果を表1に示す。
(実施例3)
正極の作製において、活性炭素材料を87質量部、熱可塑性樹脂を5質量部、及びアセチレンブラックを8質量部混合、混練して得られたペレットから正極を作製したこと以外は実施例1と同様にして、実施例3の充放電試験、並びに、容量及び電気二重層容量の割合の算出を行った。得られた結果を表1に示す。
(実施例4)
負極の作製において、活性炭素材料を67質量部、LiTi12を20質量部、熱可塑性樹脂を5質量部、及びアセチレンブラックを8質量部混合、混練して得られたペレットから負極を作製したこと以外は実施例1と同様にして、実施例4の充放電試験、並びに、容量及び電気二重層容量の割合の算出を行った。得られた結果を表1に示す。
(実施例5)
正極の作製において、活性炭素材料を67質量部、LiCoOを20質量部、熱可塑性樹脂を5質量部、及びアセチレンブラックを8質量部混合、混練して得られたペレットから正極を作製したこと以外は実施例4と同様にして、実施例5の充放電試験、並びに、容量及び電気二重層容量の割合の算出を行った。得られた結果を表1に示す。
(実施例6)
正極の作製において、活性炭素材料を87質量部、熱可塑性樹脂を5質量部、及びアセチレンブラックを8質量部混合、混練して得られたペレットから正極を作製したこと以外は実施例4と同様にして、実施例6の充放電試験、並びに、容量及び電気二重層容量の割合の算出を行った。得られた結果を表1に示す。
(実施例7)
負極の作製において、活性炭素材料を87質量部、熱可塑性樹脂を5質量部、及びアセチレンブラックを8質量部混合、混練して得られたペレットから負極を作製したこと以外は実施例1と同様にして、実施例7の充放電試験、並びに、容量及び電気二重層容量の割合の算出を行った。得られた結果を表1に示す。
(実施例8)
正極の作製において、活性炭素材料を67質量部、LiCoOを20質量部、熱可塑性樹脂を5質量部、及びアセチレンブラックを8質量部混合、混練して得られたペレットから正極を作製したこと以外は実施例7と同様にして、実施例8の充放電試験、並びに、容量及び電気二重層容量の割合の算出を行った。得られた結果を表1に示す。
(実施例9)
負極の作製において、活性炭素材料を47質量部、LiTi12を40質量部、熱可塑性樹脂を5質量部、及びアセチレンブラックを8質量部混合、混練して得られたペレットから負極を作製したこと以外は実施例3と同様にして、実施例9の充放電試験、並びに、容量及び電気二重層容量の割合の算出を行った。得られた結果を表1に示す。
(実施例10)
負極の作製において、活性炭素材料を47質量部、LiTi12を40質量部、熱可塑性樹脂を5質量部、及びアセチレンブラックを8質量部混合、混練して得られたペレットから負極を作製したこと以外は実施例1と同様にして、実施例10の充放電試験、並びに、容量及び電気二重層容量の割合の算出を行った。得られた結果を表1に示す。
(実施例11)
負極の作製において、活性炭素材料を47質量部、LiTi12を40質量部、熱可塑性樹脂を5質量部、及びアセチレンブラックを8質量部混合、混練して得られたペレットから負極を作製したこと以外は実施例2と同様にして、実施例11の充放電試験、並びに、容量及び電気二重層容量の割合の算出を行った。得られた結果を表1に示す。
(実施例12)
正極の作製において、活性炭素材料を47質量部、LiCoOを40質量部、熱可塑性樹脂を5質量部、及びアセチレンブラックを8質量部混合、混練して得られたペレットから正極を作製したこと以外は実施例7と同様にして、実施例12の充放電試験、並びに、容量及び電気二重層容量の割合の算出を行った。得られた結果を表1に示す。
(実施例13)
正極の作製において、活性炭素材料を47質量部、LiCoOを40質量部、熱可塑性樹脂を5質量部、及びアセチレンブラックを8質量部混合、混練して得られたペレットから正極を作製したこと以外は実施例1と同様にして、実施例13の充放電試験、並びに、容量及び電気二重層容量の割合の算出を行った。得られた結果を表1に示す。
(実施例14)
正極の作製において、活性炭素材料を47質量部、LiCoOを40質量部、熱可塑性樹脂を5質量部、及びアセチレンブラックを8質量部混合、混練して得られたペレットから正極を作製したこと以外は実施例4と同様にして、実施例14の充放電試験、並びに、容量及び電気二重層容量の割合の算出を行った。得られた結果を表1に示す。
(比較例1)
正極の作製において、活性炭素材料を87質量部、熱可塑性樹脂を5質量部、及びアセチレンブラックを8質量部混合、混練して得られたペレットから正極を作製し、負極の作製において、活性炭素材料を87質量部、熱可塑性樹脂を5質量部、及びアセチレンブラックを8質量部混合、混練して得られたペレットから負極を作製したこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の充放電試験、並びに、容量及び電気二重層容量の割合の算出を行った。得られた結果を表1に示す。
(比較例2)
正極の作製において、活性炭素材料を37質量部、LiCoOを50質量部、熱可塑性樹脂を5質量部、及びアセチレンブラックを8質量部混合、混練して得られたペレットから正極を作製したこと以外は比較例1と同様にして、比較例2の充放電試験、並びに、容量及び電気二重層容量の割合の算出を行った。得られた結果を表1に示す。
(比較例3)
正極の作製において、活性炭素材料を37質量部、LiCoOを50質量部、熱可塑性樹脂を5質量部、及びアセチレンブラックを8質量部混合、混練して得られたペレットから正極を作製したこと以外は実施例1と同様にして、比較例3の充放電試験、並びに、容量及び電気二重層容量の割合の算出を行った。得られた結果を表1に示す。
(比較例4)
正極の作製において、活性炭素材料を37質量部、LiCoOを50質量部、熱可塑性樹脂を5質量部、及びアセチレンブラックを8質量部混合、混練して得られたペレットから正極を作製したこと以外は実施例4と同様にして、比較例4の充放電試験、並びに、容量及び電気二重層容量の割合の算出を行った。得られた結果を表1に示す。
(比較例5)
負極の作製において、活性炭素材料を37質量部、LiTi12を50質量部、熱可塑性樹脂を5質量部、及びアセチレンブラックを8質量部混合、混練して得られたペレットから負極を作製したこと以外は比較例1と同様にして、比較例5の充放電試験、並びに、容量及び電気二重層容量の割合の算出を行った。得られた結果を表1に示す。
(比較例6)
正極の作製において、活性炭素材料を82質量部、LiCoOを5質量部、熱可塑性樹脂を5質量部、及びアセチレンブラックを8質量部混合、混練して得られたペレットから正極を作製したこと以外は比較例5と同様にして、比較例6の充放電試験、並びに、容量及び電気二重層容量の割合の算出を行った。得られた結果を表1に示す。
(比較例7)
正極の作製において、活性炭素材料を67質量部、LiCoOを20質量部、熱可塑性樹脂を5質量部、及びアセチレンブラックを8質量部混合、混練して得られたペレットから正極を作製したこと以外は比較例5と同様にして、比較例7の充放電試験、並びに、容量及び電気二重層容量の割合の算出を行った。得られた結果を表1に示す。
(比較例8)
正極の作製において、活性炭素材料を37質量部、LiCoOを50質量部、熱可塑性樹脂を5質量部、及びアセチレンブラックを8質量部混合、混練して得られたペレットから正極を作製したこと以外は比較例5と同様にして、比較例8の充放電試験、並びに、容量及び電気二重層容量の割合の算出を行った。得られた結果を表1に示す。
(比較例9)
負極の作製において、難黒鉛化炭素材料(比表面積:2.2m/g)を47質量部、LiTi12を40質量部、熱可塑性樹脂を5質量部、及びアセチレンブラックを8質量部混合、混練して得られたペレットから負極を作製したこと以外は比較例1と同様にして、比較例9の充放電試験、並びに、容量及び電気二重層容量の割合の算出を行った。得られた結果を表1に示す。
Figure 2006278234

以下に示す手順により実施例15、16、及び比較例10の積層型セルを作製した。
(実施例15)
先ず、正極を作製した。正極の作製においては、先ず、賦活処理を施した活性炭素材料(活性炭、比表面積:2000m/g))を72質量部、LiCoOを21質量部、結着剤としてのPVdF(呉羽化学社製)を5質量部、及び、導電助剤としてのアセチレンブラックを2質量部混合し、溶剤のN−メチルピロリドン中に分散させ、スラリーを得た。得られたスラリーをドクターブレード法によりアルミニウム箔に塗布して乾燥させ、圧延を行い、正極を得た。
次に、負極を作製した。負極の作製においても、先ず、賦活処理を施した活性炭素材料(活性炭、比表面積:2000m/g))を72質量部、LiTi12を20質量部、結着剤としてのPVdF(呉羽化学社製)を5質量部、及び、導電助剤としてのアセチレンブラックを2質量部混合し、溶剤としてのN−メチルピロリドン中に分散させ、スラリーを得た。得られたスラリーをドクターブレード法により集電体である電解銅箔に塗布して乾燥させ、圧延を行い、負極を得た。
次に、非水電解質溶媒としてのプロピレンカーボネート(PC)と、電解質塩としてのLiBFとを、塩濃度1Mとなるように混合して電解質溶液を調整した。
得られた正極及び負極の間にセルロースからなるセパレータを挟んで積層し積層体(素体)を得た。得られた積層体をアルミラミネートパックに入れ、このアルミラミネートパックに電解質溶液を注入した後に真空シールし、実施例15の積層型セル(縦:45mm、横:20mm、厚さ:0.5mm)を作製した。
(実施例16)
負極の作製において、活性炭素材料を93質量部、熱可塑性樹脂を5質量部、及びアセチレンブラックを2質量部混合し、溶剤としてのN−メチルピロリドン中に分散させたスラリーを用いて負極を作製したこと以外は実施例15と同様にして、実施例16の積層型セルを作製した。
(比較例10)
正極の作製において、活性炭素材料を93質量部、熱可塑性樹脂を5質量部、及びアセチレンブラックを2質量部混合し、溶剤としてのN−メチルピロリドン中に分散させたスラリーを用いて正極を作製し、負極の作製において、活性炭素材料を93質量部、熱可塑性樹脂を5質量部、及びアセチレンブラックを2質量部混合し、溶剤としてのN−メチルピロリドン中に分散させたスラリーを用いて負極を作製したこと以外は実施例15と同様にして、比較例10の積層型セルを作製した。
上記で得られた実施例15、16、及び比較例10の積層型セルについて、以下の評価試験方法により容量密度を求め評価した。
<高レート容量密度評価試験>
25℃において定電流放電を行った際の放電容量(F)を測定し、この放電容量(F)を電極の容積(cm)で割ることにより、容量密度(F/cc)を算出した。そして、これを、Cレートが1C、5C、10C、30C、50C、100Cおよび200Cの条件でそれぞれ実施し、各レートにおける容量密度(F/cc)を求めた。結果を表2に示す。なお、表2について説明すると、例えばCレートが1Cの欄には、1Cに相当する1.3mAで定電流放電を行った際の放電容量(F)と容量密度(F/cc)が示されており、30Cの欄には、30Cに相当する39mAで定電流放電を行った際の放電容量(F)と容量密度(F/cc)が示されている。
Figure 2006278234

以上、表1に示されるように、実施例1〜14では、正極の電位を4.5V未満且つ負極の電位を1.3V以上に制御できるとともに、電気二重層容量の割合を十分確保しつつセル容量の向上を達成できることが分かった。また、表2に示されるように、実施例15及び16の積層型セルは、実用的に必要とされる1Cから30Cまでのレートにおいて従来の電気二重層キャパシタの構成を有する比較例10の積層型セルに比べて極めて大きい容量密度を示しており、高容量化が達成されていることが分かった。さらに、両極にリチウムイオンを吸蔵放出する遷移金属酸化物を特定量含む実施例15の積層型セルは、200Cという高レートの条件においても高容量化が達成されていることが確認された。したがって、本発明によれば、高レートであっても十分な容量を確保できる優れたレート特性を有し、高容量、高出力及び長期安定性のすべてを高水準で満足する電気化学デバイスの実現が可能であることが確認された。
本発明の一実施形態に係る電気化学キャパシタとしての電気二重層キャパシタの一部破断斜視図である。 図1の電気二重層キャパシタのYZ平面に沿った断面図である。 図1の電気二重層キャパシタのXZ平面に沿った断面図である。 図1の電気二重層キャパシタの作成工程を示す断面図である。
符号の説明
10…負極、20…正極、15…負極集電体、16…正極集電体、40…セパレータ、50…ケース、61,62,63,64…電気二重層キャパシタ要素、85…積層構造体、100…電気二重層キャパシタ。

Claims (5)

  1. 炭素材料を含む一対の電極と、
    前記一対の電極と接触し、リチウム塩を含む電解液と、を備える電気化学デバイスであって、
    前記一対の電極の一方又は両方が、リチウムイオンを吸蔵放出する遷移金属酸化物を含み、
    前記一対の電極のうち第1の電極に含まれる遷移金属酸化物の前記炭素材料に対する質量比をXとし、前記一対の電極のうち第2の電極に含まれる遷移金属酸化物の前記炭素材料に対する質量比をYとした場合に、下記一般式(1)、(2)及び(3)を満たす電気化学デバイス。
    0≦X≦1.0 …(1)
    0≦Y≦1.0 …(2)
    X+Y>0 …(3)
  2. 前記第1の電極に含まれる遷移金属酸化物は、1.2V〜1.8V(Li/Li基準)にリチウムイオンを吸蔵放出する平衡電位を示すものである請求項1に記載の電気化学デバイス。
  3. 前記第2の電極に含まれる遷移金属酸化物は、3.8V〜4.7V(Li/Li基準)にリチウムイオンを吸蔵放出する平衡電位を示すものである請求項1又は2に記載の電気化学デバイス。
  4. 前記第1の電極に含まれる遷移金属酸化物が、LiTi12、TiO、CoO、CuO、NiO又はFeOである請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気化学デバイス。
  5. 前記第2の電極に含まれる遷移金属酸化物が、LiMO(Mは、Co、Ni又はMnを示す)、LiNiMnCo(1−x−y)(0.1≦x≦0.8、0.05≦y≦0.5)、LiNiCoAl(1−x−y)(0.1≦x≦0.8、0.1≦y≦0.5)、LiNiMn(2−x)(0.1≦x≦0.8)若しくはLiNiMn(1−x)(0.1≦x≦0.8)で表される金属酸化物又はLiMnである請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気化学デバイス。
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