以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、この実施の形態で説明するテレビジョン放送受信装置11の正面側の外観を示している。すなわち、このテレビジョン放送受信装置11は、主として、装置本体となるほぼ四角形状に形成された薄型のキャビネット12と、このキャビネット12を起立させて支持するスタンド13とから構成されている。
そして、上記キャビネット12には、その正面に、例えば平面型液晶表示パネル等でなる映像表示器14の表示画面14aが露出されるとともに、一対のスピーカ15、操作部16、後述するリモートコントローラ(図1では図示せず)17から送信される操作情報を受けるための受光部18等が配置されている。
また、上記スタンド13は、ほぼ薄型の箱状に形成されており、その一方の平面である底面板13aを、水平に設置された所定の基台(図示せず)上に載置するように構成されている。そして、このスタンド13は、上記基台上に載置される面と反対側の面である上面板13bのほぼ中央部から上方に突出する支持部材19が、上記キャビネット12の背面に連結されることにより、キャビネット12を起立させた状態で支持している。
ここで、上記スタンド13は、その内部に後述するHDDユニット(図1では図示せず)20を収容可能となされている。そして、このスタンド13の上面板13bには、キャビネット12よりも正面側にせり出している部分に、HDDユニット20を記録、再生、停止状態等に制御するための、押圧操作可能な複数(図示の場合は4つ)の操作子21が配置されている。
図2は、上記テレビジョン放送受信装置11の信号処理系を概略的に示している。この信号処理系を構成する各種の回路ブロックは、主として、上記キャビネット12の内部で背面に近い位置、つまり、上記映像表示器14の表示画面14aの裏側あたりに配置されている。
そして、デジタルテレビジョン放送受信用のアンテナ22で受信したデジタルテレビジョン放送信号は、入力端子23を介してチューナ部24に供給される。このチューナ部24は、入力されたデジタルテレビジョン放送信号から所望のチャンネルの信号を選局し復調している。そして、このチューナ部24から出力された信号は、デコーダ部25に供給されて、例えばMPEG(moving picture experts group)2デコード処理が施された後、セレクタ26に供給される。
さらに、アナログテレビジョン放送受信用のアンテナ27で受信したアナログテレビジョン放送信号は、入力端子28を介してチューナ部29に供給される。このチューナ部29は、入力されたアナログテレビジョン放送信号から所望のチャンネルの信号を選局し復調している。そして、このチューナ部29から出力された信号は、A/D(analog/digital)変換部30によりデジタル化された後、上記セレクタ26に出力される。
また、アナログ信号用の入力端子31に供給されたアナログの映像及び音声信号は、A/D変換部32に供給されてデジタル化された後、上記セレクタ26に出力される。さらに、デジタル信号用の入力端子33に供給されたデジタルの映像及び音声信号は、そのまま上記セレクタ26に供給される。
上記セレクタ26は、4種類の入力デジタル映像及び音声信号から1つを選択して、信号処理部34に供給している。この信号処理部34は、入力されたデジタル映像信号に所定の信号処理を施して上記映像表示器14での映像表示に供させている。この映像表示部14としては、例えば、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等でなるフラットパネルディスプレイが採用される。また、上記信号処理部34は、入力されたデジタル音声信号に所定の信号処理を施し、アナログ化して上記スピーカ15に出力することにより、音声再生を行なっている。
ここで、このテレビジョン放送受信装置11は、上記した各種の受信動作を含む種々の動作を制御部35によって統括的に制御されている。この制御部35は、CPU(central processing unit)等を内蔵したマイクロプロセッサであり、上記操作部16や操作子21(図2では図示せず)からの操作情報、または、上記リモートコントローラ17から送信された操作情報を受光部18を介して受けることにより、その操作内容が反映されるように各部をそれぞれ制御している。
この場合、制御部35は、メモリ部36を使用している。このメモリ部36は、主として、そのCPUが実行する制御プログラムを格納したROM(read only memory)と、該CPUに作業エリアを提供するためのRAM(random access memory)と、各種の設定情報及び制御情報等が格納される不揮発性メモリとを備えている。
ここで、上記制御部35は、スタンド13内に収容されたHDDユニット20と接続されている。この場合、制御部35からHDDユニット20に電源電力及び制御信号の供給を行なうライン37は、接続部38を介して制御部26とHDDユニット20とを接続している。
また、制御部35とHDDユニット20との間でデジタル映像及び音声信号を授受するライン39は、i.Link(登録商標)接続部40を介して制御部35とHDDユニット20とを接続している。すなわち、制御部35とHDDユニット20との間でのデジタル映像及び音声信号の伝送は、電源及び制御信号とは別個にi.Linkによって行なわれる。
そして、上記テレビジョン放送受信装置11は、セレクタ26で選択されたデジタルの映像及び音声信号を、HDDユニット20により記録することができるとともに、HDDユニット20に記録されたデジタルの映像及び音声信号を再生し、視聴に供させることができる。
図3は、上記スタンド13を背面側から見た状態を示している。すなわち、スタンド13は、前述したようにほぼ薄型の箱状に形成されており、その背面板13cから上面板13bのほぼ中央部にかけての大部分が連続的に開口されることにより、着脱用口13dが形成されている。この着脱用口13dは、図示しない蓋体によって閉塞することが可能である。
このスタンド13の底面板13aのほぼ中央部には、円筒形状の支持柱体41が垂直に突設されている。この支持柱体41は、その先端部が上面板13bに形成された着脱用口13dを介して、上面板13bよりも上方に突出されている。そして、この支持柱体41の先端部に、上記キャビネット12と連結される支持部材19が取着されている。
また、スタンド13は、その内部の大部分が空洞になっており、上記HDDユニット20を収容可能な収容部42となっている。この場合、HDDユニット20は、スタンド13の外部より、スタンド13の背面側の着脱用口13dから底面板13aに沿うように挿入されることによって、スタンド13内部に収容される。また、スタンド13内部に収容されたHDDユニット20は、スタンド13の背面側の着脱用口13dから底面板13aに沿うようにして、スタンド13の外部に取り出すことができる。
すなわち、HDDユニット20は、スタンド13内に収容されて映像及び音声信号の記録再生を行なえるとともに、スタンド13に対して着脱が可能なように、つまり、交換が可能となるように構成されている。
図4は、上記HDDユニット20の外観を示している。このHDDユニット20は、上記スタンド13内に、その内部をほぼ占有するように収容される、薄型の箱状に形成されたユニットケース43を備えている。このユニットケース43は、上側ユニットケース43aと下側ユニットケース43bとを合体させることにより構成される。
そして、このユニットケース43は、その正面43c、つまり、スタンド13内に挿入される際の挿入方向先端部に、そのほぼ中央部から内方に向けて大きく削除された逃げ部43dが形成されており、全体としては、平面的に見てほぼコ字状に形成されている。このユニットケース43の逃げ部43dは、ユニットケース43をスタンド13内に挿入する際に、上記支持柱体41を避けるために形成されている。
また、ユニットケース43のスタンド13内への挿入方向先端部のうち、図4の上で逃げ部43dの右側に対応する部分には、コネクタ44(第2のコネクタ)が設置されている。このコネクタ44は、図2に示した接続部38に相当しており、ユニットケース43がスタンド13内に収容されたとき、キャビネット12側から電源電力及び制御信号の供給を受けるために使用される。
さらに、ユニットケース43のスタンド13内への挿入方向先端部のうち、図4の上で逃げ部43dの左側に対応する部分には、その上側ユニットケース43aに複数(図示の場合は4つ)の操作片45が形成されている。これらの操作片45は、ユニットケース43がスタンド13内に収容されたとき、スタンド13の上面板13bに配置された各操作子21に対応する位置に形成されている。
これらの操作片45は、それぞれ、上側ユニットケース43aを舌状に裁断して弾性を持たせたもので、操作子21が押圧操作されると、その操作子21に押されてユニットケース43の内方に弾性変形し、ユニットケース43内に設置されたスイッチ(図4では図示せず)46を押圧操作するという、操作力の中継を行なっている。
また、ユニットケース43のスタンド13内への挿入方向後端部、つまり、背面43eには、ユニットケース43をスタンド13内から引き出すための手かけ部47が設置されている。
さらに、ユニットケース43の背面43eには、i.Link(登録商標)コネクタ48が設置されている。このi.Linkコネクタ48は、図2に示したi.Link接続部40に相当しており、ユニットケース43がスタンド13内に収容されたとき、キャビネット12側との映像及び音声信号の授受を行なうために使用される。
この場合、i.Linkコネクタ48には、キャビネット12側から延出される図2に示したライン39に相当する信号線(図4では図示せず)49が接続されることになる。そこで、上側ユニットケース43aには、その平面部に、上記信号線49を収容しi.Linkコネクタ48まで案内するためのガイド溝43fが形成されている。
また、ユニットケース43のスタンド13内への挿入方向に直交する方向、つまり、幅方向の一対の側面43gには、それぞれ、ユニットケース43をスタンド13内に挿入する際の案内となるガイド面43hが形成されている。このガイド面43hは、ユニットケース43がスタンド13内へ挿入される際に上方を向き、かつ、挿入方向に沿うように形成されている。
さらに、このガイド面43hには、ユニットケース43のスタンド13内への挿入方向後端部寄りに、板ばね43h1が形成されている。この板ばね43h1は、例えば、ガイド面43hを舌状に裁断して、ガイド面43hよりも上方に付勢力を発するように形成されるものとする。
また、上記上側ユニットケース43aには、その平面部のうち、逃げ部43dの最奥に対応する位置に、取付片43iが形成されている。この取付片43iには、ユニットケース43のスタンド13内への挿入方向に沿ってねじ50が挿通されるようになっている。このねじ50は、ユニットケース43がスタンド13内に収容されたとき、スタンド13内の支持柱体41に螺着して、ユニットケース43を固定するものである。なお、このねじ50としては、ユーザがねじ回し等の工具を用いることなく、素手で回すことができるタイプのものが使用される。
図5は、上記スタンド13を背面側から見た状態を示している。図3に比べて、支持柱体41から支持部材19を取り除いている点が異なっている。すなわち、ユニットケース43の上側ユニットケース43aに形成された取付片43iには、上記ねじ50が挿通される透孔43i1が形成されている。また、支持柱体41には、ユニットケース43がスタンド13内に収容されたとき、取付片43iの透孔43i1と対向する位置に、上記ねじ50が螺着されるねじ孔41aが形成されている。
図6は、上記HDDユニット20の内部構成を示している。すなわち、下側ユニットケース43bには、その逃げ部43dを挟んだ両側のうち、上記コネクタ44が設置されている側に、コネクタ44に接続された中継用回路基板51と、HDD本体52とが収容されている。
また、下側ユニットケース43bには、その逃げ部43dを挟んだ両側のうち、上側ユニットケース43aの操作片45によって押圧されるスイッチ46が設置される側に、該スイッチ46が接続された操作電源用回路基板53と、上記i.Linkコネクタ48が接続された制御用回路基板54とが収容されている。
さらに、下側ユニットケース43bの中央部には、冷却用のファン55が設置されている。
そして、上記HDD本体52及び制御用回路基板54をシールドケース56によって覆うことにより、デジタル高速処理における不要輻射の漏れを抑え、下側ユニットケース43bと上側ユニットケース43aとを合体させることにより、HDDユニット20が構成される。
図7は、下側ユニットケース43bにシールドケース56が取り付けられた状態を示している。シールドケース56のファン55に対応する部分には、ファン55の径とほぼ同等の径を有する開口部56aが形成され、放熱のための空気流が妨害されないように対策されている。
図8は、HDDユニット20が内部に収容されたスタンド13を正面側から見た状態を示している。すなわち、HDDユニット20は、スタンド13の上面板13dによって、そのスタンド13内への挿入方向先端部からほぼ中央部分までが覆われるようになる。そして、スタンド13の着脱用口13dを図示しない蓋体によって閉塞することにより、HDDユニット20が露出することなくスタンド13内に収容される。
ここで、上記キャビネット12からは、スタンド13内に収容されたHDDユニット20との電気的接続を図るために、前述した信号線49と電源制御線57とがスタンド13の収容部42内に向けて延出されている。
このうち、信号線49は、前述したように、図2に示したライン39に相当し、キャビネット12側との映像及び音声信号の授受を行なうために使用されるものである。この信号線49には、その先端部に、HDDユニット20の背面43eに設置されたi.Linkコネクタ48と接続するためのi.Linkコネクタ58(図2のi.Link接続部40に相当)が取着されている。
そして、スタンド13内にHDDユニット20を収容した状態で、信号線49を上側ユニットケース43aに形成されたガイド溝43f内に収容させて引き回し、その先端部に取着されたi.Linkコネクタ58を、HDDユニット20の背面43eに設置されたi.Linkコネクタ48と接続する。これにより、キャビネット12側とHDDユニット20との間で、映像及び音声信号の伝送を行なうことが可能となる。
また、上記電源制御線57は、図2に示したライン37に相当し、キャビネット12側からHDDユニット20に対して電源電力及び制御信号の供給を行なうために使用されるものである。
図9は、スタンド13の上面板13bを取り外した状態を示している。すなわち、スタンド13内には、そこに収容されたHDDユニット20のコネクタ44と対応する位置にコネクタ59(第1のコネクタ)が設置されている。このコネクタ59は、図2に示した接続部38に相当しており、HDDユニット20がスタンド13内に収容されたとき、HDDユニット20のコネクタ44が接続されるようになっている。
このコネクタ59は、スタンド13の底面板13aに取着された中継用回路基板60に、そこに設けられた配線と電気的に接続されるように機械的に取着されている。そして、この中継用回路基板60に、キャビネット12側から延出された上記電源制御線57が接続されている。これにより、電源制御線57、中継用回路基板60、コネクタ59,44を介して、キャビネット12側からHDDユニット20に対して電源電力及び制御信号の供給を行なうことができる。
この場合、中継用回路基板60のスタンド13内における設置位置は、図9に示す位置から図8を見て容易に想定されるように、上面板13bで覆われるスタンド13内の領域のうち、着脱用口13dからみて最も奥側になっている。このため、スタンド13内からHDDユニット20を取り出した状態で、コネクタ59及び中継用回路基板60にユーザが容易に触れられないようになされている。これによって、中継用回路基板60が活電状態にあっても、この中継用回路基板60及びコネクタ59にユーザが触れることがないため、感電等の事故を防止することができるものである。
また、スタンド13の底面板13aには、キャビネット12側から延出された電源制御線57を中継用回路基板60に導くための、保護経路61が形成されている。この保護経路61は、内部に電源制御線57を収容して引き回す溝状に形成されており、スタンド13内からHDDユニット20を取り出した状態で、電源制御線57にユーザが触れられないように保護している。これによって、中継用回路基板60及びコネクタの設置位置とあいまってさらに高い安全性が確保されるものである。
ここで、スタンド13の底面板13aには、HDDユニット20の一対の側面43g及びそこに形成されたガイド面43hにそれぞれ係合する2対のガイド部材62,63が、HDDユニット20の挿入方向に沿って設置されている。
これらガイド部材62,63は、それぞれ、HDDユニット20をその幅方向に挟むように互いに対向して設置されており、HDDユニット20の側面43gに係合してその幅方向の位置規制を行なう第1のガイド部62a,63aと、HDDユニット20の側面43gに形成されたガイド面43hと係合してその高さ方向の位置規制を行なう第2のガイド部62b,63bとを備えている。
この場合、スタンド13の着脱用口13dに対して奥側に位置するガイド部材63は、その第1及び第2のガイド部63a,63bが、HDDユニット20の側面43g及びガイド面43hにほぼ隙間なく接触されるように設定されている。
これに対し、スタンド13の着脱用口13dに近い側に位置するガイド部材62は、その第1及び第2のガイド部62a,62bが、HDDユニット20の側面43g及びガイド面43hに対して、若干の隙間が形成されるように設定されている。
これにより、HDDユニット20をスタンド13内に挿入し易くなり、かつ、挿入した状態でコネクタ44をコネクタ59に正しく接続させることが可能となる。
また、スタンド13の着脱用口13dに近い側に位置するガイド部材62には、その第1のガイド部62aにHDDユニット20の側面43gに圧設される板ばね62cが形成されている。この板ばね62cは、例えば第1のガイド部62aの一部を舌状に裁断して弾性を持たせたものである。これにより、スタンド13内に収容されたHDDユニット20の、幅方向のがたつきを抑えることができる。
さらに、HDDユニット20は、スタンド13内に収容された状態で、そのガイド面43hに形成された板ばね43h1(図4参照)が、ガイド部材63の第2のガイド部63bに圧設される。これにより、スタンド13内に収容されたHDDユニット20の、高さ方向のがたつきを抑えることができる。
図10は、内部にHDDユニット20を収容したスタンド13の上面板13bを取り外した状態を示している。すなわち、HDDユニット20のコネクタ44が、スタンド13内の中継用回路基板60に取り付けられたコネクタ59に接続されていることがわかる。また、この中継用回路基板60をキャビネット12側に電気的に接続する電源制御線57が、スタンド13内に形成された保護経路61に収容されていることがわかる。
図11は、内部にHDDユニット20を収容したスタンド13を上面側から見た状態を示している。すなわち、キャビネット12側とHDDユニット20との間で映像及び音声信号を伝送する信号線49が、HDDユニット20に形成されたガイド溝43f内に収容されるとともに、その先端部に取着されたi.Linkコネクタ58がHDDユニット20の背面43eに設置されたi.Linkコネクタ48に接続されていることがわかる。
また、スタンド13内のガイド部材62によって、HDDユニット20の側面43e及びガイド面43hが案内されていることがわかる。
ここで、HDDユニット20は、スタンド13内に収容されている状態で、ユーザが、その手かけ部47を持って引き出すことにより、スタンド13内から取り出される。この場合、ユーザが、一方の手によりキャビネット12を抑え安定させた状態で、他方の手により手かけ部47を持ちHDDユニット20の取り出しを行なえるように、つまり、片手でHDDユニット20を引き出せるように、手かけ部47の位置が考慮されている。
すなわち、図10に示したように、平面的にほぼコ字状に形成されたHDDユニット20は、その逃げ部43dを挟んで併設される2つの部分のうち、HDD本体52を収容している部分の方が、他方の部分よりも重量的に重くなっている。つまり、HDDユニット20の重心位置は、HDDユニット20の幅方向の中心線C1上に存在せず、この中心線C1よりもHDD本体52を収容している部分寄りに存在することになる。
また、このHDD本体52を収容している部分は、スタンド13内のコネクタ59と接続されるコネクタ44を有している。このため、HDDユニット20をスタンド13から引き出す際には、HDDユニット20のコネクタ44をスタンド13内のコネクタ59から引き抜くための負荷が、HDD本体52を収容している部分に加わることになる。
このため、HDDユニット20のコネクタ44をスタンド13内のコネクタ59から引き抜いて、HDDユニット20をスタンド13から引き出すための手かけ部47は、その中心線C2を、HDDユニット20の幅方向の中心線C1よりもHDD本体52を収容している部分寄りに設定することにより、片手で容易にHDDユニット20をスタンド13内から取り出すことが可能となる。
また、スタンド13の底面板13aには、その背面側に、テレビジョン放送受信装置11の全体の重心位置を考慮して設定された一対の転倒防止バンド64が設置されている。この場合、上記手かけ部47は、その中心線C2が一対の転倒防止バンド64の間に存在するように設定されることが好ましい。
なお、図2では、テレビジョン放送受信装置11の信号処理系を、キャビネット12とスタンド13とに分割して記載したが、信号処理系としては、キャビネット12とスタンド13とを特に区別して記載する必要はなく、図12に示すように、テレビジョン放送受信装置11がHDDユニット20を内蔵しているというように等価的に記載することができる。
上記した実施の形態によれば、まず、テレビジョン放送受信装置11の映像表示器14を備えたキャビネット12を支持するためのスタンド13に、HDDユニット20つまりHDD本体52が内蔵されるようにしたので、キャビネット12の薄型化を損なうことなく、大記録容量を有するHDD本体52を収容することが可能となる。
また、スタンド13内にHDD本体52を収容することにより、HDD本体52でのデジタル高速処理における不要輻射が、キャビネット12内の各種信号処理系に届きにくくなって、映像及び音声の再生に悪影響を及ぼすことが防止される。さらに、スタンド13内にHDD本体52を収容することにより、HDD本体52で発生した熱が、キャビネット12内の各種信号処理系に悪影響を及ぼすことも防止される。
ここで、HDD本体52は、ユニットケース43に収容することにより、HDDユニット20としてユニット化し、スタンド13に対して着脱可能として、ユーザが容易に交換できるようにしたので、HDD本体52の故障時におけるサービス性を向上させることができる。また、ユニット化することにより、ユーザがHDD本体52に直接触れられないようにしているので、安全性の点でも実用的である。
この場合、HDDユニット20は、スタンド13内に設置された支持柱体41を避けるために、平面的に見てほぼコの字型に形成している。そして、HDDユニット20の側面43gにガイド面43hを形成し、スタンド13内にHDDユニット20の側面43g及びガイド面43hにそれぞれ係合する2対のガイド部材62,63を設置して、スタンド13に対するHDDユニット20の着脱が容易に行なえるようにしている。
特に、スタンド13の着脱用口13dに対して奥側に位置するガイド部材63は、HDDユニット20の側面43g及びガイド面43hにほぼ隙間なく接触されるように設定され、スタンド13の着脱用口13dに近い側に位置するガイド部材62は、HDDユニット20の側面43g及びガイド面43hに対して、若干の隙間が形成されるように設定されているので、HDDユニット20をスタンド13内に挿入し易くなり、かつ、挿入した状態でコネクタ44をコネクタ59に正しく接続させることが可能となる。
また、ガイド部材62に形成された板ばね62cと、HDDユニット20のガイド面43hに形成された板ばね43h1とにより、スタンド13内に収容されたHDDユニット20が、がたつきなく安定に保持されることになる。
さらに、HDDユニット20の内部に冷却用のファン55を設置するようにしたので、HDD本体52に対して効率的な放熱を行なうことができる。特に、ファン55は、コ字状に形成されたHDDユニット20の中央部に設置しているので、逃げ部43dを挟んだ両側の部分から発生する熱を効率的に放出することが可能となる。
また、HDDユニット20の内部でHDD本体52及び制御用回路基板54をシールドケース56によって覆うことにより、デジタル高速処理における不要輻射の漏れをより一層抑えることができる。
さらに、スタンド13内に収容されたHDDユニット20に対する電源電力の供給は、テレビジョン放送受信装置11の本体であるキャビネット12側から供給するようにしている。
この場合、HDDユニット20に対して電源電力及び制御信号の供給を行なう電源制御線57は、スタンド13内に設けられた保護経路61に収容されて引き回されることにより、スタンド13内からHDDユニット20を取り出した状態で、ユーザが触れられないように保護されており、安全性が推進されることになる。
また、電源制御線57が接続される中継用回路基板60及びこの中継用回路基板60に取り付けられたコネクタ59は、スタンド13内で着脱用口13dからみて最も奥側に設置されているため、スタンド13内からHDDユニット20を取り出した状態で、ユーザが容易に触れられないようになされており、電源制御線57が保護経路61に収容されて引き回されていることとあいまって、さらに高い安全性を確保することができるものである。
さらに、スタンド13にHDDユニット20を制御するための操作子21を設置し、HDDユニット20にスタンド13内に収容された状態で操作子21に対応する位置に操作片45を形成し、操作子21の操作力が操作片45を介してHDDユニット20内のスイッチ46に伝達されるようにしている。これにより、スタンド13に対して着脱可能となされているHDDユニット20に対して、その内蔵されたスイッチ46を外部から操作可能となる。
ここで、上記操作子46は、スタンド13を正面側から見た場合、スタンド13の右側に設置することが、ユーザが右手で操作することができて便利である。このため、HDDユニット20内において、スイッチ46は、逃げ部43dを挟んで対向する2つの部分のうち、操作子46に対応する部分の挿入方向先端部に設置する必要がある。
これにより、スタンド13内において、中継用回路基板60が着脱用口13dからみて最も奥側に設置し、ユーザが容易に触れられないようにするという条件を満足させるために、中継用回路基板60のコネクタ59と接続されるHDDユニット20のコネクタ44を、逃げ部43dを挟んで対向する2つの部分のうち、スイッチ46が設置されている部分と反対側の部分の挿入方向先端部に設置している。
また、HDDユニット20は、ユーザが工具等を用いることなく、素手で回せるねじ50によって、スタンド13内に固定されるようにして、ユーザによる交換作業を容易化している。
さらに、スタンド13内に収容されたHDDユニット20と、テレビジョン放送受信装置11の本体であるキャビネット12側との間における映像及び音声信号の伝送は、i.Link接続によって行なわれている。
この場合、キャビネット12側とHDDユニット20とを接続する信号線49は、HDDユニット20に形成されたガイド溝43f内に収容されて、HDDユニット20の背面43eまで導かれ、その先端部に取着されたi.Linkコネクタ58がHDDユニット20の背面43eに設置されたi.Linkコネクタ48に接続される。
これにより、ユーザが、i.Linkコネクタ58をHDDユニット20のi.Linkコネクタ48に接続する作業が容易化される。また、信号線49をHDDユニット20のガイド溝43f内に収容することにより、信号線49が保護されるとともに、スタンド13の高さを低く抑えることができる。
さらに、HDDユニット20をスタンド13から引き出すための手かけ部47は、その中心を、HDDユニット20の幅方向の中心線C1よりもHDD本体52を収容している部分寄りに設定することにより、ユーザが片手で容易にHDDユニット20をスタンド13内から取り出すことが可能となる。
なお、この発明は上記した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を種々変形して具体化することができる。また、上記した実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜に組み合わせることにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良いものである。さらに、異なる実施の形態に係る構成要素を適宜組み合わせても良いものである。
11…テレビジョン放送受信装置、12…キャビネット、13…スタンド、14…映像表示器、15…スピーカ、16…操作部、17…リモートコントローラ、18…受光部、19…支持部材、20…HDDユニット、21…操作子、22…アンテナ、23…入力端子、24…チューナ部、25…デコーダ部、26…セレクタ、27…アンテナ、28…入力端子、29…チューナ部、30…A/D変換部、31…入力端子、32…A/D変換部、33…入力端子、34…信号処理部、35…制御部、36…メモリ部、37…ライン、38…接続部、39…ライン、40…i.Link接続部、41…支持柱体、42…収容部、43…ユニットケース、44…コネクタ、45…操作片、46…スイッチ、47…手かけ部、48…i.Linkコネクタ、49…信号線、50…ねじ、51…中継用回路基板、52…HDD本体、53…操作電源用回路基板、54…制御用回路基板、55…ファン、56…シールドケース、57…電源制御線、58…i.Linkコネクタ、59…コネクタ、60…中継用回路基板、61…保護経路、62,63…ガイド部材、64…転倒防止バンド。