JP2006276088A - 平版印刷用原版及びその製版方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】安価で耐刷性の優れた平版印刷用原版及びその製版方法を提供する。
【解決手段】粗面化処理し、陽極酸化処理したアルミニウム板表面の反射率が10%以下であることを特徴とする平版印刷用原版、及び、該平版印刷用原版を、レーザーを用いて露光した後、pH13以上のアルカリ溶液で処理することを特徴とする製版方法。
【選択図】 なし。
【解決手段】粗面化処理し、陽極酸化処理したアルミニウム板表面の反射率が10%以下であることを特徴とする平版印刷用原版、及び、該平版印刷用原版を、レーザーを用いて露光した後、pH13以上のアルカリ溶液で処理することを特徴とする製版方法。
【選択図】 なし。
Description
本発明は、平版印刷用原版及びその製版方法に関する。
一般に、アルミニウム板を支持体とする感光性平版印刷版は、支持体上に感光性組成物を塗布し、陰画などを通して活性化光を照射露光し、露光部が硬化し、現像液により露光部を残し未露光部を溶解除去する事で親水性表面を有するアルミニウム支持体上に、露光パターンに応じた形で、親油性表面を有する硬化した被膜を形成するものである。
上記の感光性組成物としては、ジアゾ樹脂に高分子化合物を組み合わせたものが広く用いられており、米沢輝彦著、「PS版概論」(印刷学会出版部発行)や、永松元太郎、乾英夫著、「感光性高分子」(講談社発行)、山岡亜夫、松永元太郎著、「フォトポリマーテクノロジー」(日刊工業発行)等に詳しく述べられている。
また、近年のコンピューターの進歩によりデジタル化された原稿データを、直接レーザービームを用いてフィルムを介在させずに印刷版に直接画像露光を行うCTP(コンピュータ・ツゥ・プレート)システムが各社から提案されている。
例えば、数μJ/cm2の高感度のCTP版としては、銀塩DTR方式のもの、有機半導体方式のもの、数百μJ/cm2の比較的高感度のCTP版としては、高感度フォトポリマー方式のもの、数百mJ/cm2の低感度のCTP版としては、例えば、架橋・解架橋方式のサーマルプレートが提案されている。また、湿式処理を必要としない平版印刷用原版として、平版印刷用原版の画像形成層に、赤外線レーザービームを照射して照射部分の画像形成層を除去すること(アブレーション)によって画像を形成することが可能な平版印刷用原版が、例えば特開平06−43635号公報、特開平11−65106号公報、特開2000−211097号公報、特表2002−500973号公報等に記載される。しかし、これらの印刷版は、どれも感光層やポリマー層等の有機物層等を別途に支持体上に設層するため、非経済的であり、しかも印刷版として重要な耐刷性能に問題を有している。
また、レーザーアブレーションを利用した平版印刷版として、例えば、親水性表面を有するか、親水性層を設けた支持体上に、金属層とその上面に50nm未満の厚さを有する疎水性層を含むヒートモード記録材料、及び、その材料を用いて平版印刷版を製版する方法が特開平7−1848号公報(特許文献1)に提案され、親水性表面を有するか、親水性層を設けた支持体上に、銀錯塩拡散転写法で形成した銀薄膜を除去する方式が特開平10−180976号公報等(特許文献2)に提案されている。しかし、これら平版印刷版においても、銀を画像として用いるため、材料コスト及び銀薄膜層を作製するための処理コストが高く、耐刷性能に問題を有している。
特開平7−1848号公報
特開平10−180976号公報
本発明の目的は、安価で耐刷性の優れた新規の平版印刷用原版及びその製版方法を提供することにある。
本発明の上記課題は、粗面化処理し、陽極酸化処理したアルミニウム板表面の反射率が10%以下であることを特徴とする平版印刷用原版、及び、該平版印刷用原版を、レーザーを用いて露光した後、pH13以上のアルカリ溶液で処理することを特徴とする製版方法により達成された。
本発明によって、安価で耐刷性の優れた平版印刷用原版及びその製版方法を提供する事ができる。
本発明者等は、アルミニウム板の表面処理において、種々の検討を行った結果、電解粗面化処理において、処理条件を工夫することにより、中性色を有するアルミ化合物の析出した表面が生成することに着目し、この表面を光吸収層として利用することで、別途に光吸収層を設けたり、表面を着色したりしなくても、レーザーアブレーション方式で容易に画像形成できることを見出した。アルミニウム表面処理の分野では、この中性色を有するアルミ化合物は、スマットと呼ばれ、例えば、特開2002−214790号公報には、スマットとは、アルミニウムの酸化物、酸化物の水和物、水酸化物のほかに、鉄分など不純物の酸化物、水酸化物などと記載されている。
この方法によると、レーザー露光した部分は、中性色の表面を通じて、陽極酸化層まで除去され、インキ受理部となる。一方、未露光部は、pH13以上のアルカリ溶液で処理し、中性色を有するアルミ化合物を取り除くことによって、親水性の陽極酸化層を露出させ、非画像部を形成する。
上述した様なレーザーアブレーション方式により画像部と非画像部を形成させるには、アルミニウム板の表面の反射率が10%以下である必要がある。該アルミニウム板の反射率を測定する方法としては、一般に市販されている反射型のUV、可視分光光度計を用いて容易に測定することができる。市販される反射型UV、可視分光光度計としては、例えば株式会社日立製作所製U−3500が挙げられる。前記反射率の測定にあたり、リファレンスサンプルとしては酸化マグネシウムのペレットを用いる。このペレットは反射型UV、可視分光光度計を市販するメーカーから入手可能である。
本発明における反射率とは、全波長領域の反射率ではなく、露光に用いるレーザーの波長と同じ波長における光の反射率を意味する。
本発明における反射率とは、全波長領域の反射率ではなく、露光に用いるレーザーの波長と同じ波長における光の反射率を意味する。
次に、本発明の平版印刷用原版を作製する際のアルミニウム板の表面処理方法について説明する。該アルミニウム板の表面処理は、脱脂、粗面化、陽極酸化の順に処理が施される。本発明の平版印刷用原版の粗面化処理は、塩酸或は硝酸等による電気化学的エッチングによる電解粗面化方法を用いる。電解液としては、硝酸或はその塩、塩酸或はその塩、或はそれらの1種或は2種以上の混合物の水溶液が使用できる。さらに必要に応じて硫酸、燐酸、クロム酸、ほう酸、有機酸、或はそれらの塩、硝酸塩、塩化物、アンモニウム塩、アミン類、界面活性剤、その他の腐食促進剤、腐食抑制剤、安定化剤等を加えて使用される。電解液の濃度としては上記の酸類の濃度が0.1〜10質量%であり、電解液中のアルミニウムイオンの濃度を0〜10g/リットル範囲に維持したものが使われる。また、電解粗面化処理では電解の進行により、アルミニウムがとけ込み、酸類が消費されるので、電解液の組成が所定の設定範囲を外れないように、電解液の一部を廃棄しながら、酸類を補給するのが一般的である。さらに、本発明の平版印刷版は、電解粗面化処理に先立って、ブラシグレイニング、ボールグレイニング、液体ホーニング等の機械的粗面化処理を施すことが好ましい。
本発明の平版印刷用原版の表面の反射率を10%以下にするには、上記電解粗面化処理において、アルミニウム表面に中性色を有するアルミ化合物を生じさせることが重要で、例えば、電解液として1質量%の塩酸溶液を用い、処理温度が40℃、電圧が12V、電気量が450クーロン/dm2で電解粗面化処理した後、デスマット処理を施さず、陽極酸化処理を施すことによって得ることができる。一般的な電解粗面化方法におけるアルミニウム板に供給される電力は、電解液の組成、温度、電極間距離等により変わるが、印刷版として適切な砂目を得るためには、電圧では1〜60V、処理面における電流密度では5〜60A/dm2、電気量では50〜4000クーロンの範囲で使われ、電解液の温度は0〜60℃であるが、本発明の平版印刷用原版を作製する際のアルミニウム板の電解粗面化処理における電圧及び電気量は、一般的な印刷版の支持体として用いる場合の電力条件の中でも、低い範囲にあるので、製造コストを削減して製造することができる。
本発明の平版印刷用原版を作製する方法を更に詳細に説明する。本発明の平版印刷用原版として用いるアルミニウム板は、純アルミニウム及び各種の金属、例えば、珪素、マグネシウム、鉄、銅、亜鉛、マンガン、クロム、チタン等を少量含むアルミニウム合金板を用いられる。
本発明の平版印刷用原版の脱脂処理は、例えばトリクロロエチレン、パークロロエチレン、等による溶剤脱脂、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、燐酸三ナトリウム、ピロ燐酸四ナトリウム、石鹸等、或はこれらの混合物によるアルカリ脱脂、界面活性剤、ケロシン、トリエタノールアミン、水酸化ナトリウム等を組合せたエマルジョン脱脂、さらに上記の化学脱脂では取れない汚染を除く仕上げ脱脂と呼ばれる電解脱脂等の方法が用いることができる。
一般に平版印刷用アルミニウム板は、前述の粗面化処理に続いて、デスマット処理が施される。しかし、本発明の平版印刷用原版は、デスマット処理すると、黒いアルミ化合物が溶解除去され、反射率が高くなるので、デスマット処理しないことが好ましい。しかし、反射率10%以下の範囲に維持できる程度のデスマット処理であれば施してもよい。デスマット処理液には、水酸化ナトリウム等アルカリ剤、或いは燐酸、硫酸、硝酸、過塩素酸等の酸、或いはそれらの混合物が使用できるが、それぞれスマット除去能力に違いがあり、処理液の種類或いはその濃度或いは処理温度によってその除去能力を調整して使用する。
本発明の平版印刷用原版には、陽極酸化処理が施される。陽極酸化の電解液としては生成酸化膜の溶解性が低い酸が好ましく、硫酸、蓚酸、クロム酸、燐酸等或はこれらの混合物が使用でき、硫酸、燐酸または、その併用した液を用いることが好ましい。陽極酸化に際して生成する陽極酸化膜のマイクロポアの大きさは上記酸の種類によって変化し、通常0.01μm程度である。
陽極酸化膜は陽極にのみ生成するので、電流は通常直流電流が使用される。陽極酸化の条件としては、液濃度1〜40質量%、電流密度0.1〜10A/dm2、電圧5〜30Vの範囲で使用され、電流は直接給電法或いは間接給電法により供給される。陽極酸化膜の厚みは電流密度と時間により変えられ、印刷版の耐刷グレードによって適宜調整される。温度は陽極酸化膜の硬度に影響を与え、低温の方が硬度は高くなるが、可撓性に劣るため、通常は常温付近の温度で陽極酸化される。陽極酸化処理後水洗処理が施される。
一般的な平版印刷版では、必要に応じて陽極酸化処理後に後処理を行う。後処理の方法としては、例えば、熱水処理する方法、英国特許第1,230,447号に開示されたポリビニルホスホン酸の水溶液中に浸漬処理する方法やケイ酸塩溶液に浸漬処理する方法、親水性高分子の下塗層を設ける方法が知られており、本発明の平版印刷用原版においては、必要に応じてこれら後処理を施すことができる。
このようにして作製された本発明の平版印刷用原版、デジタル化された原稿データを、レーザービームを搭載した出力機(イメージセッター)を用いて画像露光する。尚、レーザー光を用いて露光する方法には、フォトンモードとヒートモード、アブレーションモード、多光子吸収モード等があるが、本発明はアブレーションモードを利用する。また、本発明の平版印刷用原版に利用するレーザーアブレーションとは、レーザーを固体に照射すると、照射強度があるしきい値を超えた時、固体表面が中性原子、分子、イオン、電子等に分解されてエッチングされる現象のことを言い、このアブレーションを生じさせるためには、かなり高出力のレーザーエネルギーが必要となる。ここで用いる出力機のレーザーの出力エネルギーは、平版印刷用原版の反射率、及び、露光速度にもよるが、1W以上のレーザーが用いられる。
レーザーの種類としては、炭酸ガスレーザー、窒素レーザー、Arレーザー、He/Neレーザー、He/Cdレーザー、Krレーザー等の気体レーザー、液体(色素)レーザー、ルビーレーザー、Nd/YAGレーザー等の固体レーザー、GaAs/GaAlAs、InGaAsレーザー等の半導体レーザー、KrFレーザー、XeClレーザー、XeFレーザー、Ar2等のマキシマレーザー等従来の公知のレーザーを挙げることができる。
本発明のレーザー露光の後に用いるpH13以上のアルカリ処理液としては、pH13以上であれば、任意のアルカリ水溶液を使用することができる。アルカリ剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化リチウムが用いられ、さらに、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、第2リン酸ナトリウム、第2リン酸カリウム、第2リン酸アンモニウム、第3リン酸ナトリウム、第3リン酸カリウムおよび第3リン酸アンモニウム等の無機アルカリ剤や、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−エチルエタノールアイミン、N−n−ブチルエタノールアミン、N−t−ブチルエタノールアミン、N−n−ブチルジエタノールアミン、N−t−ブチルジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−アミノエチルエタノールアミン、N−アミノエチルプロパノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等の有機アルカリ剤、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウムおよびケイ酸リチウムのようなアルカリ金属ケイ酸塩やケイ酸アンモニウム等を組み合わせて使用することができる。pH13以上にするための水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ剤の濃度は、併用するアルカリ剤の種類や量によって変わるが、およそ0.5mol/Lである。また、併用する有機アルカリ剤としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンが好ましく、その場合の添加量としては、1〜100g/Lが好ましい。
また、本発明の平版印刷用原版は、画像部の視認性を高める為に、上記アルカリ処理液中に着色剤を含有させ、陽極酸化層を着色することができる。例えば、無機顔料としては、雲母状酸化鉄、鉛丹、黄鉛、銀朱、群青、二酸化チタン、被覆雲母、ストンチームクロメート、チタニウムイエロー、ジンククロロメート、モリブデン赤、酸化クロム、鉛酸カルシウム等が挙げられる。又、有機顔料としては、カーボンブラック、フタロシアニン顔料、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、縮合アゾ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料、ニッケルアゾ顔料、ペリノン顔料、ペリレン顔料、アンスロン顔料、キナクリドン顔料、アンスラキノン顔料、チオインジゴ顔料、ジオキサジン顔料、インダスロン顔料、ピランスロン顔料等が挙げられる。又、色素としては、フタロシアニン系色素、トリアリールメタン系色素、アントラキノン系色素、アゾ系色素等の各種の色素が挙げられる。これら顔料、色素は、単独で用いてもかまわないが、2種以上を併用して用いてもよい。
本発明に用いられるアルカリ処理液は使用時よりも水の含有量を少なくした濃縮液としておき、使用時に水で希釈するようにしておくことが運搬上有利である。この場合の濃縮度は各成分が分離や析出を起こさない程度が適当であり、含有物にもよるが、通常、濃縮液:水=1:0〜1:10程度に濃縮する事ができる。又、容器としてはアルカリ性であることから、炭酸ガスを透過しない、しかも安全上輸送中に破損することのない材料を用いることが好ましく、通常ハードボトル、キュービテナー等の樹脂製容器が好ましく用いられる。
本発明のpH13以上のアルカリ処理液を用いた処理方法においては、露光後通常自動現像機で処理を行うことが好ましい。自動現像機は、一般の平版印刷版の現像処理で用いているものと同じように、アルカリ処理部と後処理部とからなり、印刷版を搬送する装置と、各処理液槽及びスプレー槽から成り、露光済みの印刷版を水平に搬送しながら、ポンプで組み上げた各処理液をスプレーノズルから吹き付けて処理するものが好ましい。又、最近は処理液が満たされた処理槽中に液中ガイドロールなどによって印刷版を浸漬搬送させる方法が開発されており、この様な処理方法も本発明に好適に適用できる。この様な自動現像機においては、処理量や稼働時間等に応じて補充液を補充しながら処理することができる。
前記アルカリ処理液で処理された平版印刷用原版は、水洗水、界面活性剤等を含有するリンス液、アラビアガムやデンプン誘導体等を主成分とするフィニッシャーや保護ガム液で後処理を施される。本発明の平版印刷用原版の後処理はこれらの処理を種々組み合わせて用いることができ、例えば、アルカリ処理→水洗→界面活性剤を含有するリンス液処理やアルカリ処理→水洗→フィニッシャー液による処理がリンス液やフィニッシャー液の疲労が少なく好ましい。更にリンス液やフィニッシャー液を用いた向流多段処理も好ましい態様である。これらの後処理は、一般にアルカリ処理部と後処理部とからなる自動現像機を用いて行われる。後処理液は、スプレーノズルから吹き付ける方法、処理液が満たされた処理槽中を搬送する方法が用いられる。又、アルカリ処理後、一定量の少量の水性水を版面に供給して水洗し、その廃液をアルカリ処理液原液の希釈水として再利用する方法も知られている。この様な自動処理においては、各処理液に処理量や稼働時間に応じてそれぞれの補充液を補充しながら処理することが出来る。また、実質的に未使用の後処理液で処理するいわゆる使い捨て処理方式も適用できる。この様な処理によって得られた平版印刷用原版は、オフセット印刷機に掛けられ、印刷に用いられる。
以下実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、効果はもとより本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<本発明の平版印刷用原版Aの作製>
幅1030mm、厚み0.24mmの合金組成がA1050タイプのアルミニウム板を25℃、2質量%−水酸化ナトリウム水溶液に30秒間浸漬した後、水洗し、ナイロンブラシとパーミストンの水懸濁液を用いてブラシ研磨し、水洗し、2質量%−水酸化ナトリウム水溶液に30秒間浸漬し、水洗した。これを30℃の1質量%−塩酸と0.5質量%−酢酸の混合液に満たした間接給電方式の電解槽に浸漬し、12V、450クーロン/dm2で交流電解粗面化し、水洗し、その後、30℃、25質量%−硫酸水溶液を用いて陽極酸化処理を施した後、水洗、乾燥し、本発明の平版印刷用原版Aを作製した。
幅1030mm、厚み0.24mmの合金組成がA1050タイプのアルミニウム板を25℃、2質量%−水酸化ナトリウム水溶液に30秒間浸漬した後、水洗し、ナイロンブラシとパーミストンの水懸濁液を用いてブラシ研磨し、水洗し、2質量%−水酸化ナトリウム水溶液に30秒間浸漬し、水洗した。これを30℃の1質量%−塩酸と0.5質量%−酢酸の混合液に満たした間接給電方式の電解槽に浸漬し、12V、450クーロン/dm2で交流電解粗面化し、水洗し、その後、30℃、25質量%−硫酸水溶液を用いて陽極酸化処理を施した後、水洗、乾燥し、本発明の平版印刷用原版Aを作製した。
上記平版印刷用原版の表面を、反射型UV、可視分光光度計(株式会社日立製作所製U−3500)を用いて、画像形成に用いるレーザー出力機のレーザーの波長である830nmの反射率を測定したところ、7.2%であった。尚、リファレンスサンプルとしては、酸化マグネシウムのペレットを用いた。
<比較の平版印刷用原版B、Cの作製>
上記平版印刷用原版Aにおいて、電解粗面化し、水洗した後、25℃、2質量%−NaOH水溶液及び1質量%−NaOH水溶液を用いてデスマット処理すること以外同様にして、比較の平版印刷用原版B及びCを作製した。また、上記同様、各々の平版印刷用原版の表面を、反射型UV、可視分光光度計(株式会社日立製作所製U−3500)を用いて、画像形成に用いるレーザー出力機のレーザーの波長である830nmの反射率を測定したところ、33.0%及び21.2%であった。
上記平版印刷用原版Aにおいて、電解粗面化し、水洗した後、25℃、2質量%−NaOH水溶液及び1質量%−NaOH水溶液を用いてデスマット処理すること以外同様にして、比較の平版印刷用原版B及びCを作製した。また、上記同様、各々の平版印刷用原版の表面を、反射型UV、可視分光光度計(株式会社日立製作所製U−3500)を用いて、画像形成に用いるレーザー出力機のレーザーの波長である830nmの反射率を測定したところ、33.0%及び21.2%であった。
作製した各々の平版印刷用原版を、1.2Wの830nm半導体レーザー(ビーム径:20μm)を搭載した外面ドラム方式プレートセッターを用い、解像度4000dpiで50mm/秒の速度で画像の露光を行った。その後、2質量%−NaOHとトリエタノールアミン10g/Lを混合したアルカリ処理液(pH13.7)を用いて25℃で10秒間処理を行ない、水洗し、さらに、下記処方のガム液を塗布した。
<ガム液>
リン酸1カリ 5g
アラビアガム 25g
デヒドロ酢酸 0.5g
EDTA2Na 1g
水で 1L
リン酸1カリ 5g
アラビアガム 25g
デヒドロ酢酸 0.5g
EDTA2Na 1g
水で 1L
上記のようにして作製した平版印刷用原版A、B、Cについて、耐刷性を評価した。耐刷試験としては、印刷機はハイデルベルグTOK(Heidelberg社製オフセット印刷機の商標)を使用し、インキはBEST ONE墨H(T&KTOKA(株)社製)、湿し水はアストロマークIII(株式会社日研化学研究所社製湿し水)の1%水溶液を使用した。その結果、比較の平版印刷用原版B、Cは、画像部と非画像部の区別があいまいで、画像形成不十分であったのに対し、本発明の平版印刷用原版Aは、画像部と非画像部の区別がはっきりした画像形成ができ、50万枚印刷しても画像が全く欠落しなかった。
以上の結果より、本発明の平版印刷用原版は、アルミニウム板の電解粗面化電圧が低いため、及び、表面処理後のアルミニウム板の上に感光層を設層しないため、安価で作製することができ、しかも良好な耐刷性を示す事が判る。
Claims (2)
- 粗面化処理し、陽極酸化処理したアルミニウム板において、該アルミニウム板の表面の反射率が10%以下であることを特徴とする平版印刷用原版。
- 請求項1記載の平版印刷用原版を、レーザーを用いて露光した後、pH13以上のアルカリ溶液で処理することを特徴とする平版印刷用原版の製版方法。
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