JP2006275758A - レーダ装置 - Google Patents

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Kenichi Numata
健一 沼田
Masanori Itou
正程 伊藤
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Abstract

【課題】 目標物との距離を表す信号において、誤った信号を検出することのない高分解能なレーダ装置を得る
【解決手段】 励振信号を出力する信号発生器と、励振信号にパルス変調とFM変調を施しFMパルス変調励振信号を出力する送信用FMパルス変調器と、位相変調コードと位相復調コードを出力するコード発生器と、位相変調コードでFMパルス変調励振信号に位相変調を施して位相変調励振信号を出力する送信用位相変調器と、位相変調励振信号を放射する送信用空中線と、目標物で反射された反射信号を受信する受信用空中線と、反射信号を位相復調コードで復調して復調受信信号を出力する受信用位相変調器と、復調受信信号と局発信号とのビート周波数を出力する周波数変換器と、フィルタ通過後の信号周波数を検出する周波数検出と、検出した周波数から目標物との距離演算を行う距離演算器を備えた。
【選択図】 図1

Description

この発明は、目標物との距離を測距する高パルス繰返しレーダ装置に関する。
高パルス繰返しレーダ(以下、高PRFレーダと言う)は複数の送信信号を同時期に空間に送出するため、受信信号から求めた目標物との距離にあいまい性が生ずる。このため、目標物との距離が正確に測定できないという問題があった。これを解決するために、高PRFレーダの測距では、PRF(パルス繰り返し周波数。PRF:Pulse Repetition Frequencyの略である)を複数設けることで測距を行うマルチプルPRFレンジング方式、もしくは送信信号の周波数にFM変調を施し、目標物の距離に応じて発生するビート周波数を検出することで測距を行うFMレンジング方式による測距が行われている(例えば、非特許文献1、非特許文献2参照)。
Merrill I.SKOLNIK著「RADAR HANDBOOK second edition」McGraw-Hill,Inc. P17.20、P14.27 Dean L.Mensa著「HIGH RESOLUTION RADAR IMAGING」ARTECH HOUSE,INC. P37〜P41
しかしながら、マルチプルPRFレンジング方式では、原理的に高分解能化に必要な広帯域化を図ることができず、送信信号のパルス幅によって決まる分解能しか得ることができない。パルス幅を狭くして、パルスの電力を大電力化することも考えられるが、電力の限られる航空機等の使用には適していないという課題があった。
一方、FMレンジング方式では、高分解能化を行うためにはFM変調の傾きを高くして信号の帯域を広帯域にする必要があるが、広帯域化によりノイズ帯域が増大し所望の信号とノイズの比(以下、S/N比と言う。)を得ることが困難となるという課題があった。
また、高PRFレーダは、DC〜PRFの成分以外をフィルタにて抑圧することにより高いS/N比を確保しているが、遠距離のターゲットから反射する信号のドップラー周波数がPRFを越えてしまうと、検出した信号がそのPRFによる折返し成分であることの区別がつかず、誤検出するという課題があった。
この発明は、かかる問題点を解決するためになされたもので、受信信号から求めた目標物との距離のあいまい性の問題を解消し、目標物との距離を表す信号において、誤った信号を検出して測距結果を出力することのない高分解能のレーダ装置を得ることを目的とする。
この発明に係るレーダ装置は、励振信号を出力する信号発生器と、前記励振信号に対してパルス繰返し周期毎にパルス変調とFM変調を施し、FMパルス変調励振信号を出力する送信用FMパルス変調器と、前記パルス繰返し周期毎に位相変調コードを出力すると共に、前記パルス繰返し周期毎に前記位相変調コードの並びと一致する位相復調コード及び前記位相変調コードの並びを1つずつずらした位相復調コードを出力するコード発生器と、前記FMパルス変調励振信号に対して前記コード発生器から出力された前記位相変調コードによる位相変調を施し、位相変調励振信号を出力する送信用位相変調器と、前記位相変調励振信号を送信信号として空間に放射する送信用空中線と、前記送信信号が目標物で反射された受信信号を受信する受信用空中線と、前記コード発生器が出力する位相復調コードに対応付けられ、前記受信信号の位相と前記位相復調コードの位相との相関をとることで前記受信信号を復調し、復調受信信号を出力する受信用位相変調器と、前記励振信号にFM変調を施し局発信号を出力する受信用FM変調器と、前記復調受信信号と前記局発信号とから、前記復調受信信号と前記局発信号のビート周波数成分を有するビデオ信号を出力する周波数変換器と、前記ビデオ信号から一定範囲の周波数成分の信号を通過させるフィルタと、前記フィルタ通過後の信号の周波数を検出する周波数検出器と、前記周波数検出器で検出した周波数と、前記受信用位相変調器に対応付けられた位相復調コードに基いて目標物との距離を算出する距離演算器とを備えた。
目標物との距離を表す信号から求めた距離のあいまい性の問題が解消でき、誤った信号を検出して距離を算出することが無い、距離分解能の高いレーダ装置を得ることができる。
実施の形態1.
図1〜図5を用いて、この発明の実施の形態1を説明する。
実施の形態1では、測距する目標物が1個であって送信信号の反射点が1箇所のみの場合において、目標物との距離を測距するレーダ装置について説明する。
図1は、この実施の形態1におけるレーダ装置12の構成図である。レーダ装置12は、信号発生器8、送信用FMパルス変調器6、送信用位相変調器3、コード発生器5、送信用空中線1、受信用空中線2、3個の受信用位相変調器4(受信用位相変調器4a、4b、4c)、3個の周波数変換器9(周波数変換器9a、9b、9c)、受信用FM変調器7、3個のフィルタ10(フィルタ10a、10b、10c)、3個の周波数検出器11(周波数検出器11a、11b、11c)、距離演算器13から構成される。
信号発生器8は励振信号101を出力する装置である。
送信用FMパルス変調器6は励振信号101にパルス変調とFM変調を施し、パルス変調とFM変調が施されたFMパルス変調励振信号102を出力する装置である。
送信用位相変調器3はFMパルス変調励振信号102に対し、位相変調コード104に従って位相変調を施し位相変調励振信号103を出力する装置である。
コード発生器5は、パルス繰返し周期毎に送信用位相変調器3に対して位相変調コード104を出力すると共に、受信用位相変調器4に対して位相復調コード105を、位相変調コード104と同期して出力する装置である。
ここで位相変調コード104とは、例えば十分なコード長をもったM系列、バーカー系列等の循環可能な位相変調コードのことをいう。例えば、コード長が3のM系列の変調位相コードは0、π、0の並びであり、0、π、0の並びで表される位相変調コード104が以後循環的に繰り返される。
送信用空中線1は位相変調励振信号103を送信信号106として空間に放射する装置である。
受信用空中線2は送信信号106が目標物で反射された受信信号107を受信し、位相変調受信信号108を出力する装置である。
3個の受信用位相変調器4a、4b、4cは、位相変調受信信号108に施されている位相変調を各位相復調コード105a、105b、105cを用いて復調し、後で説明するように、所望のパルス繰返し周期(以下、PRIと言う。PRI:Pulse Repetition Intervalの略である)に受信された信号のみを復調し、他のPRIに受信された信号を拡散させ、位相の復調された復調受信信号109を出力する装置である。
3個の周波数変換器9a、9b、9cは、復調受信信号109と局発信号110のビート周波数成分を有するビデオ信号111a、111b、111cを出力する装置である。
受信用FM変調器7は、ビデオ信号111a、111b、111cを検出するための局発信号110を生成するために、励振信号101にFM変調を施す装置である。
3個のフィルタ10a、10b、10cは、ビデオ信号111a、111b、111cの周波数成分でDCからPRFで表される周波数までの周波数をもつ信号を通過させ、この周波数以外にある信号を抑圧する装置である。
3個の周波数検出器11a、11b、11cは、フィルタ10a、10b、10c通過後の信号112a、112b、112cから目標物との距離に関わる周波数を検出する装置である。
距離演算器13は、周波数検出器11a、11b、11cからの信号113a、113b、113cに基き、レーダ装置と目標物との距離を算出する装置である。
次に、図1を用いて、実施の形態1のレーダ装置12の動作について説明する。
信号発生器8は無変調の励振信号101を送信用FMパルス変調器6と受信用FM変調器7に送信する。
送信用FMパルス変調器6は、励振信号101に対して所望の距離分解能ΔRを達成することのできる周波数の傾きaをもつFM変調を施すと共にパルス変調を施して、FMパルス変調励振信号102を送信用位相変調器3に出力する。
ここで、FM変調の周波数の傾きaとレーダ装置の距離分解能ΔRとの関係式を式(1)に示す。
Figure 2006275758
式(1)においてcは光速、τは送信信号のパルス幅である。送信用FMパルス変調器6は、式(1)において距離分解能ΔRを達成できるFM変調周波数の傾きaを設定する。
送信用位相変調器3は、コード発生器5が生成する位相変調コード104を用いて、FMパルス変調励振信号102に位相変調を施し、送信信号103を送信用空中線1に出力する。送信用空中線1は、測距する目標物に向けて送信信号106を送信する。
図2は、実施の形態1のコード長が3のM系列の変調位相コードで位相変調を施したときのレーダ装置における、変調周波数、変調位相を説明する図である。図2(a)は、送信用位相変調器3が出力する送信信号103の電力を示す。送信用位相変調器3は、各PRI毎にパルス変調、FM変調および位相変調が施された後の送信信号(図2の送信信号(1)、(2)、(3)、(4)、……)を繰り返し出力する。
図2(b)は、送信用FMパルス変調器6で周波数変調され、送信信号103に施されている周波数変調後の変調周波数を示している。送信用FMパルス変調器6は図2(b)に示すように傾きaののこぎり状に変調周波数を掃引する。送信用FMパルス変調器6は、送信用FMパルス変調器6でパルス変調した励振信号101に対して、更に、この掃引する変調周波数を用いてFM変調を施し、FMパルス変調励振信号102を出力する。
図2(c)は、送信用位相変調器3で位相変調され、送信信号103に施されている位相変調後の位相を示している。送信用位相変調器3は、FMパルス変調励振信号102に対して、位相変調コードに従って、例えば順に位相0、位相π、位相0の位相変調を施し、位相変調励振信号103を出力する。送信用位相変調器3は、以後循環的に、0、π、0の並びの位相変調を繰り返し、位相変調励振信号103を出力する。
送信用空中線1から送信された送信信号106は目標物で反射され、受信用空中線2は、目標物で反射されてきた受信信号107を受信する。
図3は、コード長が3のM系列の位相変調コードで位相変調した送信信号106が目標物で反射され、その反射されてきた受信信号107を復調する復調方法を説明する図である。
図3(a)は送信信号106の電力を時間軸で示したものであり、図3(b)は各送信信号106(送信信号(1)、(2)、(3)、(4)、…)に対応した受信信号107(受信信号(1)、(2)、(3)、(4)、…)の電力を時間軸と共に示したものである。
ここで、受信信号107は、送信信号106と同一のPRI内で受信用空中線2により受信されるものとする。
図3(c)は受信信号107の変調周波数と局発信号110の変調周波数を示したものであり、受信信号107は対応する送信信号106と同じ変調周波数を示す。局発信号110は傾きaののこぎり状に周波数を掃引する。
図3(d)は受信信号107の位相を示す。図3(d)で示したように、受信信号(1)の位相は送信信号(1)の位相と同じく位相0となる。同じく、受信信号(2)の位相は、送信信号(2)の位相と同じく位相πとなり、受信信号(3)の位相は、送信信号(3)の位相と同じく位相0を示す。
受信用空中線2で受信した位相変調受信信号108は分配器(図示せず)で3分配された後、受信用位相変調器4a、4b、4cに入力される。
各受信用位相変調器4a、4b、4cは、位相変調が施されている位相変調受信信号108を各々の位相復調コード105a、105b、105cを用いて復調する。
位相復調コード105a、105b、105cはコード発生器5が出力するコードであり、位相変調コード104と同一の並びのコード105a、及び、位相変調コード104の並びを1つずつずらしていき、元の位相変調コードと同一の並びに戻るまでのコード105b、105cのことをいう。
図3の例ではコード長は3であり、各受信用位相変調器4a、4b、4cは、位相変調が施されている位相変調受信信号108を、各々の位相復調コード105a、105b、105cを用いて復調する。すなわち、受信用位相変調器4aは位相復調コード105aを用いて位相変調受信信号108を復調し、受信用位相変調器4bは位相復調コード105bを用いて位相変調受信信号108を復調する。また、受信用位相変調器4cは位相復調コード105cを用いて位相変調受信信号108を復調する。
ここで、位相復調コード105aは位相変調コード104と同一の符号コード、すなわち0、π、0、0、π、0、…(以降、0、π、0が循環的に繰り返される)のコードであり、位相復調コード105bは、図3(g)に示すように位相変調コード104の並びを1つずつずらした0、0、π、0、0、π、0…(以降、0、π、0が循環的に繰り返される)のコードであり、位相復調コード105cは、更に位相変調コード104の並びを1つずつずらしたπ、0、0、π、0、…(以降、0、π、0が循環的に繰り返される)のコードのことをいう。
更に、位相変調コード104の並びを1つずらすと元の位相変調コード104と同一の並びに戻る。よって、実施の形態1での位相復調コードとしては3種類の位相復調コード105a、105b、105cが挙げられる。
受信用位相変調器4aは、位相変調コードと同一の位相復調コード105aを用いて位相変調受信信号108を復調するように設定されており、受信用位相変調器4bは、位相変調コードの並びを1つずらした位相復調コード105bを用いて位相変調受信信号108を復調するように設定されている。また、受信用位相変調器4bcは、位相変調コードの並びを更に1つずらした位相復調コード105cを用いて位相変調受信信号108を復調するように設定されている。
コード発生器5は、送信用位相変調器3に対して出力する位相変調コード104と同期して、位相復調コード105a、105b、105cを受信用位相変調器4に対して出力する。
ここで、受信用位相復調器4は、あるPRI内で受信した位相変調受信信号108の位相とその信号を復調する位相復調コードの位相とが同一のとき、位相復調後の復調受信信号109の位相を0として出力する。例えば、位相変調受信信号108の位相が0で復調コードの位相が0のとき、位相復調後の復調受信信号109の位相を0として出力する。一方、位相変調受信信号108の位相とその受信信号を復調するコードの位相が異なるとき、位相復調後の復調受信信号109の位相としてπを出力する。
図3(e)の例では、位相復調コードである0、π、0の並びが、受信信号(1)〜(3)の位相の並び0、π、0と一致している。このため、図3(f)で示すように、位相復調後の復調受信信号109の位相は各々0、0、0となる
一方、図3(g)の例では、位相復調コードの並びは1ずつずれて0、0、πの並びであり、受信信号(1)〜(3)の位相の並び0、π、0とは一致していない。この場合、図3(h)で示すように、位相復調後の復調受信信号109の位相は各々0、π、πとなる。
図3(e)の例では、位相復調後の受信信号の位相は全て0で同位相であるため、位相復調後の受信信号の電力が積み上がり信号レベルは大きくなる。これより受信信号が検知されて、後で説明するように、周波数検出器11でフーリエ変換(以下、FFTという)等を行うことにより周波数検出が可能となる。
一方、図3(g)の例では、位相復調後の受信信号の位相は各々0とπで異なっているため、位相復調後の受信信号の電力は積み上がらず、信号レベルは小さく、拡散されることになる。信号レベルの小さい信号は検知することはできず、後で説明する周波数検出器11によるFFT等によっても周波数検出を行うことができない。すなわち、位相変調受信信号108の位相と相関のない位相復調コード105を用いて位相復調した場合には、位相復調後の復調受信信号109の位相が一致しないため、信号が積み上がらず周波数検出を行うことができない。
図4は、コード長が3のM系列の位相変調コードで位相変調した送信信号106が目標物で反射され、反射された受信信号107が、送信信号106を送信したPRIの次のPRIで受信されたときの位相復調の例を説明する図である。図4(a)に送信信号106の電力、図4(b)に受信信号107の電力、図4(c)に、受信信号107の変調周波数と局発信号110の周波数を示している。図4(d)に受信信号107の位相を示す。受信信号(1)は送信信号(1)の1PRI前に送信した送信信号(0)(図示せず)が目標物で反射され受信した信号であり、受信信号1の位相は、送信信号(0)の位相と同じく位相0となる。受信信号(2)は送信信号(1)が目標物で反射されて受信した信号であり、受信信号(2)の位相は、送信信号(1)の位相と同じく位相0となる。同様に、受信信号(3)は送信信号(2)が目標物で反射されて受信した信号であり、受信信号(3)の位相は、送信信号2の位相と同じく位相πとなる。受信信号の位相は0、0、πの並びであり、以後循環的に繰り返される。
受信用空中線2で受信した位相変調受信信号108は分配器(図示せず)で3分配された後、受信用位相変調器4a、4b、4cに入力される。
各受信用位相変調器4a、4b、4cは、位相変調が施されている位相変調受信信号108を位相復調コード105a、105b、105cを用いて復調する。
図4(e)に示すように、受信用位相変調器4aが位相変調コード104と同一の並びである位相復調コード105a、すなわち0、π、0の並びのコードを用いて復調したとき、復調後の復調受信信号109aの位相は、図4(f)に示すように受信信号1は位相0、受信信号2は位相π、受信信号3は位相πとなる。このとき、復調後の受信信号の位相が同一でないために、位相復調後の復調受信信号109aの電力は加算されず、信号レベルは小さく、拡散されることになる。拡散された信号は、周波数検出器11によるFFT等によって周波数検出を行うことができない。
ここで、図4(g)に示すように、受信用位相変調器4bが、位相変調コード104の並びを1PRI分だけずらした位相復調コード105b、すなわち0、0、πを用いて復調したとき、受信信号の位相の並びと位相復調コード105bの位相の並びは同一となる。同一の位相の並びをもつ位相復調コード105bで復調することで、復調後の復調受信信号109bの位相は、図6(h)に示すように全て0となり一致する。位相が一致した復調後の復調受信信号109bは信号の受信と共に積み上がり、周波数検出器11によるFFT等により周波数検出を行うことができる。
このように、コード発生器5は、位相変調コード104と同一の並びの位相復調コード105a、及び、位相変調コード104の並びを1ずつずらし元の位相変調コードと同一の並びに戻るまでの位相復調コード105b、105cを用意し、その各々の位相復調コードを受信用位相変調器4a、4b、4cに出力する。受信位相変調器4a、4b、4cは、各々が受取った位相復調コード105a、105b、105cを用いて位相変調受信信号108を復調する。受信位相変調器4a、4b、4cが位相変調受信信号108と相関のある位相復調コード105で復調した場合は、復調後の復調受信信号109の位相が一致することで信号が積み上がって信号レベルが上がり、後の工程で信号を検出することができる。一方、受信信号と相関のない位相復調コードで復調したものについては、復調後の受信信号の位相が一致しないために信号が積み上がらず、復調後の復調受信信号109の検出を行うことができない
図3、図4の例からわかるように、受信信号と位相の一致する位相復調コードを用いて復調した時に限り、復調後の信号レベルが上がり復調後の復調受信信号109の検出を行うことができる。よって、復調後の復調受信信号109の検出ができたときに用いた位相復調コードが、位相変調コードの並びから幾つずらしたものであるかを情報として持つことで、送信信号がどのPRIで送信されたものであるかの識別が可能となる。例えば、復調により信号検出ができた位相復調コードが、位相変調コード104の並びから1ずらしたものであれば、受信した受信信号107は、受信したPRIの1つ前のPRIで送信された送信信号106が目標物で反射されてきたものであることがわかる。
次に、周波数変換器9は、干渉法等により復調後の復調受信信号109と局発信号110のビート周波数成分を有する受信信号111を出力する。このビート周波数は、図5(c)に図示したビート周波数fa、及び、図4(c)に図示したビート周波数fbに対応する。
次に、フィルタ10を通過させることで、DCからPRFまでの周波数成分をもつ信号を通過させこれ以外の周波数成分を抑圧する。フィルタ10を通過させることでノイズの周波数成分を抑圧できるので、高いS/Nを確保することができる。
図5に、図3で説明した復調後の復調受信信号109を周波数変換しフィルタ10を通過させた後のビデオ信号111の一例を示す。図5(a)は、図3(e)で説明した受信信号と相関がある位相復調コードで位相復調したとき、すなわち、受信用位相変調器4aにより位相復調コード105aを用いて位相復調したときのビデオ信号111aの出力例である。図5(a)のように、DCからPRFの間にビート周波数faが現れる。周波数検出器11aは、検出した周波数faを信号113aとして距離演算器13に出力する。ビート周波数faは、図3(c)からわかるように目標物との距離に相関をもつ周波数である。
距離演算器13はこのビート周波数faを用いて目標物の距離情報を算出することができる
図5(b)は、図3(g)で説明した受信信号と相関がない位相復調コードで位相復調したとき、すなわち、受信用位相変調器4bにより位相復調コード105bを用いて位相復調したときのビデオ信号111bの出力例である。ビート周波数faをもつ信号は位相復調コードのコード長に応じた信号レベルに拡散される。
図6に、図4で説明した復調後の復調受信信号109を周波数変換しフィルタ10を通過させた後のビデオ信号111の一例を示す。
図6(a)は、図4(e)で説明した受信信号と相関がない位相復調コードで位相復調したとき、すなわち、受信用位相変調器4aにより位相復調コード105aを用いて位相復調したときのビデオ信号111aの出力例である。ビート周波数fbをもつ信号は位相復調コードのコード長に応じた信号レベルに拡散され、周波数検出器には検出されない。
図6(b)は、図4(g)で説明した受信信号と相関がある位相復調コードで位相復調したとき、すなわち、受信用位相変調器4bにより位相復調コード105bを用いて位相復調したときのビデオ信号111bの出力例である。このように、DCからPRFの間に周波数fbsの信号が現れる。図6(b)は、位相変調コード104の並びを1PRI分ずらした位相復調コード105bで復調したときの周波数fbsの信号であり、周波数検出器11で検出された周波数fbsは、周波数PRF〜周波数2PRFの間のビート周波数fbの信号がパルス変調により広がった成分の周波数である。
周波数検出器11bは、検出した周波数fbsを信号113bとして距離演算器13に出力する。
距離演算器13は、周波数検出器11bが出力した周波数fbsであることを認識して、周波数検出器11bが検出した周波数fbsにコードの並びを1ずらしたことに対応する1PRFを加算した周波数、すなわち、fbs+1PRFが真の周波数fbであると判断し計算する。距離演算器13はこの真の周波数fbを用いて目標物の距離情報を算出することができる。
このように実施の形態1では、送信用位相変調器3と受信用位相変調器4とコード発生器5を設け、送信用位相変調器3はコード発生器5が出力する循環可能な位相変調コード104を用いて位相変調し、受信用位相変調器4はコード発生器5が出力する位相復調コード105を用いて位相復調し、距離演算器13は位相復調により周波数検出ができたときの位相復調コードの並びが、位相変調コードの並びから幾つずれたものであるかの情報から、受信した受信信号がどのPRIで送信されたものであるかの情報を得て、目標物との距離を算出することができる。
これにより、従来、受信信号から求めた目標物との距離において、送信信号が送信された時のPRIの情報が不明なために残っていたあいまい性の問題が解消でき、目標物との距離を表すビート信号において誤ったビート信号を検出して測距結果を出力することがなくなる。また、フィルタを備えたことで充分なS/N比を確保した高分解能のレーダ装置を得ることができる。
なお、実施の形態1では一例としてコード長が3の場合について説明したが、コード長が3よりも長いn(nは任意の自然数)の場合であってもよく、この場合は、n台の受信用位相変調器、周波数変換器、フィルタ及び周波数検出器を用意し、距離演算器がn台の周波数検出器からの出力信号を得て目標物との距離を算出する。
実施の形態2.
図7を用いて、この発明の実施の形態2を説明する
実施の形態2では、測距する目標物が2個であって、目標物の1個は実施の形態1の図3で説明に用いた位置と同位置にあり、他の1個の目標物は実施の形態1の図4で説明に用いた位置と同位置にある場合において、その2個の目標物との距離を各々測距するレーダ装置について説明する。
実施の形態2のレーダ装置の構成は、実施の形態1と同じである。
図7(b)、図7(c)は、フィルタ10通過後に得られたビデオ信号111の一例を示した図である。
図7(b)は、位相変調コード104の並びと同一の並びをもつ位相復調コードを用いて受信信号を復調したとき、すなわち、受信用位相変調器4aにより位相復調コード105aを用いて位相復調したときのビデオ信号111aの出力例である。このとき、実施の形態1の図3で説明に用いた位置にある目標物で反射され受信した受信信号との間で発生するビート周波数faの信号が周波数検出器11aにより検出される。このとき、他の目標物(図4で説明に用いた位置の目標物)で反射され受信した受信信号との間で発生するビート周波数fbの信号は、位相復調コードと受信信号の位相との間で相関がないため、コード長に応じたレベルに拡散され、検出されない。距離演算器13はこのビート周波数faを用いて目標物の距離情報を算出する。
図7(c)は、位相変調コード104のコードの並びを1ずらした位相復調コードを用いて復調したとき、すなわち、受信用位相変調器4bにより位相復調コード105bを用いて位相復調したときのビデオ信号111bの出力例である。周波数fbsが周波数検出器により検出される。このとき、他の目標物(図3で説明に用いた位置の目標物)で反射され受信した受信信号との間で発生するビート周波数faの信号は、位相復調コードと受信信号の位相とで相関がないため、コード長に応じたレベルに拡散され、検出されない。 検出された周波数fbsは位相復調コードの並びを1PRI分ずらすことで検出した周波数であり、周波数検出器11で検出された周波数fbsは、PRFから2PRFにあるビート周波数fbの信号がパルス変調により広がった成分である。
周波数検出器11bは、検出した周波数fbsを信号113bとして距離演算器13に出力する。
距離演算器13は、周波数検出器11bが出力した周波数fbsであることを認識して、周波数検出器11bが検出した周波数fbsにコードの並びを1ずらしたことに対応する1PRFを加算した周波数、すなわち、fbs+1PRFが真の周波数fbであると判断し計算する。距離演算器13はこの真の周波数fbを用いて目標物の距離情報を算出する。
なお、図7(a)に位相変調によりPRI間の相関処理を行わずに周波数検出をした場合の例を示す。図7(a)で示したように、コードによる位相変調を施さない場合には、検出された周波数fa及びfbsがどのPRIで送信された送信信号によるビート周波数であるかがわからず、誤った距離を算出することがある。しかし、本発明の実施の形態2のようにPRI間の相関処理を行うことにより、相関の無いPRIで受信した周波数成分は周波数軸上で拡散されてしまうことから、図7(b)(c)に示すように周波数の誤検出を回避することが可能である。
このように、実施の形態2では、測距する目標物が2個である場合であっても、各々の目標物との距離を誤ることなく測距することができる。
なお、実施の形態2では測距する目標物が2個である場合について説明したが、目標物が3個以上あっても、各々の目標物との距離を測定することができる。
この発明の実施の形態1におけるレーダ装置の構成図である。 この発明の実施の形態1におけるコード長が3のM系列の変調位相コードで位相変調を施したときのレーダ装置における、周波数変調、位相変調を説明する図である。 この発明の実施の形態1におけるコード長が3のM系列の位相変調コードで位相変調した送信信号を復調する復調方法を説明する図である。 この発明の実施の形態1におけるコード長が3のM系列の位相変調コードで位相変調した送信信号を復調する復調方法を説明する図である。 この発明の実施の形態1におけるビデオ信号111の一例を示す図である この発明の実施の形態1におけるビデオ信号111の別の一例を示す図である。 この発明の実施の形態2におけるビデオ信号111の一例を示す図である。
符号の説明
1 送信用空中線、2 受信用空中線、3 送信用位相変調器、4a、4b、4c 受信用位相変調器、5 コード発生器、6 送信用FMパルス変調器、7 受信用FM変調器、8 信号発生器、9a、9b、9c 周波数変換器、10a、10b、10c フィルタ、11a、11b、11c 周波数検出器、12レーダ装置、13 距離演算器、101 励振信号、102 FMパルス変調励振信号、103 位相変調励振信号、104 位相変調コード、105a、105b、105c 位相復調コード、106 送信信号、107 受信信号、108 位相変調受信信号、109 復調受信信号、110 局発信号、111a、111b、111c ビデオ信号。

Claims (4)

  1. 励振信号を出力する信号発生器と、
    前記励振信号に対してパルス繰返し周期毎にパルス変調とFM変調を施し、FMパルス変調励振信号を出力する送信用FMパルス変調器と、
    前記パルス繰返し周期毎に位相変調コードを出力すると共に、前記パルス繰返し周期毎に前記位相変調コードの並びと一致する位相復調コード及び前記位相変調コードの並びを1つずつずらした位相復調コードを出力するコード発生器と、
    前記FMパルス変調励振信号に対して前記コード発生器から出力された前記位相変調コードによる位相変調を施し、位相変調励振信号を出力する送信用位相変調器と、
    前記位相変調励振信号を送信信号として空間に放射する送信用空中線と、
    前記送信信号が目標物で反射された受信信号を受信する受信用空中線と、
    前記コード発生器が出力する位相復調コードに対応付けられ、前記受信信号の位相と前記位相復調コードの位相との相関をとることで前記受信信号を復調し、復調受信信号を出力する受信用位相変調器と、
    前記励振信号にFM変調を施し局発信号を出力する受信用FM変調器と、
    前記復調受信信号と前記局発信号とから、前記復調受信信号と前記局発信号のビート周波数成分を有するビデオ信号を出力する周波数変換器と、
    前記ビデオ信号から一定範囲の周波数成分の信号を通過させるフィルタと、
    前記フィルタ通過後の信号の周波数を検出する周波数検出器と、
    前記周波数検出器で検出した周波数と前記受信用位相変調器に対応付けられた位相復調コードに基いて目標物との距離を算出する距離演算器と、
    を備えたことを特徴とするレーダ装置。
  2. 前記コード発生器が出力する前記位相変調コードは、M系列あるいはバーカー系列の循環可能なコードであることを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。
  3. 前記フィルタは、DCからパルス繰返し周波数までの周波数成分の信号を通過させることを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。
  4. 前記距離演算器は、前記受信用位相変調器に対応付けられた位相復調コードの並びが前記位相変調コードの並びからn(nは任意の整数)ずれたものであるときに、前記周波数検出器で検出した周波数に前記nとパルス繰返し周波数とを乗じた値を加算した周波数に基いて目標物との距離を算出することを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。
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