JP2006275411A - 異常検知システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 異常検知システム3は、取得装置100,200と、蓄積装置300と、検知装置400とを備える。取得装置100,200は、空気調和装置10,20の運転条件を示す運転条件データ及びその運転条件の下での空気調和装置10,20の運転状態データを取得する。蓄積装置300は、取得装置100,200により取得された運転条件データ及び運転状態データを蓄積する。検知装置400は、取得装置100,200により取得された現在の運転状態データを蓄積装置300に蓄積された過去の運転状態データの少なくとも一部と比較することにより空気調和装置10,20における異常を検知する際に、運転条件データを利用する。
【選択図】 図1
Description
図1を参照して、本発明の一実施形態に係る異常検知システム3の構成を説明する。
(第1ローカルコントローラの構成)
図2を参照して、第1LC100の構成を説明する。
(第2ローカルコントローラの構成)
第2LC200の構成は、第1LC100の構成と同様である。
(遠隔管理用コンピュータの構成)
図3を参照して、遠隔管理用コンピュータ400の構成を説明する。
(大容量蓄積装置の構成)
大容量蓄積装置300は、遠隔管理センター60内に存在し、遠隔管理用コンピュータ400と通信する。大容量蓄積装置300は、第1空気調和装置10及び第2空気調和装置20の運転データを格納する運転情報データベース301(図1参照)を有する。大容量蓄積装置300は、通信部401から第1空気調和装置10又は第2空気調和装置20の運転データを1つ受信すると、逐次、運転情報データベース301に新規データを1つ追加し、運転データを格納してゆく。通信部401は、運転情報データベース301をいつでも参照することができる。
(第1空気調和装置の構成)
図6を参照して、第1空気調和装置10の構成を説明する。
〔室内ユニット〕
室内ユニット4,5は、第1物件110の屋内の天井に埋め込みや吊り下げ等により、又は、屋内の壁面に壁掛け等により設置されている。室内ユニット4,5は、液冷媒連絡配管6及びガス冷媒連絡配管7を介して室外ユニット2に接続されている。尚、室内ユニット4と室内ユニット5とは同様の構成であるため、ここでは、室内ユニット4の構成のみ説明し、室内ユニット5の構成については、それぞれ、室内ユニット4の各部を示す40番台の符号の代わりに50番台の符号を付して、各部の説明を省略する。
〔室外ユニット〕
室外ユニット2は、第1物件110の屋上等に設置されており、液冷媒連絡配管6及びガス冷媒連絡配管7を介して室内ユニット4,5に接続されている。
〔第1空気調和装置の動作〕
次に、第1空気調和装置10の運転モードについて説明する。第1空気調和装置10の運転モードには、冷房運転モードと暖房運転モードとが含まれる。
(第2空気調和装置の構成)
第2空気調和装置の構成は、第1空気調和装置の構成と同様である。また、第2空気調和装置を構成する機器は、それぞれの機器に対応する第1空気調和装置を構成する機器と型番が等しい。さらに、第1空気調和装置10が設置された第1物件110と第2空気調和装置20が設置された第2物件210とは近隣に存在しており、外気温度等の環境条件もほぼ等しい。このように、第1空気調和装置10と第2空気調和装置20とは、構成が類似し、かつ、類似した環境条件下に存在する。
(第1空気調和装置における異常検知動作)
次に、異常検知システム3が第1空気調和装置10における異常を検知する動作を説明する。
〔遠隔管理用コンピュータによる第1空気調和装置における異常検知動作〕
以下、図7を参照して、遠隔管理用コンピュータ400が第1空気調和装置10において異常を検知する場合の動作を説明する。以下、第1空気調和装置10における冷媒漏洩検知を例として説明するが、これに限定されず、以下の冷媒漏洩検知動作は、冷媒漏洩検知以外の異常検知にも利用される。
ただし、Xkは、n個の第1空気調和装置10の冷凍サイクルの過冷却度をSC1,SC2,・・・,SCn、過熱度をSH1,SH2,・・・,SHn、高圧圧力をHp1,Hp2,・・・,Hpn、低圧圧力をLp1,Lp2,・・・,Lpn、外気温度をTa1,Ta2,・・・,Tan、室内温度をTr1,Tr2,・・・,Trn、圧縮機回転数をf1,f2,・・・,fnとしたときに、
Xk=(SCk,SHk,Hpk,Lpk,Tak,Trk,fk)(k=1,・・・,n)
となる7行1列の観測値行列であり、
μは、それぞれm個の要素を有する第1空気調和装置10の冷凍サイクルの過冷却度データ群(SC1,SC2,・・・,SCm)、過熱度データ群(SH1,SH2,・・・,SHm)、高圧圧力データ群(Hp1,Hp2,・・・,Hpm)、低圧圧力データ群(Lp1,Lp2,・・・,Lpm)、外気温度データ群(Ta1,Ta2,・・・,Tam)、室内温度データ群(Tr1,Tr2,・・・,Trm)、圧縮機回転数データ群(f1,f2,・・・,fm)を考えたときに、これら7つのデータ群の平均値を成分とする7行1列の平均値行列であり、
(Xk−μ)Tは、(Xk−μ)の転置行列であり、
Σは、それぞれm個の要素を有する第1空気調和装置10の冷凍サイクルの過冷却度データ群(SC1,SC2,・・・,SCm)、過熱度データ群(SH1,SH2,・・・,SHm)、高圧圧力データ群(Hp1,Hp2,・・・,Hpm)、低圧圧力データ群(Lp1,Lp2,・・・,Lpm)、外気温度データ群(Ta1,Ta2,・・・,Tam)、室内温度データ群(Tr1,Tr2,・・・,Trm)、圧縮機回転数データ群(f1,f2,・・・,fm)の7行7列の分散共分散行列である。
〔定常状態の運転状態データを選別する方法〕
上記ステップS22,S24及びS27において、CPU405は、HD407に記憶された制御プログラムに従って、日報データ及び初期運転データに含まれる各運転データを定常状態又は過渡状態に分類することにより、定常状態の運転データを選別する。
Vi={SC(ti)−SC(ti-12),
SH(ti)−SH(ti-12),
Hp(ti)−Hp(ti-12),
Lp(ti)−Lp(ti-12),
Ta(ti)−Ta(ti-12),
Tr(ti)−Tr(ti-12),
f(ti)−f(ti-12)}
と表される。すなわち、時刻tiにおける運転状態データの変化率値は、時刻tiの状態量から時刻ti-12(すなわち、時刻tiの60秒前)の状態量を引いた値として計算される。従って、運転状態データの変化率値とは、1分間の状態量の変化量で定義される。
(第2空気調和装置における異常検知動作)
第2空気調和装置20における異常検知動作は、第1空気調和装置10における異常検知動作と同様である。
(特徴)
(1)
上記実施形態では、第1空気調和装置10における異常検知は、第1空気調和装置10の運転条件データを利用して運転条件の等しい運転状態データ同士を比較することで行われる。また、第1空気調和装置10以外の空気調和装置における異常検知についても同様である。これにより、運転条件を考慮して空気調和装置における異常を検知することができ、異常検知の精度が向上する。
(2)
上記実施形態では、第1空気調和装置10における異常検知は、第1空気調和装置10の運転状態データの変化率値を利用して運転状態データを定常状態と過渡状態とに分類し、定常状態の運転状態データ同士を比較することで行われる。また、第1空気調和装置10以外の空気調和装置における異常検知についても同様である。これにより、定常状態と過渡状態との特性の違いを考慮して異常検知を行うことができ、異常検知の精度が向上する。
(3)
上記実施形態では、第1空気調和装置10における異常検知は、第1空気調和装置10の現在の運転状態データを、第1空気調和装置10又は第1空気調和装置10と類似する第2空気調和装置20の過去の運転状態データと比較することにより行われる。これにより、第1空気調和装置の過去の運転状態データの量が不足しているときにも、個々の空気調和装置の特性を考慮して異常を検知することができる。第1空気調和装置10以外の空気調和装置における異常検知についても同様である。
(4)
上記実施形態では、第1空気調和装置10における異常検知は、主に遠隔管理センター60内の遠隔管理コンピュータ400が行っている。すなわち、第1空気調和装置10と同じ第1物件110内にある第1ローカルコントローラ100は、第1空気調和装置10から運転状態データを取得して送信するだけでよく、異常を検知するための主な処理は、遠隔管理コンピュータ400が担っている。また、第1空気調和装置10以外の空気調和装置における異常検知についても同様である。これにより、運転情報データベース301に含まれる膨大な量の過去の運転状態データを対象とした高い計算能力を必要とするデータマイニングを行うことが比較的容易になり、従来よりも高精度の異常検知が可能になる。
(5)
最近では、空気調和装置等の設備機器がインターネット回線等を介して遠隔にある遠隔管理センターで管理されることが多く、また、空気調和装置が設置された物件内において、ローカルコントローラが設置されていることが多い。こうしたローカルコントローラは、空気調和装置の運転を管理するとともに、遠隔管理のために定期的に空気調和装置の運転データを取得し遠隔管理センターの遠隔管理用コンピュータに送信する。このような場合、異常検知システム3を導入するに際して、既設の機器を利用することが可能であり、新たに導入される機器を最小化し、利用者又はサービス提供者のコスト等の負担を軽減することができる。また、この異常検知システム3では、検知装置である遠隔管理用コンピュータ400が物件の遠隔に存在するため、検知装置の操作のためにサービスマンがわざわざ現地に赴く必要がなく、サービス提供者のコスト等の負担をさらに軽減することができる。
<変形例>
(1)
上記実施形態では、運転状態データの変化率値は、1分間の状態量の変化量として定義されているが、任意の時間間隔における状態量の変化量として定義されてもよい。また、運転状態データは、5秒間隔で第1LC100により第1空気調和装置10から取得されるが、任意の時間間隔で取得されてもよい。第1空気調和装置10以外の空気調和装置においても同様である。
(2)
上記実施形態では、運転条件の等しい運転状態データを選別しているが、運転条件の少なくとも一部が一致する、すなわち、運転条件の類似する運転状態データを選別してもよい。この場合、運転条件データに対してクラスター分析等を行い運転条件データ間の類似度を計算し、運転条件データ間の類似度が所定の値よりも大きくなる場合に運転条件が類似すると判定してもよい。運転条件の等しい運転状態データと比べ、運転条件の類似する運転状態データの量はかなり多く取ることができるため、遠隔管理コンピュータ400による異常検知動作に利用することができるサンプルデータを多く取ることができ、異常検知の精度が向上する。
(3)
上記実施形態では、運転状態データの変化率値の計算は、遠隔管理用コンピュータ400が異常検知動作を行う際に行われているが、遠隔管理用コンピュータ400が第1LC100から運転状態データを受信した時点で行われてもよい。この場合、大容量蓄積装置300の運転情報データベース301に変化率値データセットViの各要素を格納するデータフィールドを用意しておき、運転状態データを運転情報データベース301に格納する時点で、変化率値データセットViの各要素も同様に格納しておく。この場合、遠隔管理用コンピュータ400が異常検知動作を行う際に以前の運転状態データを参照する必要がなく、遠隔管理用コンピュータ400の異常検知動作を高速化することができる。第1空気調和装置10以外の空気調和装置における異常検知についても同様である。
(4)
上記実施形態では、第1空気調和装置10における異常検知は、遠隔管理センター60内の遠隔管理用コンピュータ400で行われているが、第1空気調和装置10が存在する第1物件110内で行われてもよい。この場合、例えば、サービスマンが図7及び図8のフローチャートに従う異常を検知するためのプログラムを備えたノート型コンピュータを携帯して第1物件110まで出張し、第1物件110内で第1空気調和装置10を管理する第1LCに接続し、さらに、インターネット回線70を介して遠隔にある大容量蓄積装置300に接続する等して、第1空気調和装置10における異常を検知してもよい。第1空気調和装置10以外の空気調和装置における異常検知についても同様である。
(5)
上記実施形態では、第1空気調和装置10における冷媒漏洩の検知は、第1空気調和装置10の冷凍サイクルの過冷却度SC、過熱度SH、低圧圧力Lp、高圧圧力Hp、外気温度Ta、室内温度Tr及び圧縮機回転数fを利用して行っているが、各種センサ28〜35,44〜46,54〜56の検出信号から得られる各種状態量を利用して冷媒漏洩の検知を行ってもよい。また、図7及び図8に示されるフローチャートは、冷媒漏洩検知以外の異常検知にも利用され得る。この場合も、各種センサ28〜35,44〜46,54〜56の検出信号から得られる適当な各種状態量を利用して異常検知が行われる。第1空気調和装置10以外の空気調和装置における異常検知についても同様である。
(6)
上記実施形態では、第1空気調和装置10における異常検知は、図7のステップS26に従うマハラノビス距離計算により行われているが、重回帰分析、クラスター分析等の他のデータマイニング方法が用いられてもよい。第1空気調和装置10以外の空気調和装置における異常検知についても同様である。
(7)
上記実施形態において遠隔管理用コンピュータ400が行う第1空気調和装置10における異常検知動作の一部を第1LC100が行ってもよい。すなわち、遠隔管理用コンピュータ400が比較的計算負荷の大きい処理を行い、第1LC100が比較的計算負荷の小さい処理を行う。例えば、遠隔管理用コンピュータ400は、ステップS28における分散共分散行列及び平均値行列の計算のみを行い、第1LC100は、図7のフローチャートにおけるその他の処理を行う。遠隔管理用コンピュータ400は、第1LC100が分散共分散行列及び平均値行列の計算以外の処理を実行する前に分散共分散行列及び平均値行列を計算し、その計算結果を第1LC100に送信しておく。この場合、異常検知システム3は、ネットワーク障害等により遠隔管理用コンピュータ400が第1空気調和装置10と分断された場合にも、第1空気調和装置10における異常検知を行うことができる。第1空気調和装置10以外の空気調和装置における異常検知についても同様である。
10 第1空気調和装置
20 第2空気調和装置
70 インターネット回線
100 第1ローカルコントローラ
110 第1物件
200 第2ローカルコントローラ
210 第2物件
300 大容量蓄積装置
400 遠隔管理用コンピュータ
Claims (6)
- 空気調和装置(10,20)の運転条件を示す運転条件データ及び前記運転条件の下での前記空気調和装置(10,20)の運転状態データを取得する取得装置(100,200)と、
前記取得装置(100,200)により取得された前記運転条件データ及び前記運転状態データを蓄積する蓄積装置(300)と、
前記取得装置(100,200)により取得された現在の前記運転状態データを前記蓄積装置(300)に蓄積された過去の前記運転状態データの少なくとも一部と比較することにより前記空気調和装置(10,20)における異常を検知する際に、前記運転条件データを利用する検知装置(400)と、
を備える、異常検知システム(3)。 - 前記検知装置(400)は、前記現在の運転状態データを、前記現在の運転状態データと前記運転条件の少なくとも一部が等しい前記過去の運転状態データの少なくとも一部と比較する、
請求項1に記載の異常検知システム(3)。 - 前記運転条件は、前記空気調和装置(10,20)を構成する室内ユニット(4,5)の起動状態、前記室内ユニット(4,5)の運転モード、外気温度及び室内温度の少なくとも1つに関する、
請求項1または2に記載の異常検知システム(3)。 - 前記取得装置(100,200)は、前記空気調和装置(10,20)が設置される物件(110,210)内において前記空気調和装置(10,20)を管理する装置であり、
前記蓄積装置(300)及び前記検知装置(400)は、前記物件(110,210)の遠隔にあり、前記取得装置(100,200)にインターネット回線(70)、専用回線または電話回線を介して接続される、
請求項1〜3のいずれかに記載の異常検知システム(3)。 - 前記検知装置(400)は、前記空気調和装置(10,20)における冷媒漏洩を検知する、
請求項1〜4のいずれかに記載の異常検知システム(3)。 - 前記運転状態データは、前記空気調和装置(10,20)の冷凍サイクルの過冷却度、過熱度、低圧圧力、高圧圧力、外気温度、室内温度及び圧縮機回転数の少なくとも1つに関する、
請求項1〜5のいずれかに記載の異常検知システム(3)。
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