JP4826117B2 - 冷媒漏洩検知システム - Google Patents
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Description
図1を参照して、本発明の一実施形態に係る冷媒漏洩検知システム3の構成を説明する。
(第1ローカルコントローラの構成)
図2を参照して、第1LC100の構成を説明する。
(第2ローカルコントローラの構成)
第2LC200の構成は、第1LC100の構成と同様である。
(遠隔管理用コンピュータの構成)
図3を参照して、遠隔管理用コンピュータ400の構成を説明する。
(大容量蓄積装置の構成)
大容量蓄積装置300は、遠隔管理センター60内に存在し、遠隔管理用コンピュータ400と通信する。大容量蓄積装置300は、第1空気調和装置10及び第2空気調和装置20の運転状態データを格納する運転情報データベース301(図1参照)を有する。大容量蓄積装置300は、通信部401から第1空気調和装置10又は第2空気調和装置20の運転状態データを1つ受信すると、逐次、運転情報データベース301に新規データを1つ追加し、運転状態データを格納してゆく。通信部401は、運転情報データベース301をいつでも参照することができる。
(第1空気調和装置の構成)
図4を参照して、第1空気調和装置10の構成を説明する。
〔室内ユニット〕
室内ユニット4,5は、第1物件110の屋内の天井に埋め込みや吊り下げ等により、又は、屋内の壁面に壁掛け等により設置されている。室内ユニット4,5は、液冷媒連絡配管6及びガス冷媒連絡配管7を介して室外ユニット2に接続されている。尚、室内ユニット4と室内ユニット5とは同様の構成であるため、ここでは、室内ユニット4の構成のみ説明し、室内ユニット5の構成については、それぞれ、室内ユニット4の各部を示す40番台の符号の代わりに50番台の符号を付して、各部の説明を省略する。
〔室外ユニット〕
室外ユニット2は、第1物件110の屋上等に設置されており、液冷媒連絡配管6及びガス冷媒連絡配管7を介して室内ユニット4,5に接続されている。
〔第1空気調和装置の動作〕
次に、第1空気調和装置10の運転モードについて説明する。第1空気調和装置10の運転モードには、冷房運転モードと暖房運転モードとが含まれる。
(第2空気調和装置の構成)
第2空気調和装置の構成は、第1空気調和装置の構成と同様である。また、第2空気調和装置を構成する機器は、それぞれの機器に対応する第1空気調和装置を構成する機器と型番が等しい。さらに、第1空気調和装置10が設置された第1物件110と第2空気調和装置20が設置された第2物件210とは近隣に存在しており、外気温度等の環境条件もほぼ等しい。このように、第1空気調和装置10と第2空気調和装置20とは、構成が類似し、かつ、類似した環境条件下に存在する。
(第1空気調和装置における冷媒漏洩の検知動作)
次に、冷媒漏洩検知システム3が第1空気調和装置10における冷媒漏洩を検知する動作を説明する。
ただし、Xkは、n個の第1空気調和装置10の冷凍サイクルの過冷却度をSC1,SC2,・・・,SCn、過熱度をSH1,SH2,・・・,SHn、高圧圧力をHp1,Hp2,・・・,Hpn、低圧圧力をLp1,Lp2,・・・,Lpn、外気温度をTa1,Ta2,・・・,Tan、室内温度をTr1,Tr2,・・・,Trn、圧縮機回転数をf1,f2,・・・,fnとしたときに、
Xk=(SCk,SHk,Hpk,Lpk,Tak,Trk,fk)(k=1,・・・,n)
となる7行1列の観測値行列であり、
(Xk−μ)Tは、(Xk−μ)の転置行列であり、
μは、それぞれm個の要素を有する第1空気調和装置10の冷凍サイクルの過冷却度データ群(SC1,SC2,・・・,SCm)、過熱度データ群(SH1,SH2,・・・,SHm)、高圧圧力データ群(Hp1,Hp2,・・・,Hpm)、低圧圧力データ群(Lp1,Lp2,・・・,Lpm)、外気温度データ群(Ta1,Ta2,・・・,Tam)、室内温度データ群(Tr1,Tr2,・・・,Trm)、圧縮機回転数データ群(f1,f2,・・・,fm)を考えたときに、これら7つのデータ群の平均値を成分とする7行1列の平均値行列であり、
Σは、それぞれm個の要素を有する第1空気調和装置10の冷凍サイクルの過冷却度データ群(SC1,SC2,・・・,SCm)、過熱度データ群(SH1,SH2,・・・,SHm)、高圧圧力データ群(Hp1,Hp2,・・・,Hpm)、低圧圧力データ群(Lp1,Lp2,・・・,Lpm)、外気温度データ群(Ta1,Ta2,・・・,Tam)、室内温度データ群(Tr1,Tr2,・・・,Trm)、圧縮機回転数データ群(f1,f2,・・・,fm)の7行7列の分散共分散行列である。
(第2空気調和装置における冷媒漏洩の検知動作)
第2空気調和装置20における冷媒漏洩の検知動作は、第1空気調和装置10における冷媒漏洩の検知動作と同様である。
(特徴)
(1)
上記実施形態では、第1空気調和装置10における冷媒漏洩の検知は、第1空気調和装置10の現在の運転状態データを、第1空気調和装置10又は第1空気調和装置10と類似する第2空気調和装置20の過去の運転状態データと比較することにより行われる。これにより、第1空気調和装置の過去の運転状態データの量が不足しているときにも、個々の空気調和装置の特性を考慮して冷媒漏洩を検知することができる。第1空気調和装置10以外の空気調和装置における冷媒漏洩の検知についても同様である。
(2)
上記実施形態では、第1空気調和装置10における冷媒漏洩の検知は、主に遠隔管理センター60内の遠隔管理コンピュータ400が行っている。すなわち、第1空気調和装置10と同じ第1物件110内にある第1ローカルコントローラ100は、第1空気調和装置10から運転状態データを取得して送信するだけでよく、冷媒漏洩を検知するための主な処理は、遠隔管理コンピュータ400が担っている。また、第1空気調和装置10以外の空気調和装置における冷媒漏洩の検知についても同様である。これにより、運転情報データベース301に含まれる膨大な量の過去の運転状態データを対象とした高い計算能力を必要とするデータマイニングを行うことが比較的容易になり、従来よりも高精度の冷媒漏洩検知が可能になる。
(3)
最近では、空気調和装置等の設備機器がインターネット回線等を介して遠隔にある遠隔管理センターで管理されることが多く、また、空気調和装置が設置された物件内において、ローカルコントローラが設置されていることが多い。こうしたローカルコントローラは、空気調和装置の運転を管理するとともに、遠隔管理のために定期的に空気調和装置の運転状態データを取得し遠隔管理センターの遠隔管理用コンピュータに送信する。このような場合、冷媒漏洩検知システム3を導入するに際して、既設の機器を利用することが可能であり、新たに導入される機器を最小化し、利用者又はサービス提供者のコスト等の負担を軽減することができる。
<変形例>
(1)
上記実施形態では、第1空気調和装置10における冷媒漏洩の検知は、遠隔管理センター60内の遠隔管理用コンピュータ400で行われているが、第1空気調和装置10が存在する第1物件110内で行われてもよい。この場合、例えば、サービスマンが図5のフローチャートに従う冷媒漏洩を検知するためのプログラムを備えたノート型コンピュータを携帯して第1物件110まで出張し、第1物件110内で第1空気調和装置10を管理する第1LC100に接続し、さらに、インターネット回線70を介して遠隔にある大容量蓄積装置300に接続する等して、第1空気調和装置10における冷媒漏洩を検知してもよい。第1空気調和装置10以外の空気調和装置における冷媒漏洩の検知についても同様である。
(2)
上記実施形態において遠隔管理用コンピュータ400が行う第1空気調和装置10における冷媒漏洩の検知動作の一部を第1LC100が行ってもよい。すなわち、遠隔管理用コンピュータ400が比較的計算負荷の大きい処理を行い、第1LC100が比較的計算負荷の小さい処理を行う。例えば、遠隔管理用コンピュータ400は、ステップS26における分散共分散行列及び平均値行列の計算のみを行い、第1LC100は、図5のフローチャートにおけるその他の処理を行う。遠隔管理用コンピュータ400は、第1LC100が分散共分散行列及び平均値行列の計算以外の処理を実行する前に分散共分散行列及び平均値行列を計算し、その計算結果を第1LC100に送信しておく。この場合、冷媒漏洩検知システム3は、ネットワーク障害等により遠隔管理用コンピュータ400が第1空気調和装置10と分断された場合にも、第1空気調和装置10における冷媒漏洩を検知することができる。第1空気調和装置10以外の空気調和装置における冷媒漏洩の検知についても同様である。
(3)
上記実施形態では、第1空気調和装置10における冷媒漏洩の検知は、第1空気調和装置10の冷凍サイクルの過冷却度SC、過熱度SH、低圧圧力Lp、高圧圧力Hp、外気温度Ta、室内温度Tr及び圧縮機回転数fを利用して行っているが、各種センサ28〜35,44〜46,54〜56の検出信号から得られる各種状態量を利用して冷媒漏洩の検知を行ってもよい。第1空気調和装置10以外の空気調和装置における冷媒漏洩の検知についても同様である。
(4)
上記実施形態では、第1空気調和装置10における冷媒漏洩の検知は、図5のステップS26に従うマハラノビス距離計算により行われているが、重回帰分析、クラスター分析等の他のデータマイニング方法が用いられてもよい。第1空気調和装置10以外の空気調和装置における冷媒漏洩の検知についても同様である。
(5)
遠隔管理用コンピュータ400の通信部401,408、計算部402、判定部403及び表示部404による処理は、遠隔管理用コンピュータ400におけるその他の処理と同様、HD407に記憶された適切な制御プログラムに従って、CPU405により実行されてもよい。すなわち、遠隔管理用コンピュータ400による処理全体は、上記実施形態の態様で通信部401,408、計算部402、判定部403、表示部404、CPU405、メモリ406及びHD407に分散される必要はなく、任意の態様でハードウェア、ソフトウェア又はその組み合わせにより実行され得る。
10 第1空気調和装置
20 第2空気調和装置
70 インターネット回線
100 第1ローカルコントローラ
110 第1物件
200 第2ローカルコントローラ
210 第2物件
300 大容量蓄積装置
400 遠隔管理用コンピュータ
402 計算部
403 判定部
Claims (7)
- 第1空気調和装置(10)の運転状態データを取得する第1取得装置(100)と、
前記第1空気調和装置(10)と機器構成および環境条件の少なくとも一方が類似する第2空気調和装置(20)の運転状態データを取得する第2取得装置(200)と、
前記第1取得装置(100)により取得された前記第1空気調和装置(10)の運転状態データ及び前記第2取得装置(200)により取得された前記第2空気調和装置(20)の運転状態データを蓄積する蓄積装置(300)と、
前記蓄積装置(300)に蓄積されている前記第1空気調和装置(10)の運転状態データの量が不足しているときに、前記蓄積装置(300)に蓄積されている前記第2空気調和装置(20)の運転状態データを参照して前記第1空気調和装置(10)における冷媒漏洩を検知する検知装置(400)と、
を備える、冷媒漏洩検知システム(3)。 - 前記検知装置(400)は、前記蓄積装置(300)に蓄積されている前記第1空気調和装置(10)の運転状態データの量が不足していないときには、前記蓄積装置(300)に蓄積されている前記第1空気調和装置(10)の運転状態データを参照して前記第1空気調和装置(10)における冷媒漏洩を検知する、
請求項1に記載の冷媒漏洩検知システム(3)。 - 前記検知装置(400)は、前記第1取得装置(100)により取得された現在の前記第1空気調和装置(10)の前記運転状態データを前記蓄積装置(300)に蓄積されている前記運転状態データの少なくとも一部と比較することにより前記第1空気調和装置(10)における冷媒漏洩を検知する、
請求項1又は2に記載の冷媒漏洩検知システム(3)。 - 前記検知装置(400)は、前記第1取得装置(100)により取得された現在の前記第1空気調和装置(10)の前記運転状態データを、前記蓄積装置(300)に蓄積されている前記運転状態データのうち、前記第1空気調和装置(10)の利用開始時から所定の期間における前記第1空気調和装置(10)の初期運転状態データと比較することにより前記第1空気調和装置(10)における冷媒漏洩を検知する、
請求項1から3のいずれかに記載の冷媒漏洩検知システム(3)。 - 前記第1取得装置(100)は、前記第1空気調和装置(10)が設置される第1物件(110)内において前記第1空気調和装置(10)を管理する装置であり、
前記第2取得装置(200)は、前記第2空気調和装置(20)が設置される第2物件(210)内において前記第2空気調和装置(20)を管理する装置であり、
前記蓄積装置(300)及び前記検知装置(400)は、前記第1物件(110)および前記第2物件(210)の遠隔にあり、前記第1取得装置(100)および前記第2取得装置(200)にインターネット回線(70)、専用回線又は電話回線を介して接続される、
請求項1から4のいずれかに記載の冷媒漏洩検知システム(3)。 - 前記検知装置(400)は、
前記蓄積装置(300)に蓄積されている前記運転状態データの少なくとも一部を基準にして、前記第1取得装置(100)により取得された現在の前記第1空気調和装置(10)の前記運転状態データのマハラノビス距離を計算する計算部(402)と、
前記マハラノビス距離が所定値以上となる場合に前記第1空気調和装置(10)において冷媒が漏洩していると判定し、前記マハラノビス距離が前記所定値よりも小さい場合は前記第1空気調和装置(10)において冷媒が漏洩していないと判定する判定部(403)と、
を有する、
請求項1〜5のいずれかに記載の冷媒漏洩検知システム(3)。 - 前記運転状態データは、前記第1空気調和装置(10)および前記第2空気調和装置(20)の冷凍サイクルの過冷却度、過熱度、低圧圧力、高圧圧力、外気温度、室内温度及び圧縮機回転数の少なくとも1つに関する、
請求項1〜6のいずれかに記載の冷媒漏洩検知システム(3)。
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