JP2006275030A - エンジンの吸気制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 バルブオーバーラップを実現可能なエンジンにおいて、オーバーラップ期間中の残留ガスの逆流を抑制する。
【解決手段】 第1および第2の気筒の吸気弁16よりも上流側の吸気通路11にそれぞれ設けられて各吸気通路11を開閉する吸気制御弁23と、各吸気制御弁23の開閉を行うアクチュエータと、各吸気通路11における吸気弁16と吸気制御弁23との間の弁間通路35を互いに連通する連通路51a,51bとを具える。連通路51a,51bの利用により、弁間通路35が吸気制御弁23より上流の吸気通路11よりも高圧にされ、オーバーラップ期間中の残留ガスの逆流が抑制される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、吸気弁および排気弁がいずれも開いているオーバーラップを実現可能な動弁機構を搭載したエンジンの吸気制御装置に関し、特に、残留ガスの低減並びに残留ガスの掃気性の向上が意図されたものに関する。
従来、エンジンのクランクシャフトの回転に対するカムシャフトの回転の位相を変化させることにより、吸気弁や排気弁のバルブタイミング(開閉タイミング)を任意に変化させることのできる可変バルブタイミング機構が種々提案されている。
このような可変バルブタイミング機構では、掃気性の向上などを目的として、吸排気バルブがいずれも開いているオーバーラップ期間を設ける場合がある。しかし、このオーバーラップ期間に、排気ポート内の圧力が吸気ポート内の圧力よりも高い場合には、排気ポートに存在する残留ガスが、吸気ポート内に逆流する可能性がある。
このような残留ガスの逆流を抑制する手段として、特許文献1が開示する装置は、ターボチャージャの過給圧を高めて、オーバーラップ期間中の吸気圧を排気圧より高くし、これによって掃気を促進している。他方、特許文献2が開示する装置は、吸気弁と、この吸気弁の上流に設けたインパルス過給弁との間の領域に、2次空気ポンプで正圧を供給し、これによってオーバーラップ期間中の吸気圧を排気圧より高くし、掃気を促進している。
特開平1−104922号公報 特開2003−193845号公報
しかし、特許文献1の装置は、ターボチャージャを利用するため、エンジン回転数あるいは負荷が低いときには応答性が悪い。また特許文献2の装置は、当該用途のための専用の2次空気ポンプを設ける必要があるため、製造コストおよび設置スペースに関して不利である。
そこで本発明の目的は、バルブオーバーラップを実現可能なエンジンにおいて、オーバーラップ期間中の残留ガスの逆流を抑制する新規な手段を提供することにある。
本発明の第1の態様は、第1および第2の気筒と、前記第1および第2の気筒のそれぞれについて吸気弁と排気弁との開弁特性を制御する動弁機構と、を具えたエンジンにおいて、第1および第2の気筒の前記吸気弁よりも上流側の吸気通路にそれぞれ設けられて当該各吸気通路を開閉する吸気制御弁と、前記各吸気制御弁の開閉を行うアクチュエータと、前記第1および第2の気筒の各吸気通路における前記吸気弁と前記吸気制御弁との間の弁間通路を互いに連通する連通路と、前記アクチュエータおよび前記動弁機構の作動を制御する制御手段と、を更に具えたことを特徴とするエンジンの吸気制御装置にある。
本発明においては、第1および第2の気筒の各弁間通路を互いに連通する連通路を設けたので、連通路を通じた弁間通路間の圧力の授受が可能となる。したがって、制御手段がアクチュエータおよび動弁機構を制御し、第1の気筒における吸気制御弁と吸気弁とを開閉することによって、第2の気筒におけるバルブオーバーラップ時に、第2の気筒の弁間通路を当該第2の気筒の前記吸気制御弁より上流の前記吸気通路に対して高圧にさせること可能になる。したがって、第2の気筒のオーバーラップ期間中の残留ガスの逆流が抑制される。本発明における第1および第2の気筒は、それぞれ単一でも複数でもよい。
本発明における動弁機構は、前記吸気弁または前記排気弁の開弁特性を制御することによりバルブオーバーラップ期間を変更可能であることとするのが好適である。
本発明における制御手段は、連通路を利用した各種の制御を行うことができるが、例えば、第1の気筒における圧縮行程中に、当該第1の気筒における前記吸気制御弁が全閉、当該第1の気筒における前記吸気弁が開、かつ第2の気筒における前記吸気弁および前記吸気弁が全閉の状態を実現する昇圧動作を行うのが好適である。このことによって、第1の気筒と連通された第2の気筒のオーバーラップ時に、連通路を介して第2の気筒の弁間通路を昇圧させ、当該第2の気筒における弁間通路を当該第2の気筒の前記吸気制御弁より上流の前記吸気通路に対して高圧にさせることが可能になる。
本発明における制御手段はまた、連通路を利用して、例えば、第1の気筒における吸気制御弁を、当該第1の気筒における吸気弁よりも遅く開弁させるインパルス過給動作を行うのが好適である。このことによって、第1の気筒に連通された第2の気筒のオーバーラップ時に、連通路を介して第2の気筒の弁間通路を昇圧させ、当該第2の気筒における弁間通路を当該第2の気筒の前記吸気制御弁より上流の前記吸気通路に対して高圧にさせることが可能になる。
本発明における連通路には、これを選択的に閉塞する閉塞手段を具えるのが特に好適である。閉塞手段を有する場合には、連通路を通じた圧力の供給を制御することが可能になるため、とくに単一の気筒について複数の連通路が設けられている場合に好適である。
本発明における閉塞手段としては、各種の弁装置を採用できるが、逆止弁あるいは電磁弁を用いるのが特に好適である。
エンジンが第1および第2の気筒を含む3以上の気筒を有する場合には、前記第2の気筒は、前記3以上の気筒のうち、前記第1の気筒における昇圧動作後に最初にバルブオーバーラップを生じる気筒とするのが特に好適である。この場合には、第1の気筒における昇圧動作から第2の気筒におけるバルブオーバーラップまでの圧力保持期間を短くすることができる。
本発明における制御手段はまた、前記第1の気筒の吸気行程の終了時点の近傍であって前記第1の気筒の前記昇圧動作の開始前に、前記第1の気筒の吸気弁が全閉かつ前記第1の気筒の吸気制御弁が開の状態を実現する第1の圧力回復動作を行うように、前記アクチュエータおよび前記動弁機構の作動を制御してもよい。この場合には、昇圧動作に先立って行われる第1の圧力回復動作の結果、吸気制御弁の上流側の空気によって、吸気経路における吸気弁と吸気制御弁との間の領域の圧力が回復されるので、昇圧動作を円滑に行うことができる。
制御手段はまた、前記第1の気筒の排気行程中であって前記第2の気筒の前記昇圧動作の開始前に、前記第1の気筒の吸気制御弁が開の状態を実現する第2の圧力回復動作を行うように、前記アクチュエータおよび前記動弁機構の作動を制御してもよい。この場合には、第1の圧力回復動作に比べて、吸気制御弁の動作タイミングを他の動作のタイミングから離すことができる可能性がある。しかしながら、本発明では第1および第2の昇圧動作の両者を実行してもよい。
以下、本発明の好適一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
図1に、本実施形態に係るエンジンの制御装置の構成を概略的に示す。本実施形態において、エンジン1は車両用多気筒4サイクルガソリンエンジンであり(図では1気筒のみ示す)、ガソリンからなる燃料をインジェクタ10から吸気通路11内に噴射し、これによって形成された混合気をシリンダ12内の燃焼室13で点火プラグ14によって着火させ、排気ガスを排気通路17を通じて排出する構造となっている。なお、本発明はガソリンエンジンに限らずディーゼルエンジン等の他の型式のエンジンにも適用可能であり、燃料としてアルコールやLPG等の液化天然ガスなど代替燃料を用いるエンジンにも適用可能である。
吸気通路11は、知られているように、互いに接続された吸気管、サージタンク、吸気マニホールド及び吸気ポート15によって区画形成される。特にその下流側端部が吸気ポート15によって区画形成され、吸気ポート15の出口が吸気弁16によって開閉される。インジェクタ12は吸気ポート15内に臨んで吸気通路11に設けられ、吸気ポート15内に向けて燃料を噴射する。排気通路17は、知られているように、互いに接続された排気ポート19、排気マニホールド、排気管及び触媒18によって区画形成される。特にその上流側端部が排気ポート19によって区画形成され、排気ポート19の入口が排気弁20によって開閉される。
動弁機構VMは、吸気弁16および排気弁20を、エンジン1に同期して個別に任意の開度およびタイミングで制御することが可能な機構であり、吸気弁16と排気弁20とにそれぞれ個別に設けられたソレノイドを含んでいる。なお、このような構成に代えて、動弁機構VMとしては例えば単一の弁に適用される2種類のカムを油圧によって切り替えることによってバルブタイミングおよびカムプロフィールを任意に変更できる可変バルブタイミング機構(VVT; Variable Valve Timing mechanism)を用いてもよい。動弁機構VMは、吸気弁16と排気弁20とが同時に開くバルブオーバーラップを実現可能である。
触媒18は排気管の途中に設けられて排気ガス中のCO、HC、NOx等の有害物質を除去する。なお触媒18は本実施形態では三元触媒であるが、酸化触媒、NOx触媒等であってもよい。触媒18は複数個設けられてもよい。
吸気通路11には、上流側から順にエアフローメータ21、吸気絞り弁22及び吸気制御弁23が設けられている。吸気通路11は、吸気制御弁23の上流側で4つに分岐している。エアフローメータ21は、これを通過する空気流量に応じた信号を制御手段としての電子制御ユニット(以下ECUという)100に出力する。吸気絞り弁22は本実施形態では電気作動式であり、その開度がECU100によって制御可能であるが、アクセルペダルと連動するようこれと機械的に連結されたものであってもよい。吸気制御弁23については後に詳述する。このように、吸気通路11においては、吸気弁16の上流側に吸気制御弁23が設けられ、吸気制御弁23の上流側に吸気絞り弁22が設けられる。また吸気弁16と吸気制御弁23との間にインジェクタ10が設けられる。
シリンダ12内にはピストン24が往復動可能に収容されている。ピストン24はコンロッド25を介してクランク軸26に連結される。エンジン始動のためのスタータ27も設けられ、これは、エンジンの始動時に、クランク軸26の端部に設けられたリングギヤに噛み合ってクランク軸26を駆動する。
かかるエンジンの制御装置の電気的構成について述べる。ECU100には、前述のインジェクタ10、点火プラグ14、エアフローメータ21、吸気絞り弁22、吸気制御弁23、スタータ27のほか、クランク角センサ28、酸素濃度センサ29、アクセル開度センサ30、ブレーキスイッチ31、車速センサ32が接続されている。
インジェクタ10は、ECU100から出力されるオンオフ信号に基づいて開閉され、これによって燃料噴射を実行・停止する。点火プラグ14は、ECU100から出力される点火信号に基づいて火花を放出する。
吸気絞り弁22はバタフライ弁の形式であり、吸気通路11内に配設された弁体37と、弁体37を駆動するロータリソレノイド等の電動アクチュエータ38と、弁体37の開度を検出するセンサ39とを具える。そしてECU100は、通常、そのセンサ39の開度値が、アクセル開度センサ30の検出値に応じた値となるように、電動アクチュエータ38を制御する。ここでアクセル開度センサ30は、ドライバによるアクセルペダルの操作量(踏み込み量)に応じた信号をECU100に出力する。スタータ27はECU100から出力されるオンオフ信号に基づいてオンオフされる。
クランク角センサ28は、クランク軸26の所定の位相間隔でパルス信号をECU100に出力する。ECU100はこのパルス信号に基づいて、クランク軸26即ちエンジンの位相を検出すると共に、クランク軸26の回転速度即ちエンジン回転速度を演算する。酸素濃度センサ29は、排気ガス中の酸素濃度に応じた信号をECU100に出力する。
ECU100は、エンジン運転状態に応じて燃料噴射量、燃料噴射時期及び点火時期を制御する。即ち、ECU100は、主に、クランク角センサ28の出力信号に基づいて得られるエンジン回転速度と、エアフローメータ21の出力値に基づいて得られる空気量とから、予め記憶されたマップに基づき、インジェクタ10における燃料噴射量及び燃料噴射時期と、点火プラグ14における点火時期とを決定し、これら各値に基づいてインジェクタ10及び点火プラグ14を制御する。
吸気制御弁23は、吸気通路11内に配設された弁体33と、弁体33を駆動するロータリソレノイド等の電動アクチュエータ34とを具える。なお弁体33の開度を検出するセンサをさらに具えてもよい。吸気制御弁23は、吸気絞り弁22と異なり、その全閉時に吸気通路11を完全に閉止し、吸気の通過を完全に遮断する密閉性の高い構造となっている。これに対し吸気絞り弁22は、その全閉時に吸気通路11を最大に絞るだけで、吸気の通過を許容する。また吸気制御弁23の電動アクチュエータ34は、吸気絞り弁22の電動アクチュエータ38よりも遥かに高速で作動可能であり、応答性が高く、弁体33を例えば2、3msec以内に、クランク角の単位では10°CA程度のオーダーで、開閉可能である。これにより、吸気制御弁23は吸気弁16の開閉と同期して開閉可能である。本実施形態では吸気制御弁23がバタフライ弁形式となっているが、例えばシャッター弁等の他の形式であってもよい。
この吸気制御弁23は、ECU100から電動アクチュエータ34に出力される開度信号に応じて、全開から全閉まで、その開度が制御される。またこの吸気制御弁23は各気筒毎にあるいは各ポート15毎に設けられ、個々の気筒を単位として吸気制御弁23が制御される。
本実施形態における吸気制御弁23は、通常のエンジン運転時にいわゆるインパルス過給を実行するために使用される。このインパルス過給の概要は、例えば2003年フランクフルトモーターショーにて Siemens VDO Automotive AG から9月9日にプレス発表された "Impulses for Greater Driving Fun" に詳述されている。このインパルス過給は、車両の走行中、追い越しなどでエンジンの急加速が必要なときに有効である。
インパルス過給を行う場合、吸気制御弁23は、吸気弁16の開弁よりも遅く開弁するように、例えば吸気弁16の開弁期間の後期に開弁するように、制御される。この結果、吸気弁16の開弁開始時期から吸気制御弁23の開弁開始時期までの間に、吸気制御弁23と吸気弁16との間の吸気通路11(以下これを弁間通路35という)に負圧が形成され、この後吸気制御弁23を瞬時に開弁することで、吸気制御弁23の上流側に位置する吸気通路11内の吸気が一気に燃焼室13内に流れ込み、一種の慣性過給効果により多量の吸気を燃焼室13内に充填することが可能となる。換言すれば、このインパルス過給においては、吸気制御弁23の上下流側に形成される差圧と、吸気の慣性とを利用して、実質的な過給がなされることとなる。この過給は、前述のような吸気制御弁23の制御を開始するのと同時に開始され、即ちアクセルペダルを踏み込んだのと同時に開始されるので、タービンの立ち上りを待つターボ過給よりも応答性に優れ、車両の加速遅れを解消するのに好適である。
図2に示されるように、本実施形態では、各気筒が複数の吸気弁16を有し、このために各気筒の吸気通路11(特に吸気ポート15)が、吸気弁16の近傍で2つに分岐している。そして、気筒♯1と気筒♯4の各弁間通路35が、連通路51aによって互いに連通されている。また、気筒♯2と気筒♯3の各弁間通路35が、連通路51bによって互いに連通されている。なお、本実施形態のエンジン1では、「#1,#3,#4,#2」の順番で周期的に点火が行われ、気筒#4は、気筒#1の動作からクランク角360°遅れた位相で、気筒#1と同様に動作し、気筒#2は、気筒#3の動作からクランク角360°遅れた位相で、気筒#3と同様に動作する。
本実施形態におけるECU100は、上述したインパルス過給に係る制御のほかに、バルブオーバーラップ時に、弁間通路35が当該燃焼室13の排気ポート19あるいは当該燃焼室13の吸気制御弁23の上流よりも高圧になるように、電動アクチュエータ34および動弁機構VMの作動を制御する。具体的には、ECU100は、気筒♯1〜♯4のうちの第1の気筒(例えば気筒♯1)における圧縮行程中に、当該第1の気筒における吸気制御弁23が全閉、当該第1の気筒における吸気弁16が開、かつ第2の気筒(例えば気筒#4)における前記吸気弁および前記吸気弁が全閉の状態を実現する昇圧動作を行うように、アクチュエータ34および動弁機構VMの作動を制御する。このことによって、連通路51aを通じて第2の気筒の弁間通路35が昇圧され、第2の気筒におけるオーバーラップ時に、当該第2の気筒の弁間通路35が排気ポート19あるいは吸気制御弁23より上流の吸気通路11に対して高圧にされる。
このために、ECU100は、エンジン回転数および吸入空気量に基づいて、吸気弁16の基本的な開弁タイミング(クランク角)を算出する基本吸気タイミング算出部と、同じく吸入空気量およびエンジン回転数に基づいて、圧縮行程中の動弁機構VMによる吸気弁16の開閉タイミングを決定する圧縮行程開弁タイミング算出部と、を有する。
基本吸気タイミング算出部は、圧縮行程中の吸気弁16の開弁(すなわち昇圧動作)が行われない通常の運転時に使用されるオーバーラップ通常マップ(図3)と、昇圧動作が行われる場合に用いられるオーバーラップ拡大マップ(図4)とを有する。オーバーラップ通常マップおよびオーバーラップ拡大マップは、いずれもエンジン回転数Ne、負荷(1気筒あたりの吸入空気量Ga)、および吸気弁16の開弁タイミングが互いに関連付けられて記憶されたデータファイルであるが、エンジン回転数および負荷が等しい場合には、オーバーラップ拡大マップにおいてより早いタイミングで吸気弁16が開き、これによってより大きいオーバーラップ量(オーバーラップ期間)が実現されるように設定されている。
圧縮行程開弁タイミング算出部は、図5に示されるような特性の圧縮行程開弁タイミングマップを有する。この圧縮行程開弁タイミングマップは、エンジン回転数Ne、負荷(1気筒あたりの吸入空気量Ga)、および圧縮行程中の吸気弁16の開弁タイミングが互いに関連付けられて記憶されたデータファイルであって、この圧縮行程開弁タイミングマップの参照によって、圧縮行程中の吸気弁の開弁(すなわち昇圧動作)の実行の有無を含む圧縮行程中の開弁量(開度および開弁時間)が算出される。そして、この圧縮行程開弁タイミングマップにおける開弁量は、その昇圧動作によって実現される弁間通路35内の吸気圧が、エンジン回転数Neおよび負荷(吸入空気量Ga)に応じて推定される排気ポート19あるいは吸気制御弁23より上流の吸気通路11内の圧力より常に高圧になるように設定されている。
なお、ECU100は更に、吸気弁16の開閉タイミングに応じた吸気制御弁23の開閉タイミングを定めた吸気制御弁タイミングマップを有し、電動アクチュエータ34はECU100により、この吸気制御弁タイミングマップに従って制御される。
次に、本実施形態の動作について、図6に示されるフローチャートに従って説明する。ECU100は、まず、クランク角センサ28や吸気圧センサ30などの各センサの検出値、並びに電動アクチュエータ34の負荷電流値や、スロットルモータ23の動作位置によって検出されるスロットル開度などの、エンジン10の運転状態を示す各種のパラメータを読み込む(S10)。次に、電動アクチュエータ34の負荷電流値に基づいて、吸気制御弁23が正常であるかが判定される(S20)。吸気制御弁23が正常である場合には、次にエンジン10の運転状態が吸気制御弁23の動作範囲内であるかが判定される(S30)。この判定は、例えばクランク角センサ28の検出値に基づいて算出されるエンジン回転数が所定値(例えば3000rpm)以下であるかによって行われる。なお、吸気制御弁23をどのような運転領域で動作(吸気弁16の開閉タイミングと同期した開動作)させるかは、運転性能・燃費・エミッションなどの設計要求に応じて任意に定めることができる。
これらステップS20およびS30の両者で肯定の場合には、吸気制御弁動作フラグがオンされる(S40)。この吸気制御弁動作フラグは、別途に行われる吸気制御弁23の制御において参照され、吸気制御弁23は、該フラグがオンの場合にのみ動作され、吸気弁16と連動した一時的開動作による過給が行われることになる。なお、この吸気制御弁動作フラグは、ステップS20およびS30のいずれかで否定の場合にオフ(リセット)される(S70)。
次に、ECU100では、吸気弁16の圧縮行程開弁の実行範囲かが判定される(S50)。この判定は、エンジン回転数および吸入空気量に基づく圧縮行程開弁タイミングマップ(図5)の参照によって行われ、図5においてハッチングで示される所定の運転領域において肯定される。
ステップS50で肯定の場合には、次に、圧縮行程開弁実行フラグがオンされて(S60)本ルーチンを終了する。なお、圧縮行程開弁実行フラグは、別途に行われる吸気弁16の制御において参照される。具体的には、圧縮行程開弁実行フラグがオンの場合には、吸気弁16の制御においてオーバーラップ拡大マップ(図4)が用いられてオーバーラップ量(オーバーラップ時間)が拡大され、かつ、圧縮行程開弁タイミングマップが参照されて、圧縮行程中の吸気弁16の開弁すなわち昇圧動作が行われる。他方、圧縮行程開弁実行フラグがオフの場合には、吸気弁16の制御においてオーバーラップ通常マップ(図3)が用いられて、通常のオーバーラップ量(オーバーラップ時間)が選択され、また、圧縮行程中の吸気弁16の開弁すなわち昇圧動作は行われない。なお、この圧縮行程開弁実行フラグは、ステップS20・S30およびS50のいずれかで否定の場合にオフ(リセット)される(S80)。このように、吸気弁16の圧縮行程開弁が実行される場合に、そうでない場合に比してオーバーラップ量(オーバーラップ時間)を拡大することとした目的は、圧縮行程開弁が行われる場合の掃気性を一層高めることにある。
以上の処理の結果、本実施形態では、図7に示されるように、吸気制御弁23は、吸気弁16の開弁時期t0よりも遅く開弁(t1)し、そして吸気弁16の閉弁時期t3の近傍で閉弁(t2)するように、ECU100からの指令に基づき、電動アクチュエータ34によって制御される。その結果、燃焼室13に対して、上述したインパルス過給が行われることになる。
他方、本実施形態では、圧縮行程開弁タイミングマップに従って、当該気筒#1の圧縮行程中に、吸気弁16の一時的な開動作、すなわち、気筒#1の吸気制御弁23が全閉、気筒#1の吸気弁16が開、かつ気筒#4の吸気制御弁23・吸気弁16が全閉の状態を実現する昇圧動作(t4〜t5)が行われることになる。この昇圧動作の終了(t5)後、当該気筒♯1では圧縮上死点TDC2の近傍で点火が行われて膨張行程に入るが、そのときには気筒#1,#4の吸気制御弁23および吸気弁16はいずれも閉じられており、気筒#1の弁間通路35が高圧に維持される。また、連通路51aによって気筒#1に連通されている気筒#4の弁間通路35の圧力も、一時的に高圧にされる(矢印A)。他方、気筒♯1の圧縮上死点TDC2の近傍では、連通路51aによって気筒♯1に連通されている気筒#4のバルブオーバーラップが行われる(t10〜t11)。その結果、本実施形態では、気筒#4のバルブオーバーラップ時に、気筒#4の弁間通路35の圧力(すなわち、吸気制御弁下流圧)が、当該気筒#4の排気ポート19あるいは当該気筒#4の吸気制御弁23より上流の吸気通路11よりも高圧になるようにされる。気筒#1,#4の弁間通路35内の圧力は、気筒#4のオーバーラップ(t0)によって開放されることになる。
気筒#4は、気筒#1の動作からクランク角360°遅れた位相で、気筒#1と同様に動作する。すなわち、気筒#4の圧縮行程中に、気筒#4の吸気弁16の一時的な開動作である昇圧動作(t14〜t15)が行われ、その昇圧動作の開始後に、連通路51aによって気筒♯4に連通されている気筒#1のバルブオーバーラップが行われる(t0〜t1)。気筒#4における昇圧動作によって、気筒#4の弁間通路35、および連通路51aによって連通されている気筒#1の弁間通路35の圧力は、一時的に高圧にされる(矢印B)。その結果、気筒#1のバルブオーバーラップ時(t0〜t1)に、気筒#1の弁間通路35の圧力(すなわち、吸気制御弁下流圧)が、当該気筒#1の排気ポート19あるいは当該気筒#1の吸気制御弁23より上流の吸気通路11よりも高圧になるようにされる。
以上の動作と同様にして、図8に示されるように、3番目に点火が行われる気筒#4、および4番目に点火が行われる気筒#2についても、それぞれ圧縮行程中に吸気弁16が開かれる昇圧動作と、これによる連通路51bを通じた圧力の授受または確保とが繰り返し行われる。
以上のとおり、本実施形態では、第1および第2の気筒の各吸気通路における吸気弁16と吸気制御弁23との間の弁間通路35を互いに連通する連通路51a,51bを設けたので、連通路51a,51bを通じた弁間通路35間の圧力の授受が可能となる。したがって、ECU100が電動アクチュエータ34および動弁機構VMを制御し、第1および第2の気筒における吸気制御弁23と吸気弁16とを開閉することによって、第2の気筒におけるバルブオーバーラップ時に、第2の気筒の弁間通路35を当該第2の気筒の排気ポート19あるいは当該第2の気筒の吸気制御弁23より上流の吸気通路11に対して高圧にさせること可能になる。
また、本実施形態におけるECU100は、第1の気筒における圧縮行程中に、当該第1の気筒における吸気制御弁23が全閉、吸気弁16が開、かつ第2の気筒における吸気制御弁23および吸気弁16が全閉の状態を実現する昇圧動作を行う。このことによって、第1の気筒と連通された第2の気筒のオーバーラップ時に、連通路51a,51bを介して第2の気筒の弁間通路35を昇圧させ、当該第2の気筒における弁間通路35を当該第2の気筒の排気ポート19あるいは吸気制御弁23より上流の吸気通路11に対して高圧にさせることが可能になる。
また、本実施形態におけるECU100はまた、第1の気筒における吸気制御弁23を、当該第1の気筒における吸気弁よりも遅く開弁させるインパルス過給動作を行う。このことによって、第1の気筒に連通された第2の気筒のオーバーラップ時に、連通路を介して第2の気筒の弁間通路35を昇圧させ、当該第2の気筒における弁間通路35を当該第2の気筒の排気ポート19あるいは吸気制御弁23より上流の吸気通路11に対して高圧にさせることが可能になる。
また、本実施形態では、4つの気筒#1〜#4のうち、連通路51a,51bによるある気筒の連通先を、当該ある気筒における昇圧動作後に最初にバルブオーバーラップを生じる気筒としたので、昇圧動作から第2の気筒におけるバルブオーバーラップまでの圧力保持期間を短くすることができ、弁間通路35などの漏れに起因する圧力低下の影響を抑制することができる。なお、第1実施形態のようにエンジンが第1および第2の気筒を含む3以上の気筒を有する場合には、前記第2の気筒は、前記3以上の気筒のうち、前記第1の気筒における昇圧動作後に最初にバルブオーバーラップを生じる気筒とするのが特に好適である。
また本実施形態では、第1の気筒からの圧力の供給を受ける第2の気筒を、動作において第1の気筒からクランク角360°の位相差のある気筒としたので、単一の連通路51a,51bを2方向の圧力供給に、つまり第1の気筒から第2の気筒への圧力供給だけでなく、第2の気筒から第1の気筒への圧力供給にも利用することができ、かつ両方向の動作を対称にすることができる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態は、第1の気筒の吸気行程の終了時点の近傍であって第1の気筒の昇圧動作の開始前に、第1の気筒の吸気弁16が全閉かつ第1の気筒の吸気制御弁23が開の状態を実現する第1の圧力回復動作を行うように、ECU100が電動アクチュエータ34および動弁機構VMの作動を制御するものである。また、第2実施形態は、第1の気筒の排気行程中であって第1の気筒の昇圧動作の開始前に、第1の気筒の吸気制御弁23が開の状態を実現する第2の圧力回復動作を行うように、ECU100が電動アクチュエータ34および動弁機構VMの作動を制御するものである。この目的のため、本実施形態のECU100における吸気制御弁タイミングマップは、吸気行程の終了後であって昇圧動作の開始前の所定時期、および排気行程中であって第2の気筒の圧縮行程中の昇圧動作前の所定時期に、それぞれ吸気制御弁23が一次的に開かれるように設定されている。なお、第2実施形態の残余の構成は上記第1実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
第2実施形態の動作について説明する。図9に示されるように、気筒#1の吸気制御弁23は、吸気弁16の開弁時期(t20)よりも遅く開弁(t21)し、そして吸気弁16の閉弁時期(t23)の近傍で閉弁(t22)するように、ECU100からの指令に基づき、電動アクチュエータ34によって制御される。その結果、燃焼室13に対して、上述したインパルス過給が行われることになる。
他方、本実施形態では、圧縮行程開弁タイミングマップに従って、当該燃焼室13の圧縮行程中に、吸気弁16の一時的な開動作、すなわち、吸気制御弁23が全閉かつ吸気弁16が開の状態を実現する昇圧動作(t24〜t25)が行われることになる。これらの動作は、上記第1実施形態と同様である。
ここで、本実施形態では、吸気行程の終了時点(t23)の近傍であって昇圧動作の開始(t24)前に、気筒#1の吸気弁16が全閉かつ吸気制御弁23が開の状態を実現する第1の圧力回復動作(t23〜t31)を行うように、ECU100が電動アクチュエータ34および動弁機構VMの作動を制御する。この第1の圧力回復動作の結果、気筒#1の吸気制御弁23の上流側の空気によって、気筒#1の弁間通路35、およびこれと連通された気筒#4の弁間通路35の圧力が、概ね吸気通路11内の平均圧(すなわち、インマニ平均圧)まで回復される。なお、本実施形態では第1の圧力回復動作の開始時点(t23)を吸気行程の終了時点と同時にしているが、両者は所定範囲内であれば同時でなくてもよい。
第1の圧力回復動作(t23〜t31)および昇圧動作(t24〜t25)の終了後、気筒#1の圧縮上死点TDC2を含む所定範囲内で、当該気筒#1とペアになる気筒#4におけるバルブオーバーラップが行われる。したがって、連通路51aを通じた圧力の供給により、気筒#4におけるバルブオーバーラップ時に、気筒#4の弁間通路35の圧力(すなわち、吸気制御弁下流圧)が、当該気筒#4の排気ポート19あるいは吸気制御弁23より上流の吸気通路11よりも高圧になるようにされる。
また、本実施形態では、気筒#1の排気行程中であって、気筒#4の昇圧動作の開始前(t26〜t27)に、気筒#1の吸気制御弁23が開の状態を実現する第2の圧力回復動作を行うように、ECU100が電動アクチュエータ34および動弁機構VMの作動を制御する。この第2の圧力回復動作の結果、気筒#1の吸気制御弁23の上流側の空気によって、気筒#1の弁間通路35の圧力が、概ね吸気通路11内の平均圧(すなわち、インマニ平均圧)まで回復される。なお、第2の圧力回復動作の開始時点(t26)および終了時点(t27)は、当該気筒#1と連通されている気筒#4で別途に行われる第1の圧力回復動作の開始時点および終了時点とそれぞれ同時でもよく、また所定範囲内であれば同時でなくてもよい。
気筒#1における第2の圧力回復動作(t26〜t27)、気筒#4における第1の圧力回復動作、および気筒#4における昇圧動作(t24〜t25)の終了後、気筒#1の排気上死点TDC1を含む所定範囲内で、当該気筒#1におけるバルブオーバーラップが行われる。したがって、気筒#1におけるバルブオーバーラップ時に、気筒#1の弁間通路35の圧力(すなわち、吸気制御弁下流圧)が、当該気筒#1の排気ポート19あるいは当該気筒#1の吸気制御弁23より上流の吸気通路11よりも高圧になるようにされる。
以上のとおり、第2実施形態では、昇圧動作に先立って行われる第1および第2の圧力回復動作の結果、吸気制御弁23の上流側の空気によって、吸気経路における吸気弁16と吸気制御弁23との間の領域の圧力が、概ね吸気通路11内の平均圧(すなわち、インマニ平均圧)まで回復される。そして、第1の圧力回復動作によって連通路51aを通じて他方の気筒(気筒#4)の弁間通路35の圧力が回復され、また第2の圧力回復動作によって当該気筒(気筒#1)の弁間通路35の圧力が回復されるので、これに続く昇圧動作(t24〜t25,t28〜t29)を円滑に行うことができ、また昇圧動作後の弁間通路35を更に高圧にすることも可能となる。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態は、図10に示されるような3つの気筒#1,#2,#3を具えたエンジンに本発明を適用したものであり、とくに、連通路を選択的に閉塞する閉塞手段を具えたものである。本実施形態では、気筒#1と気筒#3とを結ぶ連通路151a、気筒#3と気筒#2とを結ぶ連通路151b、および気筒#2と気筒#1とを結ぶ連通路151cが設けられている。連通路151a,151b,151cには、それぞれ閉塞手段として、逆止弁152a,152b,152cが設けられている。これら逆止弁152a,152b,152cによって、気筒#1から#3へ、気筒#3から#2へ、および気筒#2から#1へのガスの流通が許容されるが、これらの逆方向のガスの流通が阻止される(図11)。
逆止弁152a,152b,152cは、流れが正方向の場合でも逆止弁の前後に所定の圧力差がないと開かないような与圧機能ないし圧力制御機能を具える。すなわち、逆止弁152a,152b,152cの弁体は、バネ等により、弁座に対して所定の設定圧で常時押し付けられている。このことによって、順方向に(例えば、気筒#1から#3に)供給した圧力ないし空気が、意図しない他の気筒に漏出(例えば、気筒#3から#2に)する作用が抑制される。
気筒#2および気筒#3は、気筒#1の動作からそれぞれクランク角240°および480°遅れた位相で、気筒#1と同様に動作する。なお、第3実施形態の残余の構成は上記第1実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
第3実施形態の動作について説明する。図12に示されるように、本実施形態では、圧縮行程開弁タイミングマップに従って、当該燃焼室13の圧縮行程中に、吸気弁16の一時的な開動作、すなわち、吸気制御弁23が全閉かつ吸気弁16が開の状態を実現する昇圧動作Cが行われる。この昇圧動作Cの内容は、上記第1実施形態における昇圧動作と同様である。
ここで、本実施形態では、昇圧動作Cによって気筒#1の弁間通路35内に蓄積された圧力が、連通路151aを通じて、気筒#3の弁間通路35に供給される。したがって、気筒#3におけるバルブオーバーラップ時に、気筒#3の弁間通路35の圧力(すなわち、吸気制御弁下流圧)が、当該気筒#3の排気ポート19あるいは当該気筒#3の吸気制御弁23より上流の吸気通路11よりも高圧になるようにされる。
他方、連通路151cには逆止弁152cが設けられているので、気筒#1の昇圧動作Aによって生じた気筒#1の弁間通路35内の圧力が、連通路151cを通じて気筒#2の弁間通路35に供給されることはない(図12中記号「×」は、逆止弁によって当該連通路が閉塞されていることを示す)。
以上と同様の動作が、気筒#2,#3について、それぞれ気筒#1に対しクランク角240°および480°の位相遅れをもって周期的に行われ、連通路151a,151b,151cを通じた圧力の授受が順次行われる。
以上のとおり、第3実施形態では、連通路151a,151b,151cにこれを選択的に閉塞する閉塞手段を具えたので、連通路151a,151b,151cを通じた圧力の供給を制御することが可能になる。このため、単一の気筒について複数の連通路が設けられている場合に、連通路を通じた圧力の供給先を好適に選択することが可能になる。
また、本実施形態では、連通路151a,151b,151cを選択的に閉塞する閉塞手段を逆止弁152a,152b,152cとしたので、簡易な構成で本発明に所期の効果を得ることができる。
また、本実施形態では、逆止弁152a,152b,152cが上述した与圧機能ないし圧力制御機能を具えたので、順方向に(例えば、気筒#1から#3に)供給した圧力ないし空気が、意図しない他の気筒に漏出(例えば、気筒#3から#2に)する作用が抑制される。
なお、第3実施形態では閉塞手段を逆止弁152a,152b,152cとしたが、閉塞手段はECU100によって制御される電磁弁であってもよい。この場合には、連通路を通じた圧力供給の制御可能性を促進することができる。
また、第3実施形態と同様の連通路および閉塞手段を、5つの気筒を有するエンジンに適用した場合における連通路内の空気の流れ方向は、図13に示されるとおりである。図13中、丸に囲まれた数字は点火順序を示す。矢印は、連通路の流れ方向であって、当該矢印の逆方向の流れが、閉塞手段(逆止弁・電磁弁または他の弁機構)によって阻止または抑制されることを示す。
なお、上記各実施形態では、主として昇圧動作によって得られた圧力を他の気筒に供給することとしたが、吸気制御弁および連通路を具えたエンジンにおいては、主としてインパルス過給によって得られた圧力を他の気筒に供給することも可能である。ただし、その場合には、インパルス過給による昇圧が吸気行程におけるものであるため、連通路による連通先の気筒は、その気筒の吸気行程後に最初にバルブオーバーラップを生じる気筒とするのが好適である。すなわち、そのような場合には、図14に示される4気筒エンジンの例では、気筒#1と気筒#3、気筒#3と気筒#4、気筒#4と気筒#2、気筒#2と気筒#1をそれぞれ連通路によって連通している。その結果、一方の気筒(例えば気筒#1)において吸気行程における昇圧動作Dが行われると、その直後に、これに連通された他方の気筒(例えば気筒#3)のバルブオーバーラップが行われるので、昇圧動作Dから圧力供給先の気筒のバルブオーバーラップまでの時間が短く、吸気制御弁23などからの空気漏れに起因する圧力低下を抑制できる。
連通路の接続先、および連通路に閉塞手段としての逆止弁を設ける必要があるか否かは、昇圧の時期、気筒数および点火順序に応じて異なる。例えば、図15において、「圧縮行程での圧力発生」とは上述した昇圧動作C(圧縮行程における吸気弁16の開弁)による他の気筒への圧力供給を示し、「吸気行程での圧力発生」とは、上述した昇圧動作Dすなわちインパルス過給(吸気行程における吸気制御弁23の吸気弁16に対して遅れた開弁)による他の気筒への圧力供給を示す。例えば、直列3気筒エンジンにおいて、上述した昇圧動作Cによる圧力発生と他の気筒への供給を行うためには、ある気筒と、その気筒に対して点火順序が2つ後(次の次)の気筒とを連通路によって連通する必要があり、また、その連通路には逆止弁が必要である。また、直列4気筒エンジンにおいて、上述した昇圧動作Dによる圧力発生と他の気筒への供給を行うためには、ある気筒と、その気筒に対して点火順序が2つ後(次の次)の気筒とを連通路によって連通する必要があるが、その連通路には逆止弁は不要である。なお、図15は直列3気筒から直列6気筒までのエンジンについて説明しており、V型エンジンや水平対向エンジンでは別途の考察を行う必要がある。
なお、上述した各実施形態では本発明をポート噴射形式のガソリンエンジンに応用した場合について説明したが、本発明は筒内直噴形式のガソリンエンジンや、点火プラグを用いないディーゼルエンジン、さらには気体燃料エンジン、2サイクルエンジンなどの他の形式のエンジンにおいても有効であり、上記各実施形態の場合と同様な効果を得ることができることは言うまでもない。また、本発明は自然吸気式のエンジンのほか、ターボ過給機を具えたエンジンにも適用することができる。また、本発明は車両用以外のエンジンについても適用でき、かかる構成も本発明の範疇に属するものである。
本発明による吸気制御装置をポート噴射形式のガソリンエンジンに適用した一実施形態の概念図である。 本発明の第1実施形態の要部を示す概念図である。 オーバーラップ通常マップで設定される開弁タイミングの特性を示すグラフである。 オーバーラップ拡大マップで設定される開弁タイミングの特性を示すグラフである。 圧縮行程開弁タイミングマップで設定される圧縮行程開弁の実行領域を示すグラフである。 第1実施形態の動作を示すフローチャートである。 第1実施形態の動作を示すタイミングチャートである。 第1実施形態の動作を示すタイミングチャートである。 第2実施形態の動作を示すタイミングチャートである。 第3実施形態の要部を示す概念図である。 第3実施形態における点火順序と圧力供給方向とを示す概念図である。 第3実施形態の動作を全気筒について示すタイミングチャートである。 第3実施形態の変形例の直列5気筒エンジンにおける点火順序と圧力供給方向を示す概念図である。 また別の実施形態であってインパルス過給による昇圧動作を行う場合の動作を全気筒について示すタイミングチャートである。 各種の気筒数をもつエンジンについて本発明を適用した場合の連通路の接続先と逆止弁の必要性の有無の一例を表す図である。
符号の説明
1 エンジン
10 インジェクタ
11 吸気通路
13 燃焼室
14 点火プラグ
16 吸気弁
20 排気弁
19 排気ポート
21 吸気管
23 吸気制御弁
34 電動アクチュエータ
100 制御装置

Claims (10)

  1. 第1および第2の気筒と、前記第1および第2の気筒のそれぞれについて吸気弁と排気弁との開弁特性を制御する動弁機構と、を具えたエンジンにおいて、
    第1および第2の気筒の前記吸気弁よりも上流側の吸気通路にそれぞれ設けられて当該各吸気通路を開閉する吸気制御弁と、
    前記各吸気制御弁の開閉を行うアクチュエータと、
    前記第1および第2の気筒の各吸気通路における前記吸気弁と前記吸気制御弁との間の弁間通路を互いに連通する連通路と、
    前記アクチュエータおよび前記動弁機構の作動を制御する制御手段と、を更に具えたことを特徴とするエンジンの吸気制御装置。
  2. 請求項1に記載のエンジンの吸気制御装置であって、前記動弁機構は、前記吸気弁または前記排気弁の開弁特性を制御することによりバルブオーバーラップ期間を変更可能であることを特徴とするエンジンの吸気制御装置。
  3. 請求項1または2に記載のエンジンの吸気制御装置であって、
    前記制御手段は、前記第1の気筒における圧縮行程中に、当該第1の気筒における前記吸気制御弁が全閉、当該第1の気筒における前記吸気弁が開、かつ前記第2の気筒における前記吸気弁および前記吸気弁が全閉の状態を実現する昇圧動作を行うように、前記アクチュエータおよび前記動弁機構の作動を制御し、前記第2の気筒における前記吸気弁と前記排気弁とが同時に開くバルブオーバーラップ時に、当該第2の気筒における前記弁間通路を当該第2の気筒の前記吸気制御弁より上流の前記吸気通路に対して高圧にさせることを特徴とするエンジンの吸気制御装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載のエンジンの吸気制御装置であって、
    前記制御手段は、前記第1の気筒における前記吸気制御弁を、当該第1の気筒における吸気弁よりも遅く開弁させるインパルス過給動作を行うように、前記アクチュエータおよび前記動弁機構の作動を制御し、前記第2の気筒における前記吸気弁と前記排気弁とが同時に開くバルブオーバーラップ時に、当該第2の気筒における前記弁間通路を当該第2の気筒の前記吸気制御弁より上流の前記吸気通路に対して高圧にさせることを特徴とするエンジンの吸気制御装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載のエンジンの吸気制御装置であって、
    前記連通路を選択的に閉塞する閉塞手段を具えたことを特徴とするエンジンの吸気制御装置。
  6. 請求項5に記載のエンジンの吸気制御装置であって、
    前記閉塞手段は逆止弁であることを特徴とするエンジンの吸気制御装置。
  7. 請求項5に記載のエンジンの吸気制御装置であって、
    前記閉塞手段は電磁弁であることを特徴とするエンジンの吸気制御装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載のエンジンの吸気制御装置であって、
    前記エンジンは、前記第1および第2の気筒を含む3以上の気筒を有し、
    前記第2の気筒は、前記3以上の気筒のうち、前記第1の気筒における昇圧動作後に最初にバルブオーバーラップを生じる気筒であることを特徴とするエンジンの吸気制御装置。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載のエンジンの吸気制御装置であって、
    前記制御手段は、前記第1の気筒の吸気行程の終了時点の近傍であって前記第1の気筒の前記昇圧動作の開始前に、前記第1の気筒の吸気弁が全閉かつ前記第1の気筒の吸気制御弁が開の状態を実現する第1の圧力回復動作を行うように、前記アクチュエータおよび前記動弁機構の作動を制御することを特徴とするエンジンの吸気制御装置。
  10. 請求項1ないし9のいずれかに記載のエンジンの吸気制御装置であって、
    前記制御手段は、前記第1の気筒の排気行程中であって前記第2の気筒の前記昇圧動作の開始前に、前記第1の気筒の吸気制御弁が開の状態を実現する第2の圧力回復動作を行うように、前記アクチュエータおよび前記動弁機構の作動を制御することを特徴とするエンジンの吸気制御装置。
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CN114962018A (zh) * 2022-06-11 2022-08-30 重庆潍柴发动机有限公司 一种四冲程发动机进排气控制方法
RU2817075C1 (ru) * 2022-06-11 2024-04-09 Чунцин Вэйчай Энжин Ко., Лтд. Способ управления впуском и выпуском для четырехтактного двигателя

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