JP2006274877A - インジェクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】高圧燃料流路6に生じる圧力脈動を抑制することができて、所定のタイミングで噴射孔24から燃料噴射を正確に断続させ得て、TQ−Q特性の線形性を保持して噴射の制御による噴射精度の向上に寄与するインジェクタ1を提供する。
【解決手段】高圧燃料流路6の燃料溜まり部45に対する上流側に容積拡大室48を設けているので、容積拡大室48には高圧燃料が常に満たされるようになり、噴射孔24の開閉動作時、燃料の急減に起因して高圧燃料流路6に生じる圧力低下は減少するとともに、圧力脈動は容積拡大室48で減衰して抑制される。高圧燃料流路6を拡張するといった簡素な構造で容積拡大室48を形成することにより、高圧燃料流路6の圧力が乱れず、所定のタイミングで噴射孔24から燃料噴射を正確に断続させることができ、TQ−Q特性の線形性を保持して噴射精度の向上を図る。
【選択図】図2

Description

この発明は、例えばコモンレール内に蓄圧した高圧燃料を高圧燃料流路を介して内燃機関の燃焼室に噴射させるインジェクタに係り、とりわけ燃料噴射の開始時から終了時に高圧燃料流路に生じる圧力低下や圧力脈動を抑制するように改良したインジェクタに関する。
電磁制御式のインジェクタでは、ディーゼルエンジンなどの蓄圧式燃料噴射装置に用いられ、コモンレールから高圧燃料流路および燃料溜まり部を介して供給される高圧燃料をエンジンの燃焼室に噴射する。このインジェクタは、ノズルボデーを有する噴射弁本体と、噴射弁本体を制御する電磁弁とからなる。電磁弁は、電磁ソレノイドと、噴射弁本体を制御する圧力制御室の燃料圧を増減させる開閉弁機構とを有する。電磁ソレノイドは、エンジン制御装置(ECU)から送られた制御信号により開閉弁機構を制御する。
電磁ソレノイドは、通電および通電停止によって変位する可動子を有する。この可動子は、開閉弁機構の弁体として働き、可動子の変位により弁口(インジェクタの圧力制御室の出口オリフィス)が開閉される。この弁口の開閉により、圧力制御室の高圧燃料の燃料圧が制御され、噴射弁本体の制御ピストンおよびノズルボデーのニードル弁に加わる燃料圧が変化し、制御ピストンおよびニードル弁が変位してノズルボデーの噴射孔が開閉する。
高圧燃料流路はコモンレールから高圧を受けているが、電磁ソレノイドの通電により噴射孔が開放する毎に、ノズルボデーの上流側で高圧燃料流路に燃料の急減が生じるため、圧力低下に伴い高圧燃料流路に圧力脈動(圧力反射波)が発生する。この圧力脈動の発生によって、図9に示すように、高圧燃料流路が180Mpa程度の高圧になると、インジェクタの噴射特性を意味するTQ−Q特性(トリガー量−燃料噴射量特性)の関係に線形性が失われて特性にうねりが生じる。このため、圧力制御室の正確な圧力制御が乱れて所定のタイミングで噴射孔から燃料噴射を行うことができなくなる。圧力脈動では、インジェクタ内部の燃料通路長さ、燃料通路径および噴射孔の仕様などに起因して影響度が変化し、TQ−Q特性にうねりが生じることは、コモンレール用インジェクタに潜在していて除去し難いものである。
近年、ディーゼルエンジンの燃料噴射用インジェクタでは、噴射制御による噴射精度の向上が求められており、QR(クイックレスポンス)補正による噴射量補正、パイロット噴射量学習制御(目標回転数補正、気筒間補正)などといった手法が編み出されて高い噴射精度の確立に貢献している。これらの補正手法は、TQ−Q特性の線形性を利用しており、TQ−Q特性にうねりが生じると、その線形性が崩れて前述の補正手法自体が成り立たなくなる問題がある。
高圧燃料流路に生じる圧力脈動を抑制・減衰させる燃料噴射装置では、インジェクタの上端に圧力脈動減衰手段を構成するハウジングを設けている(例えば、特許文献1参照)。このハウジングはフィルタの上部に設けられており、内部がゴム製あるいは樹脂製の仕切板により区分されている。ハウジングと仕切板とにより形成された空間には、空気を気密に封入するとともに、仕切板を噴孔側に付勢する圧縮コイルスプリングを配置している。噴孔の開閉に伴い発生する圧力脈動は、フィルタから仕切板および圧縮コイルスプリングに伝わって吸収により減衰されるように構成されている。
また、特許文献2の燃料噴射装置では、高圧燃料流路から絞り用の連通路を介して連通させる脈動減衰室をハウジングに形成している。この脈動減衰室は、非常に小さな流路面積の圧力室絞りを介して圧力室に連通している。高圧燃料流路で生じた圧力脈動は、連通路から脈動減衰室に伝えられ、脈動減衰室で減衰されて燃料噴射の正確なタイミングに影響を与えないようにしている。
特開平11−264360号公報 特開2003−176763号公報
特許文献1では、圧力脈動減衰手段を構成するに、フィルタを設けてハウジングに仕切板および圧縮コイルスプリングを配置しているため、必要な部品点数が増加してコスト的に不利となる。また、特許文献2では、燃料噴射装置のハウジングに、高圧燃料流路に連通する脈動減衰室や小さな流路面積の圧力室絞りからなる脈動減衰回路が複雑となり製作も難しくなる問題がある。
この発明の目的は、高圧燃料流路に生じる圧力脈動を抑制することができて、所定のタイミングで噴射孔から燃料噴射を正確に断続させ得て、TQ−Q特性の線形性を保持して噴射の制御による噴射精度の向上に寄与し、しかも比較的簡素な構造で済みコスト的に有利になるとともに、容積拡大室を簡単に製作できるインジェクタを提供するにある。
請求項1の発明では、先端にノズルボデーが連結された噴射弁本体を備えたインジェクタにおいて、噴射弁本体は、駆動手段により制御される制御ピストンが収容され、高圧燃料が供給される高圧燃料流路、ならびに余剰の燃料を帰還させる低圧燃料流路が設けられたハウジングを有する。ノズルボデーは、ノズルボデーの先端部に設けられた噴射孔に連通し、制御ピストンと連動するノズルニードルが収容されたノズル摺動孔を形成するとともに、高圧燃料流路を噴射孔に連通させる燃料溜まり部を有している。高圧燃料流路の燃料溜まり部に対する上流側には、高圧燃料流路の一部を拡張することにより形成された容積拡大室を設けている。
高圧燃料流路の燃料溜まり部に対する上流側に容積拡大室を設けているので、容積拡大室には高圧燃料が常に満たされるようになる。このため、噴射孔の開閉動作時、容積拡大室に高圧燃料の不足が生じにくくなり、燃料の急減に起因して高圧燃料流路に生じる圧力低下は減少し、圧力脈動は容積拡大室で減衰して抑制される。
圧力脈動の抑制により、高圧燃料流路の圧力が乱れず、所定のタイミングで噴射孔から燃料噴射を断続させることができ、TQ−Q特性(トリガー量−燃料噴射量特性)の線形性を保持して噴射の制御による噴射精度の向上に寄与する。しかも容積拡大室は、高圧燃料流路の一部を拡張することにより形成可能なので、比較的簡素な構造で済み、製作性に優れるとともにコスト的にも有利である。
請求項2の発明において、容積拡大室は、制御ピストンの存在する側に近接するように配置されている。このため、容積拡大室が燃料溜まり部寄りであるので、燃料溜まり部からの圧力脈動を容積拡大室で早期に減衰・抑制できる利点がある。
請求項3の発明において、ハウジングとノズルボデーとの間に、高圧燃料流路に連通する案内流路を形成した所定厚みのパッキンを設け、案内流路を拡張して容積拡大室を構成している。容積拡大室の形成にパッキンを利用しているので、空洞の容積拡大室に起因するハウジングの強度低下を抑制することができる。
請求項4の発明では、容積拡大室の入口部および出口部を容積拡大室の他の部分よりも径小に設定している。入口部および出口部の開口面積が容積拡大室の他の部分よりも小さくなるので、ハウジングおよびノズルボデーに対する入口部および出口部のシール性が向上する。
請求項5の発明では、制御ピストンの周囲に設けられて互いに連通する複数の容積拡大室を形成している。これにより、容積拡大室の容積量が増加して圧力脈動に対する減衰・抑制効果が高まる。
複数の縦孔を互いに連通させて容積拡大室を構成しているので、容積拡大室を一カ所で一体的に拡大するものと異なり、容積拡大室による空洞部が一カ所に偏らず分散し、ハウジングやパッキンの強度を保持するうえで有利である。
請求項6の発明では、容積拡大室の内壁部に、高圧燃料からの燃料圧を受けて厚みが変形する弾性部材を設けている。燃料圧変動に伴う弾性部材の拡縮変形により、容積拡大室の圧力脈動が大幅に緩和されて、圧力脈動に対する減衰効果の向上に寄与することがきる。
この発明のインジェクタでは、高圧燃料流路の燃料溜まり部に対する上流側に容積拡大室を設けているので、容積拡大室には高圧燃料が常に満たされるようになり、噴射孔の開閉動作時、燃料の急減に起因して高圧燃料流路に生じる圧力低下は減少し、圧力脈動は容積拡大室で減衰して抑制される。これにより、高圧燃料流路の圧力が乱れず、所定のタイミングで噴射孔から燃料噴射を断続させることができ、TQ−Q特性(トリガー量−燃料噴射量特性)の線形性を保持して噴射の制御による噴射精度の向上に資する。
この発明の実施例1を図1および図2に基づいて説明する。
図1はエンジンの燃焼室内へ間欠的に燃料を噴射する電磁制御式のインジェクタ1を示す。インジェクタ1は、ディーゼルエンジン用の蓄圧式(コモンレール式)燃料噴射システムに用いられ、図示しないコモンレールから供給される高圧燃料をエンジンの燃焼室に噴射する。インジェクタ1は、噴射弁本体2と、該噴射弁本体2の上端部に装着した電磁弁3と、下端に締結した燃料噴射のノズルボデー4とからなる。電磁弁3には、図示しないエンジン制御装置(ECU)からのワイヤハーネスに接続されるコネクタTが設けられており、ECUから送出される制御信号により制御される。
噴射弁本体2は、図1の(a)に示す如く棒状を呈し、軸心に貫通したシリンダ5を設けているとともに、シリンダ5に平行して高圧燃料流路6および低圧燃料流路7が設けられたハウジング8を弁ボディとして備えている。ハウジング8の上端部には、円筒状のキャップ内に電磁弁設置室9が設けられ、電磁弁設置室9には電磁弁3が装着されて保持ナット10により固定されている。ハウジング8の下端には、ノズルボデー4が同軸的に連結され、リテーニングナット12により締結されている。ハウジング8の上部には、斜め上方に傾斜して、いずれも筒状のインレット部13およびアウトレット部14が設けられている。
電磁弁3は、電磁弁設置室9内の上部に設置された電磁ソレノイド15および電磁弁設置室9内の下部に設置された開閉弁機構16からなる。開閉弁機構16は、可動子17と、該可動子17を保持する可動子ホルダ18とを有する。可動子ホルダ18の下側は、内径の僅かに小さなプレート室20となっており、内部に円板状のオリフィスプレート20aが収容されている。
シリンダ5には制御ピストン21が収容され、ノズルボデー4内には、ノズルニードル41を介して制御ピストン21に連結されたニードル弁23が収容されている。ノズルボデー4はその先端に噴射孔24が設けられ、ニードル弁23は、シリンダ5の下部に設置されたスプリング25により、噴射孔24を閉じる下方に付勢されている。制御ピストン21の上端と、オリフィスプレート20aとの間には圧力制御室26が形成されている。
ニードル弁23は、圧力制御室26の燃料圧およびスプリング25のバネ荷重による下方への付勢力と、ノズルボデー4内の燃料圧によりニードル弁23に加わる上方への付勢力との圧力関係により上下動して噴射孔24を開閉する。すなわち、電磁ソレノイド15に通電して圧力制御室26が低圧になったとき、制御ピストン21とニードル弁23とが上方に移動して噴射孔24を開き、高圧燃料流路6からノズルボデー4に供給された高圧燃料を燃焼室に噴射する。
インレット部13の内部には、高圧燃料流路6に連通した高圧燃料流入路19および高圧燃料流入路19とプレート室20とを連通する入口流路27が形成されている。アウトレット部14には、プレート室20を経て低圧燃料流路7に連結した流出路28が設けられており、インジェクタ1内の余剰燃料を外部に排出する排出流路を形成している。
オリフィスプレート20aは、下面の中心に圧力制御室26を形成し、図1の(b)に示す入口オリフィス29に連通する入口穴30が開けられている。コモンレールから供給された高圧燃料の燃料圧は、高圧燃料流路6、入口流路27、入口オリフィス29および入口穴30を介して圧力制御室26に導かれるようになっている。
電磁ソレノイド15は、強磁性材製で内筒31の外周に磁気コア32を配し、制御ピストン21に対する駆動手段として働く。そして、磁気コア32の外周を強磁性材製の外筒33で包囲し、磁気コア32内に電磁コイル34を配設した構造を有する。電磁ソレノイド15の下面は、可動子17の吸引面となっており、内筒31の下端面は可動子17が当接するストッパ面となっている。
可動子17は、平板部35およびシャフト部36とを有し、平板部35は可動子室37に配されている。可動子ホルダ18は円筒状を呈し、内部にシャフト部36を摺動自在に収容している。平板部35の上面は平面であり、電磁ソレノイド15の下面に吸着される吸着面となっている。可動子ホルダ18は、外周に外ネジが形成され、電磁弁設置室9の内周に設けた内ネジに螺合されている。
シャフト部36は円柱状を呈し、下端面の中心には円筒部および円錐部からなる弁体室38が設けられ、弁体室38には例えば窒化珪素製のボール弁39が収容されている。ボール弁39の下面は、出口オリフィス40を塞ぐシール面として働く。可動子17は、スプリングSにより下方の閉弁方向に付勢され、電磁ソレノイド15で生じた磁力により上方の開弁方向に吸引されて上下に変位する。可動子室37および電磁ソレノイド15および開閉弁機構16が収容されている電磁弁設置室9は、低圧燃料流路7に連結した流出路28に連通しており、低圧燃料油で満たされている。
噴射弁本体2の下方に位置するノズルボデー4には、図2に示す如く制御ピストン21に連結されてノズルニードル41を摺動案内するノズル摺動孔42およびニードル弁23を案内するノズルガイド孔44が設けられている。また、ノズルボデー4内には、ノズルニードル41とニードル弁23との連結部を中心に空洞の燃料溜まり部45が収容空間として形成されている。さらに、ノズルボデー4は、高圧燃料流路6を燃料溜まり部45に連通させる高圧案内流路46および高圧孔47を高圧燃料流路6と略同径に形成している。
ノズルボデー4に近接するハウジング8の下端には、高圧燃料流路6の一部を所定長さ(L)にわたって拡径して形成した容積拡大室48を燃料溜まり部45に対する上流側に設けている。これにより、容積拡大室48の径寸法(N)は、高圧燃料流路6の径寸法(M)よりも所定長さ大きくなり、大きくなった分だけ高圧燃料を多く収容させることができる(図2参照)。容積拡大室48の形成に伴い、高圧燃料流路6に対する容積拡大室48の境界部分で段差部48E、48Fを上下に形成している。容積拡大室48は、高圧燃料流路6と同心的でも偏心していてもよく、制御ピストン21の存在する側寄りで燃料溜まり部45寄りに位置している。
上記構成において、電磁ソレノイド15への通電があると、可動子17は電磁力により吸引されて上方に移動する。この際、可動子17に連動してボール弁39は上方に変位し、出口オリフィス40が開放されて流出路28に連通するため、圧力制御室26内の高圧燃料は、略1/2程度の燃料圧に降圧する。これにより、制御ピストン21は上方に移動し、ニードル弁23も連動して上方に変位するため、噴射孔24から燃料の噴射が行われる。
電磁ソレノイド15への通電が停止されると、可動子17はスプリングSのバネ力で下方に移動し、シャフト部36とともに、ボール弁39は下方に変位して出口オリフィス40を閉じる。圧力制御室26内の高圧燃料は、コモンレールからの燃料圧により昇圧し、制御ピストン21は下方に移動し、ニードル弁23も連動して下方に変位するため、噴射孔24は閉じて燃料の噴射は終了する。
(実施例1の効果)
この場合、燃料溜まり部45に対する高圧燃料流路6の上流側に容積拡大室48を設けているので、容積拡大室48には高圧燃料が常に満たされるようになる。このため、噴射孔24の開閉動作時、容積拡大室48に高圧燃料の不足が生じにくくなり、ノズルボデー4の上流側で燃料の急減に起因して高圧燃料流路6に生じる圧力低下は減少し、圧力脈動は容積拡大室48で減衰して抑制される。
しかも、容積拡大室48が燃料溜まり部45寄りであるので、燃料溜まり部45からの圧力脈動を容積拡大室48で早期に減衰・抑制できる利点がある。
圧力脈動の抑制により、高圧燃料流路6および圧力制御室26の圧力が乱れず、所定のタイミングで噴射孔24から燃料噴射を断続させることができ、TQ−Q特性(トリガー量−噴射量特性)の線形性を保持して噴射の制御による噴射精度の向上に寄与する。しかも容積拡大室48は、高圧燃料流路6の一部を拡張することにより形成可能なので、比較的簡素な構造で済みコスト的に有利になる。
TQ−Q特性の線形性が保持されることに伴い、TQ−Q特性の線形性を利用した、QR(クイックレスポンス)補正による噴射量補正、パイロット噴射量学習制御(目標回転数補正、気筒間補正)などといった手法により高い噴射精度の確立に貢献し、とりわけ近年求められているディーゼルエンジンの燃料噴射用インジェクタに好適となる。
図3はこの発明の実施例2を示す。実施例2が実施例1と異なるところは、ハウジング8の容積拡大室48から制御ピストン21の周囲に角度(θ)だけ離して別の容積拡大室48Aを形成したことである。容積拡大室48、48A同士は、連通路50により繋がって高圧燃料で満たされている。これにより、容積拡大室48、48Aの容積量が単数個の場合に較べて増加し、圧力脈動が容積拡大室48および連通路50を介して容積拡大室48Aに伝わって低下し、圧力脈動に対する減衰・抑制効果が大幅に向上する。
二個の容積拡大室48、48Aを設けているので、容積拡大室を一カ所で一体的に拡大するものと異なり、容積拡大室48、48Aによる空洞部が一カ所に偏らず分散し、ハウジング8の強度を保持するうえで有利である。容積拡大室48、48Aは二個に限らず3個以上設けてもよい。
図4はこの発明の実施例3を示す。実施例3が実施例1と異なるところは、ハウジング8とノズルボデー4との間に、所定厚さ(W)を有する短円柱金属製のパッキン52を設け、容積拡大室48をハウジング8に代わってパッキン52に形成したことである。
容積拡大室48は、高圧燃料流路6に連通する案内流路53を拡径して形成したものである。ハウジング8とノズルボデー4とをパッキン52により締付けて固定することにより、容積拡大室48の入口部48aが高圧燃料流路6の先端開口縁部6aに合致し、出口部48bがノズルボデー4における高圧案内流路46の後端開口縁部46aに合致する。 この場合、容積拡大室48の入口部48aおよび出口部48bは、縮径状態に絞られて開口面積を容積拡大室48の他の部分よりも小に設定され、ハウジング8およびノズルボデー4に対するシール性を高めている。
実施例3でも、噴射孔24の開閉動作時、パッキン52の容積拡大室48により高圧燃料流路6への圧力脈動減衰効果が働いて、実施例1と同様な効果を奏する。また、容積拡大室48の形成にパッキン52を利用しているので、空洞の容積拡大室48に起因するハウジング8の強度低下を抑制することができる。
図5はこの発明の実施例4を示す。実施例4が実施例3と異なるところは、図5の(a)、(b)に示すように、パッキン52の容積拡大室48から制御ピストン21の周囲に角度(θ)だけ離して別の容積拡大室48Bを形成したことである。
容積拡大室48、48B同士は、図5の(c)に示すように、連通路55により繋がって高圧燃料で満たされている。これにより、実施例2と同様に容積拡大室48、48Bの容積量が単数個の場合に較べて増加して圧力脈動に対する減衰・抑制効果が大幅に向上する。
二個の容積拡大室48、48Bを連通路55により互いに連通させて設けているので、容積拡大室48、48Bを一カ所で一体的に拡大するものと異なり、容積拡大室48、48Bによる空洞部が一カ所に偏らず分散し、パッキン52の強度を保持するうえで有利である。実施例2と同様に容積拡大室48、48Bは二個に限らず3個以上設けてもよい。
図6はこの発明の実施例5を示す。実施例5が実施例1と異なるところは、図6の(a)、(b)に示すように、容積拡大室48の内壁部に、高圧燃料からの燃料圧を受けて厚みが変形するゴム板状の弾性部材57を張り合わせたことである。燃料圧変動に伴う弾性部材57の拡縮変形により、容積拡大室48で圧力脈動が緩和されて圧力脈動に対する減衰効果の向上に寄与することができる。
図7はこの発明の実施例6を示す。実施例6が実施例2と異なるところは、容積拡大室48、48A同士を連通路50で繋げる代わりに、容積拡大室48、48A同士を円弧状の立体空間58で連結して一体的に形成したことである。これにより、実施例2と同様に容積拡大室48、48Aの容積量が増大して圧力脈動に対する減衰・抑制効果が大幅に向上する。
図8の(a)はこの発明の実施例7を示す。実施例7が実施例1と異なるところは、後述する実施例8ないし実施例10と同様に、容積拡大室48の形状を変更したことである。すなわち、実施例7では、容積拡大室48の形状を略球状にして実施例1と同様な効果を得ている。
図8の(b)に示す実施例8では、容積拡大室48の形状を略楕円体状にして実施例1と同様な効果を得ている。
図8の(c)に示す実施例9では、容積拡大室48の形状を略算盤珠状にして実施例1と同様な効果を得ている。
図8の(d)に示す実施例10では、容積拡大室48の形状を略数珠状にして実施例1と同様な効果を得ている。
(変形例)
なお、実施例1では、電磁制御式のインジェクタ1を用いたが、電磁弁3の電磁ソレノイド15に代わって、磁歪性を有する可動板から成るピエゾ式アクチュエータを駆動手段として用いて、電圧が印加される毎に可動板を磁歪変形させて制御ピストン21を上下動させるようにしてもよい。高圧案内流路46および高圧孔47を高圧燃料流路6と略同径に形成したが、高圧案内流路46および高圧孔47は高圧燃料流路6よりも径小であってもよい。
(a)はインジェクタの縦断面図、(b)はプレート室の周囲を示す拡大縦断面図である(実施例1)。 インジェクタの要部を示す拡大縦断面図である(実施例1)。 インジェクタの要部を示す分解斜視図である(実施例2) インジェクタの要部を示す拡大縦断面図である(実施例3)。 (a)はパッキンの斜視図、(b)はパッキンの平面図、(c)は(b)のZ−Z線に沿う展開図である(実施例4)。 (a)は容積拡大室の縦断面図、(b)は容積拡大室の斜視図である(実施例5)。 インジェクタの要部を示す分解斜視図である(実施例6)。 (a)〜(d)は容積拡大室を示す概略図である(実施例7〜実施例10)。 圧力脈動に起因してインジェクタの噴射特性にうねりが生じることを示すTQ−Q特性(トリガー量−燃料噴射量特性)のグラフである。
符号の説明
1 インジェクタ
2 噴射弁本体
4 ノズルボデー
6 高圧燃料流路
7 低圧燃料流路
8 ハウジング
15 電磁ソレノイド(駆動手段)
21 制御ピストン
23 ニードル弁
24 噴射孔
26 圧力制御室
41 ノズルニードル
42 ノズル摺動孔
44 ノズルガイド孔
45 燃料溜まり部
46 高圧案内流路
47 高圧孔
48、48A、48B 容積拡大室
48a 入口部
48b 出口部
50、55 連通路
52 パッキン
53 案内流路
57 弾性部材

Claims (6)

  1. 先端にノズルボデーが連結された噴射弁本体を備えたインジェクタにおいて、
    前記噴射弁本体は、駆動手段により制御される制御ピストンが収容され、高圧燃料が供給される高圧燃料流路、ならびに余剰の燃料を帰還させる低圧燃料流路が設けられたハウジングを有し、
    前記ノズルボデーは、該ノズルボデーの先端部に設けられた噴射孔に連通し、前記制御ピストンと連動するノズルニードルが収容されたノズル摺動孔を形成するとともに、前記高圧燃料流路を前記噴射孔に連通させる燃料溜まり部を有し、
    前記高圧燃料流路の前記燃料溜まり部に対する上流側に、前記高圧燃料流路の一部を拡張することにより形成された容積拡大室を設けたことを特徴とするインジェクタ。
  2. 請求項1において、前記容積拡大室は、前記制御ピストンの存在する側に近接するように配置されていることを特徴とするインジェクタ。
  3. 請求項1または2のいずれかにおいて、前記ハウジングと前記ノズルボデーとの間に、前記高圧燃料流路に連通する案内流路を形成した所定厚みのパッキンを設け、前記案内流路を拡張して前記容積拡大室を構成したことを特徴とするインジェクタ。
  4. 請求項3において、前記容積拡大室の入口部および出口部を前記容積拡大室の他の部分よりも径小に設定したことを特徴とするインジェクタ。
  5. 請求項1ないし2のいずれかにおいて、前記制御ピストンの周囲に設けられて互いに連通する複数の容積拡大室を形成したことを特徴とするインジェクタ。
  6. 請求項1ないし2のいずれかにおいて、前記容積拡大室の内壁部に、高圧燃料からの燃料圧を受けて厚みが変形する弾性部材を設けたこと特徴とするインジェクタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2017094437A1 (ja) * 2015-12-03 2017-06-08 株式会社デンソー 燃料噴射制御装置、燃料噴射システム及び燃料噴射弁

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