JP2006274240A - 光硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】着色料等の使用により、ある程度隠蔽性の高い部分を有する場合であっても、確実に硬化を行うことができる光硬化性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】光酸発生剤と、760〜2000nmに吸収を有する色素と、光カチオン重合系組成物とを含み、近赤外線の照射により酸を発生し、カチオン重合反応を開始して硬化する光硬化性樹脂組成物、および、ラジカル発生剤と、760〜2000nmに吸収を有する色素と、光ラジカル重合系組成物とを含み、近赤外線の照射により、ラジカル重合反応を開始して硬化する光硬化性樹脂組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は光硬化性樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」とも称する)に関し、詳しくは、波長約760〜2000nm程度である近赤外線の照射により重合硬化させることが可能な近赤外線硬化型の光硬化性樹脂組成物に関する。
低公害かつ省資源である材料として、近年ますます光硬化性樹脂組成物に関する技術は進歩してきており、無溶剤化や低VOC(Volatile Organic Compounds)化、1液の安定性、速硬化性による作業効率の向上等に効果を発揮している。一方で、現在、提案され実用化されている光硬化性樹脂組成物としては、紫外線の照射により硬化を行うものがほとんどであり、このような紫外線硬化型の光硬化性樹脂組成物は、多岐にわたる分野で利用されている(例えば、特許文献1に記載)。
しかし、紫外線硬化型の光硬化性樹脂組成物は、短時間硬化が可能であるという利点はあるものの、照射装置のコストが高く、光源が人体に対し有害であるなどのデメリットも有する。そこで最近では、可視光領域の光を用いた光硬化性樹脂組成物に関して研究が活発に行われてきているが、可視光の場合、材料製造時の暗室化やポットライフ、使用環境等が大きく制限される。
また、光硬化性樹脂組成物は、光重合開始剤が励起される所定波長の光が照射されて初めて硬化するものであり、光が届かない部分の硬化が困難であるという欠点を有している。従って、従来の光硬化性樹脂組成物としては、樹脂の内部まで光の透過が可能なものや、若干の体質顔料などの添加剤、透明な樹脂を含む隠蔽力の低いものは知られているが、樹脂組成物自体を不透明にする着色顔料などを含む材料を完全に硬化させることは困難であるため、隠蔽力の高い光硬化性樹脂組成物は用いられていない。そのため、従来の光硬化性樹脂組成物は、完全な隠蔽性を必要とするものにはほとんど利用されていないのが現状であった。
特開2001−172380号公報
ところで、光硬化性樹脂組成物が光を隠蔽するということは、可視光の場合でも、樹脂組成物の内部までは光が透過しないということである。それ故、紫外線を用いても、隠蔽膜厚以上の高膜厚で不透明な樹脂組成物層を、内部まで透過することは困難であった。照射時間を長くするなどにより光エネルギーを増大させれば、着色材料であってもある程度内部まで硬化させることは可能であるが、この場合も、硬化可能な樹脂層の厚みには限界があり、また、硬化膜の表面がオーバーキュアとなって内部応力が高まるため、これに起因して種々の不具合が発生するという問題もある。
そこで本発明の目的は、着色料等の使用により、ある程度隠蔽性の高い部分を有する場合であっても、確実に硬化を行うことができる光硬化性樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、所定の波長領域に吸収を有する色素を用いることで、近赤外線を用いて硬化を行うことが可能となり、これにより上記問題が解決できることを見出して、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の第一の光硬化性樹脂組成物は、光酸発生剤と、760〜2000nmに吸収を有する色素と、光カチオン重合系組成物とを含み、近赤外線の照射により酸を発生し、カチオン重合反応を開始して硬化することを特徴とするものである。
本発明の第一の光硬化性樹脂組成物においては、前記光酸発生剤が、近赤外線の照射により、ブレンステッド酸またはルイス酸を発生することが好ましく、前記光酸発生剤が、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、ジアルキルフェナシルスルホニウム塩およびスルホン酸エステル化合物からなる群から選ばれるいずれか1種以上であることも好ましい。
また、本発明の第二の光硬化性樹脂組成物は、ラジカル発生剤と、760〜2000nmに吸収を有する色素と、光ラジカル重合系組成物とを含み、近赤外線の照射により、ラジカル重合反応を開始して硬化することを特徴とするものである。
本発明の第二の光硬化性樹脂組成物においては、前記ラジカル発生剤が、有機過酸化物、ビスイミダゾール、ヨードニウム塩、多ハロゲン化合物、チタノセン、ホウ素化合物、スルホン酸誘導体およびN−フェニルグリシンからなる群から選ばれるいずれか1種以上であることが好ましい。また、本発明の第二の光硬化性樹脂組成物は、好適には、エチレン性不飽和二重結合を少なくとも1個有するラジカル重合性化合物を含む。
また、本発明の光硬化性樹脂組成物は、さらに、紫外線の照射により硬化する紫外線硬化型樹脂組成物成分を含むことが好ましく、特には、前記近赤外線の照射による硬化物の屈折率が、前記紫外線の照射による硬化物の屈折率よりも高いことが好ましい。さらに、この場合、前記色素が紫外線の照射により分解されて、近赤外領域の吸収が低下することも好ましい。さらにまた、本発明の光硬化性樹脂組成物は、さらに、加熱により硬化する熱硬化型樹脂組成物成分を含むことも好適である。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、光学部品および光導波路に好適に用いることができる。
本発明の光硬化性樹脂組成物においては、硬化に用いる光として波長760〜2000nm程度の近赤外線を用いることができるため、ある程度隠蔽性の高い不透明な部分を有する場合であっても、確実に硬化を行うことが可能である。また、本発明においては、紫外線領域の光に比してエネルギーの低い、通信用途の波長である赤外線領域の光でも、樹脂組成物の硬化が可能であるというメリットも得られる。さらに、硬化時に用いる近赤外領域の光は、例えば紫外線領域の光よりも、人体に対する悪影響が少なく安全性が高いことや、厚膜、大面積での硬化が可能であるなどの利点もある。さらにまた、紫外線領域の硬化の場合、樹脂組成物が白色光により影響を受けてしまうが、近赤外線領域の硬化では、白色光による影響が少ないために、ハンドリング性が良好である。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
本発明の第一の光硬化性樹脂組成物は、光酸発生剤と、760〜2000nmに吸収を有する色素と、光カチオン重合系組成物とを含み、近赤外線の照射により酸を発生し、カチオン重合反応を開始して硬化する。この場合、近赤外線を吸収した色素と光酸発生剤との間で電子移動が起こり、光酸発生剤が、酸を発生する。
本発明に用いる760〜2000nmに吸収を有する色素としては、例えば、ピリリウム系、チオピリリウム系、シアニン系、インドリウム系、トリアジン系等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。具体的には例えば、2−[7−(1,3−ジヒドロ−1,1,3−トリメチル−2H−ベンズインドル−2−イリジン)−1,3,5−ヘプタトリエニル]−1,1,3−トリメチル−1H−ベンズインドリウムパークロレート、3−エチル−2−[2−[3−[2−(3−エチル−2(3H)−ベンゾチアゾリリジン)エチリジン]−2−ジフェニルアミノ−1−シクロペンタン−1−イル]エテニル]ベンゾチアゾリウムパークロレート、1−エチル−2−[7−(1−エチル−2(1H)−キノリジン)−1,3,5−ヘプタトリエニル]キノリニウムイオダイド、8−[(6,7−ジヒドロ−2,4−ジフェニル−5H−1−ベンゾピラン−8−イル)メチレン]5,6,7,8−テトラヒドロ−2,4−ジフェニル−1−ベンゾピリリウムパークロレート、ビス(ジチオベンジル)ニッケル、ビス[2’−クロロ−3−メトキシ−4−(2−メトキシエトキシ)ジチオベンジル]ニッケル、1−エチル−4−[7−(エチル−4(1H)−キノリリジン)−1,3,5−ヘプタトリエニル]キノリニウムイオダイド、4−4’−[3−[2−(1−エチル−4(1H)−キノリニリジン)エチリジン]プロペニレン]ビス(1−エチルキノリニウムイオダイド)、株式会社林原生物化学研究所製のNK−4432、NK−4680、NK−5557、NK−5559、NK−5911、NK−2882、NK−4489、NK−4474、NK−5020、NK−2014、NK−2912などがある。かかる色素は、本発明の樹脂組成物中に、通常0.1〜20質量%、特には1〜10質量%程度にて含有させることができる。
また、光酸発生剤としては、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸クロリド、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸ナトリウム、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸カリウム、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸メチル、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸エチル、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸カプリル、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸セチルなどや、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸クロリド、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸ナトリウム、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸カリウム、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸メチル、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸エチル、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸ヘキシル、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸ラウロイル、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸ステアリルなど、1,2−ベンゾキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸クロリド、1,2−ベンゾキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸ナトリウム、1,2−ベンゾキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸カリウム、1,2−ベンゾキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸メチル、1,2−ベンゾキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸エチル、1,2−ベンゾキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸カプロイル、1,2−ベンゾキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸デシル、1,2−ベンゾキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸ステアリル、1,2−ベンゾキノン−2−ジアジドなどを挙げることができる。
また、その他、次のようなものも用いることができる。
エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、1,16−ヘキサデカンジオールなどの脂肪族ジオールと1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4(または−5)−スルホン酸クロリドとの縮合物、フエノール、ヒドロキノン、カテコール、レゾルシノール、ピロガロール等の水酸化芳香族と1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4(または−5)スルホン酸クロリドとの縮合物、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフエノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフエノン、2,2′,3,4,4′−ペンタヒドロキシベンゾフエノン、などのポリヒドロキシベンゾフエノンと1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4(または−5)スルホン酸クロリドとの縮合物、例えば、トリヒドロキシベンゾフエノンジ(1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸)エステル、トリヒドロキシベンゾフエノントリ(1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸)エステル、テトラヒドロキシベンゾフエノンジ(1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸)エステル、テトラヒドロキシベンゾフエノントリ(1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸)エステル、テトラヒドロキシベンゾフエノンテトラ(1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸)エステル、トリヒドロキシベンゾフエノンジ(1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸)エステル、トリヒドロキシベンゾフエノントリ(1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸)エステル、テトラヒドロキシベンゾフエノンジ(1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸)エステル、テトラヒドロキシベンゾフエノントリ(1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸)エステル、テトラヒドロキシベンゾフエノンテトラ(1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸)エステルなどや、2−ジアゾ−5,5−ジメチル−シクロヘキサン−1,3−ジオン、2,2−ジメチル−5−ジアジド−4,6−ジケト−1,3−ジオキサンなどである。
特には、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、ジアルキルフェナシルスルホニウム塩およびスルホン酸エステル化合物からなる群から選ばれるいずれか1種以上の光酸発生剤を用いる。また、近赤外線の照射により、ブレンステッド酸またはルイス酸を発生する光酸発生剤が好適である。光酸発生剤は、本発明の樹脂組成物中に、通常0.1〜20質量%、特には1〜10質量%程度にて含有させることができる。
また、光カチオン重合系組成物としては、例えば、オキセタン環を1個有する重合性モノマーが挙げられ、その具体例としては、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−(メタ)アリルオキシメチル−3−エチルオキセタン、(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチルベンゼン、4−フルオロ−〔1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、4−メトキシ−〔1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、〔1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)エチル〕フェニルエーテル、イソブトキシメチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−エチルヘキシル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチルジエチレングリコール(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンタジエン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラヒドロフルフリル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−テトラブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−トリブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシプロピル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ブトキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタクロロフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル等が挙げられる。オキセタン環を2個有する重合性モノマーの具体例としては、1,4−ビス{〔(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ〕メチル}ベンゼン、ビス{〔(1−エチル)3−オキセタニル〕メチル}エーテル、1,4−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ〕ベンゼン、1,3−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ〕ベンゼン、3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサ−ノナン、1,4−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、1,2−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕エタン、1,2−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕プロパン、エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリシクロデカンジイルジメチレンビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ブタン、1,6−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ヘキサン、ポリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールFビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル等が挙げられる。オキセタン環を3乃至5個有する重合性モノマーの具体例としては、トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールトリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル等が挙げられる。
また、他の光カチオン重合系組成物として、グリシジルエーテル型エポキシ化合物としては、例えば、芳香族核を有する多価フェノール類またはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、脂肪族多価アルコールまたはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル等が挙げられる。具体的には、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、水添ビスフェノールS、ビスフェノールフルオレンまたはこれらフェノール類のアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールまたはそのアルキレンオキサイド付加体等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル;ネオペンチルグリコール、ジブロモネオペンチルグリコールまたはこれらグリコールのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル;トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリンまたはこれら3価アルコールのアルキレンオキサイド付加体のジまたはトリグリシジルエーテル;ペンタエリスリトールのジ、トリまたはテトラグリシジルエーテル等の多価アルトールまたはそのアルキレンオキサイド付加体のポリグリシジルエーテル;ノボラック型エポキシ樹脂;クレゾールノボラック樹脂;並びにこれら化合物の芳香族核がハロゲン置換された化合物;などが挙げられる。
さらに、脂環式エポキシ化合物としては、例えば、シクロへキセンまたはシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素や過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られる、シクロヘキセンオキサイドまたはシクロペンテンオキサイド含有化合物等が挙げられる。具体的には、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンオキサイド、4−ビニルエポキシシクロヘキサン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールのジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシ化テトラベンジルアルコール、ラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ラクトン変性エポキシ化テトラヒドロベンジルアルコール、シクロヘキセンオキサイド等が挙げられる。また、光カチオン重合系組成物としては、スピロオルトカーボネート化合物も使用可能である。光カチオン重合系組成物は、本発明の樹脂組成物中に、通常10〜90質量%、特には50〜90質量%程度にて含有させることができる。
光酸発生剤の市販品としては、例えば、ユニオンカーバイド社製のUVI−6950、UVI−6970(ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル)スルホニオ)−フェニルスルフィド]、UVI−6974(ビス[4−ジフェニルスルホニオ]−フェニル)スルフィドビスヘキサフルオロアンチモネートとジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートとの混合物)、UVI−6990(UVI6974のヘキサフルオロホスフェイトの塩)、旭電化工業(株)製のアデカオプトマーSP−151、SP−170(ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル)スルホニオ)−フェニルスルフィド]、SP−150(SP−170のヘキサフルオロホスフェイト)、チバガイギー社製のIrgacure 261(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1,2,3,4,5,6−η)−(1−メチルエチル)ベンゼン]−鉄(1+)−ヘキサフルオロフォスフェート(1−))、日本曹達(株)製のCI−2481、CI−5102、CI−2855、CI−2064CD−1010、サートマー社製のKI85、CD−1011、CD−1012(4−(2−ヒドロキシテトラデカニルオキシ)ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート)、みどり化学(株)製のDTS−102、DTS−103、NAT−103、NDS−103((4−ヒドロキシナフチル)−ジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート)、TPS−102(トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェイト)、TPS−103(トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート)、MDS−103(4−メトキシフェニル−ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート)、MPI−103(4−メトキシフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート)、BBI−101(ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート)、BBI−102(ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート)、BBI−103(ビス(4−tert−フェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート)、デグサ社製のDegacure K126(ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)−フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロホスフェイト)、ローディア社製のロードシルフォトイニシエータ2074等の商品名で入手できるものが挙げられる。これらは、1種単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
次に、本発明の第二の光硬化性樹脂組成物は、ラジカル発生剤と、760〜2000nmに吸収を有する色素と、光ラジカル重合系組成物とを含み、近赤外線の照射により、ラジカル重合反応を開始して硬化する。この場合、近赤外線を吸収した色素とラジカル発生剤との間で電子移動が起こり、ラジカルが発生される。このうち、760〜2000nmに吸収を有する色素については、前述のものと同様のものを用いることができ、その配合量としては、通常0.1〜20質量%、特には1〜10質量%程度とすることができる。
また、ラジカル発生剤(ラジカル光重合開始剤)としては、有機過酸化物、ビスイミダゾール、ヨードニウム塩、多ハロゲン化合物、チタノセン、ホウ素化合物、スルホン酸誘導体およびN−フェニルグリシンからなる群から選ばれるいずれか1種以上を好適に用いることができ、中でも、ホウ素化合物を併用した場合には、硬化後、近赤外線領域の850nm付近における光吸収をなくすという効果を得ることができる。このうちヨードニウム塩としては、例えば、ジフェニルヨードニウム塩、ビス(p−クロロフェニル)ヨードニウム塩、ジトリルヨードニウム塩、ビス(p−t−ブチルフェニル)ヨードニウム塩、ビス(m−ニトロフェニル)ヨードニウム塩などがあり、それぞれにおいて、対イオンとして、クロライド、ブロマイド、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロフォスフェート、トリフルオロメタンサルフェートなどがある。また、ホウ素化合物としては、例えば、テトラメチルアンモニウムn−ブチルトリフェニルホウ素、テトラメチルアンモニウムn−ブチルトリアニシルホウ素、テトラメチルアンモニウムn−オクチルトリフェニルホウ素、テトラメチルアンモニウムn−オクチルトリアニシルホウ素、テトラエチルアンモニウムn−ブチルトリフェニルホウ素、テトラエチルアンモニウムn−ブチルトリアニシルホウ素、トリメチルハイドロゲンアンモニウムn−ブチルトリフェニルホウ素、トリエチルハイドロゲンアンモニウムn−ブチルトリフェニルホウ素、テトラハイドロゲンアンモニウムn−ブチルトリフェニルホウ素、テトラハイドロゲンアンモニウムテトラフェニルホウ素、ナトリウムn−ブチルトリフェニルホウ素、カリウムテトラフェニルホウ素、ナトリウムn−ブチルトリトリルホウ素、テトラエチルアンモニウムテトラブチルホウ素、テトラブチルアンモニウムn−ブチル(トリフェニルシリル)ホウ素、テトラメチルアンモニウムトリn−ブチル(ジメチルフェニルシリル)ホウ素などが挙げられる。
その他のラジカル光重合開始剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オンなどのアセトフェノン系、ベンジルジメチルケタールなどのベンゾイン系、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系、イソプロピルチオキサントン、2−4−ジエチルチオキサントンなどのチオキサントン系、アシルホスフィンオキサイド系、その他特殊なものとしては、メチルフェニルグリオキシレートなどが使用できる。特に好ましくは、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン、ベンゾフェノン等が挙げられる。これらラジカル光重合開始剤は、必要に応じて、4−ジメチルアミノ安息香酸などの安息香酸系または、第3級アミン系などの公知慣用の光重合促進剤の1種または2種以上を任意の割合で混合して使用することができる。また、ラジカル光重合開始剤のみを1種または2種以上混合して使用することができる。ラジカル光重合開始剤は、本発明の樹脂組成物中に、通常0.1〜20質量%、特には1〜10質量%にて含有させることが好ましい。
ラジカル光重合開始剤のうち、アセトフェノン系光重合開始剤としては、上記の他、例えば、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−トリクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン等が挙げられ、ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、上記の他、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン等が挙げられる。また、アシルホスフィンオキサイド系としては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイド等の化合物が挙げられる。
上記アセトフェノン系光重合開始剤の中でも、特に、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オンが好ましい。また、上記ベンゾフェノン系光重合開始剤の中でも、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチルが好ましい。
さらに、第3級アミン系の光重合促進剤としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、2−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシルなどが使用できる。特に好ましくは、光重合促進剤としては、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシルなどが挙げられる。以上のように、光重合開始剤は、成分を組み合わせることも可能である。
また、光ラジカル重合系組成物は、不飽和二重結合のラジカル重合反応を利用するものであり、主として光重合性官能基を有するモノマーやオリゴマーからなり、必要に応じて反応性ポリマーを加えても良い。また、粘度調製のためにバインダー樹脂を加えることが出来る。バインダー樹脂は、光硬化樹脂と混合することが出来、近赤外領域に大きな吸収を持たないものであれば、制限なく使用できる。
光重合性官能基を有する反応性ポリマーとしては、例えば、アルキルアクリレート(メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等)および/またはアルキルメタクリレート(メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等)から得られる単独重合体または共重合体(即ち、アクリル樹脂)であって、かつ、主鎖または側鎖に光重合性官能基を有するものを挙げることができる。このような重合体は、例えば、1種以上の(メタ)アクリレートと、ヒドロキシル基等の官能基を有する(メタ)アクリレート(2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等)とを共重合させ、得られた重合体とイソシアナトアルキル(メタ)アクリレートなどの、重合体の官能基と反応しかつ光重合性基を有する化合物と反応させることにより得ることができる。従って、光重合性官能基をウレタン結合を介して有するアクリル樹脂が好ましい。
光ラジカル重合系組成物は、本発明の樹脂組成物中に、通常10〜90質量%、特には50〜90質量%程度にて含有させることができる。本発明においては、好ましくは、エチレン性不飽和二重結合を少なくとも1個有する光ラジカル重合系組成物を含む。
本発明の樹脂組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲内で、所望により他の添加剤として、溶剤、酸化防止剤、可塑剤などの成分を含有してもよい。
上記本発明の樹脂組成物は、近赤外線の照射により硬化させることができるものであり、本発明において硬化に使用できる光源としては、近赤外線を発光するものであれば特に制限はないが、半導体レーザー、レーザーダイオード、LED(Light Emitting Diodes)、ハロゲンランプ、VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser Diode,面発光型レーザー)などが挙げられる。また、近赤外線の照射後に、必要に応じて加熱することで、硬化を促進させることも可能である。
本発明の樹脂組成物には、さらに、紫外線の照射により硬化する既知の紫外線硬化型樹脂組成物成分を含有させることもでき、特に制限されるものではない。紫外線硬化型樹脂組成物成分を含有させた本発明の樹脂組成物は、近赤外線および紫外線の双方で硬化可能であるという特徴を有する。この場合、近赤外線の照射による硬化物の屈折率が、紫外線の照射による硬化物の屈折率よりも高いことが好ましい。また、前記色素として、紫外線の照射により分解されて、近赤外領域の吸収が低下するものを用いることが好ましい。
さらに、本発明の樹脂組成物には、加熱により硬化する熱硬化型樹脂組成物成分を含有させることも好ましく、この場合、本発明の樹脂組成物は、近赤外線照射および加熱処理のいずれによっても硬化可能となる。この場合、前記色素として、加熱により分解されて、近赤外領域の吸収が低下するものを用いることが好ましい。
本発明の組成物においては、上記紫外線硬化型樹脂組成物成分または熱硬化型樹脂組成物成分等を含有させることで、例えば、その一部を近赤外線の照射により硬化させた後、別途可視光または紫外線を照射するか、または、加熱を行うことにより、残部を硬化させるなどすることも可能である。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、上記のような構成を有することから、接着剤材料や塗膜材料等に好適に使用可能であり、具体的には例えば、光学部品や光導波路の材料として好適である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
下記配合に従い、光硬化性樹脂組成物を調製した。
(実施例1)
ペンタエリスリトールトリアクリレート 100重量部
8−[(6,7−ジヒドロ−2,4−ジフェニル−5H−1−ベンゾピラン−8−イル)メチレン]5,6,7,8−テトラヒドロ−2,4−ジフェニル−1−ベンゾピリリウムパークロレート 10重量部
ジフェニルヨードニウムクロライド 3重量部
N−フェニルグリシン 1重量部
上記配合物に対し、830nm半導体レーザー(YAGレーザー)を用いて5分間照射を行ったところ、硬化が確認された。
(実施例2)
8−[(6,7−ジヒドロ−2,4−ジフェニル−5H−1−ベンゾピラン−8−イル)メチレン]5,6,7,8−テトラヒドロ−2,4−ジフェニル−1−ベンゾピリリウムパークロレート 10重量部
ジフェニルヨードニウムクロライド 10重量部
IRGACURE−184(Ciba社製) 3重量部
トリメチロールプロパントリアクリレート 30重量部
ヘキサンジオールジアクリレート 30重量部
ジエチレングリコールジビニルエーテル 50重量部
2−ヒドロキシルビニルエーテル 50重量部
上記配合物を朝日分光(株)製LAX−102・IRミラーモジュールを用いて、ファイバー光源先端につき近赤外線照射により硬化させ、その後、紫外線(UV)により全体を照射することで未硬化部を硬化させると同時に色素を分解して、850nmの吸収を退色させた。
(実施例3)
8−[(6,7−ジヒドロ−2,4−ジフェニル−5H−1−ベンゾピラン−8−イル)メチレン]5,6,7,8−テトラヒドロ−2,4−ジフェニル−1−ベンゾピリリウムパークロレート 10重量部
ジフェニルヨードニウムクロライド 10重量部
アゾビスイソブチロニトリル 3重量部
トリメチロールプロパントリアクリレート 30重量部
ヘキサンジオールジアクリレート 30重量部
ジエチレングリコールジビニルエーテル 50重量部
2−ヒドロキシルビニルエーテル 50重量部
上記配合物を朝日分光(株)製LAX−102・IRミラーモジュールを用いて、ファイバー光源先端につき近赤外線照射により硬化させ、その後、120℃に加熱することにより未硬化部を硬化させると同時に色素を分解して、850nmの吸収を退色させた。

Claims (12)

  1. 光酸発生剤と、760〜2000nmに吸収を有する色素と、光カチオン重合系組成物とを含み、近赤外線の照射により酸を発生し、カチオン重合反応を開始して硬化することを特徴とする光硬化性樹脂組成物。
  2. 前記光酸発生剤が、近赤外線の照射により、ブレンステッド酸またはルイス酸を発生する請求項1記載の光硬化性樹脂組成物。
  3. 前記光酸発生剤が、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、ジアルキルフェナシルスルホニウム塩およびスルホン酸エステル化合物からなる群から選ばれるいずれか1種以上である請求項1または2記載の光硬化性樹脂組成物。
  4. ラジカル発生剤と、760〜2000nmに吸収を有する色素と、光ラジカル重合系組成物とを含み、近赤外線の照射により、ラジカル重合反応を開始して硬化することを特徴とする光硬化性樹脂組成物。
  5. 前記ラジカル発生剤が、有機過酸化物、ビスイミダゾール、ヨードニウム塩、多ハロゲン化合物、チタノセン、ホウ素化合物、スルホン酸誘導体およびN−フェニルグリシンからなる群から選ばれるいずれか1種以上である請求項4記載の光硬化性樹脂組成物。
  6. エチレン性不飽和二重結合を少なくとも1個有するラジカル重合性化合物を含む請求項4または5記載の光硬化性樹脂組成物。
  7. さらに、紫外線の照射により硬化する紫外線硬化型樹脂組成物成分を含む請求項1〜6のうちいずれか一項記載の光硬化性樹脂組成物。
  8. 前記近赤外線の照射による硬化物の屈折率が、前記紫外線の照射による硬化物の屈折率よりも高い請求項7記載の光硬化性樹脂組成物。
  9. 前記色素が紫外線の照射により分解されて、近赤外領域の吸収が低下する請求項7または8記載の光硬化性樹脂組成物。
  10. さらに、加熱により硬化する熱硬化型樹脂組成物成分を含む請求項1〜9のうちいずれか一項記載の光硬化性樹脂組成物。
  11. 請求項1〜10のうちいずれか一項記載の光硬化性樹脂組成物を用いたことを特徴とする光学部品。
  12. 請求項1〜10のうちいずれか一項記載の光硬化性樹脂組成物を用いたことを特徴とする光導波路。
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