JP2016030764A - 反応性モノマー、およびそれを用いた重合性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】比較的低粘度でハンドリング性に優れ、なおかつ硬化収縮が少なく、非常に高い塗膜硬度を与えるための反応性モノマーの提供。更に、反応に伴う硬化速度が速く、種々の用途において基本となりうる重合組成物の提供。【解決手段】式(1)で表される反応性モノマー。一般式(1)(R1〜R3、及びR5〜R7は各々独立に、H、又は、アルキル基;R4は水素原子、アルキル基、又は、ヒドロキシ基を表す。Aは2価の連結基)【選択図】なし

Description

本発明は、成形樹脂、注型樹脂、光造形用樹脂、封止剤、歯科用重合レジン、印刷インキ、印刷ニス、塗料、印刷版用感光性樹脂、印刷用カラープルーフ、カラーフィルター用レジスト、ブラックマトリクス用レジスト、液晶用フォトスペーサー、リアプロジェクション用スクリーン材料、光ファイバー、プラズマディスプレー用リブ材、ドライフィルムレジスト、プリント基板用レジスト、ソルダーレジスト、半導体用フォトレジスト、マイクロエレクトロニクス用レジスト、マイクロマシン用部品製造用レジスト、エッチング用レジスト、マイクロレンズアレー、絶縁材、ホログラム材料、光学スイッチ、導波路用材料、オーバーコート剤、粉末コーティング、接着剤、粘着剤、離型剤、光記録媒体、粘接着剤、剥離コート剤、マイクロカプセルを用いた画像記録材料のための組成物、各種デバイスなどの分野において、良好な物性を持った重合物を得るための反応性モノマーおよびそれを用いた重合性組成物に関する。
(メタ)アクリレート化合物に代表される反応性モノマーは、加熱または活性エネルギー線を照射することで重合開始剤から発生した活性種により、容易に重合反応を起こし、反応硬化物を形成することが知られている。
(メタ)アクリレートモノマーは、さらに1〜2官能の低官能アクリレートと3官能以上の多官能アクリレートに大別される。
一般に、多官能(メタ)アクリレートは、硬化速度が速く、さらに硬化による架橋密度が高いため、硬化塗膜の強度が非常に高いことが特徴であるが、一方で硬化に伴う硬化収縮が高いことや、モノマー自体の粘度が高いものが多く、希釈溶剤や希釈モノマーの併用がハンドリング上必要となってくる場合が多い。
一方、低官能(メタ)アクリレートは、比較的粘度が低く、ハンドリングに優れるものが多いが、一方で架橋密度が低いため、硬化塗膜の強度は弱く、用途によっては不十分な場合が多い。
現状、多官能(メタ)アクリレートと低官能(メタ)アクリレートは、両者のメリット・デメリットを互いに補うため、併用される場合が多く、種々の用途や、それに求められる特性に応じて、種々の配合を確認する必要があり、非常に手間が必要である。
現在、市販品として入手でき、幅広く使用されている2官能(メタ)アクリレートとして、ジプロピレングリコールジアクリレートや1,9−ノナンジオールジアクリレートのように、2つのアクリレートを、(1個以上のエーテル結合で中断されてもよい)直鎖アルキル基で結ばれているモノマーや、あるいは、環状(多環)アルキル基や、ビスフェノールAテトラエトキシジアクリレートのように、特殊な骨格で結ばれたモノマーが知られている。
前者は、低粘度なものが多く、ハンドリング性に優れるが、硬化塗膜の強度が乏しいため、重合組成物のハンドリング性を高めるための反応性希釈モノマーとして使用される場合が多い(特許文献1、2)。
一方後者のうち、環状アルキルで結ばれているモノマーは、骨格により硬化塗膜の強度を若干改善する効果があるものの、多官能アクリレートの強度には遠く及ばない(特許文献3段落0012 架橋密度高めるため多官能アクリレートを加えることが示唆されている。単独では強度が不足する場合があること意味している)。また、特許文献4では柔軟性と靭性(強度)の両方が必要とされる様々な用途で使用できることが明記されているが、近年求められるレベルからは、柔軟性も靭性も更なる向上が必要であり特に強度の向上が必要である。
さらに、ビスフェノール骨格で結ばれたモノマーは、比較的高い強度を有しているものの、粘度が高いものが多く、ハンドリング性が著しく悪い。例えば特許文献5では、樹脂組成物の低粘度化が求められている光重合性インクジェット用インキには、全モノマーのうち10%程度しか添加できず、さらにt−ブチルメタクリレートのような希釈モノマーを多量に必要としている。またその強度も多官能モノマーには及ばず近年求められるレベルにおいては不十分である。
また、本発明に、比較的近い構造として、下記に示す構造を有するモノマーが報告されているが(特許文献6)、モノマーとしての機能は示すものの、硬化速度や硬化塗膜強度は不十分である。本発明の特徴である、中心部位にヒドロキシ基を有していないためである。
Figure 2016030764
また、ヒドロキシ基を一つないし、二つ有する2官能アクリレート(エポキシアクリレート)も報告されているが(特許文献7、8)、これらは硬化速度は比較的優れるものの、硬化塗膜強度は不十分である。また、エポキシアクリレートは粘度が非常に高くハンドリング性が悪いものが多い。
したがって、比較的低粘度でハンドリング性に優れ、硬化速度が速く、硬化塗膜強度が十分に高く、なおかつ低硬化収縮な特性を有する2官能モノマーが望まれている。
特表2003−534394号公報 特表2007−536405号公報 特開2012−107237号公報 特開2006−336006号公報 特開2012−251123号公報 特開2006−182990号公報 特表2002−537045号公報 特開2012−022304号公報
UV・EB硬化技術の最新動向 P14〜(ラドテック研究会、シーエムシー出版)
本発明の目的は、比較的低粘度でハンドリング性に優れ、なおかつ硬化収縮が少なく、非常に高い塗膜硬度を与えるための反応性モノマーを提供することである。さらに本発明の更なる目的は、反応に伴う硬化速度が速く、種々の用途において基本となりうる重合組成物を提供することである。
本発明者らは、上記の諸問題点を考慮し解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に至った。すなわち本発明は、下記一般式(1)で表される反応性モノマー(A)に関する。
一般式(1)
Figure 2016030764



(式中、R1〜R3、およびR5〜R7は、それぞれ独立に、水素原子、または、アルキル基を表す。R4は、水素原子、アルキル基、または、ヒドロキシ基を表す。Aは、2価の連結基を表す。)
また、本発明は、Aが、アルキレン基、アリーレン基、ベンジリデン基、二価の複素環基、−(CH2CH2O)n−CH2CH2−、−[CH(CH3)CH2O]n−CH(CH3)CH2−、−(C36O)n−C36−、−[(C=O)−C510O]n−(C=O)−C510−、−[(C=O)−C48O]n−(C=O)−C48−、または、−[(C=O)−C36O]n−(C=O)−C36−、(ここでnは1〜10の整数である)で表される2価の連結基である上記反応性モノマー(A)に関する。
また、本発明は、Aが、アルキレン基である上記反応性モノマー(A)に関する。
また、本発明は、上記反応性モノマー(A)と、ラジカル重合開始剤(C)とを含んでなる重合組成物に関する。
また、本発明は、さらに、増感剤(D)を含んでなる上記重合組成物に関する。
また、本発明は、さらに、反応性モノマー(A)以外の重合性化合物(B)を含んでなる上記重合組成物に関する。
また、本発明は、上記重合組成物に、活性エネルギー線を照射することにより硬化させる硬化物の製造方法に関する。
また、本発明は、上記製造方法で得られた硬化物に関する。
本発明により、従来の2官能モノマーでは実現できなかった、高い硬化性と低硬化収縮性を有して、ハンドリング性に優れた反応性モノマーを提供することができた。さらに本発明は、反応に伴う硬化速度が速く、種々の用途において基本となりうる重合組成物を提供することができた。
以下、詳細にわたって本発明の実施形態を説明する。
まず初めに、本発明の反応性モノマー(A)について説明する。本発明の反応性モノマーは、下記一般式(1)で表されるように、中心骨格に、ヒドロキシル基およびカルボニル基を有していることを特徴としており、さらに連結鎖を介して重合性官能基を有する2官能(置換)アクリレート化合物であることが特徴である。
一般式(1)
Figure 2016030764
一般式中、R1〜R3、およびR5〜R7は、それぞれ独立に水素原子、または、アルキル基である。
R1〜R3、およびR5〜R7におけるアルキル基としては、置換もしくは未置換の、炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状または縮合多環状アルキル基を表し、具体例としては、以下に示した基を挙げることができるが、本発明は、これらに限定されるものではない。なお、それぞれ、左端が結合手である。
Figure 2016030764
ここで、原料入手やモノマーとしての特性面から、R1〜R2、およびR6〜R7は、水素原子であることが好ましい。
一般式中、R4は、水素原子、アルキル基、ヒドロキシル基を表す。
R4におけるアルキル基は、R1〜R3、およびR5〜R7におけるアルキル基と同義である。
ここで、R4は、合成面やモノマーとしての特性面からヒドロキシル基であるのが好ましい。
一般式中、Aは2価の連結基である。式中の2つのAは、同じでも異なっていてもよい。
2価の連結基とは、任意の原子あるいは原子団からなる構造であり、他の2つの異なる原子に対して、それぞれ結合可能な状態を示す。2つの結合状態は一つの原子から形成される場合と、異なる原子から一つずつ形成される場合がある。
2価の連結基として、有機化合物が好ましく、より好ましくは、(酸素原子、窒素原子、硫黄原子を構造中に含んでも良い)炭化水素であることが、原料入手面や合成面、および性能面から望ましい。
2価の連結基としてより具体的には、アルキレン基、アリーレン基、ベンジリデン基、二価の複素環基、−(CH2CH2O)n−CH2CH2−、−[CH(CH3)CH2O]n−CH(CH3)CH2−、−(C36O)n−C36−、−[(C=O)−C510O]n−(C=O)−C510−、−[(C=O)−C48O]n−(C=O)−C48−、または、−[(C=O)−C36O]n−(C=O)−C36−、(ここでnは1〜10の整数である)、または、以下に示す構造により少なくとも一つ以上中断されたアルキレン基であるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2016030764
Aにおけるアルキレン基とは、置換もしくは未置換の、炭素数1〜20の直鎖状、分岐鎖状、単環状、縮合多環状のアルキル基から、任意の2つの水素を除いてできる2価の基であり、より具体的には、R1〜R7におけるアルキル基として例示したものと同一の置換基から、1個の水素原子を除いてできる2価の基を挙げることができるが、これらに限定させるものではない。
Aにおけるアリーレン基とは、置換もしくは未置換の、炭素数6〜18の単環状、縮合多環状の芳香族炭化水素基から、任意の2つの水素を除いてできる2価の基であり、より具体的には、以下に例示した構造を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2016030764
Aにおけるベンジリデン基としては、炭素数6〜18の単環状、縮合多環状の芳香族炭化水素基に、水素原子が一つ除かれたメチル基が任意に2つ置換した2価の基であり、具体的には、以下に例示した構造を挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2016030764
Aにおける2価の複素環基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、炭素原子数4〜24の芳香族あるいは脂肪族の複素環基から、任意の2つの水素原子が除かれた2価の基であり、具体的には、以下に例示した構造を挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2016030764
ここで、原料入手、合成面、モノマーとしての特性面から、2価の連結基として、アルキレン基、アリーレン基、ベンジリデン基、二価の複素環基、または、−(CH2CH2O)n−CH2CH2−、−[CH(CH3)CH2O]n−CH(CH3)CH2−、−(C36O)n−C36−、−[(C=O)−C510O]n−(C=O)−C510−、−[(C=O)−C48O]n−(C=O)−C48−、または、−[(C=O)−C36O]n−(C=O)−C36−、(ここでnは1〜10の整数である)であることが好ましく、より好ましくはアルキレン基である。
前述したR1〜R7における置換基、およびAにおける2価の置換基の水素原子は、さらに他の置換基で置換されていても良い。
そのような置換基としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン基、メトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、p−トリルオキシ基等のアリールオキシ基、メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メトキサリル基等のアシル基、メチルスルファニル基、tert−ブチルスルファニル基等のアルキルスルファニル基、フェニルスルファニル基、p−トリルスルファニル基等のアリールスルファニル基、メチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等のアルキルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基等のジアルキルアミノ基、フェニルアミノ基、p−トリルアミノ基等のアリールアミノ基、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、ドデシル基等のアルキル基、フェニル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基等のアリール基、フリル基、チエニル基等の複素環基等の他、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ホルミル基、メルカプト基、スルホ基、メシル基、p−トルエンスルホニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリメチルシリル基、ホスフィニコ基、ホスホノ基、トリメチルアンモニウミル基、ジメチルスルホニウミル基、トリフェニルフェナシルホスホニウミル基等が挙げられる。
以上述べた本発明の反応性モノマー(A)の具体例を以下に示すが、本発明の反応性モノマー(A)の構造はそれらに限定されるものではない。
Figure 2016030764
Figure 2016030764
Figure 2016030764
Figure 2016030764
Figure 2016030764
Figure 2016030764
Figure 2016030764
Figure 2016030764
Figure 2016030764
本発明の反応性モノマー(A)は、容易に合成あるいは入手可能な、種々のジカルボン酸またはその誘導体に対して、塩基を用いてハロゲンを有するアクリレートへの求核置換反応による合成方法や、酸触媒または脱水縮合剤を用いて、ヒドロキシル基を有するアクリレートとの縮合反応による合成方法などにより容易に得ることができる。
次に、本発明に使用されるラジカル重合開始剤(C)について説明する。本発明のラジカル重合開始剤(C)としては、活性エネルギー線照射により、重合反応を開始するラジカル活性種を発生させる化合物であり、従来公知の重合開始剤を用いることが可能である。具体的には、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルメチルケタール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン]、2−ヒドロキシ−1−[4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル]−2−メチルプロパン−1−オン等のアセトフェノン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン類;その他フェニルグリオキシリックメチルエステル等が挙げられる。より具体的には、イルガキュアー651、イルガキュアー184、ダロキュアー1173、イルガキュアー500、イルガキュアー1000、イルガキュアー2959、イルガキュアー907、イルガキュアー369、イルガキュアー379、イルガキュアー1700、イルガキュアー149、イルガキュアー1800、イルガキュアー1850、イルガキュアー819、イルガキュアー784、イルガキュアー261、イルガキュアーOXE−01(CGI124)、CGI242(BASF社)、アデカオプトマーN1414、アデカオプトマーN1717、ESACURE1001M(LAMBERTI社)、特公昭59−1281号公報、特公昭61−9621号公報ならびに特開昭60−60104号公報記載のトリアジン誘導体、特開昭59−1504号公報ならびに特開昭61−243807号公報記載の有機過酸化物、特公昭43−23684号公報、特公昭44−6413号公報、特公昭47−1604号公報ならびにUSP第3567453号明細書記載のジアゾニウム化合物公報、USP第2848328号明細書、USP第2852379号明細書ならびにUSP第2940853号明細書記載の有機アジド化合物、特公昭36−22062号公報、特公昭37−13109号公報、特公昭38−18015号公報ならびに特公昭45−9610号公報記載のオルト−キノンジアジド類、特公昭55−39162号公報、特開昭59−140203号公報ならびに「マクロモレキュルス(Macromolecules)」、第10巻、第1307頁(1977年)記載のヨードニウム化合物をはじめとする各種オニウム化合物、特開昭59−142205号公報記載のアゾ化合物、特開平1−54440号公報、ヨーロッパ特許第109851号明細書、ヨーロッパ特許第126712号明細書、「ジャーナル・オブ・イメージング・サイエンス(J.IMAG.SCI.)」、第30巻、第174頁(1986年)記載の金属アレン錯体、特開昭61−151197号公報記載のチタノセン類、「コーディネーション・ケミストリー・レビュー(Coordination Chemistry Review)」、第84巻、第85〜第277頁(1988年)ならびに特開平2−182701号公報記載のルテニウム等の遷移金属を含有する遷移金属錯体、特開平3−209477号公報記載のアルミナート錯体、特開平2−157760号公報記載のホウ酸塩化合物、特開昭55−127550号公報ならびに特開昭60−202437号公報記載の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、四臭化炭素や特開昭59−107344号公報記載の有機ハロゲン化合物、特開平5−255347号公報記載のスルホニウム錯体またはオキソスルホニウム錯体、特開昭54−99185号公報、特開昭63−264560号公報ならびに特開平10−29977記載のアミノケトン化合物、特開2001−264530号公報、特開2001−261761号公報、特開2000−80068号公報、特開2001−233842号公報、特表2004−534797号公報、特開2006−342166、特開2008−094770、特開2009−40762、特開2010−15025、特開2010−189279、特開2010−189280公報、特表2010−526846、特表2010−527338、特表2010−527339、USP3558309号明細書(1971年)、USP4202697号明細書(1980年)ならびに特開昭61−24558号公報記載のオキシムエステル化合物等が挙げられる。
これらの中でも、好ましくは、アミノケトンに代表されるアセトフェノン類、ホスフィン類、オキシムエステル化合物が挙げられる。
これらは単独または複数の組み合わせで使用することが可能であり、反応硬化物に求める特性に応じて、任意に混合使用が可能であり、これらのラジカル重合開始剤(C)を用いる場合の使用量は、反応性モノマー(A)と併用可能な後述の重合性化合物(B)を含んだ重合組成物の総量100重量部に対して0.01から200重量部の範囲で含有され、0.1〜100重量部の範囲で含有されるのが好ましい。
本発明に使用される増感剤(D)について説明する。本発明の増感剤は、さらなる感度向上や、反応硬化後の膜特性を向上させる目的で、増感剤を併用することが可能である。
本発明の重合性組成物と混合して併用可能な増感剤としては、ベンゾフェノン誘導体、カルコン誘導体やジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン誘導体、ベンジルやカンファーキノンなどに代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体などが挙げられ、その他さらに具体例には大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の色素および増感剤が挙げられるがこれらに限定されるものではなく、その他、紫外から近赤外域にかけての光に対して吸収を示す色素や増感剤が挙げられ、これらは必要に応じて任意の比率で二種以上用いてもかまわない。
上述の増感剤のうち、ベンゾフェノン誘導体、チオキサントン誘導体、またはアクリドン誘導体が選択されるのが、硬化性・入手面などの観点から望ましい。具体的には、ベンゾフェノン類としては、ベンゾフェノン、2−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、4−メトキシベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4,4’−ジメチルベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等を挙げることができ、チオキサントン誘導体としては、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン等を挙げることができ、、アクリドン誘導体としては、アクリドン、10−メチルアクリドン、10−ブチル−2−クロロアクリドン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。さらに、特願2013−1713公報記載の化合物も本発明のベンゾフェノン系誘導体として使用可能である。
これらは単独または複数の組み合わせで使用することが可能であり、反応硬化物に求める特性に応じて、任意に混合使用が可能であり、本発明の増感剤の使用量は、ラジカル重合開始剤(C)100重量部に対して、0.01〜100重量部の範囲が好ましく、さらに0.1〜50重量部の範囲がより好ましい。
本発明の重合性化合物(B)について説明する。本発明の重合性化合物としては、反応に伴う硬化性を向上させたり、硬化物としての諸特性を獲得、あるいは向上するためにラジカル重合性化合物を使用することができ、これらは任意に組み合わせて使用することが可能である。
本発明におけるラジカル重合性化合物とは、分子中にラジカル重合可能な骨格を少なくとも一つ以上を有する化合物を意味する。また、これらは、いずれも常温、常圧で液体ないし固体のモノマー、オリゴマーないしポリマーの化学形態を持つものである。
このようなラジカル重合性化合物の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸およびそれらの塩、エステル、酸アミドや酸無水物が挙げられ、さらには、ウレタンアクリレート、アクリロニトリル、スチレン誘導体、種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ポリウレタン等があげられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下に、本発明におけるラジカル重合性化合物の具体例を挙げる。
アクリレート類の例:
単官能アルキルアクリレート類の例:
メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレート、イソアミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ベンジルアクリレート。
単官能含ヒドロキシアクリレート類の例:
2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロピルアクリレート、アクリル酸−2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロピル、2−アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート。
単官能含ハロゲンアクリレート類の例:
2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート、1H−ヘキサフルオロイソプロピルアクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルアクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、2,6−ジブロモ−4−ブチルフェニルアクリレート、2,4,6−トリブロモフェノキシエチルアクリレート、2,4,6−トリブロモフェノール3EO付加アクリレート。
単官能含エーテル基アクリレート類の例:
2−メトキシエチルアクリレート、1,3−ブチレングリコールメチルエーテルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコール#400アクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、メトキシトリプロピレングリコールアクリレート、メトキシポリプロピレングリコールアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、クレジルポリエチレングリコールアクリレート、アクリル酸−2−(ビニロキシエトキシ)エチル、p−ノニルフェノキシエチルアクリレート、p−ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、グリシジルアクリレート。
単官能含カルボキシルアクリレート類の例:
β−カルボキシエチルアクリレート、コハク酸モノアクリロイルオキシエチルエステル、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、2−アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート。
その他の単官能アクリレート類の例:
N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレート、モルホリノエチルアクリレート、トリメチルシロキシエチルアクリレート、ジフェニル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、カプロラクトン変性−2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−ヒドロキシ−1−アクリロキシ−3−メタクリロキシプロパン。
二官能アクリレート類の例:
1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#200ジアクリレート、ポリエチレングリコール#300ジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、テトラプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコール#400ジアクリレート、ポリプロピレングリコール#700ジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールPO変性ジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルのカプロラクトン付加物ジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールビス(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピル)エーテル、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノベンゾエート、ビスフェノールAジアクリレート、EO変性ビスフェノールAジアクリレート、PO変性ビスフェノールAジアクリレート、水素化ビスフェノールAジアクリレート、EO変性水素化ビスフェノールAジアクリレート、PO変性水素化ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールFジアクリレート、EO変性ビスフェノールFジアクリレート、PO変性ビスフェノールFジアクリレート、EO変性テトラブロモビスフェノールAジアクリレート、トリシクロデカンジメチロールジアクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジアクリロキシプロパン。
三官能アクリレート類の例:
グリセリンPO変性トリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリアクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート、イソシアヌル酸EO変性ε−カプロラクトン変性トリアクリレート、1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−s−トリアジン、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレートトリプロピオネート。
四官能以上のアクリレート類の例:
ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートモノプロピオネート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルテトラアクリレート、トリス(アクリロイルオキシ)ホスフェート。
メタクリレート類の例:
単官能アルキルメタクリレート類の例:
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、イソアミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、デシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ジシクロペンテニルメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート。
単官能含ヒドロキシメタクリレート類の例:
2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロピルメタクリレート、2−メタクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート。
単官能含ハロゲンメタクリレート類の例:
2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート、1H−ヘキサフルオロイソプロピルメタクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルメタクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート、2,6−ジブロモ−4−ブチルフェニルメタクリレート、2,4,6−トリブロモフェノキシエチルメタクリレート、2,4,6−トリブロモフェノール3EO付加メタクリレート。
単官能含エーテル基メタクリレート類の例:
2−メトキシエチルメタクリレート、1,3−ブチレングリコールメチルエーテルメタクリレート、ブトキシエチルメタクリレート、メトキシトリエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコール#400メタクリレート、メトキシジプロピレングリコールメタクリレート、メトキシトリプロピレングリコールメタクリレート、メトキシポリプロピレングリコールメタクリレート、メタクリル酸−2−(ビニロキシエトキシ)エチル、エトキシジエチレングリコールメタクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、フェノキシジエチレングリコールメタクリレート、フェノキシポリエチレングリコールメタクリレート、クレジルポリエチレングリコールメタクリレート、p−ノニルフェノキシエチルメタクリレート、p−ノニルフェノキシポリエチレングリコールメタクリレート、グリシジルメタクリレート。
単官能含カルボキシルメタクリレート類の例:
β−カルボキシエチルメタクリレート、コハク酸モノメタクリロイルオキシエチルエステル、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノメタクリレート、2−メタクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−メタクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2−メタクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2−メタクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート。
その他の単官能メタクリレート類の例:
ジメチルアミノメチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、モルホリノエチルメタクリレート、トリメチルシロキシエチルメタクリレート、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、カプロラクトン変性−2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート等。
二官能メタクリレート類の例:
1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコール#200ジメタクリレート、ポリエチレングリコール#300ジメタクリレート、ポリエチレングリコール#400ジメタクリレート、ポリエチレングリコール#600ジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、テトラプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコール#400ジメタクリレート、ポリプロピレングリコール#700ジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールPO変性ジメタクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジメタクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルのカプロラクトン付加物ジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールビス(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピル)エーテル、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレートモノステアレート、ペンタエリスリトールジメタクリレートモノベンゾエート、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ビスフェノールAジメタクリレート、EO変性ビスフェノールAジメタクリレート、PO変性ビスフェノールAジメタクリレート、水素化ビスフェノールAジメタクリレート、EO変性水素化ビスフェノールAジメタクリレート、PO変性水素化ビスフェノールAジメタクリレート、ビスフェノールFジメタクリレート、EO変性ビスフェノールFジメタクリレート、PO変性ビスフェノールFジメタクリレート、EO変性テトラブロモビスフェノールAジメタクリレート、トリシクロデカンジメチロールジメタクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジメタクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプロパン。
三官能メタクリレート類の例:
グリセリンPO変性トリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリメタクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリメタクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリメタクリレート、イソシアヌル酸EO変性ε−カプロラクトン変性トリメタクリレート、1,3,5−トリメタクリロイルヘキサヒドロ−s−トリアジン、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールトリメタクリレートトリプロピオネート。
四官能以上のメタクリレート類の例:
ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレートモノプロピオネート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、オリゴエステルテトラメタクリレート、トリス(メタクリロイルオキシ)ホスフェート。
アリレート類の例:
アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート、イソシアヌル酸トリアリレート。
酸アミド類の例:
アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、メタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、ジアセトンメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、メタクリロイルモルホリン。
スチレン類の例:
スチレン、p−ヒドロキシスチレン、p−クロロスチレン、p−ブロモスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−t−ブトキシスチレン、p−t−ブトキシカルボニルスチレン、p−t−ブトキシカルボニルオキシスチレン、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン。
他のビニル化合物の例:
酢酸ビニル、モノクロロ酢酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバル酸ビニル、酪酸ビニル、ラウリン酸ビニル、アジピン酸ジビニル、メタクリル酸ビニル、クロトン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドン、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、ノルマルプロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、ノルマルブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル。
上記のラジカル重合性化合物は、以下に示すメーカーの市販品として、容易に入手することができる。例えば、共栄社油脂化学工業(株)社製の「ライトアクリレート」、「ライトエステル」、「エポキシエステル」、「ウレタンアクリレート」および「高機能性オリゴマー」シリーズ、新中村化学(株)社製の「NKエステル」および「NKオリゴ」シリーズ、日立化成工業(株)社製の「ファンクリル」シリーズ、東亞合成化学(株)社製の「アロニックスM」、および「アクリックス」シリーズ、大八化学工業(株)社製の「機能性モノマー」シリーズ、大阪有機化学工業(株)社製の「特殊アクリルモノマー(化成品、電子材料)」シリーズ、三菱レイヨン(株)社製の「アクリエステル」および「ダイヤビームオリゴマー」シリーズ、日本化薬(株)社製の「カヤラッド」および「カヤマー」シリーズ、(株)日本触媒社製の「アクリル酸/メタクリル酸エステルモノマー」、「アクリル酸/メタクリル酸特殊エステル」、「(メタ)アクリル酸ヒドロキシモノマー」、および「(メタ)アクリル酸金属塩」シリーズ、日本合成化学工業(株)社製の「NICHIGO−UV紫光ウレタンアクリレートオリゴマー」シリーズ、ナガセケムテックス(株)社製の「デナコールアクリレート」シリーズ、ケーエスエム(株)社製の「エポキシ(メタ)アクリレート」、「ウレタンアクリレート」、信越酢酸ビニル(株)社製の「カルボン酸ビニルエステルモノマー」シリーズ、(株)興人社製の「機能性モノマー」シリーズ、丸善石油化学(株)製の「ビニルエーテル」シリーズ、日本カーバイド工業(株)社製の「アルキルモノビニルエーテル」「ヒドロキシアルキルビニルエーテル」「アルキルジビニルエーテル」シリーズ、(株)ダイセル社製「脂環ジビニルエーテルモノマー」、ダイセル・オルネクス(株)社製の「アクリレートモノマー」、「エポキシアクリレート」、「ウレタンアクリレート」、「ポリエステルアクリレート」、「ポリエーテルアクリレート」「酸基含有アクリレート」シリーズ等が挙げられる。
また、ダイソー(株)社製の「アリルエーテル類」シリーズなどで表される、アリルエーテル化合物類もラジカル重合性化合物として挙げられる。
また以下に示す環状化合物もラジカル重合性化合物として挙げられる。
三員環化合物の例:
ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス・ポリマー・ケミストリー・エディション(J.Polym.Sci.Polym.Chem.Ed.)、第17巻、3169頁(1979年)記載のビニルシクロプロパン類、マクロモレキュラー・ケミー・ラピッド・コミュニケーション(Makromol.Chem.Rapid.Commun.)、第5巻、63頁(1984年)記載の1−フェニル−2−ビニルシクロプロパン類、ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス・ポリマー・ケミストリー・エディション(J.Polym.Sci.Polym.Chem.Ed.)、第23巻、1931頁(1985年)およびジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス・ポリマー・レター・エディション(J.Polym.Sci.Polym.Lett.Ed.)、第21巻、4331頁(1983年)記載の2−フェニル−3−ビニルオキシラン類、日本化学会第50春期年会講演予稿集、1564頁(1985年)記載の2,3−ジビニルオキシラン類。
環状ケテンアセタール類の例:
ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス・ポリマー・ケミストリー・エディション(J.Polym.Sci.Polym.Chem.Ed.)、第20巻、3021頁(1982年)およびジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス・ポリマー・レター・エディション(J.Polym.Sci.Polym.Chem.Ed.)、第21巻、373頁(1983年)記載の2−メチレン−1,3−ジオキセパン、ポリマー・プレプレプリント(Polym.PrEprints)、第34巻、152頁(1985年)記載のジオキソラン類、ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス・ポリマー・レター・エディション(J.Polym.Sci.Polym.Lett.Ed.)、第20巻、361頁(1982年)、マクロモレキュラー・ケミー(Makromol.Chem.)、第183巻、1913頁(1982年)およびマクロモレキュラー・ケミー(Makromol.Chem.)、第186巻、1543頁(1985年)記載の2−メチレン−4−フェニル−1,3−ジオキセパン、マクロモレキュルズ(Macromolecules)、第15巻、1711頁(1982年)記載の4,7−ジメチル−2−メチレン−1,3−ジオキセパン、ポリマー・プレプレプリント(Polym.PrEprints)、第34巻、154頁(1985年)記載の5,6−ベンゾ−2−メチレン−1,3−ジオセパン。
さらに、ラジカル重合性化合物は、以下に示す文献に記載のものも挙げることができる。例えば、山下晋三ら編、「架橋剤ハンドブック」、(1981年、大成社)や加藤清視編、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」、(1985年、高分子刊行会)、ラドテック研究会編、赤松清編、「新・感光性樹脂の実際技術」、(1987年、シーエムシー)、遠藤剛編、「熱硬化性高分子の精密化」、(1986年、シーエムシー)、滝山榮一郎著、「ポリエステル樹脂ハンドブック」、(1988年、日刊工業新聞社)、ラドテック研究会編、「UV・EB硬化技術の応用と市場」、(2002年、シーエムシー)が挙げられる。
本発明のラジカル重合性化合物は、ただ一種のみ用いても、所望とする特性を向上するために任意の比率で二種以上混合したものを用いても構わない。
本発明の重合性組成物に含有されるラジカル重合性化合物には、上記モノマー以外にオリゴマー、プレポリマーと呼ばれるものを使用できる。具体的には、ダイセルUCB社製「EBECryl230、244、245、270、280/15IB、284、285、4830、4835、4858、4883、8402、8803、8800、254、264、265、294/35HD、1259、1264、4866、9260、8210、1290.1290K、5129、2000、2001、2002、2100、KRM7222、KRM7735、4842、210、215、4827、4849、6700、6700−20T、204、205、6602、220、4450、770、IRR567、81、84、83、80、657、800、805、808、810、812、1657、1810、IRR302、450、670、830、835、870、1830、1870、2870、IRR267、813、IRR483、811、436、438、446、505、524、525、554W、584、586、745、767、1701、1755、740/40TP、600、601、604、605、607、608、609、600/25TO、616、645、648、860、1606、1608、1629、1940、2958、2959、3200、3201、3404、3411、3412、3415、3500、3502、3600、3603、3604、3605、3608、3700、3700−20H、3700−20T、3700−25R、3701、3701−20T、3703、3702、RDX63182、6040、IRR419」、サートマー社製「CN104、CN120、CN124、CN136、CN151、CN2270、CN2271E、CN435、CN454、CN970、CN971、CN972、CN9782、CN981、CN9893、CN991」、BASF社製「LAromEr EA81、LR8713、LR8765、LR8986、PE56F、PE44F、LR8800、PE46T、LR8907、PO43F、PO77F、PE55F、LR8967、LR8981、LR8982、LR8992、LR9004、LR8956、LR8985、LR8987、UP35D、UA19T、LR9005、PO83F、PO33F、PO84F、PO94F、LR8863、LR8869、LR8889、LR8997、LR8996、LR9013、LR9019、PO9026V、PE9027V」、コグニス社製「フォトマー3005、3015、3016、3072、3982、3215、5010、5429、5430、5432、5662、5806、5930、6008、6010、6019、6184、6210、6217、6230、6891、6892、6893−20R、6363、6572、3660」、根上工業社製「アートレジンUN−9000HP、9000PEP、9200A、7600、5200、1003、1255、3320HA、3320HB、3320HC、3320HS、901T、1200TPK、6060PTM、6060P」、日本合成化学社製「紫光 UV−6630B、7000B、7510B、7461TE、3000B、3200B、3210EA、3310B、3500BA、3520TL、3700B、6100B、6640B、1400B、1700B、6300B、7550B、7605B、7610B、7620EA、7630B、7640B、2000B、2010B、2250EA、2750B」、日本化薬社製「カヤラッドR−280、R−146、R131、R−205、EX2320,R190、R130、R−300,C−0011、TCR−1234、ZFR−1122、UX−2201,UX−2301,UX3204、UX−3301、UX−4101,UX−6101、UX−7101、MAX−5101、MAX−5100,MAX−3510、UX−4101」等が挙げられる。
また本発明の重合性組成物には、樹脂を使用することができる。ここで樹脂とは、分子中にラジカル重合可能な骨格を有しない樹脂を意味する。また、これらは、いずれも常温、常圧で液体ないし固体の化学形態を持つものである。
分子中にラジカル重合可能な骨格を有しない樹脂としては、例えば、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリエポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース誘導体(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、ニトロセルロース)、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、ポリアマイド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ブタジエンーアクリルニトリル共重合体のような合成ゴム等が挙げられる。これらの樹脂は、その中の1種または2種以上を用いることができる。
さらに本発明の重合性組成物は、いわゆるアルカリ現像型のフォトレジスト材料として画像形成用に用いる等の目的のために、下記に示すカルボキシル基含有樹脂を添加して用いても良い。カルボキシル基含有樹脂はアルカリ水溶液に対する溶解性を有するため、本発明の重合性組成物を用いて作成した膜を部分的に硬化すれば、アルカリ水溶液に対する溶解度の違いから、いわゆるネガ型レジストのパターンを形成することが可能である。ここでカルボキシル基含有樹脂とは、(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸との共重合体、(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸とこれらと共重合し得るビニルモノマーとの共重合体が挙げられる。これらの共重合体は単独であるいは2種以上混合しても差し支えない。
ここで、アクリル酸エステルとしては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアクリル酸の炭素数1〜18のアルキルエステル類、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート等の水酸基含有アクリル酸エステル類、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート等の窒素含有アクリル酸エステル類、グリシジルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、モルホリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、シクロへキシルアクリレート等のその他アクリル酸エステル類を挙げることが出来るが、これらに限定されるものではない。
メタアクリル酸エステルとしては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等のメタアクリル酸の炭素数1〜18のアルキルエステル類、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート等の水酸基含有メタアクリル酸エステル類、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート等の窒素含有メタアクリル酸エステル類、グリシジルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、モルホリルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、シクロへキシルメタクリレート等のその他メタアクリル酸エステル類を挙げることが出来るが、これらに限定されるものではない。
(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸とこれらと共重合し得るビニルモノマーとしては、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、グリシジルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート、テトラヒドリフルフリルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、アクリルアミド、スチレン等が挙げられる。
また、本発明の重合組成物は、カチオン重合性化合物を添加し、カチオン重合開始剤の作用のもと、ラジカルとカチオンのハイブリッド重合させることも可能である。
ハイブリッド重合の方法は、ラジカルとカチオンを同時に重合しても、あるいは別々に重合させても構わない。
本発明におけるカチオン重合性化合物とは、活性エネルギー線照射または熱により発生する酸触媒の作用により、重合もしくは架橋反応によって高分子量物質に変換可能な化合物を意味し、以下に表す化合物またはそれらの混合物がこれに含まれる。
このようなカチオン重合性化合物の具体例としては、様々なアミノプラスト類またはフェノプラスト類、すなわち尿素−ホルムアルデヒド、メラミン−ホルムアルデヒド、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド、グリコールウリル−ホルムアルデヒド樹脂やそれらの単量体、もしくはオリゴマーがある。これらは、塗料用のベヒクル等の用途に多くのものが市販されている。例えば、アメリカンサイアナミッド社が製造するCymEl(登録商標)300、301、303、350、370、380、1116、1130、1123、1125、1170等、あるいは三和ケミカル社製ニカラック(登録商標)Mw30、Mw30M、Mw30HM、Mx45、Bx4000等のシリーズをその典型例としてあげることができる。これらは1種類でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、別のカチオン重合性化合物の具体例としては、ホルムアルデヒドプレカーサーとなり得るようなメチロール化またはアルコキシジメチル化されたフェノール誘導体がある。これらは単量体として用いても、レゾール樹脂、ベンジルエーテル樹脂のように樹脂化されたものを用いてもよい。
さらに、カチオン重合性化合物の別な系統として、シラノール基を有する化合物、例えば特開平2−154266号公報、特開平2−173647号公報に開示されている化合物を挙げることができる。
また、ポリエンとポリチオールの混合物、例えばポリエンとして、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、ジアリルマレエート、ジアリルカーボネート、トリアリルイソシアヌレート、ポリイソシアネートとアリルアルコールから製造されるウレタン系ポリエン(例えばヘキサメチレンジイソシアネートとアリルアルコールの重縮合反応によって得られるウレタン化合物など)などから選択される化合物と、例えばポリチオールとして、トリメチロールプロパントリチオールグリコレート、ペンタエリスリトール−テトラ−3−メルカプトプロピオネートなどから選択される化合物との混合物も、カチオン重合性化合物として例表することができる。
また、以下に表すアルコキシシラン類もカチオン重合性化合物として挙げることができる。具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等のテトラアルコキシシラン類や、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等のアルコキシシリル基を有する化合物、さらに詳しくは、東レ・ダウコーニング社製品カタログ、59頁もしくは、信越シリコーンシランカップリング剤製品カタログ(昭和62年9月発行)記載の「シランカップリング剤」、あるいは東レ・ダウコーニング社製品カタログ、61頁もしくは、東芝シリコーン社総合カタログ、27頁(1986年4月発行)記載の「シラン化合物」として業界で知られるアルコキシシリル基を有する化合物が、アルコキシシラン類としてあげることができる。
さらに、カチオン重合性化合物として、カチオン重合可能な化合物あるいはその混合物をあげることができる。ここでいうカチオン重合可能な化合物とは、例えば、エポキシ化合物、オキセタン化合物、スチレン類、ビニル化合物、ビニルエーテル類、スピロオルソエステル類、ビシクロオルソエステル類、スピロオルソカーボナート類、環状エーテル類、ラクトン類、オキサゾリン類、アジリジン類、シクロシロキサン類、ケタール類、環状酸無水物類、ラクタム類およびアリールジアルデヒド類、エピスルフィド基、エチレンイミン基、水酸基などがあげられる。また、これらの重合性基を測鎖に有するアクリル系、ウレタン系、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ポリエーテル系、天然ゴム、ブロック共重合体ゴム、シリコーン系に代表される、重合性あるいは架橋性ポリマーおよびオリゴマーもカチオン重合性化合物に含まれる。
まず、エポキシ化合物としては、従来、公知の芳香族エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物、脂肪族エポキシ化合物、更にはエポキシド単量体、エピサルファイト単量体類グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、異節環状型エポキシ樹脂、多官能性エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂などのアルコール型エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂などのハロゲン化エポキシ樹脂、ゴム変成エポキシ樹脂、ウレタン変成エポキシ樹脂、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、エポキシ基含有ポリエステル樹脂、エポキシ基含有ポリウレタン樹脂、エポキシ基含有アクリル樹脂等があげられる。芳香族エポキシ化合物の例としては、フェニルグリシジルエーテルなどの単官能エポキシ化合物や、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノールまたはそのアルキレンオキサイド付加体のポリグリシジルエーテルであって、例えばビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール化合物またはビスフェノール化合物のアルキレンオキサイド(例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるグリシジルエーテル類、ノボラック型エポキシ樹脂類(例えば、フェノール・ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール・ノボラック型エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂等)、トリスフェノールメタントリグリシジルエーテル等が挙げられる。エポキシ基を有する化合物としては、これらのエポキシ樹脂は常温で液体であっても良いし、固体であっても良い。また、エポキシ基含有オリゴマーも好適に用いることができ、例えば、ビスフェノールA型エポキシオリゴマー(例えば、油化シェルエポキシ社製、エピコート1001、1002等)を挙げることができる。さらに、上記エポキシ基含有モノマーやオリゴマーの付加重合体を用いてもよく、例えば、グリシジル化ポリエステル、グリシジル化ポリウレタン、グリシジル化アクリル等を挙げることができる。
なかでも、光カチオン重合性がより高く、少ない光量でもより効率的に光硬化が進行することから、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等が好適に用いられる。これらのエポキシ基を有する化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
脂環式エポキシ樹脂の具体例としては、例えば、1,2:8,9−ジエポキシリモネン、4−ビニルシクロヘキセンモノエポキサイド、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、メチル化ビニルシクロヘキセンジオキサイド、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、ノルボルネンモノエポキサイド、リモネンモノエポキサイド、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサノン−メタ−ジオキサン、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチレン)アジペート、ビス−(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、(2,3−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、ジシクロペンタジエンジオキサイド、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、2,2−ビス[4−(2,3−エポキシプロポキシ)シクロヘキシル]ヘキサフルオロプロパン、BHPE−3150(ダイセル化学工業(株)製、脂環式エポキシ樹脂(軟化点71℃)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
脂肪族エポキシ樹脂の具体例としては、例えば1,4−ブタンジオールジクリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールモノグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールモノグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグルコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグルコールモノグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、グルセロールトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンモノグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリセロールトリグリシジルエーテル、ソルビトールテトラグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
オキセタン化合物の具体例としては、例えば、フェノキシメチルオキセタン、3,3−ビス(メトキシメチル)オキセタン、3,3−ビス(フェノキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−{[3−(トリエトキシシリル)プロポキシ]メチル}オキセタン、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、オキセタニルシルセスキオキサン、フェノールノボラックオキセタン、1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
スチレン類としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロメチルスチレン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ビニル化合物としては、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ビニルエーテル類としては、例えばn−(またはiso−、t−)ブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、1,4ブタンジオールジビニルエーテル、エチレングリゴールジビニルエーテル、エチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールモノビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビニルグリコール、ネオペンチルグリコールモノビニルグリコール、グリセロールジビニルエーテル、グリセロールトリビニルエーテル、トリメチロールプロパンモノビニルエーテル、トリメチロールプロパンジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジグリセロールトリビニルエーテル、ソルビトールテトラビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル2,2−ビス(4−シクロヘキサノール)プロパンジビニルエーテル、2,2−ビス(4−シクロヘキサノール)トリフルオロプロパンジビニルエーテルなどのアルキルビニルエーテル類、アリルビニルエーテルなどのアルケニルビニルエーテル類、エチニルビニルエーテル、1−メチル−2−プロペニルビニルエーテルなどのアルキニルビニルエーテル類、4−ビニルエーテルスチレン、ハイドロキノンジビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、p−メトキシフェニルビニルエーテル、ビスフェノールAジビニルエーテル、テトラブロモビスフェノールAジビニルエーテル、ビスフェノールFジビニルエーテル、フェノキシエチレンビニルエーテル、p−ブロモフェノキシエチレンビニルエーテルなどのアリールビニルエーテル類、1,4−ベンゼンジメタノールジビニルエーテル、N−m−クロロフェニルジエタノールアミンジビニルエーテル、m−フェニレンビス(エチレングリコール)ジビニルエーテル等のアラルキルジビニルエ一テル類、ウレタンポリビニルエーテル(例えば、ALLIED−SIGNAL社製、VECtomEr2010)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
スピロオルソエステル類としては、1,4,6−トリオキサスピロ[4.4]ノナン、2−メチル−1,4,6−トリオキサスピロ[4.4]ノナン、1,4,6−トリオキサスピロ[4.5]デカンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ビシクロオルソエステル類としては、1−フェニル−4−エチル−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン、1−エチル−4−ヒドロキシメチル−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
スピロオルソカーボナート類としては、1,5,7,11−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ジベンジル−1,5,7,11−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン等のような環状エ一テル類等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
環状エーテル類としては、オキセタン、フェニルオキセタンなどのオキセタン類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどのテトラヒドロフラン類、テトラヒドロピラン、3−プロピルテトラヒドロピランなどのテトラヒドロピラン類およびトリメチレンオキサイド、s−トリオキサンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ラクトン類としては、β−プロピオラクトン、γ−ブチルラクトン、δ−カプロラクトン、δ−バレロラクトンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
オキサゾリン類としては、オキサゾリン、2−フェニルオキサゾリン、2−デシルオキサゾリン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
アジリジン類としては、アジリジン、N−エチルアジリジンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
シクロシロキサン類としては、ヘキサメチルトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、トリフェニルトリメチルシクロトリシロキサンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ケタール類としては、1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン、2−フェニル−1,3−ジオキサン、2,2−ジオクチル−1,3−ジオキソラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
環状酸無水物類としては、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水コハク酸などが、ラクタム類としてはβ−プロピオラクタム、γ−ブチロラクタム、δ−カプロラクタムなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
アリールジアルデヒド類としては1,2−ベンゼンジカルボキシアルデヒド、1,2−ナフタレンジアルデヒド等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記カチオン重合性化合物は、単独で用いられてもよく、2種以上併用されてもよい。上記カチオン重合性化合物としては、エポキシ化合物、オキセタン化合物、ビニルエーテル類が好ましい。特に好ましくは、エポキシ化合物、オキセタン化合物である。エポキシ化合物、オキセタン化合物の重合は比較的反応性が高く、かつ硬化時間が短いため、硬化工程の短縮を図ることができる。
また、カチオン重合性化合物は、重合性化合物(C)に対して、任意の量で併用することが可能であるが、好ましくは重合性化合物(C)100重量部に対して、0.1〜100重量部が好ましく、より好ましくは1〜50重量部である。
カチオン重合性化合物が使用される場合、硬化するために必要な酸触媒を与えるためのカチオン重合開始剤が必要である。カチオン重合開始剤としては、光カチオン重合開始剤と熱カチオン重合開始剤が挙げられる。
活性エネルギー線照射により酸を発生させる光カチオン重合開始剤としては、ジアゾニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩等があげられ、具体的には、ベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロボレート等のジアゾニウム塩、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロボレート、4,4′−ビス[ビス(2−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホニオ]フェニルスルフィドビスヘキサフルオロホスフェート、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート等のスルホニウム塩、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート等のヨードニウム塩等があげられる。中でも、ヨードニウム塩が好ましく用いられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
さらに上述のカチオン重合開始剤としては、より具体的には、アリールジアゾニウム塩(例えば、P−33(旭電化工業社製))、アリールヨードニウム塩(例えば、FC−509(3M社製))、アリールスルホニウム塩(サイラキュアUVI−6974、UVI−6970、UVI−6990、UVI−6950(ユニオン・カーバイド社製)、SP−150、SP−170(旭電化工業社製))、アレン−イオン錯体(例えば、CG−24−61(チバガイギー社製))等が挙げられる。
上述のカチオン重合開始剤の含有量は、カチオン重合性化合物100重量部に対して、好ましくは0.1〜10重量部、特に好ましくは1〜5重量部である。
熱により酸を発生させる熱カチオン重合開始剤として、具体的には、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセナート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスファート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウム テトラフルオロボラート、トリ−p−トリルスルホニウムヘキサフルオロホスファート、トリ−p−トリルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、ジフェニル−4−メチルフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、ジフェニル−2,4,6−トリメチルフェニルスルホニウム−p−トルエンスルホナート、ジフェニル−p−フェニルチオフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスファートなどが挙げられる。
さらに上記の熱カチオン重合開始剤の具体的な製品名としては、例えば、ジアゾニウム塩タイプ:AMERICUREシリーズ(アメリカン・キャン社製)、ULTRASETシリーズ(アデカ社製)、WPAGシリーズ(和光純薬社製)
ヨードニウム塩タイプ:UVEシリーズ(ゼネラル・エレクトリック社製)、FCシリーズ(3M社製)、UV9310C(GE東芝シリコーン社製)、WPIシリーズ(和光純薬社製)
スルホニウム塩タイプ:CYRACUREシリーズ(ユニオンカーバイド社製)、UVIシリーズ(ゼネラル・エレクトリック社製)、FCシリーズ(3M社製)、CDシリーズ(サートマー社製)、オプトマーSPシリーズ、オプトマーCPシリーズ(アデカ社製)、サンエイドSIシリーズ(三新化学工業社製)、CIシリーズ(日本曹達社製)、WPAGシリーズ(和光純薬社製)、CPIシリーズ(サンアプロ社製)
などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
熱カチオン重合開始剤の含有量は、カチオン重合性化合物100重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部、特に好ましくは1〜5重量部である。0.1部未満であると硬化が不十分であり、20部より多い場合、熱カチオン重合開始剤由来の着色や他の諸物性の低下を招く。
本発明の重合性組成物は、成膜性を高めるため有機高分子重合体樹脂等のバインダーと混合し、ガラス板やアルミニウム板、その他の金属板、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレン等の樹脂フィルムに塗布して使用することが可能である。
さらに本発明の重合性組成物と混合して使用可能なバインダーとしては、ポリアクリレート類、ポリ−α−アルキルアクリレート類、ポリアミド類、ポリビニルアセタール類、ポリホルムアルデヒド類、ポリウレタン類、ポリカーボネート類、ポリスチレン類、ポリビニルエステル類等の重合体、共重合体樹脂が挙げられ、さらに具体的には、ポリメタクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセテート、ノボラック樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂その他、赤松清監修、「新・感光性樹脂の実際技術」、(シーエムシー、1987年)や「10188の化学商品」、657〜767頁(化学工業日報社、1988年)記載の業界公知の有機高分子重合体が挙げられる。
本発明の重合性組成物は、粘度調整をはじめとする塗工適正の向上等を目的として、必要に応じて溶媒を添加して使用することも可能である。本発明の重合性組成物に添加して使用することのできる溶媒は特に限定されず、本発明の重合性組成物と均一に混合することのできる溶媒であればいかなるものも使用可能である。例えば、アルコール系、ケトン系、エステル系、芳香族系、炭化水素系、ハロゲン化炭化水素系などの公知の溶媒等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、本発明の重合性組成物は保存時の重合反応を防止する目的で重合防止剤を添加することが可能である。
本発明の重合性組成物に添加可能な重合防止剤の具体例としては、p−メトキシフェノール、ハイドロキノン、アルキル置換ハイドロキノン、カテコール、tert−ブチルカテコール、フェノチアジン等を挙げることができ、これらの重合防止剤は、本発明の反応性モノマー(A)と重合性化合物(C)の合計100重量部に対して0.001から5重量部の範囲で添加されるのが好ましい。
また、本発明の重合性組成物はさらに重合反応を促進する目的で、アミンやチオール、ジスルフィドなどに代表される重合促進剤や連鎖移動触媒を添加することが可能である。
本発明の重合性組成物に添加可能な重合促進剤や連鎖移動触媒の具体例としては、例えば、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノアセトフェノン、N−フェニルグリシン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、オクチルジメチルアミン、トリエタノールアミン、シクロへキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ベンジルジメチルアミン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ピリジン、フェニルジエタノールアミン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジヒドロキシエチルアニリン、アニリンアクリル酸 2−(ジメチルアミノ)エチル等のアミン類、USP第4414312号明細書や特開昭64−13144号公報記載のチオール類、特開平2−291561号公報記載のジスルフィド類、USP第3558322号明細書や特開昭64−17048号公報記載のチオン類、特開平2−291560号公報記載のO−アシルチオヒドロキサメートやN−アルコキシピリジンチオン類が挙げられる。
本発明の重合性組成物には、基材への濡れ性を向上させる目的で、表面調整剤を加えることができる。表面調整剤の具体例としては、ビックケミー社製「BYK−300、302、306、307、310、315、320、322、323、325、330、331、333、337、340、344、370、375、377、350、352、354、355、356、358N、361N、357、390、392、UV3500、UV3510、UV3570」テゴケミー社製「TEgorAD−2100,2200、2250、2500、2700」等が挙げられる。これら表面調整剤は、一種または必要に応じて二種以上用いてもよい。
本発明における併用してもよい表面調整剤は、重合性組成物中に0〜5.0重量%の範囲で用いられる。
本発明の重合性組成物はさらに目的に応じて、染料、有機および無機顔料、金属(ナノ)微粒子、顔料分散剤、ホスフィン、ホスホネート、ホスファイト等の酸素除去剤や還元剤、カブリ防止剤、退色防止剤、ハレーション防止剤、蛍光増白剤、界面活性剤、着色剤、増量剤、可塑剤、難燃剤、酸化防止剤、色素前駆体、紫外線吸収剤、発砲剤、防カビ剤、帯電防止剤、磁性体、樹脂型分散剤等の分散剤シランカップリング剤や4級アンモニウムクロライド等の貯蔵安定剤、可塑剤、表面張力調整剤、スリッピング剤、アンチブロッキング剤、光安定化剤、レベリング剤、消泡剤、赤外吸収剤、界面活性剤、チキソトロピー剤、抗菌剤、シリカ等の微粒子やその他種々の特性を付与する添加剤、希釈溶剤等と混合して使用しても良い。
本発明の重合性組成物は重合反応に際して、熱または紫外線や可視光線、近赤外線等、電子線等によるエネルギーの付与により重合反応し、目的とする重合物を得ることが可能であるが、エネルギーの付与の光源として、250nmから450nmの波長領域に発光の主波長を有する光源が好ましい。250nmから450nmの波長領域に発光の主波長を有する光源の例としては、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、水銀キセノンランプ、メタルハライドランプ、ハイパワーメタルハライドランプ、キセノンランプ、パルス発光キセノンランプ、重水素ランプ、蛍光灯、ND−YAG3倍波レーザー、HE−CDレーザー、窒素レーザー、XE−Clエキシマレーザー、XE−Fエキシマレーザー、半導体励起固体レーザー、365nm、375nm、385nmに発行波長を有するLEDランプ光源などの各種光源が挙げられる。なお本明細書でいう、紫外線や可視光、近赤外線等の定義は久保亮五ら編「岩波理化学辞典第4版」(1987年、岩波)によった。
故に、バインダーその他とともに基板上に塗布して各種インキ、インクジェットインキ、オーバーコートニス、各種刷版材料、フォトレジスト、電子写真、ダイレクト刷版材料、光ファイバー、ホログラム材料等の感光材料やマイクロカプセル等の各種記録媒体、さらには接着剤、粘着剤、粘接着剤、剥離コート剤、封止剤および各種塗料に応用することが可能である。
本発明の重合性組成物を塗布する部材は、ガラス、プラスチック、金属および紙からなる群から適宜選択することができる。さらに、複数の部材から構成される複合部材も選択することができる。これらの部材は、板、フィルム、紙のように平坦な形状のものでもよいし、立体的な形状のものでもよい。プラスチック製のフィルムとしては、透明であるものが好ましい。
プラスチックの素材としては、たとえば、ポリエステル系ポリマー、セルロース系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマー、ポリアクリル系ポリマー等の透明ポリマーが挙げられる。
ポリエステル系ポリマーとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等が挙げられる。セルロース系ポリマーとしては、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース(TAC)等が挙げられる。ポリアクリル系ポリマーとしては、ポリメチルメタクリレート等が挙げられる。
プラスチックの素材として、ポリスチレン系ポリマー、ポリオレフィン系ポリマー、ポリ塩化ビニル系ポリマー、およびポリアミド系ポリマー等の透明ポリマーも挙げられる。
ポリスチレン系ポリマーとしては、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体等が挙げられる。ポリオレフィン系ポリマーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ないしノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体等が挙げられる。ポリアミド系ポリマーとしては、ナイロンや芳香族ポリアミド等が挙げられる。
さらに、ポリイミド系ポリマー、ポリスルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニルスルフィド系ポリマー、ポリビニルアルコール系ポリマー、ポリ塩化ビニリデン系ポリマー、ポリビニルブチラール系ポリマー、ポリアリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、およびポリエポキシ系ポリマー、ならびに前記ポリマーのブレンド物等の透明ポリマー等も挙げられる。特に複屈折率の少ないものが好適に用いられる。
以下、実施例にて本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例のみに、なんら限定されるものではない。尚、以下の実施例における表中の配合量の数字は重量部を表す。
実施例に先立ち、用いた化合物群を示す。
硬化性試験に用いる、ラジカル重合開始剤(C)および増感剤(D)について、表1および表2に示す。
Figure 2016030764
Figure 2016030764
実施例に用いた、重合性化合物(B)について、表3に示す。
Figure 2016030764
比較例に用いた、公知の2官能モノマーについて表4に示す。
Figure 2016030764
次に、本発明の反応性モノマー(A)について合成例を示す。
<実施例1>
反応性モノマー(1)の合成
フラスコに、酒石酸300g(2mol)、ヒドロキシエチルアクリレート696g(6mol)、p−トルエンスルホン酸17.2g(0.1mol)、4−メチルフェノール1.7g(0.01mol)、トルエン1000gを入れ、上部にディーンスターク管をつけ、乾燥空気を吹き込みながら、還流撹拌(110℃)を4時間実施することにより、ディーンスターク管にほぼ理論量の水が確認された。反応液を室温まで冷却した後、イオン交換水2000gを加え撹拌した後、分液ロートを用いて分層を実施した。有機層を、飽和重層水2000g、イオン交換水2000gで洗った後、硫酸ナトリウム200gで乾燥した。濾過後、ろ液をからエバポレーターで溶媒を溜去することにより、反応性モノマー(1)498gを無色透明液体として得た(収率72%)。
<実施例12>
反応性モノマー(12)の合成
フラスコに、酒石酸300g(2mol)、炭酸カリウム690g(5mol)、DMF600gを入れ、30分撹拌した後、4−(アクリロリイルオキシメチル)ベンジルブロミド1122g(4.4mol)を加え、60℃で5時間撹拌をする。反応液を室温まで冷却した後、イオン交換水1200gを加え撹拌した後、ジエチルエーテル500gで抽出した(分液ロート)。有機層をさらにイオン交換水600gで2回洗浄を実施した後、硫酸ナトリウム250gで乾燥した。濾過後、ろ液からエバポレーターにより溶媒溜去することにより、反応性モノマー(12)678gを薄黄色透明液体として得た(収率68%)。
<実施例23>
フラスコに、酒石酸300g(2mol)、炭酸カリウム304g(2.1mol)、DMF600gを入れ、30分撹拌した後、7−ブロモペンチルアクリレート523g(2.1mol)を加え、60℃で4時間撹拌をする。反応液を室温まで冷却した後、イオン交換水1200gを加え撹拌した後、ジエチルエーテル500gで抽出した(分液ロート)。有機層をイオン交換水600gで2回洗浄を実施した後、10%水酸化ナトリウム水溶液600gを加え、中間体であるカルボン酸を水層へ抽出した。水層をジエチルエーテル300gで2回洗浄した後、水層をビーカーにいれ、10%塩酸水をゆっくり滴下した。PHが1〜2程度になった時、析出が確認されたため、固体をろ過し、さらに固体をイオン交換水500gでふりかけ洗浄した後、真空乾燥機で乾燥を実施することにより、以下に示す中間体464gを透明固体として得た。(収率73%)。
Figure 2016030764
フラスコに、中間体318g(1mol)、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート218g(1.1mol)、ジメチルアミノピリジン6.1g(0.05mol)、トリエチルアミン132g(1.3mol)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩230g(1.2mol)、ジクロロメタン600gを入れ、室温下終夜撹拌を実施する。イオン交換水600gを加え撹拌し、分液ロートを用いて分層を実施した。有機層を、5%塩酸水600g、イオン交換水600gで洗った後、硫酸ナトリウム120gで乾燥した。濾過後、ろ液からエバポレーターで溶媒を溜去することにより、反応性モノマー(22)397gを無色透明液体として得た(収率82%)。
<実施例26>
フラスコに、リンゴ酸300g(2.2mol)、8−ヒドロキシオクチルメタアクリレート700g(4.9mol)、ジメチルアミノピリジン14g(0.1mol)、トリエチルアミン543g(5.3mol)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩987g(5.1mol)、ジクロロメタン800gを入れ、室温下終夜撹拌を実施する。イオン交換水800gを加え撹拌し、分液ロートを用いて分層を実施した。有機層を、5%塩酸水800g、イオン交換水800gで洗った後、硫酸ナトリウム200gで乾燥した。濾過後、ろ液をからエバポレーターで溶媒を溜去することにより、反応性モノマー(26)795gを得た(収率92%)。
<実施例2〜11、13〜22、24、25、27〜37>
表5に示す原料を用いて、上記の実施例1、12、23、または26の合成方法を応用することにより、反応性モノマー(2)〜(11)、(13)〜(22)、(24)、(25)、(27)〜(37)を得た。
あわせて、粘度を測定(東機産業社製TV−22)した結果も表5に示す。
Figure 2016030764
Figure 2016030764
Figure 2016030764
Figure 2016030764
合成した反応性モノマー(A)について、元素分析(C,H,N)を行った(パーキンエルマー社製2400・CHN)。その結果を表6として示す。
Figure 2016030764
<塗工試験>
実施例38〜74、比較例1〜9
反応性モノマー(A)100重量部に対して、ラジカル重合開始剤として化合物(C)−2を8量部加え60℃オーブンで溶解させることにより重合性組成物を得た。この重合性組成物を、バーコータ(♯3)を用いて、表面が研磨されたアルミ板に塗工した。室温下で30分静置した後、塗膜状態が維持しているかを確認した。塗工物をベルトコンベア式の紫外線照射装置(高圧水銀灯160W/Cm1灯)を用いて、コンベアスピード20m/分で紫外線照射を実施することにより、完全に硬化させた。膜厚を測定し、予定通りの膜厚になっているかを確認した。その結果を表7に示す。
<判定基準>
塗膜形成
○:均一な膜を維持
×:膜状態を維持できなかった。(凝集)
△:粘度が高く、50℃に加温して塗工した。(塗膜は維持)
膜厚測定
デジマイクロMH−15M(NIKON社製)を使用し、硬化膜の中心部から半径4cm円内の任意の7点を計測し、最小値と最大値を除いた5点の平均値を採用する。
目標膜厚7μに対して、以下の範囲で評価を規程する。
○:±1.5μm以内
△:±1.5〜2.5μm以内
×:±2.5μmより大きい
−:塗膜が形成できず測定不可
Figure 2016030764
表7の比較例1、5に示されるように、一部の市販2官能モノマー(A)は、塗工後に塗膜を維持できなかった。これは粘度が低すぎて、表面張力により凝集したためである。また、実施例3、6では粘度が高くて室温では塗工することができなかったため、加温しての塗工が必要であった。これらに対し、本発明の反応性モノマー(A)は塗膜形成を十分に実施することができた(実施例38〜74)。
比較例2、3、4、6、8、9に示される市販2官能モノマーは塗膜を形成することができたが、硬化後の膜厚を十分にコントロールすることができなかったが、本発明の反応性モノマーは十分にコントロールすることができた(実施例38〜74)。
これらの問題点は、樹脂、溶媒の添加、あるいは基材の表面処理などで解決されることが、当業者であれば実施可能であるが、それらを必要としない本発明の反応性モノマー(A)と比較して、ハンドリング性は非常に悪いと判断される。
さらに、比較例7の市販2官能モノマーは、本条件では良好であったが、本試験では膜厚測定のため、非常に十分な露光をすることにより完全硬化を実施している。後述の硬化性試験から明らかのように、比較モノマーの硬化性は本発明の反応性モノマー(A)よりも硬化性は明らかに劣るため、モノマーとしての総合的な観点からは、本発明の反応性モノマーに優位性があると考えられる。
<硬化性試験1>
実施例75〜222、比較例10〜45、参考例1〜4
反応性モノマー(A)100重量部、ラジカル重合開始剤(C)5量部、樹脂としてポリメチルメタクリレート50重量部と、溶剤としてシクロヘキサノン325重量部配合して、重合性組成物を得た。この重合性組成物を、バーコータ(♯3)を用いてコロナ処理により濡れ性を向上されたペットフィルム上(10cm×10cm)に塗工した後、オーブン中40℃で10分間乾燥した。塗工物をベルトコンベア式の紫外線照射装置(高圧水銀灯160W/Cm1灯)を用いて、コンベアスピード40m/分で紫外線照射を実施した。1回照射する毎に硬化物の表面を綿布で擦って、皮膜に傷がつくかどうか確認を実施した。
合計3回照射を実施後、硬化性が良好なものについて、鉛筆硬度試験(JIS規格に基づく)、およびカール性について評価を実施した。
上記の結果を表8に示す。
<判定基準>
硬化性試験
○:傷無し(硬化)
△:わずかにかすり傷がつく
×:大きく傷がつく
鉛筆硬度試験(膜の強度確認)
JIS規格(K5600-5-4)に基づき試験実施(硬度範囲:6B〜HB〜6H)
カール性試験(硬化収縮確認)
硬化物を平らな台に置き、フィルムの反りを確認した
○:まったく反りがない
△:わずかに反りがある
×:反りが大きくフィルムが巻いている
Figure 2016030764
Figure 2016030764
Figure 2016030764
Figure 2016030764
表8に示すように、本発明の反応性モノマー(A)は、種々の市販開始剤との組み合わせにおいて良好に機能し、より少ない光量で十分に硬化することが可能であり(実施例75〜222)、公知の2官能モノマーを用いた場合(比較例10〜45)よりも明らかに硬化性に優れることが明らかとなった。
さらに、R4がヒドロキシ基、Aがアルキレンで選択される場合に、さらに硬化性が高い結果となった(実施例75〜110)。
また、硬化膜の強度を示す鉛筆硬度試験の結果から明らかのように、本発明の反応性モノマー(A)を用いることで(実施例75〜222)、公知の2官能モノマーよりも(比較例10〜45)、強度の高い硬化膜を得ることができた。
また、カール性試験の結果より、本発明の反応性モノマー(A)は、公知の2官能モノマーと同様に、硬化収縮のない硬化膜を得ることが可能であった。
参考例1〜4に示されるように、多官能モノマーを用いた場合、高い強度を持つ硬化膜が得られるが、反面硬化収縮が大きく、カールしてしまった。しかしながら本発明の反応性モノマーを用いることにより、多官能モノマーに匹敵する高い強度を持ちながら、硬化収縮が非常に少なく、カールがなかった。この特性は当業者であれば非常に訴求性の高いものである。
さらに、本結果と使用したモノマーの構造を照らし合わせた場合、比較モノマー(1)、(2)、(7)、(8)との構造比較により、アルキレン鎖やPEG鎖、EO鎖があるだけでは十分に機能がでないことがわかった。また、比較モノマー(3)、(9)との構造比較により、中心部位にヒドロキシ基がない場合や、ヒドロキシ基が入っているだけでは十分に機能がでないことがわかった。また比較モノマー(4)(6)のように、膜強度が比較的高くすることが可能なシクロ環やビスフェノール骨格よりも、本発明の中心構造が優れていることが明らかとなった。すなわち、詳しい理由は定かではないが、本発明の反応性モノマー(A)が有する特異的な中心構造が、上記のモノマーとしての良好な特性を引き出したものと考えらえる。
<硬化性試験2>
実施例223〜342
反応性モノマー(A)100重量部、ラジカル重合開始剤(C)4量部、増感剤(D)2重量部、樹脂としてポリメチルメタクリレート50重量部と、溶剤としてシクロヘキサノン325重量部配合して、重合性組成物を得た。この重合性組成物を、バーコータ(♯3)を用いてコロナ処理により濡れ性を向上されたペットフィルム上(10cm×10cm)に塗工した後、オーブン中40℃で10分間乾燥した。塗工物をベルトコンベア式の紫外線照射装置(高圧水銀灯160W/Cm1灯)を用いて、コンベアスピード30m/分で紫外線照射を実施した後、硬化物の表面を綿布で擦って、皮膜に傷がつくかどうか確認を実施した結果を表9に示す。
<判定基準>
硬化性試験
○:傷無し(硬化)
△:わずかにかすり傷がつく
×:大きく傷がつく
Figure 2016030764
Figure 2016030764
硬化性試験1の結果(実施例75〜222)より本発明の反応性モノマー(A)は、増感剤を用いなくとも十分に高感度(高硬化性)であるが、より露光量を少なく硬化性が落ちてしまうような条件下(実施例227、232、237、242,247、252、257、262、267、272、277、282、287、292、297、302,307、312、317、322、327、332、337、342)においても、種々の増感剤を併用することにより、硬化性が向上することができた。(実施例223〜226、228〜231、233〜236、238〜241、243〜246、248〜251、253〜256、258〜261、263〜266、268〜271、273〜276、278〜281、283〜286、288〜291、293〜296、298〜301、303〜306、308〜311、313〜316、318〜321、323〜326、328〜331、333〜336、338〜341)。
すなわち、本発明の反応性モノマー(A)は増感剤を併用することにより、さらに高感度化が可能である。
<硬化性試験3>
実施例343〜378、比較例46〜49、51〜54、56〜59、61〜64、
66〜69、71〜74
表10に示す重合性化合物(B)70重量部、反応性モノマー(A)30重量部、ラジカル重合開始剤(C)5量部、樹脂としてポリメチルメタクリレート50重量部と、溶剤としてシクロヘキサノン325重量部配合して、重合性組成物を得た。この重合性組成物を、バーコータ(♯3)を用いてコロナ処理により濡れ性を向上されたペットフィルム上(10cm×10cm)に塗工した後、オーブン中40℃で10分間乾燥した。塗工物をベルトコンベア式の紫外線照射装置(高圧水銀灯160W/Cm1灯)を用いて、コンベアスピード40m/分で紫外線照射を実施した。1回照射する毎に硬化物の表面を綿布で擦って、皮膜に傷がつかなくなるまでの回数を計測した。
硬化が完了したものについて、鉛筆硬度試験(JIS規格に基づく)、およびカール性について評価を実施した。
比較例50、55、60、65、70、75
表10に示す重合性化合物(B)100重量部、ラジカル重合開始剤(C)5量部、樹脂としてポリメチルメタクリレート50重量部と、溶剤としてシクロヘキサノン325重量部配合して、重合性組成物を得た以外は、上記と同様にして試験を実施した。
結果を表10に示す。
<判定基準>
膜厚測定
デジマイクロMH−15M(NIKON社製)を使用し、硬化膜の中心部から半径4cm円内の任意の7点を計測し、最小値と最大値を除いた5点の平均値を採用する。
目標膜厚7μに対して、以下の範囲で膜厚コントロール評価判定を規程する。
○:±1.5μm以内
△:±1.5〜2.5μm以内
×:±2.5μmより大きい
−:塗膜が形成できず測定不可
鉛筆硬度試験(膜の強度確認)
JIS規格(K5600-5-4)に基づき試験実施(硬度範囲:6B〜HB〜6H)
カール性試験(硬化収縮確認)
硬化物を平らな台に置き、フィルムの反りを確認した
○:まったく反りがない
△:わずかに反りがある
×:反りが大きくフィルムが巻いている
Figure 2016030764
表10に示されるように、市販の販の1〜2官能の重合性化合物(B)単独で使用した場合(比較例50、55)に対して、本発明の反応性モノマー(A)を併用することにより、硬化性、硬化膜強度が著しく向上した。(実施例343〜354)
一方、市販の2官能モノマー(比較モノマー46〜49、51〜54)を併用した場合、硬化性、硬化膜強度はほとんど向上しなかった。(比較例)
また、市販の販の3〜4官能の重合性化合物(B)単独で使用した場合(比較例60、65)に対して、本発明の反応性モノマー(A)を併用することにより、硬化性、硬化膜強度が向上し、さらにカール性が明らかに改善した。(実施例355〜366)
一方、市販の2官能モノマー(比較モノマー)を併用した場合、カール性が若干改善するものの、硬化性、硬化膜強度が悪化した。(比較例56〜59、61〜64)
また、市販の販の5〜5官能の重合性化合物(B)単独で使用した場合(比較例70、75)に対して、本発明の反応性モノマー(A)を併用することにより、硬化性、硬化膜強度がを維持したまま、カール性が著しく改善した。(実施例367〜378)
一方、市販の2官能モノマー(比較モノマー)を併用した場合、カール性が若干改善するものの、硬化性、硬化膜強度が明らかに悪化した。(比較例66〜69、71〜74)
さらに、一部の2官能モノマーでは膜厚が十分にコントロールできなかった。
よって、本発明の反応性モノマー(A)は、硬化性や膜強度、硬化収縮などの物性を気にすることなく、種々の重合性モノマーと自由に組み合わせて使用することが可能である。
以上示した通り、本発明の反応性モノマー(A)は、調整・塗工時のハンドリング性に優れ、さらに、高い硬化性と硬化膜強度を有していながら、硬化収縮が少ないという特徴を有しており非常に優れたモノマーであることが明らかとなった。さらに種々の重合開始剤、増感剤、重合性化合物と組み合わせによっても、優れた特性を発揮することが可能であり、幅広い用途に求められる様々な要求に応えうる基本モノマーとして使用できることが明らかとなった。
本発明の目的は、比較的低粘度でハンドリング性に優れ、なおかつ硬化収縮が少なく、非常に高い塗膜硬度を与えるための反応性モノマーを提供することである。さらに本発明の反応性モノマーは、反応に伴う硬化速度が速く、種々の開始剤、増感剤、重合性化合物と自由に組み合わせて使用することが可能であり、種々の用途において基本となりうる重合組成物を提供することが期待できる。
本発明により、高感度化や特性向上が期待できる用途の例としては、重合反応あるいは架橋反応を利用した成形樹脂、注型樹脂、光造形用樹脂、封止剤、歯科用重合レジン、印刷インキ、印刷ニス、塗料、印刷版用感光性樹脂、印刷用カラープルーフ、カラーフィルター用レジスト、ブラックマトリクス用レジスト、液晶用フォトスペーサー、リアプロジェクション用スクリーン材料、光ファイバー、プラズマディスプレー用リブ材、ドライフィルムレジスト、プリント基板用レジスト、ソルダーレジスト、半導体用フォトレジスト、マイクロエレクトロニクス用レジスト、マイクロマシン用部品製造用レジスト、エッチング用レジスト、マイクロレンズアレー、絶縁材、ホログラム材料、光学スイッチ、導波路用材料、オーバーコート剤、粉末コーティング、接着剤、粘着剤、離型剤、光記録媒体、粘接着剤、剥離コート剤、マイクロカプセルを用いた画像記録材料のための組成物、各種デバイスなどが挙げられる。

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)で表される反応性モノマー(A)。
    一般式(1)
    Figure 2016030764



    (式中、R1〜R3、およびR5〜R7は、それぞれ独立に、水素原子、または、アルキル基を表す。R4は、水素原子、アルキル基、または、ヒドロキシ基を表す。Aは、2価の連結基を表す。)
  2. Aが、アルキレン基、アリーレン基、ベンジリデン基、二価の複素環基、−(CH2CH2O)n−CH2CH2−、−[CH(CH3)CH2O]n−CH(CH3)CH2−、−(C36O)n−C36−、−[(C=O)−C510O]n−(C=O)−C510−、−[(C=O)−C48O]n−(C=O)−C48−、または、−[(C=O)−C36O]n−(C=O)−C36−、(ここでnは1〜10の整数である)で表される2価の連結基である請求項1記載の反応性モノマー(A)。
  3. Aが、アルキレン基である請求項1または2記載の反応性モノマー(A)。
  4. 請求項1〜3いずれか記載の反応性モノマー(A)と、ラジカル重合開始剤(C)とを含んでなる重合組成物。
  5. さらに、増感剤(D)を含んでなる請求項4記載の重合組成物。
  6. さらに、反応性モノマー(A)以外の重合性化合物(B)を含んでなる請求項4または5記載の重合組成物。
  7. 請求項4〜6いずれか記載の重合組成物に、活性エネルギー線を照射することにより硬化させる硬化物の製造方法。
  8. 請求項7記載の製造方法で得られた硬化物。
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