JP2006273764A - 外用剤用組成物およびそれを含有する皮膚外用剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】皮膚の線維芽細胞においてコラーゲン合成促進効果を有するγ−オリザノールを加水分解物したトリテルペンアルコールを、皮膚外用剤に容易に添加するための外用剤用組成物、及び該トリテルペンアルコールを配合した経時的な結晶析出のない皮膚外用剤を提供。
【解決手段】次の(A)、(B)を必須成分として含有、さらに(C)及び/又は(D)を必須成分とする外用剤用組成物とすることで、該トリテルペンアルコールを容易に皮膚外用剤へ配合でき、該トリテルペンアルコールが経時的に析出することを防止し、安定な皮膚外用剤が得られる。
(A)γ―オリザノールを加水分解して得られるトリテルペンアルコール
(B)イオン性界面活性剤
(C)グリセリン脂肪酸エステル及び/又は重合度2以上のポリグリセリン脂肪酸エステル
(D)C8〜C22の直鎖又は分岐の(1つ以上の不飽和結合を含んでもよい)高級アルコール及び/又は脂肪酸
【選択図】「なし」

Description

本発明は、γ―オリザノールを加水分解して得られるトリテルペンアルコールを配合した外用剤用組成物およびそれを含有する皮膚外用剤に関する。難溶性のトリテルペンアルコールを皮膚外用剤に容易に配合させる技術を確立し、経時的な該トリテルペンアルコールの析出を防止できるようにしたものである。さらに本発明の外用剤用組成物は、O/Wエマルション用の乳化剤として安定性が向上した乳化機能も併せ持っている。
皮膚は、常に外界にさらされており、加齢とともにシワ、タルミ、くすみ、色素沈着などが生じる。なかでも、シワやタルミといった形態変化は、真皮マトリックスの90%以上を占めるコラーゲンによる影響が大きいと考えられている。真皮コラーゲンの量は、加齢と共に減少する。コラーゲンの減少で真皮構造の形成が不完全になるため、皮膚はもろくなる。また、光老化皮膚のコラーゲン量も、通常の皮膚に比べ、著しくコラーゲン量は減少しており、シワ、タルミの大きな形成要因として考えられている。皮膚の加齢による形態変化を予防する成分としてレチノ−ルやレチノイン酸誘導体が、コラーゲン合成を促進するシワ防止化粧品などの皮膚外用剤に用いられている。しかし、これらの成分は、皮膚刺激性が強く、更には、非常に不安定な物質であり、特殊な製剤化技術を必要とされる。(特許文献1、特許文献2参照)
他には、ビタミンC誘導体が、コラーゲン合成促進効果を持った成分として知られているが、経時的な着色や安定性の問題から、処方上の制約があり、使用者の希望を充分に満足させるものにはなり得なかった。
一方、γ−オリザノールを加水分解物して得られるトリテルペンアルコールは、皮膚の線維芽細胞においてコラーゲン合成促進効果を有することが知られている。該トリテルペンアルコールは、皮膚における線維芽細胞のコラーゲン量を増加させ、結果として、シワの改善効果を示し、抗老化用化粧品などの皮膚外用剤の有効成分として使用することができる。しかも、該トリテルペンアルコールには皮膚刺激性が無く、更には、化学的に安定な物質であるなどの抗老化用化粧品などの皮膚外用剤の有効成分として好ましい性能を持っている。これらの有用な効果は、該トリテルペンアルコール類に独特のものであり、該トリテルペンアルコールと類似の構造を持つステロール類、例えばブラシカステロール、カンペステロール、β―シトステロール、スチグマステロールなどには認められない。 同様に、ブラシカステロール、カンペステロール、β―シトステロール、スチグマステロールなどが主成分の植物ステロール類(フィトステロール類)にも認められない特性である。この発明については特願2004−077538号で出願している。
ただし、該トリテルペンアルコールは、一般に皮膚外用剤に使用される油などの油性原料や水およびエタノール、多価アルコールなどの水性原料に溶解し難い。そのため、該トリテルペンアルコールを皮膚外用剤に配合する際には、該トリテルペンアルコールを高温で油性原料に溶解し、乳化物の調製時に添加する方法が一般的に行なわれるが、乳化工程中の冷却時に結晶化したり、あるいは、保存時に経時的な結晶析出が生ずる問題は解決されていない。
特開平15−292420号公報 特開平15−081737号公報
本発明は、皮膚の線維芽細胞においてコラーゲン合成促進効果を有し、抗老化用化粧品などの皮膚外用剤の有効成分として有用な、γ−オリザノールを加水分解物して得られるトリテルペンアルコールを、皮膚外用剤に容易に添加するための外用剤用組成物、および該トリテルペンアルコールを配合した経時的な結晶析出のない皮膚外用剤を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、次の(A)、(B)を必須成分として含有し、さらに(C)及び/又は(D)を必須成分として含有する外用剤用組成物とすることで、該トリテルペンアルコールを容易に皮膚外用剤へ配合でき、該トリテルペンアルコールが経時的に析出することを防止し、安定な皮膚外用剤が得られることを見出し、本発明を完成した。
(A)γ―オリザノールを加水分解して得られるトリテルペンアルコール
(B)イオン性界面活性剤
(C)グリセリン脂肪酸エステル及び/又は重合度2以上のポリグリセリン脂肪酸エステル
(D)C8〜C22の直鎖又は分岐の(1つ以上の不飽和結合を含んでもよい)高級アルコール及び/又は脂肪酸
本発明においては、上記外用剤用組成物の調製の際に、他の皮膚外用剤配合成分を同時に添加して、皮膚外用剤を製造することも可能であり、また予め上記外用剤用組成物を調製しておき、その後、これを他の皮膚外用剤配合成分とともに処方に加えて皮膚外用剤を製造することもできる。
本外用剤用組成物は乳化作用を持つため、他の乳化剤を使用しなくてもO/W型乳化皮膚外用剤を調製することができる。本外用剤用組成物を用いると、油の極性や種類に左右されないO/Wエマルションを製造することができる。得られるエマルションは安定で皮膚外用剤として好ましい感触を持ち、該トリテルペンアルコールが経時的に析出しない。
本発明の外用剤用組成物および皮膚外用剤は、トリテルペンアルコールが経時的に結晶析出することを防止できるようにしたものである。
本発明に使用する(A)γ―オリザノールを加水分解して生成するトリテルペンアルコールは、シクロアルテノール、24−メチルシクロアルテノール、シクロアルタノール、カンペステロール、シクロブラノールなどのことであり、市販のγ−オリザノールをケン化分解し、エーテルなどで抽出するか、水で晶析させることで得られる。得られた該トリテルペンアルコール組成は、例えば、下記のガスクロマトグラフ分析を行うことで確認することができる。市販のγ−オリザノールを原料とした該トリテルペンアルコールの場合は、おおよそ、シクロアルテノール35%、24−メチルシクロアルテノール35%、シクロアルタノール5%、カンペステロール15%、その他(シトステロールおよびスチグマステロールなどのステロール類)10%を含む混合物となる。
(ガスクロマトグラフ分析条件)
カラム:J&W Scientific製 DB−17 15m×φ0.25mm 膜厚0.1μm
カラム温度:260℃
スプリット比:50:1
入り口温度:300℃
検出器:FID(300℃)
キャリヤーガス:ヘリウム(1.53mL/分)
本発明に使用する(B)イオン性界面活性剤は、
アニオン性界面活性剤:脂肪酸セッケン、α―アシルスルホン酸、アルキルスルホン酸、アルキルアリルスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、アルキル硫酸、POEアルキルエーテル硫酸、アルキルアミド硫酸、アシルグリセリル硫酸エステル、アルキルリン酸、POEアルキルリン酸、アルキルアミドリン酸、アルキロイルアルキルタウリン、N−アシルアミノ酸、POEアルキルエーテルカルボン酸、アルキルスルホコハク酸、アルキルスルホ酢酸、アシルイセチオン酸、アシル化加水分解コラーゲンペプチド、パーフルオロアルキルリン酸、サポニン、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸、及びまたはそれらのアリカリ金属、アルカリ土類金属、アルカノールアミン、アルキルアミン、アンモニウム塩等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤:塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セトステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベヘニン酸アミドプロピルジメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ラノリン誘導体第四級アンモニウム等が挙げられる。
また、脂肪酸アミドジアルキルアミン等の第3級アミン及びその塩も挙げられる。
両性界面活性剤:レシチン、リゾレシチン等のリン脂質、カルボキシベタイン型、アミドベタイン型、スルホベタイン型、ヒドロキシスルホベタイン型、アミドスルホベタイン型、ホスホベタイン型、アミノカルボン酸塩型、イミダゾリン誘導体型等が挙げられる。
これらの中で、アシルグリセリンの硫酸エステルおよびまたはその塩が、本発明の他の必須成分との相溶性に優れるので、特に好適である。
本発明に使用する(C)グリセリン脂肪酸エステルまたは重合度2以上のポリグリセリン脂肪酸エステルは、グリセリンモノラウレート、グリセリンモノステアレート、ジグリセリンモノステアレート、ジグリセリンモノオレート、テトラグリセリンモノステアレート、テトラグリセリンモノオレート、ヘキサグリセリンモノラウレート、ヘキサグリセリンジステアレート、ヘキサグリセリンジオレート、ヘキサグリセリントリステアレート、デカグリセリンモノラウレート、デカグリセリンモノステアレート、デカグリセリントリステアレート、デカグリセリントリオレート、デカグリセリンペンタオレート、デカグリセリンペンタステアレート、デカグリセリンペンタイソステアレート、デカグリセリンペンタ12−ヒドロキシステアレート等が挙げられる。これらのなかでHLBが8以下であるものが、該トリテルペンアルコールの結晶化防止の目的で、特に好適である。具体的にはグリセリンモノラウレート、グリセリンモノオレート、グリセリンモノステアレートジグリセリンモノステアレート、ジグリセリンモノオレート、テトラグリセリンモノステアレート、テトラグリセリンモノオレート、ヘキサグリセリンジステアレート、ヘキサグリセリンジオレート、ヘキサグリセリントリステアレート、デカグリセリントリステアレート、デカグリセリントリオレート、デカグリセリンペンタオレート、デカグリセリンペンタステアレート、デカグリセリンペンタイソステアレート、デカグリセリンペンタ12−ヒドロキシステアレート等が挙げられる。
本発明に使用する(D)C8〜C22の直鎖又は分岐の高級アルコールは、1つ以上の不飽和結合を含んでもよく、高級アルコールとしては、イソオクタノール、オクタノール、デカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、イソステアリルアルコール、コレステロール、植物ステロール等が挙げられる。これらは、1種あるいは2種以上を混合して使用できる。また、植物油脂や動物油脂を原料とした還元アルコールのように、初めから数種類の高級アルコールの混合物であっても良い。
本発明に使用する(D)C8〜C22の直鎖又は分岐の脂肪酸は、1つ以上の不飽和結合を含んでもよく、脂肪酸としては、オクタン酸、イソオクタン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ベヘン酸、リノール酸、リノレン酸等が挙げられる。これらは、1種あるいは2種以上を混合して使用できる。また、植物油脂や動物油脂を原料とした脂肪酸のように、初めから数種類の脂肪酸の混合物であっても良い。
本発明の外用剤用組成物は、(A)〜(D)の各成分を30〜80℃で融解させた状態で攪拌、混合し、均一な組成物としたのち、そのまま冷却・固化させることでワックス状の製品として得られる。混合装置は、一般に使用されるパドル式混合器あるいはホモミキサー等が好適である。また、製品はフレーク化することで取扱いが簡便となり、特に好ましい。
本発明外用剤用組成物中の(A)成分の配合量は特に限定されないが、好ましくは0.01〜60重量%、より好ましくは1〜60重量%、更に好ましくは10〜40重量%である。
本発明の外用剤用組成物は、(A)成分と(B)成分に、さらに(C)又は(D)成分を組み合わせて調製することができる。(B)成分と(C)又は(D)成分の配合重量比は、0.1/99.9〜50/50、好ましくは、(B)/(C)又は(D)=1/99〜50/50、より好ましくは、(B)/(C)または(D)=5/95〜40/60である。
本発明の外用剤用組成物は、(A)成分と(B)成分に、さらに(C)及び(D)成分を組み合わせて調製することができる。(B)成分と(C)及び(D)成分の配合重量比は、(B)/[(C)+(D)]=0.1/99.9〜50/50、好ましくは、1/99〜50/50、より好ましくは、5/95〜40/60である。また、(C)成分と(D)成分の併用する場合の混合重量比は、(C)/(D)=1/99〜99/1、好ましくは、10/90〜90/10、より好ましくは、30/70〜70/30である。
本発明の外用剤用組成物を乳化作用を利用して乳化剤としてO/Wエマルションを製造する場合、O/Wエマルション中に好ましくは0.01〜10重量%、より好ましくは1〜5重量%を使用する。これにより、他の乳化剤を使用しなくても安定なO/Wエマルション、すなわち皮膚外用剤を調製することができる。
本発明の外用剤用組成物を化粧品や軟膏等の皮膚外用剤に添加する場合は、本発明の外用剤用組成物の配合量は特に限定されず、皮膚外用剤として所望される該トリテルペンアルコールの量を考慮して適宣定めればよい。
本発明の外用剤用組成物を使用して化粧品や軟膏等の皮膚外用剤を製造する場合は、これら製剤に一般に使用される油性原料、高級アルコール、脂肪酸、界面活性剤、溶剤、多価アルコール・糖類、高分子、生理活性成分、酸化防止剤、香料、キレート剤、防腐剤、紫外線吸収剤、粉体、顔料、染料等を併用することができる。
本発明の皮膚外用剤としては、クリーム、乳液、美容液、パック、化粧水等の基礎化粧品、口紅、リップクリーム等の口唇化粧品、リキッドファンデーション等のメークアップ化粧品、医薬用軟膏等が挙げられる。
製造例1、トリテルペンアルコールの製造例
温度調節器、撹拌機およびコンデンサーを装備した10リッターステンレス製反応器に、γ―オリザノール(オリザ油化製)500g(0.83モル)、1−プロパノール5Kg、KOH250g(4.5モル)を仕込み、撹拌下、還流状態(95℃)で6時間反応させた。反応後、反応物を7.5Kgの氷水中に撹拌下添加し、目的のトリテルペンアルコール類を晶析させた。固形物をろ別し、さらに水250gで2回洗浄し、乾燥することで目的物を得た。収率は89.3%であった。得られた該トリテルペンアルコール類につき、次の条件でガスクロマトグラフ分析を行ない、組成を確認したところ、シクロアルテノール34.7%、24−メチルシクロアルテノール36.6%、シクロアルタノール4.7%、カンペステロール12.1%、その他(シトステロールおよびスチグマステロールなどのステロール類)11.9%、合計100%であった。
(ガスクロマトグラフ分析条件)
カラム:J&W Scientific製 DB−17 15m×φ0.25mm 膜厚0.1μm
カラム温度:260℃
スプリット比:50:1
入り口温度:300℃
検出器:FID(300℃)
キャリヤーガス:ヘリウム(1.53mL/分)
外用剤用組成物の調製と評価
(1)外用剤用組成物の調製
温度調節器、撹拌機および真空ポンプを装備した2リッターガラス製乳化器に、実施例1で得たトリテルペンアルコールおよび表1に示す各成分を、合計で1Kgになるように仕込んだ。系内を20〜30mmHgの減圧とし、温度80〜85℃で1時間撹拌・混合を行ない、均一なペーストとした。混合後、融解状態でステンレス製バットに流し込み、放冷により固化させることで本発明品1〜6および比較品1〜4の外用剤用組成物を得た。
(2)外用剤用組成物の水分散液の安定性評価
本発明品および比較品をそれぞれ10gを精製水200gに添加し、80℃で8000rpm×10分間ホモミキサー処理を行ない、水分散液を調製した。この分散液を45℃、5℃、−5〜45℃のサイクル恒温槽に3ヶ月間放置し、顕微鏡(オリンパス光学製BH−2)で該トリテルペンアルコールの析出状態を観察した。結果を表2に示す。
○:結晶析出は確認されなかった
×:結晶が確認された
(3)乳化性能の評価
本発明品および比較品のそれぞれ2gと油40gとを60℃に加温しながら溶解・混合しペーストとした。このペーストを、融解状態で80℃の水58gに添加し、ホモミキサー処理(80℃、7000rpm×15分)を行ない乳化しO/Wエマルションとした。得られたO/Wエマルションの乳化24時間後の状態と、−5〜45℃のサイクル恒温槽に3ヶ月間放置した状態を目視観察することで、乳化性能を評価した。油は、スクワラン、オリーブ油、ジメチルポリシロキサン(100センチストークス)をそれぞれ使用した。結果は表2に示した通りである。
○:均一なエマルション
△:クリーミング
×:油相と水相で分離
Figure 2006273764
Figure 2006273764
製造例1で得たトリテルペンアルコールを配合した外用剤用組成物(乳液)
1.製造例1で得たトリテルペンアルコール 0.5
2.ペンタステアリン酸デカグリセリル 1.5
3.ステアロイル乳酸ナトリウム 0.3
4.ステアリン酸ソルビタン 1.5
5.ベヘニルアルコール 3.0
6.スクワラン 10.0
7.オリ−ブ油 5.0
8.1,3―ブチレングリコール 5.0
9.キサンタンガム 0.3
10.防腐剤 適量
11.精製水 で 100.0 とする。
調製法 : 油相1〜5および水相6〜11はそれぞれ、攪拌しながら80℃に加温し、油相と水相を混ぜてホモミキサーにかける(80℃で5分)。こうして得られたO/Wエマルションを、攪拌しながら冷却し35℃で放置する。
安定性 : この乳液を45℃、5℃と−5℃〜50℃のサイクル恒温槽にて3ヶ月間保存して、顕微鏡にてトリテルペンアルコール類の析出状態を観察した。3ヶ月保存後においても、結晶の析出は見られなかった。
実施例2で得た本発明品4を配合した皮膚外用剤(乳液)
1.本発明品4 2.0
2.ステアリン酸モノグリセリル 1.5
3.ベヘニルアルコール 1.5
4.スクワラン 10.0
5.オリ−ブ油 5.0
6.1,3ブチレングリコール 5.0
7.キサンタンガム 0.3
8.防腐剤 適量
9.精製水 で 100.0 とする。
調製法 : 油相1〜5および水相6〜9はそれぞれ、攪拌しながら80℃に加温し、油相と水相を混ぜてホモミキサーにかける(80℃で5分)。こうして得られたO/Wエマルションを、攪拌しながら冷却し35℃で放置する。
安定性 : この乳液を45℃、5℃と−5℃〜50℃のサイクル恒温槽にて3ヶ月間保存して、顕微鏡にてトリテルペンアルコールの析出状態を観察した。3ヶ月保存後においても、結晶の析出は見られなかった。
実施例2で得た本発明品5を配合した皮膚外用剤(クリーム)
1.本発明品5 1.0
2.POE(20)セチルエ−テル 1.0
3.POE(20)硬化ヒマシ油 1.0
4.モノステアリン酸グリセリル 0.5
5.ベヘニルアルコール 1.5
6.スクワラン 7.0
7.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 8.0
8.1,3―ブチレングリコール 5.0
9.アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 0.3
10.防腐剤 適量
11.精製水 で 100.0 とする。
調製法 : 油相1〜7および水相8〜11はそれぞれ、攪拌しながら80℃に加温し、油相と水相を混ぜて乳化する。こうして得られたO/Wエマルション型の化粧品を、攪拌しながら冷却し35℃で放置する。
安定性 :このクリームを45℃、5℃と−5℃〜50℃のサイクル恒温槽にて3ヶ月間保存して、顕微鏡にてトリテルペンアルコールの析出状態を観察した。3ヶ月保存後においても、結晶の析出は見られなかった。
本発明においては、トリテルペンアルコール含有外用剤用組成物の調製の際に、他の皮膚外用剤配合成分を同時に添加して、皮膚外用剤を製造することも可能であり、また予め上記外用剤用組成物を調製しておき、その後、これを他の皮膚外用剤配合成分とともに処方に加えて皮膚外用剤を製造することもできる。
本外用剤用組成物は乳化作用を持つため、他の乳化剤を使用しなくてもO/W型乳化皮膚外用剤を調製することができる。本外用剤用組成物を用いると、油の極性や種類に左右されないO/Wエマルションを製造することができる。得られるエマルションは安定で皮膚外用剤として好ましい感触を持ち、該トリテルペンアルコールが経時的に析出しない。

Claims (5)

  1. 次の(A)、(B)を必須成分として含有し、さらに(C)及び/又は(D)を必須成分として含有することを特徴とする外用剤用組成物。
    (A)γ―オリザノールを加水分解して得られるトリテルペンアルコール
    (B)イオン性界面活性剤
    (C)グリセリン脂肪酸エステル及び/又は重合度2以上のポリグリセリン脂肪酸エステル
    (D)C8〜C22の直鎖又は分岐の高級アルコール及び/又はC8〜C22の直鎖又は分岐の脂肪酸
  2. (A)の含有量が、外用剤用組成物中に0.01〜60重量%である、請求項1に記載の外用剤用組成物。
  3. (B)のイオン性界面活性剤が、アシルグリセリンの硫酸エステルおよびまたはその塩であることを特徴とする、請求項1〜2のいずれかに記載の外用剤用組成物。
  4. (C)のグリセリン脂肪酸エステル及び/又は重合度2以上のポリグリセリン脂肪酸エステルが、HLB8以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の外用剤用組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の外用剤用組成物を含有する皮膚外用剤。
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