JP2006273513A - ハイブリッド型フォークリフト - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エンジン1を作動させると、エンジン動力がエンジン側動力分割機構2で負荷側動力分割機構3と発電機4とに分割され、さらに負荷側動力分割機構3で走行モータ5及び荷役モータ6に分割されて出力されて各負荷7及び8が駆動される。エンジン1を作動させると共に各モータ5及び6を作動させると、各負荷7及び8が対応するモータ5及び6とエンジン1との合算の動力により駆動される。エンジン1を停止すると共に各モータ5及び6を作動させると、各負荷7及び8が対応するモータ5及び6の動力のみにより駆動される。エンジン動力に余剰動力が発生すると、この余剰動力により発電機4、走行モータ5及び荷役モータ6が電力を発生してバッテリ7が充電される。
【選択図】図1
Description
例えば特許文献1には、単一のエンジンにより走行負荷と荷役負荷の双方を駆動するエンジン型フォークリフトが開示されている。走行兼荷役作業時には、荷役レバーの操作量に基づいてエンジンの運転を制御し、油圧式のクラッチ及びブレーキを有する変速機構により走行速度を制御している。
また、例えば特許文献3には、上述の特許文献2のような走行負荷用及び荷役負荷用の2つのモータに加えて、バッテリに充電を行うためのエンジンを搭載したハイブリッド型フォークリフトが開示されている。このハイブリッド型フォークリフトでは、エンジンにより発電機を駆動してバッテリを充電すると共にバッテリから各モータに電力を供給して作動させることにより走行負荷及び荷役負荷が駆動される。
この発明はこのような問題点を解消するためになされたもので、大動力の取り出しが可能でありながらエネルギー効率の優れたハイブリッド型フォークリフトを提供することを目的とする。
ここで、遊星歯車装置は、第2出力端を有するサンギヤと、それぞれサンギヤに噛合し且つ第1入力端を有するキャリアにより互いに連結された複数のプラネタリーギヤと、複数のプラネタリーギヤに噛合し且つ第1出力端を有するリングギヤとを有する装置を用い、第1入力端にエンジンを接続することができる。
ここで、遊星歯車装置は、複数の第3出力端のうちの1つの出力端を有するサンギヤと、それぞれサンギヤに噛合し且つ第2入力端を有するキャリアにより互いに連結された複数のプラネタリーギヤと、複数のプラネタリーギヤに噛合し且つ複数の第3出力端のうちの他の出力端を有するリングギヤとを有する装置を用い、第2入力端にエンジン側動力分割機構の第1出力端を接続することができる。
また、エンジン側動力分割機構の第2出力端に接続された発電機及び複数のモータを用いてエンジンを始動することもできる。
図1に、この発明の実施の形態に係るハイブリッド型フォークリフトの構成を示す。このフォークリフトでは、エンジン1にエンジン側動力分割機構2が接続されており、このエンジン側動力分割機構2に負荷側動力分割機構3と発電機4とがそれぞれ接続されている。また、負荷側動力分割機構3には、走行モータ5と荷役モータ6とがそれぞれ接続されており、走行モータ5には走行のための走行負荷7が、荷役モータ6にはフォークの昇降等の荷役作業を行うための荷役負荷8がそれぞれ接続されている。
なお、具体的には、走行負荷7として走行用の駆動輪が走行モータ5に接続されると共に、荷役負荷8として荷役作業用の油圧装置に作動油を供給する油圧ポンプが荷役モータ6に接続されている。
なお、変速機18は、図示しない機台の前進及び後進を切り替えるための前後進切替機構と減速機とを含むものである。
リングギヤ12の回転軸12aに出力されたエンジン1の動力は、負荷側動力分割機構3のキャリア17の回転軸17aに伝達されると共にそのキャリア17及び3つのプラネタリーギヤ15を介してサンギヤ14及びリングギヤ16に伝達されることにより、サンギヤ14の回転軸14aとリングギヤ16の回転軸16aとに分割されて出力される。
また、エンジン側動力分割機構2のサンギヤ10の回転軸10aに出力されたエンジン1の動力により発電機4が駆動され、この発電機4により発生された電力は発電機インバータ4Aを介してバッテリ9に蓄えられる。
また、エンジン1を停止させると共にバッテリ9からそれぞれ荷役インバータ6A及び走行インバータ5Aを介して荷役モータ6及び走行モータ5に電力を供給して作動させることにより、荷役負荷8及び走行負荷7を対応するモータ6及び5の動力のみにより駆動することもできる。
負荷側動力分割機構3のリングギヤ16の歯数に対するサンギヤ14の歯数の比率をρ1とすると、
(Ni−Nl)/(Nr−Ni)=ρ1
と表され、この式をNiについて解くと、
Ni=(Nl+ρ1・Nr)/(1+ρ1) ・・・(1)
となる。
上述の式(1)に基づいて、負荷側動力分割機構3のキャリア17に必要な回転数Ni、すなわち、エンジン側動力分割機構2のリングギヤ12に必要な回転数Niを求めることができる。
(Ni−Ne)/(Ne−Ng)=ρ2 ・・・(2)
と表される。
ここで、図6に、燃費が最小となるエンジン回転数とエンジントルクの関係を表す最小燃費曲線を示す。すなわち、この曲線はエンジン1を燃費が最小となる最適な動作状態で運転することができる運転条件を表している。
エンジン1をこの最小燃費曲線上の動作点、例えば回転数Ne及びトルクTeで運転すると、上述の式(2)から、
Ng=[(1+ρ2)Ne−Ni]/ρ2 ・・・(3)
となり、発電機4はこの回転数Ngで回転することとなる。
すなわち、
Td=Tmd+Ted ・・・(4)
Tl=Tml+Tel ・・・(5)
である。
このとき、Tmd+Tml<0であれば、走行モータ5及び荷役モータ6が発電手段として作動されてバッテリ9が充電される一方、Tmd+Tml≧0であれば、走行モータ5及び荷役モータ6は、エンジン1から走行負荷7の回転軸及び荷役負荷8の回転軸にそれぞれ分配されたトルクTed及びTelを補助するトルクTmd及びTmlを生じることとなる。
また、走行負荷7及び荷役負荷8をそれぞれエンジン1の動力により直接に駆動することができるため、大動力の取り出しが可能である。また、各モータ5及び6とエンジン1との合算の動力により対応する負荷7及び8を駆動することができるため、荷役作業及び走行の双方に対してさらに大きな動力を取り出すこともでき、エンジン1単体の出力を低減することもできる。したがって、従来の単一エンジンにより走行及び荷役の双方の負荷を駆動するエンジン型フォークリフトに対し、小型のエンジンを使用することができる。
また、エンジン1の出力を各負荷7及び8の駆動に必要な動力よりも大きくすることによりエンジン1の余剰動力を発生させ、この余剰動力により走行モータ5、荷役モータ6及び発電機4を用いて電力を発生してバッテリ9に蓄えることができると共に、この蓄えられた電力により各モータ5及び6を駆動することができる。また、バッテリ9に蓄えられた電力を2つのモータ5及び6で共用するため、走行モータ5、荷役モータ6及び発電機4の間で電力を補完することができる。したがって、エネルギー効率の優れたハイブリッド型フォークリフトが得られる。
また、荷役作業を行わないときはいつでも荷役負荷8である油圧ポンプを停止させることができるため、無駄な油圧損失の発生を未然に回避することができる。
また、負荷側動力分割機構3と走行負荷7との間に走行モータ5がその回転軸を介して接続されているので、走行減速時に走行モータ5で発電することにより走行エネルギーの回生を行うことができ、また、走行用のアクセルペダルを離すことで自動的に減速するアクセルオフブレーキや坂道停止も可能となる。
また、バッテリ9に十分な電力が蓄えられており、エンジン1の動力を必要としない状態では、エンジン1を停止すると共にバッテリ9から各モータ5及び6に電力を供給して作動させ、これにより各モータ5及び6で対応する負荷7及び8を駆動することができる。このように、エンジン1を停止させた状態でモータ3及び4のみにより走行及び荷役作業を行うEVモードが可能となるため、排ガスの発生を防止することが可能となり、したがって特に屋内等において有効に用いることができる。
Ng=−Ni/ρ2
とマイナスの値になり(発電機4が逆回転し)、エンジン側動力分割機構2におけるリングギヤ12の回転数Niとエンジン回転数Neと発電機4の回転数Ngとのバランスが保たれる。これにより、エンジン1を停止させても、モータ5及び6のみで対応する負荷7及び8を駆動することができる。したがって、エンジン側動力分割機構2と負荷側動力分割機構3との動力伝達を切り離すためのクラッチ機構などを新たに設ける必要がなく、単純な構成を実現することができる。
また、バッテリ9の充電量の変動を抑えるようにエンジン1の動作点を最小燃費曲線上の原点Oと点Aとの間の領域Z1で変化させて運転すれば、バッテリ9の長寿命化を達成することができる。また、エンジン1を点A以降の領域Z2で運転すれば高出力を得ることができる。
また、エンジン1を最小燃費曲線に沿って運転して燃費が最小となる最適な動作状態で運転する代わりに、エンジン1の排気中のNOXが最小となる、またはエンジン1で生じる音が最小となるような最適な動作状態でエンジン1を運転することもできる。
また、エンジン側動力分割機構2及び負荷側動力分割機構3として、遊星歯車装置を用いる代わりに、差動歯車装置(ディファレンシャルギヤ)等を用いることもできる。ここで、エンジン側動力分割機構2及び負荷側動力分割機構3の双方を差動歯車装置等から構成することもできるし、また、一方を遊星歯車装置から、他方を差動歯車装置等から構成することもできる。
なお、上述の実施の形態では、走行負荷7と荷役負荷8の2つが設けられていたが、3つ以上の負荷が設けられていてもよい。この場合も、各負荷に対応するモータを有し、エンジン側動力分割機構2から負荷側動力分割機構3に伝達されるエンジン1の動力が負荷側動力分割機構3により負荷の数に応じて分割されて出力されると共に各モータを介して対応する負荷に伝達される。このようにしても、上述の実施の形態と同様の効果が得られる。
Claims (12)
- エンジンと、
前記エンジンに接続され且つ前記エンジンの動力を第1出力端及び第2出力端に分割して出力するエンジン側動力分割機構と、
前記エンジン側動力分割機構の第1出力端に接続されると共にこの第1出力端に出力される前記エンジンの動力を複数の第3出力端に分割して出力する負荷側動力分割機構と、
前記エンジン側動力分割機構の第2出力端に接続される発電機と、
前記負荷側動力分割機構の複数の第3出力端にそれぞれ接続されると共にそれぞれ発電手段として兼用される複数のモータと、
前記複数のモータの回転軸を介してそれぞれ前記負荷側動力分割機構の複数の第3出力端に接続される複数の負荷と、
前記エンジン側動力分割機構の第2出力端に接続された発電機及び前記複数のモータで発生された電力を蓄えると共に必要に応じて各モータに電力を供給して作動させるバッテリと
を備え、各負荷は、前記エンジンの動力及び対応するモータの動力の少なくとも一方により駆動されることを特徴とするハイブリッド型フォークリフト。 - 前記エンジン側動力分割機構は、遊星歯車装置を有する請求項1に記載のハイブリッド型フォークリフト。
- 前記遊星歯車装置は、前記第2出力端を有するサンギヤと、それぞれ前記サンギヤに噛合し且つ第1入力端を有するキャリアにより互いに連結された複数のプラネタリーギヤと、前記複数のプラネタリーギヤに噛合し且つ前記第1出力端を有するリングギヤとを有し、前記第1入力端に前記エンジンが接続される請求項2に記載のハイブリッド型フォークリフト。
- 前記エンジン側動力分割機構は、差動歯車装置を有する請求項1に記載のハイブリッド型フォークリフト。
- 前記負荷側動力分割機構は、遊星歯車装置を有する請求項1〜4のいずれか一項に記載のハイブリッド型フォークリフト。
- 前記遊星歯車装置は、前記複数の第3出力端のうちの1つの出力端を有するサンギヤと、それぞれ前記サンギヤに噛合し且つ第2入力端を有するキャリアにより互いに連結された複数のプラネタリーギヤと、前記複数のプラネタリーギヤに噛合し且つ前記複数の第3出力端のうちの他の出力端を有するリングギヤとを有し、前記第2入力端に前記エンジン側動力分割機構の第1出力端が接続される請求項5に記載のハイブリッド型フォークリフト。
- 前記負荷側動力分割機構は、差動歯車装置を有する請求項1〜4のいずれか一項に記載のハイブリッド型フォークリフト。
- 前記複数の負荷には、走行のための走行負荷と荷役作業を行うための荷役負荷とが含まれる請求項1〜7のいずれか一項に記載のハイブリッド型フォークリフト。
- 前記走行負荷に対応するモータとこのモータが接続される前記負荷側動力分割機構の第3出力端との間、または前記走行負荷とこれに対応するモータとの間に配置された変速機をさらに備える請求項8に記載のハイブリッド型フォークリフト。
- 前記荷役負荷は、荷役作業用の油圧装置に作動油を供給する可変容量型の油圧ポンプである請求項8または9に記載のハイブリッド型フォークリフト。
- 前記エンジンは、燃費が最小となる動作状態で運転される請求項1〜10のいずれか一項に記載のハイブリッド型フォークリフト。
- 前記エンジン側動力分割機構の第2出力端に接続された発電機及び前記複数のモータを用いて前記エンジンを始動する請求項1〜11のいずれか一項に記載のハイブリッド型フォークリフト。
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