JP2006272630A - 燃料用ホース - Google Patents

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和孝 片山
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Abstract

【課題】燃料低透過性に優れ、低温性、柔軟性および耐加水分解性にも優れる燃料用ホースを提供する。
【解決手段】管状の内層1と、その外周面に接して任意に設けられる燃料低透過層2と、さらにその外周面に接して設けられる外層3とを備え、上記内層1が下記の(A)を用いて構成され、上記燃料低透過層2が下記の(B)を用いて構成され、かつ、上記外層3が下記の(C)を用いて構成されている。
(A)エラストマー成分のアロイまたは共重合により柔軟化されたポリエステル系樹脂。
(B)ポリブチレンナフタレート(PBN)およびポリブチレンテレフタレート(PBT)の少なくとも一方のポリエステル系樹脂。
(C)ポリテトラメチレングリコールおよびダイマー酸の少なくとも一方を共重合成分とするポリブチレンテレフタレート系熱可塑性エラストマーと、スチレン−イソブチレンブロック共重合体とのブレンドポリマー。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車等の燃料(ガソリン、アルコール混合ガソリン、ディーゼル燃料、水素、ジメチルエーテル、LPG、CNG等)の輸送等に用いられる燃料用ホースに関するものである。
近年、自動車を取り巻く燃料ガスの蒸散規制は厳しくなってきており、これに対応する低透過な燃料用ホースが各種検討されている。このような燃料用ホースとしては、従来はフッ素樹脂製のホースであったが、材料コストが高くつくことから、近年では、安価なポリエステル樹脂製のホースの開発が推し進められている。例えば、燃料低透過性等に優れたポリブチレンナフタレート(PBN)やポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂を用いて構成されたホースである。しかしながら、PBNやPBT等のポリエステル系樹脂は、剛性が高く、このポリエステル系樹脂のみを用いて単層構造のホースとした場合、そのホースは柔軟性に劣るものとなる。そのため、上記ポリエステル系樹脂層の厚みを薄くし、熱可塑性樹脂層との積層構造にするのが一般的である。
しかしながら、上記PBNやPBTといったポリエステル系樹脂は、他の材料との接着性が悪いため、通常、上記ポリエステル系樹脂層と上記熱可塑性樹脂層との積層化には、その両層の界面に接着剤層を設ける必要がある。したがって、この場合、上記接着剤層の分だけ製造工程が複雑化する等の問題がある。このような問題を解消したものとして、例えば、上記PBNやPBT等のポリエステル系樹脂層と、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPEE)層とを積層形成してなるホースがある。すなわち、上記両層は、同じポリエステル系材料であるため、例えばその両層を共押出し成形等することにより、両層を接着剤レスで積層接着することができる。このようなホースの一例としては、例えば、その内側から順に、TPEE層/ポリエステル系樹脂層/TPEE層が積層されてなる三層構造のホースであって、その外層となるTPEE層が、ホース全体の柔軟化および耐加水分解性の向上を主たる目的とし、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)を共重合したTPEE(例えば、東レ・デュポン社製のハイトレル5577)によって形成されたものが既に提案されている(特許文献1参照)。
特開2003−287165公報
上記特許文献1に記載のホースにおいて、その外層は、上述のようにPTMG共重合TPEEによって形成されており、通常のTPEEからなる外層と比べると、柔軟性や低温性(低温柔軟性)に優れ、かつ耐加水分解性にも優れるといった利点を有する。しかしながら、上記外層は、透水性が高い。そのため、上記外層を透過した水分が、その下のポリエステル系樹脂層(PBN層やPBT層)に吸収されると、そのポリエステル系樹脂層が加水分解されて脆くなる。そして、ホースの折り曲げ等により、その脆くなったポリエステル系樹脂層を起点とし、ホース折れを引き起こすおそれがある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、燃料低透過性に優れ、低温性、柔軟性および耐加水分解性にも優れる燃料用ホースの提供をその目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、管状の内層と、その外周面に接して設けられる燃料低透過層と、さらにその外周面に接して設けられる外層とを備え、上記内層が下記の(A)を用いて構成され、上記燃料低透過層が下記の(B)を用いて構成され、かつ、上記外層が下記の(C)を用いて構成されている燃料用ホースを第一の要旨とする。
(A)エラストマー成分のアロイまたは共重合により柔軟化されたポリエステル系樹脂。
(B)ポリブチレンナフタレート(PBN)およびポリブチレンテレフタレート(PBT)の少なくとも一方のポリエステル系樹脂。
(C)ポリテトラメチレングリコールおよびダイマー酸の少なくとも一方を共重合成分とするポリブチレンテレフタレート系熱可塑性エラストマーと、スチレン−イソブチレンブロック共重合体とのブレンドポリマー。
すなわち、本発明者らは、PBN層やPBT層といった燃料低透過層の外周面を被覆する外層の材料を中心に、研究を重ねた。そして、上記外層を、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)が共重合されたポリブチレンテレフタレート系熱可塑性エラストマー(PBT系TPE)と、スチレン−イソブチレンブロック共重合体とのブレンドポリマーによって形成したところ、従来の、PTMG共重合TPEEのみによって形成された外層の優れた特性(低温性、柔軟性および耐加水分解性)を損なうことなく、その欠点であった透水性を、上記スチレン−イソブチレンブロック共重合体の「ブチル構造」による透水バリア性によって改善でき、その結果、外層の下にある燃料低透過層の加水分解を防ぐことができることを突き止めた。
また、本発明者らは、上記外層を、ダイマー酸を共重合成分とするPBT系TPEによって形成することも想起した。すなわち、ダイマー酸共重合PBT系TPEは、低透水性や耐加水分解性を有するため、この外層であっても、上記と同様の作用効果が得られることが予想される。しかしながら、ダイマー酸共重合PBT系TPEは、低温性や柔軟性に劣ることから、この点を改良する必要がある。そこで、更に研究を重ねた結果、上記外層を、ダイマー酸共重合PBT系TPEと、スチレン−イソブチレンブロック共重合体とのブレンドポリマーによって形成したところ、所期の目的が達成できることを突き止め、本発明に到達した。
そして、本発明では、その燃料低透過層(PBN層やPBT層)の内周面に接する層(内層)を、エラストマー成分のアロイまたは共重合により柔軟化されたポリエステル系樹脂〔エラストマーとポリエステル系樹脂とのブレンド物(アロイ)、または、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPEE)〕によって形成している。このように、燃料低透過層の内周面および外周面に接する層が、燃料低透過層と同じポリエステル系材料で形成されるといった構成をとるため、その層間の接着を、接着剤レスで行うことが可能となる。そして、上記構成により、ポリエステルの利点である燃料低透過性を生かし、かつ、耐加水分解性に劣るといったポリエステルのデメリットを解消することができ、ポリエステルホースの実用化に結びつけることができた。
他方、本発明は、管状の内層と、その外周面に接して設けられる外層とを備え、上記内層が下記の(A)を用いて構成され、かつ、上記外層が下記の(C)を用いて構成されている燃料用ホースを第二の要旨とする。
(A)エラストマー成分のアロイまたは共重合により柔軟化されたポリエステル系樹脂。
(C)ポリテトラメチレングリコールおよびダイマー酸の少なくとも一方を共重合成分とするポリブチレンテレフタレート系熱可塑性エラストマーと、スチレン−イソブチレンブロック共重合体とのブレンドポリマー。
すなわち、先述のように三層が積層された構成から、燃料低透過層(PBN層やPBT層)を省いた場合、上記三層のものよりも燃料低透過性にはやや劣るようになるが、より柔軟性の高いホースとすることができるため、組み付け性等が重要な場合は、このような構成のほうが有利であることを、本発明者らは突き止めた。そして、このホースも、先述の三層のホースと同様に、その層間の接着を接着剤レスで行うことができ、耐加水分解性等に優れ、実用に耐え得るポリエステルホースとすることができた。
以上のように、本発明の燃料用ホースは、エラストマー成分のアロイまたは共重合により柔軟化されたポリエステル系樹脂を用いて構成された管状の内層と、その外周面に接して設けられる燃料低透過層(PBN層やPBT層)と、さらにその外周面に接して設けられる外層とを備えており、上記外層が、PTMGおよびダイマー酸の少なくとも一方を共重合成分とするPBT系TPEと、スチレン−イソブチレンブロック共重合体とのブレンドポリマーを用いて構成されている。そのため、本発明の燃料用ホースは、燃料低透過性に優れ、低温性、柔軟性および耐加水分解性にも優れる。また、本発明の燃料用ホースは、その層間の接着を接着剤レスで行うことが可能であり、しかも、材料コストが安価であるため、上記のように高性能であるにもかかわらず、低コスト化を達成することができる。
特に、上記外層を構成するブレンドポリマーが、そのPBT系TPE成分とスチレン−イソブチレンブロック共重合体成分とを特定の重量割合でブレンドしてなるものであるときは、透水バリア性や柔軟性等のバランスが良好となる。
また、本発明の燃料用ホースは、エラストマー成分のアロイまたは共重合により柔軟化されたポリエステル系樹脂を用いて構成された管状の内層と、その外周面に接して設けられる外層とを備えており、上記外層が、PTMGおよびダイマー酸の少なくとも一方を共重合成分とするPBT系TPEと、スチレン−イソブチレンブロック共重合体とのブレンドポリマーを用いて構成されている。そのため、より柔軟性の高いホースとすることができ、組み付け性等が重要な場合において、有用である。また、このホースも、先述の三層のホースと同様に、その層間の接着を接着剤レスで行うことができ、耐加水分解性等に優れ、実用に耐え得るポリエステルホースとすることができる。
つぎに、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の燃料用ホースは、例えば、図1に示すように、内層1の外周面に燃料低透過層2が形成され、さらにその外周面に外層3が形成されて構成されている。そして、本発明においては、上記内層1が、エラストマー成分のアロイまたは共重合により柔軟化されたポリエステル系樹脂〔エラストマーとポリエステル系樹脂とのアロイ、または、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPEE)〕を用いて構成され、上記燃料低透過層2が、ポリブチレンナフタレート(PBN)およびポリブチレンテレフタレート(PBT)の少なくとも一方からなるポリエステル系樹脂を用いて構成されている。さらに、上記外層3が、特定のブレンドポリマー、すなわち、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)およびダイマー酸の少なくとも一方を共重合成分とするポリブチレンテレフタレート系熱可塑性エラストマー(PBT系TPE)と、スチレン−イソブチレンブロック共重合体とのブレンドポリマーを用いて構成されている。
上記内層1を構成する、エラストマーとポリエステル系樹脂とのアロイは、特に限定されるものではなく、例えば、変性ポリオレフィンやコアシェル構造を有する柔軟成分をPBTやPBNとアロイ化させた柔軟化ポリエステル等があげられる。これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。
また、上記内層1を構成するポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPEE)は、特に限定されるものではなく、例えば、ポリブチレンナフタレート系熱可塑性エラストマー(PBN系TPE)、ポリブチレンテレフタレート系熱可塑性エラストマー(PBT系TPE)、後述のダイマー酸やPTMGを共重合成分するPBT系TPE等があげられる。これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。
なお、上記内層1は、燃料ポンプで発生した静電気をホース外部へ放電して逃がし、静電気による燃料(ガソリン等)への引火等の事故を防止する目的で、その形成材料中に、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、金属粉等の導電剤を配合して、導電化しても差し支えない。
上記内層1の外周面に形成される燃料低透過層2は、先にも述べたように、ポリブチレンナフタレート(PBN)およびポリブチレンテレフタレート(PBT)の少なくとも一方からなるポリエステル系樹脂を用いて構成されている。上記PBT樹脂は、例えば、ジメチルテレフタレート(DMT)と、1,4−ブタンジオールとを原料とするDMT法や、テレフタル酸(TPA)と、1,4−ブタンジオールとを原料とする直接重合法等により得ることができる。また、上記PBN樹脂は、例えば、2,6−ジメチルナフタレート(DMN)と、1,4−ブタンジオールとを原料とするエステル交換法や、2,6−ナフタレンジカルボン酸と、1,4−ブタンジオールとを原料とする直接重合法等により得ることができる。
なお、上記燃料低透過層2も、上記内層1と同様、その形成材料中に、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、金属粉等の導電剤を配合して、導電化しても差し支えない。
そして、上記燃料低透過層2の外周面に形成される外層3は、先にも述べたように、特定のブレンドポリマー、すなわち、PTMGおよびダイマー酸の少なくとも一方を共重合成分とするPBT系TPEと、スチレン−イソブチレンブロック共重合体とのブレンドポリマーを用いて構成される。
ここで、上記ダイマー酸とは、有機酸2分子が反応して二量体になったものをいい、例えば、脂肪族ダイマー酸、脂環族ダイマー酸、芳香族ダイマー酸等があげられる。これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。
上記脂肪族ダイマー酸としては、例えば、下記の一般式(1)または一般式(2)で表されるダイマー酸等があげられる。
Figure 2006272630
Figure 2006272630
上記脂環族ダイマー酸としては、例えば、下記の一般式(3)、一般式(4)、一般式(5)、一般式(6)で表されるダイマー酸等があげられる。
Figure 2006272630
Figure 2006272630
Figure 2006272630
Figure 2006272630
上記芳香族ダイマー酸としては、例えば、下記の一般式(7)で表されるダイマー酸等があげられる。
Figure 2006272630
これらダイマー酸の好ましい具体例としては、ユニケマ社製のPRIPOL1008〔炭素数36で、芳香族タイプ/脂環族タイプ/脂肪族タイプ=9/54/37(モル比)の水添ダイマー酸〕、ユニケマ社製のPRIPOL1009〔炭素数36で、芳香族タイプ/脂環族タイプ/脂肪族タイプ=13/64/23(モル比)の水添ダイマー酸〕、ユニケマ社製のPRIPOL1098〔炭素数36で、芳香族タイプ/脂環族タイプ/脂肪族タイプ=13/64/23(モル比)の未水添ダイマー酸〕、ユニケマ社製のPRIPLASTA3008(上記PRIPOL1008のジメチルエステル)、ユニケマ社製のPRIPLASTA1899(上記PRIPOL1009のジメチルエステル)等があげられ、特に好ましくはPRIPOL1008、PRIPOL1009、PRIPLASTA3008、PRIPLASTA1899等の水添ダイマー酸である。
そして、上記ダイマー酸を共重合成分とするPBT系TPEは、例えば、PBTの原料であるテレフタル酸(TPA)の一部を、ダイマー酸で置換することにより得ることができる。なお、PTMGを共重合成分とするPBT系TPEも、この手法に準じて得ることができる。また、上記ダイマー酸とPTMGとの双方を、PBT系TPEに共重合させてもよい。さらに、上記PBT系TPEには、必要に応じ、ポリブチレンアジペート(PBA)、ポリ−ε−カプロラクトン等のポリエステルを、ソフトセグメントとして共重合してもよい。
また、上記外層3用材料において、上記特定のPBT系TPEとともに用いられる、スチレン−イソブチレンブロック共重合体としては、ハードセグメントにポリスチレン(PS)を、ソフトセグメントにポリイソブチレン(PIB)を用いたものであれば特に限定はなく、例えば、スチレン−イソブチレンジブロック共重合体(SIB)や、スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体(SIBS)があげられる。これらのなかでも、強度に優れる点で、SIBSが好適に用いられる。このSIBSとしては、具体的には、カネカ社製のシブスター等があげられる。
上記外層3用材料において、上記特定のPBT系TPE成分(α)と、スチレン−イソブチレンブロック共重合体成分(β)との重量混合比は、(α)/(β)=20/80〜80/20の範囲内が好ましく、特に好ましくは(α)/(β)=40/60〜60/40の範囲内である。すなわち、PBT系TPE成分の重量混合比が20未満である(スチレン−イソブチレンブロック共重合体成分の重量混合比が80を超える)と、剛性が低下しすぎ、座屈が生じる傾向がみられ、逆にPBT系TPE成分の重量混合比が80を超える(スチレン−イソブチレンブロック共重合体の重量混合比が20未満である)と、スチレン−イソブチレンブロック共重合体特有の効果である柔軟性等が低下する傾向がみられるからである。
なお、上記外層3用材料には、上記PBT系TPE成分およびスチレン−イソブチレンブロック共重合体成分に加え、相溶化剤を配合することも可能である。このように、相溶化剤を併用すると、上記PBT系TPE成分と、スチレン−イソブチレンブロック共重合体の分散性が向上するとともに、ホースの伸びが向上するという効果が得られる。
上記相溶化剤としては、例えば、エチレン−グリシジルメタクリレート(EGMA)、変性EGMA、エチレン−グリシジルメタクリレート−酢酸ビニル三元共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート−アクリル酸メチル三元共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルアクリレート−アクリル酸三元共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、変性EEA、変性エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体、エチレン−メタクリレート共重合体、アクリルゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVAc)、変性EVAc、変性ポリプロピレン(PP)、変性ポリエチレン(PE)、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸三元共重合体、エポキシ化スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(エポキシ化SBS)、エポキシ化スチレン−エチレンブテン−スチレンブロック共重合体(エポキシ化SEBS)、酸変性SBS、酸変性SEBS、スチレン−イソプロペニルオキサゾリン共重合体、グリシジルメタクリレート−メチルメタクリレート共重合体、グリシジルメタクリレート−スチレン共重合体、熱可塑性ウレタン等があげられる。これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。
上記変性EGMAとしては、例えば、EGMAに、ポリスチレン(PS),ポリメチルメタクリレート(PMMA),アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS),PMMAとブチルアクリレートとの共重合体等をグラフトしたもの等があげられる。
また、上記変性EEAとしては、例えば、EEAに、PS,PMMA,AS,PMMAとブチルアクリレートとの共重合体等をグラフトしたものや、無水マレイン酸変性EEA、シラン変性EEA等があげられる。
また、上記変性エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体としては、例えば、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体に、PS,PMMA,AS,PMMAとブチルアクリレートとの共重合体等をグラフトしたもの等があげられる。
また、上記変性EVAcとしては、例えば、EVAcに、PS,PMMA,AS,PMMAとブチルアクリレートとの共重合体等をグラフトしたもの等があげられる。
また、上記変性PPとしては、例えば、PPに、PSまたはASをグラフトしたものや、無水マレイン酸変性PP、水酸基変性PP等があげられる。
また、上記変性PEとしては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)に、PS,PMMA,AS,PMMAとブチルアクリレートとの共重合体等をグラフトしたものや、無水マレイン酸変性PE、水酸基変性PE等があげられる。
上記相溶化剤の配合割合は、上記PBT系TPE成分とスチレン−イソブチレンブロック共重合体成分との合計量100重量部(以下、「部」と略す)に対して、10部以下が好ましく、特に好ましくは2〜5部の範囲内である。すなわち、相溶化剤を用いることで、伸び等の物性がさらに向上するが、相溶化剤が10部を超えると、低透水性が悪化し、スチレン−イソブチレンブロック共重合体の効果以上にバリア性を低下させる傾向がみられるからである。
なお、上記外層3も、上記内層1や燃料低透過層2と同様、その形成材料中に、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、金属粉等の導電剤を配合して、導電化しても差し支えない。
ここで、本発明の燃料用ホースは、例えば、つぎのようにして製造することができる。すなわち、まず、TPEEを必須成分とする内層1用材料と、PBTやPBNを任意成分とする燃料低透過層2用材料と、上記特定のブレンドポリマーを必須成分とする外層3用材料とを、それぞれ準備する。ついで、これらを、押出し成形機を用いて三層同時押出し成形をし、真空サイジング等でサイジングと同時に、冷却水槽中で冷却固化することにより、目的とする燃料用ホース(図1参照)を作製することができる。なお、本発明の燃料用ホースは、コルゲータを用いて、ホースの少なくとも一部に蛇腹構造を形成した構造であっても差し支えない。
なお、上記の製法においては、内層1と燃料低透過層2と外層3とを、三層同時押出しによって成形(共押出し成形)する方法について説明したが、これに限定するものではなく、例えば、マンドレルを用いてマンドレル上に内層1を押出し成形した後、この内層1の外周面に、燃料低透過層2、外層3を、順次、押出し成形しても差し支えない。
このようにして得られる本発明の燃料用ホース各層の厚みは、その内層1の厚みが、通常、0.01〜0.5mmであり、好ましくは0.1〜0.4mmである。上記燃料低透過層2の厚みは、通常、0.01〜0.5mmであり、好ましくは0.05〜0.4mmである。また、上記外層3の厚みは、通常、0.1〜3mmであり、好ましくは0.3〜1mmである。そして、本発明の燃料用ホースの内径は、通常、3〜60mmであり、好ましくは4〜30mmである。
本発明の燃料用ホースにおいて、内層1の曲げ弾性率は400〜2000MPaの範囲内が好ましく、特に好ましくは450〜1500MPaの範囲内である。また、燃料低透過層2の曲げ弾性率は1400〜2400MPaの範囲内が好ましく、特に好ましくは1400〜2100MPaの範囲内である。また、外層3の曲げ弾性率は100〜700MPaの範囲内が好ましく、特に好ましくは190〜400MPaの範囲内である。なお、上記曲げ弾性率は、ISO 178に準拠して測定した値を示す。
なお、本発明の燃料用ホースは、図1に示したような三層構造に限定されるものではなく、例えば、内層1の内周面に最内層を設けたり、外層3の外周面に最外層を設けたりしても差し支えない。
また、図1のような三層構造から、燃料低透過層2を省き、内層1に直接上記外層3を積層し二層構造とした場合、上記三層のものよりも燃料低透過性にはやや劣るようになるが、より柔軟性の高いホースとすることができる。そのため、さほどバリア性能は必要でないが、組み付け性等が重要な場合は、このような構成のほうが有利である。そして、このホースも、図1の三層のホースと同様にして製造することができ、また、図1の三層のホースと同様に、その層間の接着を接着剤レスで行うことができ、耐加水分解性等に優れ、実用に耐え得るポリエステルホースとすることができる。
なお、上記二層構造のホースにも、その内周面に最内層を設けたり、また、その外周面に最外層を設けたりしても差し支えない。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
まず、実施例および比較例に先立ち、下記に示す材料を準備した。
〔ダイマー酸共重合PBT系TPE〕
カネボウ合繊社製、PBTS01562(ダイマー酸の種類:ユニケマ社製のPRIPOL1008、ダイマー酸含有量:6mol%、曲げ弾性率:650MPa)
〔変性ポリオレフィンアロイPBT〕
EMS昭和電工社製、グリルペットB24HNZ( 曲げ弾性率:1490MPa)
〔PTMG共重合PBT系TPE(i)〕
東レ・デュポン社製、ハイトレル5577(曲げ弾性率:200MPa)
〔PTMG共重合PBT系TPE(ii)〕
東レ・デュポン社製、ハイトレル7277(曲げ弾性率:480MPa)
〔スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体(SIBS)〕
カネカ社製、シブスター103T−U
〔相溶化剤〕
エポキシ化SBS(ダイセル化学工業社製、エポフレンドAT501)
〔PBT樹脂〕
ポリプラスチックス社製、ジュラネックス700FP(曲げ弾性率:2030MPa)
〔PBN樹脂〕
帝人化成社製、TQB−OT(曲げ弾性率:1780MPa)
〔実施例1〜9、比較例1〜4〕
まず、後記の表1および表2に示す材料をそれぞれ準備し、これらを同表に示す割合で混合・攪拌し、外層用材料a〜jを調製した。なお、この材料をシート状に押出し成形し、それを冷却固化することにより得られるシート(厚み0.3mm)の物性(曲げ弾性率、伸び、透水率)についても、同表に併せて示した。ここで、上記曲げ弾性率(MPa)は、ISO 178に準じて測定される。上記伸び(%)は、ASTMD 638に準じて測定される。上記透水性は、カップ式試験治具を用い、80℃温度下で測定される。すなわち、カップ式試験治具(内径66mm、内容積135cm3 、透過面積34.2cm2 )を準備し、このカップ式試験治具に純水100cm3 を充填し、ブチルゴムパッキンを介し、試料シートで蓋をした。そして、天地逆さまにして、純水と試料シートが接するようにし、80℃温度下で重量変化を時間とともにプロットし、その傾きにより、透過係数〔(mg・mm)/(cm2 ・day)〕を算出した。
Figure 2006272630
Figure 2006272630
つぎに、上記外層用材料a〜jとともに、内層用材料および燃料低透過層用材料として、後記の表3〜表4に示す材料をそれぞれ準備した。ついで、これら内層用材料、燃料低透過層用材料および外層用材料を、押出し機を用いて同時押出し成形し、冷却水槽中で冷却固化することにより、内層(厚み0.3mm)の外周面に燃料低透過層(厚み0.2mm)が形成され、さらにその外周面に外層(厚み0.5mm)が形成されてなる、燃料用ホース(内径6mm)を作製した。
このようにして得られた実施例および比較例の各ホースを用いて、下記の基準に従い、各特性の評価を行った。これらの結果を、後記の表3〜表4に併せて示した。
〔耐加水分解性〕
各ホースを、温度80℃、湿度95%の条件下において3000時間放置した。その後、上記ホースを−40℃まで冷却し、それを180°に折り曲げ、折れ等の異常が生じるか否かを、目視により観察した。その結果、折れ等の異常がみられたものを×、折れ等の異常がみられなかったものを○として、耐加水分解性の評価を行った。
〔低温柔軟性〕
各ホースを、−40℃にて4時間冷却した後、180°に折り曲げ、低温柔軟性の評価を行った。評価は、ホース内面割れや、外面亀裂等の異常が生じたものを×、ホースに異常が生じなかったものを○とした。
Figure 2006272630
Figure 2006272630
上記結果から、全実施例品は、その外層用材料にSIBSをブレンドしているため、透水バリア性等が高く、ホースの低温柔軟性や耐加水分解性に優れる。
これに対して、比較例1品は、低温柔軟性が不充分である。比較例2,4品では、その燃料低透過層であるPBT樹脂層あるいは内層エラストマーアロイPBTが、外層を通過した水分により加水分解され、ホース折れが発生した。比較例3品は、PBT樹脂層が外層となっており、低温柔軟性および耐加水分解性の双方に劣る。
本発明の燃料用ホースは、主に、自動車用の燃料用ホースに好適に用いられるが、トラクター、耕運機等にも用いることができる。
本発明の燃料用ホースの一例を示す構成図である。
符号の説明
1 内層
2 燃料低透過層
3 外層

Claims (3)

  1. 管状の内層と、その外周面に接して設けられる燃料低透過層と、さらにその外周面に接して設けられる外層とを備え、上記内層が下記の(A)を用いて構成され、上記燃料低透過層が下記の(B)を用いて構成され、かつ、上記外層が下記の(C)を用いて構成されていることを特徴とする燃料用ホース。
    (A)エラストマー成分のアロイまたは共重合により柔軟化されたポリエステル系樹脂。
    (B)ポリブチレンナフタレート(PBN)およびポリブチレンテレフタレート(PBT)の少なくとも一方のポリエステル系樹脂。
    (C)ポリテトラメチレングリコールおよびダイマー酸の少なくとも一方を共重合成分とするポリブチレンテレフタレート系熱可塑性エラストマーと、スチレン−イソブチレンブロック共重合体とのブレンドポリマー。
  2. 管状の内層と、その外周面に接して設けられる外層とを備え、上記内層が下記の(A)を用いて構成され、かつ、上記外層が下記の(C)を用いて構成されていることを特徴とする燃料用ホース。
    (A)エラストマー成分のアロイまたは共重合により柔軟化されたポリエステル系樹脂。
    (C)ポリテトラメチレングリコールおよびダイマー酸の少なくとも一方を共重合成分とするポリブチレンテレフタレート系熱可塑性エラストマーと、スチレン−イソブチレンブロック共重合体とのブレンドポリマー。
  3. 上記(C)のブレンドポリマーが、そのポリブチレンテレフタレート系熱可塑性エラストマー成分(α)と、スチレン−イソブチレンブロック共重合体成分(β)とを、重量比で、(α)/(β)=20/80〜80/20の割合でブレンドしてなるものである請求項1または2記載の燃料用ホース。
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