JP2006272600A - 射出成形機のホッパフランジ - Google Patents

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JP2006272600A JP2005091236A JP2005091236A JP2006272600A JP 2006272600 A JP2006272600 A JP 2006272600A JP 2005091236 A JP2005091236 A JP 2005091236A JP 2005091236 A JP2005091236 A JP 2005091236A JP 2006272600 A JP2006272600 A JP 2006272600A
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勝裕 藤井
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Abstract

【課題】ホッパフランジの温度を速やかに上昇安定させ、ホッパ下部の温度を上げることで可塑化能力の向上と、安定した樹脂の可塑化を実現する。
【解決手段】ホッパフランジ3の前段に棒状のヒータ1と、ホッパフランジ3の後段に冷却水配管2と、ホッパフランジ3の中央位置に熱電対8とを設置し、ホッパフランジ3の温度を制御できるようにし、その温度を70℃から130℃の範囲において制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、射出成形機のホッパフランジにおいて、ホッパ下部の温度制御を行うこと関するものである。
従来この種の装置としては、下記特許文献1で提案されているものがあった。下記特許文献1には、フランジにフランジ溝、シリンダにスプライン形状の溝、シリンダにシリンダ溝を形成して、それらの何れかにより、シリンダとフランジとの間の接触面積を少なくして、シリンダからフランジへの熱伝導を少なくすることにより、材料投入口であるホッパ口での樹脂材料の溶融付着を防止する構成が記載されている。
下記特許文献1に記載してある従来技術は、標準的なホッパフランジで現在のほとんどの射出成形機に採用されている。シリンダのヒータ熱で材料投入口の温度が上がって、投入された樹脂材料が溶融付着することを防ぐため、ホッパフランジに冷却水用穴が開けてあり、冷却水を流せるようになっている。
また、下記特許文献2には、樹脂導入孔よりも後端側に温調手段を設けて、樹脂の特性に応じた予熱あるいは冷却を行う射出成形機が記載されている。
同じく、下記特許文献3には、熱電対を用いて、ホッパ下部温度を制御するための温度調節設備を備えた射出成形機が記載されている
特開2003−39513号公報 特開平8−99340号公報 特開2000−326378号公報
従来の装置は、シリンダヒータ熱の伝導によりホッパフランジの温度上昇を防ぐために、ホッパフランジを冷却する装置で、ホッパフランジを加熱する装置ではない。もちろん、シリンダにはヒータなどの加熱装置があり、シリンダの熱がホッパフランジに伝導してホッパフランジ内にあるホッパ下部の近辺も温度は上がり、ホッパフランジの冷却装置への冷却水の水量を少なくすることにより、ホッパ下部近辺の温度を上げることは可能である。
しかし、シリンダの温度の上昇よって、ホッパ下部の温度が上昇するには時間がかかる。特に、生産の立上げ時のシリンダヒータの電源投入後、シリンダの温度が上昇してから、さらに時間がかかってホッパ下部の温度は上昇していく。
したがって、シリンダの温度が上昇後、安定したことを確認して成形を開始しても、ホッパ下部の温度は上昇しないまま成形を開始する可能性がある。
次の課題は、ホッパフランジにはヒータなど加熱装置がなく、シリンダのヒータからの熱の伝導だけで、ホッパフランジの温度は上がっていくため、ホッパフランジの設定温度を高く設定しても、設定温度に達しないことがある。
例えば、スクリュ径84mmのシリンダでホッパフランジの冷却装置の冷却水を完全に止めた場合、シリンダ設定温度280℃で、ホッパフランジの温度は約65℃、シリンダ設定温度300℃で、ホッパフランジ温度75℃までしか上がらなかった。さらに、シリンダ温度が設定に達した後、ホッパフランジの温度が安定するまで約30分以上を必要とした。
これは、ホッパフランジからの空気中への放熱とホッパフランジから射出装置への熱伝熱のために、ホッパフランジの温度設定まで実際の温度は上がらないからである。通常のスクリュ及びシリンダでは、スクリュは、その長さLと直径Dとの比であるL/Dが18〜22と十分に大きく、投入された樹脂の予熱はこの長いスクリュ内で行われるため、ホッパ下部の温度を高くする必要はない。
しかし、スクリュのL/Dが15以下のような短いスクリュの場合、スクリュ内での予熱が十分でないため、ホッパフランジの温度を上げることが、可塑化能力の向上と安定した可塑化を実現するために重要となってくる。
本発明は、具体的には、図1に示すように、ホッパフランジ3の前段に加熱装置としての棒状のヒータ1と、ホッパフランジ3の後段に冷却装置としての冷却水配管2と、加熱装置と冷却装置の中間であるホッパフランジ3の中央位置に温度検出器としての熱電対8とを設置することを特徴とする。
これによって、ホッパ下部の温度が制御でき、特に、その温度を70℃から130℃の範囲において制御する。また、スクリュは、通常のスクリュより短く、L/Dは11〜15とする。
本発明によると、ホッパフランジに加熱装置と冷却配管を設置したので、ホッパフランジの温度の上昇が早くなり、また、ホッパフランジの温度を高く設定できるため、投入された樹脂の予熱がホッパフランジ内でも可能になる。
また、スクリュの長さLと直径Dとの比であるL/Dが11〜15の短いスクリュの場合でも、可塑化能力の向上が実現でき、安定した可塑化状態の樹脂を射出成形することが可能となる。
このような、短いスクリュは、機械全長を短くし、設置面積を小さくできるため、工場レイアウト上有利である。
以下、図面を用いて、本発明の実施例を説明する。
図1は、本発明に係る射出成形機のホッパフランジの概略図であって、棒状のヒータ1が、ホッパフランジ3の先端側に設置され、シリンダ4に設けられたシリンダヒータ5からの熱の伝導に頼らず、ホッパフランジ3の加熱が可能である。棒状のヒータ1と、ホッパフランジ3の中央に設置された熱電対8とは、図には示していないが温度制御装置に接続線10で接続されており、ホッパフランジ3の温度を制御することができる。
また、冷却水配管2は、ホッパフランジ3の後方に設置し、熱電対8が接続された温度制御装置から図には示していないが通水弁へ電気信号を出して、ホッパフランジ3が加熱しすぎた場合に冷却水を流して、ホッパフランジ3を冷却する。
このように、ホッパフランジ3が温度制御されることで、ホッパ7下部の温度も制御され、ホッパ7から樹脂が投入されると、樹脂は溶融して射出装置9に設けられたスクリュ6により押し出される。
図2は、図1の断面図であって、シリンダ4の内部にはスクリュ6が設けられている。他の符号は図1と同じものを示す。
図3は、図1に示すホッパフランジのBB断面図であって、シリンダ4を囲むホッパフランジ3内に設けられたヒータ1を示す。
図4は、図1に示すホッパフランジのCC断面図であって、シリンダ4を囲むホッパフランジ3内に設けられた冷却水配管2を示す。
このようにホッパフランジ3に設置されたヒータ1は、ホッパフランジ3の温度を上げることができ、冷却水配管2はホッパフランジ3の温度を下げることができる。
これにより、ホッパフランジ3の温度を、シリンダヒータ5の熱の伝導だけに頼らないで、上げることができ、ホッパフランジ3からの大気中への放熱で、ホッパフランジ3の実際の温度が設定された温度まで上がらないことを防止できる。
特に、スクリュのL/Dが15以下のような短いスクリュにおいても、ホッパフランジ3内に投入された樹脂を予熱できるため、可塑化能力の向上が実現できる。
また、ホッパフランジ3に設置された冷却水配管2に冷却水を流すことで、ホッパフランジ3の温度を下げることができる。
これにより、大気中の放熱だけに頼らず、ホッパフランジ3の温度を下げることができるため、正確で安定した温度の制御が可能になる。また、ホッパフランジ3の熱が、ホッパフランジ3を締結する射出装置9に伝わることを防止できるので、射出装置9の温度が上昇することを防止できる。
以上、樹脂の種類によっては、ホッパフランジ3の温度を上げると、樹脂のペレットの表面が溶融し、ホッパ7の口で樹脂同志がくっ付いて、ホッパ7の口に付着してブリッジ状態になり、樹脂がスクリュ6に落下していかなくなる。
樹脂として、汎用プラスチックスである、ABS、PP、PEなどは、ホッパフランジの温度を60〜70℃以上にすると、ブリッジを起こしてしまう。樹脂のガラス転移点、融点、熱変形温度などの熱特性で、ブリッジを起こす温度を明確に示す特性値はない。同じ樹脂でも形状・大きさ・表面粗度・押し付け圧力が違うと、くっ付く温度が違うため、明確な数値化が困難なためと思われる。よって、樹脂のカタログなどでは、ホッパフランジの温度の推奨値は、20〜30℃の範囲を持って、低めに記載されている。
そこで、シクロオレフィンポリマーの1種類で、テストを行ったところ、140℃では樹脂がくっ付いて固まりになったが、120℃では樹脂は固まりにならず、ペレットの状態を保った。この樹脂のガラス転移点は、100℃であった。
図5は、ホッパ部温度と可塑化能力を表したグラフであって、斜線部で表した範囲が140℃以上でペレットが固まった範囲で、シクロオレフィンポリマーでホッパ7下部の温度設定ができない範囲である。
さらに、この樹脂を用いて、L/Dが11であるスクリュで射出成形を行ったところ、図5に示すようにホッパ7下部のホッパ部温度が高くなると可塑化能力が高くなり、可塑化時間のバラツキも小さくなった。ただし、前述のペレットが固まる温度があるため、可塑化能力を上げるために、ホッパ下部の温度を高くすればよいわけではなく、130℃が上限となる。
すなわち、L/Dが11〜15の範囲のスクリュにおいて、シクロオレフィンポリマーでは、ホッパフランジの温度を70度以上に高くすることで、可塑化能力の向上が実現でき、130℃以下にすることで、樹脂のペレットがホッパ口でブリッジを起こすこともない。
射出成形機のホッパフランジの概略図 図1に示すホッパフランジの断面図 図1に示すホッパフランジのBB断面図 図1に示すホッパフランジのCC断面図 ホッパ部温度と可塑化能力を表したグラフを示す図
符号の説明
1…棒状ヒータ、2…冷却水配管、3…ホッパフランジ、4…シリンダ、5…シリンダヒータ、6…スクリュ、7…ホッパ、8…熱電対、9…射出装置

Claims (4)

  1. 温度制御される射出成形機のホッパフランジにおいて、
    前記ホッパフランジの前段に加熱装置を、後段に冷却装置を配置し、ホッパ下部の温度を制御することを特徴とする射出成形機のホッパフランジ
  2. 前記ホッパ下部の温度を制御するための温度検出器を、加熱装置と冷却装置の中間に設けたことを特徴とする請求項1に記載の射出成形機のホッパフランジ
  3. 前記射出成形機が備えるスクリュのL/Dが、11〜15の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の射出成形機のホッパフランジ
  4. 前記射出成形機で使用するシクロオレフィン樹脂を成形する時のホッパ下部の温度範囲が70〜130℃に温度制御されることを特徴とする請求項1に記載の射出成形機のホッパフランジ
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012035417A (ja) * 2010-08-03 2012-02-23 Nissei Plastics Ind Co 射出装置
WO2021014544A1 (ja) 2019-07-22 2021-01-28 日精樹脂工業株式会社 射出成形機の成形支援装置

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