JP2006271888A - 抗血栓性医用材料及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ポリアルキレングリコール鎖が医用材料表面に高密度に存在し、かつ、医用材料内部に埋め込まれることなく、長期的に血小板の粘着を抑制することが可能な抗血栓性医用材料、並びにその製造方法を提供すること。
【解決手段】ポリアルキレングリコール鎖を含む多分岐高分子化合物を高分子材料表面に作製する工程において、ハイパーブランチポリマーとポリアルキレングリコールとを反応させてポリアルキレングリコール鎖を含む多分岐高分子化合物を合成し、次いで、得られた前記多分岐高分子化合物と反応性官能基を有する高分子材料表面とを反応させることによりポリアルキレングリコール鎖を含む多分岐高分子化合物を高分子材料表面に作製されてなる抗血栓性材料。
【選択図】 図1
【解決手段】ポリアルキレングリコール鎖を含む多分岐高分子化合物を高分子材料表面に作製する工程において、ハイパーブランチポリマーとポリアルキレングリコールとを反応させてポリアルキレングリコール鎖を含む多分岐高分子化合物を合成し、次いで、得られた前記多分岐高分子化合物と反応性官能基を有する高分子材料表面とを反応させることによりポリアルキレングリコール鎖を含む多分岐高分子化合物を高分子材料表面に作製されてなる抗血栓性材料。
【選択図】 図1
Description
本発明は優れた抗血栓性を有する医用材料及びその製造方法に関する。更に詳しくは、ハイパーブランチポリマーを利用しポリアルキレングリコール鎖を高密度に高分子材料表面に固定化することにより血小板の粘着を抑制することができる抗血栓性医用材料及びその製造方法に関する。
近年、各種の高分子材料を利用した医用材料の検討が進められており、人工腎臓用膜、血漿分離用膜、カテーテル、ステント、人工肺用膜及び人工血管等の様々な医療用具へ医用材料が使用されている。これらの医療用具を使用する場合、生体にとって異物である医用材料が生体内組織や血液に接触することとなるため、医用材料が生体適合性を有していることが要求される。
医用材料を血液と接触する材料として使用する場合、(a)血液凝固の抑制、(b)血小板の粘着及び活性化の抑制が生体適合性として重要な項目となる。中でも、体外循環用医用材料(人工腎臓や血漿分離用膜など)等、比較的短時間に血液と接触して使用する場合には、一般にヘパリンやクエン酸ナトリウム等の抗凝固剤を同時に使用するため、(b)に記載した血小板の粘着及び活性化の抑制が重要な課題となる。
血小板の粘着および活性化を抑制する方法は、医用材料表面にミクロ相分離構造を形成し血液中のアルブミン等の蛋白を選択的に吸着させ血小板の粘着を阻害する方法や、生体膜類似表面構造を有する2−メタクリロイルオキシエチルホスホコリン(MPC)の重合体を医用材料表面に固定化し表面を不活性化する方法等がある(例えば、非特許文献1参照。)。
しかし、ミクロ相分離構造を有するミクロ相分離表面は、適度な相分離状態にコントロールすることにより良好な血液適合性を発現することが可能となるが、そのような相分離を作製できる条件は限られており用途に制限があった。また、MPCは材料自身及び固定化方法の煩雑さによる高コスト化、均質な固定化表層の獲得の困難さ、といった面での問題が残っている。
一方、医用材料の簡便な表面処理方法として、ポリアルキレングリコール鎖等の親水性の高分子鎖を表面に固定化し血漿タンパク質の吸着及び血小板の粘着を抑制する試みがなされている(例えば、特許文献2,3、非特許文献4,5参照。)。ポリアルキレングリコール鎖を固定化した表面は、ポリアルキレングリコール鎖のミクロブラウン運動による排除体積効果によりいわゆる散漫層を形成し、血漿タンパク質の吸着及び血小板の粘着が抑制される。しかし、この方法はポリアルキレングリコール鎖が経時的に医用材料の表面から内部に埋め込まれやすく、血漿タンパク質等の吸着及び血小板の粘着を長期的には抑制できないことから、十分な抗血栓性を発現するには至っていない。また、ポリアルキレングリコール鎖を医用材料表面に固定化する反応において、ポリアルキレングリコールと高分子材料である医用材料との反応性の低さから、ポリアルキレングリコールを医用材料表面に高密度に導入することは困難だった。
従って、簡便な処理方法で提供でき、長期的に抗血栓性を発現する抗血栓性材料は未だ得られていなかった。
バイオマテリアル,22(2),p130−139(2004) 特公平3−64146
特公平6−11318
ジャーナル オブ バイオメディカル マテリアルズ リサーチ(Journal of Biomedical materials Reseach),25,p829−843(1991)
ジャーナル オブ バイオマテリアル サイエンス,ポリマー エディション(Journal of Biomaterial Science,Polymer Edition),4(4),p381−400(1993)
医用材料を血液と接触する材料として使用する場合、(a)血液凝固の抑制、(b)血小板の粘着及び活性化の抑制が生体適合性として重要な項目となる。中でも、体外循環用医用材料(人工腎臓や血漿分離用膜など)等、比較的短時間に血液と接触して使用する場合には、一般にヘパリンやクエン酸ナトリウム等の抗凝固剤を同時に使用するため、(b)に記載した血小板の粘着及び活性化の抑制が重要な課題となる。
血小板の粘着および活性化を抑制する方法は、医用材料表面にミクロ相分離構造を形成し血液中のアルブミン等の蛋白を選択的に吸着させ血小板の粘着を阻害する方法や、生体膜類似表面構造を有する2−メタクリロイルオキシエチルホスホコリン(MPC)の重合体を医用材料表面に固定化し表面を不活性化する方法等がある(例えば、非特許文献1参照。)。
しかし、ミクロ相分離構造を有するミクロ相分離表面は、適度な相分離状態にコントロールすることにより良好な血液適合性を発現することが可能となるが、そのような相分離を作製できる条件は限られており用途に制限があった。また、MPCは材料自身及び固定化方法の煩雑さによる高コスト化、均質な固定化表層の獲得の困難さ、といった面での問題が残っている。
一方、医用材料の簡便な表面処理方法として、ポリアルキレングリコール鎖等の親水性の高分子鎖を表面に固定化し血漿タンパク質の吸着及び血小板の粘着を抑制する試みがなされている(例えば、特許文献2,3、非特許文献4,5参照。)。ポリアルキレングリコール鎖を固定化した表面は、ポリアルキレングリコール鎖のミクロブラウン運動による排除体積効果によりいわゆる散漫層を形成し、血漿タンパク質の吸着及び血小板の粘着が抑制される。しかし、この方法はポリアルキレングリコール鎖が経時的に医用材料の表面から内部に埋め込まれやすく、血漿タンパク質等の吸着及び血小板の粘着を長期的には抑制できないことから、十分な抗血栓性を発現するには至っていない。また、ポリアルキレングリコール鎖を医用材料表面に固定化する反応において、ポリアルキレングリコールと高分子材料である医用材料との反応性の低さから、ポリアルキレングリコールを医用材料表面に高密度に導入することは困難だった。
従って、簡便な処理方法で提供でき、長期的に抗血栓性を発現する抗血栓性材料は未だ得られていなかった。
バイオマテリアル,22(2),p130−139(2004)
本発明は、ポリアルキレングリコール鎖が医用材料表面に高密度に存在し、かつ、医用材料内部に埋め込まれることなく、長期的に血小板の粘着を抑制することが可能な抗血栓性医用材料、並びにその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ポリアルキレングリコール鎖を有する多分岐高分子化合物を高分子材料表面に固定化することで長期的に血小板の粘着を抑制することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
(1)ポリアルキレングリコール鎖を含む多分岐高分子化合物を高分子材料表面に有する抗血栓性医用材料。
(2)ポリアルキレングリコール鎖を含む多分岐高分子化合物がハイパーブランチポリマーとポリアルキレングリコールとの共有結合により形成されている上記(1)に記載の抗血栓性医用材料。
(3)ポリアルキレングリコール鎖を含む多分岐高分子化合物が反応性官能基を有する高分子材料表面と共有結合していることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の抗血栓性医用材料。
(4)ポリアルキレングリコール鎖を含む多分岐高分子化合物を高分子材料表面に作製する工程において、ハイパーブランチポリマーとポリアルキレングリコールとを反応させてポリアルキレングリコール鎖を含む多分岐高分子化合物を合成し、次いで、得られた前記多分岐高分子化合物と反応性官能基を有する高分子材料表面とを反応させることによりポリアルキレングリコール鎖を含む多分岐高分子化合物を高分子材料表面に作製する抗血栓性材料の製造方法。
(5)前記ハイパーブランチポリマーとポリアルキレングリコールとを反応させてポリアルキレングリコール鎖を含む多分岐高分子化合物を合成する工程において、ハイパーブランチポリマーの反応性官能基とポリアルキレングリコールの反応性官能基との仕込みモル比が1/0.3〜1/0.9である上記(4)に記載の抗血栓性医用材料の製造方法。
すなわち、本発明は、
(1)ポリアルキレングリコール鎖を含む多分岐高分子化合物を高分子材料表面に有する抗血栓性医用材料。
(2)ポリアルキレングリコール鎖を含む多分岐高分子化合物がハイパーブランチポリマーとポリアルキレングリコールとの共有結合により形成されている上記(1)に記載の抗血栓性医用材料。
(3)ポリアルキレングリコール鎖を含む多分岐高分子化合物が反応性官能基を有する高分子材料表面と共有結合していることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の抗血栓性医用材料。
(4)ポリアルキレングリコール鎖を含む多分岐高分子化合物を高分子材料表面に作製する工程において、ハイパーブランチポリマーとポリアルキレングリコールとを反応させてポリアルキレングリコール鎖を含む多分岐高分子化合物を合成し、次いで、得られた前記多分岐高分子化合物と反応性官能基を有する高分子材料表面とを反応させることによりポリアルキレングリコール鎖を含む多分岐高分子化合物を高分子材料表面に作製する抗血栓性材料の製造方法。
(5)前記ハイパーブランチポリマーとポリアルキレングリコールとを反応させてポリアルキレングリコール鎖を含む多分岐高分子化合物を合成する工程において、ハイパーブランチポリマーの反応性官能基とポリアルキレングリコールの反応性官能基との仕込みモル比が1/0.3〜1/0.9である上記(4)に記載の抗血栓性医用材料の製造方法。
本発明は、優れた抗血栓性を長期的に有する医用材料及びその製造方法に関するものであって、血液と接触した際に、ハイパーブランチポリマーを利用して高分子材料表面に高密度に固定化されたポリエチレングリコール鎖が血小板の粘着を抑制することにより優れた抗血栓性を発現し、更に、ハイパーブランチポリマーがポリエチレングリコール鎖の効果を長期的に持続させることから、人工腎臓用膜、血漿分離用膜、カテーテル、ステント、人工肺用膜及び人工血管等の医療用具の材料として極めて有効である。
以下に、本発明の抗血栓性医用材料及びその製造方法について詳細に説明する。
本発明において用いる多分岐高分子化合物とは、高分子化合物の構造全体もしくは構造の一部分に高度に分岐した構造を有する高分子化合物である。すなわち、本発明において用いるポリアルキレングリコール鎖を含む多分岐高分子化合物とは、分岐鎖にポリアルキレングリコール鎖を有する高度な分岐構造を持つ高分子化合物、もしくは末端にポリアルキレングリコール鎖を有する高度な分岐構造を持つ高分子化合物である。高度に分岐した構造を有する高分子化合物は、同じ一次構造を持つ直鎖状高分子化合物に比べ剛直な構造となることから、ポリアルキレングリコール鎖を含む多分岐高分子化合物を高分子材料表面に結合させた場合、ポリアルキレングリコール鎖の高分子材料内部への潜り込みが抑制され、ポリアルキレングリコール鎖を長期的に高分子材料表面に存在させることが可能となる。
前記にある高度に分岐した構造を有する高分子化合物としては、デンドリマーとハイパーブランチポリマーが知られている。デンドリマーは、分子量の小さなモノマーから出発して、分岐を有する化合物を逐次的に反応させて得られる高分子化合物である。デンドリマーは均一な構造と正確な分子量を有しており、その構造的特徴及び分岐構造の制御性の高さから遺伝子送達や薬剤送達用のキャリアー、磁気共鳴画像法(MRI)用の造影剤等の応用研究が積極的に進められている。しかし、反応の各段階で手間とコストのかかる官能基の保護・脱保護の繰り返しやカラムクロマトグラフィーのような精製工程が必要となるため、工業的な大量合成が難しく高価なものとなり、使用用途が制限されるという課題がある。
本発明において用いる多分岐高分子化合物とは、高分子化合物の構造全体もしくは構造の一部分に高度に分岐した構造を有する高分子化合物である。すなわち、本発明において用いるポリアルキレングリコール鎖を含む多分岐高分子化合物とは、分岐鎖にポリアルキレングリコール鎖を有する高度な分岐構造を持つ高分子化合物、もしくは末端にポリアルキレングリコール鎖を有する高度な分岐構造を持つ高分子化合物である。高度に分岐した構造を有する高分子化合物は、同じ一次構造を持つ直鎖状高分子化合物に比べ剛直な構造となることから、ポリアルキレングリコール鎖を含む多分岐高分子化合物を高分子材料表面に結合させた場合、ポリアルキレングリコール鎖の高分子材料内部への潜り込みが抑制され、ポリアルキレングリコール鎖を長期的に高分子材料表面に存在させることが可能となる。
前記にある高度に分岐した構造を有する高分子化合物としては、デンドリマーとハイパーブランチポリマーが知られている。デンドリマーは、分子量の小さなモノマーから出発して、分岐を有する化合物を逐次的に反応させて得られる高分子化合物である。デンドリマーは均一な構造と正確な分子量を有しており、その構造的特徴及び分岐構造の制御性の高さから遺伝子送達や薬剤送達用のキャリアー、磁気共鳴画像法(MRI)用の造影剤等の応用研究が積極的に進められている。しかし、反応の各段階で手間とコストのかかる官能基の保護・脱保護の繰り返しやカラムクロマトグラフィーのような精製工程が必要となるため、工業的な大量合成が難しく高価なものとなり、使用用途が制限されるという課題がある。
一方、ハイパーブランチポリマーは、一分子中に2種類の置換基を合計3個以上有する多官能性モノマー、いわゆるABX型モノマーの自己縮合、もしくは一分子中に開始剤部位を有するビニルモノマーの連鎖重合により合成される高分子化合物である。ここでA、Bは互いに縮合反応することができる置換基を表し、Xはモノマー1分子中の官能基Bの個数を表し、2個、3個もしくはそれ以上の数を示す。ハイパーブランチポリマーはデンドリマーに比べ、分子量や分岐度が不規則となり、また三次元的構造を精密に制御することは難しいが、多分岐構造を有する高分子化合物を工業的に簡便かつ安価に合成できるので好ましい。すなわち、本発明において用いるポリアルキレングリコール鎖を含む多分岐高分子化合物とは、分岐鎖にポリアルキレングリコール鎖を有するハイパーブランチポリマー、もしくは末端にポリアルキレングリコール鎖を有するハイパーブランチポリマーを示す。
ハイパーブランチポリマーの合成方法としては、学術文献等に記載されている、重縮合、カチオン重合、ラジカル重合、グループトランスファー重合等の方法が挙げられるが、様々な分子構造を有するハイパーブランチポリマーを容易に合成することができることからABX型モノマーの重縮合による合成が望ましい。具体的には、「デンドリマーの科学と機能」、(株)アイピーシー、p79(2000)等に記載の方法が挙げられる。
重縮合でハイパーブランチポリマーを合成する場合、基本的には直鎖状の縮合系高分子化合物の合成で利用可能な反応をABX型モノマーに適用すれば良い。例えば、ABX型モノマーの官能基Aとしては、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エステル基、イソシアネート基、ハロゲン基、エポキシ基、ビニル基、シリル基等が挙げられる。官能基Bは前記官能基Aと反応して化学結合を形成し得るものであり、官能基Aの種類ごとに異なる。例えば、官能基Aが水酸基のときにはカルボキシル基、エステル基、イソシアネート基、ハロゲン基等が選択できる。すなわち、1つのABX型モノマーに対し複数個のABX型モノマーが縮合し、結合したABX型モノマーに更に複数個のABX型モノマーが縮合することを繰り返すことにより、高度な分岐構造を有することが可能となる。このとき、官能基Bの個数であるXの数が多いほうが、得られるハイパーブランチポリマーの分岐数が多くなり高度な分岐構造を有することから好ましい。
重縮合でハイパーブランチポリマーを合成する場合、基本的には直鎖状の縮合系高分子化合物の合成で利用可能な反応をABX型モノマーに適用すれば良い。例えば、ABX型モノマーの官能基Aとしては、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エステル基、イソシアネート基、ハロゲン基、エポキシ基、ビニル基、シリル基等が挙げられる。官能基Bは前記官能基Aと反応して化学結合を形成し得るものであり、官能基Aの種類ごとに異なる。例えば、官能基Aが水酸基のときにはカルボキシル基、エステル基、イソシアネート基、ハロゲン基等が選択できる。すなわち、1つのABX型モノマーに対し複数個のABX型モノマーが縮合し、結合したABX型モノマーに更に複数個のABX型モノマーが縮合することを繰り返すことにより、高度な分岐構造を有することが可能となる。このとき、官能基Bの個数であるXの数が多いほうが、得られるハイパーブランチポリマーの分岐数が多くなり高度な分岐構造を有することから好ましい。
ABX型モノマーの具体例としては、例えば、Xが2個の場合、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、3,5−ジアミノ安息香酸、5−アミノイソフタル酸、3,5−ビス(アミノフェノキシ)安息香酸、5−(ブロモメチル)−1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジブロモ−5−((トリメチルシリル)エチニル)ベンゼン、3,5−ジブロモアニリン、またはこれらの誘導体等が挙げられる。Xが3個の場合は、2−(ヒドロキシメチル)−2−(カルボキシメトキシメチル)−1,3−プロパンジイルビスオキシ二酢酸、またはこれらの誘導体等が挙げられる。
ハイパーブランチポリマーの重縮合反応において反応溶媒及び反応触媒を用いる場合は、通常の直鎖状縮合系高分子化合物の合成で利用可能な反応溶媒及び反応触媒を適用すれば良い。また、反応温度や反応圧力等の反応条件も通常の直鎖状縮合系高分子化合物の合成で適用可能な反応条件を適用すれば良い。
ハイパーブランチポリマーの重縮合反応において反応溶媒及び反応触媒を用いる場合は、通常の直鎖状縮合系高分子化合物の合成で利用可能な反応溶媒及び反応触媒を適用すれば良い。また、反応温度や反応圧力等の反応条件も通常の直鎖状縮合系高分子化合物の合成で適用可能な反応条件を適用すれば良い。
また、ハイパーブランチポリマーは前記のようなABX型モノマー単独の重縮合だけでなく、数種類の異なる分子構造を持つ多官能性モノマーとの共重縮合より合成しても良い。
本発明において用いるハイパーブランチポリマーの分子量(重量平均分子量)は1,000〜500,000が好ましく、3,000〜100,000が更に好ましい。
本発明において用いるハイパーブランチポリマーの分子量(重量平均分子量)は1,000〜500,000が好ましく、3,000〜100,000が更に好ましい。
分子構造にポリアルキレングリコール鎖を有するABX型モノマーを重縮合した場合、分岐鎖にポリアルキレングリコール鎖を有するハイパーブランチポリマーを合成することができる。ポリアルキレングリコールの例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等が挙げられるが、特にポリエチレングリコールが好ましい。また、アルキレングリコール単位の繰り返し数は、2〜300が好ましく、3〜30が更に好ましい。具体的には、例えば、3,5−ジヒドロキシ安息香酸メチルのヒドロキシル基に、エチレングリコール単位の繰り返し数が6のポリエチレングリコールを導入した、3,5−ビス(ヘキサエチレングリコール)安息香酸メチルを重縮合することにより分岐鎖にポリエチレングリコール鎖を有するハイパーブランチポリマーを合成することができる。
このハイパーブランチポリマーは末端にメチルエステル基を有しているので、例えば水酸基やアミノ基などの反応性官能基を導入した高分子材料と反応させると、高分子材料表面に共有結合により分岐鎖にポリエチレングリコール鎖を有するハイパーブランチポリマーを固定化することができる。固定化において反応溶媒及び反応触媒を用いる場合は、通常の高分子反応で利用可能な反応溶媒及び反応触媒を適用すれば良い。また、反応温度や反応圧力等の反応条件も通常の高分子反応で適用可能な反応条件を適用すれば良い。
このハイパーブランチポリマーは末端にメチルエステル基を有しているので、例えば水酸基やアミノ基などの反応性官能基を導入した高分子材料と反応させると、高分子材料表面に共有結合により分岐鎖にポリエチレングリコール鎖を有するハイパーブランチポリマーを固定化することができる。固定化において反応溶媒及び反応触媒を用いる場合は、通常の高分子反応で利用可能な反応溶媒及び反応触媒を適用すれば良い。また、反応温度や反応圧力等の反応条件も通常の高分子反応で適用可能な反応条件を適用すれば良い。
一方、ABX型モノマーの重縮合により合成したハイパーブランチポリマーは、ポリマー末端にABX型モノマー由来の官能基Bを多数有する。例えば、3,5−ビス(アミノフェノキシ)安息香酸を重縮合して得られるハイパーブランチポリアミドはポリマー末端に多数のアミノ基を有し、2−(ヒドロキシメチル)−2−(カルボキシメトキシメチル)−1,3−プロパンジイルビスオキシ二酢酸を重縮合して得られるハイパーブランチポリエステルはポリマー末端に多数のカルボキシル基を有する。この末端官能基は通常の高分子反応と同様にポリアルキレングリコールと共有結合することができることから、ハイパーブランチポリマーとポリアルキレングリコールとの共有結合により末端にポリアルキレングリコール鎖を有するハイパーブランチポリマーを合成することができる。
前記のポリアルキレングリコールの例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等が挙げられるが、特にポリエチレングリコールが好ましい。ポリアルキレングリコールの分子量(重量平均分子量、以下同じ)は、400〜20,000が好ましく、1,000〜10,000が更に好ましい。前記ポリアルキレングリコールには、片末端もしくは両末端にアミノ基、カルボキシル基、水酸基等の反応性官能基を有するポリアルキレングリコール、アルキレングリコール共重合体、これらの末端官能基を活性化した誘導体も含まれる。ただし、両末端に反応性官能基を有するポリアルキレングリコールの場合、ポリアルキレングリコールの両末端でハイパーブランチポリマーに結合しループ状のポリアルキレングリコール鎖を形成する可能性がある。ループ状のポリアルキレングリコール鎖では鎖の運動性が抑制され血小板の粘着を抑制し難くなることから、片末端に反応性官能基を有するポリアルキレングリコール鎖を使用したほうが好ましい。具体的には、例えば、ハイパーブランチポリマーの末端官能基が水酸基もしくはアミノ基である場合、片末端にカルボキシル基、酸クロライド基、活性エステル基、エポキシ基、イソシアネート基、アルデヒド基等を有するポリアルキレングリコールと共有結合することができる。また、ハイパーブランチポリマーの末端官能基がカルボキシル基である場合、片末端に水酸基、アミノ基等を有するポリアルキレングリコールと共有結合することができる。
前記のポリアルキレングリコールの例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等が挙げられるが、特にポリエチレングリコールが好ましい。ポリアルキレングリコールの分子量(重量平均分子量、以下同じ)は、400〜20,000が好ましく、1,000〜10,000が更に好ましい。前記ポリアルキレングリコールには、片末端もしくは両末端にアミノ基、カルボキシル基、水酸基等の反応性官能基を有するポリアルキレングリコール、アルキレングリコール共重合体、これらの末端官能基を活性化した誘導体も含まれる。ただし、両末端に反応性官能基を有するポリアルキレングリコールの場合、ポリアルキレングリコールの両末端でハイパーブランチポリマーに結合しループ状のポリアルキレングリコール鎖を形成する可能性がある。ループ状のポリアルキレングリコール鎖では鎖の運動性が抑制され血小板の粘着を抑制し難くなることから、片末端に反応性官能基を有するポリアルキレングリコール鎖を使用したほうが好ましい。具体的には、例えば、ハイパーブランチポリマーの末端官能基が水酸基もしくはアミノ基である場合、片末端にカルボキシル基、酸クロライド基、活性エステル基、エポキシ基、イソシアネート基、アルデヒド基等を有するポリアルキレングリコールと共有結合することができる。また、ハイパーブランチポリマーの末端官能基がカルボキシル基である場合、片末端に水酸基、アミノ基等を有するポリアルキレングリコールと共有結合することができる。
末端にポリアルキレングリコール鎖を有するハイパーブランチポリマーを高分子材料表面に作製する製造方法として、先ずハイパーブランチポリマーと反応性官能基を有する高分子材料表面を反応させ、次いで高分子材料表面に共有結合されたハイパーブランチポリマーとポリアルキレングリコールを反応させるというビルトアップ的な順序で作製する方法(方法1)が挙げられる。しかし、水酸基、アミノ基、カルボキシル基等の水素結合能を持つ末端官能基を有するハイパーブランチポリマーを高分子材料表面に固定化した場合、高分子材料表面でハイパーブランチポリマーが濃縮され、ハイパーブランチポリマー分子内及び分子間での末端官能基の水素結合が促進されることにより末端官能基の反応性が著しく低下し、次の反応工程であるハイパーブランチポリマーとポリアルキレングリコールの反応が進行しにくくなる。これに対し、先ずハイパーブランチポリマーとポリエチレングリコールを溶液中で反応させ、次いで得られたポリアルキレングリコール鎖を含むハイパーブランチポリマーと反応性官能基を有する高分子材料表面を溶液中で反応させる方法(方法2)は、ハイパーブランチポリマーの希薄濃度溶液で反応を行うことができ、水素結合能を持つ末端官能基を有するハイパーブランチポリマーを使用した場合でも水素結合が抑制され、効率良く反応を進行させることができるため、ポリアルキレングリコール鎖を高分子材料表面に高密度に固定化させる方法として好ましい。更に、前記方法2によれば、ハイパーブランチポリマーとポリアルキレングリコールを定量的に反応させることができるので、高分子材料表面へのポリアルキレングリコール鎖の固定化量を制御することが容易となる。ハイパーブランチポリマーの希薄濃度溶液で反応を行う別の製造方法として、ハイパーブランチポリマーとポリアルキレングリコールと反応性官能基を有する高分子材料を同一溶液に一度に仕込んでそれぞれの反応を同時に行う方法(方法3)も考えられるが、高分子材料表面へのハイパーブランチポリマーの結合が優先的に進行した場合には、前記の場合と同じく、高分子材料表面でのハイパーブランチポリマーの水素結合が促進され、高分子材料表面へ結合したハイパーブランチポリマーとポリアルキレングリコールの反応が進行しにくくなると考えられる。
前記方法2のハイパーブランチポリマーとポリアルキレングリコールとの反応において、ポリアルキレングリコールの反応性官能基の数に対してハイパーブランチポリマーの反応性官能基が過剰量となるようにハイパーブランチポリマーとポリアルキレングリコールを反応系に仕込むと、得られる反応物には原料のハイパーブランチポリマーの反応性官能基を残存させることができる。次の反応工程でこの反応物と反応性官能基を有する高分子材料とを反応させると、残存したハイパーブランチポリマーの反応性官能基と高分子材料表面の反応性官能基とが反応し、高分子材料表面に末端にポリアルキレングリコール鎖を有するハイパーブランチポリマーを固定化することができる。ハイパーブランチポリマー中の繰り返し単位であるABX型モノマーのモル数をm、モノマー1分子中の置換基Bの個数をx、片末端に官能基を有するポリアルキレングリコールのモル数をnとした場合、ハイパーブランチポリマーの反応性官能基とポリアルキレングリコールの反応性官能基との仕込みモル比は、(x−1)×n/mで表される。この時、ハイパーブランチポリマーの反応性官能基とポリアルキレングリコールの反応性官能基との仕込みモル比は、1/0.3〜1/0.9が好ましく、1/0.5〜1/0.8が更に好ましい。仕込みモル比が1/0.3より少ないと、反応により得られる反応物中に含まれるポリアルキレングリコール鎖の量が少なくなるため、抗血栓性を発現するのに十分な量のポリアルキレングリコール鎖を高分子材料表面に固定化させることができない。また、仕込みモル比が1/0.9より多いと、反応により得られる反応物中に残存する反応性官能基の量が少なくなり反応物と高分子材料表面との反応が困難となるため、抗血栓性を発現するのに十分な量のポリアルキレングリコール鎖を高分子材料表面に固定化させることができない。
図1に前記方法2の1例を表す模式図を示す。図1において、AB2型モノマーから合成されるハイパーブランチポリマー(I)とハイパーブランチポリマーの末端官能基Bと反応可能な官能基Rを片末端に有するポリエチレングリコール(II)を反応させ、得られる反応物(III)と反応物(III)に残存する置換基Bと反応可能な置換基R’を表面に有する高分子材料(IV)を反応させることにより、末端にポリアルキレングリコール鎖を有するハイパーブランチポリマーを固定化した高分子材料表面(V)を得ることができる。ハイパーブランチポリマー(I)とポリエチレングリコール(II)との反応、及び反応物(III)と高分子材料(IV)との反応で用いる反応溶媒及び反応触媒は、通常の高分子反応で利用可能な反応溶媒及び反応触媒を適用することができる。また、反応温度や反応圧力等の反応条件も通常の高分子反応で適用可能な反応条件を適用することができる。
本発明において用いる高分子材料とは、ポリアルキレングリコール鎖を含む多分岐高分子化合物と共有結合可能な反応性官能基を表面に有するものが挙げられる。例えば、ポリビニルアルコール、セルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリビニルアミン、キトサン、ポリ塩化ビニル等を挙げることができる。反応性官能基を表面に有していない高分子材料に対しては、前記の反応性官能基を有する高分子材料をコーティングしたり、ブレンドしたりして表面に反応性官能基を導入することができる。また、反応性官能基を表面に有していない高分子材料に対して、プラズマ照射、紫外線照射、放射線・電子線照射、化学的処理、グラフト重合等の既存の方法を適用し反応性官能基を導入することもできる。例えば、(1)高分子材料にアンモニアあるいは水素と窒素の存在下でプラズマ照射することにより表面にアミノ基を導入する方法、(2)高分子材料に空気の存在下で電子線照射することにより表面に水酸基及びカルボキシル基を導入する方法、(3)ポリエチレン等のポリオレフィンに硫酸を反応させ表面に硫酸基を導入する方法、(4)ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルにエチレンジアミン等のジアミンを反応させアミノリシスにより表面にアミノ基を導入させる方法、(5)ポリブタジエン等の不飽和炭素を有する高分子材料に過マンガン酸カリウム等の酸化剤を反応させ表面に水酸基を導入する方法、(6)高分子材料表面にアクリル酸、アクリルアミド等の反応性官能基を有するモノマーをグラフト重合する方法、等を挙げることができる。前記のような化学的・物理的処理を行うことにより、公知の高分子材料のほとんどが適用可能となる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、スチレン−ブタジエン系ブロック共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系ブロック共重合体、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテル−エステル系ブロック共重合体、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、シリコーン、セルロース及び酢酸セルロース等を挙げることができる。これらの高分子材料を医用材料として使用する場合の形態については、非多孔質、多孔質、織物、編物等いずれの形態でも良く、形状についても、チューブ状、円筒状、シート状、板状、ブロック状、繊維状等、使用目的に応じていかなる形状のものでも良いし、複数の材料からなる複合構造体であっても良い。
高分子材料表面に固定化されたポリアルキレングリコール鎖の量を定量化するためには、簡便な方法としては固定化前後での重量の増加を測定すれば良い。ただし、前記方法2の製造方法だとハイパーブランチポリマーの重量とポリアルキレングリコールの重量を分けることが難しいため、高分子材料表面のX線光電子分光分析(XPS)を行い、検出された炭素原子(C1s)ピークを波形分離して高分子材料及びハイパーブランチポリマー由来の脂肪族炭素ピークとポリアルキレングリコール由来のエーテル炭素ピークの面積比を算出し、固定化されたポリアルキレングリコール鎖の量を定量化することが望ましい。未処理の高分子材料表面におけるピーク面積比の値に比べ処理後の高分子材料表面におけるピーク面積比の値が大きければ、高分子材料表面にポリアルキレングルコール鎖が固定化されていると判断することができ、ピーク面積比の値が大きいほど固定化されたポリアルキレングルコール鎖の量が多いと判断することができる。
次に、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
[実施例1]
ハイパーブランチポリエステル(1)の合成(化学式1)
フラスコ中に、1,2−ジクロロメタン5mLとベンゼン5mLの混合溶媒に溶解させた2−(ヒドロキシメチル)−2−(カルボキシメトキシメチル)−1,3−プロパンジイルビスオキシ二酢酸1.6g(5.2mmol)とHfCl4(THF)20.046g(0.09mmol)を加え、モレキュラーシーブを詰めた滴下漏斗を用いて12時間還流脱水を行った。反応後、メタノールに反応液を注ぎポリマーを析出させた。ポリマーをろ過後、メタノールで還流洗浄し、80℃で真空乾燥させることによりハイパーブランチポリエステル(1)1.2g(収率:75%)を得た。
得られたポリマーの構造を同定するために、水酸化ナトリウムを用いてポリマー末端のカルボキシル基をナトリウム塩とした後、1H−NMR(D2O)及びIR(KBr)により測定を行った。1H−NMRにより4.0,3.7,3.6ppmにメチレンプロトンに由来するピークが認められ、IRにより1755cm−1にカルボニルの吸収が認められた。また、0.2Nの水酸化ナトリウム水溶液と0.01Nの塩酸水溶液を用いて逆滴定を行い、ポリマー末端に多数のカルボキシル基が存在していることを確認した。ポリマーの分子量をゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC、遊離液:0.01mol/L臭化リチウム入りDMF、標準物質:ポリスチレン)で測定したところ、重量平均分子量(Mw)は6,900、分子量分布(Mw/Mn)は1.4であった。
[実施例1]
ハイパーブランチポリエステル(1)の合成(化学式1)
フラスコ中に、1,2−ジクロロメタン5mLとベンゼン5mLの混合溶媒に溶解させた2−(ヒドロキシメチル)−2−(カルボキシメトキシメチル)−1,3−プロパンジイルビスオキシ二酢酸1.6g(5.2mmol)とHfCl4(THF)20.046g(0.09mmol)を加え、モレキュラーシーブを詰めた滴下漏斗を用いて12時間還流脱水を行った。反応後、メタノールに反応液を注ぎポリマーを析出させた。ポリマーをろ過後、メタノールで還流洗浄し、80℃で真空乾燥させることによりハイパーブランチポリエステル(1)1.2g(収率:75%)を得た。
得られたポリマーの構造を同定するために、水酸化ナトリウムを用いてポリマー末端のカルボキシル基をナトリウム塩とした後、1H−NMR(D2O)及びIR(KBr)により測定を行った。1H−NMRにより4.0,3.7,3.6ppmにメチレンプロトンに由来するピークが認められ、IRにより1755cm−1にカルボニルの吸収が認められた。また、0.2Nの水酸化ナトリウム水溶液と0.01Nの塩酸水溶液を用いて逆滴定を行い、ポリマー末端に多数のカルボキシル基が存在していることを確認した。ポリマーの分子量をゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC、遊離液:0.01mol/L臭化リチウム入りDMF、標準物質:ポリスチレン)で測定したところ、重量平均分子量(Mw)は6,900、分子量分布(Mw/Mn)は1.4であった。
[実施例2]
ハイパーブランチポリアミド(2)の合成(化学式2)
フラスコ中に、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)5mLに溶解させた3,5−ビス(4−アミノフェノキシ)安息香酸0.84g(2.5mmol)を加え、次いでピリジン1.25mLと亜りん酸トリフェニル1.3mL(5.0mmol)を加え、窒素雰囲気下で100℃で3時間加熱攪拌した。反応後、メタノールに反応液を注ぎポリマーを析出させた。ポリマーをろ過後、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解させ、0.1%塩化リチウム入りメタノールに注ぎポリマーを析出させた。ポリマーをろ過後、冷メタノールで洗浄し、90℃で真空乾燥させることによりハイパーブランチポリアミド(2)0.77g(収率:92%)を得た。
得られたポリマーの構造を1H−NMR(DMF−d7)及びIR(KBr)により同定した。1H−NMRにより10.3ppmにアミドプロトンに由来するピークが認められ、IRにより1655cm−1にアミド結合に由来するカルボニルの吸収が認められた。また、1H−NMRにより5.67ppmに未反応のアミノ基が認められたことから、ポリマー末端には多数のアミノ基が存在していることが分かった。ポリマーの分子量をGPC(遊離液:0.01mol/L臭化リチウム入りDMF)で測定したところ、重量平均分子量(Mw)は36,800、分子量分布(Mw/Mn)は1.8であった。
ハイパーブランチポリアミド(2)の合成(化学式2)
フラスコ中に、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)5mLに溶解させた3,5−ビス(4−アミノフェノキシ)安息香酸0.84g(2.5mmol)を加え、次いでピリジン1.25mLと亜りん酸トリフェニル1.3mL(5.0mmol)を加え、窒素雰囲気下で100℃で3時間加熱攪拌した。反応後、メタノールに反応液を注ぎポリマーを析出させた。ポリマーをろ過後、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解させ、0.1%塩化リチウム入りメタノールに注ぎポリマーを析出させた。ポリマーをろ過後、冷メタノールで洗浄し、90℃で真空乾燥させることによりハイパーブランチポリアミド(2)0.77g(収率:92%)を得た。
得られたポリマーの構造を1H−NMR(DMF−d7)及びIR(KBr)により同定した。1H−NMRにより10.3ppmにアミドプロトンに由来するピークが認められ、IRにより1655cm−1にアミド結合に由来するカルボニルの吸収が認められた。また、1H−NMRにより5.67ppmに未反応のアミノ基が認められたことから、ポリマー末端には多数のアミノ基が存在していることが分かった。ポリマーの分子量をGPC(遊離液:0.01mol/L臭化リチウム入りDMF)で測定したところ、重量平均分子量(Mw)は36,800、分子量分布(Mw/Mn)は1.8であった。
[実施例3]
実施例1で得られたハイパーブランチポリエステル(1)とポリエチレングリコールを反応させるために、まず、ハイパーブランチポリエステル(1)の末端官能基であるカルボキシル基を酸クロライドに変換し活性化させた。フラスコ中に、水酸化カリウム0.54g(9.7mmol)を溶解させたメタノール10mLを注ぎ、これにハイパーブランチポリエステル(1)1.0g(3.2mmol)を加えて1時間攪拌させ溶解させた。その後、エバポレーターでメタノールを留去し減圧乾燥した。この中に塩化チオニル3.0mL(41mmol)を加え、24時間加熱還流させた。反応後、減圧下で塩化チオニルを除去し、これにベンゼンを加え生成した塩化カリウムを除去するためにろ過した。その後、減圧下で蒸留を行うことによりハイパーブランチポリエステルの酸クロライド化物を得た。IR(KBr)測定により、カルボキシル基が酸クロライドに変換されていることを確認した。
次に、得られたハイパーブランチポリエステルの酸クロライド化物0.37g(酸クロライド化物中のモノマー繰り返し単位1.0mmol)にベンゼン10mLを加え、これに重量平均分子量が5,000のポリエチレングリコール−モノメチルエーテル(mPEG)6.1g(1.2mmol、ハイパーブランチポリエステルのカルボキシル基とmPEGの水酸基との仕込みモル比1/0.6)及びトリエチルアミン0.13g(1.3mmol)を溶解させたベンゼン溶液10mLを加え、室温で2時間反応させて、ハイパーブランチポリエステルとmPEGとの反応物を得た。反応物の分子量を測定するために、反応液をヘキサンに注ぎ析出させたポリマーをGPC(遊離液:DMF、標準物質:ポリスチレン)で測定したところ、ハイパーブランチポリエステル及びmPEGのピークは確認されず反応物のピークのみが確認された。この結果から、ハイパーブランチポリエステルとmPEGはほぼ仕込みモル比通りの割合で反応していると考えられる。また、反応液のIR(KBr)測定により、反応物には未反応の酸クロライドが残存していることを確認した。
実施例1で得られたハイパーブランチポリエステル(1)とポリエチレングリコールを反応させるために、まず、ハイパーブランチポリエステル(1)の末端官能基であるカルボキシル基を酸クロライドに変換し活性化させた。フラスコ中に、水酸化カリウム0.54g(9.7mmol)を溶解させたメタノール10mLを注ぎ、これにハイパーブランチポリエステル(1)1.0g(3.2mmol)を加えて1時間攪拌させ溶解させた。その後、エバポレーターでメタノールを留去し減圧乾燥した。この中に塩化チオニル3.0mL(41mmol)を加え、24時間加熱還流させた。反応後、減圧下で塩化チオニルを除去し、これにベンゼンを加え生成した塩化カリウムを除去するためにろ過した。その後、減圧下で蒸留を行うことによりハイパーブランチポリエステルの酸クロライド化物を得た。IR(KBr)測定により、カルボキシル基が酸クロライドに変換されていることを確認した。
次に、得られたハイパーブランチポリエステルの酸クロライド化物0.37g(酸クロライド化物中のモノマー繰り返し単位1.0mmol)にベンゼン10mLを加え、これに重量平均分子量が5,000のポリエチレングリコール−モノメチルエーテル(mPEG)6.1g(1.2mmol、ハイパーブランチポリエステルのカルボキシル基とmPEGの水酸基との仕込みモル比1/0.6)及びトリエチルアミン0.13g(1.3mmol)を溶解させたベンゼン溶液10mLを加え、室温で2時間反応させて、ハイパーブランチポリエステルとmPEGとの反応物を得た。反応物の分子量を測定するために、反応液をヘキサンに注ぎ析出させたポリマーをGPC(遊離液:DMF、標準物質:ポリスチレン)で測定したところ、ハイパーブランチポリエステル及びmPEGのピークは確認されず反応物のピークのみが確認された。この結果から、ハイパーブランチポリエステルとmPEGはほぼ仕込みモル比通りの割合で反応していると考えられる。また、反応液のIR(KBr)測定により、反応物には未反応の酸クロライドが残存していることを確認した。
[実施例4]
実施例3と同様に、ハイパーブランチポリエステル(1)の酸クロライド化物0.37g(酸クロライド化物中のモノマー繰り返し単位1.0mmol)、重量平均分子量が2,000のmPEG2.4g(1.2mmol、ハイパーブランチポリエステルのカルボキシル基とmPEGの水酸基との仕込みモル比1/0.6)及びトリエチルアミン0.13g(1.3mmol)を使用し、ハイパーブランチポリエステルとmPEGとの反応物を得た。GPC測定により、ハイパーブランチポリエステルとmPEGはほぼ仕込みモル比通りの割合で反応していることを確認した。また、反応液のIR(KBr)測定により、反応物には酸クロライドが残存していることを確認した。
実施例3と同様に、ハイパーブランチポリエステル(1)の酸クロライド化物0.37g(酸クロライド化物中のモノマー繰り返し単位1.0mmol)、重量平均分子量が2,000のmPEG2.4g(1.2mmol、ハイパーブランチポリエステルのカルボキシル基とmPEGの水酸基との仕込みモル比1/0.6)及びトリエチルアミン0.13g(1.3mmol)を使用し、ハイパーブランチポリエステルとmPEGとの反応物を得た。GPC測定により、ハイパーブランチポリエステルとmPEGはほぼ仕込みモル比通りの割合で反応していることを確認した。また、反応液のIR(KBr)測定により、反応物には酸クロライドが残存していることを確認した。
[実施例5]
実施例3と同様に、ハイパーブランチポリエステル(1)の酸クロライド化物0.37g(酸クロライド化物中のモノマー繰り返し単位1.0mmol)、重量平均分子量が5,000のmPEG8.1g(1.6mmol、ハイパーブランチポリエステルのカルボキシル基とmPEGの水酸基との仕込みモル比1/0.8)及びトリエチルアミン0.17g(1.7mmol)を使用し、ハイパーブランチポリエステルとmPEGとの反応物を得た。GPC測定により、ハイパーブランチポリエステルとmPEGはほぼ仕込みモル比通りの割合で反応していることを確認した。また、反応液のIR(KBr)測定により、反応物には酸クロライドが残存していることを確認した。
実施例3と同様に、ハイパーブランチポリエステル(1)の酸クロライド化物0.37g(酸クロライド化物中のモノマー繰り返し単位1.0mmol)、重量平均分子量が5,000のmPEG8.1g(1.6mmol、ハイパーブランチポリエステルのカルボキシル基とmPEGの水酸基との仕込みモル比1/0.8)及びトリエチルアミン0.17g(1.7mmol)を使用し、ハイパーブランチポリエステルとmPEGとの反応物を得た。GPC測定により、ハイパーブランチポリエステルとmPEGはほぼ仕込みモル比通りの割合で反応していることを確認した。また、反応液のIR(KBr)測定により、反応物には酸クロライドが残存していることを確認した。
[実施例6]
実施例2で得られたハイパーブランチポリアミド(2)0.60g(ハイパーブランチポリアミド中のモノマー繰り返し単位1.8mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)10mLに溶解させ、これにN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)活性エステル基とカルボキシメチル基を両末端に有する重量平均分子量が5,000のポリエチレングリコール(mPEG−NHS)5.4g(1.1mmol、ハイパーブランチポリアミドのアミノ基とmPEG−NHSのNHS活性エステル基との仕込みモル比1/0.6)及びジN,N−ジイソプロピルカルボジイミド(DIPC)0.14g(1.1mmol)を溶解させたDMF溶液5mLを加え、室温で2時間反応させて、ハイパーブランチポリアミドとmPEG−NHSとの反応物を得た。反応物の分子量を測定するために、反応液をヘキサンに注ぎ析出させたポリマーをGPC(遊離液:DMF、標準物質:ポリスチレン)で測定したところ、ハイパーブランチポリアミド及びmPEG−NHSのピークは確認されず反応物のピークのみが確認された。この結果から、ハイパーブランチポリアミドとmPEG−NHSはほぼ仕込みモル比通りの割合で反応していると考えられる。また、反応物の1H−NMR測定により、反応物には未反応のアミノ基が残存していることを確認した。
実施例2で得られたハイパーブランチポリアミド(2)0.60g(ハイパーブランチポリアミド中のモノマー繰り返し単位1.8mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)10mLに溶解させ、これにN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)活性エステル基とカルボキシメチル基を両末端に有する重量平均分子量が5,000のポリエチレングリコール(mPEG−NHS)5.4g(1.1mmol、ハイパーブランチポリアミドのアミノ基とmPEG−NHSのNHS活性エステル基との仕込みモル比1/0.6)及びジN,N−ジイソプロピルカルボジイミド(DIPC)0.14g(1.1mmol)を溶解させたDMF溶液5mLを加え、室温で2時間反応させて、ハイパーブランチポリアミドとmPEG−NHSとの反応物を得た。反応物の分子量を測定するために、反応液をヘキサンに注ぎ析出させたポリマーをGPC(遊離液:DMF、標準物質:ポリスチレン)で測定したところ、ハイパーブランチポリアミド及びmPEG−NHSのピークは確認されず反応物のピークのみが確認された。この結果から、ハイパーブランチポリアミドとmPEG−NHSはほぼ仕込みモル比通りの割合で反応していると考えられる。また、反応物の1H−NMR測定により、反応物には未反応のアミノ基が残存していることを確認した。
[実施例7]
エチレンジアミンによるアミノリシス反応を利用してPET表面に1級アミンを導入しアミノ化PETを調製した。二軸延伸PETシートをメタノールで8時間ソックスレー洗浄し、十分乾燥した後10×20mmにカットし、これを10wt%エチレンジアミン水溶液に浸漬させ、40℃で24 時間反応させた。反応後、蒸留水で十分洗浄したものを大気下で室温乾燥させた。PET表面へのアミノ基の導入は、酸性染料(アシッド・オレンジ7)による染色により確認した。pH3に調整した塩酸水溶液20mLにアシッド・オレンジ7を3.5mg溶解し、これにアミノ基を導入したPETシートを浸漬させ、30℃で5時間反応させた。反応後、1×10−3Nの塩酸水溶液で洗浄し、未反応のアシッド・オレンジ7を除去した。洗浄後のPET表面は濃オレンジ色に着色していたことから、PET表面には1級アミンが導入されていることを確認した。
エチレンジアミンによるアミノリシス反応を利用してPET表面に1級アミンを導入しアミノ化PETを調製した。二軸延伸PETシートをメタノールで8時間ソックスレー洗浄し、十分乾燥した後10×20mmにカットし、これを10wt%エチレンジアミン水溶液に浸漬させ、40℃で24 時間反応させた。反応後、蒸留水で十分洗浄したものを大気下で室温乾燥させた。PET表面へのアミノ基の導入は、酸性染料(アシッド・オレンジ7)による染色により確認した。pH3に調整した塩酸水溶液20mLにアシッド・オレンジ7を3.5mg溶解し、これにアミノ基を導入したPETシートを浸漬させ、30℃で5時間反応させた。反応後、1×10−3Nの塩酸水溶液で洗浄し、未反応のアシッド・オレンジ7を除去した。洗浄後のPET表面は濃オレンジ色に着色していたことから、PET表面には1級アミンが導入されていることを確認した。
[実施例8]
酸素ガス存在下で低温プラズマ処理を行いポリエチレンテレフタレート(PET)表面にカルボキシル基を導入しカルボキシル化PETを調製した。二軸延伸PETシートをメタノールで8時間ソックスレー洗浄し、十分乾燥した後10×20mmにカットし、これに低温プラズマ(酸素ガス、0.2torr)を20秒間照射した。反応後、蒸留水で十分洗浄したものを大気下で室温乾燥させた。PET表面へのカルボキシル基の導入は、塩基性染料(トルイジン・ブルーO)による染色により確認した。pH10に調整した水酸化ナトリウム水溶液20mLにトルイジン・ブルーOを3.1g溶解し、これにカルボキシル基を導入したPETシートを浸漬させ、30℃で5時間反応させた。反応後、1×10−4Nの水酸化ナトリウム水溶液で洗浄し、未反応のトルイジン・ブルーOを除去した。洗浄後のPET表面は濃紺色に着色していたことから、PET表面にはカルボキシル基が導入されていることを確認した。
酸素ガス存在下で低温プラズマ処理を行いポリエチレンテレフタレート(PET)表面にカルボキシル基を導入しカルボキシル化PETを調製した。二軸延伸PETシートをメタノールで8時間ソックスレー洗浄し、十分乾燥した後10×20mmにカットし、これに低温プラズマ(酸素ガス、0.2torr)を20秒間照射した。反応後、蒸留水で十分洗浄したものを大気下で室温乾燥させた。PET表面へのカルボキシル基の導入は、塩基性染料(トルイジン・ブルーO)による染色により確認した。pH10に調整した水酸化ナトリウム水溶液20mLにトルイジン・ブルーOを3.1g溶解し、これにカルボキシル基を導入したPETシートを浸漬させ、30℃で5時間反応させた。反応後、1×10−4Nの水酸化ナトリウム水溶液で洗浄し、未反応のトルイジン・ブルーOを除去した。洗浄後のPET表面は濃紺色に着色していたことから、PET表面にはカルボキシル基が導入されていることを確認した。
[実施例9]
実施例3で得られたハイパーブランチポリエステルとmPEG(分子量5,000、仕込みモル比1/0.6)との反応液にトリエチルアミン0.20(2.0mmol)を加え、これに実施例7で得られたアミノ化PETを浸漬させ40 ℃で24時間反応させた。その後、PETをベンゼン、THF、蒸留水で洗浄し、室温で真空乾燥することにより、ポリエチレングリコール鎖を有するハイパーブランチポリエステルを固定化したPET表面を得た。
PET表面に固定化されたポリエチレングリコール鎖を定量化するために、得られたPET表面のX線光電子分光分析(XPS)を行い、検出された炭素原子(C1s)ピークを波形分離してPET及びハイパーブランチポリエステル由来の脂肪族炭素ピークとポリエチレングリコール由来のエーテル炭素ピークの面積比を求めた。その結果は0.82であった。未処理のPET表面の面積比は0.37であることから、反応により得られたPET表面にはポリエチレングリコールが結合していることを確認した。
実施例3で得られたハイパーブランチポリエステルとmPEG(分子量5,000、仕込みモル比1/0.6)との反応液にトリエチルアミン0.20(2.0mmol)を加え、これに実施例7で得られたアミノ化PETを浸漬させ40 ℃で24時間反応させた。その後、PETをベンゼン、THF、蒸留水で洗浄し、室温で真空乾燥することにより、ポリエチレングリコール鎖を有するハイパーブランチポリエステルを固定化したPET表面を得た。
PET表面に固定化されたポリエチレングリコール鎖を定量化するために、得られたPET表面のX線光電子分光分析(XPS)を行い、検出された炭素原子(C1s)ピークを波形分離してPET及びハイパーブランチポリエステル由来の脂肪族炭素ピークとポリエチレングリコール由来のエーテル炭素ピークの面積比を求めた。その結果は0.82であった。未処理のPET表面の面積比は0.37であることから、反応により得られたPET表面にはポリエチレングリコールが結合していることを確認した。
[実施例10]
実施例9と同様に、実施例4で得られたハイパーブランチポリエステルとmPEG(分子量2,000、仕込みモル比1/0.6)との反応液、トリエチルアミン0.20(2.0mmol)、実施例7で得られたアミノ化PETを使用して、ポリエチレングリコール鎖を有するハイパーブランチポリエステルを固定化したPET表面を得た。XPSにより脂肪族炭素ピークとエーテル炭素ピークの面積比を求めたところ0.67であり、得られたPET表面にはポリエチレングリコールが結合していることを確認した。
実施例9と同様に、実施例4で得られたハイパーブランチポリエステルとmPEG(分子量2,000、仕込みモル比1/0.6)との反応液、トリエチルアミン0.20(2.0mmol)、実施例7で得られたアミノ化PETを使用して、ポリエチレングリコール鎖を有するハイパーブランチポリエステルを固定化したPET表面を得た。XPSにより脂肪族炭素ピークとエーテル炭素ピークの面積比を求めたところ0.67であり、得られたPET表面にはポリエチレングリコールが結合していることを確認した。
[実施例11]
実施例9と同様に、実施例5で得られたハイパーブランチポリエステルとmPEG(分子量5,000、仕込みモル比1/0.8)との反応液、トリエチルアミン0.20(2.0mmol)、実施例7で得られたアミノ化PETを使用して、ポリエチレングリコール鎖を有するハイパーブランチポリエステルを固定化したPET表面を得た。XPSにより脂肪族炭素ピークとエーテル炭素ピークの面積比を求めたところ1.06であり、得られたPET表面にはポリエチレングリコールが結合していることを確認した。
実施例9と同様に、実施例5で得られたハイパーブランチポリエステルとmPEG(分子量5,000、仕込みモル比1/0.8)との反応液、トリエチルアミン0.20(2.0mmol)、実施例7で得られたアミノ化PETを使用して、ポリエチレングリコール鎖を有するハイパーブランチポリエステルを固定化したPET表面を得た。XPSにより脂肪族炭素ピークとエーテル炭素ピークの面積比を求めたところ1.06であり、得られたPET表面にはポリエチレングリコールが結合していることを確認した。
[実施例12]
実施例6で得られたハイパーブランチポリアミドとmPEG(分子量5,000、仕込みモル比1/0.6)との反応液にN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)0.12g(1.0mmol)及びN,N−ジイソプロピルカルボジイミド(DIPC)0.14g(1.1mmol)を加え、これに実施例8で得られたカルボキシル化PETを浸漬させ40 ℃で24時間反応させた。その後、PETをベンゼン、THF、蒸留水で洗浄し、室温で真空乾燥することにより、ポリエチレングリコール鎖を有するハイパーブランチポリアミドを固定化したPET表面を得た。XPSによりPET及びハイパーブランチポリアミド由来の脂肪族炭素ピークとポリエチレングリコール由来のエーテル炭素ピークの面積比を求めたところ0.72であり、得られたPET表面にはポリエチレングリコールが結合していることを確認した。
実施例6で得られたハイパーブランチポリアミドとmPEG(分子量5,000、仕込みモル比1/0.6)との反応液にN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)0.12g(1.0mmol)及びN,N−ジイソプロピルカルボジイミド(DIPC)0.14g(1.1mmol)を加え、これに実施例8で得られたカルボキシル化PETを浸漬させ40 ℃で24時間反応させた。その後、PETをベンゼン、THF、蒸留水で洗浄し、室温で真空乾燥することにより、ポリエチレングリコール鎖を有するハイパーブランチポリアミドを固定化したPET表面を得た。XPSによりPET及びハイパーブランチポリアミド由来の脂肪族炭素ピークとポリエチレングリコール由来のエーテル炭素ピークの面積比を求めたところ0.72であり、得られたPET表面にはポリエチレングリコールが結合していることを確認した。
[比較例1]
実施例3と同様に、ハイパーブランチポリエステル(1)の酸クロライド化物0.37g(酸クロライド化物中のモノマー繰り返し単位1.0mmol)、重量平均分子量が5,000のmPEG0.81g(0.40mmol、ハイパーブランチポリエステルのカルボキシル基とmPEGの水酸基との仕込みモル比1/0.2)及びトリエチルアミン0.04g(0.43mmol)を使用し、ハイパーブランチポリエステルとmPEGとの反応物を得た。GPC測定により、ハイパーブランチポリエステルとmPEGはほぼ仕込みモル比通りの割合で反応していることを確認した。また、反応液のIR(KBr)測定により、反応物には酸クロライドが残存していることを確認した。
実施例3と同様に、ハイパーブランチポリエステル(1)の酸クロライド化物0.37g(酸クロライド化物中のモノマー繰り返し単位1.0mmol)、重量平均分子量が5,000のmPEG0.81g(0.40mmol、ハイパーブランチポリエステルのカルボキシル基とmPEGの水酸基との仕込みモル比1/0.2)及びトリエチルアミン0.04g(0.43mmol)を使用し、ハイパーブランチポリエステルとmPEGとの反応物を得た。GPC測定により、ハイパーブランチポリエステルとmPEGはほぼ仕込みモル比通りの割合で反応していることを確認した。また、反応液のIR(KBr)測定により、反応物には酸クロライドが残存していることを確認した。
[比較例2]
実施例3と同様に、ハイパーブランチポリエステル(1)の酸クロライド化物0.37g(酸クロライド化物中のモノマー繰り返し単位1.0mmol)、重量平均分子量が5,000のmPEG10g(1.9mmol、ハイパーブランチポリエステルのカルボキシル基とmPEGの水酸基との仕込みモル比1/0.95)及びトリエチルアミン0.20g(2.0mmol)を使用し、ハイパーブランチポリエステルとmPEGとの反応物を得た。GPC測定により、ハイパーブランチポリエステルとmPEGはほぼ仕込みモル比通りの割合で反応していることを確認した。しかし、反応液のIR(KBr)測定から反応物には酸クロライドがほとんど残存していなかった。
実施例3と同様に、ハイパーブランチポリエステル(1)の酸クロライド化物0.37g(酸クロライド化物中のモノマー繰り返し単位1.0mmol)、重量平均分子量が5,000のmPEG10g(1.9mmol、ハイパーブランチポリエステルのカルボキシル基とmPEGの水酸基との仕込みモル比1/0.95)及びトリエチルアミン0.20g(2.0mmol)を使用し、ハイパーブランチポリエステルとmPEGとの反応物を得た。GPC測定により、ハイパーブランチポリエステルとmPEGはほぼ仕込みモル比通りの割合で反応していることを確認した。しかし、反応液のIR(KBr)測定から反応物には酸クロライドがほとんど残存していなかった。
[比較例3]
実施例9と同様に、比較例1で得られたハイパーブランチポリエステルとmPEG(分子量5,000、仕込みモル比1/0.2)との反応液、トリエチルアミン0.20(2.0mmol)、実施例7で得られたアミノ化PETを使用して、ポリエチレングリコール鎖を有するハイパーブランチポリエステルとPETを反応させた。XPSにより脂肪族炭素ピークとエーテル炭素ピークの面積比を求めたところ0.46であり、得られたPETにはポリエチレングリコールがほとんど存在していなかった。
実施例9と同様に、比較例1で得られたハイパーブランチポリエステルとmPEG(分子量5,000、仕込みモル比1/0.2)との反応液、トリエチルアミン0.20(2.0mmol)、実施例7で得られたアミノ化PETを使用して、ポリエチレングリコール鎖を有するハイパーブランチポリエステルとPETを反応させた。XPSにより脂肪族炭素ピークとエーテル炭素ピークの面積比を求めたところ0.46であり、得られたPETにはポリエチレングリコールがほとんど存在していなかった。
[比較例4]
実施例9と同様に、比較例2で得られたハイパーブランチポリエステルとmPEG(分子量5,000、仕込みモル比1/0.95)との反応液、トリエチルアミン0.20(2.0mmol)、実施例7で得られたアミノ化PETを使用して、ポリエチレングリコール鎖を有するハイパーブランチポリエステルとPETを反応させた。XPSにより脂肪族炭素ピークとエーテル炭素ピークの面積比を求めたところ0.42であり、得られたPETにはポリエチレングリコールがほとんど存在していなかった。
実施例9と同様に、比較例2で得られたハイパーブランチポリエステルとmPEG(分子量5,000、仕込みモル比1/0.95)との反応液、トリエチルアミン0.20(2.0mmol)、実施例7で得られたアミノ化PETを使用して、ポリエチレングリコール鎖を有するハイパーブランチポリエステルとPETを反応させた。XPSにより脂肪族炭素ピークとエーテル炭素ピークの面積比を求めたところ0.42であり、得られたPETにはポリエチレングリコールがほとんど存在していなかった。
[比較例5]
先に、実施例1で得られたハイパーブランチポリエステル(1)を実施例7で得られたアミノ化PET表面と反応させ、次いでこのPETにmPEGを反応させた。実施例3と同様にハイパーブランチポリエステル(1)の酸クロライド化物を合成し、得られた酸クロライド化物0.37g(酸クロライド化物中のモノマー繰り返し単位1.0mmol)にベンゼン10mLを加え、これにトリエチルアミン0.20(2.0mmol)を加えた後、アミノ化PETを浸漬させ40 ℃で24時間反応させた。反応後、反応液からPETを取り出し、重量平均分子量が5,000のmPEG6.1g(1.2mmol、ハイパーブランチポリエステルのカルボキシル基とmPEGの水酸基との仕込みモル比1/0.6)及びトリエチルアミン0.13g(1.3mmol)を溶解させたベンゼン溶液10mLに浸漬させ40 ℃で24時間反応させた。その後、PETをベンゼン、THF、蒸留水で洗浄し、室温で真空乾燥した。XPSにより脂肪族炭素ピークとエーテル炭素ピークの面積比を求めたところ0.40であり、得られたPETにはポリエチレングリコールがほとんど存在していなかった。
先に、実施例1で得られたハイパーブランチポリエステル(1)を実施例7で得られたアミノ化PET表面と反応させ、次いでこのPETにmPEGを反応させた。実施例3と同様にハイパーブランチポリエステル(1)の酸クロライド化物を合成し、得られた酸クロライド化物0.37g(酸クロライド化物中のモノマー繰り返し単位1.0mmol)にベンゼン10mLを加え、これにトリエチルアミン0.20(2.0mmol)を加えた後、アミノ化PETを浸漬させ40 ℃で24時間反応させた。反応後、反応液からPETを取り出し、重量平均分子量が5,000のmPEG6.1g(1.2mmol、ハイパーブランチポリエステルのカルボキシル基とmPEGの水酸基との仕込みモル比1/0.6)及びトリエチルアミン0.13g(1.3mmol)を溶解させたベンゼン溶液10mLに浸漬させ40 ℃で24時間反応させた。その後、PETをベンゼン、THF、蒸留水で洗浄し、室温で真空乾燥した。XPSにより脂肪族炭素ピークとエーテル炭素ピークの面積比を求めたところ0.40であり、得られたPETにはポリエチレングリコールがほとんど存在していなかった。
[比較例6]
従来技術のポリエチレングリコールの固定化方法として、ハイパーブランチポリマーを用いずに直接ポリエチレングリコールをアミノ化PET表面に反応させた。塩化シアヌルで活性化された重量平均分子量が5,000のmPEG1.0g(0.20mmol)及び無水炭酸ナトリウム0.50g(4.7mmol)を溶解させたベンゼン溶液10mLに実施例7で得られたアミノ化PETを浸漬させ、40℃で24時間反応させた。その後、PETをベンゼン、THF、蒸留水で洗浄し、室温で真空乾燥することにより、ポリエチレングリコール鎖を固定化したPET表面を得た。XPSによりPET及び塩化シアヌル由来の脂肪族炭素ピークとポリエチレングリコール由来のエーテル炭素ピークの面積比を求めたところ0.63であり、得られたPET表面にはポリエチレングリコールが結合していることを確認した。
従来技術のポリエチレングリコールの固定化方法として、ハイパーブランチポリマーを用いずに直接ポリエチレングリコールをアミノ化PET表面に反応させた。塩化シアヌルで活性化された重量平均分子量が5,000のmPEG1.0g(0.20mmol)及び無水炭酸ナトリウム0.50g(4.7mmol)を溶解させたベンゼン溶液10mLに実施例7で得られたアミノ化PETを浸漬させ、40℃で24時間反応させた。その後、PETをベンゼン、THF、蒸留水で洗浄し、室温で真空乾燥することにより、ポリエチレングリコール鎖を固定化したPET表面を得た。XPSによりPET及び塩化シアヌル由来の脂肪族炭素ピークとポリエチレングリコール由来のエーテル炭素ピークの面積比を求めたところ0.63であり、得られたPET表面にはポリエチレングリコールが結合していることを確認した。
[試験例]
実施例9〜12及び比較例3〜6で得られたPET表面に、クエン酸ナトリウムで抗凝固したヒト新鮮多血小板血漿を30分間接触させ、生理食塩水でリンスし、グルタルアルデヒドで固定した後、0.5mm2内に粘着した血小板数を電子顕微鏡で観察した。血小板の形態変化の進行度により、1→2→3型に分類して、MS(モルフォロジカルスコア)を以下のように定義して血液との適合性の評価を行った。
MS=n1×1+n2×2+n3×3
(式中、n1は1型の血小板数、n2は2型の血小板数、n3は3型の血小板数を表す。)
更に、PET表面に固定化したポリアルキレングリコール鎖の経時安定性を確認するために、実施例9〜12及び比較例6で得られたPET表面を室温下で3ヶ月放置し、血小板粘着試験を実施した。
得られた結果を表1に示す。また、図2に実施例9で得られたPET表面の血小板粘着試験を表す電子顕微鏡写真を示し、図3に未処理のPET表面の血小板粘着試験を表す電子顕微鏡写真を示す。
実施例9〜12及び比較例3〜6で得られたPET表面に、クエン酸ナトリウムで抗凝固したヒト新鮮多血小板血漿を30分間接触させ、生理食塩水でリンスし、グルタルアルデヒドで固定した後、0.5mm2内に粘着した血小板数を電子顕微鏡で観察した。血小板の形態変化の進行度により、1→2→3型に分類して、MS(モルフォロジカルスコア)を以下のように定義して血液との適合性の評価を行った。
MS=n1×1+n2×2+n3×3
(式中、n1は1型の血小板数、n2は2型の血小板数、n3は3型の血小板数を表す。)
更に、PET表面に固定化したポリアルキレングリコール鎖の経時安定性を確認するために、実施例9〜12及び比較例6で得られたPET表面を室温下で3ヶ月放置し、血小板粘着試験を実施した。
得られた結果を表1に示す。また、図2に実施例9で得られたPET表面の血小板粘着試験を表す電子顕微鏡写真を示し、図3に未処理のPET表面の血小板粘着試験を表す電子顕微鏡写真を示す。
表1の結果及び図2、図3に示す電子顕微鏡写真より、実施例9〜12及び比較例6で得られたPET表面は、未処理PET表面に比べ血小板の粘着を著しく抑制していることが分かった。
また、実施例9〜12得られたPET表面は、比較例6で得られたPET表面に比べ、血小板粘着抑制効果の経時的な変化が少ないことが分かった。
これらの結果は、適切な仕込みモル比でハイパーブランチポリマーとポリエチレングリコールを反応させて得られる多分岐高分子化合物と高分子材料を反応させて製造したPET表面は、長期的に血小板の粘着を抑制することを示している。
また、実施例9〜12得られたPET表面は、比較例6で得られたPET表面に比べ、血小板粘着抑制効果の経時的な変化が少ないことが分かった。
これらの結果は、適切な仕込みモル比でハイパーブランチポリマーとポリエチレングリコールを反応させて得られる多分岐高分子化合物と高分子材料を反応させて製造したPET表面は、長期的に血小板の粘着を抑制することを示している。
Claims (5)
- ポリアルキレングリコール鎖を含む多分岐高分子化合物を高分子材料表面に有することを特徴とする抗血栓性医用材料。
- ポリアルキレングリコール鎖を含む多分岐高分子化合物がハイパーブランチポリマーとポリアルキレングリコールとの共有結合により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の抗血栓性医用材料。
- ポリアルキレングリコール鎖を含む多分岐高分子化合物が反応性官能基を有する高分子材料表面と共有結合していることを特徴とする請求項1または2に記載の抗血栓性医用材料。
- ポリアルキレングリコール鎖を含む多分岐高分子化合物を高分子材料表面に作製する工程において、ハイパーブランチポリマーとポリアルキレングリコールとを反応させてポリアルキレングリコール鎖を含む多分岐高分子化合物を合成し、次いで、得られた前記多分岐高分子化合物と反応性官能基を有する高分子材料表面とを反応させることによりポリアルキレングリコール鎖を含む多分岐高分子化合物を高分子材料表面に作製することを特徴とする抗血栓性材料の製造方法。
- 前記ハイパーブランチポリマーとポリアルキレングリコールとを反応させてポリアルキレングリコール鎖を含む多分岐高分子化合物を合成する工程において、ハイパーブランチポリマーの反応性官能基とポリアルキレングリコールの反応性官能基との仕込みモル比が1/0.3〜1/0.9であることを特徴とする請求項4に記載の抗血栓性医用材料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005099971A JP2006271888A (ja) | 2005-03-30 | 2005-03-30 | 抗血栓性医用材料及びその製造方法 |
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Publications (1)
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JP (1) | JP2006271888A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8343212B2 (en) | 2007-05-15 | 2013-01-01 | Biotectix, LLC | Polymer coatings on medical devices |
-
2005
- 2005-03-30 JP JP2005099971A patent/JP2006271888A/ja active Pending
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