JP2006271585A - 蒸気発生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
蒸気発生用の湯水を清浄な状態で循環使用しつつ十分な量の蒸気を効率的に発生させ得ると共に、浴室の天井部分等に好適に設置可能な蒸気発生装置を提供する。
【解決手段】
拡散手段から湯水が拡散されることにより蒸気を発生させ得る熱交換器と、該熱交換器に拡散された湯水をタンク内に回収すると共に拡散手段に供給する湯水循環手段と、タンクの底面部に配置された加熱手段と、を備えた蒸気発生装置であって、熱交換器による蒸気発生前に、加熱手段を作動させてタンク内の残水を少なくとも殺菌温度まで加熱することを特徴とする。前記加熱手段は、タンクの底面部に配置されたヒータもしくは加熱パイプで構成される。
【選択図】 図7
蒸気発生用の湯水を清浄な状態で循環使用しつつ十分な量の蒸気を効率的に発生させ得ると共に、浴室の天井部分等に好適に設置可能な蒸気発生装置を提供する。
【解決手段】
拡散手段から湯水が拡散されることにより蒸気を発生させ得る熱交換器と、該熱交換器に拡散された湯水をタンク内に回収すると共に拡散手段に供給する湯水循環手段と、タンクの底面部に配置された加熱手段と、を備えた蒸気発生装置であって、熱交換器による蒸気発生前に、加熱手段を作動させてタンク内の残水を少なくとも殺菌温度まで加熱することを特徴とする。前記加熱手段は、タンクの底面部に配置されたヒータもしくは加熱パイプで構成される。
【選択図】 図7
Description
本発明は、浴室の天井部分等に設置されて浴室内に蒸気を発生させる蒸気発生装置に関する。
従来、浴室の天井に設置される蒸気発生装置としては、例えば特許文献1に開示されている。この特許文献1に開示のミスト装置(蒸気発生装置)は、横長の装置本体部内に熱交換器を斜めの状態で配置し、この熱交換器の一次側に吸込口を設けると共に二次側に循環ファンを設け、熱交換器で高温とされた温風を循環ファンの作動により浴室内に噴出させる。また、装置本体部の開口を閉塞するグリルの吸込口の近傍外側に、温水供給管と複数の噴射ノズルとで構成したミスト噴出手段を配置し、このミスト噴出手段から浴室内にミスト(蒸気)を直接噴出させるようにしたものである。
特開2002−336327号公報
しかしながら、このような蒸気発生装置においては、装置本体部内に配置された熱交換器が蒸気を発生させるものではないことから、給湯機から温水供給管に供給される温水をミストとして噴出ノズルから噴出するミスト噴出手段を、装置本体部の開口端部に浴室内に突出する状態で設ける必要があり、十分な量の蒸気を浴室内に短時間に発生させることが難しく、蒸気の発生効率の面で劣ると共に、浴室天井の意匠面でも好ましくない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、蒸気発生用の湯水を清浄な状態で循環使用しつつ十分な量の蒸気を効率的に発生させ得ると共に、浴室の天井部分等に好適に設置可能な蒸気発生装置を提供することにある。
かかる目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、拡散手段から湯水が拡散されることにより蒸気を発生させ得る熱交換器と、該熱交換器に拡散された湯水をタンク内に回収すると共に前記拡散手段に供給する湯水循環手段と、前記タンクの底面部に配置された加熱手段と、を備えた蒸気発生装置であって、前記熱交換器による蒸気発生前に、前記加熱手段を作動させてタンク内の残水を少なくとも殺菌温度まで加熱することを特徴とする。
そして、前記加熱手段は、請求項2に記載の発明のように、タンクの底面部に配置されたヒータもしくは加熱パイプであったり、請求項3に記載の発明のように、タンクの底面部の最深位置に配置されていることが好ましい。また、前記加熱パイプは、請求項4に記載の発明のように、給湯機の循環給湯口に接続されていることが好ましい。さらに、請求項5に記載の発明のように、前記熱交換器による蒸気発生前で加熱手段の作動後に、タンク内に供給された水により希釈された残水を排水し得る排水手段を備えることが好ましい。
本発明の請求項1に記載の発明によれば、熱交換器による蒸気発生前に、タンクの底面部に配置された加熱手段を作動させてタンク内の残水を少なくとも殺菌温度まで加熱するため、前回の運転終了後にタンク内に残っている残水で発生する虞のある細菌等を殺菌できて、蒸気発生用の湯水に細菌等が混入しない清浄な状態を維持しつつ拡散方式の熱交換器により十分な量の蒸気を効率的に発生させることができると共に、浴室の天井部分等に好適に設置することが可能となる。
また、請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、加熱手段がタンクの底面部に配置されたヒータもしくは加熱パイプで構成されるため、加熱手段をタンクの底面部に簡単に配置できて、その構成の簡略化を図ることができる。
また、請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2に記載の発明の効果に加え、加熱手段がタンクの底面部の最深位置に配置されているため、タンク内の残水が集まる最深位置を加熱手段で効率的に加熱して残水を殺菌でき、蒸気発生用の湯水を一層清浄に維持することができる。
また、請求項4に記載の発明によれば、請求項2または3に記載の発明の効果に加え、加熱パイプが給湯機の循環給湯口に接続されているため、蒸気発生用に使用される給湯機の温水をタンク底面部の加熱にも利用できて、効率的な殺菌と装置の構成の一層の簡略化を図ることができる。
さらに、請求項5に記載の発明によれば、請求項1ないし4に記載の発明の効果に加え、熱交換器により蒸気発生前で加熱手段の作動後に、タンク内に供給されて水により希釈された残水を排水し得る排水手段を備えるため、殺菌した残水を清浄な水で希釈して排水手段により排水でき、タンク内をより清浄に維持して蒸気発生に使用する湯水のより一層の清浄化を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1〜図7は、本発明に係わる蒸気発生装置の一実施形態を示し、図1がその基本構成図、図2が浴室への設置状態を示す概略斜視図、図3が蒸気発生装置の具体的構成を示す概略平面図、図4が図3のA−A線矢視図、図5がバッファタンクの縦断面図、図6がその平面図、図7が蒸気発生装置の動作の一例を示すタイミングチャートである。
図1〜図7は、本発明に係わる蒸気発生装置の一実施形態を示し、図1がその基本構成図、図2が浴室への設置状態を示す概略斜視図、図3が蒸気発生装置の具体的構成を示す概略平面図、図4が図3のA−A線矢視図、図5がバッファタンクの縦断面図、図6がその平面図、図7が蒸気発生装置の動作の一例を示すタイミングチャートである。
図1に示すように、本発明に係わる蒸気発生装置1は、多数枚のフィン4aが温水供給管4bで連結された第1の熱交換器4と、多数枚のフィン5aが温水供給管5bで連結された第2の熱交換器5と、第1の熱交換器4や第2の熱交換器5により発生した蒸気や温風をグリル板3(図4参照)の吹出口3bから浴室内に吹き出す送風ファン6と、第1の熱交換器4上に拡散された湯を回収して再び第1の熱交換器4に拡散させる湯水循環手段7と、換気ファン8等を備えている。
前記湯水循環手段7は、第1の熱交換器4のフィン4a上に所定温度の湯水を拡散(放散、吐出、噴出、噴射、吹付け、噴霧等も含む)させる拡散手段としての拡散パイプ9と、この拡散パイプ9で拡散された湯水を回収するバッファタンク10と、このバッファタンク10内の湯水を汲み上げて配管12を介して拡散パイプ9に供給する循環ポンプ11等で構成されている。
この時、バッファタンク10は、第1の熱交換器4から流下する湯水を回収する浅底樋形状の樋部10aと、この樋部10aに連接状態で設けられた深底の貯留部10bとで構成され、貯留部10b内に、前記循環ポンプ11が配置されると共に排水配管14が接続された排水ポンプ13が配置されている。また、バッファタンク10の所定位置には、給水電磁弁16が接続された給水配管15が接続されている。
さらに、前記第1の熱交換器4の温水供給管4bと第2の熱交換器5の温水供給管5bには、給湯往き配管17aと給湯戻り配管17bがそれぞれ接続され、給湯往き配管17aには給湯電磁弁18が接続されている。この給湯往き配管17aと給湯戻り配管17bは、循環機能付きの灯油ボイラーやガス給湯機等の給湯機19に接続され、前記給水配管15は、水道や給湯機19内の水道配管等に接続されている。
前記送風ファン6は、例えばシロッコファン、クロスフローファン等によって形成され、そのファンモータ6aの回転により、グリル板3の吸気口3aと吹出口3bとの間に通風路20を形成するように構成されている。また、前記換気ファン8は、ファンケース8c内に配置された例えばシロッコファン等によって形成され、そのファンモータ8aの回転により、吸気口3aと換気ファン8の吐出口8bとの間に、筐体2に設けた連結口23を介して換気通路21を形成するように構成されている。なお、グリル板3の吹出口3bには、ルーバー22がルーバーモータ22aの回転により開閉可能に配設されている。
そして、これらの各部品が扁平薄型の筐体2内に配置されることで、蒸気発生装置1自体が扁平薄型形状に形成されると共に、筐体2内には無線式や有線式のリモコン25が接続された制御装置24が配置されている。なお、制御装置24には、その出力側に循環ポンプ11、排水ポンプ13、各種電磁弁16、18及び各種モータ6a、8a、22a等が接続されると共に、その入力側に図示しない各種センサ及び前記リモコン25が接続されている。そして、この制御装置24の制御信号によって、蒸気発生装置1が、例えば「ミスト暖房」「ドライ暖房」「乾燥」「換気」の4つの運転モードで運転可能に構成されている。
このように構成された蒸気発生装置1は、浴室の天井部分に図2に示すようにして設置される。すなわち、扁平薄型の筐体2を、浴室天井を形成するバスタブ27上方の天井パネル28に、例えば浴室26上方の図示しない建築躯体に複数本の吊りボルトにより吊り下げ設置し、この状態で、前記給湯往き配管17aと給湯戻り配管17b及び給水配管15を、天井パネル28の上面(天井裏)に配置すると共に、排水配管14を天井パネル28の上面から浴室26の壁パネル29の外面を通して、その下端の排水口をバスタブエプロン内の防水パン上に位置させる。また、筐体2から引き出される各種ケーブル30を天井パネル28の上面側に配線すると共に、換気ファン8の吐出口8bに接続された換気ダクト31を天井パネル28の上面側に配置する。これにより、蒸気発生装置1が浴室26の天井パネル28に設置されることになる。
図3〜図6は、前記蒸気発生装置1の具体的な構造を示している。以下、図1及び図2と同一部位には同一符号を付して説明する。蒸気発生装置1は、図3及び図4に示すように、前述した筐体2を有し、この筐体2の下面開口部2aには、前記吸気口3aと吹出口3bが設けられたグリル板3が着脱可能に装着されている。また、筐体2内には、所定形状の隔壁2bによってグリル板3の吸気口3aから吹出口3bに連通する前記通風路20が形成され、図4に示すように、通風路20の吸気口3a側(上流側)に第1の熱交換器4が左下がりの傾斜状態で配置され、この第1の熱交換器4の左側方に、互いの下端部が隣接する状態で第2の熱交換器5が左上がりの傾斜状態で配置されることにより、筐体2の通風路20内に第1の熱交換器4と第2の熱交換器5が側面視でV字形状を呈して配置されている。
なお、第1の熱交換器4の下流側である第2の熱交換器5側の上部には、前記拡散パイプ9が配置されており、該拡散パイプ9から拡散される湯水の吹出口3b方向への飛散が防止されるようになっている。また、通風路20の吹出口3b側(下流側)には、第2の熱交換器5に所定の間隙を有して該熱交換器5の下流側に前記送風ファン6が配置され、この送風ファン6が図4の矢印イの如く回転することにより、通風路20内に矢印ロの如く風が流れるように設定されている。
さらに、前記換気ファン8は、図3に示すように、そのファンケース8cが筐体2の側方に突出する状態で配置され、筐体2の側壁に設けた連結口23に配置されたダンパー23a(図1参照)を介して筐体2内に連通されている。そして、ファンモータ8aが回転することにより、グリル板3の吸気口3aから吸い込まれた浴室26内の空気が、筐体2内の換気通路(図示せず)、連結口23、換気ファン8及び吐出口8bを介して換気ダクト31(図2参照)に排出されて前記換気通路21が形成されるようになっている。
そして、筐体2内には前記バッファタンク10が配置されている。このバッファタンク10は、前述したように樋部10aと貯留部10bにより形成され、樋部10aが第1の熱交換器4と第2の熱交換器5の隣接する下端部の下方に配置されると共に、貯留部10bが両熱交換器4、5の長手方向の一側方に配置されている。また、バッファタンク10は、図5及び図6に示すように、前述した樋部10aの底面が傾斜面で形成されると共に、平面視で略長方形状に形成されその上面開口部が蓋体10dで覆われた貯留部10bの底面も、その長手方向の略中心部分が最深部10c(最深位置)となるような2つの傾斜面で形成されている。
このバッファタンク10の貯留部10bの最深部10cに排水ポンプ13が配置されると共に、この排水ポンプ13の側方に循環ポンプ11が配置され、また、貯留部10bの傾斜面の上端部側に給水電磁弁16が接続された給水配管15の給水口15aが配置されている。なお、排水ポンプ13は、下面側に設けた吸引口13aが最深部10cの底面に対し、吸い込みに悪影響しない範囲の寸法を有して例えば図示しない取付板により貯留部10bの側壁や底面等に取り付けられている。
また、貯留部10bの最深部10cの例えば内面側には、加熱手段としてのヒータ32が配置されている。このヒータ32は、電熱ヒータ、シーズヒータ等の棒状(もしくは板状)で耐水性を有する如く形成され、最深部10c内面に例えば直線状態で接着剤等によって固着されている。そして、このヒータ32のリード線32a(図6参照)が前記制御装置24に接続され、制御装置24の制御信号で通電されることにより、貯留部10bの最深部10cを加熱して該最深部10cに集められて貯留されている残水W(図5参照)を所定温度まで加熱するようになっている。なお、ヒータ32の配置は、最深部10cの内面に限らず図5の二点鎖線で示すように、最深部10cの外面(裏面)に固着してヒータ32自体の構成を簡素化したり、形状も直線状に限らず、例えば図6の二点鎖線で示すように、蛇行状に屈曲形成して最深部10c底面への接触面積を拡大させるようにしても良い。
次に、バッファタンク10内に配置される循環ポンプ11と排水ポンプ13、ヒータ32及びバッファタンク10に接続されている給水配管15の給水電磁弁16の動作の一例を図7に基づいて説明する。図7に示すように、前記リモコン25に設けられた図示しないミスト暖房運転用の運転スイッチ(運転SW)をONすると、ヒータ32に所定時間通電されてONし、前回のミスト暖房運転終了時に排水ポンプ13によって吸い込みきれなかった貯留部10bの残水Wが例えば60℃以上の温度まで加熱される。この時、貯留部10bの残水Wの量が少量であることから、ヒータ32への比較的短時間の通電で残水Wが殺菌温度まで加熱され、この残水Wの加熱によって、貯留されることで残水W内に細菌が繁殖していたとしてもこの細菌が殺菌されることになる。なお、ヒータ32への通電で加熱される残水Wの温度を殺菌温度以上の蒸発温度に設定すれば、例えば残水Wの一部を蒸発させて貯留部10bから除去することもできる。
そして、ヒータ32が所定時間ONした後にOFFすると、給水電磁弁16が所定時間ON(開)して、給水配管15の給水口15aから貯留部10bの傾斜した底面に向けて水(水道水)が図5の矢印ハの如く供給(吐出)され、この水の供給により、バッファタンク10の貯留部10b内に所定量の水が貯留されて、殺菌された残水Wが希釈された状態となる。なお、この時の水の供給量は、貯留部10b内の残水Wを十分に希釈できる量に設定されている。また、この水の供給時に、給水口15aから供給される水が、貯留部10bの底面の傾斜角度の大きい傾斜面に向けて吐出されることから、水が残水Wに勢いよく混合して良好な希釈状態が得られることになる。
給水電磁弁16が所定時間ONした後にOFF(閉)すると、排水ポンプ13がON(作動)して、その吸込口13aから排水ポンプ13内に貯留部10bの希釈された残水Wが吸い込まれて排水配管14を介し浴室26のバスタブエプロン内側の防水パン上に排水される。この排水は、殺菌された残水Wを清浄な水で希釈した水となっており、この排水により、蒸気発生装置1のミスト暖房運転前(つまり第1の熱交換器4による蒸気発生前)に貯留部10b(最深部10c)に残っていた残水Wが略完全に外部に排水されて、貯留部10b内が清浄化されるとになる。
排水ポンプ13のONで希釈された残水Wが全て外部に排水されると、給水電磁弁16が再び所定時間ONして、今回のミスト暖房運転で使用される水がバッファタンク10内に供給される。そして、循環ポンプ11がON(作動)することにより、バッファタンク10内の水が湯水循環手段7内を循環して、運転スイッチのONと同時に給湯機19から温水供給管4aに温水が循環供給されている第1の熱交換器4によって水が所定温度の湯となり、これが拡散パイプ9から第1の熱交換器4のフィン4a上に拡散されることで蒸気(ミスト)が発生する。そして、この蒸気が送風ファン6の作動により、通風路20を流れてグリル板3の吹出口3bから浴室26内に吹き出され、浴室26内がミスト暖房状態となる。
なお、給水電磁弁16は、蒸気の発生によりバッファタンク10内の湯水が所定水位以下となった場合に、所定時間ONしてバッファタンク10内に水を補給するようになっている。また、運転スイッチがOFFした場合は、所定時間後に排水ポンプ13がONしてバッファタンク10の貯留部10b内に残っている湯水が外部に排水されるようになっている。つまり、ミスト暖房状態で入浴しようとする場合に運転スイッチをONすると、先ず、ヒータ32がONして前回のミスト暖房運転終了後に貯留部10bの最深部10cに残っていた残水Wを加熱して殺菌すると共に、この殺菌した残水Wを給水電磁弁16から所定量の清浄な水を供給することで希釈し、この希釈した残水Wを排水ポンプ13のONで外部に排水、つまり貯留部10b内を清浄な水ですすぐことにより、バッファタンク10の貯留部10b内を清浄な状態にして今回のミスト暖房運転が行えることになる。
なお、図7に示すタイミングチャートにおいて、ヒータ32、給水電磁弁16、排水ポンプ13のON・OFF動作のタイミングは図示した例に限定されず、所定の時間差を持って行ったり並行して行う等、基本的な順番を変えない範囲において適宜のタイミングを使用することができる。また、ミスト暖房運転の開始前に、ヒータ32のON、給水電磁弁16のON、排水ポンプ13のONの動作を1回ではなく複数回実行して殺菌や希釈をより確実としたり、これらの動作中に循環ポンプ11をONさせて希釈した残水Wを湯水循環手段7内を循環させた後に排水して湯水循環手段7内を清浄化する等、適宜のタイミングチャートを使用することもできる。
以上、詳述したように、上記実施形態の蒸気発生装置1にあっては、ミスト暖房運転開始前である第1の熱交換器4による蒸気発生前に、バッファタンク10の貯留部10bに配置されたヒータ32を作動させて貯留部10bの最深部10c内の残水Wを殺菌温度まで加熱するため、前回の運転終了後に貯留部10b内に残っている残水Wにより発生する虞のある細菌等を殺菌できて、今回のミスト暖房運転時の蒸気発生用湯水に細菌が混入しない清浄な状態を維持しつつ拡散方式の第1の熱交換器4により十分な量の蒸気を浴室26内に効率的に発生させることができる。
特に、ヒータ32が貯留部10bの最深部10cに所定形態で配置されているため、貯留部10b内の残水Wが集まる最深部10cをヒータ32で効率的に加熱して残水Wを短時間に殺菌することができると共に、最深部10cに排水ポンプ13を配置することにより、残水Wの量自体を少なくして、ヒータ32による加熱時間を一層短縮することができる。また、ミスト暖房運転前でヒータ32の作動後に、貯留部10b内に水を供給して残水Wを排水するため、殺菌した残水Wを貯留部10bに供給される清浄な水で希釈して、その略全量を確実に排水することができる。
また、制御装置24の制御によって、ヒータ32、給水電磁弁16、排水ポンプ13及び循環ポンプ11が所定の手順で作動するため、例えばヒータ32の作動により残水Wを殺菌した後に希釈(すすぎ)して排水することができる。これらにより、貯留部10b内をより清浄に維持して、蒸気発生に使用する湯水のより一層の清浄化を図ることができ、従来の蒸気発生装置のように蒸気内に滴下し易い水滴が含まれること等も抑制されて、浴室26内に快適なミスト暖房状態を簡単に得ることが可能となる。
さらに、加熱装置としてのヒータ32を貯留部10bの最深部10cに配置することで対応できるため、加熱装置の設置が容易となり、その構成の簡略化を図ることができる。また、バッファタンク10内の湯水(残水W)の排水手段として汲み上げ式の排水ポンプ13を使用しているため、筐体2の高さ寸法をできるだけ低くすることができて、筐体2のより小型化が図れると共に、排水ポンプ13の使用により、バッファタンク10の貯留部10bの底面に排水口を設ける必要がなくなり、バッファタンク10からの水漏れを確実に防止することができる。
また、筐体2内に温水供給管5aを有して温風を発生させる第2の熱交換器5が、蒸気発生用の第1の熱交換器4と共に側面視で略V字形状を呈して通風路20内に配置されているため、両熱交換器4、5を筐体2内に効率的に配置して筐体2の小型化を図ることができると共に、両熱交換器4、5の使用により蒸気や温風を効率的に発生させることができる。またさらに、第1の熱交換器4と第2の熱交換器5の隣接する下端部の下方にバッファタンク10の樋部10aが配置され、この樋部10aの端部で両熱交換器4、5の長手方向の一側方に貯留部10bが配置されているため、所定量の湯水を貯留し得るバッファタンク10を筐体2内に効率的に配置して、蒸気発生装置1の外形形状の一層のコンパクト化を図ることができる。これらにより、蒸気発生装置1を設置スペースの少ない浴室天井にコンパクトかつ安価に設置することができて、システムバスルーム等の蒸気発生装置1として好適に使用することが可能となる。
図8と図10は、本発明に係わる蒸気発生装置のそれぞれ他の実施形態を示している。以下、上記実施形態と同一部位には同一符号を付して説明する。これらの各実施形態の特徴は、加熱手段として加熱パイプ34を使用すると共に、この加熱パイプ34の加熱媒体として前記給湯機19の各熱交換器4、5の温水供給管4b、5bに供給する温水を利用した点にある。すなわち、図8に示す実施形態の蒸気発生装置1は、バッファタンク10の貯留部10bの底面部に加熱パイプ34を直線状(もしくは蛇行状)に配置すると共に、この加熱パイプ34の一端(入口)を切換弁35aを介して給湯往き配管17aに接続し、加熱パイプ34の他端(出口)を切換弁35bを介して給湯戻り配管17bに接続、すなわち給湯機19の循環給湯口19a、19bに熱交換器4、5と加熱パイプ34を並列接続するようにしたものである。
そして、この蒸気発生装置1の場合は、図9に示すように、運転スイッチがONしたら、まず給湯機19をON(作動)させると共に切換弁35a、35bを所定時間ONして加熱パイプ34側に切り換える。これにより、加熱パイプ34内に例えば80℃の温水が所定時間循環供給されて、貯留部10bの底面を介して残水Wを加熱して殺菌する。給湯機19と切換弁35a、35bが所定時間ONしたら、給水電磁弁16を所定時間ONさせて、殺菌された残水Wを清浄な水で希釈し、この残水Wを排水ポンプ13をONさせることにより排水する。これにより、残水Wの殺菌→希釈→排水が実行され、その後、例えば給水電磁弁16を再びONして、循環ポンプ11をON(切換弁35a、35bはOFFを維持)させることによりミスト暖房運転が実行されることになる。
この実施形態の場合は、給湯機19から熱交換器4、5に供給される温水により加熱パイプ34を介して残水Wを加熱・殺菌できて、上記実施形態と略同様の作用効果を得ることができる他に、給湯機19の温水を殺菌用にも利用できて給湯機19の付加価値を高めることができると共に、貯留部19bに故障等のおそれの少ない加熱パイプ34を配置するだけで対応できて、メンテナンス性や施工性に優れた安価な加熱手段を得ることができる。なお、図9に示すタミングチャートにおいても、給湯機19、切替弁35a、35b、給磁電磁弁16、排水ポンプ13および循環ポンプ11が前述した動作を実行できれば、ON・OFF動作のタイミングは適宜に変更することができる。
また、図10に示す実施形態の蒸気発生装置1は、バッファタンク10の貯留部10bの底面部に配置した加熱パイプ34の一端(入口)に、第1の熱交換器4の温水供給管4bの出口を直接接続し、加熱パイプ34の他端(出口)を、給湯機19の戻り用の循環給湯口19bに直接接続、すなわち給湯機19の循環給湯口19a、19bに第1の熱交換器4と加熱パイプ34とを直列接続するようにしたものである。そして、この蒸気発生装置1の場合は、前記運転スイッチがONして給湯機19がONすると、第1の熱交換器4の温水供給管4bと加熱パイプ34の両方に温水が循環供給されて、ミスト暖房運転前に、貯留部10b内の残水Wが加熱されて殺菌され、これが希釈されて外部に排水され、図8に示す実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
また、この実施形態の場合は、ミスト暖房運転が開始された後も、加熱パイプ34内に温水が循環供給されていることから、貯留部10bの底面が常時加熱された状態となって貯留部10b内の湯水の温度を高めることができ、湯水循環手段7内の湯水の温度を蒸気が発生する所定温度まで短時間に加熱させることができて、結果として蒸気の発生効率を高めることが可能になる等の従来にない作用効果を奏することができる。
なお、上記各実施形態においては、バッファタンク10内の湯水の排水手段として排水ポンプ13を使用したが、本発明はこれに限定されず、例えば排水手段として排水電磁弁を使用することもできる。この排水電磁弁を使用する場合は、図1の二点鎖線で示すように、貯留部10bの最深部10cに排水口を設け、この排水口に排水電磁弁33が設けられた排水配管14を接続する。そして、この排水電磁弁33を前述した排水ポンプ13と同様のタイミングでミスト暖房運転前に作動させることにより、貯留部10bや排水配管14内に残留している残水Wが希釈等されて外部に排水されることになり、ミスト暖房運転時に湯水循環手段7内の湯水を清浄に維持できることになる。
また、上記各実施形態においては、第1の熱交換器4と第2の熱交換器5を、フィン4a、5aと熱交換器4、5の加熱手段としての温水供給管4b、5bを有する同一形態の熱交換器で構成したが、本発明はこれに限定されず、例えば各熱交換器4、5を異なる形態で構成して良いし、両熱交換器4、5の加熱手段も温水供給管4b、5bに限らず、他の適宜の加熱手段を採用することができる。さらに、両熱交換器4、5の筐体2内への配置形態も完全V字形状の配置に限らず、例えば第2の熱交換器5を通風路20を横切るように略水平状態に配置する等、適宜の配置形態を採用できる。
また、上記各実施形態においては、蒸気発生装置1を浴室26の天井パネル28に設置したが、例えば壁パネル29の上端部と天井パネル28のコーナ部等の天井部分に設置することもできる。またさらに、上記各実施形態における、バッファタンク10の全体あるいは樋部10aや貯留部10b自体の形状も一例であって、例えば平面視で長方形状のバッファタンク10を使用したり、バッファタンク10の下部外側を覆うように防水パンを付設した構成を採用する等、筐体2内の空間形状等に応じて適宜形状のバッファタンク10を使用することができる。また、バッファタンク10内の水を殺菌する手段もヒータ32や加熱パイプ34に限らず、例えば紫外線ランプ等をヒータ32等と併用、或いは単独に使用することもできる。
本発明は、システムバスルーム等の浴室に限らず、例えばサウナルームやシャワールーム等の蒸気発生装置にも適用できる。
1・・・蒸気発生装置、2・・・筐体、3・・・グリル板、3a・・・吸気口、3b・・・吹出口、4・・・第1の熱交換器、4a・・・フィン、4b・・・温水供給管、5・・・第2の熱交換器、5a・・・フィン、5b・・・温水供給管、6・・・送風ファン、7・・・湯水循環手段、9・・・拡散パイプ、10・・・バッファタンク、10a・・・樋部、10b・・・貯留部、10c・・・最深部、10d・・・蓋体、11・・・循環ポンプ、13・・・排水ポンプ、13a・・・吸込口、14・・・排水配管、15・・・給水配管、15a・・・給水口、16・・・給水電磁弁、19・・・給湯機、19a、19b・・・循環給湯口、24・・・制御装置、32・・・ヒータ、33・・・排水電磁弁、34・・・加熱パイプ、35a、35b・・・切換弁、W・・・残水。
Claims (5)
- 拡散手段から湯水が拡散されることにより蒸気を発生させ得る熱交換器と、該熱交換器に拡散された湯水をタンク内に回収すると共に前記拡散手段に供給する湯水循環手段と、前記タンクの底面部に配置された加熱手段と、を備えた蒸気発生装置であって、
前記熱交換器による蒸気発生前に、前記加熱手段を作動させてタンク内の残水を少なくとも殺菌温度まで加熱することを特徴とする蒸気発生装置。 - 前記加熱手段は、タンクの底面部に配置されたヒータもしくは加熱パイプであることを特徴とする請求項1に記載の蒸気発生装置。
- 前記加熱手段は、タンクの底面部の最深位置に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の蒸気発生装置。
- 前記加熱パイプは、給湯機の循環給湯口に接続されていることを特徴とする請求項2または3に記載の蒸気発生装置。
- 前記熱交換器による蒸気発生前で前記加熱手段の作動後に、タンク内に供給された水により希釈された残水を排水し得る排水手段を備えることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の蒸気発生装置。
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