(第1の実施形態)
以下、本発明を6極8スロット24セグメントのブラシ付き直流モータに具体化した第1の実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態のモータ101は、固定子102と電機子(回転子)103とを備えている。固定子102は、略有底筒形状のヨークハウジング104と、同ヨークハウジング104の内周面に等角度間隔で配置固着された複数(本実施形態では6つ)の永久磁石105とを備えている。又、ヨークハウジング104の開口部を塞ぐようにこれに固定されるエンドフレーム(図示略)には、外部電源等に接続される陽極側給電用ブラシ106及び陰極側給電用ブラシ107が保持されている(図2参照)。
図2及び図3に示したように、電機子103は、金属製の回転軸111と、回転軸111に固定されたコア112と、同じく回転軸111に固定された整流子113と、コア112に装着された一対のインシュレータ114,115と、インシュレータ114,115を介してコア112に巻回された巻線116a〜116hとを備えている。この電機子103は、回転軸111の両端側がヨークハウジング104の底部中央及びエンドフレームの中央に保持された軸受(図示略)にて回転可能に保持されている。上記コア112は、永久磁石105と対向して周囲を囲まれるように配置される(図1参照)。
前記コア112は、例えば磁性粉体を成形(焼結)してなり、図4に示したように、略八角柱状をなす本体部121と、同本体部121の各側面から径方向外側に放射状に延びる8個のティース部122a〜122hとを備えている。これらティース部122a〜122hは、本体部121を介して一体に連結され、周方向に等角度間隔に配設されている。各ティース部122a〜122hは、周方向に一定の幅を有して前記本体部121の各側面の中央部から放射状に延びる延出部118と、同延出部118の径方向外側端部から周方向両側に突出する凸部119とを有して略T字形状をなしている。
又、前記コア112(本体部121)には、中心部を貫通する軸挿通孔123が形成されている。図2に示したように、前記コア112は、この軸挿通孔123に前記回転軸111が圧入にて挿通されることで同回転軸111に固定されている。
前記整流子113に対向する一方のインシュレータ114は合成樹脂からなり、図4に示したように、略八角形をなす板状の本体カバー部126と、同本体カバー部126の各側面から径方向外側に放射状に延びる8個のティースカバー部127とを備えている。そして、上記本体カバー部126を略八角形に貫通する中心部は、貫通孔126aを形成している。この本体カバー部126は、前記本体部121の軸方向片側端面の外周縁部を覆う。
前記ティースカバー部127は、前記ティース部122a〜122hの外壁面と嵌合する内壁面を有しており、前記ティース部122a〜122h(延出部118、凸部119)の軸方向片側端面を覆う第1カバー部127aと、同ティース部122a〜122hの周方向両側の端面をそれぞれ覆う一対の第2カバー部127bとを有している。つまり、上記ティースカバー部127は、前記凸部119に対応して径方向外側端部が拡開されたコの字形状を有している。そして、各ティース部122a〜122hの周方向一側の端面を覆う一方の第2カバー部127bは、これに隣り合うティース部122a〜122hの周方向他側の端面を覆う第2カバー部127bに連続するように形成されている。各ティースカバー部127は、第2カバー部127bを介して隣り合うティースカバー部127に連続する態様で、ティース部122a〜122hの軸方向片側端面と、前記コア112の軸方向中間部までの同方向に沿った周方向両側の端面とを覆う。
このような形状を有するインシュレータ114は、前記各ティースカバー部127と前記各ティース部122a〜122hとがそれぞれ嵌合するように前記コア112に軸方向一側から装着されることで、同コア112をその軸方向中間部まで被覆する。
尚、前記ティースカバー部127には、前記凸部119に対応して軸方向に突出するように同方向に厚肉に設定された第1規制壁部128が形成されている。図3に示したように、この第1規制壁部128は、インシュレータ114(ティースカバー部127)を介してティース部122a〜122hに巻回される巻線116a〜116hが、径方向外側へはみ出すことを防止するためのものである。
一方、前記本体カバー部126には、略八角形をなす各辺に沿って軸方向に突設された複数(8個)の第2規制壁部129が形成されている。図3に示したように、この第2規制壁部129は、インシュレータ114(ティースカバー部127)を介してティース部122a〜122hに巻回される巻線116a〜116hが、径方向内側へはみ出すことを防止するためのものである。
尚、他方のインシュレータ115は、基本的に前記インシュレータ114と同様の形状を有している。このインシュレータ115は、上記に準じて前記コア112に軸方向他側から装着されることで、同コア112をその軸方向中間部まで被覆する。そして、両インシュレータ114,115の装着されたコア112は、各隣接するティース部122a〜122h(ティースカバー部127)間にスロット130a〜130hを形成している。各スロット130a〜130hは、前記インシュレータ114,115を介してティース部122a〜122hに巻回される巻線116a〜116hの通路をなすものである。
次に、一方のインシュレータ114に固有の構造(他方のインシュレータ115と異なる構造)について以下に説明する。
前記インシュレータ114の第2規制壁部129は、周方向一側(図4において反時計回転方向に相当する側)寄りに配置されており、隣り合う第2規制壁部129との間で通路129aを形成している。図3に示したように、この通路129aは、インシュレータ114を介してティース部122a〜122hに巻回された巻線116a〜116hを、前記第2規制壁部129よりも内周側に導入し、あるいは内周側に導入された巻線116a〜116hを次のティース部122a〜122h側に導出するためのものである。
すなわち、任意のティース部122a〜122hにおいて、周方向一側(図3において時計回転方向に相当する側)に配置される通路129aは、前記第2規制壁部129よりも内周側で先のティース部から当該ティース部122a〜122hへと延びる巻線116a〜116hを導出し、同他側(図3において反時計回転方向に相当する側)に配置される通路129aは、当該ティース部122a〜122hに巻回された巻線116a〜116hを次のティース部へと延ばすべく、前記第2規制壁部129よりも内周側に導入する。
本実施形態において、上記巻線116a〜116hは、隣のティース部(ここでは、隣に連続する2個のティース部)を越えながら、ティース部122a〜122hに複数回連続して巻回(集中巻)されている。上記巻線116a〜116hは、先のティース部122a〜122hに巻回(集中巻)してから隣のティース部を越えて次のティース部に巻回(集中巻)する工程を順次、行うことで全てのティース部122a〜122hに巻回される。つまり、上記各巻線116a〜116hは、順次、隣のティース部を越えながら各ティース部122a〜122hに巻回(集中巻)されており、前記第2規制壁部129よりも内周側に配置される両通路129a間で、周方向に延びる渡り線117を形成している。尚、この渡り線117の延出に係る周方向とは、径方向に交差する方向を意味するものであって、厳密に円周に沿った方向を意味するものではない。
さらに、前記本体カバー部126には、前記貫通孔126a及び前記第2規制壁部129の径方向中間部において、軸方向に円環状に突設されたガイド壁部131が形成されている。このガイド壁部131は、前記第2規制壁部129よりも内周側で先のティース部122a〜122hから次のティース部へと延びる前記渡り線117を案内する。つまり、上記渡り線117は、このガイド壁部131によって径方向内側への移動が規制されることで、前記本体カバー部126上での位置・姿勢が概ね規定されている。
尚、前記ガイド壁部131には、前記各スロット130a〜130hの周方向の位置に合わせて径方向に開口する複数(8個)の切り欠き132が形成されている。各切り欠き132は、前記渡り線117の略中央となる中間部に配置されている(図3参照)。又、前記本体カバー部126には、内周縁部から径方向外側に延びて各切り欠き132を貫通する複数(8個)の台座部133が形成されている。この台座部133は、前記ガイド壁部131よりも小さい軸方向の突出長を有している(図2参照)。そして、前記台座部133の径方向先端部には、更に軸方向に突設された位置決め壁部134が形成されている。これら切り欠き132、台座部133及び位置決め壁部134は、巻線116a〜116hと前記整流子113との電気的な接続に際し、同整流子113の周方向の位置決め等に供される。
図5に示すように、前記整流子113は、整流子本体141と短絡部材151とからなる。整流子本体141は、略円筒形状の本体絶縁材142と、本体絶縁材142の外周面に等角度間隔で配設された略長方形の板状をなす複数(本実施形態では24個)のセグメント1〜24(図3参照)とを備える。そして、本体絶縁材142の内周は、前記回転軸111が挿入される軸貫通孔143を構成している。
前記本体絶縁材142の軸方向一側の端面(図5の下側面であって、コア112側端面)には、その内周面(軸貫通孔143)に沿って軸方向に突出する周壁部144が形成されている。そして、上記本体絶縁材142には、前記周壁部144から外周面まで連続する円環状の短絡部材収容凹部145が形成されている。
前記セグメント1〜24は、前記本体絶縁材142の外周面の軸長と同等の長さを有しており、全体として略円筒状をなすように同本体絶縁材142の外周面に固着されている。各セグメント1〜24は、その軸方向一側の端面が前記短絡部材収容凹部145の底面に面一となるように配置されている。これらセグメント1〜24には、その径方向外側から前記陽極及び陰極側給電用ブラシ106,107が当接(押圧接触)されることになる(図2参照)。尚、各セグメント1〜24の軸方向一側(図5の下側)の端部には、径方向外側に突出する本体側突起部30が形成されている。この本体側突起部30は、前記短絡部材151を接続するためのもので、周方向一側(図3において時計回転方向に相当する側)寄りに配置されている。
図6に示すように、短絡部材151は、対称であることを除いて基本的に同一形状を有する2つの短絡構成部材群31a,31bと、両短絡構成部材群31a,31b間に介装された絶縁材32とを備える。各短絡構成部材群31a,31bは、周方向に複数配置された外周側端末33a,33bと、外周側端末33a,33bの内側で周方向に複数配置された内周側端末34a,34bと、外周側端末33a,33bと内周側端末34a,34bとを周方向に所定角度ずらして連結する複数の連結部35a,35bとがそれぞれ同一平面状に形成されてなる。外周側端末33a,33b、内周側端末34a,34b及び連結部35a,35bは短絡構成部材群31a,31bごとにそれぞれ24個ずつ形成されている。
各外周側端末33a,33bは、前記セグメント1〜24の外径と同等の外径及び同セグメント1〜24よりも小さい周方向の幅を有しており、周方向一側(図6において時計回転方向に相当する側)には、径方向外側に突出する突起部37a,37bが形成されている。これら突起部37a,37bは、軸方向から見た平面視において前記本体側突起部30と同一形状をなしている。各セグメント1〜24及び各外周側端末33a,33b(短絡構成部材群31a,31b)は、軸方向に重ね合わせたこれら本体側突起部30及び突起部37a,37bを、例えばスポット溶接することで一体に結合されている。
又、前記複数の外周側端末33bの8個には、その周方向他側(図6において反時計回転方向に相当する側)において径方向外側に突出する爪部38が形成されている。上記爪部38を有する外周側端末33bは、2個おきに等角度間隔で配置されている。上記爪部38の先端部までの径方向の距離は、前記位置決め壁部134の内周面までの径方向の距離と同等に設定されている。この爪部38は、前記巻線116a〜116hの巻回前の状態では軸方向と平行に屈曲された折返し片38aを有している。
一方、各内周側端末34a,34bは、前記周壁部144の外径と同等の内径を有している。これら内周側端末34a,34bは、軸方向に重ね合わせた状態で、例えばスポット溶接することで一体に結合されている。つまり、前記短絡構成部材群31a,31bは、内周側端末34a,34bが接合されることで、電気的に接続されている。
前記各連結部35a,35bは、外周側端末33a,33bと内周側端末34a,34bとを周方向に所定角度(60度)ずらして(本実施の形態では端末を4つ分ずらして)連結している。各連結部35a,35bは、インボリュート曲線に沿って形成されている。これら連結部35a,35bは、軸方向から見て互いに逆向きにずれるように同方向に重ね合わされて(積層されて)いる。
前記絶縁材32は絶縁性樹脂材よりなり、前記連結部35a,35bの基端部及び先端部までの径方向の距離と同等の内径及び外径を有する円環状に形成されている。この絶縁材32は、前記連結部35a,35b同士を非接触として、前記短絡構成部材群31a,31bを一体に連結する。つまり、前記短絡構成部材群31a,31bは、連結部35a,35b同士が前記絶縁材32を介して非接触となるように軸方向に重ね合わされて(積層されて)いる。そして、周方向に複数分割された構造の短絡構成部材群31a,31bは、この絶縁材32が介装されることで一体化され、且つ、前記連結部35a,35bにおいて互いに絶縁されている。
尚、短絡構成部材群31a,31bは、前記連結部35a,35bにおいて前記絶縁材32の肉厚分だけ軸方向に若干膨らむものの、前記外周側端末33a,33b及び内周側端末34a,34bも含めて軸方向に入り組むことがない層状をなしており、実質的にこれらは同一平面状にある。
このような構造を有する短絡部材151は、前記整流子本体141の周壁部144に内周側端末34a,34bを軸方向に挿入する態様で前記短絡部材収容凹部145に収容されている。前記短絡部材151は、前記短絡部材収容凹部145への収容状態で前記周壁部144よりも軸方向に突出しないようにその肉厚が設定されている。又、短絡部材収容凹部145は、セグメント1〜24の外周面まで連続していることで、前記短絡部材151(短絡構成部材群31a,31b)は、前記本体側突起部30と軸方向に重なるように前記突起部37a,37bを整流子本体141(セグメント1〜24)の外周面から径方向外側に突出させている。前記短絡部材151(短絡構成部材群31a,31b)は、前記本体側突起部30とともに前記突起部37a,37bが接合されることで、前記セグメント1〜24ともども外周側端末33a,33bが電気的に接続され、整流子本体141に固定されている。尚、前記爪部38を有する外周側端末33bは、8個のセグメント1,4,7,10,13,16,19,22と接続されている。
前記整流子本体141に固定された短絡部材151は、前記爪部38を整流子本体141(セグメント1〜24)の外周面から径方向外側に突出させている。この爪部38の先端部までの径方向の距離は、前記位置決め壁部134の内周面までの径方向の距離と同等に設定されていることは既述のとおりである。
前記整流子113は、前記軸貫通孔143に前記回転軸111が圧入にて挿通されることで同回転軸111に固定されている。このとき、前記爪部38は、前記ガイド壁部131よりも径方向外側に延出している。前記整流子113は、前記爪部38が前記ガイド壁部131の切り欠き132を貫通する態様で前記台座部133に当接するように組み付けられて、その軸方向及び周方向の位置が位置決めされている。そして、前記整流子113は、前記爪部38の先端部(折返し片38a)が前記インシュレータ114の位置決め壁部134と嵌合にて位置決めされることでより安定して位置決めされる。
前記整流子113の組み付けに伴い、前記位置決め壁部134により位置決めされた爪部38は、その後の巻線116a〜116hの巻回において、前記ガイド壁部131の案内により形成される前記渡り線117の中間部に配置される。すなわち、前記ガイド壁部131に案内される前記渡り線117は、その中間部において前記爪部38上に配置される。図7(a)に示したように、上記爪部38上に配置された渡り線117は、この段階では軸方向と平行に屈曲されている前記折返し片38aにより径方向外側のずれが規制されている。そして、図7(b)に示したように、巻線116a〜116hの巻回が終了した段階で、前記渡り線117及び爪部38は、前記折返し片38aが同渡り線117を挟持するように中心側に折り返されて、ヒュージング等で接合される。そして、前記渡り線117及び爪部38(整流子113)は、電気的に接続される。従って、先のティース部122a〜122hに巻回された巻線116a〜116hと次のティース部に巻回される巻線との間に形成される渡り線117は、当該渡り線117が結合される爪部38(整流子113)と結合するための巻線116a〜116hの端末となっている。
尚、前記整流子113の組み付け状態では、前記爪部38とともに前記整流子113の一部は、前記ガイド壁部131と前記台座部133との突出長の差分だけ同ガイド壁部131によって包囲される空間内に没入している。これは、電機子103の軸長ロスを低減して軸方向への大型化を抑制するためである。
図8は、上述の態様で整流子113(セグメント1〜24)と巻線116a〜116hとを電気的に接続した電機子103を平面的に展開した展開図である。短絡部材151は、24個のセグメント1〜24のうち、あるセグメントを基準に、周方向に8個目及び16個目のセグメントと同電位になるように接続されており、すなわち120度間隔の3つのセグメントが同電位になるように電気的接続され、8種のセグメント群が存在するように設定されている。そして、爪部38は等間隔に配置され、同電位のセグメントから1つの爪部が設けられるように接続されている。図示しないが、図8のセグメントに設けられる爪部38は、1、4、7、10、13、16、19、22の位置となる。つまり、3セグメント毎に爪部38が設けられる。
次に、前記電機子103の製造態様について総括して説明する。この電機子103の製造においては、まず、前記インシュレータ114,115の装着された前記コア112と前記整流子113とを前記回転軸111に固定する。この際、前記爪部38が前記ガイド壁部131の切り欠き132を貫通する態様で前記台座部133に当接するように前記整流子113を組み付ける。このときの整流子113の軸方向の位置は、完成状態での同位置(再圧入を要しない位置)に一致する。
そして、巻線116a〜116hの巻回においては、同巻線116a〜116hを最初のティース部122a〜122hに巻回(集中巻)した後、これを通路129aから第2規制壁部129の内周側に導入する。そして、前記ガイド壁部131に案内させつつ周方向に渡り線117を形成するように、隣の連続する2個のティース部を越えて第2規制壁部129の内周側から導出し、次のティース部に巻回(集中巻)する。この際、前記ガイド壁部131に案内される渡り線117は、その中間部において自ずと前記爪部38上に配置されることは既述のとおりである。このように、各ティース部122a〜122hへの巻線116a〜116hの巻回を順次、行うことで、全てのティース部122a〜122hへの巻線116a〜116hの巻回が終了する。
その後、例えば整流子113側から治具を挿入して、前記折返し片38aが前記渡り線117を挟持するようにこれを中心側に折り返し、同渡り線117及び爪部38をヒュージング等で接合する。これにより、前記整流子113と前記巻線116a〜116hとが電気的に接続され、電機子103の製造が完了する。
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、前記爪部38は、前記ガイド壁部131よりも径方向外側に延出していることで、前記渡り線117の形成位置に合わせて前記爪部38を配置しておけば、前記ガイド壁部131に案内される前記渡り線117は、その中間部において自ずと前記爪部38上に配置される。このように、前記渡り線117及び前記爪部38を結合しやすい位置に設定したことで、前記巻線116a〜116hと前記爪部38との結合作業を容易に行うことができる。例えば前記巻線116a〜116hの巻回に際して、特許文献1のような前記渡り線117を前記爪部38に引っ掛けるための特別な動作が不要となる。
(2)本実施形態では、前記爪部38は、前記切り欠き132を貫通することで、前記ガイド壁部131と干渉することなく同ガイド壁部131よりも径方向外側に延出する。そして、前記切り欠き132を貫通する爪部38は、前記位置決め壁部134により位置決めされることで、前記渡り線117を前記爪部38上により円滑に配置することができる。
(3)本実施形態では、前記短絡部材151と前記爪部38とが一体になっているため、例えば短絡用の導線やこれを爪部に接続するための端子などを別に設ける場合に比べて部品点数の増加を抑制することができる。
(4)本実施形態では、製造工数の増大を抑制可能な直流モータを提供することができる。
(5)本実施形態では、台座部133及び位置決め壁部134は、前記本体カバー部126に対し前記爪部38を軸方向に離隔する壁を形成することで、当該爪部38に結合される巻線116a〜116h(渡り線117)以外の巻線がこれに接触等することを防止できる。
(6)本実施形態では、前記爪部38とともに前記整流子113の一部を、前記ガイド壁部131と前記台座部133との突出長の差分だけ同ガイド壁部131によって包囲される空間内に没入させた。したがって、この軸方向への没入分だけ電機子103を軸方向に小型化することができる。
又、前記コア112及び前記整流子113は、前記渡り線117及び前記爪部38の結合しやすい位置で予め前記回転軸111に固定されているため、例えば前記巻線116a〜116hの巻回の前後でこれらを軸方向に相対移動させる必要もない。そして、前記巻線116a〜116hと前記爪部38との結合部の変形も回避できるため、当該結合部の信頼性を向上することができる。
(7)本実施形態では、2本のティース部とティース部の間に爪部38が配置されるため、巻線(渡り線117)がより内側に配置され、爪部と巻線とをより接続しやすくすることができる。
(8)巻線114a〜114hは、ティース部122a〜122hに集中巻にて巻回されているため、巻線114a〜114hの占積率が増大する。従って、直流モータ101の性能をより向上させることができる。
(9)同電位となるセグメント1〜24同士が、短絡部材151によって短絡されている。従って、陽極側給電用ブラシ106及び陰極側給電用ブラシ107をそれぞれ1つずつ備えた構成とすることができ、直流モータ101を一層小型化することができる。
(10)本実施形態の直流モータ101は、磁極の数Pが6である。また、コア112は、8つのティース部122a〜122h及び同ティース部122a〜122hによって形成される8つのスロット130a〜130hを備えている。そして、整流子113は、24個のセグメント1〜24を備え、同セグメント1〜24は、同電位となるセグメント1〜24同士が短絡部材151によって短絡されている。そのため、軸対称の各スロット130a〜130h間において、大きさが等しく向きが逆向きのトルクベクトルが発生する。その結果、電機子103の振動が抑制され、振動が小さい直流モータ101を提供することができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明を6極8スロット24セグメントのブラシ付き直流モータに具体化した第2の実施形態を図面に従って説明する。尚、第2の実施形態は、第1の実施形態の電機子及びその製造態様を変更したのみの構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明は省略する。
図9及び図10に示したように、本実施形態の電機子203は、前記回転軸111と、回転軸111に固定されたコア212と、同じく回転軸111に固定された整流子213と、コア212に装着された一対のインシュレータ214,215(図10参照)と、インシュレータ214,215を介してコア212に巻回された巻線216a〜216hとを備えている。
前記コア212は、例えば磁性粉体を成形(焼結)してなり、略八角形の外壁面を有する筒状の本体部221と、前記ティース部122a〜122hと同様の8個のティース部222a〜222hとを備えている。そして、上記本体部221は、軸方向に円形に貫通するその内壁面223から等角度間隔で径方向内側に延出する4つのアーム部224を形成するとともに、これらアーム部224の先端部に連続する円筒状の内輪部225(図10参照)を形成する。これらアーム部224及び内輪部225は、前記回転軸111にコア212を連結するための連結部を構成するもので、内輪部225には、中心部を貫通する軸挿通孔226が形成されている。前記コア212は、この軸挿通孔226に前記回転軸111が圧入にて挿通されることで同回転軸111に固定されている。尚、前記アーム部224は、1本おきの前記ティース部222b,222d,222f,222hの周方向中央部の位置に合わせて配置されている。そして、前記コア212の内周側には、前記内壁面223と内輪部225の外周面との間でアーム部224により区画された4つの空隙部Sが形成されている。これら空隙部Sが軸方向に貫通していることはいうまでもない。
前記整流子213に対向する一方のインシュレータ214は合成樹脂からなり、前記本体部221の外壁面と同等の略八角形の内壁面を有する筒状の本体カバー部227と、同本体カバー部227の各側面から径方向外側に放射状に延びる8個のティースカバー部228とを備えている。各ティースカバー部228は、前記ティース部222a〜222hと嵌合する内壁面を有している。上記インシュレータ214は、本体カバー部227において前記本体部221に嵌合されて、本体部221の軸方向片側の外壁面を覆う。又、上記インシュレータ214は、前記各ティースカバー部228において前記ティース部222a〜222hに嵌合されて、ティース部222a〜222hの軸方向片側端面及び周方向両側の端面を覆う。つまり、上記インシュレータ214は、前記コア212に軸方向一側から装着されることで、同コア212をその軸方向中間部まで被覆する。
尚、他方のインシュレータ215は、基本的に前記インシュレータ214と同様の形状を有している。このインシュレータ215は、上記に準じて前記コア212に軸方向他側から装着されることで、同コア212をその軸方向中間部まで被覆する。そして、両インシュレータ214,215の装着されたコア212は、各隣接するティース部222a〜222h(ティースカバー部228)間にスロット230a〜230hを形成している。各スロット230a〜230hは、前記インシュレータ214,215を介してティース部222a〜222hに巻回される巻線216a〜216hの通路をなすものである。
本実施形態において、上記巻線216a〜216hは、隣のティース部(ここでは、隣に連続する2個のティース部)を越えながら、ティース部222a〜222hに複数回連続して巻回(集中巻)されている。上記巻線216a〜216hは、先のティース部222a〜222hに巻回(集中巻)してから隣のティース部を越えて次のティース部に巻回(集中巻)する工程を順次、行うことで全てのティース部222a〜222hに巻回される。つまり、上記各巻線216a〜216hは、順次、隣のティース部を越えながら各ティース部222a〜222hに巻回(集中巻)されており、一方のインシュレータ214の内周側で、緊張状態で周方向に直線状に延びる渡り線217を形成している。各渡り線217は、任意のティース部222a〜222hの周方向一側(図9において反時計回転方向に相当する側)から隣のティース部2本分を越えながら同方向に延びて、他のティース部の周方向逆側に至る。尚、ティース部222a〜222h間を直線状に延びる上記渡り線217は、その長手方向中間部が前記空隙部Sを軸方向に延長した位置(空間)を横切るように配置されている。上記渡り線217は、緊張状態で直線状に延びることで、前記コア212(空隙部S)上での位置・姿勢が規定されていることはいうまでもない。
前記整流子213は、前記整流子113と同様、前記整流子本体141(図5参照)と前記短絡部材151(図6参照)とからなる。ただし、本実施形態において、セグメント1,4,7,10,13,16,19,22と接続される8個の外周側端末33bには、図10に示すように、前記爪部38とは異なる形状で径方向外側に突出する下向きの爪部218が形成されている。各爪部218の先端部までの径方向の距離は、前記コア212の内壁面223の内径よりも短く、且つ、前記空隙部Sを軸方向に延長した位置(空間)を横切る前記渡り線217の長手方向中間部までの径方向の距離よりも長く設定されている。この爪部218は、前記渡り線217との結合前の状態では、軸方向と平行に外側(コア212側)に屈曲された折返し片218aを有している。尚、整流子213の外径(全体として略円筒状をなすセグメント1〜24の外径)が、前記コア212の内壁面223の内径よりも短く設定されていることはいうまでもない。
前記整流子213は、前記軸貫通孔143に前記回転軸111が圧入にて挿通されることで同回転軸111に固定されている。尚、回転軸111に固定された前記コア212には、前記巻線216a〜216hが予め巻回されており、前記ティース部222a〜222h間の前記渡り線217は、張力が働くことで所定の位置に保持されている。前記爪部218は、各隣り合うアーム部224間の角度位置、即ち前記空隙部Sを軸方向に延長した位置に配置されており、前記渡り線217上に配置されてその長手方向中間部に当接する。
図11(a)に示したように、前記渡り線217上に配置された爪部218は、前記コア212や他の渡り線217等と干渉することなく当該渡り線217の長手方向中間部に当接する。特に、これら渡り線217及び爪部218の当接部は、前記空隙部Sにより軸方向両側が開放されている。この状態で、図11(b)に示したように、前記渡り線217及び爪部218は、前記折返し片218aが同渡り線217を挟持するように中心側に折り返されて、軸方向一側及び他側(図11(b)の上側及び下側)から挿入された治具231,232により、ヒュージングで接合(溶着)される。そして、前記渡り線217及び爪部218(整流子213)は、電気的に接続される。尚、先のティース部222a〜222hに巻回された巻線216a〜216hと次のティース部に巻回される巻線との間に形成される渡り線217は、当該渡り線217が結合される爪部218(整流子213)と結合するための巻線216a〜216hの端末となっている。
ここで、前記電機子203の製造態様について総括して説明する。この電機子203の製造においては、まず、前記インシュレータ214,215の装着された前記コア212に巻線216a〜216hを巻回する。巻線216a〜216hの巻回においては、同巻線216a〜216hを最初のティース部222a〜222hに巻回(集中巻)した後、隣の連続する2個のティース部を越えて、次のティース部に巻回(集中巻)する。この際、前記渡り線217は、緊張状態で周方向に直線状に延びることは既述のとおりである。このように、各ティース部222a〜222hへの巻線216a〜216hの巻回を順次、行うことで、全てのティース部222a〜222hへの巻線216a〜216hの巻回が終了する。尚、コア212の前記回転軸111への固定(圧入工程)は、巻線216a〜216hの巻回工程の前後いずれで行ってもよい。
次に、前記コア212の固定された回転軸111に、前記整流子213を固定する。この際、前記爪部218が前記渡り線217の長手方向中間部に当接するように前記整流子213を組み付ける。このときの整流子213の軸方向の位置は、完成状態での同位置(再圧入を要しない位置)に一致する。
その後、前記折返し片218aが前記渡り線217を挟持するようにこれを中心側に折り返し、前記空隙部Sを利用して軸方向一側及び他側(図11(b)の上側及び下側)から治具231,232を挿入して、同渡り線217及び爪部218をヒュージングで接合する。これにより、前記整流子213と前記巻線216a〜216hとが電気的に接続され、電機子203の製造が完了する。
以上詳述したように、本実施形態によれば、前記第1の実施形態における(3)(4)(7)〜(10)の効果に加えて以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、前記ティース部222a〜222h間の前記渡り線217には張力が働くことで、前記巻線216a〜216hの巻回後に前記渡り線217は所定の位置に保持される。一方、前記整流子213の爪部218は、前記セグメント1,4,7,10,13,16,19,22の端部から径方向外側に突出しており、同爪部218の位置と、前記渡り線217の位置とが一致させられている。従って、前記巻線216a〜216h(渡り線217)及び前記整流子213(爪部218)の接続にあたり、別途、保持部材を備えることなく容易にこれらを接続することができる。又、前記整流子213の圧入前に巻線216a〜216hを巻回したことで、同整流子213の圧入に際してその爪部218に巻線(渡り線217)が当接されるため、爪部218に巻線(渡り線217)を引っ掛ける動作が不要となって工数を低減することができる。
(2)本実施形態では、前記治具231,232の挿入方向と前記空隙部Sの貫通方向とを合わせ、前記空隙部Sの軸方向延長位置となる前記整流子213の爪部218と前記渡り線217との当接部において、前記渡り線217や前記コア212(連結部アーム部224、内輪部225等)に邪魔されることなく、これら爪部218及び渡り線217をヒュージングで接合することができる。
(3)本実施形態では、前記渡り線217は、前記爪部218の結合しやすい位置に予め保持されているため、例えば前記コア212の固定された回転軸111に前記整流子213を圧入する工程を一度で済まして前記巻線216a〜216h及び前記整流子213(爪部218)を結合することができる。そして、前記巻線216a〜216hと前記爪部218との結合部の変形も回避できるため、当該結合部の信頼性を向上することができる。
(第3の実施形態)
以下、本発明を6極8スロット24セグメントのブラシ付き直流モータに具体化した第3の実施形態を図面に従って説明する。尚、第3の実施形態は、第1及び第2の実施形態の電機子及びその製造態様を変更したのみの構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明は省略する。
図12に示したように、本実施形態の電機子303は、前記回転軸111と、回転軸111に固定されたコア312と、同じく回転軸111に固定された整流子313と、コア312に巻回された巻線314a〜314hとを備えている。
図14に示すように、コア312は、本体部321と、複数(本実施形態では8つ)のティース部322a〜322hとから構成されている。本体部321は筒状をなしており、その内周面によって軸方向に貫通した軸挿通孔323が形成されている。図13に示すように、軸挿通孔323の内径は、回転軸111の外径よりも若干小さく形成されており、コア312は、この軸挿通孔323に回転軸111が圧入されることにより回転軸111に対して固定されている。
本体部321の整流子313側の端面324には、収納穴325が形成されている。収納穴325は、軸方向から見た形状が、正8角形状となるように形成されている(図14参照)。また、本体部321において、収納穴325の底面326から整流子313側の端面324までの部分が収納穴325の側壁部327となっている。尚、本体部321の反整流子313側の端面328にも収納穴325と同様の形状をなす調整穴329が形成されている。
図14に示すように、本体部321の外形(本体部321の外周面によって形成される形状)は、軸方向から見た形状が、収納穴325に合わせた正8角形状となるように形成されている。即ち、本体部321の外形は、本体部321を軸方向から見た場合に、収納穴325における正8角形の頂点X1〜X8の周方向位置と、本体部321の外形における正8角形の頂点Y1〜Y8の周方向位置とが一致するように形成されている。
本体部321の外周面には、前記ティース部322a〜322hが形成されている。各ティース部322a〜322hの軸方向の長さは、本体部321の軸方向の長さと等しく形成されている。また、各ティース部322a〜322hは、軸方向から見ると、本体部321の外周面を構成する8つの面の幅方向中央部から径方向外側に向かって延びている。即ち、ティース部322a〜322hは、本体部321から放射状に延びている。そして、コア312を軸方向から見ると、前記収納穴325の正8角形の頂点X1〜X8は、周方向には、それぞれティース部322a〜322h間の中央に位置している。
8つのティース部322a〜322h間には、同ティース部322a〜322hによってそれぞれスロット330a〜330hが形成されている。図12に示すように、各ティース部322a〜322hには、インシュレータ331を介して、スロット330a〜330h内を通るように巻線314a〜314hが集中巻にて巻回されている。各巻線314a〜314hは、ティース部322a〜322hの軸方向両端に位置するコイルエンド部333を備えている(図13参照)。詳しくは、コイルエンド部333は、コア312の軸方向両端面312a,312b上にあるインシュレータ331(ただし、本体部321の端面324上にあるインシュレータ331と等しい厚さの部分)よりも軸方向に突出した部分である。
前記整流子313が備える円筒状の絶縁体341の内周面は、前記回転軸111が圧入される軸貫通孔342を形成している。軸貫通孔342の内径は、回転軸111の外径より若干小さく形成されており、軸貫通孔342に回転軸111が圧入されることによって整流子313は回転軸111に対して固定されている。
前記各セグメント1〜24は、その長手方向が軸方向に沿うように、絶縁体341の外周面に固定されている。絶縁体341の外周面においては、セグメント1〜24は、周方向に等角度間隔に配置され、隣接するセグメント1〜24間に間隙を有している。
セグメント1〜24のうち、周方向に等角度間隔に位置された8つのセグメント1,4,7,10,13,16,19,22、即ち、2つ置きのセグメント1,4,7,10,13,16,19,22には爪部343a〜343hが設けられている。つまり、本実施形態では、ティース部322a〜322hの数と同数の8つの爪部343a〜343hが形成されている。因みに、前記収納穴325は、軸方向から見た形状が、これらの爪部343a〜343hの周方向位置と、頂点X1〜X8の周方向位置とが一致する正8角形状となるように形成されている。更に、前記収納穴325は、爪部343a〜343hを含む整流子313の軸方向一端部を収納可能な大きさに形成されている。
図13に示すように、爪部343a〜343hは、セグメント1,4,7,10,13,16,19,22のコア312側の端部から延設されており、各セグメント1,4,7,10,13,16,19,22の幅よりもその幅が狭く形成された板状をなしている。そして、爪部343a〜343hは、前記巻線314a〜314hを引っ掛けることができるように、整流子313の反コア312側の端面に向かって折り返されている。これにより、爪部343a〜343hは、整流子313の径方向外側に向かって突出した形状となっている。各爪部343a〜343hは、折り返された状態において、その軸方向の長さL1が、前記収納穴325の底面326と整流子313側のコイルエンド部333の先端との間の軸方向に沿った距離L2よりも短く形成されている。本実施形態では、距離L2は、前記収納穴325の深さL3(図13では、端面324上にあるインシュレータ333の厚さを含めた深さを収納穴325の深さとしている)とコイルエンド部333の軸方向の幅L4との和に相当する。このような爪部343a〜343hには、前記巻線314a〜314hが結線されている。
図15に示すように、絶縁体341のコア312側の端面には、短絡部材351が配設されている。尚、図13では、短絡部材351を省略して整流子313を図示している。短絡部材351は、同電位となるセグメント1〜24(本実施形態では、7つおきのセグメント)同士を短絡するためのものである(図17参照)。この短絡部材351は、2つの同一の短絡構成部材群352a,352bと、絶縁材353とから構成されている。図16に示すように、各短絡構成部材群352a,352bは、周方向に複数配置された外周側端末354a,354bと、外周側端末354a,354bの内側で周方向に複数配置された内周側端末355a,355bとを備えている。また、各短絡構成部材群352a,352bは、外周側端末354a,354bと内周側端末355a,355bとを周方向に所定角度ずらして連結する複数の連結部356a,356bを備えている。これらの外周側端末354a,354b、内周側端末355a,355b及び連結部356a,356bは、略同一平面状(略平板状)に形成されている。本実施形態では、外周側端末354a,354b、内周側端末355a,355b、及び連結部356a,356bは短絡構成部材群352a,352b毎にそれぞれ24個ずつ形成されている。また、本実施形態では、前記所定角度は60°であり、端末を4つ分ずらした角度と等しい。
外周側端末354a,354bには、径方向外側に延びる係止部357a,357bが形成されている。連結部356a,356bは、インボリュート曲線に沿って形成されている。また、図15に示すように、連結部356a,356bは外周側端末354a,354b及び内周側端末355a,355bよりも肉薄に形成されており、これにより連結部356a,356bと外周側端末354a,354bとの間及び連結部356a,356bと内周側端末355a,355bとの間に段差部358a,358bが形成されている。
このような短絡構成部材群352a,352bは、板状の導電性部材を打ち抜いて形成されている。そして、各短絡構成部材群352a,352bは、連結部356a,356bが逆向き(同方向から見てずらす方向が逆向き)となるように軸方向に積層され、積層されることにより外周側端末354a,354b同士と内周側端末355a,355b同士がそれぞれ積層方向に面接触されている。尚、連結部356a,356bは、前記段差部358a,358bによって積層方向に非接触となっている。そして、短絡構成部材群352a,352bは、前記係止部357a,357bがそれぞれ前記セグメント1〜24に固定されることにより、整流子313に固定されている。
前記絶縁材353は、絶縁性を有する樹脂材料よりなり、積層方向に並ぶ前記連結部356a,356b間に介在されている。詳しくは、絶縁材353は、上記のように構成された外周側端末354a,354b、内周側端末355a,355b、及び連結部356a,356bのそれぞれの隙間を埋めるように形成されている。
上記のように構成された整流子313は、図13に示すように、回転軸111において、当該整流子313のコア312側の一端部が前記収納穴325に収納される位置に固定されている。詳しくは、整流子313は、爪部343a〜343hの一部が収納穴325に収納されるとともに、爪部343a〜343hが整流子313側のコイルエンド部333の先端よりも収納穴325の底面326側に位置するように回転軸111に対して固定されている。尚、整流子313のコア312と軸方向に対向する端面313aは、収納穴325の底面326に当接していない。
次に、上記のように構成された電機子303の製造方法を説明する。
まず、本体部321の軸挿通孔323に回転軸111が圧入されることにより、コア312が回転軸111に対して固定される。その後、絶縁体341の軸貫通孔342に回転軸111が圧入されることにより、整流子313が回転軸111に対して圧入固定される。整流子313は、図18(a)に示すように、爪部343a〜343hが設けられている側の端部が本体部321に形成された収納穴325と軸方向に対向するように回転軸111に対して暫定的に固定される。このとき、整流子313は、回転軸111において、整流子313のコア312と軸方向に対向する端面313aと収納穴325の底面326との間の距離L5が、収納穴325の底面326と整流子313側のコイルエンド部333の先端との間の軸方向に沿った距離L2の少なくとも2倍となる位置に固定されている。因みに、整流子313を回転軸111に固定する際には、コイルエンド部333の先端の位置は、予め測定してあったものを利用する。図18(a)では、整流子313は、回転軸111において、距離L5が距離L2の2倍となる位置に固定されている。この状態で、インシュレータ331を介してティース部322a〜322hに巻線314a〜314hが巻回される。
図12及び図17に示すように、まず、巻線314a〜314hは、セグメント1に形成された爪部343aに引っ掛けられ、爪部343aから反時計回転方向に67.5°進んだ位置にあるスロット330h側から、同スロット330hとスロット330aとの間にあるティース部322aに所定ターン数巻回される。次いで、巻線314a〜314hは、スロット330aから反時計回転方向に135°進んだ位置にあるスロット330c側から、同スロット330cとスロット330dとの間にあるティース部322dに所定ターン数巻回される。このとき、巻線314a〜314hは、スロット330aからスロット330cに向かう間で、周方向に延びるとともに、スロット330aとスロット330cとの中間に位置するセグメント10に形成された爪部343d、即ちスロット330aから反時計回転方向に67.5°進んだ位置に位置する爪部343dに一巻きで引っ掛けられる渡り線315を形成している。尚、この渡り線315の延出に係る周方向とは、径方向に交差する方向を意味するものであって、厳密に円周に沿った方向を意味するものではない。
以後、同様に、コア312に巻線314a〜314hが巻回される。即ち、巻線314a〜314hは、渡り線315において、スロット330dから反時計回転方向に67.5°進んだ位置にある爪部343gに引っ掛けられ、スロット330dから反時計回転方向に135°進んだ位置にあるスロット330f側から、同スロット330fとスロット330gとの間にあるティース部322gに所定ターン数巻回される。次いで、巻線314a〜314hは、渡り線315において、スロット330gから反時計回転方向に67.5°進んだ位置にある爪部343bに引っ掛けられ、スロット330gから反時計回転方向に135°進んだ位置にあるスロット330a側から、同スロット330aとスロット330bとの間にあるティース部322bに所定ターン数巻回される。次いで、巻線314a〜314hは、渡り線315において、スロット330bから反時計回転方向に67.5°進んだ位置にある爪部343eに引っ掛けられ、スロット330bから反時計回転方向に135°進んだ位置にあるスロット330d側から、同スロット330dとスロット330eとの間にあるティース部322eに所定ターン数巻回される。次いで、巻線314a〜314hは、渡り線315において、スロット330eから反時計回転方向に67.5°進んだ位置にある爪部343hに引っ掛けられ、スロット330eから反時計回転方向に135°進んだ位置にあるスロット330g側から、同スロット330gとスロット330hとの間にあるティース部322hに所定ターン数巻回される。次いで、巻線314a〜314hは、渡り線315において、スロット330hから反時計回転方向に67.5°進んだ位置にある爪部343cに引っ掛けられ、スロット330hから反時計回転方向に135°進んだ位置にあるスロット330b側から、同スロット330bとスロット330cとの間にあるティース部322cに所定ターン数巻回される。次いで、巻線314a〜314hは、渡り線315において、スロット330cから反時計回転方向に67.5°進んだ位置にある爪部343fに引っ掛けられ、スロット330cから反時計回転方向に135°進んだ位置にあるスロット330e側から、同スロット330eとスロット330fとの間にあるティース部322fに所定ターン数巻回される。そして、巻線314a〜314hは、渡り線315において、ティース部322fに巻回された後、スロット330fから反時計回転方向に67.5°進んだ位置にある爪部343aに引っ掛けられる。
以上により、巻線314a〜314hは、渡り線315において、爪部343a〜343hに引っ掛けられながら、全てのティース部322a〜322hに巻回(集中巻)される。巻線314a〜314hは、爪部343a〜343hに引っ掛けられた渡り線315において、爪部343a〜343hにヒュージングで接合されて同爪部343a〜343h(整流子113)と電気的に接続される。つまり、渡り線315は、当該渡り線315が結合される爪部343a〜343h(整流子313)と結合するための巻線314a〜314hの端末となっている。
次いで、整流子313は、図18(b)に示すように、コア312側の軸方向一端部(爪部343a〜343hが設けられている側の端部)が収納穴325に収納されるように、収納穴325の底面326に向けて再度圧入される。この時、整流子313は、コア312と軸方向に対向する端面313a(短絡部材351が配設されている側の面)が収納穴325の底面326に当接する直前まで圧入される。これにより、整流子313のコア312側の端部が収納穴325に収納されるとともに、爪部343a〜343hは、コイルエンド部333の先端よりも収納穴325の底面326側に配置される。尚、図18(b)では、渡り線315を省略して図示している。
以上詳述したように、本実施形態によれば、前記第1の実施形態における(3)(4)(7)〜(10)の効果に加えて以下に示す効果が得られるようになる。
(1)整流子313は、その軸方向一端部が収納穴325に収納されるように回転軸111に対して固定されていることから、電機子303は軸方向に小型化される。そして、本実施形態では、収納穴325は、軸方向から見た形状が、その頂点X1〜X8の周方向位置が前記爪部343a〜343hの周方向位置と一致する正8角形状となるように形成されている。従って、収納穴325が爪部343a〜343hを収納可能な丸穴である場合に比べて、隣接する爪部343a〜343h間における収納穴325の側壁部327の幅が径方向内側に向けて広くなる。よって、隣接する爪部343a〜343h間における側壁部327の径方向に沿った断面積が減少されることが抑制される。その結果、この電機子303を備えた直流モータ101において、コア312(特に側壁部327)を通過する磁束が減少されることが抑制されるため、直流モータ101の性能を低下させることなく電機子303を小型化することができ、ひいては電機子303を備えた直流モータ101を小型化することができる。
(2)本体部321の外形は、軸方向から見た形状が、その頂点X1〜X8の周方向位置と収納穴325の頂点X1〜X8の周方向位置とが一致する正8角形状に形成されている。そして、本体部321の外周面を構成する8つの面の幅方向中央部にティース部322a〜322hが形成されている。従って、従来の外形が円形状の本体部と比べて、各ティース部322a〜322hの基端部の両側が平面状になった分だけ、スロット330a〜330hの容積が増大される。その結果、巻線314a〜314hの巻数が従来と同じである場合には、ティース部322a〜322hの径方向に沿った長さを短くすることが可能となり、直流モータ101の径方向の小型化を図ることができる。また、コア312の外径(ティース部322a〜322hの先端における外径)を従来と同じにする場合には、巻線314a〜314hの巻数を増大させることができ、直流モータ101の性能を向上させることができる。
(3)爪部343a〜343hは、その軸方向の長さL1が、収納穴325の底面326と整流子313側のコイルエンド部333の先端部との間の軸方向に沿った距離L2よりも短く形成されている。そのため、爪部343a〜343hは、整流子313側のコイルエンド部333の先端よりも収納穴325の底面326側に収納されることが可能となり、本実施形態では、爪部343a〜343hは、整流子313側のコイルエンド部333の先端よりも収納穴325の底面326側に収納されている。従って、電機子303はより軸方向に小型化される。また、爪部343a〜343hがコイルエンド部333の先端よりも反コア312側に出ないことから、陽極側給電用ブラシ106及び陰極側給電用ブラシ107を整流子313側のコイルエンド部333に当接する直前まで同コイルエンド部333に近づけることができる。従って、直流モータ101の更なる軸方向の小型化を図ることができる。
(4)電機子303を製造する際、整流子313は、整流子313のコア312と軸方向に対向する端面313aと収納穴325の底面326との間の距離L5が、収納穴325の底面326と整流子313側のコイルエンド部333の先端との間の軸方向に沿った距離L2の少なくとも2倍となる位置に固定される。言い換えると、整流子313は、整流子313側のコイルエンド部333の先端と整流子313のコア312と軸方向に対向する端面313aとの間の距離が、整流子313側のコイルエンド部333の先端と収納穴325の底面326との間の距離以上となるように回転軸111に対して固定される。そして、この状態で、巻線314a〜314hの巻回及び爪部343a〜343hへの接続が行われる。即ち、整流子313のコア312側の軸方向一端部が収納穴325に収納された状態において爪部343a〜343hと整流子313側のコイルエンド部333の先端とを結んだ距離以上に、整流子313側のコイルエンド部333と爪部343a〜343hとの間の巻線314a〜314hの長さが長くなる状態で巻線314a〜314hの接続が行われる。従って、整流子313のコア312側の軸方向一端部を収納穴325に収納した場合に、爪部343a〜343hと整流子313側のコイルエンド部333との間の巻線314a〜314hが突っ張った状態となることが防止される。よって、爪部343a〜343hと整流子313側のコイルエンド部333との間の巻線314a〜314hが突っ張ることによって爪部343a〜343hが破損したり、爪部343a〜343hと整流子313側のコイルエンド部333との間の巻線314a〜314hが切れたりすることを防止することができる。その結果、不良品の発生を抑えることができる。また、直流モータ101の稼働時に、爪部343a〜343hと整流子313側のコイルエンド部333との間の巻線314a〜314hが切れることを防止することができる。
(5)巻線314a〜314hは、ティース部322a〜322hに巻回される際に、例えば、ティース部322aに巻回された後、スロット330aから反時計回転方向に67.5°進んだ位置にある爪部343dに引っ掛けられる(一巻きされる)。そして、巻線314a〜314hは、スロット330aから反時計回転方向に135°進んだ位置にあるスロット330c側から、同スロット330cとスロット330dとの間にあるティース部322dに所定ターン数巻回される。巻線314a〜314hは、何れのティース部322a〜322hにも同様に巻回される。このように巻線314a〜314hが巻回されると、爪部343a〜343hと整流子313側のコイルエンド部333との間の巻線314a〜314hは、整流子313がコア312側へ再度圧入される際に、整流子313の移動を許容し易くなる。その結果、整流子313のコア312側の軸方向一端部を収納穴325に収納した場合に、爪部343a〜343hと整流子313側のコイルエンド部333との間の巻線314a〜314hが突っ張った状態となることがより防止される。尚、各コイル332a〜332hと各爪部343a〜343hとの間の巻線314a〜314hを、多少余裕を持たせて長めにすることにより、爪部343a〜343hと整流子313側のコイルエンド部333との間の巻線314a〜314hが突っ張った状態となることが更に防止される。
尚、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・前記第1の実施形態において、図19に示すように、径方向外側に平坦に延びる爪部41を採用してもよい。この場合であっても、爪部41が前記ガイド壁部131よりも径方向外側に延出することで、前記ガイド壁部131に案内される前記渡り線117は、その中間部において自ずと同爪部41上に配置される。尚、前記渡り線117及び前記爪部41の結合に際しては、例えばレーザ溶接にてこれらを接合することで、前記巻線116a〜116hと前記爪部41との結合作業を容易に行うことができる。
・前記第1の実施形態において、ガイド壁部131は、略八角形の筒形状であってもよい。
・前記第1の実施形態において、ガイド壁部131の切り欠き132や台座部133、位置決め壁部134を割愛してもよい。特に、切り欠き132を割愛する場合には、爪部38がガイド壁部131と干渉してこれと軸方向に重なることになるが、前記ガイド壁部131に案内される前記渡り線117は、依然として前記爪部38上に配置されることになる。
・前記第1の実施形態において、爪部38は、外周側端末33aに形成してもよい。あるいは、セグメント1〜24に一体形成してもよい。
・前記第1の実施形態においては、積層方向に並ぶ連結部35a,35b間に絶縁材32が介在される構成としたが、積層方向に並ぶ連結部間に絶縁材を設けず空隙を形成した構成に変更してもよい。
・前記第1及び第2の実施形態においては、コア112,212の本体部121,221やインシュレータ114,115,214,215の本体カバー部126,227は円環状であってもよい。
・前記第2の実施形態において、インシュレータ214,215を割愛してもよい。
・前記第2の実施形態において、前記整流子213の爪部218と前記渡り線217とを、前記空隙部Sの位置で当接させてもよい。
・前記第2の実施形態においては、ティース部222a〜222hに巻線214a〜214hを巻回した後に、渡り線217と爪部218とが一致するように整流子213を回転軸111に圧入しているが、爪部218の折返し片218aを軸方向と平行に内側(コア212の逆側)に屈曲する折返し片(図示せず)とすれば、ティース部222a〜222hに巻線214a〜214hを巻回した後に、整流子213の爪部218が各隣り合うティース部222a〜222h間に配置されるように整流子213を回転軸111に圧入し、その後、渡り線217と爪部218とが一致するように渡り線217をティース部222a〜222hに巻回し、最後に治具231,232により、これら渡り線217及び爪部218をヒュージングで接合(溶着)する方法を用いてもよい。この場合、回転軸111と整流子213との軸方向支持力が弱いときでも、渡り線217が整流子213の軸方向への抜け防止として機能する効果がある。
・前記第2の実施形態においては、アーム部224の本数は4本であり、ティース部222a〜222hの本数である8本の半分となっているが、アーム部224はティース部222a〜222hの径方向延長上にあればよく、別の本数であってもよい。即ち、渡り線217の最も径方向内側に位置する部分は、各隣り合うティース部222a〜222h間に配置される。これは、渡り線217が2本のティース部を跨ぐからである。よって、アーム部224は、最も径方向内側に位置する渡り線217の位置を避ける構造となるティース部222a〜222hの径方向延長上にあればよい。例えば、全てのティース部222a〜222hの径方向延長上に全てアーム部224を配置すれば、アーム部224の本数はティース部と同じ数である8本となって強度的に優れている。
・前記第3の実施形態においては、爪部343a〜343hの軸方向の長さL1は、収納穴325の底面326と整流子313側のコイルエンド部333の先端との軸方向に沿った距離L2以下の長さに形成されているが、これ以外の長さに形成されてもよい。
・前記第3の実施形態においては、本体部321の外形は、軸方向から見た形状が収納穴325に合わせた正8角形状に形成されているが、これに限らない。例えば、本体部321の外形は、軸方向から見て、円形状であってもよい。
・前記第3の実施形態においては、整流子313は、爪部343a〜343hが、整流子313側のコイルエンド部333の先端よりも収納穴325の底面326側に位置するように回転軸111に対して固定されている。しかしながら、整流子313は、爪部343a〜343hの少なくとも一部が収納穴325に収納されるように回転軸111に対して固定されていればよく、爪部343a〜343hが整流子313側のコイルエンド部333の先端よりも反コア312側に出ていてもよい。
・前記第3の実施形態においては、収納穴325は、軸方向から見た形状が、爪部343a〜343hと同数の頂点X1〜X8を有する正8角形状に形成されているが、これに限らない。例えば、収納穴325は、軸方向から見た形状が、爪部343a〜343hの数よりも多い頂点を有する多角形状となるように形成されてもよい。この場合、爪部343a〜343h間に位置する頂点は、整流子313を収納可能な範囲内でできる限り径方向内側に配置されているとよい。このように構成しても、収納穴325が爪部343a〜343hを収納可能な丸穴である場合に比べて、隣接する爪部343a〜343h間における収納穴325の側壁部327の幅が径方向内側に向けて広くなる。従って、直流モータ101の性能を低下させることなく電機子303を小型化することができ、ひいては電機子303を備えた直流モータ101を小型化することができる。
・前記第3の実施形態において、整流子313の回転軸111への圧入に先だって、巻線314a〜314hを予め巻回するとともに、その渡り線315の位置と爪部343a〜343hの位置とが一致するように設定しておき、整流子313の圧入に伴いこれら整流子313及び巻線314a〜314hを電気的に接続するようにしてもよい。
・前記各実施形態において、爪部38,41,218,343a〜343hの個数(8個)は一例である。
・前記各実施形態において、略平板状の短絡部材151,351の代わりに短絡線を短絡部材として用い、同短絡線によって同電位となるセグメント1〜24を短絡してもよい。
・前記各実施形態において、陽極側給電用ブラシ106及び陰極側給電用ブラシ107は、それぞれ複数個ずつ設けられてもよい。このようにすると、電機子103,203,303への電流の供給が安定する。
・前記各実施形態において、セグメント1〜24と短絡部材151,351との結合態様は一例である。
・前記各実施形態において、短絡部材151,351によりセグメント1〜24が短絡される角度間隔は、一例である。
・モータ101は、極数Pが4以上の偶数、スロット数NがN=P±2(ただし、P=4のときN=6)、整流子のセグメント数SがS=N×(P/2)の集中巻モータであればよい。
S…空隙部、1〜24…セグメント、38,41,218,343a〜343h…爪部、101…モータ、102…固定子、103,203,303…電機子、104…ヨークハウジング、105…永久磁石、106…陽極側給電用ブラシ、107…陰極側給電用ブラシ、111…回転軸、112,212,312…コア、113,213,313…整流子、114,115,214,215…インシュレータ、116a〜116h,216a〜216h,314a〜314h…巻線、117,217,315…渡り線、121,221,321…本体部、122a〜122h,222a〜222h,322a〜322h…ティース部、130a〜130h,230a〜230h,330a〜330h…スロット、131…ガイド壁部、132…切り欠き、133…台座部、134…位置決め壁部、151…短絡部材、223…内壁面、224…連結部を構成するアーム部、225…連結部を構成する内輪部、231,232…治具、313a…端面、325…収納穴、326…底面、333…コイルエンド部、351…短絡部材、L1…爪部の軸方向に沿った長さ、L2…収容穴の底面と整流子側のコイルエンド部の先端との間の軸方向に沿った距離、L5…整流子のコアと軸方向に対向する端面と収容穴の底面との間の距離、X1〜X8…収納穴の頂点、Y1〜Y8…本体部の外形の頂点。