JP2006269922A - 単板式カラー固体撮像素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 半導体基板の深さ方向に複数のフォトダイオードを設け半導体の光吸収係数の波長依存性を利用してカラー信号を分離して検出する撮像素子で、フォトダイオード間の分光感度特性の分離を良好にする。
【解決手段】 シリコン基板101の深さ方向にn型またはp型の半導体層103を挟んだ2つのpn接合面113,114を設けシリコンの光吸収係数の波長依存性により入射光を青色と赤色に分離し青色光によって発生した電荷をpn接合面113で検出し赤色光によって発生した電荷をpn接合面114で検出する単板式カラー固体撮像素子で、入射光の入射によって半導体層103で発生する光電荷のうち少数キャリアが半導体層103内でpn接合面113方向とpn接合面114方向とに分流する境界面Yの位置が、青色と赤色に分離する光の波長に対応するシリコン深さとなるような厚さに半導体層103を製造する。
【選択図】 図1

Description

本発明は1画素で赤色(R),緑色(G),青色(B)の3色の信号を検出する単板式カラー固体撮像素子に係り、特に、色再現性が良好で高感度,高解像度のカラー画像を撮像することができる単板式カラー固体撮像素子に関する。
従来のCCDイメージセンサやCMOSイメージセンサに代表される単板式カラー固体撮像素子は、光電変換する画素(フォトダイオード)配列上にモザイク状にR,G,Bの各色フィルタを搭載している。そして、カラー固体撮像素子の各画素から出力される色フィルタに応じた色信号を信号処理することで、カラー画像を生成する様になっている。
しかし、色フィルタがモザイク状に配置されたカラー固体撮像素子は、原色の色フィルタ(R,G,Bの3色)の場合,入射光の2/3が各色フィルタで吸収されるため、光利用効率が悪く、感度が低いという欠点を持っている。また、各画素で1色の色信号しか得られないため解像度も悪く、特に、偽色が目立つという欠点もある。
そこで、斯かる欠点を克服するために、例えば、特許文献1,2に記載されている様に、3層の光電変換膜を積層した撮像素子が研究,開発されている。この撮像素子は、例えば、光入射面から順に、青色(B),緑色(G),赤色(R)の夫々の光に対して信号電荷(電子,正孔)を発生する光電変換膜を3層積層した画素構造を備え、しかも各画素毎に、各光電変換膜で光発生した信号電荷を独立に読み出す信号読出回路を備えている。この撮像素子の場合、入射光を殆ど光電変換するため、可視光の利用効率は100%に近く、しかも1画素でR,G,Bの3色の色信号が得られる構造になっているため、高感度で、高解像度(偽色が目立たない)の良好な画像が得られるという利点がある。
また、特許文献3に記載された撮像素子は、シリコン基板内に光信号を検出する3層のウェル(フォトダイオード)を設け、シリコン基板の深さの違いにより、分光感度が異なる信号を取り出す様にしている。つまり、表面のpn接合部からは青色(B)にピークを持つ信号を取り出し、中間のpn接合部からは緑色(G)にピークを持つ信号を取り出し、深部のpn接合部からは赤色(R)にピークを持つ信号を取り出す様にしている。この撮像素子も、特許文献1,2に記載の撮像素子と同様に、高感度で、高解像度(偽色が目立たない)の良好な画像を撮像することができる。
しかし、特許文献1,2の撮像素子は、3層の光電変換膜を基板上に積層しなければならず、また、各光電変換膜毎かつ画素毎に区分けして設けた画素電極膜と基板上に設けた信号読出回路とを接続する縦配線の形成が難しく、製造工程が複雑でコストが嵩み、また、製造歩留まりが低いという問題を抱えている。
一方、特許文献3の撮像素子は、R,G,Bの各色信号の分光感度特性の分離が十分でないため色再現性が悪く、かつ、真のR,G,B信号を得るために出力信号の加減算を行う必要があり、この加減算処理によってS/Nが劣化してしまうという問題がある。
そこで、特許文献1,2及び特許文献3の各問題を解決する撮像素子として、特許文献4に記載の撮像素子が提案されている。この撮像素子は、特許文献1,2の撮像素子と特許文献3の撮像素子のハイブリッド型となっている。即ち、シリコン基板の上層に緑色(G)光に感度を持つ光電変換膜を1層だけ積層し、シリコン基板内に2つのpn接合(フォトダイオード)を設けて、浅部のpn接合部で青色(B)光の信号を、深部のpn接合部で赤色(R)光の信号を取り出す構造になっている。
この撮像素子は、光電変換膜が1層のため製造工程が簡単となり、製造コストの上昇が抑制されると共に、製造歩留まりの低下も殆どなくなるという利点を有する。また、光電変換膜で緑色(G)光が吸収されシリコン基板内には青色(B)光と赤色(R)光のみが入射する構成のため、シリコン基板内のB光用のpn接合部とR光用のpn接合部の分光感度特性の分離が改善されて色再現性が良くなり、かつ、S/Nも良い画像を撮像することが可能となる。
特表2002―502120号公報 特開2002―83946号公報 特表2002―513145号公報 特開2003−332551号公報
しかしながら、特許文献4のハイブリッド型の撮像素子は、特許文献3の撮像素子も同様であるが、シリコン基板側に設ける複数のpn接合部における分光感度特性の分離が悪く、カラー画像の色再現性が良くないという問題がある。これを図6で説明する。シリコン基板10には、上層の図示しない光電変換膜で緑色光が吸収された光(赤色光と青色光の混合光)が入射する。このシリコン基板10には、表面から順に、p型層11と、n型層12と、p型層13とが積層状態で設けられており、p型層11とn型層12との界面すなわちpn接合面が第1のフォトダイオード21を構成し、n型層12とp型層13との界面(pn接合面)が第2のフォトダイオード22を構成している。
特許文献4では、青色光を感知する第1のフォトダイオード(pn接合面)21の最適な深さXを0.15μmとし、赤色光を感知する第2のフォトダイオード(pn接合面)22の最適な深さXを1.5μmとしている。これら最適な深さ0.15μm,1.5μmは、夫々、シリコンが青色光,赤色光の大部分を吸収するシリコンの厚さに対応している。これにより、特許文献4では、青色光によって発生した光電荷はフォトダイオード21に蓄積され、赤色光によって発生した光電荷はフォトダイオード22に蓄積されるとしている。
しかし、これは、夫々の半導体層11,12,13で光発生した多数キャリアの信号電荷に対しては正しいが、少数キャリアの信号電荷の拡散効果を無視している。また同様に、少数キャリアの電界ドリフト効果も無視している。例えば、半導体層12のうち半導体層11に近い側の領域12aで光発生した少数キャリアの信号電荷はフォトダイオード21に流入するが、この信号電荷は、本来は、主として赤色光によって発生した信号電荷である。このため、フォトダイオード21が検出する信号は青色光と赤色光とが混ざった信号であり、この図6の構成では青色の信号電荷と赤色の信号電荷の分離が良好でなく、これらの信号電荷に基づいてカラー画像を再現したとき、その色再現性が良くないという問題がある。
また、次の様な問題もある。赤色光を感知するフォトダイオード22の感度を上げるために、pn接合面22の位置Xを更に深くすると、上記の部分領域12aが更に深さ方向に広がり、ますます青色光と赤色光の分離度が低下してしまう。更に、フォトダイオード22が検出する信号電荷に寄与する小数キャリアの光発生領城は、半導体層12から上記の領域12aを除いた領域12bであり、Xを深くするとこの領域12bが増大して赤色光の光吸収量が増え、赤色光に対する感度は上昇する傾向がある。しかし、領域12bは、シリコン基板表面から遠く離れるため、Xがある深さ以上になると、実質的な赤色光の光吸収量は低下してしまい、赤色光の感度を効果的に上げることはできない。
本発明の目的は、シリコン基板に積層構造で設ける複数のフォトダイオードの色分離性能を向上させ色再現性の優れたカラー画像を撮像できる単板式カラー固体撮像素子を提供することにある。
本発明の単板式カラー固体撮像素子は、シリコン基板の深さ方向にn型またはp型の半導体層を挟んだ2つのpn接合面を設けシリコンの光吸収係数の波長依存性により入射光を2色に分離し一方の色の光によって発生した電荷を一方の前記pn接合面で検出し他方の色の光によって発生した電荷を他方の前記pn接合面で検出する単板式カラー固体撮像素子において、前記入射光の入射によって前記半導体層で発生する光電荷のうち少数キャリアが該半導体層内で前記一方のpn接合面方向と前記他方のpn接合面方向とに分流する境界面の位置が、前記2色に分離する光の波長に対応するシリコン深さとなるような厚さに前記半導体層を製造したことを特徴とする。
本発明の単板式カラー固体撮像素子は、前記境界面の位置を、前記半導体層の厚さ方向中点位置として製造したことを特徴とする。
本発明の単板式カラー固体撮像素子は、前記境界面の位置を、前記半導体層内の電位分布の極大値または極小値の位置として該半導体層を製造したことを特徴とする。
本発明の単板式カラー固体撮像素子は、前記シリコン基板の上層に緑色光を吸収する光電変換膜を積層して前記入射光を青色光と赤色光の混合光にし、該シリコン基板の浅部に形成された前記一方のpn接合面で青色光を検出すると共に該シリコン基板の深部に形成された前記他方のpn接合面で赤色光を検出するとき、前記境界面の位置を前記シリコン基板の表面から0.3μm〜0.9μmの間の深さとなるように該半導体層を製造したことを特徴とする。
本発明の単板式カラー固体撮像素子は、前記半導体層より深部に設けられ該半導体層と反対導電型の半導体層内で該反対導電型半導体層の少数キャリアが前記深部のpn接合面方向と前記シリコン基板の裏側方向とに分流する境界面の位置を、前記シリコン基板の表面から少なくとも2μmとなるような厚さに前記反対導電型半導体層を製造したことを特徴とする。
本発明の単板式カラー固体撮像素子は、前記光電変換膜が有機半導体で形成されていることを特徴とする。
本発明の単板式カラー固体撮像素子は、シリコン基板の表面部にn型またはp型の第1半導体層を設け、該第1半導体層の下に該第1半導体層と反対導電型の第2半導体層を設け、該第2半導体層の下に該第2半導体層と反対導電型の第3半導体層を設け、該第3半導体層の下に該第3半導体層と反対導電型の第4半導体層を設け、入射光中の短波長光に応じて発生する光電荷を前記第1,第2の半導体層の接合面で構成される第1のフォトダイオードで検出し、入射光中の中間波長光に応じて発生する光電荷を前記第2,第3の半導体層の接合面で構成される第2のフォトダイオードで検出し、入射光中の長波長光に応じて発生する光電荷を前記第3,第4の半導体層の接合面で構成される第3のフォトダイオードで検出する単板式カラー固体撮像素子において、前記第2の半導体層内で発生する光電荷のうちの少数キャリアが前記第1のフォトダイオードの方向と前記第2のフォトダイオードの方向に分流する第1の境界面の位置を前記シリコン基板の表面から0.2μm〜0.5μmの範囲の間に設定し、前記第3の半導体層内で発生する光電荷のうちの少数キャリアが前記第2のフォトダイオードの方向と前記第3のフォトダイオードの方向とに分流する第2の境界面の位置を前記シリコン基板の表面から0.7μm〜1.5μmの範囲の間に設定し、前記第4の半導体層内で発生する光電荷のうちの少数キャリアが前記第3のフォトダイオードの方向と前記シリコン基板の裏側方向とに分流する第3の境界面の位置を前記シリコン基板の表面から少なくとも2μmの位置に設定することを特徴とする。
本発明の単板式カラー固体撮像素子は、前記シリコン基板の表面部にMOSトランジスタ回路または電荷転送路で構成される信号読出回路が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、半導体層内で少数キャリアがシリコン基板の表面方向と裏面方向とに分流する境界面の位置を、シリコンの光吸収係数の波長依存性によって決まる色分離の位置に設定したので、検出されるカラー信号の色分離性能が向上し、色再現性の優れたカラー画像を撮像することが可能となる。また、1画素で3色のカラー信号を検出できるため、高解像度,高感度のカラー画像を得ることが可能となる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る単板式カラー固体撮像素子の単位セルの断面模式図である。図1に示す単位セルが、二次元的に縦横に配列形成されることで、1つの撮像素子が構成される。
本実施形態の単板式カラー固体撮像素子100はハイブリッド型で成り、シリコン基板101内に2つのフォトダイオード113,114を形成して青色(B)光の入射光量と赤色(R)光の入射光量を各フォトダイオードで検出し、シリコン基板101の上層に積層した光電変換膜107で緑色(G)光の入射光量を検出する構成をとっている。
先ず、上層の緑色(G)光検出部分の構成について述べる。シリコン基板101の表面をシリコン酸化膜等の透明な絶縁膜105で覆い、また、この絶縁膜105内に図示しない光遮蔽膜を埋設する。この光遮蔽膜には、シリコン基板101内に設ける後述の2つのフォトダイオード113,114の受光面にB光とR光を入射させる開口を持っている。
絶縁膜105上には光遮蔽膜の開口(図示せず)を覆う様に透明の画素電極膜106が積層され、この画素電極膜106が、シリコン基板101表面部に形成された図示しない信号電荷蓄積部に縦配線によって接続され、この信号電荷蓄積部に緑色信号検出部110が接続される。画素電極膜106は、ITO等の様な金属化合物や非常に薄い金属膜で形成され、隣接する画素の画素電極膜とは分離されている。
画素電極膜106の上には光電変換膜107が積層され、光電変換膜107の上には透明な共通電極膜108が積層され、更にその上には保護膜として機能する透明絶縁膜109が積層される。
共通電極膜108は画素電極膜106と同様にITO等で形成され、隣接する画素の共通電極膜と共通の一枚構成で積層されるが、共通電極膜を画素毎に分離してもよい。画素電極膜106と共通電極膜108との間にバイアス電位を印加することで、光電変換膜107内で発生した電荷を画素電極膜106から緑色用の図示しない信号電荷蓄積部に速やかに移動させることができる。
光電変換膜107は、単層膜構造でも多層膜構造でも良く、その材料は、主に緑色(G)に感度がある無機材料(シリコンや化合物半導体、それらのナノ粒子等)、有機半導体、有機色素を含む有機材料または無機材料等で形成される。
次に、シリコン基板101に設ける2つのフォトダイオード構造について述べる。シリコン基板101の表面部の深い部分にp型半導体層104が形成され、その上にn型半導体層103が形成され、その上にp型半導体層102が形成される。
青色光の入射光量に応じた光電荷を発生する第1のフォトダイオード113は、上記のp型半導体層102とn型半導体層103とのpn接合によって構成され、赤色光の入射光量に応じた光電荷を発生する第2のフォトダイオード114は、上記のp型半導体層104とn型半導体層103とのpn接合によって構成される。p型半導体層102には、青色信号検出部111が接続され、n型半導体層103には、赤色信号検出部112が接続される。
尚、図1に図示は省略しているが、シリコン基板101の表面部には、各色の信号検出部110,111,112を構成するスイッチ用,増幅器用のMOSトランジスタ回路等の信号読出回路が形成されている。あるいは、電荷転送路で構成される信号読出回路が形成されている。
斯かる構成の単板式カラー固体撮像素子に被写体からの光が入射すると、先ず、入射光は光電変換膜107を通過する。入射光中の緑色(G)光の入射光量に応じた光電荷が光電変換膜107内で発生し、この光電荷が信号検出部110によって検出される。
シリコン基板101に入射した光のうち、波長の短い青色光によって発生した光電荷は、主としてシリコン基板101の浅部に形成された第1のフォトダイオード113に蓄積され、波長の長い赤色光によって発生した光電荷は、シリコン基板101の深部の第2のフォトダイオード114に蓄積される。第1のフォトダイオード113に蓄積された信号電荷は青色信号検出部111によって検出され、第2のフォトダイオード114に蓄積された信号電荷は赤色信号検出部112に検出される。
ここで、本実施形態のカラー固体撮像素子では、第1のフォトダイオード113に蓄積される信号電荷が青色光の入射光量に応じ、第2のフォトダイオード114に蓄積される信号電荷が赤色光の入射光量に応じるように、各半導体層102,103,104の形成深さを次の様に設計している。
図2は、シリコン基板101の深さ方向に対する電位分布を示す図である。カラー固体撮像素子を動作させる場合、フォトダイオード113,114は逆バイアス状態になっており、空乏層が発生している。そのため、半導体層102と半導体層103との間には電位勾配120が発生し、半導体層103と半導体層104との間には電位勾配121が生じる。
半導体層104と基板101との界面部分に生じる電位勾配122は、不純物密度の違いにより発生するバンドの曲がりに対応する電位勾配である。図2は、p型シリコン基板101の不純物密度が、p型半導体層104の不純物密度より小さい場合を示している。 また、説明を簡単にするため、シリコン基板101内や各半導体層102,103,104内の不純物密度は均一としている。
フォトダイオード113,114は、逆バイアス状態であり、空乏層が発生している。 しかし、それ以外の部分では電気的な中性が保たれているため、電位分布は平坦である。
本実施形態では、半導体層103の電位平坦部分の中点が、青色光に対する光吸収の最適のシリコン厚みYとほぼ一致する様に半導体層103の厚さが設計されている。また、半導体層104の電位平坦部分の中点が、赤色光に対する光吸収の最適のシリコン厚みYとほぼ一致する様に半導体層104の厚さが設定されている。尚、図3に、特許文献3に紹介されているシリコンの光吸収係数の波長依存性を示すグラフを示す。
半導体層103で光発生した正孔の一部は、フォトダイオード113に移動し、蓄積される。また、他の一部は、フォトダイオード114に移動し、蓄積される。電位平坦部分では拡散が支配的であり、丁度その中点を境に、中点よりフォトダイオード113側で発生した正孔123は図示の左手方向、即ちフォトダイオード113方向に移動する。中点よりフォトダイオード114側で発生した正孔124は、図示の右手方向、即ちフォトダイオード114方向に移動する。つまり、深さYが正孔の分流の境界面となる。
ところで、深さYは、青色光に対する光吸収の最適のシリコン厚さであり、この深さYまでに光発生した信号電荷は全てフォトダイオード113に蓄積される。従って、従来例に比較して、大幅に青色と赤色の色分離が向上する。
深さYは、0.3ミクロン〜0.9ミクロンの間が最適である.本実施形態では、従来例の様に、pn接合面の位置を最適な深さにするのではなく、少数キャリア(n型半導体層103であるから、少数キャリアは正孔)の分流の境界面を最適な深さにするため、色分離が改善する。
同様に、半導体層104では、深さYが電子の分流の境界面となる。赤の感度の向上、さらに、近赤外光の感度向上を図るには、光発生した信号電荷がシリコン基板101側に流出するのを防ぐ必要がある。このため、深さYは2ミクロン以上が最適である。本実施形態では、従来例の様にpn接合面の位置を最適深さとするのではなく、少数キャリア(p型半導体層104であるから、少数キャリアは電子)の分流の境界面を最適な深さにするため、赤感度が向上する。
(第2の実施形態)
図4は、本発明の第2の実施形態に係る単板式カラー固体撮像素子の説明図である。本実施形態も第1の実施形態と同様に緑色光をシリコン基板201の上層に積層した光電変換膜207で検出し、青色光と赤色光とはシリコン基板201に設けた2つのフォトダイオード205,206で検出する構成を採用したハイブリッド型となっている。
p型シリコン基板201には、表面側から、p型半導体層202、n型半導体層203、p型半導体層204を形成し、これにより、半導体層202,203間のpn接合面が青色光検出用のフォトダイオード205となり、半導体層203,204間のpn接合面が赤色光検出用のフォトダイオード206となる。
第1の実施形態では、半導体層102,103,104の不純物密度を均一としたが、実際には、イオン注入法等による不純物導入及びその後の熱工程により、半導体層の不純物密度は均一にならない場合がある。また、フォトダイオードの逆バイアスが非常に大きくて電気的な中性領域が無い場合もある。
本実施形態は、このような不純物密度が不均一な半導体層202,203,204を用いた例を示し、図4の下段に、その電位分布を示している。即ち、本実施形態では、電位勾配は平坦な部分が無くなる。しかし、斯かる半導体層202,203,204を用いても、第1の実施形態と同様に、各半導体層202,203,204の厚さを決定し製造することができる。
本実施形態では、電位勾配に平坦な部分が無いため、電位の極大点または極小点が、小数キャリアの分流境界面となる。従って、本実施形態では、半導体層203の電位極小点Aを、青色光に対する光吸収の最適なシリコン厚さYに一致させ、且つ、半導体層204の電位極大点Bを、赤色光に対する光吸収の最適なシリコン厚さYに一致させる。これにより、本実施形態でも、第1の実施形態と同様に、青色と赤色の色分離が良くなり、また、赤の感度が高いカラー画像を撮像することが可能となる。
(第3の実施形態)
図5は、本発明の第3の実施形態に係る単板式カラー固体撮像素子の単位セルの断面模式図である。上述した第1,第2の実施形態は、光電変換膜を1層用いたハイブリッド型カラー固体撮像素子のシリコン基板に設ける2つのフォトダイオードの製造深さを規定したが、本実施形態では、特許文献3に記載されている様なカラー固体撮像素子、即ち、シリコン基板内に3層のフォトダイオードを形成し、夫々の製造深さを規定することで、R,G,Bの3色の色分離性を向上させている。
本実施形態のカラー固体撮像素子300のシリコン基板301には、表面から順に、p型半導体層302、n型半導体層303、p型半導体層304、n型半導体層305を形成する。これにより、半導体層302,303間のpn接合面が青色光を検出するフォトダイオード306となり、その信号電荷が青色信号検出部310によって検出される。半導体層303,304間のpn接合面が緑色光を検出するフォトダイオード307となり、その信号電荷が緑色信号検出部311によって検出され、半導体層304,305間のpn接合面が赤色光を検出するフォトダイオード308となり、その信号電荷が赤色信号検出部312によって検出される。
本実施形態では、シリコン基板301の光吸収係数の波長依存性を利用してR光,G光,B光の3色を分離するため、B光とR光の2色を分離する第1,第2の実施形態とは異なる。しかし、考え方は第1,第2の実施形態と同じであり、各半導体層303,304,305内の少数キャリアの分流境界面303a,304a,305aの表面からの位置が、色分離を行うシリコン厚さ(深さ)となるように設定している。
即ち、本実施形態では、最適なシリコンの厚みは、青色光に対しておよそ0.2ミクロン〜0.5ミクロン、緑色光に対して0.7ミクロン〜1.5ミクロン、赤色光に対して2ミクロン以上としている。これにより、R,G,Bの3色の色分離性が向上し、しかも、赤の感度が高いカラー画像を撮像することが可能となる。
尚、以上述べた各実施形態で用いた半導体層やシリコン基板の導電型は、実施形態のものに限るものではなく、反対導電型でも良い。
本発明に係る単板式カラー固体撮像素子は、シリコン基板に設ける複数のフォトダイオードの色分離性が向上し、色再現性の優れた高感度,高解像度のカラー画像を撮像できるため、従来のCCDイメージセンサやCMOSイメージセンサの代わりに用いると有用である。
本発明の第1の実施形態に係るハイブリッド型単板式カラー固体撮像素子の単位セルの断面模式図である。 図1に示すハイブリッド型単板式カラー固体撮像素子の動作説明図である。 シリコンの光吸収係数の波長依存性を示すグラフである。 本発明の第2の実施形態に係るハイブリッド型単板式カラー固体撮像素子の動作説明図である。 本発明の第3の実施形態に係る単板式カラー固体撮像素子の単位セルの断面模式図である。 従来の単板式カラー固体撮像素子の動作説明図である。
符号の説明
100,300 単板式カラー固体撮像素子
101,301 シリコン基板
102,104,202,204,302,304 p型半導体層
103,203,303,305 n型半導体層
107,207 光電変換膜
113,205,306 青色光検出用のフォトダイオード
307 緑色光検出用のフォトダイオード
114,206,308 赤色光検出用のフォトダイオード
303a,304a,305a,Y,Y 少数キャリア分流境界面の位置

Claims (8)

  1. シリコン基板の深さ方向にn型またはp型の半導体層を挟んだ2つのpn接合面を設けシリコンの光吸収係数の波長依存性により入射光を2色に分離し一方の色の光によって発生した電荷を一方の前記pn接合面で検出し他方の色の光によって発生した電荷を他方の前記pn接合面で検出する単板式カラー固体撮像素子において、前記入射光の入射によって前記半導体層で発生する光電荷のうち少数キャリアが該半導体層内で前記一方のpn接合面方向と前記他方のpn接合面方向とに分流する境界面の位置が、前記2色に分離する光の波長に対応するシリコン深さとなるような厚さに前記半導体層を製造したことを特徴とする単板式カラー固体撮像素子。
  2. 前記境界面の位置を、前記半導体層の厚さ方向中点位置として製造したことを特徴とする請求項1に記載の単板式カラー固体撮像素子。
  3. 前記境界面の位置を、前記半導体層内の電位分布の極大値または極小値の位置として該半導体層を製造したことを特徴とする請求項1に記載の単板式カラー固体撮像素子。
  4. 前記シリコン基板の上層に緑色光を吸収する光電変換膜を積層して前記入射光を青色光と赤色光の混合光にし、該シリコン基板の浅部に形成された前記一方のpn接合面で青色光を検出すると共に該シリコン基板の深部に形成された前記他方のpn接合面で赤色光を検出するとき、前記境界面の位置を前記シリコン基板の表面から0.3μm〜0.9μmの間の深さとなるように該半導体層を製造したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の単板式カラー固体撮像素子。
  5. 前記半導体層より深部に設けられ該半導体層と反対導電型の半導体層内で該反対導電型半導体層の小数キャリアが前記深部のpn接合面方向と前記シリコン基板の裏側方向とに分流する境界面の位置を、前記シリコン基板の表面から少なくとも2μmとなるような厚さに前記反対導電型半導体層を製造したことを特徴とする請求項4に記載の単板式カラー固体撮像素子。
  6. 前記光電変換膜が有機半導体で形成されていることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の単板式カラー固体撮像素子。
  7. シリコン基板の表面部にn型またはp型の第1半導体層を設け、該第1半導体層の下に該第1半導体層と反対導電型の第2半導体層を設け、該第2半導体層の下に該第2半導体層と反対導電型の第3半導体層を設け、該第3半導体層の下に該第3半導体層と反対導電型の第4半導体層を設け、入射光中の短波長光に応じて発生する光電荷を前記第1,第2の半導体層の接合面で構成される第1のフォトダイオードで検出し、入射光中の中間波長光に応じて発生する光電荷を前記第2,第3の半導体層の接合面で構成される第2のフォトダイオードで検出し、入射光中の長波長光に応じて発生する光電荷を前記第3,第4の半導体層の接合面で構成される第3のフォトダイオードで検出する単板式カラー固体撮像素子において、前記第2の半導体層内で発生する光電荷のうちの少数キャリアが前記第1のフォトダイオードの方向と前記第2のフォトダイオードの方向に分流する第1の境界面の位置を前記シリコン基板の表面から0.2μm〜0.5μmの範囲の間に設定し、前記第3の半導体層内で発生する光電荷のうちの少数キャリアが前記第2のフォトダイオードの方向と前記第3のフォトダイオードの方向とに分流する第2の境界面の位置を前記シリコン基板の表面から0.7μm〜1.5μmの範囲の間に設定し、前記第4の半導体層内で発生する光電荷のうちの少数キャリアが前記第3のフォトダイオードの方向と前記シリコン基板の裏側方向とに分流する第3の境界面の位置を前記シリコン基板の表面から少なくとも2μmの位置に設定することを特徴とする単板式カラー固体撮像素子。
  8. 前記シリコン基板の表面部にMOSトランジスタ回路または電荷転送路で構成される信号読出回路が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の単板式カラー固体撮像素子。
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