JP2006269739A - 電気二重層キャパシタの製造方法およびその製造装置 - Google Patents

電気二重層キャパシタの製造方法およびその製造装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006269739A
JP2006269739A JP2005085648A JP2005085648A JP2006269739A JP 2006269739 A JP2006269739 A JP 2006269739A JP 2005085648 A JP2005085648 A JP 2005085648A JP 2005085648 A JP2005085648 A JP 2005085648A JP 2006269739 A JP2006269739 A JP 2006269739A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode body
furnace
double layer
electric double
layer capacitor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005085648A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4515301B2 (ja
Inventor
Hideo Ono
英雄 小野
Masahisa Horie
正久 堀江
Shuichi Araki
修一 荒木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
UD Trucks Corp
Original Assignee
UD Trucks Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by UD Trucks Corp filed Critical UD Trucks Corp
Priority to JP2005085648A priority Critical patent/JP4515301B2/ja
Publication of JP2006269739A publication Critical patent/JP2006269739A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4515301B2 publication Critical patent/JP4515301B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/13Energy storage using capacitors

Landscapes

  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)
  • Electric Double-Layer Capacitors Or The Like (AREA)

Abstract

【課題】分極性電極の主原料として用いられる炭素質材料の特性を十分に引き出しえる、電気二重層キャパシタの製造方法およびその製造装置を提供する。
【解決手段】正極体および負極体は炭素質材料を主原料に形成され、積層体に組む前の正極体および負極体から水分など不純物を除去するための手法において、炉内を真空度10-5Pa以下に減圧する手段45、炉内を温度200℃以上に加熱する手段、炉内に常圧の低露点の不活性ガスを充填する手段60、を設ける。
【選択図】図2

Description

この発明は、電気二重層キャパシタの製造方法およびこの製造方法に用いられる電気二重層キャパシタの製造装置に関する。
近年、各種の蓄電素子として、高速充放電,充放電深度,充放電サイクル特性に優れる電気二重層キャパシタの適用技術が注目される。電気二重層キャパシタは、正極体と負極体とこれらの間に介装するセパレータとから組成される積層体と、積層体を電解質溶液と共に密封する容器と、容器の外部に配置される1対の端子と、からなり、1対の端子が正極体および負極体の同極どうしの結束部に接続される。
容器は、金属箔の中間層を含む積層構造の樹脂フィルムから形成される(特許文献1,特許文献2、参照)。分極性電極の主原料としては、多孔質の活性炭に代えて非多孔性炭素を用いることも知られている(非特許文献1)。
非多孔性炭素は、易黒鉛化炭を乾留およびアルカリ賦活して得られるものであり、比表面積が100m2/g以下と、殆ど外比表面積だけと見させる程小さく、炭素組織の層間距離が0.36〜0.37nmの黒鉛様炭素である。このような非多孔性炭素を主原料に形成される分極性電極を用いる電気二重層キャパシタについては、充電により、初めて静電容量を発生する。充電前は、各種電解質イオン,溶媒,N2ガスなどを取り込める程度の細孔がない非多孔性炭素にも拘わらず、充電により、静電容量が発生するのは、炭素組織の層間への溶媒を伴った電解質イオンのインターカレーション(溶媒共挿入:solvent co-intercalation)によるものと推定されるのである。
特開2002−299168 特開2003−124078 『高エネルギー密度の電気二重層キャパシタ』(応用物理 第37巻 第8号(2004) 所載)
この発明は、このような従来技術を踏まえつつ、分極性電極の主原料として用いられる炭素質材料の特性を十分に引き出しえる、電気二重層キャパシタの製造方法およびその製造装置の提供を目的とする。
第1の発明は、炭素質材料を主原料に分極性電極を形成すると共に集電体をこの炭素電極に取り付けることにより正極体および負極体を作成する工程、正極体と負極体とセパレータとから所定の積層体を組成する工程、正極体および負極体のリード部としてこれらの同極どうしの結束部に1対の端子を接合する工程と、積層体を1対の端子の一部が突き出る状態に収めて注入した電解質溶液に含浸させる工程、炭素電極の電界賦活を行うべく1対の端子の間に電圧を印加する工程、を順次に処理することを特徴とする電気二重層キャパシタの製造方法において、積層体に構成する前の正極体および負極体を真空乾燥炉に搬入して真空度10-5Pa以下の減圧状態で温度200℃以上に加熱する工程、を備えることを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明に係る電気二重層キャパシタの製造方法において、正極体および負極体を真空乾燥炉に搬入して真空度10-5Pa以下の減圧状態で温度200℃以上に加熱する工程は、真空乾燥の処理が終わると正極体および負極体の搬出前に常圧の低露点の不活性ガスを真空乾燥炉の内部に充填する工程、を含むことを特徴とする。
第3の発明は、第1の発明に係る電気二重層キャパシタの製造方法に用いられる電気二重層キャパシタの製造装置において、真空乾燥炉は、炉内を真空度10-5Pa以下に減圧する手段、炉内を温度200℃以上に加熱する手段、を備えることを特徴とする。
第4の発明は、第3の発明に係る電気二重層キャパシタの製造装置において、真空乾燥炉は、炉内に常圧の低露点の不活性ガスを充填する手段、を備えることを特徴とする。
第5の発明は、第4の発明に係る電気二重層キャパシタの製造装置において、炉内に常圧の低露点の不活性ガスを充填する手段は、真空乾燥炉と内部が常圧の低露点の不活性雰囲気に維持されるグローブボックスとの間を接続する通路、この通路を開閉するバルブ、を備えることを特徴とする。
第6の発明は、第5の発明に係る電気二重層キャパシタの製造装置において、真空乾燥炉は、グローブボックスのパスボックスに密封可能な開閉扉を介して接続されることを特徴とする電気二重層キャパシタ。
第7の発明は、第5の発明に係る電気二重層キャパシタの製造装置において、真空乾燥炉は、グローブボックスのパスボックスを利用してその内部に構成されることを特徴とする。
第8の発明は、第3の発明に係る電気二重層キャパシタの製造装置において、炉内を真空度10-5Pa以下に減圧する手段は、ターボ分子ポンプ、を備えることを特徴とする。
第1の発明においては、真空度10-5Pa以下の減圧状態で温度200℃以上に加熱する工程により、正極体および負極体から水分など不純物を十分に除去することができる。その結果、電界賦活の工程において、不純物に因る分解生成物の発生も少なくなり、電界賦活により炭素質材料の特性を最大限に引き出せるようになる。つまり、高性能の電気二重層キャパシタを製造することが可能となる。分極性電極を形成する炭素質材料としては、非多孔質炭素または多孔質の活性炭を用いることが考えられる。
第2の発明においては、低露点(例えば、露点温度が−90℃)の不活性ガスを充填することにより、炉内が常圧に戻されるので、正極体および負極体の十分な乾燥状態を維持しつつ、これらを次の工程へ搬出することが可能となる。
第3の発明においては、真空乾燥炉により、真空度10-5Pa以下の減圧状態において、温度200℃以上に加熱することが可能となり、正極体および負極体から水分など不純物を十分に除去することができる。
第4の発明においては、真空乾燥(真空度10-5Pa以下の減圧状態において、温度200℃以上に加熱する処理)が終わると、低露点(例えば、露点温度が−90℃)の不活性ガスを充填することにより、炉内が常圧に戻されるので、正極体および負極体の十分な乾燥状態を維持しつつ、これらを搬出することが可能となる。
第5の発明においては、バルブの開閉により、グローブボックスから常圧の低露点の不活性ガスを炉内に充填可能のため、真空乾燥炉に不活性ガスを供給する専用の設備を備える必要がなくなる。
第6の発明においては、真空乾燥の処理後、正極体および負極体は、外気に触れることなく、真空乾燥炉からパスボックスを通してグローブボックスに移せるのである。
第7の発明においては、真空乾燥(真空度10-5Pa以下の減圧状態において、温度200℃以上に加熱する処理)は、パスボックスの内部で行えるため、専用の真空乾燥炉が不要となる。
第8の発明においては、ターボ分子ポンプにより、炉内を真空度10-5Pa以下に減圧可能となる。ターボ分子ポンプは、動作圧力に制限があり、補助ポンプが用いられる。
図1は、電気二重層キャパシタの製造過程において、電界賦活などを処理するための装置10を説明するものである。槽11は、各工程の処理手段と共にグローブボックスの内部に設置される。グローブボックスの内部は、常圧の低露点(例えば、露点温度が−90℃)の不活性雰囲気に管理(維持)される。
図1において、21は積層体22を収容する容器であり、金属箔の中間層を含む積層構造の樹脂フィルム(ラミネートフィルム)から形成される。積層体22は、正極体および負極体とこれらの間に介装するセパレータとから組成される。正極体および負極体は、分極性電極と集電体とから構成される。分極性電極は、非多孔性炭素(炭素質材料)を主原料に形成される。集電体は、高純度のアルミ箔から形成され、分極性電極(炭素電極)に取り付けられる。セパレータは、圧縮状態で100μmのガラス繊維から作られ、電解質溶液の保持体(retainner)機能を与えるべく、分極性電極と同等以上の厚みに設定される。分極性電極の集電体は、同極どうしが結束され、各結束部に極性の対応する端子24が接合される。1対の端子24は、高純度のアルミ板から形成される。
容器21を所定状態に収蔵する槽11は、真空ポンプに接続される配管用の開口部12と、槽11の内部をグローブボックスに開放する通路13およびこれを開閉するバルブ13aと、を備える。バルブ13aおよび蓋14を閉じると、槽11の内部は、高度な密閉状態に保持される。15は充放電装置に接続されるコネクタであり、槽11の内部において、容器21の開口から突き出る1対の端子24は、コネクタ15から延びる配線(コード)の鰐口部を介して分離可能に接続される。25は容器21を所定状態に保持する治具であり、プレート26に締付ボルト27が進退可能に螺合され、締付ボルト27上をスライド可能に支持されるプレート28、29が設けられる。プレート28,29間にスプリング30が介装され、締付ボルト27を初期位置からネジ込むと、プレート28,29間のスプリング30が圧縮され、プレート26,29間の容器21に加わる押圧力(面圧)を高めるようになっている。図示しないが、槽11は、電解質溶液を容器21に注入するための設備と、容器21内の余分な電解質溶液を回収するための設備と、を備える。
電解質溶液については、イミダゾリウム系などのカチオンと各種アニオンからなるイオン性液体グループの中から選定する。イオン性液体は、比較的に新規な開発物質であり、それ自体で電解質と溶媒の性格を併せ持つ。
電気二重層キャパシタは、(1)非多孔性炭素を主原料に分極性電極を形成すると共に集電体をこの炭素電極に取り付けることにより正極体および負極体を作成する工程、(2)正極体および負極体を真空乾燥炉に入れて真空度10-5Pa以下の減圧状態で温度200℃以上に加熱する工程、(3)正極体と負極体とセパレータとから積層体22を組成する工程、(4)正極体および負極体のリード部としてこれらの同極どうしの結束部に1対の端子24を接合する工程と、(5)積層体22を1対の端子24の一部が突き出る状態に収めて注入した電解質溶液に含浸させる工程、(6)容器の密封前に炭素電極を電界賦活するべく1対の端子24の間に電圧を印加する工程、を経て製造される。
(1)において、非多孔性炭素は、比表面積が100m2/g以下かつ炭素組織の層間距離が0.36〜0.37nmの黒鉛様炭素であり、易黒鉛化コークスあるいはピッチ(前駆体)を300〜400℃で乾留した後、この原料炭に苛性アルカリ(例えば、KOH)を混合して不活性雰囲気中で650〜850℃に加熱する処理(アルカリ賦活)から得られる。乾留を経ない場合、多孔質の活性炭が生成される。
非多孔性炭素は、通常の手法で洗浄,粉砕などの処理を施した後、導電材(例えば、カーボンブラック)および結着材(例えば、ポリテトラフルオロエチレン)を加えて混練してシート状の分極性電極に形成され、この炭素電極に集電体を取り付けることにより、正極体および負極体が作成されるのである。
(2)において、正極体および負極体は、真空乾燥炉に入れ、真空度10-5Pa以下の減圧状態において、温度200℃以上に加熱する。極度の減圧状態を確保するため、ターボ分子ポンプが使用される。この処理(真空乾燥)が終わると、正極体および負極体を真空乾燥炉から搬出する前に炉内を常圧に戻すべく低露点(例えば、露点温度が−90℃)の不活性ガスを充填するのである。ガラス繊維のセパレータについても、真空乾燥炉に正極体および負極体と一緒に入れ、真空度10-5Pa以下の減圧状態において、温度200℃以上に加熱する。
(3)において、正極体と負極体とこれらの間に介装されるセパレータとから積層体22が組成される。組成後の積層体22は、以降の工程において、ばらけることがないよう、帯を巻いて結束する。(4)において、積層体22の各集電体は、同極どうしが結束され、各結束部に極性の対応する端子24を溶接する。
(5)において、積層体22は、容器21に1対の端子24の一部(先端側)が開口から突き出る状態に収め、図1の槽11に収蔵される。密閉した槽11の内部を10Pa以下に減圧し、10Pa以下の減圧状態を保持しつつ、所定時間が経過すると、低露点(例えば、露点温度が−90℃)の不活性ガスを充填して槽11の内部を常圧に戻すのであり、常圧状態を保持しつつ、電解質溶液を容器21に注入する。注入後は、槽11の内部を10Pa以下の減圧状態に保持する処理と、低露点の不活性ガスの充填によって常圧状態に保持する処理と、を交互に繰り返すのである。これにより、炭素電極(分極性電極)およびセパレータに電解質溶液が十分に浸透するようになり、含浸時間も短縮される。
(6)において、1次電界賦活および2次電界賦活が処理される。1次電界賦活は、積層体22を収めた開口状態の容器21を槽11に入れ、密閉した槽11の内部を10Pa以下の減圧状態に保持しつつ行われる充放電サイクルであり、電流密度が所定値(例えば、1mA/cm2)未満の定電流充電により、長時間かけて電圧を徐々に高め、予め定めた印加可能な最大電圧(例えば、3V〜5V)に達したら、その電圧を保持しつつ、所定時間が経過すると、定電流放電により、電圧を0Vまで低下させる。2次電界賦活は、密閉した槽11の内部を常圧の低露点(例えば、露点温度が−90℃)の不活性雰囲気に保持しつつ行われる充電サイクルと、10Pa以下の減圧状態(不活性雰囲気)に保持しつつ行われる充放電サイクルと、を交互に所定回数(例えば、2〜15回)行う処理であり、各充放電サイクルにおいて、電流密度が所定値(例えば、1mA/cm2)以上の定電流充電により、電圧を短時間に高め、予め定めた印加可能な最大電圧(例えば、3V〜5V)に達したら、その電圧を保持しつつ、所定時間が経過すると、定電流放電により、電圧を0Vまで低下させる。
2次電界賦活の、密閉した槽11の内部を常圧の低露点の不活性雰囲気に保持しつつ行われる、最後の充放電サイクルにおいては、予め定めた印加可能な最大電圧を一定時間保持した後、槽11の蓋14を開いた状態において、治具25(図1、参照)の締付ボルト27を初期位置から所定量だけネジ込むことにより、スプリング30のバネ力を高めて容器21内の余分な電解質溶液を回収する処理が行われる。その後、電圧0の放電状態において、容器21の開口を密封するのである。
非多孔性炭素は、比表面積が100m2/g以下かつ炭素組織の層間距離が0.36〜0.37nmの黒鉛様炭素であり、充電前は、電解質イオン,溶媒,N2ガスなどを取り込める程度の細孔がないが、充電により、印加電圧がしきい値を超えると、炭素組織への溶媒を伴った電解質イオンの侵入(インタカレーション)により、層間に電気二重層が形成され、初めて静電容量が発生する。溶媒は、電解質イオンの出し入れを媒介する。インターカレーションにより、層間距離が拡大するため、炭素電極の体積が膨張する。この膨張は、印加電圧に応じて増減するのである。
1次電界賦活は、長時間充電によるので、インターカレーションを効率よく炭素組織の層間に浸透させることができる。充電に伴って気体状の分解生成物が発生しても、10Pa以下の減圧環境下において、気体状の分解生成物の溶解度も低下するため、電解質溶液から気体状の分解生成物を速やかに放出させることができる。2次電界賦活においては、各サイクルが比較的に短時間の充電となるが、これを繰り返すことにより、炭素電極(分極性電極)の膨張の増減が安定するのである。電解質イオンの出し入れを媒介する溶媒により、炭素組織の奥部に吸着する気体状の分解生成物も効率よく持ち出され、充電に伴う気体状の分解生成物の除去が促進される。10Pa以下の減圧環境下において、気体状の分解生成物は、電解質溶液から速やかに放出される。不活性雰囲気の常圧環境下においては、電解質イオンの出し入りを媒介する溶媒の浸透が促進される。
このような(1)〜(6)の工程を経る製造方法においては、(2)の工程により、水分など不純物が十分に除去されるため、(6)の工程における、不純物に因る分解生成物の発生も少なくなり、電界賦活により、非多孔性炭素の特性を最大限に引き出せるのである。つまり、高性能の電気二重層キャパシタを製造することができる。
図2は、(2)の工程に用いる真空乾燥炉を説明する構成図であり、40は炉本体であり、炉内を真空度10-5Pa以下に減圧(真空引き)する手段45、炉内を温度200℃以上に加熱する手段(図示せず)、炉内に常圧の低露点の不活性ガスを充填する手段60、を備える。
41は羽根を高速回転させて気体分子を弾き飛ばすことにより排気するターボ分子ポンプであり、42はトラップであり、43はロータリポンプ(真空ポンプ)であり、これらを直列に接続する回路により、炉内を真空度10-5Pa以下に減圧(真空引き)する手段45が構成される。ターボ分子ポンプ41は、動作圧力に制限があるため、補助ポンプとしてロータリポンプ43が備えられるのである。
炉内を真空度10-5Pa以下に減圧するときは、ロータリポンプ43のみを先に運転する。炉内が所定の真空度に達したら、さらに目標の真空度(10-5Pa以下)に減圧するべく、ロータリポンプ43を運転状態に維持しつつ、ターボ分子ポンプ41の運転を開始するのである。
61は炉本体40とグローブボックス(図3、参照)との間を接続する通路であり、61は通路61を開閉するバルブであり、これらにより、炉内に常圧の低露点の不活性ガスを充填する手段60が構成される。図3において、50は装置10(図1、参照)を含む各工程の処理手段を収装するグローブボックス、51はパスボックスであり、炉本体40は、グローブボックス50の外部に配置され、パスボックス51に搬出用の開閉扉を介して接続される。
52はグローブボックス50の内部に対するパスボックス51の開閉扉であり、53は作業用のグローブの取付部(グローブボックス50の外壁に手の差込口を開口する)であり、54は作動用の窓部であり、グローブボックス50の外部から、これらを使って各工程に必要な作業や操作が行えるようになっている。グローブおよび窓部54は、必要な数だけグローブボックス50に配置される。
(2)の工程においては、炉内に積層体22の組成材料(正極体,負極体,ガラス繊維のセパレータ)を搬入用の開閉扉から収める。炉本体40の密閉状態において、ロータリポンプ43およびターボ分子ポンプ41により、炉内を真空度10-5Pa以下に減圧する。そして、真空度10-5Pa以下の減圧状態において、炉内を温度200℃以上に加熱するのである。この処理が終了すると、通路61のバルブ62を開いてグローブボックス50から炉内に常圧の低露点の不活性ガスを充填する。その後、パスボックス51の開閉扉52および炉本体40の搬出用の開閉扉を開いて組成材料をパスボックス51に移してグローブボックス50の内部へ搬入するのである。
このような真空乾燥炉によると、真空度10-5Pa以下の減圧状態において、温度200℃以上の加熱が可能となり、組成材料から水分など不純物を十分に除去することができる。この処理(真空乾燥)後、低露点の不活性ガスにより、炉内が常圧に戻されるので、組成材料の十分な乾燥状態を維持しつつ、これらを搬出することが可能となる。その際、炉本体40がパスボックス51に搬出用の開閉扉を介して接続するため、組成材料は、外気に触れることなく、炉内からパスボックス51を通してグローブボックス50へ搬入することができる。炉内への充填用の不活性ガスについては、グローブボックス50から通路61およびバルブ62を介して供給するようにしたので、真空乾燥炉に不活性ガスを供給する専用の設備を備える必要がなくなるのである。
図4は、(2)の工程に用いる別の真空乾燥炉を説明する構成図であり、40Aは炉本体であり、炉内を真空度10-5Pa以下に減圧(真空引き)する手段45A、炉内を温度200℃以上に加熱する手段(図示せず)、炉内に常圧の低露点の不活性ガスを充填する手段60A、を備える。炉本体40Aは、グローブボックスの外部に配置するのでなく、パスボックスを利用してその内部に構成される。
41は羽根を高速回転させて気体分子を弾き飛ばすことにより排気するターボ分子ポンプであり、42はトラップであり、43はロータリポンプ(真空ポンプ)であり、これらを直列に接続する回路により、炉内を真空度10-5Pa以下に減圧(真空引き)する手段45Aが構成される。この回路45Aに3方向切換弁46が介装される。3方向切換弁46は、ポート(a)-(b)間を連通するポジションと、ポート(a)-(c)間を連通するポジションと、の2位置に切り替え可能なものである。
炉内を真空度10-5Pa以下に減圧するときは、3方向切換弁46のポート(a)-(b)間を連通させる。この状態において、図2の真空乾燥炉と同様にロータリポンプ43のみを先に運転する。炉内が所定の真空度に達したら、さらに目標の真空度(10-5Pa以下)に減圧するべく、ロータリポンプ43を運転状態に維持しつつ、ターボ分子ポンプ41の運転を開始させるのである。3方向切換弁46のポート(a)-(c)間を連通させると、ターボ分子ポンプ41を経由する回路45Aから経由しない回路47に切り替わるため、ロータリポンプ43の運転のみに基づいて、炉内を所定の真空度に減圧することもできる。これにより、真空乾燥炉において、正極体および負極体のように10-5Pa以下の真空度を要する処理と、端子24(図1、参照)のようにそれほどの真空度を要さない処理と、の両方に対応可能となる。61Aはパスボックス(炉本体40A)とグローブボックスとの間を接続する通路であり、62Aは通路を開閉するバルブであり、これらにより、炉内に常圧の低露点の不活性ガスを充填する手段60Aが構成される。
(2)の工程においては、炉内に積層体22の組成材料(正極体,負極体,ガラス繊維のセパレータ)を搬入用の開閉扉から収める。パスボックス40Aの密閉状態において、ロータリポンプ43およびターボ分子ポンプ41により、炉内を真空度10-5Pa以下に減圧する。そして、真空度10-5Pa以下の減圧状態において、炉内を温度200℃以上に加熱するのである。この処理が終了すると、通路61Aのバルブ62Aを開いてグローブボックスから炉内に常圧の低露点の不活性ガスを充填する。その後、パスボックス40Aの開閉扉を開いて組成材料をグローブボックスの内部へ搬入するのである(図3、参照)。
このような真空乾燥炉によると、真空乾燥(真空度10-5Pa以下の減圧状態において、温度200℃以上に加熱する処理)は、パスボックス40Aの内部で行えるため、専用の真空乾燥炉が不要となり、設備費を大きく低減することができる。
この発明の実施形態に係る装置(槽)の説明図である。 同じく真空乾燥炉の説明図である。 同じくグローブボックスを説明する断面図である。 別の実施形態に係る真空乾燥炉の説明図である。
符号の説明
21 電気二重層キャパシタの容器
22 積層体
24 端子
40,40A 炉本体
41 ターボ分子ポンプ
42 トラップ
43 ロータリポンプ(真空ポンプ)
45,45A 減圧(真空引き)手段
60,60A 不活性ガスの充填手段
61,61A 通路
62,62A バルブ

Claims (8)

  1. 炭素質材料を主原料に分極性電極を形成すると共に集電体をこの炭素電極に取り付けることにより正極体および負極体を作成する工程、正極体と負極体とセパレータとから所定の積層体を組成する工程、正極体および負極体のリード部としてこれらの同極どうしの結束部に1対の端子を接合する工程と、積層体を1対の端子の一部が突き出る状態に収めて注入した電解質溶液に含浸させる工程、炭素電極の電界賦活を行うべく1対の端子の間に電圧を印加する工程、を順次に処理することを特徴とする電気二重層キャパシタの製造方法において、積層体に構成する前の正極体および負極体を真空乾燥炉に搬入して真空度10-5Pa以下の減圧状態で温度200℃以上に加熱する工程、を備えることを特徴とする電気二重層キャパシタの製造方法。
  2. 請求項1に係る電気二重層キャパシタの製造方法において、正極体および負極体を真空乾燥炉に搬入して真空度10-5Pa以下の減圧状態で温度200℃以上に加熱する工程は、真空乾燥の処理が終わると正極体および負極体の搬出前に常圧の低露点の不活性ガスを真空乾燥炉の内部に充填する工程、を含むことを特徴とする電気二重層キャパシタの製造方法。
  3. 請求項1に係る電気二重層キャパシタの製造方法に用いられる電気二重層キャパシタの製造装置において、真空乾燥炉は、炉内を真空度10-5Pa以下に減圧する手段、炉内を温度200℃以上に加熱する手段、を備えることを特徴とする電気二重層キャパシタの製造装置。
  4. 請求項3に係る電気二重層キャパシタの製造装置において、真空乾燥炉は、炉内に常圧の低露点の不活性ガスを充填する手段、を備えることを特徴とする電気二重層キャパシタの製造装置。
  5. 請求項4に係る電気二重層キャパシタの製造装置において、炉内に常圧の低露点の不活性ガスを充填する手段は、真空乾燥炉と内部が常圧の低露点の不活性雰囲気に維持されるグローブボックスとの間を接続する通路、この通路を開閉するバルブ、を備えることを特徴とする電気二重層キャパシタの製造装置。
  6. 請求項5に係る電気二重層キャパシタの製造装置において、真空乾燥炉は、グローブボックスのパスボックスに密封可能な開閉扉を介して接続されることを特徴とする電気二重層キャパシタの製造装置。
  7. 請求項5に係る電気二重層キャパシタの製造装置において、真空乾燥炉は、グローブボックスのパスボックスを利用してその内部に構成されることを特徴とする電気二重層キャパシタの製造装置。
  8. 請求項3に係る電気二重層キャパシタの製造装置において、炉内を真空度10-5Pa以下に減圧する手段は、ターボ分子ポンプ、を備えることを特徴とする電気二重層キャパシタの製造装置。
JP2005085648A 2005-03-24 2005-03-24 電気二重層キャパシタの製造方法およびその製造装置 Expired - Fee Related JP4515301B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005085648A JP4515301B2 (ja) 2005-03-24 2005-03-24 電気二重層キャパシタの製造方法およびその製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005085648A JP4515301B2 (ja) 2005-03-24 2005-03-24 電気二重層キャパシタの製造方法およびその製造装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006269739A true JP2006269739A (ja) 2006-10-05
JP4515301B2 JP4515301B2 (ja) 2010-07-28

Family

ID=37205385

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005085648A Expired - Fee Related JP4515301B2 (ja) 2005-03-24 2005-03-24 電気二重層キャパシタの製造方法およびその製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4515301B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015077014A1 (en) * 2013-11-22 2015-05-28 Corning Incorporated Ultracapacitor vacuum assembly

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102264685B1 (ko) * 2016-11-30 2021-06-15 (주)엘지에너지솔루션 전극조립체 제조장치 및 전극조립체를 제조하는 방법

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002025867A (ja) * 2000-07-04 2002-01-25 Jeol Ltd 電気二重層キャパシタおよび電気二重層キャパシタ用炭素材料
JP2002362912A (ja) * 2001-06-06 2002-12-18 Jeol Ltd 残存活性酸化水素の除去方法
JP2003197476A (ja) * 2001-12-26 2003-07-11 Kuraray Co Ltd セパレータ及び電気二重層キャパシタ
JP2004031422A (ja) * 2002-06-21 2004-01-29 Nissan Diesel Motor Co Ltd グローブボックス装置
JP2004289130A (ja) * 2003-03-04 2004-10-14 Jeol Ltd 電気二重層キャパシタ

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002025867A (ja) * 2000-07-04 2002-01-25 Jeol Ltd 電気二重層キャパシタおよび電気二重層キャパシタ用炭素材料
JP2002362912A (ja) * 2001-06-06 2002-12-18 Jeol Ltd 残存活性酸化水素の除去方法
JP2003197476A (ja) * 2001-12-26 2003-07-11 Kuraray Co Ltd セパレータ及び電気二重層キャパシタ
JP2004031422A (ja) * 2002-06-21 2004-01-29 Nissan Diesel Motor Co Ltd グローブボックス装置
JP2004289130A (ja) * 2003-03-04 2004-10-14 Jeol Ltd 電気二重層キャパシタ

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015077014A1 (en) * 2013-11-22 2015-05-28 Corning Incorporated Ultracapacitor vacuum assembly
US9293268B2 (en) 2013-11-22 2016-03-22 Corning Incorporated Ultracapacitor vacuum assembly

Also Published As

Publication number Publication date
JP4515301B2 (ja) 2010-07-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7025765B2 (ja) ガス分離のための電気化学的プロセス
KR100880552B1 (ko) 고용량 전극 활물질, 그 제조방법, 이를 구비한 전극 및에너지 저장 장치
JP4878881B2 (ja) 電気二重層キャパシタ用電極および電気二重層キャパシタ
Tammela et al. Asymmetric supercapacitors based on carbon nanofibre and polypyrrole/nanocellulose composite electrodes
KR100768281B1 (ko) 전기 이중층 커패시터
US7074688B2 (en) Method of making an electrode for an electrochemical capacitor and the method of making an electrochemical capacitor
WO2006132444A1 (ja) 電気二重層キャパシタ用電極および電気二重層キャパシタ
WO2019070568A2 (en) INTERNAL HYBRID CELL FOR ELECTROCHEMICAL ENERGY STORAGE BASED ON LITHIUM OR SODIUM ION
KR101793040B1 (ko) 울트라커패시터용 전극활물질의 제조방법, 상기 울트라커패시터용 전극활물질을 이용한 울트라커패시터 전극의 제조방법 및 울트라커패시터
JP2006261599A (ja) 電気二重層キャパシタの製造方法
JP2010062163A (ja) 二次電池の製造方法
KR101660297B1 (ko) 이온성 액체로부터 합성된 다공성 활성탄, 그 제조방법, 상기 활성탄을 이용한 슈퍼커패시터 및 그 제조방법
JP4515301B2 (ja) 電気二重層キャパシタの製造方法およびその製造装置
JP4178497B2 (ja) 電気二重層コンデンサの製造装置及び製造方法
JP4515304B2 (ja) 電気二重層キャパシタおよびそのガス抜きバルブ
CN108028434B (zh) 电化学器件的制造方法及电化学器件
CN104157471A (zh) 一种超级电容器用电芯的干燥方法
KR102143773B1 (ko) 리그노셀룰로오스 바이오매스를 이용한 부분결정성 활성탄의 제조방법 및 상기 부분결정성 활성탄을 이용한 슈퍼커패시터의 제조방법
KR101571679B1 (ko) 탄소나노섬유-이온성액체 복합체, 그 제조방법, 상기 탄소나노섬유-이온성액체 복합체를 이용한 울트라커패시터 및 그 제조방법
JP6931577B2 (ja) 非水系リチウム型蓄電素子
JP2010123766A (ja) 電極シート及びそれを用いた電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ
WO2007077906A1 (ja) 非水系キャパシタ及びその製造方法
JP2008205275A (ja) 電気二重層キャパシタ用電極材料の製造方法、電気二重層キャパシタ用電極、電気二重層キャパシタ、及び電気二重層キャパシタ電極用活性炭
JP2020025053A (ja) リチウムイオンキャパシタ用正極および当該正極を用いたリチウムイオンキャパシタ、ならびにそれらの製造方法
WO2011155000A1 (ja) キャパシタ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070522

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090929

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091117

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100420

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100512

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130521

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130521

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160521

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees