JP2006269624A - 光学式外観検査装置のアライメント高速化法、これを用いたパターン検査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高精度かつ高速度に位置合わせすることのできるアライメント方法を提供する。
【解決手段】 複数の被検査基板のうち、第1番目を除く第N番目の被検査基板のパターン検査において、ステップS30では第N−1番目のアライメント位置O3、O4を検出する。ステップS31では、被検査基板のアライメント撮像を行う。ステップS32では、アライメント撮像にされたアライメント画像からアライメント位置O1、O2を取得する。ステップS33では、アライメント位置O1、O2に基づきプリアライメントを行う。ステップS34では、アライメント位置O1、O2と検査済み基板のアライメント位置O3、O4とを用いて、検査基板に対するマスタ画像の伸縮率を再決定する。そして、位置合わせされた後に、オブジェクト画像を取得するとともに、当該オブジェクト画像と伸縮後のマスタ画像とを用いて比較検査を行う。
【選択図】 図5
【解決手段】 複数の被検査基板のうち、第1番目を除く第N番目の被検査基板のパターン検査において、ステップS30では第N−1番目のアライメント位置O3、O4を検出する。ステップS31では、被検査基板のアライメント撮像を行う。ステップS32では、アライメント撮像にされたアライメント画像からアライメント位置O1、O2を取得する。ステップS33では、アライメント位置O1、O2に基づきプリアライメントを行う。ステップS34では、アライメント位置O1、O2と検査済み基板のアライメント位置O3、O4とを用いて、検査基板に対するマスタ画像の伸縮率を再決定する。そして、位置合わせされた後に、オブジェクト画像を取得するとともに、当該オブジェクト画像と伸縮後のマスタ画像とを用いて比較検査を行う。
【選択図】 図5
Description
本発明は、パターン検査方法およびパターン検査装置に関し、特定的には、プリント基板および半導体ウエハ等に形成されたパターンやそれらの製造工程で用いられるマスク等に形成されたパターンを検査するパターン検査方法およびパターン検査装置におけるアライメント方法に関する。
電子部品等が実装されるプリント基板や半導体ウエハ等の表面には、所定の回路を構成するのに必要な導体配線がパターン形成される。そして、パターン検査装置を用いて、形成された配線パターンにおける欠陥の有無が外観検査される。一般的に、被検査物(プリント基板や半導体ウエハ)を照明して形成されたパターンを撮像カメラに取り込んで画像処理によって合否を判定する方式(Automated Optical Inspection;AOI)が用いられる。例えば、パターンが形成された面を上面として、被検査物がパターン検査装置のステージ面に載置される。パターン検査装置は、ステージ面に載置された被検査物上の空間に、CCD(Charged Coupled Device)カメラ等の撮像カメラを有している。パターン検査装置は、ステージ面を主走査方向に水平に移動させ、撮像カメラの下を通過した被検査物を撮像していく。そして、パターン検査装置は、主走査方向の走査が1回完了する毎に撮像カメラを副走査方向へ順次シフトし、最終的に被検査物の検査領域全体を撮像して画像データを得る。その後、パターン検査装置は、得られた画像データに対して、パターンマッチング処理等を行って、パターンの欠陥を検出する。
パターンマッチング処理を用いたパターン欠陥の検出では、パターンが形成された被検査物を撮像カメラで撮像することによって得られる画像(以下、オブジェクト画像と記載する)と、判定基準となる画像(以下、マスタ画像と記載する)とを比較して、所定の閾値以上の差が認められるときにパターン欠陥とされる。例えば、マスタ画像は、上記被検査物を製造する際に用いられるCAD(Computer Aided Design)データや、良品の上記被検査物を撮像したデータに基づいて作成される。例えば、図6に示すようなマスタ画像とオブジェクト画像とを比較する場合、パターン検査装置にてそれぞれの画像がデジタル画像に変換される。そして、それらデジタル画像の画素毎に比較を行い、マスタ画像に対して所定の閾値以上の差があるオブジェクト画像の画素をパターンの欠陥と判断する。
しかしながら、パターンマッチング処理を用いたパターン欠陥の検出では、マスタ画像とオブジェクト画像との正確な位置合わせが必要となる。すなわち、マスタ画像とオブジェクト画像とが位置ずれした状態で、これらのデジタル画像の画素毎に比較を行った場合、実際の欠陥以外の画素が欠陥部分として検出される。
これに対して、マスタ画像とオブジェクト画像との位置ずれがある場合でも、これらの位置合わせ誤差を吸収して、高精度のパターン欠陥検出を行う技術が提案されている(特許文献1)。図7は、特許文献1のパターン欠陥検出方法を概念的に示した図である。まず、図7中、オブジェクト画像Pは、概念的に複数の区画に分割される。このとき、分割された1区画をP0とする。一方、図7中、マスタ画像Mには、オブジェクト画像Pの分割区画P0の位置と対応する基準区画M0が設定される。さらに、マスタ画像Mには、基準区画M0から2次元的に所定画素だけ位置ずれさせたマスタ区画画像M1が設定される。なお、図8において、マスタ区画画像M1は2つの場合を示したが、実際にはオブジェクト画像Pの分割区画P0の周囲に、所定量の画素数だけ2次元的に拡張した拡張区域E内に多数のマスタ区画画像M1が設定される。
このように設定されたオブジェクト画像Pの分割画像P0は、拡張区域E内のすべてのマスタ区画画像M1とそれぞれ比較される。比較された結果、パターン欠陥の検出は、すべてのマスタ画像区域M1に対して不一致と判定されたときに欠陥有りと判定される。一方、少なくとも1つのマスタ区画画像M1に対して一致の判定がなされたときに欠陥無しと判定される。そして、上記の基準区画M0、マスタ区画画像M1の設定および比較処理は、オブジェクト画像P内の全ての分割画像に対して行われる。したがって、このようなパターン欠陥検出方法は、オブジェクト画像の分割画像を、基準区画を中心として相対的にゆすらせてマスタ画像と比較することに等しい。以下、上記のパターン欠陥検出方法を「ゆすらせ比較法」という。また、基準区画とマスタ区画画像との画素数のずれを「ゆすらせ量」という。このように、特許文献1は、各分割画像を複数のマスタ区画画像と比較することにより、位置合わせ誤差を吸収し、高精度のパターン欠陥検出を行うことができるとしている。
特公平6−21769号公報
特許文献1に記載されたパターン欠陥検出方法は、基準区画とマスタ区画画像との画素数のずれ、すなわち「ゆすらせ量」の増加に伴い、処理すべき演算量および演算時間が増大する。そのため、パターン検査に先立ち、マスタ画像に対する検査基板の粗位置合わせを実行することにより、ゆすらせ量を減少させることができる。すなわち、検査前のアライメント処理により、検査基板を撮像して得られるオブジェクト画像と、マスタ画像との大幅な位置ずれを防止することができる。また、微小な位置ずれは、ゆすらせ比較により吸収させ、パターン欠陥の検出を行うことができる。
一方、プリント基板や半導体ウエハ等に形成される回路パターンは、高集積化の要求により微細化され、それに伴い、微細な欠陥を高精度に検出する必要がある。また、パターン欠陥検出においては、欠陥の有無のみでなく、欠陥の形状等も認識する必要があるため、高い検査分解能が要求される。
しかしながら、特許文献1に記載されたパターン欠陥検出方法において、検査の分解能が高くなることにより、各画素のサイズは小さくなることから、ゆすらせ量をさらに増大させる必要がある。そのため、処理すべき演算量および演算時間が大幅に増大する問題があった。
さらに、プリント基板等の製造において、環境温度の変化や製造条件の差異によりプリント基板等には伸縮が発生し、ゆすらせ量を増大させる。そのため、特許文献1に記載されたパターン欠陥検出方法および上記のアライメント処理では、処理すべき演算量および演算時間が大幅に増大する問題があった。
本発明の目的は、高分解能の検査において、アライメント処理時間を短縮するとともに、高精度のパターン欠陥検出方法およびパターン欠陥検出装置を提供することにある。
上記目的は、以下のアライメント方法によって達成される。
被検査基板に形成されたパターンを撮像したオブジェクト画像と判定基準となるマスタ画像とを比較して被検査基板のパターン形状の検査を複数の被検査基板に対して順次行うパターン検査におけるアライメント方法であって、
(A)第1番目の被検査基板に対して、
第1番目の被検査基板を撮像カメラで撮像することによって第1番目の被検査基板上の少なくとも3点の特徴点の位置をアライメント位置として検出する第1のアライメント位置検出ステップと、
第1のアライメント位置検出ステップで検出されたアライメント位置のうちの少なくとも2点のアライメント位置を用いて第1番目の被検査基板の位置合わせを行う第1のプリアライメントステップと、
第1のアライメント位置検出ステップで検出されたアライメント位置のうちの少なくとも3点のアライメント位置に基づいて、被検査基板の少なくとも異なる2方向の伸縮率を検出する第1の伸縮率検出ステップと、
第1番目の被検査基板を撮像カメラで走査しながら、撮像カメラから出力されるオブジェクト画像をメモリに順次保存し、かつ第1の伸縮率検出ステップで検出された伸縮率を用いてマスタ画像またはオブジェクト画像のどちらか一方を伸縮させて、マスタ画像とオブジェクト画像とを用いた比較検査を順次行う第1の比較検査ステップとを備え、さらに
(B)第N番目(Nは2以上の整数)の被検査基板に対して、
第N番目の被検査基板を撮像カメラで撮像することによって第N番目の被検査基板上の2点のアライメント位置を検出する第2のアライメント位置検出ステップと、
第2のアライメント位置検出ステップで検出された2点のアライメント位置を用いて第N番目の被検査基板の位置合わせを行う第2のプリアライメントステップと、
メモリに保存されている第N−1番目の被検査基板のオブジェクト画像から第N−1番目の被検査基板上の少なくとも1点のアライメント位置を検出する第3のアライメント位置検出ステップと、
少なくとも第3のアライメント位置検出ステップで検出された第N−1番目の被検査基板上のアライメント位置に基づいて、被検査基板の少なくとも異なる2方向の伸縮率を検出する第2の伸縮率検出ステップと、
第N番目の被検査基板を撮像カメラで走査しながら、撮像カメラから出力されるオブジェクト画像をメモリに順次保存し、かつ第2の伸縮率検出ステップで検出された伸縮率を用いてマスタ画像またはオブジェクト画像のどちら一方を伸縮させて、マスタ画像とオブジェクト画像とを用いた比較検査を順次行う第2の比較検査ステップとを備える。
被検査基板に形成されたパターンを撮像したオブジェクト画像と判定基準となるマスタ画像とを比較して被検査基板のパターン形状の検査を複数の被検査基板に対して順次行うパターン検査におけるアライメント方法であって、
(A)第1番目の被検査基板に対して、
第1番目の被検査基板を撮像カメラで撮像することによって第1番目の被検査基板上の少なくとも3点の特徴点の位置をアライメント位置として検出する第1のアライメント位置検出ステップと、
第1のアライメント位置検出ステップで検出されたアライメント位置のうちの少なくとも2点のアライメント位置を用いて第1番目の被検査基板の位置合わせを行う第1のプリアライメントステップと、
第1のアライメント位置検出ステップで検出されたアライメント位置のうちの少なくとも3点のアライメント位置に基づいて、被検査基板の少なくとも異なる2方向の伸縮率を検出する第1の伸縮率検出ステップと、
第1番目の被検査基板を撮像カメラで走査しながら、撮像カメラから出力されるオブジェクト画像をメモリに順次保存し、かつ第1の伸縮率検出ステップで検出された伸縮率を用いてマスタ画像またはオブジェクト画像のどちらか一方を伸縮させて、マスタ画像とオブジェクト画像とを用いた比較検査を順次行う第1の比較検査ステップとを備え、さらに
(B)第N番目(Nは2以上の整数)の被検査基板に対して、
第N番目の被検査基板を撮像カメラで撮像することによって第N番目の被検査基板上の2点のアライメント位置を検出する第2のアライメント位置検出ステップと、
第2のアライメント位置検出ステップで検出された2点のアライメント位置を用いて第N番目の被検査基板の位置合わせを行う第2のプリアライメントステップと、
メモリに保存されている第N−1番目の被検査基板のオブジェクト画像から第N−1番目の被検査基板上の少なくとも1点のアライメント位置を検出する第3のアライメント位置検出ステップと、
少なくとも第3のアライメント位置検出ステップで検出された第N−1番目の被検査基板上のアライメント位置に基づいて、被検査基板の少なくとも異なる2方向の伸縮率を検出する第2の伸縮率検出ステップと、
第N番目の被検査基板を撮像カメラで走査しながら、撮像カメラから出力されるオブジェクト画像をメモリに順次保存し、かつ第2の伸縮率検出ステップで検出された伸縮率を用いてマスタ画像またはオブジェクト画像のどちら一方を伸縮させて、マスタ画像とオブジェクト画像とを用いた比較検査を順次行う第2の比較検査ステップとを備える。
この構成により、複数の被検査基板のうち2枚目以降の被検査基板については、アライメント撮像に要する処理時間を、1枚目の被検査基板のアライメント撮像に要する時間よりも短縮することができる。よって、高速度に位置合わせが可能であるとともに、高精度に位置合わせすることができる。したがって、検査の分解能が高くなった場合においても、処理時間および処理量を増大させることなく、良好なパターン欠陥検出が可能である。
好ましくは、第1および第2の伸縮率検出ステップは、検査基板上の互いに離間して略対向配置される4点のアライメント位置に基づいて、伸縮率を検出する。
これにより、マスタ画像とオブジェクト画像との位置合わせを精度良く行うことができるので、検査の分解能が高くなった場合においても、処理時間および処理量を増大させることなく、良好なパターン欠陥検出が可能である。
好ましくは、複数の被検査基板は、同一ロット単位としてパターン検査が行われる。
これにより、同一ロット内の被検査基板に対しては、マスタ画像と被検査基板の位置合わせおよびパターン検査を高速に行うことができる。
好ましくは、複数の被検査基板は、あらかじめ指定された予定時間内または所定枚数毎に、パターン検査が行われる。
これにより、環境温度の変化による被検査基板の伸縮に柔軟に対応することができ、精細な位置合わせを行うことができる。
好ましくは、パターン検査が所定時間以上中断してから再開されるときに、再開後に最初に検査される被検査基板を第1番目の被検査基板として検査する。
これにより、検査工程が中断されることにより、中断時の被検査基板と再開後の被検査基板との間で伸縮率に無視できない差が生じた場合においても、精度よくパターン検査を行うことができる。
好ましくは、さらに第1および第2の比較検査ステップは、
マスタ画像を中心として所定の画素数を拡張した拡張領域内に、マスタ画像に対して少なくとも1画素ずつ位置ずれさせた複数の第2のマスタ画像を仮想的に設定し、かつ複数の第2のマスタ画像とオブジェクト画像とを用いた比較検査を行う。
マスタ画像を中心として所定の画素数を拡張した拡張領域内に、マスタ画像に対して少なくとも1画素ずつ位置ずれさせた複数の第2のマスタ画像を仮想的に設定し、かつ複数の第2のマスタ画像とオブジェクト画像とを用いた比較検査を行う。
これにより、マスタ画像とオブジェクト画像との位置合わせをさらに精細に行うことができるので、良好なパターン欠陥の検出を行うことができる。
好ましくは、第2の伸縮量検出ステップは、
第2のアライメント位置検出ステップで検出された第N番目の被検査基板上のアライメント位置と、第3のアライメント位置検出ステップで検出された第N−1番目の被検査基板上のアライメント位置とに基づいて、被検査基板の少なくとも異なる2方向の伸縮率を検出する。
第2のアライメント位置検出ステップで検出された第N番目の被検査基板上のアライメント位置と、第3のアライメント位置検出ステップで検出された第N−1番目の被検査基板上のアライメント位置とに基づいて、被検査基板の少なくとも異なる2方向の伸縮率を検出する。
これにより、2枚目以降の被検査基板の伸縮率は、当該被検査基板のアライメント撮像によるアライメント位置と、直前に検査された被検査基板のアライメント位置とから検出されるので、高速度かつ高精度に位置合わせが可能である。
本発明の目的は、以下のパターン検査装置によって達成される。
被検査基板に形成されたパターンを撮像したオブジェクト画像と判定基準となるマスタ画像とを比較して被検査基板のパターン形状の検査を複数の被検査基板に対して順次行うパターン検査におけるアライメント方法を含むパターン検査装置であって、
被検査基板が載置されるステージと、
ステージに載置された被検査基板を撮像する撮像手段と、
撮像手段により撮像された被検査基板の特徴点の位置をアライメント位置として検出するアライメント位置検出手段と、
検出されたアライメント位置のうち少なくとも2点のアライメント位置を用いて、被検査基板の位置合わせを行うためにステージを水平移動または回転させるステージ移動手段と、
被検査基板の少なくとも異なる2方向の伸縮率を検出する伸縮率検出手段と、
撮像手段とステージとを相対的に移動させて走査する走査手段と、
走査手段により出力されるオブジェクト画像またはマスタ画像のどちらか一方を伸縮率に基づいて伸縮する画像処理手段と、
オブジェクト画像とマスタ画像とを用いた比較検査を行う検査手段と、
検出手段により検出されたアライメント位置を含むオブジェクト画像とマスタ画像とを格納するメモリとを備え、
伸縮率検出手段は、
第1番目の被検査基板に対して、
アライメント位置検出手段により検出された少なくとも3点のアライメント位置に基づいて伸縮率を検出し、
さらに第N番目(Nは2以上の整数)の被検査基板に対して、
少なくともメモリに格納された第N−1番目のオブジェクト画像のアライメント位置に基づいて伸縮率を検出する。
被検査基板に形成されたパターンを撮像したオブジェクト画像と判定基準となるマスタ画像とを比較して被検査基板のパターン形状の検査を複数の被検査基板に対して順次行うパターン検査におけるアライメント方法を含むパターン検査装置であって、
被検査基板が載置されるステージと、
ステージに載置された被検査基板を撮像する撮像手段と、
撮像手段により撮像された被検査基板の特徴点の位置をアライメント位置として検出するアライメント位置検出手段と、
検出されたアライメント位置のうち少なくとも2点のアライメント位置を用いて、被検査基板の位置合わせを行うためにステージを水平移動または回転させるステージ移動手段と、
被検査基板の少なくとも異なる2方向の伸縮率を検出する伸縮率検出手段と、
撮像手段とステージとを相対的に移動させて走査する走査手段と、
走査手段により出力されるオブジェクト画像またはマスタ画像のどちらか一方を伸縮率に基づいて伸縮する画像処理手段と、
オブジェクト画像とマスタ画像とを用いた比較検査を行う検査手段と、
検出手段により検出されたアライメント位置を含むオブジェクト画像とマスタ画像とを格納するメモリとを備え、
伸縮率検出手段は、
第1番目の被検査基板に対して、
アライメント位置検出手段により検出された少なくとも3点のアライメント位置に基づいて伸縮率を検出し、
さらに第N番目(Nは2以上の整数)の被検査基板に対して、
少なくともメモリに格納された第N−1番目のオブジェクト画像のアライメント位置に基づいて伸縮率を検出する。
以上の構成を備えているので、複数の被検査基板のうち2枚目以降の被検査基板については、アライメント撮像に要する処理時間を、1枚目の被検査基板のアライメント撮像に要する時間よりも短縮することができるので、高速度に位置合わせが可能であるとともに、高精度に位置合わせすることができる。したがって、検査の分解能が高くなった場合においても、処理時間および処理量を増大させることなく、良好なパターン欠陥検出が可能である。
以上のように、本発明は、高分解能の検査において、アライメント処理時間を短縮するとともに、高精度のパターン欠陥検出方法およびパターン欠陥検出装置を提供することができる。
図面を参照して、本発明の一実施形態に係るパターン検査装置について説明する。なお、図1は、当該パターン検査装置の全体構成を模式的に示す上面図および正面図である。ここでは、説明を具体的にするために、配線パターンが形成されたプリント基板を被検査物として検査する場合を一例として説明する。なお、本発明は、プリント基板に限らず、配線パターンが形成された半導体ウエハ、フィルムマスク、ガラスマスク、フレキシブルな薄板基板、カラーフィルタ等、ステージ面に載置する板状の部材を被検査物としたパターン検査に対して有効である。
図1において、パターン検査装置1は、大略的にステージ搬送機構部2、撮像機構部3、および制御部4(図2参照)を備えている。ステージ搬送機構部2は、ステージ移動手段に相当し、ステージ部21、旋回部22、Y軸方向駆動機構23、およびベース部24を備えている。撮像機構部3は、撮像カメラ31、支持部材32、X軸方向駆動部材33、カメラ支持部材34、X軸方向駆動機構35、およびZ軸方向駆動機構36を備えている。また、図1においては、制御部4に含まれる表示部44のみ図示されている。なお、表示部44は、後述するメイン制御部41の表示制御によってユーザに情報を表示する表示画面を有している。
ステージ部21は、最上面に水平のステージ面を構成している。そして、被検査基板であるプリント基板は、ステージ部21のステージ面上に載置される。ステージ部21の下部は、旋回部22によって支持されており、旋回部22の回動動作によって図示θ方向にステージ部21が回動可能に構成されている。撮像機構部3の下方を通るように、ベース部24が上記ステージ面と平行の図示Y軸方向に延設されて固定される。Y軸方向駆動機構23は、ベース部24の上面のY軸方向に設けられたガイドに沿って滑動し、その上面に旋回部22が固設されている。なお、Y軸方向駆動機構23は、後述するY軸駆動モータ231およびY軸NCドライバ232を含んでいる(図2参照)。これによって、Y軸方向駆動機構23がY軸駆動モータ231からの駆動力によってベース部24のガイドに沿った図示Y軸方向(主走査方向)に移動可能になり、旋回部22に支持されたステージ部21の主走査方向への水平移動も可能になる。
支持部材32は、ベース部24上を水平移動するステージ部21の上部空間に架設されている。支持部材32上にはX軸方向駆動機構35が設けられており、X軸方向駆動部材33を上記ステージ面と平行で、かつ上記Y軸方向と垂直の図示X軸方向(副走査方向)に移動させる。なお、X軸方向駆動機構35は、後述するX軸駆動モータ351およびX軸NCドライバ352を含んでいる(図2参照)。X軸方向駆動部材33にはZ軸方向駆動機構36が設けられており、カメラ支持部材34を上記X軸およびY軸方向と垂直の図示Z軸方向に移動させる。なお、Z軸方向駆動機構36は、後述するZ軸駆動モータ361およびZ軸NCドライバ362を含んでいる(図2参照)。
撮像カメラ31は、撮像手段に相当し、例えばCCDカメラにより構成される。撮像カメラ31は、その撮像方向が図示Z軸下方向となるようにカメラ支持部材34に支持され、入射された光をその色や強度を示す電気信号に変換する。図1に示すパターン検査装置1の例では、2つの撮像カメラ31aおよび31bが設けられており、それらの撮像方向が図示Z軸下方向となるようにカメラ支持部材34に支持されている。例えば、パターン検査装置1におけるパターンマッチング処理用の画像データを得るための撮像カメラ31aと、パターン検査装置1のユーザによる目視検査用の画像データを得るための撮像カメラ31bとによって構成され、それぞれ光源(図示せず)から被検査基板に照射された光を受光する。なお、本発明は、複数の撮像カメラ31をカメラ支持部材34に固設してもいいし、1つの撮像カメラ31のみをカメラ支持部材34に固設してもかまわない。
このような構成によって、撮像カメラ31は、図示X軸方向(副走査方向)およびZ軸方向(撮像方向)に移動可能になっている。そして、撮像カメラ31のX軸方向の位置を固定した状態でステージ部21が主走査方向(Y軸方向)に移動することにより主走査が行われる。次に、プリント基板の検査領域の一端から他端までの主走査が完了する毎に、撮像カメラ31は副走査方向(X軸方向)に沿って所定距離だけ移動する。この結果、プリント基板の検査領域全体についての画像データが撮像カメラ31から得られることとなる。さらに、撮像カメラ31は、Z軸方向駆動機構36によってZ軸方向(撮像方向)に移動可能となっている。Z軸方向駆動機構36は、ステージ面に載置された被検査基板の上面に撮像カメラ31の焦点が合うようにカメラ支持部材34をZ軸方向に適宜移動させる。
次に、図2を参照して、パターン検査装置1における制御機能の概略構成について説明する。なお、図2は、パターン検査装置1の制御機能を示すブロック図である。
図2において、パターン検査装置1の制御部4は、メイン制御部41、フォーカス制御部42、記憶部43、表示部44、操作部45、メモリ50を含んでいる。メイン制御部41およびフォーカス制御部42は、例えばCPUボードによって構成され、互いに接続されている。また、メイン制御部41およびフォーカス制御部42には、記憶部43が接続されている。記憶部43は、メイン制御部41およびフォーカス制御部42の処理の際に記憶領域として用いられ、処理に必要なデータ群を格納している。記憶部43は、CADデータ432およびマスタ画像データ433を格納している。CADデータ432は、パターン検査装置1において検査対象とする被検査基板に応じて、それぞれ予め格納されている。また、マスタ画像データ433は、後述するマスタ画像データの作成動作によって記憶される。表示部44は、メイン制御部41の表示制御に応じてユーザに情報を提示する。操作部45は、ユーザの操作に応じた操作信号をメイン制御部41に出力し、例えば、キーボードやマウス等の一般的な入力デバイスで構成される。
メイン制御部41は、主にマスタ画像データ433の作成、マスタ画像データ433を用いたパターン検査、X軸NCドライバ352の動作制御、およびフォーカス制御部42の動作制御等を行う。また、メイン制御部41は、撮像カメラ31で撮像された画像データImを受け取る。X軸NCドライバ352は、メイン制御部41の制御に応じてX軸駆動モータ351を駆動する。そして、X軸駆動モータ351は、X軸方向駆動部材33をX軸方向(副走査方向;図1参照)に移動させ、撮像カメラ31をX軸方向に移動させる。これらの構成によって、メイン制御部41は、副走査方向に対する撮像カメラ31の動作を制御することができる。
フォーカス制御部42は、主にY軸NCドライバ232およびZ軸NCドライバ362の動作を制御する。Y軸NCドライバ232は、フォーカス制御部42の制御に応じてY軸駆動モータ231を駆動する。そして、Y軸駆動モータ231は、Y軸方向(主走査方向;図1参照)にステージ部21を水平移動させる。これらの構成によって、フォーカス制御部42は、主走査方向に対するステージ部21の動作を制御することができる。また、Z軸NCドライバ362は、フォーカス制御部42の制御に応じてZ軸駆動モータ361を駆動する。そして、Z軸駆動モータ361は、Z軸方向(撮像方向;図1参照)にカメラ支持部材34を移動させ、撮像カメラ31をZ軸方向にさせる。これらの構成によって、フォーカス制御部42は、撮像方向(焦点方向)に対する撮像カメラ31の動作を被検査基板の上面が焦点となるように制御することができる。そして、メイン制御部41は、例えばパターンマッチング処理を用いてパターン欠陥を検出し、パターンが形成された被検査基板を撮像カメラ31で撮像することによって得られる画像(オブジェクト画像)と、判定基準となる画像(マスタ画像)とを比較して、所定の閾値以上の差が認められるときにパターン欠陥と判定する。
次に、アライメント処理の詳細を図3に示す。図3は、マスタ画像と、検査の対象となるプリント基板との位置合わせから比較検査の流れを示すフローチャートである。図3において、変数Nは、検査対象のプリント基板が、同一ロット内で何番目に検査されるプリント基板であるかを示している。なお、本実施の形態では、製造ロット内における各検査基板の伸縮量は、同一時点においてはほぼ等しいことを前提としている。
まず、ステップS10において、メイン制御部41は、同一ロット内において、検査の対象となる基板が処理開始から1枚目であるか否かを判断する。メイン制御部41は、処理開始からの検査枚数Nが1であるときは、次のステップS11へ移行させる。一方、検査枚数Nが2以上の場合には、図5に示す処理Aへ移行させる。したがって、以下に述べるステップS11ないしステップS17までの処理は、1枚目の検査基板に対してのみ行われる。
ステップS11において、メイン制御部41は、記憶部43に格納されたマスタ画像データを読み出す。そして、図4(a)に示すように、メイン制御部41は、マスタ画像データから、4つの特徴点(M1〜M4)を抽出する。なお、本実施の形態において、4つの特徴点は、マスタ画像上のそれぞれ離間した対角位置にある点としている。抽出された特徴点は、位置合わせの基準となるアライメント位置データとしてメモリ50に格納される。
次に、ステップS12において、撮像カメラ31は、位置合わせの基準となるアライメント位置を取得するために、ステージ面に載置された検査基板を撮像する。この際、撮像カメラ31は、4つの特徴点をそれぞれ含むアライメント画像を順次撮像する(アライメント撮像)。なお、1つの特徴点の撮像には、撮像カメラ31やステージ部21の移動速度にも依存するが、2秒程度の時間を要するため、ステップS12の処理には全体で10秒弱の時間を要する。続いてステップS13において、図4(b)に示すように、メイン制御部41は、撮像されたアライメント画像に基づいて、アライメント位置O1ないしO4を抽出し、次のステップへ移行させる。なお、抽出される特徴点は、マスタ画像の特徴点(M1〜M4)と対応する4点としている。抽出された特徴点は、アライメント位置データとしてメモリ50に格納される。なお、マスタ画像の特徴点および検査基板の特徴点としては、例えば、マスタ画像および検査基板の所定位置に予め十字マークを付しておき、この十字マークを特徴点として利用してもよい。
ステップS14において、メイン制御部41は、メモリ50に格納されたマスタ画像および検査基板のアライメント位置データから伸縮率を演算する。伸縮率とは、マスタ画像と検査基板との大きさの比であり、後述するマスタ画像を伸縮させるために用いるものである。図4中、X軸方向の伸縮率Dxは、マスタ画像のアライメント位置M1およびM2の距離M12と、検査基板のアライメント位置O1およびO2の距離O12との比である。また、Y軸方向の伸縮率Dyは、マスタ画像のアライメント位置M2およびM3の距離M23と、検査基板のアライメント位置O2およびO3の距離O23との比である。伸縮率が決定されると、次のステップS15の処理が行われる。
ステップS15において、メイン制御部41は、検査基板のプリアライメント処理を行う。メイン制御部41およびフォーカス制御部42は、ステージ面に載置された検査基板のアライメント位置M1と、マスタ画像のアライメント位置O1とが一致するように、ステージ部21を移動させる。また、旋回部22は、検査基板のアライメント位置M1とM2とを結ぶ線と、マスタ画像のアライメント位置O1とO2とを結ぶ線とが、平行となるように回転する。また同様に、検査基板のM2とM3とを結ぶ線と、マスタ画像のO2とO3と結ぶ線とが平行となるように回転する。これにより、精細なプリアライメントが可能となる。このように、ステージ面の移動および回転により、検査基板の位置合わせが行われる。メイン制御部41は、検査基板のプリアライメントが終了すると、処理をステップS16へ移行させる。
ステップS16において、メイン制御部41は、ステップS14で得られた伸縮率Dx、Dyに基づいて、メモリ50に格納されたマスタ画像の伸縮処理を行う。伸縮処理後のマスタ画像は、再びメモリ50に格納される。このように、マスタ画像の伸縮処理によってマスタ画像およびオブジェクト画像の4点を合わせることにより、環境温度の変化等による基板の伸縮を補正することができるので、高精度に位置合わせが可能である。
次に、ステップS17において、メイン制御部41は、検査基板を撮像カメラ31で走査しながら、撮像されたオブジェクト画像とマスタ画像との比較検査の処理を行う。メイン制御部41は、撮像カメラ31のX軸方向の位置を固定した状態でステージ部21をY軸方向に移動させて主走査を行う。そして、検査基板の検査領域の一端から他端までの主走査が完了する毎に、撮像カメラ31は副走査方向(X軸方向)に沿って所定距離だけ移動させる。この際、メイン制御部41は、撮像カメラ31により得られるオブジェクト画像を、順次メモリ50に格納させる。そして、伸縮後のマスタ画像と、メモリ50に格納されたオブジェクト画像とをパターンマッチング処理により比較し、パターン欠陥の検出を行う(比較検査)。この際、周知の「ゆすらせ比較法」を用いることにより、精度良くパターン欠陥の検出が可能である。メイン制御部41は、比較検査が終了すると、ステップS18において、検査すべき全てのプリント基板の検査が終了したか否かの判断を行う。全てのプリント基板の検査が終了した場合、メイン制御部41は、一連の比較検査処理を終了する。一方、さらに次のプリント基板について比較検査を行う場合には、次のプリント基板がステージ部21に載置された後、メイン制御部41の処理は再びステップS10へ戻る。
次に、2枚目以降のプリント基板の比較検査について説明する。上述のように、図3におけるステップS10において、Nが2以上の場合(すなわち検査の対象となる基板が処理開始から2枚目以降の基板である場合)には、メイン制御部41の処理は、図5のステップS30に進む。ステップS30において、メイン制御部41は、記憶部43に格納された検査済みのオブジェクト画像から、2点のアライメント画像O3、O4を抽出する。ここで、抽出されるアライメント画像は、N−1枚目の検査基板に関するアライメント画像である。メイン制御部41は、抽出されたアライメント画像から、アライメント位置O1に対するアライメント位置O3、O4の相対位置を検出する。その後、メイン制御部41は、次のステップS31の処理を行う。
ステップS31において、撮像カメラ31は、アライメント位置を取得するために、ステージ面に載置された検査基板(N枚目の検査基板)を撮像する(アライメント撮像)。このとき、撮像カメラ31は、1枚目の検査基板の処理とは異なり、2点のアライメント画像O1、O2のみを撮像する。続いてステップS32において、撮像されたアライメント画像に基づいて、アライメント位置O1およびO2を取得し、次のステップへ移行させる。取得された2点のアライメント位置は、一時的にメモリ50に格納される。
次に、ステップS33において、メイン制御部41は、ステップS32で得られたアライメント位置O1およびO2に基づき、検査基板のプリアライメント処理を行う。メイン制御部41およびフォーカス制御部42の指令により、ステージ部21は、ステージ面に載置された検査基板のアライメント位置O1と、マスタ画像のアライメント位置O1とが一致するように、移動する。また、旋回部22は、検査基板のアライメント位置O1とO2とを結ぶ線と、マスタ画像のアライメント位置M1とM2とを結ぶ線とが、平行となるように、回転し、検査基板の位置合わせを行う。メイン制御部41は、検査基板のプリアライメントが終了すると、ステップS34へ移行させる。
続いて、ステップS34において、メイン制御部41は、伸縮率の再演算を行う。すなわち、2枚目以降の検査基板のアライメント位置は、ステップS30で得られた検査済み基板のアライメント位置O3、O4(アライメント位置O1に対する相対位置)と、ステップS33のアライメント撮像で得られたアライメント位置O1、O2とが用いられる。マスタ画像のアライメント位置M1およびM2の距離と、検査基板のアライメント位置O1およびO2の距離との比をDx2として、また、マスタ画像のアライメント位置M2およびM3の距離と、検査基板のアライメント位置O2およびO3の距離との比をDy2として再演算が行われる。このように、メイン制御部41は、マスタ画像の伸縮率を再決定した後、図3におけるステップS16の処理へ移行させる。ステップS16以降のマスタ画像の伸縮、オブジェクト画像の取得及び比較検査は、マスタ画像の伸縮率が異なる点を除き、1枚目の検査基板の処理と同様である。
このように、本実施の形態に係るパターン欠陥検査装置および検査方法は、4点のアライメント位置を用いて位置合わせを行うので、プリント基板の伸縮による誤差を補正することができ、マスタ画像とオブジェクト画像とを高精度に位置合わせすることができる。したがって、検査の分解能が高くなった場合においても、ゆすらせ量を増大させることなく、良好なパターン欠陥検出を行うことができる。
また、本実施の形態に係るパターン欠陥検査装置および検査方法において、2枚目以降の検査基板は、4点のアライメント位置(O1〜O4)のうち、プリアライメントのために最低必要となるアライメント位置(O1、O2)を除いた残りのアライメント位置(O3、O4)については、検査済みのオブジェクト画像のアライメント位置を代用するので、検査対象基板のアライメント位置O3,O4を撮像カメラにより撮像する必要がない。よって、2枚目以降の検査基板については、アライメント撮像に要する処理時間を、1枚目の検査基板のアライメント撮像に要する時間の半分に短縮することができる。したがって、高精度に位置合わせが可能であるとともに、高速度にパターン欠陥を検出することができる。
また、本実施の形態に係るパターン欠陥検査装置および検査方法において、2枚目以降の検査基板は、当該検査基板の直前に比較検査が行われたプリント基板のアライメント位置を用いるので、例えば環境温度の変化等によって1枚目の検査基板と最後の検査基板との間で伸縮率に無視できない差が生じた場合においても、N−1枚目の検査基板とN枚目の検査基板との間では伸縮率がほぼ等しいため、精度良くパターン欠陥を検出することができる。
なお、本実施の形態に係るパターン欠陥検査装置および検査方法は、アライメント位置として4点を用いたが、これに限られない。主走査方向および副走査方向の伸縮率の決定が可能な3点を用いて位置合わせを行ってもよい。なお、部分伸縮等が発生する場合には、4点以上のアライメント位置により検査基板の各部分の収縮率を検出し、その検出結果に応じてマスタ画像を部分的に収縮させるようにして位置合わせを行うことが望ましい。
また、2枚目以降の検査基板の位置合わせにおいて、直前に比較検査を行ったプリント基板のアライメント位置のうち、2点(O3,O4)を用いたが、1点(O3またはO4のいずれか)のみ用いてもよい。なお、上記と同様に、部分伸縮等が発生する場合には、直前に比較検査を行ったプリント基板のオブジェクト画像から2点以上のアライメント位置を取得し、これらのアライメント位置を用いて位置合わせを行うことが望ましい。
なお、本実施の形態に係るパターン欠陥検査装置および検査方法は、マスタ画像の伸縮率を決定するために、3点のアライメント位置の距離を比較することにより行ったが、これに限られない。例えば、図4において、マスタ画像のM12と検査基板のO12の比と、マスタ画像のM34(M3とM4の間の距離)と検査基板のO34(O3とO4の間の距離)の比の平均値を求め、この平均値をX軸方向の伸縮率Dxとして利用してもよい。同様に、マスタ画像のM23と検査基板のO23の比と、マスタ画像のM14(M1とM4の間の距離)と検査基板のO14(O1とO4の間の距離)の比の平均値を求め、この平均値をY軸方向の伸縮率Dyとして利用してもよい。
なお、本実施の形態に係るパターン検査装置およびアライメント方法は、同一ロット内のプリント基板を検査対象としたが、これに限られない。あらかじめ指定された時間毎に、4点のアライメント位置を撮像し、伸縮率を検出してもよい。例えば、同一ロットのプリント基板であっても、検査工程がロット内の途中で所定時間中断される場合が考えられる。具体的には、同一ロットのプリント基板に対する検査工程を、午前に行い、中断したあと午後に再開させることがある。この場合、検査工程の休止期間内に、検査装置または環境温度が変化するため、同一ロット内であっても中断直前のプリント基板と再稼動後のプリント基板との間で伸縮率に無視できない差が生じる場合がある。よって、検査の再稼動時に、あらためて4点のアライメント撮像を行い、伸縮率を検出することにより、精度良くパターン検査を行うことができる。
また、あらかじめ指定されたプリント基板枚数毎に、4点のアライメント撮像を行い、伸縮率を検出してもよい。例えば、ローディング装置に積載可能なプリント基板の枚数が200枚である場合には、200枚毎に、4点のアライメント撮像を行い、再び伸縮率を検出してもよい。これにより、ローディング装置にセッティングする前のプリント基板と、セッティング後のプリント基板との間で伸縮率に無視できない差が生じた場合においても、精度良くパターン検査を行うことができる。
なお、本実施の形態に係るパターン欠陥検査装置および検査方法は、求められた伸縮率に基づいてマスタ画像を伸縮させたが、オブジェクト画像を伸縮させてもよい。
本発明に係るパターン検査方法および装置は、高精度かつ高速度にマスタ画像とオブジェクト画像との位置合わせが可能であり、基板やマスク等の被検査基板に形成されたパターンを外観検査する等の用途に適用できる。
1 パターン検査装置
2 ステージ搬送機構部
21 ステージ部
22 旋回部
23 Y軸方向駆動機構
231 Y軸駆動モータ
232 Y軸NCドライバ
24 ベース部
3 撮像機構部
31 撮像カメラ
32 支持部材
33 X軸方向駆動部材
34 カメラ支持部材
35 X軸方向駆動機構
351 X軸駆動モータ
352 X軸NCドライバ
36 Z軸方向駆動機構
361 Z軸駆動モータ
362 Z軸NCドライバ
4 制御部
41 メイン制御部
42 フォーカス制御部
43 記憶部
432 CADデータ
433 マスタ画像データ
44 表示部
45 操作部
50 メモリ
2 ステージ搬送機構部
21 ステージ部
22 旋回部
23 Y軸方向駆動機構
231 Y軸駆動モータ
232 Y軸NCドライバ
24 ベース部
3 撮像機構部
31 撮像カメラ
32 支持部材
33 X軸方向駆動部材
34 カメラ支持部材
35 X軸方向駆動機構
351 X軸駆動モータ
352 X軸NCドライバ
36 Z軸方向駆動機構
361 Z軸駆動モータ
362 Z軸NCドライバ
4 制御部
41 メイン制御部
42 フォーカス制御部
43 記憶部
432 CADデータ
433 マスタ画像データ
44 表示部
45 操作部
50 メモリ
Claims (8)
- 被検査基板に形成されたパターンを撮像したオブジェクト画像と判定基準となるマスタ画像とを比較して被検査基板のパターン形状の検査を複数の被検査基板に対して順次行うパターン検査におけるアライメント方法であって、
(A)第1番目の被検査基板に対して、
当該第1番目の被検査基板を撮像カメラで撮像することによって当該第1番目の被検査基板上の少なくとも3点の特徴点の位置をアライメント位置として検出する第1のアライメント位置検出ステップと、
前記第1のアライメント位置検出ステップで検出されたアライメント位置のうちの少なくとも2点のアライメント位置を用いて当該第1番目の被検査基板の位置合わせを行う第1のプリアライメントステップと、
前記第1のアライメント位置検出ステップで検出されたアライメント位置のうちの少なくとも3点のアライメント位置に基づいて、被検査基板の少なくとも異なる2方向の伸縮率を検出する第1の伸縮率検出ステップと、
当該第1番目の被検査基板を撮像カメラで走査しながら、当該撮像カメラから出力されるオブジェクト画像をメモリに順次保存し、かつ前記第1の伸縮率検出ステップで検出された伸縮率を用いて前記マスタ画像または当該オブジェクト画像のどちらか一方を伸縮させて、当該マスタ画像と当該オブジェクト画像とを用いた比較検査を順次行う第1の比較検査ステップとを備え、さらに
(B)第N番目(Nは2以上の整数)の被検査基板に対して、
当該第N番目の被検査基板を撮像カメラで撮像することによって当該第N番目の被検査基板上の2点のアライメント位置を検出する第2のアライメント位置検出ステップと、
前記第2のアライメント位置検出ステップで検出された2点のアライメント位置を用いて当該第N番目の被検査基板の位置合わせを行う第2のプリアライメントステップと、
前記メモリに保存されている第N−1番目の被検査基板のオブジェクト画像から当該第N−1番目の被検査基板上の少なくとも1点のアライメント位置を検出する第3のアライメント位置検出ステップと、
少なくとも前記第3のアライメント位置検出ステップで検出された前記第N−1番目の被検査基板上のアライメント位置に基づいて、被検査基板の少なくとも異なる2方向の伸縮率を検出する第2の伸縮率検出ステップと、
当該第N番目の被検査基板を撮像カメラで走査しながら、当該撮像カメラから出力されるオブジェクト画像をメモリに順次保存し、かつ前記第2の伸縮率検出ステップで検出された伸縮率を用いて前記マスタ画像または当該オブジェクト画像のどちら一方を伸縮させて、当該マスタ画像と当該オブジェクト画像とを用いた比較検査を順次行う第2の比較検査ステップとを備えた、アライメント方法。 - 前記第1および第2の伸縮率検出ステップは、前記検査基板上の互いに離間して略対向配置される4点の前記アライメント位置に基づいて、前記伸縮率を検出することを特徴とする、請求項1に記載のアライメント方法。
- 前記複数の被検査基板は、同一ロット単位として前記パターン検査が行われることを特徴とする、請求項1に記載のアライメント方法。
- 前記複数の被検査基板は、あらかじめ指定された予定時間内または所定枚数毎に、前記パターン検査が行われることを特徴とする、請求項1に記載のアライメント方法。
- 前記パターン検査が所定時間以上中断してから再開されるときに、再開後に最初に検査される被検査基板を前記第1番目の被検査基板として検査することを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載のアライメント方法。
- さらに前記第1および第2の比較検査ステップは、
前記マスタ画像を中心として所定の画素数を拡張した拡張領域内に、当該マスタ画像に対して少なくとも1画素ずつ位置ずれさせた複数の第2のマスタ画像を仮想的に設定し、かつ前記複数の第2のマスタ画像と前記オブジェクト画像とを用いた比較検査を行うことを特徴とする、請求項1に記載のアライメント方法。 - 前記第2の伸縮量検出ステップは、
前記第2のアライメント位置検出ステップで検出された第N番目の被検査基板上のアライメント位置と、前記第3のアライメント位置検出ステップで検出された第N−1番目の被検査基板上のアライメント位置とに基づいて、被検査基板の少なくとも異なる2方向の伸縮率を検出することを特徴とする、請求項1に記載のアライメント方法。 - 被検査基板に形成されたパターンを撮像したオブジェクト画像と判定基準となるマスタ画像とを比較して被検査基板のパターン形状の検査を複数の被検査基板に対して順次行うパターン検査におけるアライメント方法を含むパターン検査装置であって、
前記被検査基板が載置されるステージと、
前記ステージに載置された前記被検査基板を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により撮像された被検査基板の特徴点の位置をアライメント位置として検出するアライメント位置検出手段と、
検出された前記アライメント位置のうち少なくとも2点のアライメント位置を用いて、前記被検査基板の位置合わせを行うために前記ステージを水平移動または回転させるステージ移動手段と、
被検査基板の少なくとも異なる2方向の伸縮率を検出する伸縮率検出手段と、
前記撮像手段と前記ステージとを相対的に移動させて走査する走査手段と、
前記走査手段により出力されるオブジェクト画像または前記マスタ画像のどちらか一方を前記伸縮率に基づいて伸縮する画像処理手段と、
当該オブジェクト画像と当該マスタ画像とを用いた比較検査を行う検査手段と、
前記検出手段により検出された前記アライメント位置を含む前記オブジェクト画像と前記マスタ画像とを格納するメモリとを備え、
前記伸縮率検出手段は、
第1番目の被検査基板に対して、
前記アライメント位置検出手段により検出された少なくとも3点の前記アライメント位置に基づいて伸縮率を検出し、
さらに第N番目(Nは2以上の整数)の被検査基板に対して、
少なくとも前記メモリに格納された第N−1番目の前記オブジェクト画像のアライメント位置に基づいて伸縮率を検出することを特徴とする、パターン検査装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005083775A JP2006269624A (ja) | 2005-03-23 | 2005-03-23 | 光学式外観検査装置のアライメント高速化法、これを用いたパターン検査装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2005083775A JP2006269624A (ja) | 2005-03-23 | 2005-03-23 | 光学式外観検査装置のアライメント高速化法、これを用いたパターン検査装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2006269624A true JP2006269624A (ja) | 2006-10-05 |
Family
ID=37205286
Family Applications (1)
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JP2005083775A Abandoned JP2006269624A (ja) | 2005-03-23 | 2005-03-23 | 光学式外観検査装置のアライメント高速化法、これを用いたパターン検査装置 |
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Country | Link |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011039946A1 (ja) * | 2009-09-29 | 2011-04-07 | 株式会社 日立ハイテクノロジーズ | 検査装置及び検査方法 |
JP2012047463A (ja) * | 2010-08-24 | 2012-03-08 | Dainippon Screen Mfg Co Ltd | 位置ずれ量検出方法および該位置ずれ量検出方法を用いた外観検査方法 |
JP2013234976A (ja) * | 2012-05-11 | 2013-11-21 | Hioki Ee Corp | 外観検査装置及び外観検査方法 |
US9196031B2 (en) | 2012-01-17 | 2015-11-24 | SCREEN Holdings Co., Ltd. | Appearance inspection apparatus and method |
CN110030320A (zh) * | 2019-05-10 | 2019-07-19 | 苏州凌云视界智能设备有限责任公司 | 一种相机减震装置 |
-
2005
- 2005-03-23 JP JP2005083775A patent/JP2006269624A/ja not_active Abandoned
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