JP2006269283A - 蛍光ランプおよび照明器具 - Google Patents
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Abstract
【課題】ランプ寿命末期等の異常放電を確実に停止させることができ、かつ製造が容易な蛍光ランプおよび照明器具を提供する。
【解決手段】管外径24〜27mm、管長2100〜2500mmのガラスバルブ2と;このバルブの両端に封装された一対のフィラメント電極6,6と;このバルブの内面に形成された蛍光体層4と;電極をそれぞれ囲む一対の金属製リング11,11と;この一対の金属製リング11,11の少なくとも一方に配設され、総封入量が6〜13mgとなるように水銀を放出することが可能な水銀放出体12と;一対の金属製リングにそれぞれ配設されたゲッター13と;を具備している。
【選択図】 図1
【解決手段】管外径24〜27mm、管長2100〜2500mmのガラスバルブ2と;このバルブの両端に封装された一対のフィラメント電極6,6と;このバルブの内面に形成された蛍光体層4と;電極をそれぞれ囲む一対の金属製リング11,11と;この一対の金属製リング11,11の少なくとも一方に配設され、総封入量が6〜13mgとなるように水銀を放出することが可能な水銀放出体12と;一対の金属製リングにそれぞれ配設されたゲッター13と;を具備している。
【選択図】 図1
Description
本発明は、蛍光ランプの寿命末期に稀に発生する電極部異常過熱を防止して安全性向上を図った蛍光ランプおよび照明器具に関する。
一般に、エミッタ(電子放射物質)が塗布されたフィラメント電極(熱陰極)を備えた蛍光ランプは、その寿命末期にエミッタが消耗すると、その電極を陰極とした半サイクルの放電電流が低下して半波放電等の異常放電現象が発生する。この異常放電現象はランプ電圧が定格値以上に上昇するので商用周波数で点灯している場合には速やかに消灯に至るが、高周波点灯の場合には継続して発生し易い。また、エミッタが消耗する前の正常な点灯状態における陰極降下電圧は通常10V程度であるが、エミッタが消失した後の陰極降下電圧は40〜70Vに上昇する。このため、異常放電現象が継続する電極には高いエネルギーが投入されることになり、電極部や口金の異常温度上昇を招くことがある。
一方、蛍光ランプの点灯中には、フィラメント電極を形成するタングステン(W)等のフィラメント物質やフィラメントの両端を支持する一対のインナーリード(ウェルズ)を形成するニッケル(Ni)等のリード線物質が大量に飛散し、インナーリードを封着するガラスステムの頂部やその周辺の部材にこの飛散物質が堆積する。
そして、フィラメント電極が溶断しても、高周波点灯の場合には点灯が継続し易いので、放電の起点がインナーリードに移行して、なお異常放電現象が継続される。この現象が続くと、上述のとおりインナーリードやガラスステム等の電極部が異常に高温となって溶融し、さらに蛍光ランプの口金や点灯器具のソケット等までも溶融させる等の課題が発生する場合がある。また、ステムの頂部に堆積された飛散物質が導電性であるがためにフィラメント電流が通電が発生してジュール加熱によりステムの溶融等の課題が発生する可能性がある。
この課題を解決するための蛍光ランプの一例としては、蛍光ランプの平常点灯時の温度よりも高い分解温度を有する水素チタンなどの金属水素化物をガラスステム表面に塗布し、寿命末期の異常高温により金属水素化物を分解して水素ガスをランプ内に放出させ、水素ガス圧の濃度上昇によりランプ電圧を高めて異常放電を強制的に停止させるものが提案されている(特許文献1参照)。
特開2001−250503号公報
しかしながら、上記従来の蛍光ランプでは、正常点灯中には水素ガスが放出せず、かつ異常放電時には、確実に水素ガスをバルブ内へ放出させるように金属水素化物をガラスステムの表面に塗布しなければならないので、金属水素化物の塗布位置や塗布量、材料を選択し、工程管理しなければならず、製造が容易ではないという課題がある。
すなわち、蛍光ランプの製造時には、ガラスステムが高温に昇温するので、この製造時に金属水素化物が分解温度に達してこれから水素ガスが放出してしまう虞がある。このために、製造時の厳格な温度管理等の工程管理が必要である。
また、金属水素化物の塗布位置がフィラメント電極に近過ぎる場合には、フィラメント電極の平常点灯時に金属水素化物が分解温度に達して水素ガスを放出してしまう場合がある。上記従来技術において金属水素化物の近傍にゲッター物質を設けて平常点灯時に放出された水素ガスを吸着させる構成が開示されている。しかし、水素ガスの放出量がゲッター物質のガス吸着能力を超えることが十分考えられるため、平常点灯時に水素ガス濃度が上昇することによる不具合を防止するための好ましい改善策とは言い難い。
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、ランプ寿命末期等の異常放電を確実に停止させることができ、かつ製造が容易な蛍光ランプおよび照明器具を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、管外径24〜27mm、管長2100〜2500mmのバルブと;このバルブの両端に封装された一対のフィラメント電極と;このバルブの内面に形成された蛍光体層と;電極をそれぞれ囲む一対の金属製リングと;この一対の金属製リングの少なくとも一方に配設され、総封入量が6〜13mgとなるように水銀を放出することが可能な水銀放出体と;一対の金属製リングにそれぞれ配設されたゲッターと;を具備していることを特徴する蛍光ランプである。
請求項2に係る発明は、器具本体と;この器具本体に配設された請求項1記載の蛍光ランプと;この蛍光ランプの一対の電極に高周波ランプ電力を供給する高周波点灯回路と;この蛍光ランプの上記一対の電極に印加されるランプ電圧が所定値以上に達した状態を検出したときに、上記高周波点灯回路の出力を低下ないし停止させる寿末検出回路と;を具備していることを特徴する照明器具である。
器具本体は天井直付形、天井吊下形または壁面取付形であって、グローブ、セード、反射笠などが取り付けられるものであってもよく、蛍光ランプが露出するもの、導光板を備えたものであってもよい。
請求項1,2に係る発明によれば、管外径が27mmを超え、管長が2000mmよりも長いバルブを備えた蛍光ランプ(例えば管外径38mm、管長約2370mmの110W形の蛍光ランプ「FLR110」等)では、異常放電現象発生に伴うゲッターからの不純ガス放出があったとしても、バルブ内容積が大きいことから不純ガス濃度が所望レベル以上に高くならず、ランプ点灯維持電圧が上昇しなかった。これに対し、管外径が24〜27mmの細径で、管長2100〜2500mmのバルブを有する蛍光ランプの場合には、バルブが110W形の蛍光ランプよりも細径であるためにランプ電圧が相対的に高いのでランプ電圧の変化が顕著に表われ易いうえに、バルブ容積が小さい。このため、異常放電現象によりゲッターから不純ガスが放出されると、その不純ガスがバルブ内全体に逸早く拡散し、効果的に不純ガス濃度が上昇し、ランプ点灯維持電圧が逸早く上昇する。したがって、蛍光ランプの点灯維持電圧が高周波点灯回路の出力電圧を超えるように逸早く上昇し続けるので、異常放電現象は停止し、不点に至る。また、バルブ容積が小さくなるために水銀封入量が100W形の蛍光ランプよりも少なくなくて済むので、金属製リングに形成した水銀放出体によって総封入量が6〜13mgとなるように水銀を封入すればよい。このため、水銀封入作業が容易になるとともに、水銀を過剰に封入することが抑制される。
さらに、金属製リングは、一対の電極をそれぞれ囲むことにより、電極からその周囲に飛散する電極飛散物質を捕捉し、この電極飛散物質が管壁に付着して管壁黒化するのを防止することができる。
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。なお、これら添付図面中、同一または相当部分には同一符号を付している。
図1は本発明の第1実施形態に係る蛍光ランプ1の一部切欠縦断面図である。この図1に示すように蛍光ランプ1は、定格ランプ電力が84Wであって高周波点灯専用形の形名「FHF86」であり、管外径約25.5mm、管内径約24.0mm、肉厚約0.75mm、管長約2367mmのガラスバルブ2を有している。このガラスバルブ2の軸方向両端部には、一対のガラス製ステム3,3が気密に取り付けられている。ここでガラスバルブ2の管長は、一方の口金8の外端面(給電部を除く)から他方の口金8の外端面までの長さをいう。
ガラスバルブ2は、ソーダライムガラス等の軟質ガラスにより形成され、その内面のほぼ全長に三波長発光型等の蛍光体膜4を形成し、その内部に、希ガスと水銀とが放電媒体として封入されている。放電媒体の希ガスには、アルゴン(Ar)、ネオン(Ne)またはクリプトン(Kr)などが含まれ、本実施形態にはアルゴン(Ar)が使用されている。
ガラスバルブ2は、ソーダライムガラスや鉛ガラスなどの軟質ガラスで形成されるが、ほうケイ酸ガラスや石英ガラスなどの硬質ガラス製であってもよい。バルブの肉厚は0.8〜1.2mm程度が望ましいがこれに限定されない。
蛍光体層4を構成する蛍光体としては、三波長発光形蛍光体、ハロ燐酸塩蛍光体など周知の蛍光体で構成可能であるが、発光効率の観点から三波長発光形蛍光体の使用が好ましい。
三波長発光形の蛍光体としては、450nm付近に発光ピーク波長を有する青系蛍光体としてBaMg2Al16O27:Eu2+、540nm付近に発光ピーク波長を有する緑系蛍光体として(La,Ce,Tb)PO4、610nm付近に発光ピーク波長を有する赤系蛍光体としてY2O3:Eu3+などが適用可能であるが、これらに限定されない。
なお、ガラスバルブ2の内面と蛍光体層4との間に保護膜を介在させてもよい。保護膜としては金属酸化物微粒子から構成したものが好適であり、金属酸化物微粒子には、アルミナ(Al2O3)やシリカ(SiO2)など周知のものを用いることが可能である。
ガラスバルブ2内にはアマルガムが封入されていてもよい。アマルガムは、ガラスバルブの端部に封着されたステムに配設された細管(排気管)内などに収容される。アマルガムは溶融、機械的保持などの手段によってこれらいずれかの位置に固定または収納される。また、アマルガムはバルブ内を移動可能に収容されていてもよい。ガラスバルブ内にアマルガムを配設すると、周囲温度が比較的高くなっても最適な状態で蛍光ランプが点灯される。
アマルガムは、水銀と合金を作る物質と水銀との合金である。例えば、水銀の定量封入のために亜鉛−水銀などのアマルガムを封入してもよい。アマルガムはペレット状、柱状、板状等どのような形状であってもよい。
図2は、図1の蛍光ランプの両端にそれぞれ取り付けられている電極部を拡大して示す断面図である。
図2に示すように各ガラスステム3は、その軸方向に封着された一対のウェルズ(リードワイヤー)5,5を所定の間隔を置いて並設し、ガラスバルブ2内部側に延在するこれら一対のウェルズ5,5の内端部間に、フィラメント電極6,6をそれぞれ架け渡して固着している。
一対の電極6,6は、フィラメントにエミッタ物質が塗布された熱陰極形の電極である。なお、ランプを高出力点灯させる必要がある場合には、電極6,6にはトリプルコイルを用いることが好ましい。電極6,6を支持するウェルズは、フレアステム、ボタンステム、ビードステム、ピンチシール部などによって封装支持される。
ガラスステム3は一対のウェルズ5,5の中間部にて細径の排気管7をそれぞれ一体に形成している。排気管7はガラスバルブ2の封止後に封切りされ、ガラスステム3の側面には排気管7内とガラスバルブ2内の放電空間とを連通させる排気孔7aが穿設されている。
これら排気管7を備えたガラスバルブ2の軸方向両端部の外面には一対の口金8,8がそれぞれ外嵌固着され、これら口金8,8には一対のウェルズ5,5が接続されている。口金8は照明器具のソケットなどの給電手段と接続する電気接続手段である。なお、口金8は、ガラスバルブ2の両端部から離れた位置に設けられていてもよい。また、口金8は、給電手段との機械的接続によって保持手段としての機能を発揮するような構成であってもよい。
図3は前記口金8の拡大斜視図である。口金8は、例えばRX17d型であり、ガラスバルブ2の端部に固着されるキャップ状の口金胴部8aと、この口金胴部8aに固定される端子装着体8bとを備えている。口金胴部8aは、円筒部8a1と、中央部に小判形状の底部8a2とを備えている。端子装着体8bは、底部8a2に、管軸方向外方へ突出する突出部8b1を突設している。突出部8b1の内部には、一対の接続端子8b2,8b2が長円の長径方向にJIS C−7709で規定されている間隔をおいて装着されている。
したがって、この突出部8b1が図示しない器具側のソケットの差込孔に差し込まれると、ソケットと蛍光ランプ1のフィラメント電極6が電気的に接続されるようになっている。
図4は蛍光ランプ1のガラスバルブ2の両端に設けられる前の電極マウントmの斜視図である。
図3にも示すように電極マウントmは、ガラスステム3の略中央部に、支持ワイヤ10をウェルズ5,5と電気的に絶縁された状態で植設している。この支持ワイヤ10には、例えば、ガラス製のステム3との熱膨張係数の差が20×10−7cm/℃以下のジュメット線が用いられている。これにより、支持ワイヤ10の熱膨張率がガラス製のステム3と近似するので、ガラスステム3の熱歪みを少なくし、クラックの発生を防止することができる。
支持ワイヤ10の先端部には長円リング状の金属製リング11が固着されている。金属製リング11は、ステンレス(SUS)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)等の帯状金属板を断面長円形状または楕円形状に形成した筒状のリングにより形成されている。金属製リング11は、その長手方向がフィラメント電極6のコイル軸方向に沿うような向きであり、かつ開口がガラスバルブ2の中央を向くように支持ワイヤ10に取り付けられている。また、金属製リング11は、フィラメント電極6と所要の間隔が形成されるようにフィラメント電極6を包囲している。この金属製リング11はその内側の表面(フィラメント電極6側)の表面に水銀放出体12が配設され、外側の表面にゲッター13が配設されている。水銀放出体12としては例えば水銀(Hg)とチタニウム(Ti)の合金粉末からなる水銀合金(TiHg)を層状に付着したもの等が使用される。
この水銀放出体12は、ガラスバルブ2内を排気した後に、ガラスバルブ2の外部から金属製リング11を誘導加熱して所定温度に加熱し、その加熱により水銀蒸気を水銀放出体12からガラスバルブ2内へ放出させて封入させるようになっている。なお、水銀放出体12は、バルブ両端部側に設けられた金属製リング11,11のそれぞれに設けられていてもよいが、いずれか一方の金属製リング11,11のみに設けられたものであってもよい。水銀放出体12を一対の金属製リング11,11のそれぞれに設ける場合は、片側の金属製リング11に例えば5.8mgずつ設け、全体として11.6mgを設ける。この水銀封入量はガラスバルブ2全体として6〜13mgであればよい。しかし、ゲッター13はバルブ両端部に設けられた金属製リング11,11にそれぞれ設ける必要がある。
ゲッター13は例えばジルコニウムとアルミニウムの合金(ZrAl)の微粉末からなり、金属製リング11の外表面に例えば帯状に塗布されている。
ゲッター13は、真空中所定の高温度下で所定時間活性化させた後に、バルブ内の水素等の不純ガスを吸着内蔵する物質であり、その活性化温度よりも高いランプ寿命末期等の異常高温時に、活性化時に吸蔵しておいた不純ガスを再び放出する物質をいう。例えばZrAl等、Ti,ZrないしAlを含有する混合物が好ましい。
ゲッター13はガラスバルブ2内を排気する排気工程時に、金属製リング11が誘導加熱により所定温度に加熱されたときに、活性化されて吸着効果が高くなるものである。すなわち、ゲッター13は、通常状態ではガラスバルブ2内の水素ガス等の不純ガスを吸着してバルブ内の不純ガス濃度を抑える働きをするものである。
ところで、蛍光ランプのランプの寿命末期時の異常放電現象の継続に伴う電極近傍の温度は例えば700℃〜800℃にまで上昇するが、この温度は蛍光ランプ製造時のゲッター13の活性化温度よりも高い温度であることから、異常放電現象が継続するとゲッター13から活性化時に吸蔵した水素ガス等の不純ガスが放出され、ランプの点灯維持電圧が高くなり、異常放電を停止させることが可能であることが分った。ゲッター13としてはZr−Al合金以外の非蒸発型ゲッターも適用可能であり、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、アルミニウム(Al)、バナジウム(V)および鉄(Fe)のうちの1種の金属またはこれらのうちの二種以上を主成分とする合金であってもよい。
蛍光ランプ1は上述のとおり構成されているので、ガラスバルブ2を排気して封止した後、ガラスバルブ2の外部から金属製リング11を高周波誘導加熱により所定温度に加熱し、その加熱により水銀放出体12を加熱することにより、水銀放出体12から所定量の水銀蒸気を放出させる一方、ゲッター13を加熱して活性化し、ガラスバルブ2内の水素ガス等の不純ガスをゲッター13により吸蔵させることができる。
また、バルブ容積が小さくなるために水銀封入量が100W形の蛍光ランプよりも少なくなくて済むので、金属製リングに形成した水銀放出体によって総封入量が6〜13mgとなるように水銀を封入すればよい。このため、水銀封入作業が容易になるとともに、水銀を過剰に封入することが抑制される。
そして、この蛍光ランプ1は、その一対のフィラメント電極6,6に、口金8,8を介して図示しない高周波点灯回路から例えば10KHz以上の高周波電力が供給されることにより点灯するが、ランプ寿命末期時には、一対のフィラメント電極6,6のエミッタが消耗して異常放電現象が維持されることがある。
これにより、蛍光ランプ1の電極部が異常に昇温するが、金属製リング11もほぼ同時に高温に昇温し、ゲッター13も例えば700℃〜800℃に加熱される。このために、活性化時およびその後の吸着作用によって吸蔵していた水素ガス等の不純ガスをガラスバルブ2内に放出する。このガラスバルブ2は管径が、細径(24〜27mm)であるので、不純ガスが高速で拡散し易いうえに、ゲッター13はガラスバルブ2の両端にあるので、不純ガスがガラスバルブ2のほぼ全域にさらに高速に拡散される。
これにより、ガラスバルブ2内の不純ガスの濃度が逸早く高くなり、ランプの点灯維持電圧が高周波点灯回路の出力電圧を超えるように逸早く上昇し続けるので、やがて異常放電が停止し、ランプは消灯する。このように蛍光ランプの寿命末期における異常放電現象が長期間継続することと、ガラスステム3やウェルズ5、口金8、点灯器具のソケット等の溶融等を未然に防止することができる。
このように、ゲッター13を設けた金属製リング11は、ガラスステム3よりも電極近傍の位置に設けられているうえに、熱伝導率の高い金属により形成されているので、金属製リング11はガラスステム3よりも早く高温に達する。
なお、ゲッター13は必ずしも金属製リング11に設ける必要はなく、異常放電時の過熱影響を受けて不純ガスを放出することが可能であれば、例えばインナーリード5やガラスステム3、インナーリードに溶着されたガラスビード等に設けてもよいが、蛍光ランプ1の異常放電時に素早く不純ガスを放出させるためには、ガラスステム3よりも金属製リング11にゲッター13を設けた方が効果が高い。
また、ゲッター13が不純ガスを吸蔵したままの不動作状態(平常点灯時)とその吸蔵ガスを放出する動作状態(異常放電時)との温度差は、ガラスステム3よりも、金属製リング11の方が大きいので、ゲッター13を金属製リングに設けることでゲッター13の材料を選択する場合の選択範囲を広くとることができる。このために、ガラスバルブ2の排気工程時の高温でゲッター13が吸蔵ガスを放出させることを防止できるので、厳格な温度管理が不要になるうえに、ゲッター13の製造の容易性の向上とコスト削減とを共に図ることができる。
また、ゲッター13の不動作状態から動作状態までの温度範囲を大きくとることができるので、ゲッター13を確実に動作させる温度を設定することが容易になる。このために、ゲッター13の不純ガス吸蔵動作と吸蔵ガスの放出動作とを確実に行なうことができるという確実性を向上させることができるので、安全性および信頼性を向上させることができる。
また、フィラメント電極6からガラスバルブ2の管壁へ向けて飛散する電極飛散物質を、その管壁へ飛散する前に金属製リング11により捕捉するので、この電極飛散物質が管壁に付着して黒化するのを防止ないし低減することができる。なお、金属製リングのゲッター13は必ずしも排気工程時に活性化を行わなくてはならないという訳ではなく、活性化を行わないゲッターであっても不純ガスを吸蔵さえしていれば、寿命末期等に良好に動作することが確認できた。
図5は本発明の第2実施形態に係る照明器具21の側面図である。この照明器具21は天井直付形等の器具本体22に、上記実施例1に係る蛍光ランプ1を装着した状態を示している。
照明器具21は、その器具本体22の一面に、蛍光ランプ1の一対の口金8,8を着脱自在に装着させる一対のソケット23,23を配設する一方、これら一対のソケット23,23に電気的に接続されて、例えば10KHz以上の高周波電力を供給する高周波点灯回路24を器具本体22内に内蔵している。高周波点灯回路24は寿末検出回路25を備えている。
なお、高周波点灯回路24には、切換手段が設けられていてもよい。切換手段は、蛍光ランプ1を高効率点灯させるモードと、高出力点灯させるモードとに分かれていてもよく、これらモード間を連続的に変化させるものであってもよい。点灯回路24の切換手段を切換えることによって、蛍光ランプ1の点灯が調整される。例えば、切換手段が高効率点灯させるモードと、高出力点灯させるモードとに分けられている場合には、これらモードを使用条件に合わせることにより、適宜選択して蛍光ランプを使用することができる。
蛍光ランプ1は、照明器具22本体の形状または照明器具21の光学特性に合わせて取付けられ、同一形状または異なる形状の複数の蛍光ランプを組み合わせて同一平面状またはバルブ同士の配設高さを変えて器具本体22に装着される。
寿末検出回路25は蛍光ランプ1の一対のフィラメント電極6,6に印加されたランプ電圧が所定値以上に上昇したことを検出して異常放電を判断する機能を有している。高周波点灯回路24は、寿末検出回路が蛍光ランプ1の異常放電を検出すると、出力動作を停止させて当該異常放電を強制的に停止させるか、または突然の消灯を防ぐために出力を低減させて異常放電であっても電極部が過度に温度上昇しない程度に蛍光ランプを薄暗く点灯させるように動作する。
したがって、この照明器具21によれば、蛍光ランプ1が寿命末期等により異常放電が発生し、異常高温に上昇した場合には、上述したように蛍光ランプ1のガラスバルブ2内のゲッター13が不純ガスを放出する。
これにより、ガラスバルブ2内の不純ガス濃度が上昇して放電電圧が上昇するので、異常放電は強制的に停止されるか、または出力を絞って電極部の温度上昇を防止する。
すなわち、第2の実施形態によれば、蛍光ランプ1の寿命末期時において、蛍光ランプ1のゲッター13の不純ガス放出作用と、照明器具21の寿末検出回路25の作用を組み合せた2重の安全動作によって異常放電現象が長期間継続されることが防止されるので、安全性を一層向上させることができる。
1…蛍光ランプ、2…ガラスバルブ、3…ガラスステム、4…蛍光体層、6…フィラメント電極、11…金属製リング、12…水銀放出体、13…ゲッター、21…照明器具、22…器具本体、23…ソケット、24…高周波点灯回路。
Claims (2)
- 管外径24〜27mm、管長2100〜2500mmのバルブと;
このバルブの両端に封装された一対のフィラメント電極と;
このバルブの内面に形成された蛍光体層と;
電極をそれぞれ囲む一対の金属製リングと;
この一対の金属製リングの少なくとも一方に配設され、総封入量が6〜13mgとなるように水銀を放出することが可能な水銀放出体と;
一対の金属製リングにそれぞれ配設されたゲッターと;
を具備していることを特徴する蛍光ランプ。 - 器具本体と;
この器具本体に配設された請求項1記載の蛍光ランプと;
この蛍光ランプの一対の電極に高周波ランプ電力を供給する高周波点灯回路と;
この蛍光ランプの上記一対の電極に印加されるランプ電圧が所定値以上に達した状態を検出したときに、上記高周波点灯回路の出力を低下ないし停止させる寿末検出回路と;
を具備していることを特徴する照明器具。
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Legal Events
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A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20071205 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
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A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20091203 |