JP2006268421A - 地震対策費用補填デリバティブ設計支援システム、プログラム及び記録媒体 - Google Patents

地震対策費用補填デリバティブ設計支援システム、プログラム及び記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】地震対策の普及を目的として、想定した地震が発生しなかった場合、デリバティブ購入者に対して、地震対策費用の全部もしくは一部を補填するデリバティブを提供する。
【解決手段】地震対策費用補填デリバティブ設計支援を提供するサーバ3は、主制御部8、地震データ管理部9、指標地発生確率算定部10、オプション料・給付金額算定部11、保険料・保険金額算定部12、補填金額・没収金額算定部13、オプション料・補填金額算定部14、取引条件管理部15、及び取引状況管理部16を備えており、地震デリバティブを裏取引とするスワップ取引では、地震デリバティブのオプション料と給付金額、補填デリバティブの補填金額と没収金額を算定し、地震保険を裏取引とするスワップ取引では、地震保険の保険料と保険金額、補填デリバティブの補填金額と没収金額を算定し、オプション取引では、補填デリバティブのオプション料と補填金額を算定する。
【選択図】図6

Description

本発明は、地震対策費用補填デリバティブ設計支援システム、プログラム及び記録媒体に関し、特に、地震対策費用補填デリバティブ設計支援システム、地震対策費用補填デリバティブ設計支援プログラムおよび地震対策費用補填デリバティブ設計支援プログラムを記録した記録媒体に関する。
我が国では度々の大地震による大きな被害を受け、今後も大地震発生の可能性が予測されていることから、従来、建築物等の耐震、制振、免震等ハードな地震対策技術の研究開発が盛んに行われている。
一方で、従来、地震損害発生時補填契約の下に予め保険加入者が保険料を支払い、地震損害発生時に建物や家財の損害の程度に応じて保険金が支払われるという地震保険がすでに、保険会社の商品として取り扱われている。この地震保険は、商法により、保険金額は損害程度に対応していなければならない点が特徴であり、損害の査定をするのに手間と時間が掛かるうえに、主観的で紛争が起きやすいという問題がある。
又、従来、地震デリバティブという金融商品も販売されている。これは、地震発生時損害補填契約の下に地震デリバティブ購入者から支払われたオプション料に基づいて、予め設定した地震が発生した場合は、銀行、保険会社、証券会社等のデリバティブ提供者が予め定められた給付金を支払いするデリバティブ商品である(特許文献1及び特許文献2参照)。
地震デリバティブは、地震のマグニチュードや震度などの客観的指標によって、給付金額が決められる場合が多く、保険業法による縛りはなく、地震保険のように損害の査定の際の問題はなく、支払いを公平、迅速に行うことが出来る。その反面、地震デリバティブで客観指標とした場合、指標値が損害程度と一致しない場合もあるので、給付金が損害に対して少なすぎる、或いは多すぎる(高いオプション料を支払いすぎ)というベーシスリスクはある。
特開2001−357213号公報 特開2003−162641号公報
上記ハード地震対策技術(耐震、制振、免震など)は、地震時の建築物被害、収容物被害、人的被害などの軽減に有効であることは周知の通りである。都市災害を軽減させるためにも、地震が起きる前に、建築物の地震対策を普及させることが重要である。
しかしながら、上記地震対策を施すには、建築物所有者や管理者が相応の費用を負担しなければならない。これが、地震対策技術の普及を妨げている大きな要因である。建物所有者が地震対策への投資を好まないひとつの理由として、「せっかく費用を支払って地震対策しても、もしも地震が来なかった場合には損してしまう。」と考えることが挙げられる。
一方で、上記従来の地震保険及び地震デリバティブでは、将来、地震発生時に保険加入者やデリバティブ購入者への支払われる保険金や給付金は、保険加入者やデリバティブ購入者から徴収された保険料やオプション料により支払われるものである。
しかしながら、保険加入者やデリバティブ購入者から徴収された保険料やオプション料は、保険加入者やデリバティブ購入者の数が多ければ多大な費用が運用できるが、その数には限界があり、従って、地震時に支払われる保険金や給付金にも限界がある。また、ひとたび大地震が起きると、総支払いが膨大な額になるおそれもある。よって、地震の際に支払われる被害対象となる物及びその破損条件は、かなり限定されているというのが実情である。
このような支払いに備えるためにも、地震保険では保険料、地震デリバティブではオプション料を高く設定せざるを得ない場合がある。そのうえ、保険料やオプション料は掛け捨てなので、地震保険加入者や地震デリバティブ購入者が増えないという問題がある。
その他、地震保険の場合には、保険会社による被害状況の査定及びこれに基づく支払額の査定に労力、時間が掛かる等の問題もあった。一方、従来の地震デリバティブでは、震度やマグニチュードなどの客観的な指標値に基づいて支払いが行われるので、支払額の査定が容易であるが、指標値と実際の損害の関係が予想されていた関係から乖離すると、効率の良いリスク転嫁にならない場合もある。
本発明は、上記地震対策普及の問題を解決するものであり、予め設定した地震が起きなかった場合(マグニチュードや震度など地震に関わる指標値が予め設定した行使値未満の場合)に、地震補填デリバティブ購入者に対して地震対策費用の全部もしくは一部を補填する地震対策費用補填デリバティブを実現するシステム、プログラム及び記録媒体を実現することを課題とする。同時に、上記従来の地震保険や地震デリバティブの問題を解決することを目的とするものであり、保険料やオプション料の軽減、保険金や給付金支払い増加を実現することを課題とする。
本発明は上記課題を解決するために、地震データ管理手段、指標値発生確率算定手段、オプション料・給付金額算定手段、補填金額・没収金額算定手段を備えた地震対策費用補填デリバティブ設計支援システムであって、前記地震データ管理手段は、地震活動情報、地震動情報及び地盤情報のうち少なくとも1つを格納した地震データベースを有し、指標値発生確率算定手段は、観測期間および観測地域における震度やマグニチュードなどで示す地震に関わる指標値の発生確率を計算し、オプション料・給付金額算定手段は、前記指標値の発生確率に基づいて、地震デリバティブ購入者がデリバティブ提供者に支払うオプション料と、前記指標値が予め定められた行使値以上となる場合に、デリバティブ提供者が地震デリバティブ購入者に支払う給付金額を計算し、補填金額・没収金額算定手段は、前記指標値の発生確率に基づいて、前記指標値が前記行使値以上となる場合に、デリバティブ提供者が地震対策費用補填デリバティブ購入者から徴収する没収金額を計算するとともに、前記指標値が前記行使値未満となる場合に、デリバティブ提供者が地震対策費用補填デリバティブ購入者に支払う補填金額を計算する、構成であり、デリバティブ提供者が、前記指標値が前記行使値以上となった場合は、デリバティブ購入者に給付金を支払うとともに、地震対策費用補填デリバティブ購入者から没収金を徴収し、前記指標値が前記行使値未満となった場合は、地震対策費用補填デリバティブ購入者に補填金を支払うスワップ取引の設計を支援することを特徴とする地震対策費用補填デリバティブ設計支援システムを提供する。
なお、本願発明では、「地震に関わる指標値」としては、上記のとおり、震度やマグニチュードなどが使われるが、これらに限定される必要もなくこれら以外を指標値としてもよい。例えば、地震計などで観測された地震波形(地面の動きの加速度波形や速度波形)の最大値などでもよいし、地震保険と同様に、損害額を指標値としてもよい。
本発明は上記課題を解決するために、地震データ管理手段、指標値発生確率算定手段、保険料・保険金額算定手段、補填金額・没収金額算定手段を備えた地震対策費用補填デリバティブ設計支援システムであって、前記地震データ管理手段は、地震活動情報、地震動情報及び地盤情報のうち少なくとも1つを格納した地震データベースを有し、指標値発生確率算定手段は、観測期間および観測地域における震度やマグニチュードなどで示す地震に関わる指標値の発生確率を計算し、保険料・保険金額算定手段は、前記指標値の発生確率に基づいて、地震保険加入者がデリバティブ提供者に支払う保険料と、地震によって地震保険加入者に損害が発生する場合にデリバティブ提供者が支払う保険金額を計算し、補填金額・没収金額算定手段は、前記指標値の発生確率に基づいて、前記指標値が予め定められた行使値以上となる場合に、デリバティブ提供者が地震対策費用補填デリバティブ購入者から徴収する没収金額を計算するとともに、前記指標値が前記行使値未満となる場合に、デリバティブ提供者が地震対策費用補填デリバティブ購入者に支払う補填金額を計算する、構成であり、デリバティブ提供者が、地震によって地震保険加入者に損害が発生した場合は、地震保険加入者に保険金を支払うとともに、前記指標値が前記行使値以上となった場合に地震対策費用補填デリバティブ購入者から没収金を徴収し、前記指標値が行使値未満となった場合は、地震対策費用補填デリバティブ購入者に補填金を支払うスワップ取引の設計を支援することを特徴とする地震対策費用補填デリバティブ設計支援システムを提供する。
本発明は上記課題を解決するために、地震データ管理手段、指標値発生確率算定手段、オプション料・補填金額算定手段を備えた地震対策費用補填デリバティブ設計支援システムであって、前記地震データ管理手段は、地震活動情報、地震動情報及び地盤情報のうち少なくとも1つを格納した地震データベースを有し、指標値発生確率算定手段は、観測期間および観測地域における震度やマグニチュードなどで示す地震に関わる指標値の発生確率を計算し、オプション料・補填金額算定手段は、前記指標値の発生確率に基づいて、地震対策費用補填デリバティブ購入者がデリバティブ提供者に支払うオプション料と、前記指標値が予め定められた行使値未満となる場合に、デリバティブ提供者が地震対策費用補填デリバティブ購入者に支払う補填金額を計算する、構成であり、デリバティブ提供者が、予め地震対策費用補填デリバティブ購入者から前記オプション料を徴収し、前記指標値が前記行使値未満となる場合にデリバティブ購入者に前記補填金を支払うオプション取引の設計を支援することを特徴とする地震対策費用補填デリバティブ設計支援システムを提供する。
前記地震データ管理手段、指標値発生確率算定手段、オプション料・給付金額算定手段、保険料・保険金額算定手段、没収金額・補填金額算定手段及びオプション料・補填金額算定手段は、地震対策費用補填デリバティブ設計支援を提供するサーバに設けられており、当該サーバとネットワークを介して利用者端末であるコンピュータが接続されている構成とすることが好ましい。
本発明は上記課題を解決するために、地震データ管理手段、指標値発生確率算定手段、オプション料・給付金額算定手段、補填金額・没収金額算定手段として機能させる地震対策費用補填デリバティブ設計支援プログラムであって、前記地震データ管理手段は、地震活動情報、地震動情報及び地盤情報のうち少なくとも1つを格納した地震データベースを有し、指標値発生確率算定手段は、観測期間および観測地域における震度やマグニチュードなどで示す地震に関わる指標値の発生確率を計算し、オプション料・給付金額算定手段は、前記指標値の発生確率に基づいて、地震デリバティブ購入者がデリバティブ提供者に支払うオプション料と、前記指標値が予め定められた行使値以上となる場合に、デリバティブ提供者が地震デリバティブ購入者に支払う給付金額を計算し、補填金額・没収金額算定手段は、前記指標値の発生確率に基づいて、前記指標値が前記行使値以上となる場合に、デリバティブ提供者が地震対策費用補填デリバティブ購入者から徴収する没収金額を計算するとともに、前記指標値が前記行使値未満となる場合に、デリバティブ提供者が地震対策費用補填デリバティブ購入者に支払う補填金額を計算し、デリバティブ提供者が、前記指標値が前記行使値以上となった場合は、デリバティブ購入者に給付金を支払うとともに、地震対策費用補填デリバティブ購入者から没収金を徴収し、前記指標値が前記行使値未満となった場合は、地震対策費用補填デリバティブ購入者に補填金を支払うスワップ取引の設計を支援することを特徴とする地震対策費用補填デリバティブ設計支援プログラムを提供する。
本発明は上記課題を解決するために、地震対策費用補填デリバティブの設計を支援するコンピュータを、地震データ管理手段、指標値発生確率算定手段、オプション料・給付金額算定手段、補填金額・没収金額算定手段として機能させる地震対策費用補填デリバティブ設計支援プログラムであって、前記地震データ管理手段は、地震活動情報、地震動情報及び地盤情報のうち少なくとも1つを格納した地震データベースを有し、指標値発生確率算定手段は、観測期間および観測地域における震度やマグニチュードなどで示す地震に関わる指標値の発生確率を計算し、オプション料・給付金額算定手段は、前記指標値の発生確率に基づいて、地震デリバティブ購入者がデリバティブ提供者に支払うオプション料と、前記指標値が予め定められた行使値以上となる場合に、デリバティブ提供者が地震デリバティブ購入者に支払う給付金額を計算し、補填金額・没収金額算定手段は、前記指標値の発生確率に基づいて、前記指標値が前記行使値以上となる場合に、デリバティブ提供者が地震対策費用補填デリバティブ購入者から徴収する没収金額を計算するとともに、前記指標値が前記行使値未満となる場合に、デリバティブ提供者が地震対策費用補填デリバティブ購入者に支払う補填金額を計算し、デリバティブ提供者が、前記指標値が前記行使値以上となった場合は、デリバティブ購入者に給付金を支払うとともに、地震対策費用補填デリバティブ購入者から没収金を徴収し、前記指標値が前記行使値未満となった場合は、地震対策費用補填デリバティブ購入者に補填金を支払うスワップ取引の設計を支援することを特徴とする地震対策費用補填デリバティブ設計支援プログラムを提供する。
本発明は上記課題を解決するために、地震対策費用補填デリバティブの設計を支援するコンピュータを、地震データ管理手段、指標値発生確率算定手段、保険料・保険金額算定手段、補填金額・没収金額算定手段として機能させる地震対策費用補填デリバティブ設計支援プログラムであって、前記地震データ管理手段は、地震活動情報、地震動情報及び地盤情報のうち少なくとも1つを格納した地震データベースを有し、指標値発生確率算定手段は、観測期間および観測地域における震度やマグニチュードなどで示す地震に関わる指標値の発生確率を計算し、保険料・保険金額算定手段は、前記指標値の発生確率に基づいて、地震保険加入者がデリバティブ提供者に支払う保険料と、地震によって地震保険加入者に損害が発生する場合にデリバティブ提供者が支払う保険金額を計算し、補填金額・没収金額算定手段は、前記指標値の発生確率に基づいて、前記指標値が予め定められた行使値以上となる場合に、デリバティブ提供者が地震対策費用補填デリバティブ購入者から徴収する没収金額を計算するとともに、前記指標値が前記行使値未満となる場合に、デリバティブ提供者が地震対策費用補填デリバティブ購入者に支払う補填金額を計算し、デリバティブ提供者が、地震によって地震保険加入者に損害が発生した場合は、地震保険加入者に保険金を支払うとともに、前記指標値が前記行使値以上となった場合に地震対策費用補填デリバティブ購入者から没収金を徴収し、前記指標値が行使値未満となった場合は、地震対策費用補填デリバティブ購入者に補填金を支払うスワップ取引の設計を支援することを特徴とする地震対策費用補填デリバティブ設計支援プログラムを提供する。
本発明は上記課題を解決するために、地震対策費用補填デリバティブの設計を支援するコンピュータを、地震データ管理手段、指標値発生確率算定手段、オプション料・補填金額算定手段として機能させる地震対策費用補填デリバティブ設計支援プログラムであって、前記地震データ管理手段は、地震活動情報、地震動情報及び地盤情報のうち少なくとも1つを格納した地震データベースを有し、指標値発生確率算定手段は、観測期間および観測地域における震度やマグニチュードなどで示す地震に関わる指標値の発生確率を計算し、オプション料・補填金額算定手段は、前記指標値の発生確率に基づいて、地震対策費用補填デリバティブ購入者がデリバティブ提供者に支払うオプション料と、前記指標値が予め定められた行使値未満となる場合に、デリバティブ提供者が地震対策費用補填デリバティブ購入者に支払う補填金額を計算し、デリバティブ提供者が、予め地震対策費用補填デリバティブ購入者から前記オプション料を徴収し、前記指標値が前記行使値未満となる場合に補填デリバティブ購入者に前記補填金を支払うオプション取引の設計を支援することを特徴とする地震対策費用補填デリバティブ設計支援プログラムを提供する。
本発明は上記課題を解決するために、地震対策費用補填デリバティブの設計を支援するコンピュータを、地震データ管理手段、指標値発生確率算定手段、オプション料・給付金額算定手段、補填金額・没収金額算定手段として機能させる地震対策費用補填デリバティブ設計支援プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、前記地震データ管理手段は、地震活動情報、地震動情報及び地盤情報のうち少なくとも1つを格納した地震データベースを有し、指標値発生確率算定手段は、観測期間および観測地域における震度やマグニチュードなどで示す地震に関わる指標値の発生確率を計算し、オプション料・給付金額算定手段は、前記指標値の発生確率に基づいて、地震デリバティブ購入者がデリバティブ提供者に支払うオプション料と、前記指標値が予め定められた行使値以上となる場合に、デリバティブ提供者が地震デリバティブ購入者に支払う給付金額を計算し、補填金額・没収金額算定手段は、前記指標値の発生確率に基づいて、前記指標値が前記行使値以上となる場合に、デリバティブ提供者が地震対策費用補填デリバティブ購入者から徴収する没収金額を計算するとともに、前記指標値が前記行使値未満となる場合に、デリバティブ提供者が地震対策費用補填デリバティブ購入者に支払う補填金額を計算し、デリバティブ提供者が、前記指標値が前記行使値以上となった場合は、デリバティブ購入者に給付金を支払うとともに、地震対策費用補填デリバティブ購入者から没収金を徴収し、前記指標値が前記行使値未満となった場合は、地震対策費用補填デリバティブ購入者に補填金を支払うスワップ取引の設計を支援することを特徴とする地震対策費用補填デリバティブ設計支援プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
本発明は上記課題を解決するために、地震対策費用補填デリバティブの設計を支援するコンピュータを、地震データ管理手段、指標値発生確率算定手段、保険料・保険金額算定手段、補填金額・没収金額算定手段として機能させる地震対策費用補填デリバティブ設計支援プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、前記地震データ管理手段は、地震活動情報、地震動情報及び地盤情報のうち少なくとも1つを格納した地震データベースを有し、指標値発生確率算定手段は、観測期間および観測地域における震度やマグニチュードなどで示す地震に関わる指標値の発生確率を計算し、保険料・保険金額算定手段は、前記指標値の発生確率に基づいて、地震保険加入者がデリバティブ提供者に支払う保険料と、地震によって地震保険加入者に損害が発生する場合にデリバティブ提供者が支払う保険金額を計算し、補填金額・没収金額算定手段は、前記指標値の発生確率に基づいて、前記指標値が予め定められた行使値以上となる場合に、デリバティブ提供者が地震対策費用補填デリバティブ購入者から徴収する没収金額を計算するとともに、前記指標値が前記行使値未満となる場合に、デリバティブ提供者が地震対策費用補填デリバティブ購入者に支払う補填金額を計算し、デリバティブ提供者が、地震によって地震保険加入者に損害が発生した場合は、地震保険加入者に保険金を支払うとともに、前記指標値が前記行使値以上となった場合に地震対策費用補填デリバティブ購入者から没収金を徴収し、前記指標値が行使値未満となった場合は、地震対策費用補填デリバティブ購入者に補填金を支払うスワップ取引の設計を支援することを特徴とする地震対策費用補填デリバティブ設計支援プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
本発明は上記課題を解決するために、地震対策費用補填デリバティブの設計を支援するコンピュータを、地震データ管理手段、指標値発生確率算定手段、オプション料・補填金額算定手段として機能させる地震対策費用補填デリバティブ設計支援プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、前記地震データ管理手段は、地震活動情報、地震動情報及び地盤情報のうち少なくとも1つを格納した地震データベースを有し、指標値発生確率算定手段は、観測期間および観測地域における震度やマグニチュードなどで示す地震に関わる指標値の発生確率を計算し、オプション料・補填金額算定手段は、前記指標値の発生確率に基づいて、地震対策費用補填デリバティブ購入者がデリバティブ提供者に支払うオプション料と、前記指標値が予め定められた行使値未満となる場合に、デリバティブ提供者が地震対策費用補填デリバティブ購入者に支払う補填金額を計算し、
デリバティブ提供者が、予め地震対策費用補填デリバティブ購入者から前記オプション料を徴収し、前記指標値が前記行使値未満となる場合にデリバティブ購入者に前記補填金を支払うオプション取引の設計を支援することを特徴とする地震対策費用補填デリバティブ設計支援プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
以上の構成から成る本発明に係る地震対策費用補填デリバティブ設計支援システム、プログラム及び記録媒体によると、「地震対策費用補填デリバティブ」と「地震保険または地震デリバティブ」のスワップ取引等の地震対策取引の内容を、地震対策に関連する者(地震対策費用補填デリバティブ購入者、地震デリバティブ購入者、地震保険加入者、工務店等の地震対策提供者、保険会社等のデリバティブ提供者)が、それぞれの条件を入力することで簡単に設定、設計することができ、また閲覧や契約手続等することができるので、地震対策の普及における支援効果が大きい。
本発明に係る地震対策費用補填デリバティブ設計支援システム、プログラム及び記録媒体によれば、スワップ取引等の地震対策に関するデリバティブ取引を普及、振興させることで、地震対策に関連する者に、それぞれ次のような間接的な効果が生じる。
(1)地震対策費用補填デリバティブ購入者は、想定した地震が起きなかった(震度やマグニチュードなどの地震に関わる指標値が行使値未満となった)場合は、デリバティブ提供者から補填金を受けることができるから、地震対策提供者(建設会社、工務店等)に自己の事業又は住居に供する建物等の補修や強化等の地震対策を依頼し、地震対策費用を支払ったとしても、その費用の一部又は全部を補填金で補填できる可能性がある。
(2)震度やマグニチュードなど地震に関わる指標値が予め設定した行使値以上となる場合に支払われる給付金の資金は、地震デリバティブ購入者から徴収されたオプション料だけでなく、地震対策費用補填デリバティブ購入者から得られる没収金も加え、より大きな資金となるから、同じオプション料に対する給付金額を多く設定可能となり、地震デリバティブ購入者がより増加し、給付金の資金が豊富となる。
(3)地震損害が生じた際に支払われる保険金の資金は、地震保険加入者から徴収された保険料等だけでなく、地震対策費用補填デリバティブ購入者から得られる没収金も加え、より大きな資金となるから、保険の対象となる損害対象物の範囲をより広く設定でき、地震損害発生時の保険金もより多く設定可能となり、地震保険加入者等がより増加し、保険金の資金が豊富となる。
(4)デリバティブ提供者は、従来、地震デリバティブ購入者あるいは地震保険加入者からの手数料を徴収することが出来たが、上記スワップ取引を実行することにより、地震対策費用補填デリバティブ購入者からも手数料を徴収することができる。
(5)地震対策提供者は、地震対策をしようとする者に、費用調達手段として、地震対策費用補填デリバティブを奨めることで、地震対策の受注を可能とするという、営業手段として活用することができる。
(6)オプション取引の場合、地震対策費用補填デリバティブ購入者についても上記(1)と同様の効果がある。
(7)オプション取引の場合、デリバティブ提供者は、低い支払い確率のもとにオプション料を徴収することができるため、株式、債券、不動産など他の投資対象と同様に、自己のポートフォーリオ(分散投資)に組み込めるため、投資対象の拡大につながる。
本発明に係る地震対策費用補填デリバティブ設計支援システム、プログラム及び記録媒体を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて図面を参照して未満に説明する。
図6は、本発明の地震対策費用補填デリバティブ設計支援システム(以下、単に「支援システム」ともいう。)の実施例の全体構成を示す図であり、しかも、この本発明に係るプログラム及び記録媒体の実施例を説明するための図でもある。
(支援システムの全体構成)
図6において、本発明の支援システムは、少なくとも地震対策費用補填デリバティブ設計支援を提供するサーバ3を備えており、このサーバ3は、支援システムを利用する利用者端末であるコンピュータ1にインターネット等のネットワーク2(通信回線)を介して接続されている。
サーバ3は、入出力制御部4を備えており、入力装置5(キーボード等)、表示装置6(ディスプレイ等)、印刷装置7に接続され、サーバ3における入出力及びその制御を行うとともに、ネットワーク2に接続されており、利用者端末であるコンピュータ1からの入出力及びその制御を行うものである。
そして、サーバ3は、主制御部8(特許請求の範囲の「主制御手段」に相当する。)と、この主制御部8によってその機能が制御される地震データ管理部9(特許請求の範囲の「地震データ管理手段」に相当する。)、指標値発生確率算定部10(特許請求の範囲の「指標値発生確率算定手段」に相当する。)、オプション料・給付金額算定部11(特許請求の範囲の「オプション料・給付金額算定手段」に相当する。)、保険料・保険金額算定部12(特許請求の範囲の「保険料・保険金額算定手段」に相当する。)、補填金額・没収金額算定部13(特許請求の範囲の「補填金額・没収金額算定手段」に相当する。)、オプション料・補填金額算定部14(特許請求の範囲の「オプション料・補填金額算定手段」に相当する。)、取引条件管理部15(特許請求の範囲の「取引条件管理手段」に相当する。)、及び取引状況管理部16(特許請求の範囲の「取引状況管理手段」に相当する。)を備えており、これらの部分における機能は、具体的には、サーバ3を構成するコンピュータのCPU、記憶装置等により実行される。
本発明に係る地震対策費用補填デリバティブ設計支援プログラムは、サーバ3を、主制御部8、地震データ管理部9、指標値発生確率算定部10、オプション料・給付金額算定部11、保険料・保険金額算定部12、補填金額・没収金額算定部13、オプション料・補填金額算定部14、取引条件管理部15、及び取引状況管理部16としての機能をさせるものであり、本発明に係る記録媒体は、この地震対策費用補填デリバティブ設計支援プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
そして、サーバ3の地震データ管理部9、指標値発生確率算定部10、オプション料・給付金額算定部11、保険料・保険金額算定部12、補填金額・没収金額算定部13、オプション料・補填金額算定部14、取引条件管理部15、及び取引状況管理部16は、主制御部8で制御されるが、それぞれの構成及び機能等は次のとおりである。
地震データ管理部9は、図示しないが、地震活動情報、地震動情報、地盤情報等のような観測期間および観測地域における地震に関わる指標値の発生確率を計算するために必要な情報を保存する地震データベースを有している。なお、ここで、「地震動情報」とは、ある地震によって観測地点に生じる地震動を計算するための数値(震源位置、断層パラメータ、震源過程、地下構造など)や計算式などである。観測地点における地震動は、地面の揺れ全体(地震動波形)、地震動波形の最大値、震度、スペクトルなどで表される。
指標値発生確率算定部10は、地震データ管理部9において管理されている前記地震活動情報、地震動情報、地盤情報等に基づいて、震度やマグニチュードなど地震に関わる指標値の発生確率を計算する。所望のスワップ取引の諸金額を設計しようとする観測地域及び観測期間について、指標値の発生確率は、図3(a)及び図5(a)に示すように、指標値と確率(超過確率の場合が多い。)との関係グラフとして表される。
なお、本願の特許請求の範囲及び明細書中に記載する「地震に関わる指標値」としては、多くの場合は、上記のとおり、震度やマグニチュードが使われる。しかし、デリバティブ取引では、「地震に関わる指標値」として震度やマグニチュードに限定される必要もなく、これら以外が使われる可能性もある。例えば、地震計などで観測された地震波形(地面の動きの加速度波形や速度波形)の最大値などもよいし、地震保険と同様に、損害額を指標値としてもよい。
オプション料・給付金額算定部11は、地震デリバティブを裏取引とするスワップ取引の場合(図1及び図3参照。「スワップ取引」自体の詳細は後述する。)、前記指標値の発生確率(図3(a))に基づいて、入力された行使値および給付金額(図3(b))からオプション料を算定する。逆に、入力されたオプション料および行使値から給付金額を算定することも出来る。
ここで、図3(b)は、図3(a)とともに、スワップ取引の条件設定を示すグラフであって、指標値と補填/没収金額の関係を示すグラフであるが、その意味、読み方等は次のとおりである。観測期間および観測地域における震度やマグニチュードなどの指標値に基づいて、補填金額および没収金額が決められることを示している。指標値が行使値未満の場合、デリバティブ提供者が補填デリバティブ購入者に対して、指標値に応じた補填金を支払う。反対に、指標値が行使値以上の場合には、補填デリバティブ購入者がデリバティブ提供者に対して、指標値に応じた没収金額を支払う。
図3(a)からは補填確率および没収確率を、図3(b)からは補填金額と没収金額を知ることができ、両図からスワップ取引の条件が理解できる。なお、指標値に応じて、デリバティブ提供者が補填金を支払うか、補填デリバティブ購入者が没収金を支払うかが決まるが、その境目となる指標値が「行使値」である。
補填金額・没収金額算定部13は、地震デリバティブを裏取引とするスワップ取引の場合(図1及び図3)、前記指標値の発生確率(図3(a))と、オプション料・給付金額算定部11で算定された前記オプション料及び給付金額に基づいて、補填金額(図3(b))および没収金額を算定する。
なお、上記の給付金額、補填金額(図3(b))および没収金額等の算定では、地震デリバティブの契約条件(オプション料及び給付金額)を先に算定し、それに基づいて、地震対策費用補填デリバティブの契約条件(補填金額及び没収金額)を計算したが、逆の順番でも構わない。
保険料・保険金額算定部12は、地震保険を裏取引とするスワップ取引の場合(図2及び図3)、前記指標値の発生確率(図3(a))に基づいて、入力された保険金額(図3(b))から保険料を算定する。逆に、入力された保険料から保険金額を算定することも出来る。
補填金額・没収金額算定部13は、地震保険を裏取引とするスワップ取引の場合(図2及び図3)、前記指標値の発生確率(図3(a))と、保険料・保険金額算定部12で算定された前記保険料及び保険金額に基づいて、補填金額(図3(b))および没収金額を算定する。
ここでは、地震保険の契約条件(保険料及び保険金額)を先に算定し、それに基づいて、地震対策費用補填デリバティブの契約条件(補填金額及び没収金額)を計算したが、逆の順番でも構わない。
例えば、地震デリバティブを裏取引とするスワップ取引のパターンの場合は、図3(a)に示すような指標値と超過確率との関係グラフに基づき、地震対策費用補填デリバティブ購入者B(以下、「補填デリバティブ購入者B」という。)への補填確率及び没収確率が計算され、さらにこのグラフに基づき図3(b)に示すような、補填及び没収金額のグラフが計算され、これに基づき地震デリバティブのオプション料と給付金が計算される。
オプション料・補填金額算定部14は、オプション取引(「オプション取引」自体は後述する。)の場合、前記指標値の発生確率(図5(a))に基づいて、図5(b)のグラフにより、入力された行使値および補填金額から、オプション料を算定することが出来る。逆に、入力された行使値およびオプション料から、補填金額を算定することも出来る。
図5(b)は、観測期間および観測地域における震度やマグニチュードなどの指標値に基づいて、補填金額が決められることを示している。指標値が行使値未満の場合、デリバティブ提供者が補填デリバティブ購入者Bに対して、指標値に応じた補填金を支払う。図5(a)からは補填確率を、図5(b)からは補填金額を知ることができ、両図からオプション取引の条件を読み取ることが出来る。デリバティブ提供者から補填デリバティブ購入者Bへの支払いが生じる指標値が「行使値」である。
サーバ3の取引条件管理部15は、上記で算定された補填デリバティブの契約条件を記憶しており、利用者が、ネットワーク経由で利用者端末であるコンピュータ1からアクセスでき、その内容を表示できる。要するに、取引条件管理部15は、補填金額・没収金額算定部13、あるいはオプション料・補填金額算定部14で算定された(シミュレーションされた)取引条件を記憶しておき、補填デリバティブの購入を検討している利用者は、ここに記憶された取引条件を閲覧することで、補填デリバティブを購入するか否かを検討できる。
例えば、後述する地震デリバティブを裏取引とするスワップ取引について、サーバ3の取引条件管理部15は、観測地域でのデリバティブの契約条件例(例.行使値:震度6、補填デリバティブ購入者Bへの補填金額200万円、補填デリバティブ購入者Bからの没収金額133万円、補填確率:40%、没収確率:60%、手数料:α等)を記憶しており、補填デリバティブ購入者Bが、補填デリバティブ購入を検討する際に、ネットワーク経由で利用者端末であるコンピュータ1からアクセスでき、その内容を表示できる。
取引状況管理部16は、本発明で支援可能な補填デリバティブの実際の既存取引量、例えば、後述する地震デリバティブを裏取引とするスワップ取引における「地震対策費用補填デリバティブ」と「地震デリバティブ」の取引状況、例えば、補填デリバティブについての購入者数及び一人あたりの補填金額、没収金額等、地震デリバティブの購入者数及びオプション料、給付金額等、を記憶しており、補填デリバティブ購入者B、地震デリバティブ購入者C(図1)等が、必要に応じて、ネットワーク経由で利用者端末であるコンピュータ1からアクセスでき、その内容を表示できる。要するに、取引状況管理部16は、実際に取引された契約を記憶しておく部分であり、デリバティブ提供者A(図1)は、このデータに基づいて、以降の補填デリバティブの条件を変更したり、販売戦略を練ったり出来る。
(本支援システムの支援する取引)
次に、本支援システムで設計支援する取引の内容について説明する。上記実施例で説明した構成を有する本発明の支援システム、プログラム及び記録媒体を利用して実施しようとする地震対策費用補填デリバティブは、「地震デリバティブを裏取引とするスワップ取引」、「地震保険を裏取引とするスワップ取引」、「オプション取引」という、三つの新規な態様が想定される。
地震デリバティブを裏取引とするスワップ取引:
図1は、「地震デリバティブを裏取引とするスワップ取引」を説明する図である。このスワップ取引は、従来からある地震時の損害を補填する地震デリバティブを裏取引としたスワップ取引である。
このスワップ取引では、デリバティブ提供者A(具体的には、銀行、保険会社、証券会社等)は、補填デリバティブ購入者Bとの補填デリバティブ契約の際に予め設定した地震に関わる指標値(震度やマグニチュードなど)が、設定した行使値未満であれば、地震デリバティブ購入者Cから支払われたオプション料に基づいて、補填デリバティブ購入者Bに予め定められた補填金を支払う。
これを、図3(b)に示す指標値と補填金額の関係を示すグラフで説明する。デリバティブ提供者Aは、発生する地震の指標値が前記行使値未満であれば、地震デリバティブ購入者Cから支払われたオプション料に基づいて、補填デリバティブ購入者Bに対して、指標値に応じた補填金を支払う。
反対に、発生する地震の指標値が前記行使値以上となった場合、補填デリバティブ購入者Bから支払われた没収金に基づいて、地震デリバティブ購入者Cに対して、指標値に応じた給付金を支払う。
このスワップ取引によれば、地震デリバティブ購入者Cから支払われたオプション料だけでなく、補填デリバティブ購入者Bからの没収金がデリバティブ提供者Aに集められてより豊富な資金として蓄積されるから、地震の際には、デリバティブ提供者Aは、蓄積された資金を余裕をもって地震デリバティブ購入者Cへの給付金として充当することができる。
よって、従来の地震デリバティブの場合に較べて、オプション料を安く設定でき(同じオプション料なら給付金を高く設定でき)、地震デリバティブ購入者Cの数が多くなる可能性がある。
一方、補填デリバティブ購入者Bからすると、前記指標値が前記行使値以上となった場合は没収金をデリバティブ提供者Aに対して支払う必要が生じるが、逆に、前記指標値が前記行使値未満となかった場合は、デリバティブ提供者Aが蓄積したオプション料の資金に基づいて補填金を受け取ることができる。
よって、補填デリバティブ購入者Bは、地震対策提供者(設計事務所、建設会社、住宅メーカー、工務店等)に自己の事業又は住居に供する建物等の補修や強化等の地震対策を依頼し、地震対策費用を支払ったとしても、その費用の一部又は全部を補填金で補填できる可能性がある。
一方、デリバティブ提供者Aは、前記指標値が前記行使値以上の場合には、補填デリバティブ購入者Bからの没収金額に基づいて地震デリバティブ購入者Cへの給付金を支払うことができ、逆に、前記指標値が前記行使値未満の場合には、地震デリバティブ購入者Cから徴収したオプション料に基づいて補填デリバティブ購入者Bへの補填金を支払うことができ、突発的な多額の支払いリスクを軽減し、その上、補填デリバティブ購入者B及び地震デリバティブ購入者Cの両者から手数料を徴収できる。
以上のとおり、本発明の支援システムが利用される地震デリバティブを裏取引とするスワップ取引によれば、地震デリバティブ購入者C、補填デリバティブ購入者B及びデリバティブ提供者Aの三者いずれもが、それぞれの立場で、現金及び安心感等の何らかの利益を得ることができ、地震対策上きわめて利用価値が高い。
地震保険を裏取引とするスワップ取引:
図2は、「地震保険を裏取引とするスワップ取引」を説明する図である。このスワップ取引は、従来からある地震時の損害を補填する地震保険を裏取引としたスワップ取引である。
このスワップ取引では、デリバティブ提供者A(具体的には、銀行、保険会社、証券会社等)は、補填デリバティブ購入者Bとの補填デリバティブ契約の際に予め設定した地震に関わる指標値(震度やマグニチュード)が、設定した行使値未満であれば、地震保険加入者(以下、「地震保険加入者D」という。)から支払われた保険料に基づいて、補填デリバティブ購入者Bに予め定められた補填金を支払う。
これを、図3(b)に示す指標値と補填金額の関係を示すグラフで説明する。デリバティブ提供者Aは、前記指標値が前記行使値未満であれば、地震保険加入者Dから支払われた保険料に基づいて、補填デリバティブ購入者Bに対して、指標値に応じた補填金を支払う。
一方、地震により地震保険加入者Dに損害が生じた場合、補填デリバティブ購入者Bから支払われた没収金に基づいて、地震保険加入者Dに対して予め定められた保険金(損害に応じた金額)を支払う。
このスワップ取引によれば、地震保険加入者Dから支払われた保険料だけでなく、補填デリバティブ購入者Bからの没収金がデリバティブ提供者Aに集められてより豊富な資金として蓄積されるから、地震の際には、デリバティブ提供者Aは、蓄積された資金を余裕をもって地震保険加入丙への保険金として充当することができる。
よって、従来の地震保険の場合に較べて、保険料を安く設定でき(同じ保険料なら保険金を高く設定でき)、地震保険加入者Dの数が多くなる可能性がある。
一方、補填デリバティブ購入者Bからすると、前記指標値が前記行使値以上となった場合は没収金をデリバティブ提供者Aに対して支払う必要が生じるが、逆に、前記指標値が前記行使値未満となかった場合は、デリバティブ提供者Aが蓄積したオプション料の資金に基づいて補填金を受け取ることができる。
よって、補填デリバティブ購入者Bは、地震対策提供者F(設計事務所、建設会社、住宅メーカー、工務店等)に自己の事業又は住居に供する建物等の補修や強化等の地震対策を依頼し、地震対策費用を支払ったとしても、その費用の一部又は全部を補填金で補填できる可能性がある。
一方、デリバティブ提供者Aは、地震で地震保険加入者Dに損害が生じた場合には、補填デリバティブ購入者Bからの没収金額に基づいて地震保険加入者Dへの保険金を支払うことができ、逆に、前記指標値が前記行使値未満の場合には、地震保険加入者Dから徴収した保険料に基づいて補填デリバティブ購入者Bへの補填金を支払うことができ、突発的な多額の支払いリスクを軽減し、その上、補填デリバティブ購入者B及び地震保険加入者Dの両者から手数料を徴収できる。
なお、地震保険を裏取引とする場合、地震保険加入者Dへの保険金額は損害程度に応じて決まるのに対して、補填デリバティブ購入者Bからの没収金額は(震度やマグニチュードなどの)指標値に応じて決まることから、デリバティブ提供者Aにとっては、完全な裏取引にならない。しかしながら、(震度やマグニチュードなどの)指標値と損害程度の相関性の高さを考慮することで、裏取引に近づけることができ、支払いリスクの軽減が可能である。
以上のとおり、本発明の支援システムが利用される地震保険裏取引とするスワップ取引によれば、デリバティブ提供者A、補填デリバティブ購入者B及び地震保険加入者Dの三者いずれもが、それぞれの立場で、現金及び安心感等の何らかの利益を得ることができ、地震対策上きわめて利用価値が高い。
なお、地震デリバティブ購入者Cあるいは地震保険加入者Dと、補填デリバティブ購入者Bとは、基本的には異なる者であるが、同一である場合もある。
オプション取引:
図4は、「オプション取引」を説明する図である。このオプション取引は、デリバティブ提供者Aが、補填デリバティブ購入者(以下、「補填デリバティブ購入者E」という。)から補填デリバティブ購入の際にオプション料を受け取ることで、震度やマグニチュードなどの地震に関わる指標値が設定した行使値未満となる場合、指標値に応じた補填金を支払う態様である。
図5(a)は、オプション取引の場合の指標値と地震の発生の確率(超過確率)との関係を示すグラフであり、これに基づき、補填デリバティブ購入者Eの受取り確率が計算される。図5(b)は、指標値と補填デリバティブ購入者Eへの補填金額の関係を示すグラフである。
オプション取引では、図5(b)において、デリバティブ提供者Aは、前記指標値が前記行使値未満となれば、他の多くの投資対象より得られた利益に基づいて、補填デリバティブ購入者Eに対して、指標値に応じた補填金を支払う。
このように、補填デリバティブ購入者Eは、補填デリバティブ購入の際にオプション料を支払うことで、前記指標値が前記行使値以上となる場合は、デリバティブ提供者Aから補填金の支払いはないが、前記指標値が前記行使値未満となった場合は、デリバティブ提供者Aから指標値に応じた補填金の支払いを受けることができる。
従って、補填デリバティブ購入者Eは、別途、例えば、ある程度のオプション料を支払えば、地震対策提供者F(設計事務所、建設会社、住宅メーカー、工務店等)に自己の事業又は住居に供する建物等の補修や強化等の地震対策を依頼し、地震対策費用を支払ったとしても地震が発生しなかった場合は、デリバティブ提供者Aから補填金を受取ることができるので、その補填金で地震対策費の一部又は全部を補填できる可能性がある。
オプション取引は、補填確率(デリバティブ提供者Aの支払い確率)が低い場合に有効である。例えば、宮城県沖地震(マグニチュード7.5)の今後30年間の発生確率は99%と発表されている。この震源付近の地震のマグニチュードを指標値とし、行使値をマグニチュード7.5とすると、補填確率(行使値未満となる確率)は1%程度となる。デリバティブ提供者Aからすると、99%元本保証でオプション料が受取れる優良投資先となる。株式、債券、不動産など他の投資対象と同様に、自己のポートフォーリオ(分散投資)に組み込むことができるので投資対象が広がる。優良投資先を増やすことで、ポートフォーリオ全体として利益を上げられる。
デリバティブ提供者Aのメリットは上記の通りであるが、参考までに、これをさらに補足する。通常、大口の機関投資家(銀行、保険、証券会社、一般企業など)は、数万以上の対象(株式、債券、不動産など)に分散投資して、利益を上げている。例えば、返済不履行確率1%の人10,000人に金利3%で1万円づつ貸したとすると、金利収入は300万円である。10,000人の中で返済不履行になる人は100人程度であるから、戻ってこないお金は100万円程度である。しかし、この場合、200万円程度(300万円−100万円程度)の利益が上げられこととなる。投資対象が多いほど(分散投資するほど)、返済不履行の割合が安定する(1%に近づく)。したがって、投資家(デリバティブ提供者A)にとっては、返済不履行確率1%などの優良投資先が増えることは好ましいことである。
(支援システムの利用者)
上記実施例で説明した構成の本発明の支援システム、及びそのソフト及びプログラムを把握するためには、上記地震対策費用補填デリバティブ取引のために、本発明の支援システムを利用する者、及びその目的を理解する必要があるので、以下に、利用者について特に説明する。本発明の支援システムを利用する者は、主にデリバティブ提供者A、地震デリバティブを裏取引とするスワップ取引の補填デリバティブ購入者B、地震保険を裏取引とするスワップ取引の補填デリバティブ購入者B、オプション取引の補填デリバティブ購入者E、地震対策提供者Fなどであり、その他、地震デリバティブ購入者C、地震保険加入者Dも考えられる。
デリバティブ提供者A(銀行、証券会社、保険会社、自治体など)は、上述のスワップ取引やオプション取引等に関するデリバティブ商品を設計し、販売する際に、本発明のシステム、ソフト及びプログラム等を使う(デリバティブ提供者A自体がデリバティブを設計、販売せずに、下請け会社などに任せる場合には、この下請け会社が使って設計支援する)。
スワップ取引の補填デリバティブ購入者Bやオプション取引の補填デリバティブ購入者Eの一番身近な使い方としては、デリバティブ提供者Aがホームページにこのシステムを載せておき、補填デリバティブ購入者B、E等が自分の建物位置を入力することで、自分の建物条件に適合した、図3または図5において示すようなデリバティブの商品内容を、インターネット上で調べることが出来る。
図6に示す本発明の構成にさらにインターネットショッピング機能を付け加えれば、上述のとおり、デリバティブの商品内容を気に入った際に、補填デリバティブ購入者B、E等は、そのホームページ上でデリバティブを購入できる、つまり、インターネットショッピングが可能となる構成とすることもできる。
このように、インターネットショッピングが可能になると、デリバティブ提供者Aは販売コストが削減でき、補填デリバティブ購入者B、E等は、インターネット上で気軽にデリバティブ商品の詳細を知り購入することが出来る。このシステムは、インターネット上での中古車の見積もりやコンピュータの設計、購入などと同様、Eビジネスである。このようなインターネットショッピングは、図6に示すネットワークを介して、利用者端末であるコンピュータ1から行われる。
地震対策提供者Fは、補填デリバティブ購入者B、E等に対して、地震対策を奨める時に本発明の支援システムを利用できる。例えば、「とにかく地震対策をして下さい。地震が来なければ費用が補填されますから。」とセールスする。この営業の際に、発明システムを登載あるいはインターネットにつなげるコンピュータがあれば、その場で、デリバティブの商品内容(図3や図5)を顧客に提示できる。このように、デリバティブ提供者Aだけではなく、地震対策提供者Fがデリバティブの販売窓口になることも考えられる。
(本発明の作用)
本発明の支援システム、プログラム及び記録媒体の構成をより明確にするために、具体的な取引例を通して、図6の実施例に基づき本発明の作用を説明する。本発明の作用を説明するに先立って、まず具体的な取引例を説明する。
スワップ取引の例:
図7は、震度を指標値とするスワップ取引の例を示す図であり、図8は、図7の取引条件の設定を説明する図である。図7に示すスワップ取引は、すでに図1で説明したとおり、「補填デリバティブ」と「地震デリバティブ」を組み合わせた取引である。
「補填デリバティブ」(図7の左側に示す取引)については、例えば、つくば市で今後15年間の震度の超過確率が図8(a)に示す通りに計算されたとする。これによると、15年間で震度6以上になる確率は60%である。
これを聞いたつくば市在住のある人が、200万円掛けて自宅(再調達価格3000万円程度)の耐震補強工事をしようと考える。しかし、「震度6以上になる確率は60%だけど、地震が来なくて工事費用が無駄になる可能性が40%もある。」と工事を決断できないとする。
このような人に対して、デリバティブ提供者Aは図7の左側に示すデリバティブ契約を提示する。すなわち、補填デリバティブ購入者Bに対して「15年間で震度6未満であれば(40%)、希望の金額X円を支払います。ただし、震度6以上の場合(60%)にはX×(40%/60%)円支払ってください。」というデリバティブを提示できる。そして、補填デリバティブについて、デリバティブ提供者Aは、補填デリバティブ購入者Bから手数料αを徴収できる。
例えば、補填デリバティブ購入者B(工事を検討している人)が、地震が起きなかった時に耐震補強費用200万円全部が戻って欲しい場合、X=200万円とする。震度6未満だった時(40%)には、工事費用200万円が全額戻る、つまり、工事費用を無料で済んだということになる。
しかし、補填デリバティブ購入者Bは、震度6以上になった場合(60%)には、もともと工事費200万円を地震対策提供者F(耐震工事を行った工務店等)に払った上で、更にデリバティブ提供者Aに133万円を支払なければならない。ただ、もし耐震工事をしていなければ、震度6以上の被害は333万円以上であることが多い。例えば、全壊の場合は3000万円程度の再調達費用、半壊の場合には1500万円程度の修理費用が掛かる。これに加えて、家財の修理あるいは再調達費用も掛かる。さらに、実際に震度6以上で負傷、死亡を避けられれば、333万円支払っておいて良かったということになる。
なお、ここでは、工事費用200万円を全額戻す例を挙げたが、震度6以上になった場合の支払いを抑えるために、100万円だけを戻す契約(震度6以上になった場合の支払いは67万円)など、補填デリバティブ購入者Bが自由に補填金額を選ぶことが出来る。
一方、「地震デリバティブ」(図7の右側に示す取引)については、デリバティブ提供者Aは、従来型(地震発生時の損害補填型)の地震デリバティブを販売する。地震デリバティブは会計の関係上、単年契約が多い。
15年間で震度6以上になる確率が60%だと、1年間あたりの確率は約4%となる。この場合、震度6以上の給付金額をY円とすると、そのオプション料はY×4%+βである(βはデリバティブ提供者Aの手数料や利益など)。そして、地震デリバティブについては、デリバティブ提供者Aは、地震デリバティブ購入者Cから手数料βを徴収できる。
例えば、地震デリバティブ購入者Cが13.3万円+βのオプション料を支払うケースでは、契約年内に震度6以上の地震が起きた場合は、333万円の給付金を受け取れる。即ち、オプション料の蓄積200万円と補填デリバティブ購入者Bからの支払い133万円を合計して、地震デリバティブ購入者Cに給付金333万円が支払われる。
逆に、15年間で震度6未満だった場合、デリバティブ提供者Aにはオプション料200万円が蓄積され、これを、図7の左側に示すように、補填デリバティブ購入者Bへの支払い充てられる。
以上では簡単のために、収支がバランスする表裏二つの契約を例に挙げた。しかしながら現実的には、個々の顧客が求める金額が異なる。デリバティブ提供者Aは、多くの顧客からの収支をバランスさせることで、支払い過剰になるリスクを避けたうえで、両契約からの手数料(α、β)を得ることが出来る。
以上のスワップ取引を例に図6に示す実施例に基づいて本発明の作用を以下に説明する。サーバ3の地震データ管理部9(具体的には、ハードディスク等が利用される。)では、全国の地震活動情報、地震動情報、地盤情報などを記憶している。
指標地発生確率算定部10では、前記地震データ管理部9が記憶している前記地震活動情報、地震動情報、地盤情報などに基づいて、地震指標値の発生確率を計算する(図8(a))。
デリバティブ提供者Aは、指標値の発生確率を計算するために、観測期間(15年)、指標値(震度)、観測地域(つくば市)などを入力する。この場合、デリバティブ提供者Aがサーバ3を主宰する者であって、サーバ3に付設する入力装置から直接入力する場合もあるし、デリバティブ提供者Aがサーバ3の一利用者であり、利用者端末であるコンピュータ1を用いて入力してネットワーク2を介してアクセスする場合もある。
要するに、デリバティブ提供者Aは、デリバティブを販売する際に、サーバ3に直接あるいはネットワーク経由でサーバ3にアクセスして購入者の希望条件を入力し、表示装置(ディスプレイ)や印刷装置(プリンタ)に取引条件を出力させることが出来る。
このように、サーバ3の地震データ管理部9に記憶されている情報及びデリバティブ提供者Aによる入力データに基づいて、まず、指標地発生確率算定部10(演算装置)により、対象とする指標値の確率(図8(a))を計算する。
この確率計算の結果(図8(a))と、デリバティブ提供者Aなどが入力する行使値(震度6)および給付金額(333万円)に基づいて、オプション料・給付金額算定部11(演算装置)では、地震デリバティブ(図7の右側)のオプション料(年間13.3万円)を計算する。逆に、前記確率計算の結果(図8(a))と、デリバティブ提供者Aなどが入力する行使値(震度6)およびオプション料(13.3万円)に基づいて、給付金額(333万円)を計算することもできる。
補填デリバティブ取引(図7の左側)について、確率計算の結果(図8(a))、前記行使値、前記オプション料、給付金額に基づいて、補填金額・没収金額算定部13が補填金額(200万円)と没収金額(133万円)を算出する。この際、デリバティブ提供者Aは、入力装置から様々な行使値、補填金額、没収金額(図3(b)、図8(b))などを入力することにより、補填デリバティブ購入者Bの嗜好を反映した上で取引条件を調整できる。
以上のようにして設定され、また計算された取引条件(観測地域、観測期間、指標値、行使値、オプション料、給付金額、補填金額、没収金額)は、取引条件管理部15(具体的には、ハードディスク等が利用される。)に記憶される。
デリバティブ提供者Aは、以上の作業を全ての観測地域(例えば、つくば市、宮城県○○市、東京都○○区、静岡県○○市、愛知県○○市、大阪府○○市、・・・)に対して行い、全てのそれらの取引条件を取引条件管理部15に記憶させておく。もちろん、全ての観測地域を入力装置から入力しておくことで、サーバ3に全ての計算を一括して実行させることも可能である。
利用者である補填デリバティブ購入者Bが取引条件を閲覧するには、そのコンピュータ端末からネットワーク2などを通じてサーバ3にアクセスする。補填デリバティブ購入者Bは、利用者端末であるそのコンピュータを用いて購入したいデリバティブの希望条件(観測地域:つくば市、観測期間:15年間、希望補填額:200万円など)を入力する。
サーバ3の取引条件管理部15は、観測地域での補填デリバティブの契約条件(行使値:震度6、没収金額:133万円、受取り確率:40%、支払い確率:60%、手数料:αなど)を記憶しており、ネットワーク2経由で補填デリバティブ購入者Bのコンピュータに表示できる。補填デリバティブ購入者Bが契約条件に合意すれば、その場で購入することが出来る。
これまでは簡単のために、補填デリバティブ購入者Bと地震デリバティブ購入者Cが一人づつで、且つ、「オプション料」と「補填金額」、「没収金額+オプション料」と「給付金額」が、それぞれ一致するケースを示した(図7)。
しかしながら、デリバティブ提供者Aは一般に、多数の補填デリバティブ購入者Bおよび地震デリバティブ購入者Cにデリバティブを販売するので、図7左右の両取引の支払い総額を、ある程度バランスさせておくことにより、過剰な支払いリスクに対処しておく。取引状況管理部16(具体的には、ハードディスク等が利用される)」は、両取引の実際の取引状況(デリバティブ購入者数、地震デリバティブ購入者C一人あたりのオプション料および給付金額、補填デリバティブ購入者B一人あたりの補填金額および没収金額など)を記憶しておく。
ネットワーク2経由での購入の場合は自動的に、対面販売の場合にはデリバティブ提供者Aが入力装置から、取引状況管理部16に取引内容を記憶、蓄積させることが出来る。
デリバティブ提供者Aは、表示装置6や印刷装置7に既存の取引状況を出力させることにより、今後の目標取引量を検討できる。例えば現在、図7の取引について、地震デリバティブ購入者C(図7の右側)が10,000人で、補填デリバティブ購入者B(図7の左側)が8,000人だと出力されれば、前者の販売を一時停止し、後者を2,000人増やすという販売方針が設定できる。また、今後の取引条件の設定に反映させることも出来る。
なお、補填デリバティブ購入者Bは、地震が発生した時点(指標値が行使値以上になった時点)で没収金額(133万円)を支払い、デリバティブ提供者Aがこれを受け取り、これに基づいて、地震デリバティブ購入者Cに給付金を支払う(図7)。補填デリバティブ購入者Bは、地震が発生するのは突然なので、直ぐに没収金額を支払えず、デリバティブ提供者Aが没収金額を徴収し、地震デリバティブ購入者Cに給付金を即座に支払うことが困難な場合もある。こうした状況を避けるために、補填デリバティブ購入者Bがデリバティブ提供者Aに事前に没収金額を預けておくか、分割払いすることも考えられる。
図7の例においては、補填デリバティブ購入者Bは、200万円の耐震補強工事費用を地震対策提供者Fに支払うと同時に、133万円の没収金をデリバティブ提供者Aに預けておく。15年間で震度6以上になった場合、133万円はそのまま没収されるが、震度6未満の場合には、没収金(133万円)と補填金(200万円)の合計(333万円)がデリバティブ提供者Aより補填される。地震が発生しなければ、(金利はつかないが)長期預金していたのと同様の効果がある。
オプション取引の例:
次に、図4および図5のオプション取引の例を、図9および図10を用いて示す。宮城県沖地震(マグニチュード7.5)の今後30年以内の発生確率は99%と発表されている。これを聞いた仙台市市在住のある人が、200万円掛けて自宅(再調達価格3000万円程度)の耐震補強工事をしようと考える。しかし、「近くで地震が起きる確率は99%でも、地震が来なくて工事費用が無駄になる可能性が1%ある。」と工事を決断できないとする。
このような人に対して、デリバティブ提供者Aは図9に示すデリバティブ契約を提示する。すなわち、補填デリバティブ購入者Eに対して「30年間でマグニチュード7.5未満であれば(1%)、希望の金額X円を支払います。ただし、(地震の有無に関わらず)オプション料0.01X万円と手数料γ円を頂きます。」というデリバティブを提示できる。
例えば、補填デリバティブ購入者E(工事を検討している人)が、地震が起きなかった時に耐震補強費用200万円全部が戻って欲しい場合、X=200万円とする。30年間でマグニチュード7.5未満だった時(1%)には、工事費用200万円が全額戻る、つまり、工事費用を無料で済んだということになる。
一方で、補填デリバティブ購入者Eは、(地震の有無に関わらず)オプション料1万円と手数料γ円を支払う必要がある。
デリバティブ提供者Aは、多数の投資先に投資することで資金を運用し、ポートフォーリオ全体から利益を上げている。例えば、99%元本保証の投資先が多数あるとし、全てに1%の金利と手数料γで投資した場合、手数料γの合計が利益となる。デリバティブ提供者Aは、優良な投資先を増やすことで、利益を上げながら、自己のポートフォーリオを安定させることが出来る。
以上のオプション取引を例に図6に示す実施例に基づいて本発明の作用を説明する。地震データ管理部9、指標値発生確率算定部10、取引条件管理部15、取引状況管理部16は、スワップ取引の場合と同じである。
オプション料・補填金額算定部14は、前記指標値発生確率算定部10で算定された前記指標値の発生確率(図10(a))と、デリバティブ提供者Aなどから入力された行使値(マグニチュード7.5)と補填金額(200万円)に基づいて、オプション料(2万円)を算定する。逆に、行使値(マグニチュード7.5)とオプション料(2万円)を入力することで、補填金額(200万円)を算定することもできる。
以上、本発明に係る地震対策費用補填デリバティブ設計支援システム、プログラム及び記録媒体の最良の形態を実施例に基づいて説明したが、本発明は特にこのような実施例に限定されることなく、特許請求の範囲記載の技術的事項の範囲内でいろいろな実施例があることはいうまでもない。
本発明に係る地震対策費用補填デリバティブ設計支援システム、プログラム及び記録媒体は、以上の構成であるから、地震対策費用補填デリバティブ、地震デリバティブ、地震保険、或いはそれらの組み合わせについて、デリバティブ提供者(銀行、証券会社、保険会社、自治体など)が設計し、販売する際にきわめて便利であり、一方、地震デリバティブ購入者や地震保険加入者等は、その建物について地震対策をする際に閲覧して参考にでき、さらに、建設会社、工務店等の地震対策提供者は、補填デリバティブ購入者に対して、地震対策を奨める時に利用すれば補填デリバティブサービスを提示できるので、きわめて便利であり、このように、各方面に適用でき、きわめて有用である。
以上では簡単のために、補填デリバティブ購入者を一つの建物を所有あるいは管理する者として記したが、複数の建物を所有する者(国、自治体、事業者など)の場合もあることは言うまでもない。
また、建築物の地震対策について記したが、建築物だけではなく、土木構造物(橋、道路、トンネル、港湾施設、空港施設など)やその他の施設(電気、ガス、水道、コンピュータネットワークなど)などの地震対策にも応用できる。
さらに、地震について記したが、その他の自然災害(洪水、津波、台風、大雨、大雪など)、火災、犯罪、テロなどへの対策にも応用できる。
本発明により実施されるスワップ取引の概念図(地震デリバティブを裏取引とする場合)である。 本発明により実施されるスワップ取引の概念図(地震保険を裏取引とする場合)である。 スワップ取引の条件設定((a)は指標値と超過確率の関係、(b)は指標値と補填/没収金額の関係)を説明する図である。 本発明により実施されるオプション取引の概念図である。 オプション取引の条件設定((a)は指標値と超過確率の関係、(b)は指標値と補填金額の関係)条件設定を説明する図である。 本発明に係る地震対策費用補填デリバティブ設計支援システムの構成を示す図である。 本発明により実施される地震デリバティブを裏取引とするスワップ取引の具体例を説明する図である。 スワップ取引の具体例の条件設定(地震対策費用補填デリバティブの条件設定)を説明する図である。 本発明により実施されるオプション取引の具体例を説明する図である。 オプション取引の具体例((a)は指標値と超過確率の関係、(b)は指標値と補填金額の関係)の条件設定を説明する図である。
符号の説明
1 利用者端末であるコンピュータ
2 インターネット等のネットワーク
3 サーバ
4 入出力制御部
5 入力装置
6 表示装置
7 印刷装置
8 主制御部
9 地震データ管理部
10 指標値発生確率算定部
11 オプション料・給付金額算定部
12 保険料・保険金額算定部
13 補填金額・没収金額算定部
14 オプション料・補填金額算定部
15 取引条件管理部
16 取引状況管理部

Claims (11)

  1. 地震データ管理手段、指標値発生確率算定手段、オプション料・給付金額算定手段、補填金額・没収金額算定手段を備えた地震対策費用補填デリバティブ設計支援システムであって、
    前記地震データ管理手段は、地震活動情報、地震動情報及び地盤情報のうち少なくとも1つを格納した地震データベースを有し、
    指標値発生確率算定手段は、観測期間および観測地域における地震に関わる指標値の発生確率を計算し、
    オプション料・給付金額算定手段は、前記指標値の発生確率に基づいて、地震デリバティブ購入者がデリバティブ提供者に支払うオプション料と、前記指標値が予め定められた行使値以上となる場合に、デリバティブ提供者が地震デリバティブ購入者に支払う給付金額を計算し、
    補填金額・没収金額算定手段は、前記指標値の発生確率に基づいて、前記指標値が前記行使値以上となる場合に、デリバティブ提供者が地震対策費用補填デリバティブ購入者から徴収する没収金額を計算するとともに、前記指標値が前記行使値未満となる場合に、デリバティブ提供者が地震対策費用補填デリバティブ購入者に支払う補填金額を計算する、構成であり、
    デリバティブ提供者が、前記指標値が前記行使値以上となった場合は、デリバティブ購入者に給付金を支払うとともに、地震対策費用補填デリバティブ購入者から没収金を徴収し、前記指標値が前記行使値未満となった場合は、地震対策費用補填デリバティブ購入者に補填金を支払うスワップ取引の設計を支援することを特徴とする地震対策費用補填デリバティブ設計支援システム。
  2. 地震データ管理手段、指標値発生確率算定手段、保険料・保険金額算定手段、補填金額・没収金額算定手段を備えた地震対策費用補填デリバティブ設計支援システムであって、
    前記地震データ管理手段は、地震活動情報、地震動情報及び地盤情報のうち少なくとも1つを格納した地震データベースを有し、
    指標値発生確率算定手段は、観測期間および観測地域における地震に関わる指標値の発生確率を計算し、
    保険料・保険金額算定手段は、前記指標値の発生確率に基づいて、地震保険加入者がデリバティブ提供者に支払う保険料と、地震によって地震保険加入者に損害が発生する場合にデリバティブ提供者が支払う保険金額を計算し、
    補填金額・没収金額算定手段は、前記指標値の発生確率に基づいて、前記指標値が予め定められた行使値以上となる場合に、デリバティブ提供者が地震対策費用補填デリバティブ購入者から徴収する没収金額を計算するとともに、前記指標値が前記行使値未満となる場合に、デリバティブ提供者が地震対策費用補填デリバティブ購入者に支払う補填金額を計算する、構成であり、
    デリバティブ提供者が、地震によって地震保険加入者に損害が発生した場合は、地震保険加入者に保険金を支払うとともに、前記指標値が前記行使値以上となった場合に地震対策費用補填デリバティブ購入者から没収金を徴収し、前記指標値が行使値未満となった場合は、地震対策費用補填デリバティブ購入者に補填金を支払うスワップ取引の設計を支援することを特徴とする地震対策費用補填デリバティブ設計支援システム。
  3. 地震データ管理手段、指標値発生確率算定手段、オプション料・補填金額算定手段を備えた地震対策費用補填デリバティブ設計支援システムであって、
    前記地震データ管理手段は、地震活動情報、地震動情報及び地盤情報のうち少なくとも1つを格納した地震データベースを有し、
    指標値発生確率算定手段は、観測期間および観測地域における地震に関わる指標値の発生確率を計算し、
    オプション料・補填金額算定手段は、前記指標値の発生確率に基づいて、地震対策費用補填デリバティブ購入者がデリバティブ提供者に支払うオプション料と、前記指標値が予め定められた行使値未満となる場合に、デリバティブ提供者が地震対策費用補填デリバティブ購入者に支払う補填金額を計算する、構成であり、
    デリバティブ提供者が、予め地震対策費用補填デリバティブ購入者から前記オプション料を徴収し、前記指標値が前記行使値未満となる場合にデリバティブ購入者に前記補填金を支払うオプション取引の設計を支援することを特徴とする地震対策費用補填デリバティブ設計支援システム。
  4. 前記地震データ管理手段、指標値発生確率算定手段、オプション料・給付金額算定手段、保険料・保険金額算定手段、没収金額・補填金額算定手段及びオプション料・補填金額算定手段は、地震対策費用補填デリバティブ設計支援を提供するサーバに設けられており、当該サーバとネットワークを介して利用者端末であるコンピュータが接続されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の地震対策費用補填デリバティブ設計支援システム。
  5. 地震データ管理手段、指標値発生確率算定手段、オプション料・給付金額算定手段、補填金額・没収金額算定手段として機能させる地震対策費用補填デリバティブ設計支援プログラムであって、
    前記地震データ管理手段は、地震活動情報、地震動情報及び地盤情報のうち少なくとも1つを格納した地震データベースを有し、
    指標値発生確率算定手段は、観測期間および観測地域における地震に関わる指標値の発生確率を計算し、
    オプション料・給付金額算定手段は、前記指標値の発生確率に基づいて、地震デリバティブ購入者がデリバティブ提供者に支払うオプション料と、前記指標値が予め定められた行使値以上となる場合に、デリバティブ提供者が地震デリバティブ購入者に支払う給付金額を計算し、
    補填金額・没収金額算定手段は、前記指標値の発生確率に基づいて、前記指標値が前記行使値以上となる場合に、デリバティブ提供者が地震対策費用補填デリバティブ購入者から徴収する没収金額を計算するとともに、前記指標値が前記行使値未満となる場合に、デリバティブ提供者が地震対策費用補填デリバティブ購入者に支払う補填金額を計算し、
    デリバティブ提供者が、前記指標値が前記行使値以上となった場合は、デリバティブ購入者に給付金を支払うとともに、地震対策費用補填デリバティブ購入者から没収金を徴収し、前記指標値が前記行使値未満となった場合は、地震対策費用補填デリバティブ購入者に補填金を支払うスワップ取引の設計を支援することを特徴とする地震対策費用補填デリバティブ設計支援プログラム。
  6. 地震対策費用補填デリバティブの設計を支援するコンピュータを、地震データ管理手段、指標値発生確率算定手段、オプション料・給付金額算定手段、補填金額・没収金額算定手段として機能させる地震対策費用補填デリバティブ設計支援プログラムであって、
    前記地震データ管理手段は、地震活動情報、地震動情報及び地盤情報のうち少なくとも1つを格納した地震データベースを有し、
    指標値発生確率算定手段は、観測期間および観測地域における地震に関わる指標値の発生確率を計算し、
    オプション料・給付金額算定手段は、前記指標値の発生確率に基づいて、地震デリバティブ購入者がデリバティブ提供者に支払うオプション料と、前記指標値が予め定められた行使値以上となる場合に、デリバティブ提供者が地震デリバティブ購入者に支払う給付金額を計算し、
    補填金額・没収金額算定手段は、前記指標値の発生確率に基づいて、前記指標値が前記行使値以上となる場合に、デリバティブ提供者が地震対策費用補填デリバティブ購入者から徴収する没収金額を計算するとともに、前記指標値が前記行使値未満となる場合に、デリバティブ提供者が地震対策費用補填デリバティブ購入者に支払う補填金額を計算し、
    デリバティブ提供者が、前記指標値が前記行使値以上となった場合は、デリバティブ購入者に給付金を支払うとともに、地震対策費用補填デリバティブ購入者から没収金を徴収し、前記指標値が前記行使値未満となった場合は、地震対策費用補填デリバティブ購入者に補填金を支払うスワップ取引の設計を支援することを特徴とする地震対策費用補填デリバティブ設計支援プログラム。
  7. 地震対策費用補填デリバティブの設計を支援するコンピュータを、地震データ管理手段、指標値発生確率算定手段、保険料・保険金額算定手段、補填金額・没収金額算定手段として機能させる地震対策費用補填デリバティブ設計支援プログラムであって、
    前記地震データ管理手段は、地震活動情報、地震動情報及び地盤情報のうち少なくとも1つを格納した地震データベースを有し、
    指標値発生確率算定手段は、観測期間および観測地域における地震に関わる指標値の発生確率を計算し、
    保険料・保険金額算定手段は、前記指標値の発生確率に基づいて、地震保険加入者がデリバティブ提供者に支払う保険料と、地震によって地震保険加入者に損害が発生する場合にデリバティブ提供者が支払う保険金額を計算し、
    補填金額・没収金額算定手段は、前記指標値の発生確率に基づいて、前記指標値が予め定められた行使値以上となる場合に、デリバティブ提供者が地震対策費用補填デリバティブ購入者から徴収する没収金額を計算するとともに、前記指標値が前記行使値未満となる場合に、デリバティブ提供者が地震対策費用補填デリバティブ購入者に支払う補填金額を計算し、
    デリバティブ提供者が、地震によって地震保険加入者に損害が発生した場合は、地震保険加入者に保険金を支払うとともに、前記指標値が前記行使値以上となった場合に地震対策費用補填デリバティブ購入者から没収金を徴収し、前記指標値が行使値未満となった場合は、地震対策費用補填デリバティブ購入者に補填金を支払うスワップ取引の設計を支援することを特徴とする地震対策費用補填デリバティブ設計支援プログラム。
  8. 地震対策費用補填デリバティブの設計を支援するコンピュータを、地震データ管理手段、指標値発生確率算定手段、オプション料・補填金額算定手段として機能させる地震対策費用補填デリバティブ設計支援プログラムであって、
    前記地震データ管理手段は、地震活動情報、地震動情報及び地盤情報のうち少なくとも1つを格納した地震データベースを有し、
    指標値発生確率算定手段は、観測期間および観測地域における震度又はマグニチュードで示す地震に関わる指標値の発生確率を計算し、
    オプション料・補填金額算定手段は、前記指標値の発生確率に基づいて、地震対策費用補填デリバティブ購入者がデリバティブ提供者に支払うオプション料と、前記指標値が予め定められた行使値未満となる場合に、デリバティブ提供者が地震対策費用補填デリバティブ購入者に支払う補填金額を計算し、
    デリバティブ提供者が、予め地震対策費用補填デリバティブ購入者から前記オプション料を徴収し、前記指標値が前記行使値未満となる場合にデリバティブ購入者に前記補填金を支払うオプション取引の設計を支援することを特徴とする地震対策費用補填デリバティブ設計支援プログラム。
  9. 地震対策費用補填デリバティブの設計を支援するコンピュータを、地震データ管理手段、指標値発生確率算定手段、オプション料・給付金額算定手段、補填金額・没収金額算定手段として機能させる地震対策費用補填デリバティブ設計支援プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
    前記地震データ管理手段は、地震活動情報、地震動情報及び地盤情報のうち少なくとも1つを格納した地震データベースを有し、
    指標値発生確率算定手段は、観測期間および観測地域における震度又はマグニチュードで示す地震に関わる指標値の発生確率を計算し、
    オプション料・給付金額算定手段は、前記指標値の発生確率に基づいて、地震デリバティブ購入者がデリバティブ提供者に支払うオプション料と、前記指標値が予め定められた行使値以上となる場合に、デリバティブ提供者が地震デリバティブ購入者に支払う給付金額を計算し、
    補填金額・没収金額算定手段は、前記指標値の発生確率に基づいて、前記指標値が前記行使値以上となる場合に、デリバティブ提供者が地震対策費用補填デリバティブ購入者から徴収する没収金額を計算するとともに、前記指標値が前記行使値未満となる場合に、デリバティブ提供者が地震対策費用補填デリバティブ購入者に支払う補填金額を計算し、
    デリバティブ提供者が、前記指標値が前記行使値以上となった場合は、デリバティブ購入者に給付金を支払うとともに、地震対策費用補填デリバティブ購入者から没収金を徴収し、前記指標値が前記行使値未満となった場合は、地震対策費用補填デリバティブ購入者に補填金を支払うスワップ取引の設計を支援することを特徴とする地震対策費用補填デリバティブ設計支援プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  10. 地震対策費用補填デリバティブの設計を支援するコンピュータを、地震データ管理手段、指標値発生確率算定手段、保険料・保険金額算定手段、補填金額・没収金額算定手段として機能させる地震対策費用補填デリバティブ設計支援プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
    前記地震データ管理手段は、地震活動情報、地震動情報及び地盤情報のうち少なくとも1つを格納した地震データベースを有し、
    指標値発生確率算定手段は、観測期間および観測地域における震度又はマグニチュードで示す地震に関わる指標値の発生確率を計算し、
    保険料・保険金額算定手段は、前記指標値の発生確率に基づいて、地震保険加入者がデリバティブ提供者に支払う保険料と、地震によって地震保険加入者に損害が発生する場合にデリバティブ提供者が支払う保険金額を計算し、
    補填金額・没収金額算定手段は、前記指標値の発生確率に基づいて、前記指標値が予め定められた行使値以上となる場合に、デリバティブ提供者が地震対策費用補填デリバティブ購入者から徴収する没収金額を計算するとともに、前記指標値が前記行使値未満となる場合に、デリバティブ提供者が地震対策費用補填デリバティブ購入者に支払う補填金額を計算し、
    デリバティブ提供者が、地震によって地震保険加入者に損害が発生した場合は、地震保険加入者に保険金を支払うとともに、前記指標値が前記行使値以上となった場合に地震対策費用補填デリバティブ購入者から没収金を徴収し、前記指標値が行使値未満となった場合は、地震対策費用補填デリバティブ購入者に補填金を支払うスワップ取引の設計を支援することを特徴とする地震対策費用補填デリバティブ設計支援プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  11. 地震対策費用補填デリバティブの設計を支援するコンピュータを、地震データ管理手段、指標値発生確率算定手段、オプション料・補填金額算定手段として機能させる地震対策費用補填デリバティブ設計支援プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
    前記地震データ管理手段は、地震活動情報、地震動情報及び地盤情報のうち少なくとも1つを格納した地震データベースを有し、
    指標値発生確率算定手段は、観測期間および観測地域におけるマグニチュードで示す地震に関わる指標値の発生確率を計算し、
    オプション料・補填金額算定手段は、前記指標値の発生確率に基づいて、地震対策費用補填デリバティブ購入者がデリバティブ提供者に支払うオプション料と、前記指標値が予め定められた行使値未満となる場合に、デリバティブ提供者が地震対策費用補填デリバティブ購入者に支払う補填金額を計算し、
    デリバティブ提供者が、予め地震対策費用補填デリバティブ購入者から前記オプション料を徴収し、前記指標値が前記行使値未満となる場合にデリバティブ購入者に前記補填金を支払うオプション取引の設計を支援することを特徴とする地震対策費用補填デリバティブ設計支援プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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