JP2006267590A - 焼き付き現象補正方法、自発光装置、焼き付き現象補正装置及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】焼き付き現象の補正を優先するために、画像を大きく変化させる可能性があり、結果的に著しい画質の低下を招くおそれがあった。
【解決手段】複数の自発光素子がマトリクス状に配置された自発光装置の焼き付き現象を補正する焼き付き現象補正装置を、(1)焼き付き補正前の表示信号に基づいて、階調値の度数分布を求める階調度数分布算出部と、(2)全画素数の一定割合に制限された階調範囲を、度数分布を用いて決定する階調範囲決定部と、(3)焼き付き補正前の表示信号と階調範囲とを比較し、当該階調範囲に属する画素位置を検出する補正対象画素決定部と、(4)検出された画素位置に対してのみ、焼き付き現象の補正処理を実行する劣化量差補正部とで構成する。
【選択図】図2
【解決手段】複数の自発光素子がマトリクス状に配置された自発光装置の焼き付き現象を補正する焼き付き現象補正装置を、(1)焼き付き補正前の表示信号に基づいて、階調値の度数分布を求める階調度数分布算出部と、(2)全画素数の一定割合に制限された階調範囲を、度数分布を用いて決定する階調範囲決定部と、(3)焼き付き補正前の表示信号と階調範囲とを比較し、当該階調範囲に属する画素位置を検出する補正対象画素決定部と、(4)検出された画素位置に対してのみ、焼き付き現象の補正処理を実行する劣化量差補正部とで構成する。
【選択図】図2
Description
発明の一つの形態は、自発光装置に発生する焼き付き現象の補正方法に関する。また、発明の一つの形態は、焼き付き現象補正装置及びこれを搭載した自発光装置に関する。また、発明の一つの形態は、コンピュータに焼き付き補正機能を実行させるプログラムに関する。
フラットパネルディスプレイは、コンピュータディスプレイ、携帯端末、テレビなどの製品で広く普及している。現在、主に液晶ディスプレイパネルが多く採用されているが、依然、視野角の狭さや応答速度の遅さが指摘され続けている。
一方、自発光素子で形成された有機ELディスプレイは、前述した視野角や応答性の課題を克服できるのに加え、バックライト不要の薄い形態、高輝度、高コントラストを達成できる。このため、液晶ディスプレイに代わる次世代表示装置として期待されている。
一方、自発光素子で形成された有機ELディスプレイは、前述した視野角や応答性の課題を克服できるのに加え、バックライト不要の薄い形態、高輝度、高コントラストを達成できる。このため、液晶ディスプレイに代わる次世代表示装置として期待されている。
ところで、有機EL素子その他の自発光素子は、その発光量や発光時間に応じて劣化する特性があることは一般的にも知られている。
一方で、ディスプレイに表示される画像の内容は一様ではない。このため、自発光素子の劣化が部分的に進行し易い。例えば時刻表示領域(固定表示領域)の自発光素子は、他の表示領域(動画表示領域)の自発光素子に比べて劣化の進行が速い。
劣化が進行した自発光素子の輝度は、他の表示領域の輝度に比して相対的に低下する。一般に、この現象は“焼き付き”と呼ばれる。以下、部分的な自発光素子の劣化を“焼き付き”と表記する。
一方で、ディスプレイに表示される画像の内容は一様ではない。このため、自発光素子の劣化が部分的に進行し易い。例えば時刻表示領域(固定表示領域)の自発光素子は、他の表示領域(動画表示領域)の自発光素子に比べて劣化の進行が速い。
劣化が進行した自発光素子の輝度は、他の表示領域の輝度に比して相対的に低下する。一般に、この現象は“焼き付き”と呼ばれる。以下、部分的な自発光素子の劣化を“焼き付き”と表記する。
現在、“焼き付き”現象の改善策として様々な手法が検討されている。以下、その幾つかを列記する。
特開2003−228329号公報 この文献には、表示パネルを構成する各画素に対する入力データを一定周期で画素毎に積算し、それらの最大値から各画素の積算値を減算して各画素についての補正量を設定する方法が開示されている。また、非使用状態において補正量の大きさに比例する時間だけ各画素を一定輝度で発光することで各画素の表示特性を揃える方法が開示されている。
しかし、既存の補正方法は、焼き付き現象の補正を実現するにあたり、画像を大きく変化させる必要があった。すなわち、結果的に著しく画質を低下させる可能性があった。
もっとも、画質への影響を考慮して補正量を微小に留めると、劣化量差の補正に膨大な時間を要したり、補正が間に合わずに補正自体が不可能になる可能性がある。
もっとも、画質への影響を考慮して補正量を微小に留めると、劣化量差の補正に膨大な時間を要したり、補正が間に合わずに補正自体が不可能になる可能性がある。
発明者らは、複数の自発光素子がマトリクス状に配置された自発光装置に生じた焼き付き現象の補正処理方法として、以下の技術手法を提案する。
すなわち、
(1)焼き付き補正前の表示信号に基づいて、階調値の度数分布を求める処理と、
(2)全画素数の一定割合に制限された階調範囲を、度数分布を用いて決定する処理と、
(3)焼き付き補正前の表示信号と階調範囲とを比較し、当該階調範囲に属する画素位置を検出する処理と、
(4)検出された画素位置に対してのみ、焼き付き現象の補正処理を実行する処理と
を有する技術手法を提案する。
すなわち、
(1)焼き付き補正前の表示信号に基づいて、階調値の度数分布を求める処理と、
(2)全画素数の一定割合に制限された階調範囲を、度数分布を用いて決定する処理と、
(3)焼き付き補正前の表示信号と階調範囲とを比較し、当該階調範囲に属する画素位置を検出する処理と、
(4)検出された画素位置に対してのみ、焼き付き現象の補正処理を実行する処理と
を有する技術手法を提案する。
なお、これら技術手法は、自発光装置そのものに適用できるだけでなく、出力装置に出力する画像信号を処理する各種の電子機器に対しても適用できる。また、これらの技術手法は、ハードウェアとして実現できる他、ソフトウェアとしても実現できる。勿論、処理の実行は、一部処理をハードウェアとして実行し、残る処理をソフトウェアとして実行することもできる。
因みに、自発光装置は、有機EL(エレクトロルミネッセンス)パネル、PDP(プラズマディスプレイパネル)、CRT(cathode ray tube)、FED(電界放出ディスプレイ)パネル、LEDパネル、プロジェクターを含む。
因みに、自発光装置は、有機EL(エレクトロルミネッセンス)パネル、PDP(プラズマディスプレイパネル)、CRT(cathode ray tube)、FED(電界放出ディスプレイ)パネル、LEDパネル、プロジェクターを含む。
この発明を適用すれば、焼き付き補正の対象画素を、全画素数のうち一定割合に制限できる。すなわち、補正の前後で階調変化が生じる画素数を、全画素の一部に限定できる。
このため、画像を表示させた状態で焼き付き補正を実行しても、補正による画質の低下が視認され難くできる。
このため、画像を表示させた状態で焼き付き補正を実行しても、補正による画質の低下が視認され難くできる。
以下、発明に係る技術手法を採用する焼き付き現象補正技術の実施形態例を説明する。
なお、本明細書で特に図示又は記載されない部分には、当該技術分野の周知又は公知技術を適用する。
また以下に説明する実施形態は、発明の一つの実施形態であって、これらに限定されるものではない。
なお、本明細書で特に図示又は記載されない部分には、当該技術分野の周知又は公知技術を適用する。
また以下に説明する実施形態は、発明の一つの実施形態であって、これらに限定されるものではない。
(A)用語
この明細書において、自発光表示パネルとは、フルカラー表示パネルをいう。なお、フルカラー化の方式は問わない。例えば、多色発光方式、カラーフィルタ方式、色変換方式等を使用する。
また、表示上の1画素は、複数の単色画素より構成されるものとする。従って、表示上の1画素の色は、複数の単色光の混色として与えられる。
各単色画素は、表示パネル上に交互に配置する。画素配列は問わない。例えば、デルタ配列、ストライプ配列その他を使用する。
カラー画像の再現には、光の三原色であるR(赤)、G(緑)、B(青)を使用し、必要に応じて補色も使用する。
図1に、以下の形態例で使用する表示上の1画素の構成例を示す。図1は、表示上の1画素を、R、G、Bの3色をストライプ配列で構成する場合を表している。
この明細書において、自発光表示パネルとは、フルカラー表示パネルをいう。なお、フルカラー化の方式は問わない。例えば、多色発光方式、カラーフィルタ方式、色変換方式等を使用する。
また、表示上の1画素は、複数の単色画素より構成されるものとする。従って、表示上の1画素の色は、複数の単色光の混色として与えられる。
各単色画素は、表示パネル上に交互に配置する。画素配列は問わない。例えば、デルタ配列、ストライプ配列その他を使用する。
カラー画像の再現には、光の三原色であるR(赤)、G(緑)、B(青)を使用し、必要に応じて補色も使用する。
図1に、以下の形態例で使用する表示上の1画素の構成例を示す。図1は、表示上の1画素を、R、G、Bの3色をストライプ配列で構成する場合を表している。
(B)焼き付き現象補正装置の形態例
(B−1)形態例1
(a)装置構成
図2に、焼き付き現象補正装置の一つの形態例を示す。以下、焼き付き現象補正装置を「補正装置」という。
この補正装置1は、階調度数分布算出部3、階調範囲決定部5、補正対象画素決定部7、劣化量差算出部9、累積劣化量差蓄積部11、劣化量差補正部13を主要な構成要素とする。
(B−1)形態例1
(a)装置構成
図2に、焼き付き現象補正装置の一つの形態例を示す。以下、焼き付き現象補正装置を「補正装置」という。
この補正装置1は、階調度数分布算出部3、階調範囲決定部5、補正対象画素決定部7、劣化量差算出部9、累積劣化量差蓄積部11、劣化量差補正部13を主要な構成要素とする。
階調度数分布算出部3は、焼き付き補正前の表示信号に基づいて、階調値の度数分布を求める処理デバイスである。
ここで、度数分布は、1フレーム毎に算出する。また、度数分布は、表示上の1画素を単位として算出する。従って、表示信号が色信号に対応して与えられる場合には、表示上の1画素を代表する階調値を算出する処理が前処理として実行される。
図3に、ある時点の入力表示信号について算出される度数分布の例を示す。
ここで、度数分布は、1フレーム毎に算出する。また、度数分布は、表示上の1画素を単位として算出する。従って、表示信号が色信号に対応して与えられる場合には、表示上の1画素を代表する階調値を算出する処理が前処理として実行される。
図3に、ある時点の入力表示信号について算出される度数分布の例を示す。
階調範囲決定部5は、全画素数の一定割合に制限された選択画素数を含む階調範囲を、度数分布を用いて決定する処理デバイスである。
ここでの選択画素数は、全画素数Aと、画質を考慮して任意に設定された制限割合α(%)とを用いて算出される。すなわち、選択画素数は、A×αで与えられる。なお、全画素数Aは、この形態例では保存値として予め与えられている。
一般に、制限割合αは、表示画面の特性(動画領域が多いか少ないか、画面全体が明るいか暗いか)や自発光表示パネルの特性に応じて経験的に決定された値を使用する。もっとも、使用者や制御システムが使用中に適宜調整できることが望ましい。
ここでの選択画素数は、全画素数Aと、画質を考慮して任意に設定された制限割合α(%)とを用いて算出される。すなわち、選択画素数は、A×αで与えられる。なお、全画素数Aは、この形態例では保存値として予め与えられている。
一般に、制限割合αは、表示画面の特性(動画領域が多いか少ないか、画面全体が明るいか暗いか)や自発光表示パネルの特性に応じて経験的に決定された値を使用する。もっとも、使用者や制御システムが使用中に適宜調整できることが望ましい。
階調範囲決定部5は、選択画素数個分の画素を含む階調範囲を度数分布から求める。階調範囲は、上限階調値と下限階調値とで与えられる。
この形態例の場合、度数分布の最高階調値を上限階調値とする。これは、フレーム内の階調劣化が大きくなる高輝度部分を補正対象とするためである。
一方、下限階調値は、上限階調値側から計数した画素数が、最初に選択画素数を超える階調値Xとして求める。
結果的に、実際の補正対象画素数は、選択画素数と同じか少し大きい数になる。
この形態例の場合、度数分布の最高階調値を上限階調値とする。これは、フレーム内の階調劣化が大きくなる高輝度部分を補正対象とするためである。
一方、下限階調値は、上限階調値側から計数した画素数が、最初に選択画素数を超える階調値Xとして求める。
結果的に、実際の補正対象画素数は、選択画素数と同じか少し大きい数になる。
補正対象画素決定部7は、焼き付き補正前の表示信号を階調範囲と照合し、当該階調範囲に属する画素位置を検出する処理デバイスである。
ここで、補正対象画素決定部7は、階調範囲の下限を与える下限階調値と入力表示信号とを比較する。
このとき、補正対象画素決定部7は、入力表示信号の階調値が下限階調値以上の画素を補正対象画素に決定する(図3に、網掛けで示す。)。一方、補正対象画素決定部7は、入力表示信号の階調値が下限階調値より小さい画素を非補正対象画素に決定する。
ここで、補正対象画素決定部7は、階調範囲の下限を与える下限階調値と入力表示信号とを比較する。
このとき、補正対象画素決定部7は、入力表示信号の階調値が下限階調値以上の画素を補正対象画素に決定する(図3に、網掛けで示す。)。一方、補正対象画素決定部7は、入力表示信号の階調値が下限階調値より小さい画素を非補正対象画素に決定する。
劣化量差算出部9は、補正処理後の表示信号に基づいて、比較対象画素に対する各画素の劣化量差を算出する処理デバイスである。補正処理後の表示信号(すなわち、実際の表示画像を形成する表示信号)を使用できるため、劣化量差の実値を正確に算出できる。この形態例の場合、劣化量差は色別に算出する。
劣化量差の算出方法には、前述した既存の技術を含む任意の手法を適用できる。本明細書で提案する技術は、劣化量差の算出方法の違いを問わず適用できるためである。
劣化量差の算出方法には、前述した既存の技術を含む任意の手法を適用できる。本明細書で提案する技術は、劣化量差の算出方法の違いを問わず適用できるためである。
例えば、表示信号を階調データとする場合には、以下の算出手法を適用できる。
(1)各画素の階調データ値と比較対象画素の階調データ値との差分を算出する手法
(2)階調データと劣化の進行度合いとの間に比例関係が成立しない場合、実測結果を反映した換算係数を用いて劣化量差を算出する手法
発明者らは、(2)に示す算出手法で使用する換算係数を、「劣化率」という概念で規定する。
(1)各画素の階調データ値と比較対象画素の階調データ値との差分を算出する手法
(2)階調データと劣化の進行度合いとの間に比例関係が成立しない場合、実測結果を反映した換算係数を用いて劣化量差を算出する手法
発明者らは、(2)に示す算出手法で使用する換算係数を、「劣化率」という概念で規定する。
発明者らは、「劣化率」を、ある階調データで自発光素子を継続的に発光させた場合における発光輝度の低下率として規定する。
図4に、階調データと劣化率との対応関係を示す変換テーブルの一例を示す。この場合、劣化量差は、各画素の劣化率と比較対象画素の劣化率との差として算出する手法もある。また、劣化量差は、劣化率Rに発光期間Tを乗算した値の差として算出することもできる。
図4に、階調データと劣化率との対応関係を示す変換テーブルの一例を示す。この場合、劣化量差は、各画素の劣化率と比較対象画素の劣化率との差として算出する手法もある。また、劣化量差は、劣化率Rに発光期間Tを乗算した値の差として算出することもできる。
ところで、劣化量差の算出に使用する比較対象画素の選択にも幾つかの方法が考えられる。通常、補正方法に応じて最適な画素を指定する。
例えば、最も輝度劣化の進んだ画素、最も輝度劣化の遅れた画素、画面中央の画素、固定表示に対応する画素その他を指定する。これらは、実在する画素である。
また例えば、平均輝度値を与える画素その他を指定する。これらは、仮想的に定める画素である。
例えば、最も輝度劣化の進んだ画素、最も輝度劣化の遅れた画素、画面中央の画素、固定表示に対応する画素その他を指定する。これらは、実在する画素である。
また例えば、平均輝度値を与える画素その他を指定する。これらは、仮想的に定める画素である。
累積劣化量差蓄積部11は、劣化量差算出部9から与えられる劣化量差を継続的に積算し、積算結果を保存するメモリである。ここで、比較対象画素に対して劣化が進んでいる画素の累積劣化量差は正値で表される。また、比較対象画素に対して劣化が遅れている画素の累積劣化量差は負値で表される。
劣化量差補正部13は、検出された画素位置に対してのみ、焼き付き現象の補正処理を実行する処理デバイスである。なお、補正後の階調データは、不図示の自発光表示パネルへ出力される。
劣化量差補正部13は、検出された画素位置に対してのみ、焼き付き現象の補正処理を実行する処理デバイスである。なお、補正後の階調データは、不図示の自発光表示パネルへ出力される。
図5に、劣化量差補正部13の内部構成例を示す。劣化量差補正部13は、補正量決定部13Aと補正実行部13Bを主要構成とする。
補正量決定部13Aは、各画素について算出された累積劣化量差を縮小させる補正量を決定する処理デバイスである。例えば、累積劣化量差が正値の場合、補正量決定部13Aは、負値の補正量を算出する。また例えば、累積劣化量差が負値の場合、補正量決定部13Aは、正値の補正量を算出する。
ここで、補正量の算出手法は任意である。本明細書で提案する技術は、補正処理の選択的な実行に特徴を有し、その算出手法は影響しないためである。
補正量決定部13Aは、各画素について算出された累積劣化量差を縮小させる補正量を決定する処理デバイスである。例えば、累積劣化量差が正値の場合、補正量決定部13Aは、負値の補正量を算出する。また例えば、累積劣化量差が負値の場合、補正量決定部13Aは、正値の補正量を算出する。
ここで、補正量の算出手法は任意である。本明細書で提案する技術は、補正処理の選択的な実行に特徴を有し、その算出手法は影響しないためである。
なお、この補正量決定部13Aは、処理対象とする画素位置と補正対象画素位置とを比較する機能を有し、両位置が一致する場合にのみ累積劣化量差に応じた補正量を算出する。因みに、補正量決定部13Aは、非補正対象画素に対する補正量を0(ゼロ)に設定する。
補正実行部13Bは、決定された補正量を入力表示信号に加算する処理デバイスである。すなわち、補正対象画素については、焼き付き現象が改善されるように入力表示信号が補正され、非補正対象画素については、入力表示信号がそのまま出力される。
補正実行部13Bは、決定された補正量を入力表示信号に加算する処理デバイスである。すなわち、補正対象画素については、焼き付き現象が改善されるように入力表示信号が補正され、非補正対象画素については、入力表示信号がそのまま出力される。
(b)補正処理動作
続いて、補正装置による一連の補正動作を説明する。
図6に、動作の全体像を示す。図6に示すように、補正装置は、補正対象画素を決定する処理(P1〜P2)と、各画素についての累積劣化量差を算出する処理(P3〜P4)とを並列的に実行する。すなわち、回数度数分布の算出処理(P1)及び補正対象画素の決定処理(P2)と、劣化量差の算出処理(P3)及び累積劣化量差の算出処理(P4)とを並列的に実行する。
続いて、補正装置による一連の補正動作を説明する。
図6に、動作の全体像を示す。図6に示すように、補正装置は、補正対象画素を決定する処理(P1〜P2)と、各画素についての累積劣化量差を算出する処理(P3〜P4)とを並列的に実行する。すなわち、回数度数分布の算出処理(P1)及び補正対象画素の決定処理(P2)と、劣化量差の算出処理(P3)及び累積劣化量差の算出処理(P4)とを並列的に実行する。
図7に、補正対象画素を決定する処理(P1〜P2)の詳細動作を示す。なお、P11〜P13の処理は、補正対象画素の決定処理に必要な前処理である。
まず、表示エリアを構成する全画素数Aの検出処理が実行される(P11)。この形態例の場合、全画素数Aは保存値であるので、所定の記憶領域から全画素数Aが読み出される。
次に、制限割合αの決定処理が実行される(P12)。制限割合αは、画質のみを考慮すると非常に小さい値となる。従って、一般には、ある程度の画質の低下は許容した値に決定される。
2つのパラメータが決定すると、目標とする補正画素数(すなわち、選択画素数)が算出される(P13)。
まず、表示エリアを構成する全画素数Aの検出処理が実行される(P11)。この形態例の場合、全画素数Aは保存値であるので、所定の記憶領域から全画素数Aが読み出される。
次に、制限割合αの決定処理が実行される(P12)。制限割合αは、画質のみを考慮すると非常に小さい値となる。従って、一般には、ある程度の画質の低下は許容した値に決定される。
2つのパラメータが決定すると、目標とする補正画素数(すなわち、選択画素数)が算出される(P13)。
以上の処理により選択画素数が決定されると、階調度数分布算出部3は、1フレーム毎に入力表示信号の階調値の度数分布を算出する(P14)。度数分布が求まると、階調範囲決定部5は、上限階調値から順に各階調値の度数を積算し、最初に選択画素数を超える階調値を下限階調値に決定する(P15)。
この後、補正対象画素決定部7は、入力表示信号の階調値と下限階調値とを比較し、階調値が下限階調値以上の画素を補正対象画素として決定する(P15)。
一方、劣化量差算出部9は、補正処理後の表示信号に基づいて各画素と比較対象画素との間に生じる劣化量差を算出する(P3)。また、累積劣化量差蓄積部11は、画素毎に累積劣化量を積算し、ある時点における累積劣化量差を算出する(P4)。
この後、補正対象画素決定部7は、入力表示信号の階調値と下限階調値とを比較し、階調値が下限階調値以上の画素を補正対象画素として決定する(P15)。
一方、劣化量差算出部9は、補正処理後の表示信号に基づいて各画素と比較対象画素との間に生じる劣化量差を算出する(P3)。また、累積劣化量差蓄積部11は、画素毎に累積劣化量を積算し、ある時点における累積劣化量差を算出する(P4)。
これらの処理を待って、補正対象画素決定部7は、処理対象とする画素が補正対象画素か否かを判定する(P5)。
ここで、肯定結果が得られた場合、劣化量差補正部13は、累積劣化量差に応じて決定された補正量を入力表示信号に加算する(P6、P7)。すなわち、入力表示信号の階調値を変更する。
一方、否定結果が得られた場合、劣化量差補正部13は、補正量をゼロに決定し、その値を入力表示信号に加算する(P7、P8)。すなわち、入力表示信号を無変更のまま出力する。
これらの処理がフレーム毎、繰り返し実行される。
ここで、肯定結果が得られた場合、劣化量差補正部13は、累積劣化量差に応じて決定された補正量を入力表示信号に加算する(P6、P7)。すなわち、入力表示信号の階調値を変更する。
一方、否定結果が得られた場合、劣化量差補正部13は、補正量をゼロに決定し、その値を入力表示信号に加算する(P7、P8)。すなわち、入力表示信号を無変更のまま出力する。
これらの処理がフレーム毎、繰り返し実行される。
(c)形態例の効果
この補正方法を用いれば、各画像の度数分布の違いに関わらず、全画素のうち一定割合の画素についてのみ、焼き付き現象の補正処理を実行できる。
図8に、低階調側に多くの階調が出現する画像の度数分布例を示す。また、図9に、高階調側に多くの階調が出現する画像の度数分布例を示す。
いずれも、高階調側からA×α個分が補正対象画素(図中、網掛けで示す。)として選択する場合に対応する。図に示すように、度数分布の形状に応じて下限階調値の位置は移動されるが、補正対象画素は高階調側の一定割合に限定されている。
以上のように、この補正方法を用いれば、画質の低下を伴い易い補正処理の実行画素を全画素の一部に限定できる。よって、画面全体としての画質を、従来技術に比して大きく改善できる。
この補正方法を用いれば、各画像の度数分布の違いに関わらず、全画素のうち一定割合の画素についてのみ、焼き付き現象の補正処理を実行できる。
図8に、低階調側に多くの階調が出現する画像の度数分布例を示す。また、図9に、高階調側に多くの階調が出現する画像の度数分布例を示す。
いずれも、高階調側からA×α個分が補正対象画素(図中、網掛けで示す。)として選択する場合に対応する。図に示すように、度数分布の形状に応じて下限階調値の位置は移動されるが、補正対象画素は高階調側の一定割合に限定されている。
以上のように、この補正方法を用いれば、画質の低下を伴い易い補正処理の実行画素を全画素の一部に限定できる。よって、画面全体としての画質を、従来技術に比して大きく改善できる。
また、この補正方法は、発光階調(輝度)が高い画素、すなわち比較的早く劣化が進む画素を抽出し、当該画素に対してのみ焼き付き補正処理を実行できる。従って、画素全体で劣化量差が広がっていく状態を抑制することができる。このことは、自発光表示パネルの全体としての寿命を改善するのにも効果的である。
また、この補正方法は、一部の画素ではあるが、画像を表示させた状態のまま焼き付き補正処理が継続的に実行されるため、大きな階調変換を伴う補正動作が必要になる画素数を潜在的に低減できる。また同時に、大きな階調変換を伴う補正動作の回数自体も潜在的に低減できる。このことは、画質を改善する上でも効果的である。
また、この補正方法は、一部の画素ではあるが、画像を表示させた状態のまま焼き付き補正処理が継続的に実行されるため、大きな階調変換を伴う補正動作が必要になる画素数を潜在的に低減できる。また同時に、大きな階調変換を伴う補正動作の回数自体も潜在的に低減できる。このことは、画質を改善する上でも効果的である。
(B−2)形態例2
形態例1では、図5に示す内部構成を有する劣化量差補正部13を用いる場合について説明した。しかし、劣化量差補正部は、他の構成によっても実現できる。
図10に、劣化量差補正部の他の構成例を示す。この劣化量差補正部131も、補正量決定部131Aと補正実行部131Bを主要構成とする。
ただし、この形態例の場合、補正量決定部131Aは、処理対象とする画素位置の判定機能は搭載せず、各画素について算出された累積劣化量差を縮小させる補正量を決定する処理のみを実行する。補正量の算出に関する内容は、形態例1と同じであるため説明を省略する。
形態例1では、図5に示す内部構成を有する劣化量差補正部13を用いる場合について説明した。しかし、劣化量差補正部は、他の構成によっても実現できる。
図10に、劣化量差補正部の他の構成例を示す。この劣化量差補正部131も、補正量決定部131Aと補正実行部131Bを主要構成とする。
ただし、この形態例の場合、補正量決定部131Aは、処理対象とする画素位置の判定機能は搭載せず、各画素について算出された累積劣化量差を縮小させる補正量を決定する処理のみを実行する。補正量の算出に関する内容は、形態例1と同じであるため説明を省略する。
この形態例では、補正実行部131Bに、処理対象とする画素位置の判定機能を搭載し、補正対象画素についてのみ補正処理を実行し、非補正対象画素については補正処理を停止する処理を実行する。
図11に、劣化量差補正部131を使用する補正装置の補正手順を示す。なお、図11には、図6との対応部分に同一符号を付して表している。
図11に示すように、この補正装置では、累積劣化量差の算出後(P4)、累積劣化量差に応じた補正量の決定処理が全画素について実行される(P21)。
図11に、劣化量差補正部131を使用する補正装置の補正手順を示す。なお、図11には、図6との対応部分に同一符号を付して表している。
図11に示すように、この補正装置では、累積劣化量差の算出後(P4)、累積劣化量差に応じた補正量の決定処理が全画素について実行される(P21)。
そして、補正実行部131Bにおける画素位置の判定の結果、処理対象画素が補正対象画素と判定された場合(P5で肯定結果が得られた場合)についてのみ、与えられた補正量が入力表示信号に加算される(P22)。
これに対し、補正実行部131Bにおける画素位置の判定の結果、処理対象画素が非補正対象画素と判定された場合(P5で否定結果が得られた場合)には、与えられた補正量を使用せず、入力表示信号をそのまま後段回路へ出力する。すなわち、入力表示信号を無変更のまま出力する。これらの処理がフレーム毎に繰り返し実行される。
以上説明した補正方法を採用しても、形態例1と同様の効果を実現することができる。
これに対し、補正実行部131Bにおける画素位置の判定の結果、処理対象画素が非補正対象画素と判定された場合(P5で否定結果が得られた場合)には、与えられた補正量を使用せず、入力表示信号をそのまま後段回路へ出力する。すなわち、入力表示信号を無変更のまま出力する。これらの処理がフレーム毎に繰り返し実行される。
以上説明した補正方法を採用しても、形態例1と同様の効果を実現することができる。
(B−3)形態例3
形態例1では、補正対象画素位置を劣化量差補正部13に与える場合について説明した。しかし、補正対象画素位置は、劣化量差補正部の内部で発生する仕組みを採用することもできる。
図12に、この種の手法を採用する補正装置21の構成例を示す。図12には、図2との対応部分に同一符号を付して示している。図12に示すように、補正装置21では、階調範囲決定部5で決定された下限階調値が劣化量差補正部133に与えられる構成を採る。
形態例1では、補正対象画素位置を劣化量差補正部13に与える場合について説明した。しかし、補正対象画素位置は、劣化量差補正部の内部で発生する仕組みを採用することもできる。
図12に、この種の手法を採用する補正装置21の構成例を示す。図12には、図2との対応部分に同一符号を付して示している。図12に示すように、補正装置21では、階調範囲決定部5で決定された下限階調値が劣化量差補正部133に与えられる構成を採る。
図13に、劣化量差補正部133の内部構成例を示す。図13には、図5と対応する部分に同一符号を付して示す。
この劣化量差補正部133は、補正量決定部13Aと、補正実行部13Bと、補正対象画素決定部7を主要構成とする。すなわち、補正対象画素決定部7を劣化量差補正部133に内蔵した点を除いて形態例1と同じである。
この劣化量差補正装置133の場合、処理対象画素が補正対象画素か否かに応じて、累積劣化量差に応じて補正量を算出する動作と、補正量を0(ゼロ)に設定する動作とが選択的に実行される。
この劣化量差補正部133は、補正量決定部13Aと、補正実行部13Bと、補正対象画素決定部7を主要構成とする。すなわち、補正対象画素決定部7を劣化量差補正部133に内蔵した点を除いて形態例1と同じである。
この劣化量差補正装置133の場合、処理対象画素が補正対象画素か否かに応じて、累積劣化量差に応じて補正量を算出する動作と、補正量を0(ゼロ)に設定する動作とが選択的に実行される。
なお、この構成は、形態例2に対しても応用できる。すなわち、図14に示すように、処理対象画素が補正対象画素か否かに応じて、算出された補正量による補正動作の実行と停止を選択的に実行する劣化量差補正部135に対しても適用できる。図14には、図10との対応部分に同一符号を付して表している。
この劣化量差補正部135は、補正量決定部131Aと、補正実行部131Bと、補正対象画素決定部7とで構成すれば良い。
この劣化量差補正部135は、補正量決定部131Aと、補正実行部131Bと、補正対象画素決定部7とで構成すれば良い。
(B−4)形態例4
形態例2では、階調値の度数分布を用い、全画素のうち一定割合の画素を補正対象画素に決定する場合について説明した。しかし、焼き付き現象が視認されるほど累積劣化量差が大きくなった画素を補正対象画素に加えることもできる。このような手法を採用しても、全画素に占める補正対象画素を一定の割合に留めることができる。
図15に、この判定機能を有する劣化量差補正部137の構成例を示す。なお、図15は、図10との対応部分に同一符号を付して表している。
形態例2では、階調値の度数分布を用い、全画素のうち一定割合の画素を補正対象画素に決定する場合について説明した。しかし、焼き付き現象が視認されるほど累積劣化量差が大きくなった画素を補正対象画素に加えることもできる。このような手法を採用しても、全画素に占める補正対象画素を一定の割合に留めることができる。
図15に、この判定機能を有する劣化量差補正部137の構成例を示す。なお、図15は、図10との対応部分に同一符号を付して表している。
この劣化量差補正部137は、補正量決定部131Aと、補正実行部131B1と、補正対象画素決定部137Aとで構成される。
補正対象画素決定部137Aは、累積劣化量差としきい値とを比較し、累積劣化量差がしきい値より大きい画素を、補正対象画素位置2として補正実行部131B1に与える処理デバイスである。ここでのしきい値は、焼き付き現象が視認される境界値として事前に設定された値を使用する。もっとも、画像の表示中に設定を変更できる仕組みを搭載しても良い。
補正対象画素決定部137Aは、累積劣化量差としきい値とを比較し、累積劣化量差がしきい値より大きい画素を、補正対象画素位置2として補正実行部131B1に与える処理デバイスである。ここでのしきい値は、焼き付き現象が視認される境界値として事前に設定された値を使用する。もっとも、画像の表示中に設定を変更できる仕組みを搭載しても良い。
補正実行部131B1は、階調値の度数分布から決定された補正対象画素位置1と累積劣化量差の観点から決定された補正対象画素位置2のいずれか一方が又はその両方が、補正対象画素を示す場合に、補正量決定部131Aで決定された補正量を入力表示信号に加算する処理デバイスである。
この形態例を用いれば、少なくとも焼き付き現象が視認されるまでに累積劣化量差が大きくなった画素に対しては、それ以上に焼き付き現象が進まないように選択的に補正処理を加えることが可能になる。
勿論、このような画素は全体の一部であるため、補正動作中の画質の著しい低下を回避でき、画面全体の画質を一定水準に保つことができる。
この形態例を用いれば、少なくとも焼き付き現象が視認されるまでに累積劣化量差が大きくなった画素に対しては、それ以上に焼き付き現象が進まないように選択的に補正処理を加えることが可能になる。
勿論、このような画素は全体の一部であるため、補正動作中の画質の著しい低下を回避でき、画面全体の画質を一定水準に保つことができる。
(B−5)形態例5
図16に、補正装置の他の形態例を示す。なお、図16には、図2との対応部分に同一符号を付して示す。補正装置31の基本的な構成及び処理動作は、形態例1の場合と同様である。
違いは、この補正装置31の場合、階調値の度数分布を求めるのに使用する補正前表示信号1と、補正対象とする補正前表示信号2とが異なる点である。もっとも、表示信号が異なるだけで、形態例1と同様の効果を実現することができる。
なお、補正前表示信号1を階調データ、補正前表示信号2を自発光素子に印加される駆動電流とすることができる。また、補正前表示信号2を自発光素子のアノード・カソード間に印加される駆動電圧値としても良い。
図16に、補正装置の他の形態例を示す。なお、図16には、図2との対応部分に同一符号を付して示す。補正装置31の基本的な構成及び処理動作は、形態例1の場合と同様である。
違いは、この補正装置31の場合、階調値の度数分布を求めるのに使用する補正前表示信号1と、補正対象とする補正前表示信号2とが異なる点である。もっとも、表示信号が異なるだけで、形態例1と同様の効果を実現することができる。
なお、補正前表示信号1を階調データ、補正前表示信号2を自発光素子に印加される駆動電流とすることができる。また、補正前表示信号2を自発光素子のアノード・カソード間に印加される駆動電圧値としても良い。
(C)自発光装置への搭載例
図17に、焼き付き現象補正装置の自発光装置への搭載例を示す。
自発光装置41は、筐体43に焼き付き現象補正装置45と表示デバイス47を搭載する。
ここで、焼き付き現象補正装置45は、前述した形態例のいずれかに対応する。焼き付き現象補正装置45は、外部端子又は内部で発生された映像信号を入力し、補正対象画素と基準画素との間に劣化量差が発生しないように入力信号の補正動作を実行する。
図17に、焼き付き現象補正装置の自発光装置への搭載例を示す。
自発光装置41は、筐体43に焼き付き現象補正装置45と表示デバイス47を搭載する。
ここで、焼き付き現象補正装置45は、前述した形態例のいずれかに対応する。焼き付き現象補正装置45は、外部端子又は内部で発生された映像信号を入力し、補正対象画素と基準画素との間に劣化量差が発生しないように入力信号の補正動作を実行する。
また、表示デバイス47は、表示デバイスとその駆動回路とで構成されるものとする。表示デバイスには、有機EL(エレクトロルミネッセンス)パネル、PDP(プラズマディスプレイパネル)、FED(電界放出ディスプレイ)パネル、LEDパネル、CRTが用いられる。
図17の場合、自発光装置41に、焼き付き現象の補正専用の処理デバイスである焼き付き現象補正装置45が搭載されているものとして表しているが、当該機能がソフトウェア的に全て実行される場合には、これらの機能は自発光装置に搭載されたコンピュータにより実現される。
図17の場合、自発光装置41に、焼き付き現象の補正専用の処理デバイスである焼き付き現象補正装置45が搭載されているものとして表しているが、当該機能がソフトウェア的に全て実行される場合には、これらの機能は自発光装置に搭載されたコンピュータにより実現される。
(D)画像処理装置への搭載例
図18に、焼き付き補正装置51を搭載する画像処理装置53のシステム例を示す。画像処理装置53は、自発光型の表示装置55と有線路又は無線路を経由して接続されている。
このシステム例の場合、画像処理装置53の筐体内で焼き付き補正処理が実行される。すなわち、表示装置55に出力される画像信号は、出力インターフェースとの間に配置された焼き付き補正回路51に入力され、前述した焼き付き補正処理が実行される。
この種の画像処理装置53には、例えば、ビデオカメラ、デジタルカメラその他の撮像装置(カメラユニットだけでなく、記録装置と一体に構成されているものを含む。)、コンピュータ(サーバーを含む。)、各種の情報処理端末(携帯型のコンピュータ、携帯電話機、携帯型のゲーム機、電子手帳等)、各種画像の再生装置(ホームサーバーを含む。)、画像編集装置、ゲーム機の適用が可能である。
図18に、焼き付き補正装置51を搭載する画像処理装置53のシステム例を示す。画像処理装置53は、自発光型の表示装置55と有線路又は無線路を経由して接続されている。
このシステム例の場合、画像処理装置53の筐体内で焼き付き補正処理が実行される。すなわち、表示装置55に出力される画像信号は、出力インターフェースとの間に配置された焼き付き補正回路51に入力され、前述した焼き付き補正処理が実行される。
この種の画像処理装置53には、例えば、ビデオカメラ、デジタルカメラその他の撮像装置(カメラユニットだけでなく、記録装置と一体に構成されているものを含む。)、コンピュータ(サーバーを含む。)、各種の情報処理端末(携帯型のコンピュータ、携帯電話機、携帯型のゲーム機、電子手帳等)、各種画像の再生装置(ホームサーバーを含む。)、画像編集装置、ゲーム機の適用が可能である。
(E)他の形態例
(a)前述の形態例においては、階調値の度数分布に基づく補正範囲を高階調側から選択画素数分の画素とする場合について説明した。すなわち、階調範囲の上限階調値を各フレームに現れる階調値の最大値とする場合について説明した。
しかし、補正対象とする階調範囲の決定方法は、これに限らない。例えば各フレームに現れる階調値の最大値から一定個数又は一定割合を除いた値を上限階調値に定め、当該上限階調値から選択画素数分の画素を数えて下限階調値を決定しても良い。
(a)前述の形態例においては、階調値の度数分布に基づく補正範囲を高階調側から選択画素数分の画素とする場合について説明した。すなわち、階調範囲の上限階調値を各フレームに現れる階調値の最大値とする場合について説明した。
しかし、補正対象とする階調範囲の決定方法は、これに限らない。例えば各フレームに現れる階調値の最大値から一定個数又は一定割合を除いた値を上限階調値に定め、当該上限階調値から選択画素数分の画素を数えて下限階調値を決定しても良い。
(b)前述の形態例においては、全画素数Aが保存値として与えられる場合について説明した。しかし、全画素数Aは、入力表示信号から直接数えても良い。
(c)前述の形態例においては、補正対象とする表示信号に補正量を加減算する場合について説明した。しかし、表示信号は、他の手法を用いて補正しても良い。例えば、表示信号に補正量を乗算して表示信号の絶対値を増減する手法を採用しても良い。
(d)前述の形態例においては、表示領域の全体を処理範囲として、補正対象画素を決定する場合について説明した。
しかし、表示領域を複数のブロックエリアに分割し、各ブロックエリアについて、前述した補正技術を適用しても良い。
(c)前述の形態例においては、補正対象とする表示信号に補正量を加減算する場合について説明した。しかし、表示信号は、他の手法を用いて補正しても良い。例えば、表示信号に補正量を乗算して表示信号の絶対値を増減する手法を採用しても良い。
(d)前述の形態例においては、表示領域の全体を処理範囲として、補正対象画素を決定する場合について説明した。
しかし、表示領域を複数のブロックエリアに分割し、各ブロックエリアについて、前述した補正技術を適用しても良い。
(e)前述の形態例では、焼き付き現象補正装置の機能構成を説明したが、言うまでもなく、同等の機能をハードウェアとして実現することも、ソフトウェアとして実現することも可能である。
また、焼き付き現象補正装置を構成する各機能の全部をハードウェア又はソフトウェアで実現するだけでなく、その一部の機能はハードウェア又はソフトウェアを用いて実現することもできる。すなわち、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせ構成としても良い。
(f)前述の形態例には、発明の趣旨の範囲内で様々な変形例が考えられる。また、本明細書の記載に基づいて創作される各種の変形例及び応用例も考えられる。
また、焼き付き現象補正装置を構成する各機能の全部をハードウェア又はソフトウェアで実現するだけでなく、その一部の機能はハードウェア又はソフトウェアを用いて実現することもできる。すなわち、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせ構成としても良い。
(f)前述の形態例には、発明の趣旨の範囲内で様々な変形例が考えられる。また、本明細書の記載に基づいて創作される各種の変形例及び応用例も考えられる。
1、21、31、45、51 焼き付き現象補正装置
3 階調度数分布算出部
5 階調範囲決定部
7 補正対象画素決定部
9 劣化量差算出部
11 累積劣化量差蓄積部
13、131、133、135、137 劣化量差補正部
13A、131A 補正量決定部
13B、131B、131B1 補正実行部
137A 補正対象画素決定部
3 階調度数分布算出部
5 階調範囲決定部
7 補正対象画素決定部
9 劣化量差算出部
11 累積劣化量差蓄積部
13、131、133、135、137 劣化量差補正部
13A、131A 補正量決定部
13B、131B、131B1 補正実行部
137A 補正対象画素決定部
Claims (10)
- 複数の自発光素子がマトリクス状に配置された自発光装置の焼き付き現象を補正する方法であって、
焼き付き補正前の表示信号に基づいて、階調値の度数分布を求める処理と、
全画素数の一定割合に制限された階調範囲を、前記度数分布を用いて決定する処理と、
焼き付き補正前の表示信号と前記階調範囲とを比較し、当該階調範囲に属する画素位置を検出する処理と、
検出された画素位置に対してのみ、焼き付き現象の補正処理を実行する処理と
を有することを特徴とする焼き付き現象補正方法。 - 請求項1に記載の焼き付き現象補正方法において、
前記階調範囲は、表示信号に含まれる最高階調値を上限階調値とし、当該上限階調値から計数した画素数が、全画素数の一定割合を最初に超える階調値を下限階調値として規定される
ことを特徴とする焼き付き現象補正方法。 - 請求項1に記載の焼き付き現象補正方法は、
前記階調範囲に属する画素位置に対してのみ、当該画素と比較対象画素との間に発生した累積劣化量差に応じて補正量を算出し、
その他の画素位置については入力表示信号をそのまま出力する
ことを特徴とする焼き付き現象補正方法。 - 請求項1に記載の焼き付き現象補正方法は、
各画素と比較対象画素との間に発生した累積劣化量差に応じた補正量の算出後、
階調範囲に属する画素位置に対してのみ前記補正量による補正処理の実行を許可する
ことを特徴とする焼き付き現象補正方法。 - 請求項1に記載の焼き付き現象補正方法において、
前記階調値の度数分布を求める表示信号と、焼き付き現象の補正対象とする表示信号とが異なる信号である
ことを特徴とする焼き付き現象補正方法。 - 請求項1に記載の焼き付き現象補正方法において、
前記階調値の度数分布を求める表示信号と、焼き付き現象の補正対象とする表示信号とが同じ信号である
ことを特徴とする焼き付き現象補正方法。 - 請求項1に記載の焼き付き現象補正方法において、
表示領域を複数のブロックエリア別に領域化し、ブロックエリア別に前記一連の処理を実行する
ことを特徴とする焼き付き現象補正方法。 - 複数の自発光素子がマトリクス状に配置された自発光装置であって、
焼き付き補正前の表示信号に基づいて、階調値の度数分布を求める階調度数分布算出部と、
全画素数の一定割合に制限された階調範囲を、前記度数分布を用いて決定する階調範囲決定部と、
焼き付き補正前の表示信号と前記階調範囲とを比較し、当該階調範囲に属する画素位置を検出する補正対象画素決定部と、
検出された画素位置に対してのみ、焼き付き現象の補正処理を実行する劣化量差補正部と
を有することを特徴とする自発光装置。 - 複数の自発光素子がマトリクス状に配置された自発光装置の焼き付き現象を補正する焼き付き現象補正装置であって、
焼き付き補正前の表示信号に基づいて、階調値の度数分布を求める階調度数分布算出部と、
全画素数の一定割合に制限された階調範囲を、前記度数分布を用いて決定する階調範囲決定部と、
焼き付き補正前の表示信号と前記階調範囲とを比較し、当該階調範囲に属する画素位置を検出する補正対象画素決定部と、
検出された画素位置に対してのみ、焼き付き現象の補正処理を実行する劣化量差補正部と
を有することを特徴とする焼き付き現象補正装置。 - 焼き付き補正前の表示信号に基づいて、階調値の度数分布を求める処理と、
全画素数の一定割合に制限された階調範囲を、前記度数分布を用いて決定する処理と、
焼き付き補正前の表示信号と前記階調範囲とを比較し、当該階調範囲に属する画素位置を検出する処理と、
検出された画素位置に対してのみ、焼き付き現象の補正処理を実行する処理と
をコンピュータに実行させることにより、複数の自発光素子がマトリクス状に配置された自発光装置の焼き付き現象を補正することを特徴とするプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005085934A JP2006267590A (ja) | 2005-03-24 | 2005-03-24 | 焼き付き現象補正方法、自発光装置、焼き付き現象補正装置及びプログラム |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2006267590A true JP2006267590A (ja) | 2006-10-05 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011137966A (ja) * | 2009-12-28 | 2011-07-14 | Seiko Epson Corp | プロジェクターおよび画像調整方法 |
WO2018139054A1 (ja) * | 2017-01-27 | 2018-08-02 | 富士通株式会社 | 画像処理装置、画像処理プログラム、及び画像処理方法 |
-
2005
- 2005-03-24 JP JP2005085934A patent/JP2006267590A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2018139054A1 (ja) * | 2017-01-27 | 2018-08-02 | 富士通株式会社 | 画像処理装置、画像処理プログラム、及び画像処理方法 |
JP2018120148A (ja) * | 2017-01-27 | 2018-08-02 | 富士通株式会社 | 画像処理装置、画像処理プログラム、及び画像処理方法 |
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