JP2006267271A - 画像表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】特定の蛍光増白剤ならびに紫外線吸収層を設けることにより、紫外線の照射により二色性色素の性能が劣化してしまうのを防止し、従来より表示性能の高い、画像表示装置が得る。
【解決手段】支持体1上に、電極層2と、ゲストホスト方式液晶層5と、200nm以上410nm以下の光を90%以上吸収する蛍光増白剤を含む層15と、を有することを特徴とする画像表示装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、ゲストホスト方式液晶層を有する画像表示装置に関し、特に、特定の蛍光増白剤を含有する紫外線吸収層とゲストホスト方式液晶層とを有する画像表示装置に関する。
デジタル情報の普及に伴い、デジタル情報を表示するためのディスプレイ(以下、電子ペーパーと呼ぶ)の重要性が増している。電子ペーパーに要求される性能としては、高い視認性と低消費電力が挙げられる。高い視認性とは、紙に近い白地のことを意味しており、紙と同様の散乱白地に基づく表示方式が適している。一方、消費電力は、反射型表示方式が、自発光型表示方式よりも低消費である。
これまで、電子ペーパーとして、多くの方式が提案されている。例えば、反射型液晶表示方式、電気泳動表示方式、磁気泳動表示方式、二色球回転方式、エレクトロクロミック表示方式、ロイコサーマル表示方式などである。いずれの方式についても、高い視認性という観点からは、満足できるレベルにはなく、その改善が求められていた。
一方、液晶素子(液晶表示素子)については、すでに多くの方式が提案されており、中でもゲストホスト方式の液晶素子は、明るい表示が可能であって、反射型に適した液晶素子として期待されている。ゲストホスト方式の液晶素子では、ネマチック液晶中に二色性色素を溶解させた液晶組成物をセル中に封入し、これに電場を与え、電場による液晶の動きに合わせて、二色性色素の配向を変化させ、セルの吸光状態を変化させることによって表示する方式である。このゲストホスト方式の液晶素子では、従来の液晶表示方式と比較して、偏光板を用いない駆動方式が可能であるため、より明るい表示が期待されている。
しかしながら、従来のゲストホスト方式では、使用時における紫外線の照射により表示性能が劣化するという課題があった。このような状況で、ゲストホスト液晶方式層と蛍光増白剤を含む紫外線吸収層を組み合わせて用いる方式が提案されているが(例えば、特許文献1参照。)、従来の方法では依然として不十分な場合があった。
また、410nm以下の光を90%以上吸収する蛍光増白剤について、ベンゾオキサゾール誘導体を塗料として用いることが開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平5−173114号公報 特開2002−80788号公報
かかる状況下、発明者が検討したところ、表示性能の高い電子ペーパーを実現するためには、ゲストホスト方式液晶層を作製する必要があるが、紫外線の照射により二色性色素の性能が劣化してしまうという問題があることが分かった。本発明は上記課題を解決することを目的としたものであって、二色性色素の性能が劣化せず表示性能の高い、画像表示装置を提供するものである。
上記状況のもと、発明者が鋭意検討した結果、驚くべきことに、下記手段を採用することにより、本発明の課題を解決しうることを見出した。
<1> 支持体上に、電極層と、ゲストホスト方式液晶層と、200nm以上410nm以下の光を90%以上吸収する蛍光増白剤を含む少なくとも一層の紫外線吸収層と、を有することを特徴とする画像表示装置。
<2> 前記蛍光増白剤を含む層が、更に紫外線吸収剤を含むことを特徴とする前記<1>に記載の画像表示装置。
<3> 前記ゲストホスト方式液晶層が、下記一般式(1)で表される置換基を有する二色性色素を含むことを特徴とする前記<1>又は<2>に記載の画像表示装置。
一般式(1): −(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1
一般式(1)中、Hetは酸素原子又は硫黄原子であり、B1及びB2は、各々独立に、アリーレン基、ヘテロアリーレン基又は2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、Q1は2価の連結基を表し、C1はアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基を表し、jは0又は1を表し、p、q及びrはそれぞれ0〜5の整数を表し、nは1〜3の整数を表し、(p+r)×nは3〜10の整数であり、p、q及びrがそれぞれ2以上の時、2以上のB1、Q1及びB2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2以上の時、2以上の{(B1p−(Q1q−(B2r}は、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。
<4> 前記二色性色素の少なくとも1種が、下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする前記<1>〜<3>に記載の画像表示装置。
Figure 2006267271
式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の少なくとも一つは、−(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1であり、他は各々独立に水素原子又は置換基である。Hetは酸素原子又は硫黄原子であり、B1及びB2は、各々独立に、アリーレン基、ヘテロアリーレン基又は2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、Q1は2価の連結基を表し、C1はアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基を表し、jは0又は1を表し、p、q及びrは、各々独立に0〜5の整数を表し、nは1〜3の整数を表し、B1とB2の個数の和が3〜10の整数を表し、p、q及びrがそれぞれ2以上の時、2以上のB1、Q1及びB2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2以上の時、2以上の{(B1p−(Q1q−(B2r}は同一でも異なっていてもよい。
<5> 前記二色性色素の少なくとも1種が、下記一般式(3)で表される化合物であることを特徴とする前記<1>〜<4>のいずれか1項に記載の画像表示装置。
Figure 2006267271
式中、R11、R12、R13、R14、R15、R16及びR17の少なくとも一つは、−(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1であり、他は各々独立に水素原子又は置換基である。Hetは酸素原子又は硫黄原子であり、B1及びB2は各々独立にアリーレン基、ヘテロアリーレン基又は2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、Q1は2価の連結基を表し、C1はアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基を表し、jは0又は1を表し、p、q及びrは、各々独立に0〜5の整数を表し、nは1〜3の整数を表し、B1とB2の個数の和が3〜10の整数であり、p、q及びrがそれぞれ2以上の時、2以上のB1、Q1及びB2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2以上の時、2以上の{(B1p−(Q1q−(B2r}は同一でも異なっていてもよい。
<6> 前記ゲストホスト方式液晶層が、カイラルネマチック相であることを特徴とする前記<1>〜<5>のいずれか1項に記載の画像表示装置。
<7> 前記ゲストホスト方式液晶層が、二周波駆動液晶であることを特徴とする前記<1>〜<6>のいずれか1項に記載の画像表示装置。
<8> 前記蛍光増白剤が、ベンゾオキサゾール誘導体であることを特徴とする前記<1>〜<7>のいずれか1項に記載の画像表示装置。
<9> 前記ベンゾオキサゾール誘導体が、下記一般式(4)で表されることを特徴とする前記<1>〜<8>のいずれか1項に記載の画像表示装置。
Figure 2006267271
一般式(4)中、R21及びR24は、各々独立に、水素原子、アルキル基又はアルキコキシ基を表し、R22及びR23は、各々独立に、アルキル基を表す。Aは置換アリール基又はエテニル基を表す。
本発明では、特定の蛍光増白剤ならびに紫外線吸収層を設けることにより、紫外線の照射により二色性色素の性能が劣化してしまうのを防止することが可能となった。この結果、従来より表示性能の高い、画像表示装置が得られた。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本発明の画像表示装置は、支持体上に、電極層と、ゲストホスト方式液晶層と、200nm以上410nm以下の光を90%以上吸収する蛍光増白剤を含む少なくとも一層の紫外線吸収層と、を有することを特徴とする。
以下、本発明の画像表示装置の構成について、詳細に説明する。
(支持体)
本発明に用いられる支持体としては、プラスチック基板、ガラス基板、紙、金属基板などが用いられるが、好ましくはプラスチック基板である。
プラスチック基板としては、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、シンジオタクチックポリスチレンン(SPS)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PAr)、ポリスルホン(PSF)、ポリエステルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、環状ポリオレフィン、ポリイミド(PI)などが挙げられる。好ましくは、ポリエチレンテレフタレート(PET)である。
前記プラスチック基板としては、熱膨張係数が30ppm/℃以下のものが好ましい。このようなプラスチック基板を用いることにより、使用する環境における温度変化に対する表示性能の変動が小さくできるという効果がより顕著となる。ここでいう熱膨張係数は、TMA8310(理学電気株式会社製、Thermo Plusシリーズ)にて測定した値である。
このような要件を満たすプラスチック基板として、例えば、PET(東レルミラー、15ppm/℃)、PEN(DuPont−Teijin Q65A 20ppm/℃)、PI(宇部興産ユーピレックス、20ppm/℃)、アラミド樹脂(帝人、2ppm/℃)などが挙げられる。
また、以下に挙げる様なガラス転移温度(Tg)を有する樹脂に、ゾルゲル法、ガラスクロス、ガラスファイバー等の無機物を添加して、30ppm/℃以下の熱膨張係数を達成しても良い。
好ましい例としては(括弧内の温度はTgを示す。)、ポリカーボネート樹脂(例えば、出光興産社製、タフロン、PC:140℃)、脂環式ポリオレフィン樹脂(例えば日本ゼオン(株)製 ゼオノア1600:160℃、JSR(株)製 アートン:170℃)、ポリアリレート樹脂(ユニチカ社製、Uポリマー、PAr:210℃)、ポリエーテルスルホン樹脂(住友化学社製、ポリエーテルスルホン、PES:220℃)、ポリスルホン樹脂(東レ社製、トレスルホン、PSF:190℃)、ポリエステル樹脂(例えば鐘紡(株)製 O−PET:125℃、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、シクロオレフィンコポリマー(COC:特開2001−150584の実施例1の化合物:162℃)、フルオレン環変性ポリカーボネート樹脂(BCF−PC:特開2000−227603の実施例−4の化合物:225℃)、脂環変性ポリカーボネート樹脂(IP−PC:特開2000−227603の実施例−5の化合物:205℃)、アクリロイル化合物(特開2002−80616の実施例−1の化合物:300℃以上)のものが挙げられる。また、下記式(A)で表わされるビスフェノールをビスフェノール成分とするポリカーボネート樹脂も好ましい例として挙げられる。
Figure 2006267271
一般式(A)中、R21、R22、R23及びR24は、各々独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基であり、Xは、炭素数5〜10のシクロアルキレン基、炭素数7〜15のアラアルキレン基又は炭素数1〜5のハロアルキレン基である。
Xで表される炭素数5〜10のシクロアルキレン基として、例えば、1,1−シクロペンチレン基、1,1−シクロヘキシレン基、1,1−(3,3,5−トリメチル)シクロヘキシレン基、ノルボルナン−2,2−ジイル基、トリシクロ[5.2.1.0.2.6]デカン−8、8’−ジイル基が挙げられ、特に1,1−シクロヘキシレン基、1,1−(3,3,5−トリメチル)シクロヘキシレン基が好適に用いられる。
Xで表される炭素数7〜15のアラアルキレン基としては、例えば、フェニルメチレン基、ジフェニルメチレン基、1,1−(1−フェニル)エチレン基、9,9−フルオレニレン基が挙げられる。
Xで表される炭素数1〜5のハロアルキレン基としては、2,2−ヘキサフルオロプロピレン基、2,2−(1,1,3,3−テトラフルオロ−1,3−ジシクロ)プロピレン基等が好適に用いられる。
本発明のプラスチック基板として使用される樹脂の構造単位はそれぞれ1種類だけであっても2種類以上が混合されていてもよい。また本発明の効果を損なわない範囲で上記以外の構造単位を含んでいてもよい。このような他の構造単位は、好ましくは全体の50モル%以下であり、より好ましくは10モル%以下である。また、本発明のプラスチック基板として使用される樹脂には、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、上記以外の樹脂がブレンドされていてもよく、2種以上の樹脂から構成されていてもよい。
本発明のプラスチック基板として使用される樹脂の分子量は、数平均分子量で、10,000〜300,000(ポリスチレン換算)であることが好ましく、より好ましくは20,000〜200,000、さらに好ましくは30,000〜150,000である。このような分子量の範囲とすることにより、プラスチック基板の機械的強度をより好ましいものとすることができる。
本発明における支持体に用いるプラスチック基板として、耐溶剤性、耐熱性などの観点から架橋樹脂も好ましく用いることができる。架橋樹脂の種類としては熱硬化性樹脂、放射線硬化樹脂のいずれも種々の公知のものを特に制限なく用いることができる。
熱硬化性樹脂の例としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フラン樹脂、ビスマレイミド樹脂、シアネート樹脂などが挙げられる。
架橋方法としては共有結合を形成する反応であれば特に制限なく用いることができ、ポリアルコール化合物とポリイソシアネート化合物を用いて、ウレタン結合を形成するような室温で反応が進行する系も特に制限なく使用できる。ただし、このような系は製膜前のポットライフが問題になる場合が多く、通常、製膜直前にポリイソシアネート化合物を添加するような2液混合型として用いられる。一方で1液型として用いる場合、架橋反応に携わる官能基を保護しておくことが有効であり、ブロックタイプ硬化剤として市販もされている。市販されているブロックタイプ硬化剤として、三井武田ケミカル(株)製B−882N、日本ポリウレタン工業(株)製コロネート2513(以上ブロックポリイソシアネート)、三井サイテック(株)製サイメル303(メチル化メラミン樹脂)などが知られている。また、エポキシ樹脂の硬化剤として用いることのできるポリカルボン酸を保護した下記B−1で表されるようなブロック化カルボン酸も知られている。
Figure 2006267271
放射線硬化樹脂としては、ラジカル硬化性樹脂、カチオン硬化性樹脂に大別される。ラジカル硬化性樹脂の硬化性成分としては分子内に複数個のラジカル重合性基を有する化合物が用いられ、代表的な例として分子内に2〜6個のアクリル酸エステル基を有する多官能アクリレートモノマーと称される化合物やウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレートと称される分子内に複数個のアクリル酸エステル基を有する化合物が用いられる。
ラジカル硬化性樹脂の代表的な硬化方法として、電子線を照射する方法、紫外線を照射する方法が挙げられる。通常、紫外線を照射する方法においては紫外線照射によりラジカルを発生する重合開始剤を添加する。なお、加熱によりラジカルを発生する重合開始剤を添加すれば、熱硬化性樹脂として用いることもできる。
カチオン硬化性樹脂の硬化性成分としては、分子内に複数個のカチオン重合性基を有する化合物が用いられ、代表的な硬化方法として紫外線の照射により酸を発生する光酸発生剤を添加し、紫外線を照射して硬化する方法が挙げられる。カチオン重合性化合物の例としては、エポキシ基などの開環重合性基を含む化合物やビニルエーテル基を含む化合物を挙げることができる。
プラスチック基板において、上記で挙げた熱硬化性樹脂、放射線硬化樹脂のそれぞれ複数種を混合して用いてもよく、熱硬化性樹脂と放射線硬化樹脂を併用しても良い。また、架橋性樹脂と架橋性基を有さないポリマーと混合して用いてもよい。
さらに、プラスチック基板として使用される樹脂にこれら架橋性樹脂を混合して用いた場合、得られたプラスチック基板の耐溶剤性、耐熱性、光学特性、強靭性を両立でき好ましい。また、これら樹脂に架橋性基を導入することも可能であり、ポリマー主鎖末端、ポリマー側鎖、ポリマー主鎖中のいずれの部位に架橋性基を有していてもよい。この場合、上記で挙げた汎用の架橋性樹脂を併用せずにプラスチック基板を作製しても良い。
これらの樹脂は延伸されていても良い。延伸により耐折強度など機械的強度が改善され、取扱性が向上する利点がある。特に延伸方向のオリエンテーションリリースストレス(ASTM D1504、以下ORSと略記する)が0.3〜3GPaであるものは機械的強度が改善され好ましい。ORSは延伸フィルム又はシートに凍結されている、延伸により生じた内部応力である。延伸は、公知の方法が使用でき、例えば樹脂のガラス転移温度(Tg)より10℃高い温度から、50℃高い温度の間の温度で、ロール一軸延伸法、テンター一軸延伸法、同時二軸延伸法、逐次二軸延伸法、インフレーション法により延伸できる。延伸倍率は1.1〜3.5倍が好ましく用いられる。
本発明における支持体に用いるプラスチック基板の厚みは、特に規定されないが30μm〜700μmが好ましく、より好ましくは40μm〜200μm、さらに好ましくは50μm〜150μmである。
さらにいずれの場合もヘイズは3%以下が好ましく、より好ましくは2%以下、さらに好ましくは1%以下、全光透過率は70%以上が好ましく、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上である。ヘイズは、ヘイズメーター(例えば、日本電色工業製)によって測定され、全光透過率は、可視・紫外吸収スペクトロスコピーによって測定される。
プラスチック基板には、必要により本発明の効果を損なわない範囲で、可塑剤、染顔料、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、無機微粒子、剥離促進剤、レベリング剤及び潤滑剤などの樹脂改質剤を添加しても良い。
前記プラスチック基板は光透過性及び非光透過性のいずれであってもよい。前記支持体として、非光透過性支持体を用いる場合には、光反射性を有する白色の支持体を用いることができる。白色支持体としては、酸化チタン、酸化亜鉛などの無機顔料を添加したプラスチック基板が挙げられる。なお、前記支持体が表示面を構成する場合は、少なくとも可視域の光に対して光透過性を有することが必要である。
(電極層)
電極層としては、例えば、白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン鉛、タンタル、インジウム、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、及びこれらの合金、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化スズ等から形成することができる。好ましくは、透明電極であり、例えば、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化スズである。透明電極については、たとえば、「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第232〜239頁に記載のものが用いられる。透明電極は、スパッタ法、ゾルゲル法、印刷法により形成することができる。
(ゲストホスト方式液晶層)
本発明にかかるゲストホスト方式液晶層は、液晶中に二色性色素を溶解させた液晶組成物をセル中に封入したものであり、これに電場を与え、電場による液晶の動きに合わせて、二色性色素の配向を変化させ、セルの吸光状態を変化させることによって表示する方式を適用するものである。
ここで、本発明の二色性色素に用いられる発色団について説明する。
本発明において、二色性色素に用いられる発色団はいかなるものであってもよいが、高いオーダーパラメーターを示す、ホスト液晶への溶解性が高いという効果をより得やすくするという観点からは、例えば、アゾ色素、アントラキノン色素、ペリレン色素、メロシアニン色素、アゾメチン色素、フタロペリレン色素、インジゴ色素、アズレン色素、ジオキサジン色素、ポリチオフェン色素、フェノキサゾン色素(フェノキサジン−3−オン)などが挙げられ、具体的には、 「Dichroic Dyes for Liquid Crystal Display」( A. V. Ivashchenko著、CRC社、1994年)に記載されているものが挙げられる。
この中でも、好ましくはアゾ色素、アントラキノン色素、ペリレン色素、フェノキサゾン色素であり、さらに好ましくはアントラキノン色素及び/又はフェノキサゾン色素である。
特に、これらの色素であって、後述する一般式(1)で表される置換基を有するものを採用することにより、本発明の効果がより顕著に得られる。
より具体的には、本発明の二色性色素は、下記一般式(1)で表される置換基を有することが好ましい。
一般式(1): −(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1
一般式(1)中、Hetは酸素原子又は硫黄原子であり、特に好ましくは硫黄原子である。
一般式(1)中、B1及びB2は、各々独立に、アリーレン基、ヘテロアリーレン基又は2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、いずれも置換基を有していてもいなくてもよい。
1及びB2で表わされるアリーレン基としては、好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜10のアリーレン基である。好ましいアリーレン基の具体例を挙げると、フェニレン基、ナフタレン基、アントラセン基である。特に好ましくは、置換フェニレン基であり、さらに好ましくは1,4−フェニレン基である。
1及びB2で表わされるヘテロアリーレン基としては、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10のヘテロアリーレン基である。好ましいヘテロアリーレン基の具体例は、ピリジン環、キノリン環、イソキノリン環、ピリミジン環、ピラジン環、チオフェン環、フラン環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環及びトリアゾール環からなる基、及びこれらが縮環して形成される縮環の2個の炭素原子から水素をそれぞれ1個ずつ除いて得られるヘテロアリーレン基である。
1及びB2の表す2価の環状脂肪族炭化水素基としては、好ましくは炭素数4〜30、より好ましくは炭素数6〜20の2価の環状脂肪族炭化水素基である。好ましい2価の環状脂肪族炭化水素基の具体例は、シクロヘキサンジイル、シクロペンタンジイルであり、より好ましくはシクロヘキサン−1,2−ジイル基、シクロヘキサン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基、シクロペンタンー1,3−ジイル基であり、特に好ましくは、(E)−シクロヘキサン−1,4−ジイル基である。
1及びB2の表す2価のアリーレン基、2価のヘテロアリーレン基及び2価の環状炭化水素基は、さらに置換基を有していてもよく、置換基としては、下記の置換基群Vが挙げられる。
(置換基群V)
ハロゲン原子(例えば塩素、臭素、沃素、フッ素)、メルカプト基、シアノ基、カルボキシル基、リン酸基、スルホ基、ヒドロキシ基、炭素数1〜10、好ましくは炭素数2〜8、さらに好ましくは炭素数2〜5のカルバモイル基(例えばメチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、モルホリノカルボニル基)、炭素数0〜10、好ましくは炭素数2〜8、さらに好ましくは炭素数2〜5のスルファモイル基(例えばメチルスルファモイル基、エチルスルファモイル基、ピペリジノスルホニル基)、ニトロ基、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜8のアルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、2−メトキシエトキシ基、2−フェニルエトキシ基)、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜12、さらに好ましくは炭素数6〜10のアリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、p−メチルフェノキシ基、p−クロロフェノキシ基、ナフトキシ基)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、さらに好ましくは炭素数2〜8のアシル基(例えば、アセチル基、ベンゾイル基、トリクロロアセチル基)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、さらに好ましくは炭素数2〜8のアシルオキシ基(例えばアセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜12、さらに好ましくは炭素数2〜8のアシルアミノ基(例えばアセチルアミノ基)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜8のスルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜8のスルフィニル基(例えば、メタンスルフィニル基、エタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12、さらに好ましくは炭素数1〜8の置換又は無置換のアミノ基(例えば、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ベンジルアミノ基、アニリノ基、ジフェニルアミノ基、4−メチルフェニルアミノ基、4−エチルフェニルアミノ基、3−n−プロピルフェニルアミノ基、4−n−プロピルフェニルアミノ基、3−n−ブチルフェニルアミノ基、4−n−ブチルフェニルアミノ基、3−n−ペンチルフェニルアミノ基、4−n−ペンチルフェニルアミノ基、3−トリフルオロメチルフェニルアミノ基、4−トリフルオロメチルフェニルアミノ基、2−ピリジルアミノ基、3−ピリジルアミノ基、2−チアゾリルアミノ基、2−オキサゾリルアミノ基、N,N−メチルフェニルアミノ基、N,N−エチルフェニルアミノ基)、
炭素数0〜15、好ましくは炭素数3〜10、さらに好ましくは炭素数3〜6のアンモニウム基(例えば、トリメチルアンモニウム基、トリエチルアンモニウム基)、炭素数0〜15、好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜6のヒドラジノ基(例えば、トリメチルヒドラジノ基)、炭素数1〜15、好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜6のウレイド基(例えば、ウレイド基、N,N−ジメチルウレイド基)、炭素数1〜15、好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜6のイミド基(例えば、スクシンイミド基)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12、さらに好ましくは炭素数1〜8のアルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基)、炭素数6〜80、好ましくは炭素数6〜40、さらに好ましくは炭素数6〜30のアリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、2−ピリジルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基、4−プロピルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ基、4−ブチルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ基、4−ペンチルシクロヘキシル−4’−ビフェニルチオ基、4−プロピルフェニル−2−エチニル−4’−ビフェニルチオ基)、炭素数1〜80、好ましくは炭素数1〜40、さらに好ましくは炭素数1〜30のヘテロアリールチオ基(例えば、2−ピリジルチオ基、3−ピリジルチオ基、4−ピリジルチオ基、2−キノリルチオ基、2−フリルチオ基、2−ピロリルチオ基)、炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜12、さらに好ましくは炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、2−ベンジルオキシカルボニル基)、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜12、さらに好ましくは炭素数6〜10のアリーロキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基)、炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜5の無置換アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基)、炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜5の置換アルキル基(例えば、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基、ベンジル基、カルボキシエチル基、エトキシカルボニルメチル基、アセチルアミノメチル基、またここでは炭素数2〜18、好ましくは炭素数3〜10、さらに好ましくは炭素数3〜5の不飽和炭化水素基(例えば、ビニル基、エチニル基、1−シクロヘキセニル基、ベンジリジン基、ベンジリデン基)も置換アルキル基に含まれることにする)、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜15、さらに好ましくは炭素数6〜10の置換又は無置換のアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基、p−カルボキシフェニル基、p−ニトロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、p−シアノフェニル基、m−フルオロフェニル基、p−トリル基、4−プロピルシクロヘキシル−4’−ビフェニル基、4−ブチルシクロヘキシル−4’−ビフェニル基、4−ペンチルシクロヘキシル−4’−ビフェニル基、4−プロピルフェニル−2−エチニル−4’−ビフェニル基)、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜10、さらに好ましくは炭素数4〜6の置換又は無置換のヘテロアリール基(例えば、ピリジル基、5−メチルピリジル基、チエニル基、フリル基、モルホリノ基、テトラヒドロフルフリル基)。
これら置換基群Vはベンゼン環やナフタレン環が縮合した構造を形成することができる。さらに、これらの置換基上にさらに此処までに説明したVの説明で示した置換基が置換していてもよい。
置換基群Vのうち、B1及びB2の表す2価のアリーレン基、2価のヘテロアリーレン基及び2価の環状炭化水素基の置換基として好ましいものは、上述のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、置換アミノ基、ヒドロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基であり、さらに好ましくは、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子である。
一般式(1)におけるQ1は、2価の連結基を表し、炭素原子、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれる少なくとも1種の原子から構成される原子団からなる連結基である。
1が表す2価の連結基としては、好ましくは炭素数0〜60、より好ましくは炭素数
0〜30、更に好ましくは炭素数0〜10の2価の連結基である。
また、Q1が表す2価の連結基としては、好ましくは、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アミド基、エーテル基、エルテル基、スルホアミド基、スルホン酸エステル基、ウレイド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオエーテル基、カルボニル基、−NR−基(ここで、Rは水素原子又はアルキル基、アリール基を表す)、アゾ基、アゾキシ基、複素環2価基を1つ又はそれ以上組み合わせて構成される2価の連結基が挙げられる。
1で表されるアルキレン基として、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10のアルキレン基であり、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、シクロヘキシルー1,4−ジイル基を挙げることができる。
1で表されるアルケニレン基として、好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10のアルケニレン基であり、例えば、エテニレン基を挙げることができる。
1で表されるアルキニレン基として、好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10のアルキニレン基であり、例えば、エチニレン基を挙げることができる。
−NR−基におけるRの表すアルキル基において、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であり、Rの表すアリール基において、好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜10のアリール基である。
1で表される複素環として、好ましくは、ピペラジン基であり、例えば、ピペラジン−1,4−ジイル基を挙げることができる。
1の表す2価の連結基として、好ましくは、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、エーテル基、チオエーテル基、アミド基、エステル基、カルボニル基、及びそれらを組み合わせた基である。
1で表される2価の連結基として、特に好ましくは、アルキレン基、エステル基である。
1はさらに置換基を有していてもよく、置換基としては上記置換基群Vが挙げられる。
一般式(1)におけるC1は、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基を表す。
1として好ましくは、炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12、さらに好ましくは炭素数1〜8のアルキル基又はシクロアルキル基、炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜20、より好ましくは炭素数2〜12、さらに好ましくは炭素数2〜8のアシルオキシ基、炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12、さらに好ましくは炭素数1〜8のアシル基、又は炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、さらに好ましくは炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基である。
上記アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基は、置換基を有していてもいなくてもよく、置換基としては上記置換基群Vが挙げられる。
1で表されるアルキル基の置換基としては、置換基群Vのうち、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、ヒドロキシ基、アルコキシ基(特にメトキシ基)、アリール基(特にフェニル基)であることが好ましい。
1で表されるシクロアルキル基の置換基は、置換基群Vのうち、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、ヒドロキシ基、アルコキシ基(特にメトキシ基)、アリール基(特にフェニル基)であることが好ましい。
1で表されるアルコキシ基の置換基は、置換基群Vのうち、ハロゲン原子(特にフッ素原子)、アルコキシ基(特にメトキシ基、エトキシ基)、アリール基(特にフェニル基)であることが好ましい。
1で表されるアルコキシカルボニル基の置換基は、置換基群Vのうち、ハロゲン原子(特にフッ素原子)、アルコキシ基(特にメトキシ基)であることが好ましい。
1で表されるアシル基の置換基は、置換基群Vのうち、ハロゲン原子(特にフッ素原子)、アルコキシ基(特にメトキシ基)であることが好ましい。
1で表されるアシルオキシ基の置換基は、置換基群Vのうち、ハロゲン原子(特にフッ素原子)、アルコキシ基(特にメトキシ基)であることが好ましい。
1で表されるアルキル基及びシクロアルキル基としての具体例は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、ペンチル基、tert−ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、4−エチルシクロヘキシル基、4−プロピルシクロヘキシル基、4−ブチルシクロヘキシル基、4−ペンチルシクロヘキシル基、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基、ベンジル基を挙げることができる。
1で表されるアルコキシ基としての具体例は、例えば、メトキシ基、エトキシ基、2−メトキシエトキシ基、2−フェニルエトキシ基、トリフルオロメトキシ基を挙げることができる。
1で表されるアシルオキシ基としての具体例は、例えば、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基を挙げることができる。
1で表されるアシル基としての具体例は、例えば、アセチル基、ホルミル基、ピバロイル基、2−クロロアセチル基、ステアロイル基、ベンゾイル基、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル基を挙げることができる。
1で表されるアルコキシカルボニル基としての具体例は、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、2−ベンジルオキシカルボニル基を挙げることができる。
1は特に好ましくは、アルキル基又はアルコキシ基であり、さらに好ましくは、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、又はトリフルオロメトキシ基である。
jは0又は1を表し、好ましくは0である。
p、q、rは、各々独立に0〜5の整数を表し、nは1〜3の整数を表す。B1とB2で表される基の総数、すなわち(p+r)×nは、3〜10の整数であり、より好ましくは、3〜6の整数である。p、q又はrが2以上の時、2以上のB1、Q1及びB2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2以上の時、2以上の{(B1p−(Q1q−(B2r}は、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。
好ましいp、q、r及びnの組合せを以下に記す。
(i) p=3、q=0、r=0、n=1
(ii) p=4、q=0、r=0、n=1
(iii) p=5、q=0、r=0、n=1
(iv) p=2、q=0、r=1、n=1
(v) p=2、q=1、r=1、n=1
(vi) p=1、q=1、r=2、n=1
(vii) p=3、q=1、r=1、n=1
(viii) p=2、q=0、r=2、n=1
(ix) p=1、q=1、r=1、n=2
(x) p=2、q=1、r=1、n=2
特に好ましくは、(i)p=3、q=0、r=0、n=1;(iv)p=2、q=0、r=1、n=1;及び(v)p=2、q=1、r=1、n=1;の組合せである。
さらに、−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1は、液晶性を示す部分構造を含むことが好ましい。ここでいう液晶とは、いかなるフェーズであってもよいが、好ましくはネマチック液晶、スメクチック液晶、ディスコティック液晶であり、特に好ましくは、ネマチック液晶である。
−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1の具体例を以下に示すが、本発明はこれに限定されるものではない(図中、波線は連結位置を表す)。
Figure 2006267271
Figure 2006267271
本発明に用いられる二色性色素は、−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1で表される置換基を1つ以上有しているのが好ましく、1〜8個有しているのがより好ましく、1〜4個有しているのがさらに好ましく、特に好ましくは1又は2個有している場合である。
前記一般式(2)で表される置換基の好ましい構造は、下記の組み合わせである。
〔1〕 Hetが硫黄原子であり、B1がアリール基又はヘテロアリール基を表し、B2がシクロヘキサン−1,4−ジイル基を表し、C1がアルキル基を表し、j=1、p=2、q=0、r=1及びn=1を表す構造。
〔2〕 Hetが硫黄原子であり、B1がアリール基又はヘテロアリール基を表し、B2がシクロヘキサン−1,4−ジイル基を表し、C1がアルキル基を表し、j=1、p=1、q=0、r=2及びn=1を表す構造。
特に好ましい構造は、
〔I〕 Hetが硫黄原子を表し、B1が1,4−フェニレン基を表し、B2がトランス−シクロヘキシル基を表し、C1がアルキル基(好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基又はヘキシル基)を表し、j=1、p=2、q=0、r=1及びn=1である下記一般式(a−1)で表される構造、
〔2〕 Hetが硫黄原子を表し、B1が1,4−フェニレン基を表し、B2がトランス−シクロヘキサン−1,4−ジイル基を表し、C1がアルキル基(好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基又はヘキシル基)を表し、j=1、p=1、q=0、r=2及びn=1である下記一般式(a−2)で表される構造、
である。
Figure 2006267271
前記一般式(a−1)及び(a−2)中、Ra1〜Ra12は、各々独立に、水素原子又は置換基を表す。該置換基としては、前述の置換基群Vから選ばれる置換基が挙げられる。
a1〜Ra12は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子(特にフッ素原子)、アルキル基、アリール基、アルコキシ基であるのことが好ましい。Ra1〜Ra12で表わされるアルキル基、アリール基、及びアルコキシ基のうち、好ましいものは、前述の置換基群Vに記載のアルキル基、アリール基、及びアルコキシ基と同義である。
前記一般式(a−1)及び(a−2)中、Ca1及びCa2は、それぞれ、アルキル基を表し、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10のアルキル基である。特に好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基又はヘキシル基である。
アゾ色素はモノアゾ色素、ビスアゾ色素、トリスアゾ色素、テトラキスアゾ色素、ペンタキスアゾ色素などいかなるものであってもよいが、好ましくはモノアゾ色素、ビスアゾ色素、トリスアゾ色素である。
アゾ色素に含まれる環構造としては芳香族環(ベンゼン環、ナフタレン環など)のほかヘテロ環(キノリン環、ピリジン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリミジン環など)であってもよい。
アントラキノン色素の置換基としては、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を含むものが好ましく、例えば、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基である。
該置換基の置換数はいかなる数であってもよいが、ジ置換、トリ置換、テトラキス置換が好ましく、特に好ましくはジ置換、トリ置換である。該置換基の置換位置はいかなる場所であってもよいが、好ましくは1,4位ジ置換、1,5位ジ置換、1,4,5位トリ置換、1,2,4位トリ置換、1,2,5位トリ置換、1,2,4,5位テトラ置換、1,2,5,6位テトラ置換構造である。
アントラキノン系色素としては、より好ましくは、下記一般式(2)で表される化合物である。
Figure 2006267271
一般式(2)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の少なくとも一つは、−(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1であり、他は各々独立に、水素原子又は置換基である。
−(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1において、Hetは酸素原子又は硫黄原子であり、B1及びB2は、各々独立に、アリーレン基、ヘテロアリーレン基又は2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、Q1は2価の連結基を表し、C1はアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基を表し、jは0又は1を表し、p、q及びrはそれぞれ0〜5の整数を表し、nは1〜3の整数を表す。(p+r)×nは3〜10の整数を表し、より好ましくは、3〜6の整数である。p、q及びrがそれぞれ2以上の時、2以上のB1、Q1及びB2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2以上の時、2以上の{(B1p−(Q1q−(B2r}は同一でも異なっていてもよい。
ここで、Het,B1、B2、Q1、C1、j、p、q、r、及びnの好ましい範囲は、それぞれ前記一般式(2)で記載したHet、B1、B2、Q1、C1、j、p、q、r、及びnの好ましい範囲と同様である。
一般式(2)における前記置換基としては、前記置換基群Vを挙げることができ、好ましくは、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等)、アリール基(フェニル基等)、アルコキシ基(メトキシ基等)、アリールオキシ基(フェノキシ基等)であり、より好ましくは、ハロゲン原子(特にフッ素原子)、アルキル基(特に、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基)である。
また、更に好ましくは、一般式(2)において、R1、R4、R5、及びR8の少なくとも一つが、−(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1の場合である。
フェノキサゾン色素(フェノキサジン−3−オン)の置換基としては、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を含むものが好ましく、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基が好ましい例として挙げられる。
フェノキサゾン色素として、より好ましくは、下記一般式(3)で表される化合物である。
Figure 2006267271
一般式(3)中、R11、R12、R13、R14、R15、R16及びR17の少なくとも一つ以上は、−(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1であり、他はそれぞれ水素原子又は置換基である。
−(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1において、Hetは酸素原子又は硫黄原子であり、B1及びB2は、各々独立に、アリーレン基、ヘテロアリーレン基又は2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、Q1は2価の連結基を表し、C1はアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基を表し、jは0又は1を表し、p、q及びrはそれぞれ0〜5の整数を表し、nは1〜3の整数を表す。(p+r)×nは3〜10の整数であり、より好ましくは、3〜6の整数である。p、q及びrがそれぞれ2以上の時、2以上のB1、Q1及びB2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2以上の時、2以上の{(B1p−(Q1q−(B2r}は同一でも異なっていてもよい。
ここで、B1、B2、Q1、C1、p、q、r、及びnの好ましい範囲は、それぞれ前記一般式(1)で記載したB1、B2、Q1、C1、p、q、r、及びnの好ましい範囲と同様である。
一般式(3)における前記置換基としては、前記置換基群Vを挙げることができ、好ましくは、アリールカルバモイル基、アミノ基、ハロゲン原子(特に、フッ素原子)、アルキル基(メチル基、エチル基等)、アルコキシ基(メトキシ基等)、アリールオキシ基(フェノキシ基等)、アリール基(フェニル基等)であり、より好ましくは、アリールカルバモイル基、アミノ基、である。
また、更に好ましくは、一般式(3)において、R11、R14、R16の少なくとも一つが、−(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1の場合である。
以下に、本発明に使用可能なアントラキノン色素及び/又はフェノキサゾン色素の二色性色素の具体例を示すが、本発明は以下の具体例によってなんら限定されるものではない。
Figure 2006267271
Figure 2006267271
Figure 2006267271
Figure 2006267271
以下に、本発明に使用可能なアゾ系二色性色素の具体例を示すが、本発明は以下の具体例によってなんら限定されるものではない。
Figure 2006267271
以下に本発明に使用可能なジオキサジン系二色性色素ならびにメロシアニン系二色性色素の具体例を示すが、本発明は以下の具体例によってなんら限定されるものではない。
Figure 2006267271
前記一般式(1)で表される置換基を有する二色性色素は、公知の方法を組み合わせて合成することができる。例えば、特開2003−192664号公報等の記載の方法に従い合成することができる。
本発明の液晶組成物に使用可能なホスト液晶は、本発明の化合物と共存し得るものであれば特に制限はないが、例えば、ネマチック相あるいはスメクチック相を示す液晶化合物が利用できる。その具体例としては、アゾメチン化合物、シアノビフェニル化合物、シアノフェニルエステル、フッ素置換フェニルエステル、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル、フッ素置換シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル、シアノフェニルシクロヘキサン、フッ素置換フェニルシクロヘキサン、シアノ置換フェニルピリミジン、フッ素置換フェニルピリミジン、アルコキシ置換フェニルピリミジン、フッ素置換アルコキシ置換フェニルピリミジン、フェニルジオキサン、トラン系化合物、フッ素置換トラン系化合物、アルケニルシクロヘキシルベンゾニトリルなどが挙げられる。「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第154〜192頁及び第715〜722頁に記載の液晶化合物を用いることができる。TFT駆動に適したフッ素置換されたホスト液晶を使用することもできる。例えば、Merck社の液晶(ZLI−4692、MLC−6267、6284、6287、6288、6406、6422、6423、6425、6435、6437、7700、7800、9000、9100、9200、9300、10000など)、チッソ社の液晶(LIXON5036xx、5037xx、5039xx、5040xx、5041xxなど)が挙げられる。
本発明に使用するホスト液晶の誘電率異方性は、正であっても負であってもよい。誘電率異方性が正のホスト液晶を水平配向させた場合には、電圧無印加時には液晶は水平に配向しているために二色性色素も水平となり光を吸収する。一方、電圧印加時に液晶分子が垂直に傾いてくるため二色性色素も垂直に傾き、その結果光を透過するようになる。すなわち、電圧印加時には白表示、電圧無印加時には黒表示を行うモードとなる。誘電率異方性が負のホスト液晶を垂直配向させる場合には、電圧無印加時には液晶は垂直に配向しているために二色性色素も垂直となり光を吸収することなく透過する。一方、電圧印加時に液晶分子が水平に傾いてくるため二色性色素も水平に傾き、その結果光を吸収するようになる。すなわち、電圧無印加時には白表示、電圧印加時には黒表示を行うモードとなる。誘電率異方性が負の液晶となるためには、液晶分子の短軸に誘電率異方性が大きななるような構造にする必要があるが、例えば、「月刊デイスプレイ」(2000年、4月号)の第4頁〜9頁に記載のもの、Synlett., 第4巻、第389頁〜396頁、1999年に記載のものが挙げられる。なかでも、電圧保持率の観点から、フッ素系置換基を有する誘電率異方性が負の液晶が好ましい。例えば、Merck社の液晶(MLC−6608、6609、6610など)が挙げられる。
また、本発明のゲストホスト方式液晶には、二周波駆動液晶を用いることができる。本発明の画像表示装置において、二波長駆動液晶を用いることにより、応答速度が速くできるという効果が認められる。二周波駆動液晶とは、該液晶に印加される電場の周波数が低周波数領域の場合に正の誘電率異方性を示し、高周波数領域の場合に誘電率異方性の符号が負に逆転する液晶である。日本学術振興会第142委員会編、液晶デバイスハンドブック、日刊工業新聞社、1989年、第189〜192頁に詳しい。その具体例として、イーストマン・コダック社の二周波駆動液晶を示す。
Figure 2006267271
この他にも、市販の二周波駆動液晶材料として、チッソ社製DF−02XX、DF−05XX、FX−1001、FX−1002、メルク社製MLC−2048などを挙げることができる。
本発明で用いられる二周波駆動液晶は、複数の液晶化合物の混合物であってもよい。さらに、印加される電場の低周波数領域と高周波数領域で誘電率異方性の符号が逆転しない液晶化合物を含んでもよい。
液晶層に印加される電圧の周波数領域の好ましい範囲は、用いる液晶組成物の種類、該液晶組成物のクロスオーバー周波数等によって異なるが、一般的には該液晶組成物に印加される電場の周波数領域は、0.1Hz〜10MHzであるのが好ましく、1Hz〜1MHzであるのがより好ましい。
二周波駆動液晶の場合には、低周波領域及び高周波領域の電圧が用いられる。低周波数領域として用いられるのは、一般的には0.1Hz〜100kHzであることが好ましく、1Hz〜10kHzであることがより好ましく、10Hz〜10kHzであることがさらに好ましい。また、高周波数領域としては、一般的には100Hz〜10MHzであることが好ましく、100Hz〜1MHzであることがより好ましく、1kHz〜1MHzであることがさらに好ましい。
本発明では、ホスト液晶の物性を所望の範囲に変化させることを目的として(例えば、液晶相の温度範囲を所望の範囲にすることを目的として)、液晶性を示さない化合物を添加してもよい。また、カイラル化合物、紫外線吸収剤、酸化防止剤などの化合物を含有させてもよい。そのような添加剤は、たとえば、「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第199〜202頁に記載のTN、STN用カイラル剤が挙げられる。本発明として、好ましい形態のひとつは、カイラル化合物を添加したカイラルネマチック液晶相を利用したモードである。カイラル化合物としては、たとえば、メルク社製のR−811、S−811、R−1082、S−1082などが利用できる。カイラル化合物の比率は、0.01〜15質量%が好ましく、0.5〜6質量%が特に好ましい。
本発明の液晶素子における、ホスト液晶及び二色性色素の含有量については特に制限はないが、二色性色素の含有量はホスト液晶の含有量に対して0.1〜15質量%であることが好ましく、0.5〜6質量%であることが特に好ましい。
また、ホスト液晶及び二色性色素の含有量は、双方を含む液晶組成物を調整し、その液晶組成物を封入した液晶セルの吸収スペクトルをそれぞれ測定して、液晶セルとして所望の光学濃度を示すのに必要な色素濃度を決定することが望ましい。
本発明の液晶素子は、単純マトリックス駆動方式あるいは薄膜トランジスタ(TFT)などを用いたアクテイブマトリックス駆動方式を用いて駆動することができる。駆動方式については、たとえば、「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第387〜460頁に詳細が記載され、本発明の液晶素子の駆動方法として利用できる。
(蛍光増白剤を含む層)
一般に、蛍光増白剤は約320〜約410nmの波長の光を吸収して、約410〜約500nmの波長の光を放射する性質を有する化合物を含有する。これらの蛍光増白剤で染められた織物は本来の黄色い反射光のほかに、新たに蛍光増白剤により発光される約410〜約500nmの波長の青色光が付加されるため反射光は白色になり、かつ、蛍光効果による分だけ可視光のエネルギーが増加するため結果として増白されたことになる。
なお、本発明の画像表示装置では、可視光領域の光を透過して表示するため、蛍光増白剤は、表示に利用する可視光領域の光(波長410nm〜800nm)を吸収しないことが好ましい。すなわち、可視光領域の最短波長付近である410nmを境界として、410nm以下の波長の光を吸収して、410nmより長い波長の光を放射する蛍光増白剤を用いることが、画像の表示には極めて効率的である。
本発明に用いる蛍光増白剤を含む層は、透明樹脂成分と蛍光増白剤とを含有し、波長が200nm以上410nm以下の光を90%以上吸収し、カットする。
光の吸収率は、可視・紫外吸収スペクトロスコピーによって測定される。
蛍光増白剤を含む層の透明樹脂成分としては、アクリル樹脂系、ウレタン樹脂系、アミノアルキッド樹脂系、エポキシ樹脂系、シリカ樹脂系、フッ素樹脂系などを挙げることができる。これらの樹脂は主剤、硬化剤、希釈剤、レベリング剤、はじき防止剤などを任意に配合することができる。
例えば、透明樹脂成分としてアクリルウレタン樹脂、シリコンアクリル樹脂を選んだ場合には、硬化剤としてポリイソシアネートなどを、希釈剤としてトルエン、キシレンなどの炭化水素系溶剤、酢酸イソブチル、酢酸ブチル、酢酸アミルなどのエステル系溶剤、イソプロピルアルコール、ブチルアルコールなどのアルコール系を用いることができる。
透明樹脂成分としては、具体的には、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチルスチレン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル等が挙げられる。また、ここでアクリルウレタン樹脂とは、メタクリル酸エステル(メチルが代表的)とヒドロキシエチルメタクリレート共重合体とポリイソシアネートと反応させて得られるアクリルウレタン樹脂をいう。なおこの場合のポリイソシアネートとはトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどが挙げられる。
更にこれら成分に加えアクリル樹脂、シリコーン樹脂などのレベリング剤、シリコーン系、アクリル系等のはじき防止剤等を必要に応じて配合することができる。
本発明において使用される蛍光増白剤は、通常市販されているものあるいは下記一般式(4)で表される化合物の中から耐光性などに基づいて選択することができる。
Figure 2006267271
一般式(4)中、R21及びR24は、各々独立に、水素原子、アルキル基又はアルキコキシ基を表し、R22及びR23はアルキル基を表す。Aは置換アリール基又は置換エテニル基を表す。)
本発明の一般式(4)におけるR21、R22、R23、R24及びAについて以下に詳しく説明する。
21及びR24は、各々独立に、水素原子、アルキル基又はアルコキシ基を表すが、詳しくは水素原子、炭素数1ないし8のアルキル基、又は炭素数1ないし8のアルコキシ基を表す。
更に詳しくは、R21及びR24は、各々独立に、水素原子、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−オクチル、イソプロピル、イソブチル、2−エチルヘキシル、t−ブチル、t−アミル、t−オクチル、シクロペンチル若しくはシクロヘキシル等のアルキル基、又はメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、n−ブトキシ、n−オクチルオキシ、イソプロポキシ、イソブトキシ、2−エチルヘキシルオキシ、t−ブトキシ若しくはシクロヘキシルオキシ等のアルコキシ基である。
21及びR24は、好ましくは水素原子又はアルキル基であり、特に好ましくは水素原子である。
22及びR23は、アルキル基を表すが、好ましくは炭素数1〜16のアルキル基であり、更に好ましくは、炭素数1〜10のアルキル基である。
更に詳しくは、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−オクチル、n−ヘキサデカニル(セチル)、イソプロピル、イソブチル、2−エチルヘキシル、t−ブチル、t−アミル、t−オクチル、シクロペンチル又はシクロヘキシル等のアルキル基を表す。
好ましくは、R22は、メチル基、又は2級若しくは3級の炭素数1〜10のアルキル基であり、より好ましくは、メチル、イソプロピル、t−ブチル又はシクロヘキシル基であり、更に好ましくは、t−ブチル又はシクロヘキシル基である。
23は、好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル又は2−エチルヘキシル基であり、より好ましくは、メチル、n−ブチル、n−オクチル又は2−エチルヘキシル基である。
Aは置換アリール基又は置換エテニル基を表すが、より好ましくは炭素数6〜40の置換アリール基又は炭素数8〜40の置換エテニル基を表し、更に好ましくは炭素数6〜12の置換アリール基又は炭素数8〜20の置換エテニル基を表す。
好ましくは以下に示す置換アリール又はエテニル基である。
Figure 2006267271
Figure 2006267271
式中、R31及びR34は前記R21及びR24と同義である。R32は前記R22と同義である。R33は前記R23と同義である。
mは1〜5の整数を表し、好ましくは、1〜3の整数を表す。
X及びYは、各々独立に、アルキル、アリール、アルコキシ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アミノ又は水酸基を表す。
X及びYで表されるアルキル基としては、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル又はシクロヘキシル等を挙げることができる。
X及びYで表されるアリール基としては、フェニル、トリル又はナフチル等を挙げることができる。
X及びYで表されるアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ又はイソプロポキシ等を挙げることができる。
X及びYで表されるアルキルアミノ基としては、アミノメチル、エチルアミノ、オクチルアミノ、ジメチルアミノ又はN−メチル−N−エチルアミノ等を挙げることができる。 X及びYで表されるアリールアミノ基としては、アニリノ、4−トリルアミノ又はN−メチルアニリノ等を挙げることができる。
X及びYで表されるこれらの基は、更に置換基を有していてもよく、該置換基としては、前記置換基群Vを挙げることができる。
X及びYは、好ましくはアリール基、アルコキシ基又はアニリノ基である。
一般式(4)で表される化合物は、好ましくは下記一般式(5)で表される化合物である。)
Figure 2006267271
一般式(5)中、R25及びR27は前記R22と同義の基であり、R26及びR28は前記R23と同義の基である。nは1又は2である。
これらの化合物は特開平11−29556号公報記載の方法で合成することができる。
以下本発明で用いられる蛍光増白剤の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2006267271
Figure 2006267271
Figure 2006267271
Figure 2006267271
Figure 2006267271
Figure 2006267271
以上は有機物の例であるが、これらに限らず無機物でもよい。これらの蛍光増白剤は必要に応じて1種又は2種以上を併用することができる。それらの添加量は成形物の厚さ、蛍光増白剤の性質、紫外線吸収剤の有無、性質、添加量によって変化するので一義的に定めることはできないが、当業者はいくらかの試験をすることによって容易に決定することができる。一般的には厚さ0.1ミリの塗膜であれば0.1〜10質量%で十分である。その配合量と、添加される材料の厚さはほぼ反比例すると考えて良い。例えば厚さ0.1ミリの塗膜に式(1)の化合物は5質量%、式(2)の化合物では3質量%、式(13)の化合物では2.1質量%添加することで、200nm以上410nm以下の光を効果的に実質的にカットできる。
以上のように、本発明では蛍光増白剤を透明樹脂塗料に配合することで目的を達成することができるが、蛍光増白剤の耐光性に不安がある場合や、蛍光増白剤のみでは短波長域が十分にカットしきれない場合には紫外線吸収剤を併用することが望ましい。一般に紫外線吸収剤は紫外線を吸収して熱に変換する性質を有する化合物である。それらは、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸系、シアノアクリレート系に大別される。
ベンゾトリアゾール系の有効吸収波長は約270〜380nmで、代表例としては2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’、5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’、5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’、5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール等を挙げることができる。
ベンゾフェノン系の有効吸収波長は約270〜380nmで、代表例としては2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン等を挙げることができる。
サリチル酸系の有効吸収波長は約290〜330nmで、代表例としてはフェニルサリシレート、p−t−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレートなどを挙げることができる。
シアノアクリレート系の有効吸収波長は約270〜350nmで、代表例としては2−エチルヘキシル−2−シアノ−3、3−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3、3−ジフェニルアクリレート等を挙げることができる。
なお、これらの紫外線吸収剤は表示に利用する可視光領域の光(波長410nm〜800nm)を吸収しないことが好ましい。
これらの紫外線吸収剤は1種又は2種以上を併用することができる。好適な添加量は塗膜の厚さ、蛍光増白剤の性質等によって変化するので一義的に定めることはできないが、当業者はいくらかの試験をすることによって容易に決定することができる。一般的には厚さ0.1ミリの塗膜であれば1〜30質量%で十分である。
本発明における蛍光増白剤を含む層は、透明樹脂成分及び蛍光増白剤を含み、更に適宜紫外線吸収剤を用いる。これら組成物の含有率は、好ましくは、樹脂を基準(100質量%)に考えて蛍光増白剤を0.1〜20質量%、紫外線吸収剤を0〜20質量%含有することが好ましい。
蛍光増白剤を含む層の厚さは、好ましくは2〜1000μmであるが、更に好ましくは5〜200μmの間である。
これら透明樹脂成分を塗布する方法は任意であるが、スプレー法、ディッピング法、ローラーコート法、フローコーター法、流し塗り法などがある。塗布後の乾燥は透明樹脂成分によって異なるが、概ね室温〜120℃で10〜90分程度行うことが望ましい。
(液晶素子)
本発明の画像表示装置に含まれる液晶素子は、支持体上に少なくとも一方が透明電極である一対の電極と、該一対の電極間にゲストホスト方式液晶層と、蛍光増白剤を含有する層と、を有する。蛍光増白剤を含有する層は、透明電極に対して、ゲストホスト方式液晶層側ではない側に設けることが好ましい。ゲストホスト方式液晶層側に設けると、液晶層に印加される実行電圧が低下し、表示性能が低下するためである。
なお、電極、ゲストホスト方式液晶層、及び蛍光増白剤を含有する層の組成物の詳細については、前述の通りである。
本発明にかかる液晶素子は、液晶を配向させる目的で、液晶と支持体(基板)の接する表面に配向処理を施した層を形成することが好ましい。該配向処理としては、たとえば、4級アンモニウム塩を塗布し配向させる方法、ポリイミドを塗布しラビング処理により配向する方法、SiOxを斜め方向から蒸着して配向する方法、さらには、光異性化を利用した光照射による配向方法などが挙げられる。配向膜については、たとえば、日本学術振興会第142委員会編、液晶デバイスハンドブック、日刊工業新聞社、1989年、第240〜256頁に記載のものが用いられる。
本発明にかかる液晶素子の構成は、好ましくは、基板から順に、電極、ポリイミド配向層、液晶層、ポリイミド配向層、電極、基板で積層されていることが好ましく、更に、液晶側ではない基板の表面に蛍光増白剤を含む層が設けられることが好ましい。
また、支持体において説明したように、光反射性を有する白色の支持体を用いることができる。この場合には、支持体として酸化チタン、酸化亜鉛などの無機顔料を添加したプラスチック基板を用いてもよいし、酸化チタン等を含む白色反射層を支持体に設けてもよい。
本発明にかかる液晶素子は、基板同士をスペーサーなどを介して、1〜50μmの間隔を設けて、その空間にゲストホスト方式液晶層を形成することにより作製できる。スペーサーについては、たとえば、日本学術振興会第142委員会編、液晶デバイスハンドブック、日刊工業新聞社、1989年、第257〜262頁に記載のものが用いられる。液晶素子を構成する層は、基板上に塗布あるいは印刷することにより基板間の空間に配置することができる。
その他本発明にかかる液晶素子の作製には、公知の方法を適用することができる。
本発明にかかる液晶素子は、単純マトリックス駆動方式あるいは薄膜トランジスタ(TFT)などを用いたアクテイブマトリックス駆動方式を用いて駆動することができる。駆動方式については、たとえば、「液晶デバイスハンドブック」(日本学術振興会第142委員会編、日刊工業新聞社、1989年)の第387〜460頁に詳細が記載され、本発明の液晶素子の駆動方法として利用できる。
発明の液晶素子は、コンピューター、時計、電卓などの表示素子、電子光学シャッター、電子光学絞り、光通信光路切り替えスイッチ、光変調器などの種種の電子光学デバイスとして好適に利用することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
<実施例1>
(プラスチック基板の作製)
特開2000−105445号公報の実施例1の試料110の作製と同様にPEN(Dupont−Teijin Q65A)に対し下塗り層及びバック層を作製した。
すなわち、ポリエチレン−2,6−ナフタレートポリマー100重量部と紫外線吸収剤としてTinuvin P.326(チバ・ガイギーCiba−Geigy社製)2重量部とを乾燥した後、300℃にて溶融後、T型ダイから押し出し、140℃で3.3倍の縦延伸を行ない、続いて、130℃で3.3倍の横延伸を行い、さらに250℃で6秒間熱固定して厚さ90μmのプラスチック基板(PEN)1を得た。
(透明電極層の作製)
上記で得られたプラスチック基板1の片面に、導電性のインジウム酸化スズをコーティングして、厚さ200nmの均一な薄膜を積層した。面抵抗約20Ω/cm2、光透過率(500nm)85%であった。つぎに、フォトリソグラフィーにより、上記インジウム酸化スズ薄膜をストライプ状(幅100μm、間隔10μm)にパターニングして透明電極層2とした。
(ゲストホスト方式液晶層の作製)
このPEN基板の透明電極層を設けた面と異なる面上に、表面処理により表面活性をなくした酸化チタンからなる白色顔料を、5質量%のカルボキシセルロースとともに分散して調整した塗布液を塗布し、白色反射層3を付設した。
また、透明電極層上にポリイミド垂直配向膜(日産化学製)4を付設した。
さらに、ポリイミド垂直配向膜4の上に、ホスト液晶として誘電率異方性が負のシアノ系ネマチック液晶(メルク社製、ZLI−2806)を用い、上記二色性色素(1−1)、(1−2)、(1−7)、(1−8)、(1−10)及び(1−13)をそれぞれ1質量%の割合で、カイラル剤(メルク社製、R−811)を1質量%の割合で含む液晶組成物から構成されるゲストホスト方式液晶層5を作製した。
このようにして、プラスチック基板1の片面に白色反射層3を設け、他方の面に透明電極層2、ポリイミド垂直配向膜4、ゲストホスト方式液晶層5を積層した。
他方、別途、前述のプラスチック基板(好ましくは、PEN)11に、ストライプ状にパターニングしたインジウム酸化スズの透明電極層13、ポリイミド垂直配向膜(日産化学製)14を作製した。
この基板11と先に調製した液晶層5を有するプラスチック基板1とを、図1に示すように、液晶層5を挟んでポリイミド垂直配向膜、透明電極が積層するように、また、互いのストライプ状の透明電極がマトリックス状になるように接着して、本発明の表示素子を作製した。
(蛍光増白剤及び紫外線吸収剤を含む層)
アクリテック(大日本インキ製商品名)100質量%に対し、式(14)の化合物を5.0質量%、及び2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール1.1質量%を加えたもの15gに対し、トルエン:メチルエチルケトン=1:1を85g加え固形分を溶解し蛍光増白剤及び紫外線吸収剤を含む組成物を得た。
該組成物を上記表示素子の光入射側のプラスチック基板の表面に塗布し、乾燥後100μmになるよう蛍光増白剤及び紫外線吸収剤を含む層15を作製し、本発明にかかる表示素子を得た。
なお、蛍光増白剤及び紫外線吸収剤を含む組成物は、200nm以上410nm以下の光の吸収率は90%以上であることが、可視・紫外吸収スペクトルの測定によって確認された。
(表示性能の評価)
得られた本発明の表示素子を信号発生器(東陽テクニカ(株)製)を用いて、交流電圧(20V、100Hz)を印加させたところ、マトリックス状で電圧が印加された部分だけ、黒色に着色した。また、交流電圧のオン・オフを繰り返したところ、黒色と白色が交互に変化し、繰り返してもその色の変化の程度は変化しなかった。次に、本発明の表示素子に、高圧水銀灯の光を120時間照射したところ、同様の実験を行なっても、色の変化の程度は変化しなかった。
<比較例1>
実施例1において、蛍光増白剤及び紫外線吸収剤を含む層における、式(14)の化合物及び2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾールに代えて、住友スリーエム社製ISCLARL(商品名)を用いて調製した以外は同様にして、比較用の表示素子を得た。
住友スリーエム社製ISCLARL(商品名)を含む組成物は、410nmの光の吸収率は、85%であることが確認された。
(表示性能の評価)
この比較用の表示素子について、実施例1と同様に高圧水銀灯の光を120時間照射したところ、発色時の色の濃さが低下することが目視で観測され、また、消色時の透明度も低下することが確認された。
このことから、本発明の表示素子は、比較の表示素子に比べ、繰り返し時における表示性能が高いことが確認された。
<実施例2>
実施例1において、蛍光増白剤として式(14)の化合物をもちいたところを、式(4)、(13)又は(19)に変更して表示素子を作製し、実施例1と同様の表示性能の評価を行った。
これらの表示素子は、いずれも実施例1と同様に、マトリックス状で電圧が印加された部分だけ、黒色に着色した。また、交流電圧のオン・オフを繰り返したところ、黒色と白色が交互に変化し、繰り返してもその色の変化の程度は変化しなかった。更に表示素子に、高圧水銀灯の光を120時間照射したところ、同様の実験を行なっても、色の変化の程度は変化しないことが確認された。
なお、これらの蛍光増白剤及び紫外線吸収剤を含む組成物は、いずれも200nm以上410nm以下の光の吸収率が90%以上であることが確認された。
<実施例3>
実施例1において、用いる二色性色素を下記化合物1に変えた以外は実施例1と同様にして作製し、表示素子Aを得た。
また、実施例1において、用いる二色性色素をNo.1−1に変えた以外は実施例1と同様にして作製し、表示素子Bを得た。
Figure 2006267271
(表示性能の評価)
この表示素子について、電圧印加時の吸収濃度(Dmax)と無印加時の吸収濃度(Dmin)の比率(Dmax/Dmin)を測定したところ、素子Aは約4であり、一方、素子Bは約8であった。
すなわち、支持体上に、電極層と、ゲストホスト方式液晶層と、200nm以上410nm以下の光を90%以上吸収する蛍光増白剤を含む層と、を有する表示素子であれば、交流電圧のオン・オフを繰り返しに対応して、黒色と白色が交互に変化したが、本発明の表示素子においては、二色性色素が一般式(1)で表される置換基を有する場合のほうが、高い表示性能を示すことが確認された。
<実施例4>
実施例1に記載の液晶素子において、ホスト液晶として、上述の二周波駆動用液晶1を用いた以外は実施例1と同様の操作によりゲストホスト液晶素子を作製した。得られた素子を、信号発生器(東陽テクニカ(株)製)を用いて、交流電圧(20V)で低周波数として100Hz、高周波数として100kHzを印加させたところ、低周波数の交流電場を印加したところ白色に、高周波数の交流電場を印加したところ黒色に変化し、周波数を切り替えたところ、黒色と白色が交互に変化し、繰り返してもその色の変化の程度は変化しなかった。次に、本発明の表示素子に、高圧水銀灯の光を120時間照射したところ、同様の実験を行なっても、色の変化の程度は変化しなかった。
実施例における表示素子を示す模式断面図である。
符号の説明
1 プラスチック基板
2 透明電極
3 白色反射層
4 ポリイミド垂直配向膜
5 ゲストホスト方式液晶層
11 プラスチック基板
13 透明電極
14 ポリイミド垂直配向膜
15 蛍光増白剤及び紫外線吸収剤を含む層

Claims (9)

  1. 支持体上に、電極層と、ゲストホスト方式液晶層と、200nm以上410nm以下の光を90%以上吸収する蛍光増白剤を含む層と、を有することを特徴とする画像表示装置。
  2. 前記蛍光増白剤を含む層が、更に紫外線吸収剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
  3. 前記ゲストホスト方式液晶層が、下記一般式(1)で表される置換基を有する二色性色素を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像表示装置。
    一般式(1): −(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1
    〔一般式(1)中、Hetは酸素原子又は硫黄原子であり、B1及びB2は、各々独立に、アリーレン基、ヘテロアリーレン基又は2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、Q1は2価の連結基を表し、C1はアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基を表し、jは0又は1を表し、p、q及びrはそれぞれ0〜5の整数を表し、nは1〜3の整数を表し、(p+r)×nは3〜10の整数であり、p、q及びrがそれぞれ2以上の時、2以上のB1、Q1及びB2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2以上の時、2以上の{(B1p−(Q1q−(B2r}は、それぞれ、同一でも異なっていてもよい。〕
  4. 前記二色性色素の少なくとも1種が、下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜請求項3の少なくとも1項に記載の画像表示装置。
    Figure 2006267271
    〔式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の少なくとも一つは、−(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1であり、他は各々独立に水素原子又は置換基である。Hetは酸素原子又は硫黄原子であり、B1及びB2は、各々独立に、アリーレン基、ヘテロアリーレン基又は2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、Q1は2価の連結基を表し、C1はアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基を表し、jは0又は1を表し、p、q及びrは、各々独立に0〜5の整数を表し、nは1〜3の整数を表し、B1とB2の個数の和が3〜10の整数を表し、p、q及びrがそれぞれ2以上の時、2以上のB1、Q1及びB2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2以上の時、2以上の{(B1p−(Q1q−(B2r}は同一でも異なっていてもよい。〕
  5. 前記二色性色素の少なくとも1種が、下記一般式(3)で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の画像表示装置。
    Figure 2006267271
    〔式中、R11、R12、R13、R14、R15、R16及びR17の少なくとも一つは、−(Het)j−{(B1p−(Q1q−(B2rn−C1であり、他は各々独立に水素原子又は置換基である。Hetは酸素原子又は硫黄原子であり、B1及びB2は各々独立にアリーレン基、ヘテロアリーレン基又は2価の環状脂肪族炭化水素基を表し、Q1は2価の連結基を表し、C1はアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基又はアシルオキシ基を表し、jは0又は1を表し、p、q及びrは、各々独立に0〜5の整数を表し、nは1〜3の整数を表し、B1とB2の個数の和が3〜10の整数であり、p、q及びrがそれぞれ2以上の時、2以上のB1、Q1及びB2はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2以上の時、2以上の{(B1p−(Q1q−(B2r}は同一でも異なっていてもよい。〕
  6. 前記ゲストホスト方式液晶層が、カイラルネマチック相であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の画像表示装置。
  7. 前記ゲストホスト方式液晶層が、二周波駆動液晶であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の画像表示装置。
  8. 前記蛍光増白剤が、ベンゾオキサゾール誘導体であることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の画像表示装置。
  9. 前記ベンゾオキサゾール誘導体が、下記一般式(4)で表されることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の画像表示装置。
    Figure 2006267271
    〔一般式(4)中、R21及びR24は、各々独立に、水素原子、アルキル基又はアルキコキシ基を表し、R22及びR23は、各々独立に、アルキル基を表す。Aは置換アリール基又はエテニル基を表す。〕
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