JP2006266954A - 植字及びその製造方法と、その植字を用いた表示板及び時計 - Google Patents

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保憲 渡邊
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義秋 渡辺
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Abstract

【課題】 立体感と凹凸感が有って装飾性に豊み、組立易い植字を得る。
【解決手段】 植字21を頭部22と1個の足部23とから構成し、足部23を長軸と短軸の異形断面を持つ柱状足の形状に形成する。この植字21はプレス(鍛造)方法で植字ブランクを形成し、防蝕メッキを施した後に足部23をチャックで掴持して頭部22を切削加工でダイヤカットなどの装飾カットを行い、その後に、足部23をメッキ引掛け治具に固定して装飾メッキを施して形成する。また、足部23の異形断面としては長方形、長円形、楕円形の形状を取り、ストレート足又は段付足にする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、指標として用いる植字、並びに、その植字を用いた表示板に関する。
携帯時計などにおいては、従来から時字などを示す植字が足付指標として時計用表示板に取付けられて用いられてきている。これは、植字が金属からできて、金属的な装飾が施されて高級感を感じさせること、また、表示板との強い固定力が得られることなどの理由による。また、携帯時計以外においても、高価な銘板や表示パネルなどに植字方式の指標が用いられているのを見ることができる。これら従来の植字は、一般に、2本の細い足を有して表示板の小孔に挿嵌してカシメ方式で固定する方法を取っている。以下、従来の植字の形状や製造方法などについて時計用表示板に用いられる植字を例に取って説明する。従来の植字の製造方法を示すものとして下記の非特許文献1は開示された技術を見ることができる。
公開実用新案公報 昭52−167063号公報
図8は上記非特許文献1に示されたところの一実施例の植字の斜視図を示しており、図9は図8に示された植字の制作方法を示した抜型と材料の縦断面図を示している。図8より、植字5は時計用の時字で、表面側には段部2を持ち、裏面側には2本の細い足を持っている。この2本の細い足3は、図11に示すように、裏面から垂直に突出して植字5と一体になって形成されている。この植字5はプレス加工によって形成するが、図9に示すように、上型10と下型11とで構成されたプレス金型で金属板をプレスして、2本の細い足3と段部2とを押し出して形成した植字ブランク1を成形する。そして、その後に抜型(切断型)でA−A’とB−Bを切断することによって植字5を形成している。
この様にして形成した植字5は図10に示す構造を取って時計用表示板に固定される。図10は植字を時計用表示板に固定したところの構造を示す拡大断面図を示している。図10に示すように、時計用表示板9には植字5の2本の足3を挿嵌する小孔9aが2個(植字1個に対して2個の小孔)設けられている。植字5と表示板9との固定方法は、植字5の2本の足3を表示板9の2個の小孔9aに挿嵌した後、カシメ機でもって足3の先端を叩いて潰すことによって植字5と表示板9とを固定している。また、場合によっては足3の先端潰した所に接着剤を塗布して更なる固定力を確保することも行われている。
ここで、時計用表示板は0.3〜0.5mm厚みの真鍮板やリン青銅板、洋白板などの材料が主に用いられている。また、ソーラーセル用の表示板になるとプラスチック板が主に用いられる。これに対して、植字は、厚みが0.3〜0.5mm、足の外径φが約0.2mm、足の長さが0.45〜0.7mmの寸法を取っている。
以上のような構造を取った従来の植字は次のような問題を有する。第1の問題としては、切削などの後加工が簡単にできない。これは、植字の上面や側面、あるいは斜面などをダイヤモンドバイトで切削して光沢のある綺麗な面に仕上げたいと思っても、厚みが薄いこと、足が細いこと、植字の形状が複雑であることなどによって切削する上でのチャックに掴持する部位が取れないことによる。このため、切削加工を行う時は加工治具に接着剤で植字を接着固定して切削する方法を取っていた。しかしながら、この方法は後工程での剥離作業を必要とし、手間の掛かる作業となっていた。また、剥離が不十分による後工程での装飾メッキでシミが発生する問題も生じ、歩留まりを悪くする要因にもなっていた。
第2の問題としては、メッキなどの表面処理工程でのこすりキズ不良が出易い。装飾メッキなどを施す場合は、一般に、引掛けメッキ治具などに引掛けて、時々揺動しながら装飾メッキを施す。しかしながら、植字は足が細いために引掛け治具に強く固定するすることができず、揺動したときに治具から落下する。このため、植字をメッキ籠にバラで入れ、籠を揺動しながら装飾メッキを施す方法を取っていた。この方法は植字同士のこすり合いなどが起き、こすりキズ不良が発生する。
第3の問題としては、植字の2個の足の間隔、表示板の2個の小孔の間隔に高い寸法精度が必要とされる。双方の間隔が合わないと組立できないので寸法精度が厳しく求められる。このため、金型コストも高くなったり、歩留まりも悪いと云う問題があった。また、表示板と植字との組立作業は植字が小さく、且つ、正確な位置合わせが必要とされることから手作業に頼らざるを得ず、位置合わせ作業に熟練を要すると共にその時間もかかっていた。
本発明は、上記の課題に鑑みて成されたもので、後工程での切削が容易で、装飾メッキ工程でのキズ不良発生を防止し、そして、簡単に組立ができる植字を見いだすことを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の植字は、頭部と1個の足部とから構成し、足部を長軸と短軸の異形断面を持つ柱状足の形状にすることを特徴とするものである。また柱状足はストレート足又は段付足にし、柱状足の異形断面は長方形又は長円形、又は楕円形の形状にする。また、植字の足部には防蝕メッキを施し、頭部には装飾メッキを施すことを特徴とするものである。
また、本発明の植字の製造方法は、切削方法もしくはプレス(鍛造)方法にて、頭部と異形断面の柱状足の形状をなす1個の足部とからなる植字ブランクを形成する工程と、この植字ブランクに防蝕メッキを施す工程と、この植字ブランクの足部を掴持して頭部を装飾カットする工程と、この植字ブランクの足部を掴持して装飾メッキを施す工程と、などから形成する。また、頭部を装飾カットする工程での植字ブランクの足部の掴持は割型チャックで行う。
また、本発明の表示板は上記の特徴を持つ植字を用いて形成し。この表示板を備えて時計を形成する。
発明の効果として、植字の足を1個にして、その足を長軸と短軸の異形断面を持つ柱状足にすることにより剛性のある強度の強い足になる。従って、チャックでこの足を掴持して切削加工が可能となる。また、この足をメッキの引掛け治具に掴持させて装飾メッキが可能となる。そして、これにより植字に色々な装飾を施すことができる。
また、柱状足をストレート足又は段付足にすることによってプレス(鍛造)加工方法で容易に形状成形ができる。また、段付足にすると切削加工においてチャックと切削バイトとの距離を持てることから、植字の頭部の深くまで切削加工ができる。
また、柱状足の異形断面を長方形又は長円形、又は楕円形の形状にすると、プレスでの形状形成が容易で、且つ、表示板との取付けがやり易くなる。
植字ブランクを形成し、防蝕メッキを施し、その後に切削方法で装飾カットを行い、そして、装飾メッキを施す工程を経ることで、耐腐食性に優れ、綺麗な装飾が施された植字が得られる。装飾メッキは装飾カットをした後で足を掴持して引掛け方法で行うので、頭部にキズなどが付くことがなく、綺麗に装飾されたメッキ表面が得られる。特に、頭部にダイヤカットなどを行うと金属光沢が現れて高級感のする植字が得られる。
この様な植字を使った表示板は、植字表面に綺麗な装飾表面が現れて高級感のする表示板が得られる。また、植字ブランクが加工し易いこと、表示板との組付けが容易になり作業が早く出来ることから歩留まりも向上して製造コストの安い表示板が得られる。また当然ながら、この様な表示板を使った時計には表示面が綺麗で貴金属感を帯びて高級感を与える。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図1〜図3を用いて説明する。ここで、図1は本発明の実施形態に係る植字の斜視図、図2は図1における植字の柱状足の横断面図、図3は表示板における植字の取付け要部断面図を示している。
本発明の植字21は、図1に示すように、頭部22と1個の足部23とに分かれている。頭部22は表示板の表面に現れて一つの指標を示す部分になっていて、指標としての色々な形状を形取る部分になっている。従って、この頭部22は切削加工や研削加工などが行われて所要の形状、所要の切削表面や研削表面になっている。また、この頭部22には装飾メッキが施されていて所要の装飾仕上げ表面に仕上げられている。
足部23は表示基板に取付けられて、表示基板と強く固定される部分になっている。足部23は本発明においては1個有し、図2に示すように、その横断面は長軸Xと短軸Yの異形断面(図2においては長方形)を持って、図1に示すように、ストレート状に起立した柱状足(柱状の足)の形状をなしている。足部23の形状はプレス加工(鍛造方法)での成形し易い形状、切削加工でのチャックの成形製作が容易な形状、そして、表示基板に取付けた時に回転しない形状として横断面が長軸と短軸を持った形状を選択する。この様な形状として図1、図2に示した長方形の形状や長円形の形状、楕円形の形状を好適に選択する。また、足部23を強度的に強くするために1個にし、長軸幅や短軸幅、及び高さの寸法を許容可能な範囲に大きく設定し、足部23を掴持して頭部22の切削加工が容易にできるようにする。また、この足部23は表示基板に設けた小孔に挿嵌して取付けるが、その時に取付け易くするために外径部分に尖ったエッチ部がないような形状にする。例えば、長方形の形状を取った場合に4隅23dはR付けを行って丸みを持たせるなどである。また、この足部23は防蝕メッキが施される。
上記の構成を取る植字21は次のような製造方法で製作される。最初に、フープ状の金属板をプレス機械と鍛造型を用いて足部23の形状寸法と頭部22の厚みなどを所要の形状・寸法にプレス加工で成形する。金属板はFe、Cu、あるいは、これらの合金金属などの金属材料のものが用いられる。次に、プレス切断型を用いて頭部22を所要の形状に切断して植字21の植字ブランクを製作する。次に、この植字ブランクに防蝕メッキを施す。防蝕メッキは耐蝕目的で行うもので、Ni、Cuなどの金属メッキなどが選択できる。次に、切削機械と切削バイトを用いて頭部22を所要の形状に切削加工し、所要の形状・寸法、所要の装飾カット切削表面を得る。この時、ダイヤモンドバイトを用いて鏡面なる装飾カット表面に仕上げることもできる。また、仕様によっては研削盤と研削ホイールを用いて研削表面に仕上げることもできる。切削加工や研削加工は植字ブランクの足部23を掴持して行う。また、チャックは4つ割などの割型のものを使用する。割型チャックを用いると足部23の掴持力を均一にできるので好ましい。次に、装飾メッキを施す。装飾メッキは植字ブランクの足部23の部分をメッキ引掛け治具に引掛けて行う。装飾メッキとしては、Cr、Au、Ag、Pd、Ptなどの金属メッキ、あるいは、これらの金属の合金金属メッキなどを選択することができる。引掛け治具を使ってメッキを施すと品物のこすり合わせがなくなるのでキズなどが発生せず、一個一個綺麗に装飾メッキを施すことができる。また、植字ブランクの足部23を許容できる限り太く、そして、強度的に強くしてあることからメッキ引掛け治具にしっかりと引掛けることができ、メッキ途上の揺動で引掛け治具から落下すると云う問題は生じない。以上のような製造方法で植字21が製作される。
次に、上記の構成を取る植字21と表示基板との取付けを図3を用いて説明する。図3より、表示基板27には植字21取付け用の小孔27aが設けられている。この小孔27aは植字21の足部23の外形23bの形状と同じ形状、即ち、長軸と短軸を持った長穴状に形成される。この小孔27aに植字21の頭部22が表面側になるようにして足部23を挿入する。小孔27aと足部23の外形23bとは整合の状態で挿嵌される。そして、表示基板27の裏面側で植字の21の足部23を表示基板27にカシメ方法で固定する。このカシメ方法は足部23の下面23aの外周部を叩き潰して、表示基板27の小孔27aの周りに足部23の肉を横に広げてカシメ部23eを形成することによって植字21と表示基板27との固定が行われる。また、カシメ方法以外の方法として、足部23の下面23aを削って表示基板27の小孔27aの周りにバリ(返り)を発生させ、そのバリを介して植字21と表示基板27とを固定する方法も取ることができる。また、必要に応じて、表示基板27の裏面側から足部23の周りに接着剤を塗布して固定力を補強しても構わない。尚、表示基板27は黄銅板や洋白板などの0.3〜0.5mm厚み金属板にメッキや塗装などの表面処理を施した基板が用いられる。金属板に代えてプラスチック板なども用いることができる。また、表示基板27の小孔27aはプレス抜方法、切削加工方法、レーザ加工方法などで形成する。
以上の構成を取った植字にすることにより、植字の頭部にダイヤモンドバイトを用いて装飾カット面を設けることができ、更に、装飾メッキも1個1個施すことができる。従って、光沢のある貴金属感の現れた綺麗な植字が得られる。また、このような光沢のある貴金属感の現れた綺麗な植字を設けた表示板には高級感が現れる。また、植字の足部を1個としたことで表示基板との取付け作業が簡単に短時間できるようになり、熟練性も必要としなくなる。また、植字の足部を1個としたことで、従来の2個の足を設けた植字における足間距離の厳しい寸法精度、並びに、表示基板の2個の小孔間の厳しい寸法精度を管理すると云う必要性はなくなる。そして、植字の製作や表示基板の製作上での寸法不良が少なくなり歩留まりが向上する。
最初に、本発明の実施例1として、携帯時計の表示板に用いる植字でもって説明する。図4は本発明の実施例1に係る植字の斜視図を示しており、図4の(a)は植字の足部側から見た斜視図、図4の(b)は植字の頭部側から見た斜視図を示している。携帯時計の表示板に用いられる棒植字(棒状になった植字)を示しており、この棒植字が時字を示す指標になっている。
図4より、棒状の植字31は棒状の形状を持つ頭部32と横断面が長円形の形状を持つ足部33から構成される。この植字31は黄銅板なる金属からできており、頭部32と足部33は一体に形成されている。足部33は頭部32から垂直起立で形成された柱状足(柱状の足)の形状を取っており、その横断面は長軸と短軸を持つた長円形の形状を取っている。そして、防蝕メッキとしてNiメッキが施こされている。頭部32は棒状に細長くなった形状を取っており、長手方向に沿って両端2箇所にカットされた斜面32cを持っている。この斜面32cはダイヤモンドバイトを用いて切削方法で形成して鏡面に仕上げている。また同様に、頭部32の上面32aもダイヤモンドバイトを用いて削り、鏡面に仕上げている。また更に、この頭部32にはAuメッキなる装飾メッキが施されていて、鏡面光沢のある金色の色調を持った頭部になっている。
上記の構成を取る植字31は次のような製造方法で製作する。最初に、フープ状の黄銅板をプレス機械と鍛造型を用いて足部33の柱状足の形状寸法と頭部32の厚みなどを所要の形状・寸法でプレス加工で成形する。次に、プレス切断型を用いて頭部22を四角な棒状の形状に切断して植字31の植字ブランクを製作する。次に、この植字ブランクにNiメッキなる防蝕メッキを施す。次に、切削機械とダイヤモンドバイトを用いて、植字ブランクの足部33を切削機械の割型チャックに掴持して植字ブランクを回転させ、ダイヤモンドバイトで切削して2箇所の斜面32cを形成し、更に、上面32aも僅かな量を切削して斜面と上面を鏡面に仕上げる。次に、メッキ引掛け治具に植字ブランクの足部33の部分を引掛けて植字ブランクをメッキ引掛け治具に固定し、メッキ浴槽に浸漬して時々揺動しながらAuメッキなる装飾メッキを行う。これによって植字31が得られる。
この様にして形成された植字31は時計用の表示基板に取付けられて使用される。表示基板に設けられる植字31取付け用の小孔は植字31の足部33の長円形の形状と同じ形状の小孔が設けられる。取付ける方法は前述の実施形態で説明した方法と同じ方法で取付ける。
ここで、携帯時計の表示板に用いる棒状の植字31は、棒状の頭部32は、幅0.3〜1.5mm、長さ1.0〜4.5mmの寸法を持つ。また、足部33は、短軸幅0.2〜0.5mm、長軸幅0.7〜4.0mm、高さ0.35〜0.55mmの寸法を持つ。従って、足部33は可成り強い剛性を持ったものとなり、足部33を掴持して頭部32をバイトで切削しても何ら変形は生じない。
以上のようにして形成した植字31は斜面を持った凹凸面が現れ、鏡面光沢のある金金属色を持った植字となる。そして、表示板に取付けた時には立体感と凹凸感を持って、光沢のあるゴールド色の現れた時字となって表示板上に現れる。AgメッキやPdメッキを施した表示板と組み合わせると表示板全体で貴金属感が現れて高級感が現れてくる。
尚、本実施例1においては、植字31の材料として黄銅板を用いたが、特に黄銅板に限るものではなく、他の材質の材料、例えば鉄や鉄合金の板やリン青銅板などを用いても何ら支障はない。また、装飾メッキにAuメッキを施したが、Ag、Pd、Cr、Rh、白金パラジウムなどの装飾メッキを施しても構わない。決められた仕様に応じて装飾メッキを設定するようにするのが好ましい。また、防蝕メッキはNiメッキを施したが、Niメッキに限るものではなく、他の防蝕メッキを施しても良い。また、防蝕メッキはメッキ籠にバラの状態に入れてメッキ処理を行っても構わない。
また、本実施例1においては、植字31の足部33を長円形の柱状足の形状で形成したが、長方形の柱状足や楕円形の柱状足の形状に形成しても同じ作用・効果を得る。
次に、本発明の実施例2に係る植字について図5〜図7を用いて説明する。図5は本発明の実施例2に係る植字の斜視図を示しており、図5の(a)は植字の足部側から見た斜視図、図5の(b)は植字の頭部側から見た斜視図を示している。また、図6は図5に示す植字の足部を掴持して頭部を切削している状態を説明する説明図で、図7は図5に示す植字を表示基板に取付けた状態の要部断面図を示している。本実施例2の植字も、前述の実施例1と同様に、携帯時計の表示板に用いられる棒植字(棒状になった植字)を示している。
最初に、図5を用いて本実施例2の植字の構成を説明する。本実施例2の植字41は、棒状の形状を持つ頭部42と段付の柱状足の形状を取る足部43とからなっており、頭部42と段付の足部43は一体になって形成されている。段付の足部43は、図5の(a)に示すように、図中左右に切欠け状に段部43dを設けている。従って、足部43は段部43dが形成された所迄は横断面が長円形の形状を取り、段部43dが形成された所からは横断面が長方形の形状を取った柱状足の形状をなしている。また、この左右にある段部43dは同じ高さでもって形成されている。そして、本実施例2にあっては、段部43dの奥行き幅は長軸方向に少なくとも0.15mm以上の奥行き幅を持っていて、頭部42からの段部43dまでの高さhは0.15〜0.2mmの高さを持っている。また、この段付の足部43はNiメッキなる防蝕メッキが施こされている。頭部42は棒状に細長くなった形状を取っており、2箇所にカットされた斜面42cを持っている。この斜面42cはダイヤモンドバイトを用いて切削方法で形成して鏡面に仕上げている。また更に、この頭部32にはAuメッキなる装飾メッキが施されていて、2箇所の斜面42cの部分は鏡面光沢を持った金色色調が現れ、上面42aは鏡面光沢を持たない金色色調が現れる頭部になっている。
上記の構成を取る植字41の製造方法は、前述の実施例1と同じ製造方法を取る。即ち、フープ状の黄銅板をプレス機械と鍛造型を用いて足部43(段付の柱状足の形状)をプレス加工で成形する。次に、プレス切断型を用いて頭部42を四角な棒状の形状に切断して植字41の植字ブランクを製作する。次に、この植字ブランクにNiメッキなる防蝕メッキを施す。次に、切削機械とダイヤモンドバイトを用いて、植字ブランクの足部43を切削機械の割型チャックに掴持して植字ブランクを回転させ、ダイヤモンドバイトで切削して2箇所の斜面42cを形成する。次に、メッキ引掛け治具に植字ブランクの足部43の部分を引掛けて植字ブランクをメッキ引掛け治具に固定し、メッキ浴槽に浸漬して時々揺動しながらAuメッキなる装飾メッキを行う。これによって植字41を得る。
図6は植字ブランクの足部43を切削機械の割型チャックに掴持して植字ブランクを回転させてダイヤモンドバイトで切削している状態を描いた図である。図6において、51は切削機械のチャック52を取付けてチャック52を回転させる回転装置である。回転装置51の所に複数のチャック52が取付けられていて、そのチャック52に植字ブランク(図中においては植字41の符号でもって示している)が掴持される。53はダイヤモンドバイトで、植字ブランクの丁度真ん中の位置にくるようにバイトホルダー(図中では省略)に取り付けられる。ダイヤモンドバイト53は矢印方向に前進と後退の送りが行われ、植字ブランクに切削加工を行うときは前進し、切削加工が終了すると後退するようになっている。一方、植字ブランクはチャック52に掴持されて矢印の方向に回転する回転装置と共に回転するようになっている。ここで、段付の足部43はチャック52に掴持されるが、足部43の段部43dの所でチャック52の先端に突き当たり、段部43dより奥に入らないようになっている。従って、柱状の足はチャック52の先端から段部43dの高さh分飛び出して掴持される。植字ブランクの頭部42をダイヤモンドバイト53を前進させて切削するとき、ダイヤモンドバイト53の前進送り量にこの飛び出し量h分余裕が持てる。従って、植字ブランクの頭部42の厚み分全部削り取ってもダイヤモンドバイト53はチャック52に接触することがない。足部43に設けた段部43dはダイヤモンドバイト53がチャック52に接触してのバイト破損を防止する目的で設けている。この様に足部に43に段部43dを設けることで頭部43の切削はかなり頭部43の奥深くまで切削することが可能となる。尚、ここで用いるチャック52は4つ割の割型を持ったチャックを用いて、長方形形状の外形4面を全部均一な力で掴持できるようにしている。掴持力に偏りがあると切削時における切削抵抗で植字ブランクが跳ね飛ばされることが生じる。従って、足部の掴持面全面を均一な力で掴持する必要がある。本件発明では割型のチャックを用いてこの問題を解決している。
上記の構成を取る植字41は図7に示す取付構造を持って表示基板に取付けられる。図7より、表示基板47には植字41の足部43と整合する長円形の小孔47aが設けられており、その小孔47aに段付の足部43が挿嵌される。挿嵌した足部43は段部43dを持っているため小孔47aとに隙間が発生する。そして、その隙間には接着剤45が埋められて足部43と表示基板47とを接着固定する。また、足部43の長方形を成す下面43aの部分は前述の実施形態で用いたカシメ方式で表示基板47と固定する。この様な固定方法を取ることによって植字41と表示基板47とは強固に固定される。
以上の構成を取った植字41を取付けた表示板は、時字を示す棒状の植字41の部分において、長手方向に反って両側に斜面取りされた部分が鏡面光沢をなして金色に輝き、真ん中部分の鏡面光沢のない金色を呈する。鏡面光沢のない金色部分を挟んで鏡面光沢の金色が現れた模様を形成する。この様に模様を持っての装飾性を高めた時字が現れる。そして更に、斜面でもっての凹凸が現れて、立体感と凹凸感を持った時字が現れる。この様な時字の装飾性によって表示板の装飾性も高まって高級感などが現れてくる。また、この様な表示板を用いた携帯時計にあっては、表示板の豊かな装飾によって美しさと高級感が現れる。
本実施例2における植字41は、棒状の頭部42は長手方向の両側にカット斜面を設けたもので構成したが、特に形状に拘るものではなく、段状にカットした形状、あるいは、真ん中部分をカットした形状、あるいはまた、狭い幅方向にカットした形状など色々な形状のカット模様を形成することができる。また、頭部42は棒状の頭部に限らず、他の色々な形状に形成することもできる。
また、本実施例2においては、植字41の材料として黄銅板を用いたが、他の材質の材料、例えば鉄や鉄合金の板やリン青銅板などを用いても何ら支障はない。また、装飾メッキにAuメッキを施したが、Ag、Pd、Cr、Rh、白金パラジウムなどの装飾メッキを施しても構わない。
また、本実施例2においては、植字41の段付の足部43は長円形の柱状足を段付にしたが、楕円形の柱状足や長方形の柱状足を段付にして用いてもその作用・効果は何ら変わらない。
以上、時計用の植字を実施例に取って説明したが、本発明の植字は時計用の植字に限らず他の各種の表示パネルや各種の銘板などにも共通して適用できるものである。
本発明の実施形態に係る植字の斜視図である。 図1における植字の柱状足の横断面図である。 表示板における植字の取付け要部断面図である。 本発明の実施例1に係る植字の斜視図を示しており、図4の(a)は植字の足部側から見た斜視図、図4の(b)は植字の頭部側から見た斜視図である。 本発明の実施例2に係る植字の斜視図を示しており、図5の(a)は植字の足部側から見た斜視図、図5の(b)は植字の頭部側から見た斜視図である。 図5に示す植字の足部を掴持して頭部を切削している状態を説明する説明図である。 図5に示す植字を表示基板に取付けた状態の要部断面図である。 非特許文献1に示されたところの一実施例の植字の斜視図である。 図8に示された植字の制作方法を示した抜型と材料の縦断面図である。 植字を時計用表示板に固定したところの構造を示す拡大断面図である。
符号の説明
21、31、41 植字
22、32、42 頭部
32a、42a 上面
32c、42c 斜面
23、33、43 足部
23a、33a、43a 下面
23b 外形
43d 段部
27、47 表示基板
27a、47a 小孔
45 接着剤
51 回転装置
52 チャック
53 ダイヤモンドバイト

Claims (10)

  1. 頭部と1個の足部とからなり、前記足部は長軸と短軸の異形断面を持つ柱状足の形状をなしていることを特徴とする植字。
  2. 前記柱状足はストレート足又は段付足であることを特徴とする請求項1に記載の植字。
  3. 前記柱状足の異形断面は長方形又は長円形、又は楕円形の形状をなしていることを特徴とする請求項1又は2に記載の植字。
  4. 前記足部は防蝕メッキが施されており、前記頭部は装飾メッキが施されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の植字。
  5. 植字を組付けた表示板において、前記表示板は前記請求項1乃至4のいずれか1項に記載の植字を用いて形成したことを特徴とする表示板。
  6. 時計用の表示板を備えた時計において、前記請求項5に記載の表示板を備えたことを特徴とする時計。
  7. 切削方法もしくはプレス(鍛造)方法にて、頭部と異形断面の柱状足の形状をなす1個の足部とからなる植字ブランクを形成する工程と、
    前記植字ブランクに防蝕メッキを施す工程と、
    前記植字ブランクの前記足部を掴持して前記頭部を装飾カットする工程と、
    前記植字ブランクの前記足部を掴持して装飾メッキを施す工程と、
    を有することを特徴とする植字の製造方法。
  8. 前記柱状足の異形断面は長軸と短軸を持つ異形断面であることを特徴とする請求項7に記載の植字の製造方法。
  9. 前記柱状足はストレート足又は段付足であることを特徴とする請求項7又は8に記載の植字の製造方法。
  10. 前記頭部を装飾カットする工程において、前記足部の掴持は割型チャックで行うことを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の植字の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009031056A (ja) * 2007-07-25 2009-02-12 Citizen Watch Co Ltd ソーラーセル機器類の表示板
JP2009198312A (ja) * 2008-02-21 2009-09-03 Citizen Seimitsu Co Ltd 表示板及びその製造方法

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