JP2006266211A - 内燃機関の排熱発電装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】排気ガスの有する高温をより十分に活かした発電を行う。
【解決手段】排気ポート6の管壁に,高温側面10aと低温側面10bとの間の温度差によって発電する熱電変換素子10が取付けられる。熱電変換素子10は,高温側面10aが排気ポート6の径方向中心側を向くようにした状態で,排気ポート6の管壁形状に沿うように配設される。高温側面10aを排気ポート6内に露出させることができる。低温側面10bを,排気ポート6の周囲に形成されている冷却水通路8直近に位置させることができる。熱電変換素子10を,湾曲する排気ポート6のうち湾曲外側部分あるいはその下流側延長部分に配設することができる。
【選択図】 図4
【解決手段】排気ポート6の管壁に,高温側面10aと低温側面10bとの間の温度差によって発電する熱電変換素子10が取付けられる。熱電変換素子10は,高温側面10aが排気ポート6の径方向中心側を向くようにした状態で,排気ポート6の管壁形状に沿うように配設される。高温側面10aを排気ポート6内に露出させることができる。低温側面10bを,排気ポート6の周囲に形成されている冷却水通路8直近に位置させることができる。熱電変換素子10を,湾曲する排気ポート6のうち湾曲外側部分あるいはその下流側延長部分に配設することができる。
【選択図】 図4
Description
本発明は内燃機関の排熱発電装置に関するものである。
内燃機関においては,高温の排気ガスが大気に放出されることによる熱エネルギの損失が大きいものである。このため,特許文献1には,熱電変換素子を用いて,無駄に捨てられていた熱エネルギの一部を電気エネルギとして回収するものが提案されている。すなわち,熱電変換素子は,半導体を利用して構成されて,その一面側が高温側面とされると共に,他面側が低温側面とされて,この高温側面と低温側面との間の温度差によって発電を行うものとなっており,特許文献1に記載のものでは,このような熱電変換素子を内燃機関本体と排気マニホールドとの間に介在させたものとなっている。より具体的には,特許文献1に記載のものでは,熱電変換素子の高温側面を排気マニホールド側に位置させると共に,低温側面を内燃機関本体側(排気ポートの開口端面側)に位置するように配設して,排気マニホールドの有する高熱を,熱電変換素子を介して内燃機関本体内に形成されている冷却水通路内の冷却水に逃がすようにしたものとなっている。このように,特許文献1に記載のものでは,熱電変換素子に温度差を生じさせる場合に,冷却水通路を流れる冷却水によって冷却される内燃機関本体を低温側物体として利用し,排気ガスによって高温とされる排気マニホールドを高温側物体として利用したものとなっている。
特開2000−73754号公報
しかしながら,特許文献1に記載のものでは,大気に大きく露出される関係上大気の冷却作用を大きく受ける排気マニホールドを高温側物体として利用しているため,また排気ガスは排気マニホールドに排出されるまでに少なからず温度低下をきたすために,排気ガスの有する高温を十分に活かした発電とはならない。
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので,その目的は,排気ガスの有する高温をより十分に活かした発電を行えるようにした内燃機関の排熱発電装置を提供することにある。
前記目的を達成するため,本発明にあっては次のような解決手法を採択してある。すなわち,特許請求の範囲における請求項1に記載のように,
内燃機関の排気ポート管壁に,一面側が高温側面とされると共に他面側が低温側面とされて,該高温側面と低温側面との間の温度差によって発電する熱電変換素子が取付けられ,
前記熱電変換素子は,前記高温側面が排気ポートの径方向中心側を向くようにした状態で,排気ポートの管壁形状に沿うように配設されている,
ようにしてある。上記解決手法によれば,熱電変換素子の高温側面は,排気ポート内を流れる高い温度が維持されたままの排気ガスから効果的に高温を受けることになり,したがって熱電変換素子は極めて大きな温度差を利用した効果的な発電を行うことになる。
内燃機関の排気ポート管壁に,一面側が高温側面とされると共に他面側が低温側面とされて,該高温側面と低温側面との間の温度差によって発電する熱電変換素子が取付けられ,
前記熱電変換素子は,前記高温側面が排気ポートの径方向中心側を向くようにした状態で,排気ポートの管壁形状に沿うように配設されている,
ようにしてある。上記解決手法によれば,熱電変換素子の高温側面は,排気ポート内を流れる高い温度が維持されたままの排気ガスから効果的に高温を受けることになり,したがって熱電変換素子は極めて大きな温度差を利用した効果的な発電を行うことになる。
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項2以下に記載のとおりである。すなわち,
前記高温側面が排気ポート内に露出されている,ようにすることができる(請求項2対応)。この場合,熱電変換素子の高温側面は,高温の排気ガスと直接接触することになり,より一層効果的に発電を行う上で好ましいものとなる。
前記高温側面が排気ポート内に露出されている,ようにすることができる(請求項2対応)。この場合,熱電変換素子の高温側面は,高温の排気ガスと直接接触することになり,より一層効果的に発電を行う上で好ましいものとなる。
排気ポートの周囲に冷却水通路が形成されており,
前記熱電変換素子は,前記低温側面が前記冷却水通路側に向くように配設されている,
ようにすることができる(請求項3対応)。この場合,熱電変換素子の低温側面が,冷却水通路に向いているので,低温側面の温度そのものを極力低温にして,高温側面との間の温度差をより十分に確保でき,より一層効果的な発電を行う上で好ましいものとなる。
前記熱電変換素子は,前記低温側面が前記冷却水通路側に向くように配設されている,
ようにすることができる(請求項3対応)。この場合,熱電変換素子の低温側面が,冷却水通路に向いているので,低温側面の温度そのものを極力低温にして,高温側面との間の温度差をより十分に確保でき,より一層効果的な発電を行う上で好ましいものとなる。
排気ポートが,湾曲されており,
前記熱電変換素子が,排気ポート管壁のうち湾曲外側となる部分または該湾曲外側部分の下流側延長部分に配設されている,ようにすることができる(請求項4対応)。この場合,排気ガスは,排気ポート断面のうち湾曲外側およびその下流側延長部分をより多く通過しようとするので,熱電変換素子の高温側面を多量の排気ガスが通過することになり,この高温側面の高温化を促進して,より一層効果的な発電を行う上で好ましいものとなる。
前記熱電変換素子が,排気ポート管壁のうち湾曲外側となる部分または該湾曲外側部分の下流側延長部分に配設されている,ようにすることができる(請求項4対応)。この場合,排気ガスは,排気ポート断面のうち湾曲外側およびその下流側延長部分をより多く通過しようとするので,熱電変換素子の高温側面を多量の排気ガスが通過することになり,この高温側面の高温化を促進して,より一層効果的な発電を行う上で好ましいものとなる。
前記熱電変換素子が,排気ポートの周方向に間隔をあけて複数配設されている,ようにすることができる(請求項5対応)。この場合,熱電変換素子を,極力大きく湾曲させることなく,排気ポートの断面(周方向形状)に沿って配設する上で好ましいものとなる。また,熱電変換素子そのものの形成も容易となる。
内燃機関が,1つの気筒に対して複数の排気弁を有する往復動型とされ,
排気ポートが,前記各排気弁によって個々独立して開閉される複数の独立ポート部と,該複数の独立ポート部の下流側端同士が集合された集合ポート部とを有しており,
前記熱電変換素子が,前記集合ポート部の管壁に配設されている,
ようにすることができる(請求項6対応)。この場合,1つの気筒から排出される全ての排気ガスを利用して,熱電変換素子の高温側面を効果的に加温することができる。また,独立ポート部6A,6Bの曲率半径よりも集合ポート部6Cの曲率半径の方が大きいので,熱電変換素子の湾曲を小さくできその形成が容易となる。
排気ポートが,前記各排気弁によって個々独立して開閉される複数の独立ポート部と,該複数の独立ポート部の下流側端同士が集合された集合ポート部とを有しており,
前記熱電変換素子が,前記集合ポート部の管壁に配設されている,
ようにすることができる(請求項6対応)。この場合,1つの気筒から排出される全ての排気ガスを利用して,熱電変換素子の高温側面を効果的に加温することができる。また,独立ポート部6A,6Bの曲率半径よりも集合ポート部6Cの曲率半径の方が大きいので,熱電変換素子の湾曲を小さくできその形成が容易となる。
前記熱電変換素子における発電電力の出力端子部が,前記低温側面に位置設定されており,
前記出力端子部と内燃機関外部とを連通させる開口部が形成されており,
前記開口部を通して配設されたリード線が,前記出力端子部に接続されている,
ようにすることができる(請求項7対応)。この場合,開口部を通してリード線を配設することにより,熱電変換素子から内燃機関外部への発電電力の取り出しを容易に行うことができる。また,熱電変換素子の出力端子部を低温側面に設けてあるので,出力端子部を高温側面に設ける場合に比して,出力端子部の耐熱性確保等の点で有利となる。ちなみに,ば排気マニホールドの取付部に介在されるガスケットを通してリード線を配設する場合は,ガスケットとして高価な工夫をした専用開発品が必要となり,また排気ガスの漏れや排気マニホールド取付作業時にリード線を潰してしまう(断線の原因)という懸念があるが,本構成によればこのような問題をも解消できることになる。
前記出力端子部と内燃機関外部とを連通させる開口部が形成されており,
前記開口部を通して配設されたリード線が,前記出力端子部に接続されている,
ようにすることができる(請求項7対応)。この場合,開口部を通してリード線を配設することにより,熱電変換素子から内燃機関外部への発電電力の取り出しを容易に行うことができる。また,熱電変換素子の出力端子部を低温側面に設けてあるので,出力端子部を高温側面に設ける場合に比して,出力端子部の耐熱性確保等の点で有利となる。ちなみに,ば排気マニホールドの取付部に介在されるガスケットを通してリード線を配設する場合は,ガスケットとして高価な工夫をした専用開発品が必要となり,また排気ガスの漏れや排気マニホールド取付作業時にリード線を潰してしまう(断線の原因)という懸念があるが,本構成によればこのような問題をも解消できることになる。
本発明によれば,排気ガスの有する高温をより十分に活かして,より効果的に発電を行うことができる。
図1において,Eは往復動型とされた火花点火式の内燃機関であり,1はシリンダヘッド,2はシリンダブロック,3はピストン,4は燃焼室である。図2に示すように,燃焼室4に連なる吸気ポート5は,それぞれ図示を略す吸気弁によって開閉される2つの独立ポート部5A,5Bと,この2つの独立ポート部5A,5Bの上流側端同士が集合された集合ポート部5Cとを有し,集合ポート部5Cが図示を略す吸気マニホールドに接続される。図2に示すように,燃焼室4に連なる排気ポート6は,それぞれ図示を略す排気弁によって開閉される2つの独立ポート部6A,6Bと,この2つの独立ポート部6A,6Bの下流側端同士が集合された集合ポート部6Cとを有し,集合ポート部6Cが排気マニホールド7に接続される。このように,実施形態では,内燃機関Eは,1つの気筒に対して2つの吸気弁と2つの排気弁とを有するものとなっている。
排気ポート6の管壁,より具体的には排気ポート6のうちその集合ポート部6Cの周囲には,その上方と下方とにおいてそれぞれ冷却水通路8が形成されて,排気ポート付近の管壁が十分に冷却されるようになっている。なお,その他の冷却水通路が符合9で示されるが,各冷却水通路8と9とは互いに連通しているものである。
集合ポート部6Cの内壁面(内周面)には,熱電変換素子(熱電モジュール)10が取付けられている。熱電変換素子10は,半導体を利用して全体的に平板状に形成されて,その一面側が高温を受けるための高温側面10aとされ,その他面側が低温を受けるための低温側面10bとされている。そして,高温側面10aと低温側面10bとの温度差に応じて発電するようになっており,実施形態では,500度C程度の極めて高い耐熱性を有するものが用いられている。このような熱電変換素子10としては,例えば株式会社東芝製の商品名「GIGA TOPAZ」(登録商標)を用いることができる。
熱電変換素子10の取付態様の詳細について,図4,図5を参照しつつ説明する。まず,集合ポート部6Cの断面形状は,図5に示すように横長(気筒配列方向)とされたほぼ楕円形状となっていて,上面6aと下面6bとがほぼ直線状とされる一方,左右の各側面6c,6dはほぼ半円状とされている。上記上面6aと下面6bとには,それぞれ,集合ポート部6C方向に伸びる収納凹部11が形成されている。この収納凹部11は,集合ポート部6Cの外部開口端面つまり排気マニホールド7の取付面1aに開口されている。また,収納凹部11は,集合ポート部6C内に向けての開口幅が徐々に狭くなるように形成されており(あり溝形式),ここに挿入する熱電変換素子10の低温側面10bを所定の面圧(1MPa程度が好ましい)をもって収納凹部11(の底壁面)に当接させることができる(熱伝達率の向上)。さらに,収納凹部11の底壁面(熱電変換素子10の低温側面10bが臨む側の面)は平坦面とされている。熱電変換素子10は,その断面形状が収納凹部11の断面形状に対応した形状に設定されて,収納凹部11に対して集合ポート部6Cの外部開口端面側からがたつきなくスライド式に嵌合される。このような収納凹部11の上方あるいは下方の直近に,収納凹部11に沿うようにして前述した冷却水通路8が位置されている。
収納凹部11内に収納された熱電変換素子10は,収納凹部11の奥側壁面に当接することにより,集合ポート部6Cの奥側(燃焼室4に向かう側)に向けての変位が規制され,収納凹部11の左右側面に当接することにより集合ポート部6Cの周方向各側への変位が規制され,収納凹部11の集合ポート部6C内への開口幅が徐々に小さくなっていることにより集合ポート部6Cの径方向中心側に向けての変位が規制され,収納凹部11の底壁面に当接することにより集合ポート部6Cの径方向外方側への変位が規制される。収納凹部11に収納された熱電変換素子10は,排気マニホールド7によって収納凹部11からの抜けが規制される。すなわち,収納凹部11に熱電変換素子10を収納した状態で,取付面1aに着座されるガスケット12によって収納凹部11の外部(取付面1a)への開口部位が施蓋され,このガスケット12の上から排気マニホールド7のフランジ部7aが着座された状態で,このフランジ部7aがボルト13によってシリンダヘッド1(の取付面1a)に締結される。このように,従来から行われている排気マニホールド7の内燃機関Eへの取付けを有効に利用して,熱電変換素子10の収納凹部11からの抜けを規制するようになっている。なお,収納凹部11は,シリンダヘッド1の製造時(鋳造時)に同時に形成されるもので,その深さは鋳造時では熱電変換素子10の厚さよりも若干大きくされる。シリンダヘッド1の製造後に,集合ポート部6Cの内面を研削等に仕上げ加工する際に,収納凹部11の深さが熱電変換素子10の厚さに対応した厚さとなるまで小さくされる。
収納凹部11内に収納された熱電変換素子10は,その高温側面10aが集合ポート部6Cの内周面と面一となってその一部を構成するようになっている。これにより,熱電変換素子10によって排気ガスの流れを妨げることなく,高温側面10aが集合ポート部6Cを流れる高温の排気ガスに直接曝されることになる。熱電変換素子10の低温側面10bは,その直近に冷却水通路8が位置されて,冷却水通路8内を流れる冷却水によって十分に冷却されるようになっている。このようにして,熱電変換素子10の高温側面10aと低温側面10bとは,極めて大きな温度差が得られるような位置設定とされている。
熱電変換素子10は,発電した電力の出力端子部10c(プラス側とマイナス側との2つある)が,低温側面10b側に位置設定されている。排気ポート管壁には,一端が出力端子部10cに臨むと共に,他端がシリンダヘッド1の外部に開口する開口部14が形成されている。この開口部14の外部への開口部位は,排気マニホールド7のフランジ部7aに対してクランク軸方向にオフセットされた位置とされている(フランジ部7aに対して上方あるいは下方にオフセットされた位置)。熱電変換素子10で発電された電力を外部に取り出すためのリード線15が,開口部14を通して配設されて,その先端部が熱電変換素子10の出力端子部10cに接続されている。すなわち,リード線15の先端部は,図6に示すように,その先端を残して例えばセラミックス等の耐熱性絶縁材からなるカバー部材16によって被覆されていて,カバー部材16が開口部14内にがたつきなく嵌合されるようになっている。カバー部材16を開口部14内に深く挿入することにより,リード線15の先端部が熱電変換素子10の出力端子部10cに当接されて,出力端子部10cからの電力がリード線15を通して外部に取り出されることになる。なお,カバー部材16は,耐熱性接着剤等により排気ポート管壁に固定される。
なお,開口部14とリード線15は,各熱電変換素子10毎に設けられる(実施形態では2組設けられる)。また,開口部14の外部開口位置を,集合ポート部6Cの外部開口部位に対して左右方向(気筒配列方向)にオフセットさせた位置とすることも考えられるが,エンジン特に自動車用エンジンの多くはガスケット12が気筒配列方向に連なった1枚ものとされていることが多いので,このガスケット12が邪魔にならないように,実施形態で示すように集合ポート部6Cの外部開口位置に対して上下方向にオフセットさせた位置に開口させるのが好ましいものである。さらに,開口部14は,外部に向かうにつれて取付面1a側に近づくように(シリンダヘッド壁から離れていくように)斜めに形成されており,これにより,ドリル等の回転工具によって開口部14を形成(加工)する場合にシリンダヘッド壁との干渉が防止され,しかもリード線15の挿入も容易となる。
以上のような構成において,熱電変換素子10の高温側面10aは,高温の排気ガスに直接曝されて,極めて高温となる。この一方,熱電変換素子10の低温側面10bは,シリンダヘッド温度付近の低温となり,特に近くに冷却水通路8が位置しているので十分に低温となる。このため,高温側面10aと低温側面10bとの間の温度差が極めて大きくなって,熱電変換素子10は極めて効果的な発電を行うことになる。熱電変換素子10によって発電された電力は,リード線15によって外部に取り出されて,例えばバッテリの充電等適宜の用途に用いられる。熱電変換素子10は,収納凹部11内に収納されるので,熱電変換素子10の周囲面(特に低温側面10b)が排気ガスに極力曝されないようにする上で好ましいものとなっている。なお,熱電変換素子10を,収納凹部11に対して圧入することにより収納凹部11との隙間を無くしたり,あるいは耐熱性の接着剤(充・剤)を用いて収納凹部11との間の隙間を埋めるようにしてもよい。
排気ポート6は,排気ガスの流れ方向において,燃焼室4付近からほぼ上方に伸びた後,途中で横方向に向きを変えるように湾曲されている。排気ガスは,排気ポートの湾曲部位の外側部分およびこれに連なる延長部分を多く流れることになる。つまり,排気ポート6(集合ポート部6C)の断面での排気ガスの流れを見たとき,特に集合ポート部6Cの上方に位置された熱電変換素子10に対して多く排気ガスが流れて,この上方に位置される熱電変換素子10での発電がより効果的に行われることになる。
図7,図8は,本発明の第2の実施形態を示すもので,前記実施形態と同一構成要素には同一符合を付してその重複した説明は省略する(このことは以下の第3の実施形態についても同じ)。本実施形態では,熱電変換素子10Bを,別途インサート部材(ホルダ)20を用いて排気ポート管壁に組み込むようにしてある。すなわち,インサート部材20は,例えば銅を主体とした合金や鉄を主体とした合金等により形成されて,熱伝導性が優れていると共に耐熱性を十分に有しており,全体的に円筒形とされている。このインサート部材20の外周面には,周方向間隔をあけて2つの収納凹部21が形成されている。この収納凹部21は,インサート部材20の軸線方向一端部側にのみ開口されている。収納凹部21がインサート部材20の周方向において円弧状とされる関係上,熱電変換素子10Bも全体的に円弧状に湾曲して形成されている。熱電変換素子10Bは,収納凹部21内に収納されるが,この収納状態において,熱電変換素子10Bの外周面は,インサート部材20の外周面と面一とされてその一部を構成するようになっている。なお,収納凹部21のうちインサート部材20の径方向外方側への開口幅を徐々に小さくなるよう設定してもよく,この場合は,熱電変換素子10Bを,インサート部材20の軸線方向一端側から収納凹部11に対してスライド式に嵌合させればよい。
集合ポート部6Cは,その断面形状が円形とされて,その内周面には,取付凹部23が形成されている(前記実施形態における収納凹部11に相当)。この取付凹部23は,断面円環状とされて,排気マニホールド取付面1aに開口されている。インサート部材20は,取付面1a側から取付凹部23内に嵌合される。取付凹部23に収納されたインサート部材20の内周面は,集合ポート部6Cの内周面と面一とされてその一部を構成するようになっている。本実施形態でも,各熱電変換素子10Bの低温側面10bに出力端子部10cが形成されて,排気ポート管壁に形成された開口部14内を通して配設されるリード線15(図7,図8では図示を略す)によって,発電電力が外部へ取り出されるようになっている。
本実施形態においては,熱電変換素子10Bの高温側面10aが,インサート部材20を介して集合ポート部6C側に位置されて高温となって,発電を行うことになる。インサート部材20のうち熱電変換素子10Bの高温側面10aが臨む部分は,収納凹部21を形成した関係上薄肉となっており,排気ガスの有する高熱を高温側面10aへ伝達する上で好ましいものとなる。本実施形態では,慎重な取扱が望まれる熱電変換素子10Bを,あらかじめインサート部材20に組み込んでおくことにより,このインサート部材20で保護された状態でもって排気ポート管壁への組み付け作業を行うことができる。また,熱電変換素子10Bが汚い排気ガスに直接接触するのが防止されることになる(熱電変換素子10Bに比して極めて安価なインサート部材20のみをその汚損時に交換することも可能)。
図9,図10は本発明の第3の実施形態を示すものである。本実施形態では,図7,図8の第2の実施形態と同様に,円筒形のインサート部材20Bを用いてある。ただし,本実施形態では,熱電変換素子10Bが収納される収納凹部21を,インサート部材20Bの内周面に形成するようにしてある。収納凹部21に熱電変換素子10Bを収納した状態で,熱電変換素子10Bの内周面がインサート部材20Bの内周面と面一となってその一部を構成するようになっている(熱電変換素子10Bの内周面が,集合ポート部6Cの内周面と面一となってその一部を構成する)。そして,インサート部材20Bの一部には,収納凹部2に収納された熱電変換素子10Bの出力端子部10cに臨む位置において,切欠部25を形成してある。リード線15(図9,図10では図示を略す)を,開口部14から切欠部25を通して配設することにより,その先端部を出力端子部10cに接触させることが可能となる。本実施形態では,インサート部材20Bによる熱電変換素子10Bの保護を図りつつ,熱電変換素子10Bの高温側面10aを集合ポート部6C内に直接露出させるようにして,高温側面10aが排気ガスによって十分に高温とされる設定となっている。
以上実施形態について説明したが,本発明は,実施形態に限定されるものではなく,特許請求の範囲の記載された範囲において適宜の変更が可能であり,例えば次のような場合をも含むものである。内燃機関Eとしては,ディーゼルエンジンで代表される圧縮点火式式であってもよく,あるいはロータリピストンエンジンであってもよい。また,1つの気筒に対して排気弁が1つのみあるいは3以上有するものであってもよい。特に1つの気筒に対して複数の排気弁を有する場合は,各排気弁によって個々独立して開閉される複数の独立ポート部の周囲に熱電変換素子10(10B)を配設するようにしてもよい。熱電変換素子10(10B)を全体的に集合ポート部6Cの断面形状に沿う環状にして,集合ポート部6Cの全周を取り巻くように配設するようにしてもよい。熱電変換素子10(10B)は,多気筒内燃機関において,各気筒に全て設けるようにしてもよく,あるいは一部の気筒に対してのみ設けるようにしてもよい。勿論,本発明の目的は,明記されたものに限らず,実質的に好ましいあるいは利点として表現されたものを提供することをも暗黙的に含むものである。
E:内燃機関
1:シリンダヘッド
1a:排気マニホールド取付面(排気ポートの外部開口端面)
4:燃焼室
5:吸気ポート
6:排気ポート
6A,6B:独立ポート部
6C:集合ポート部
7:排気マニホールド
8,9:冷却水通路
10:熱電変換素子
10B:熱電変換素子(図7〜図10の実施形態)
10a:高温側面
10b:低温側面
10c:出力端子部
11:収納凹部
12:ガスケット
14:開口部(リード線配設用)
15:リード線
16:カバー部材
20:インサート部材(図7,図8の実施形態)
20B:インサート部材(図9,図10の実施形態)
21:収納凹部(図7〜図10の実施形態)
23:取付凹部(図7〜図10の実施形態)
25:切欠部(図7,図8の実施形態)
1:シリンダヘッド
1a:排気マニホールド取付面(排気ポートの外部開口端面)
4:燃焼室
5:吸気ポート
6:排気ポート
6A,6B:独立ポート部
6C:集合ポート部
7:排気マニホールド
8,9:冷却水通路
10:熱電変換素子
10B:熱電変換素子(図7〜図10の実施形態)
10a:高温側面
10b:低温側面
10c:出力端子部
11:収納凹部
12:ガスケット
14:開口部(リード線配設用)
15:リード線
16:カバー部材
20:インサート部材(図7,図8の実施形態)
20B:インサート部材(図9,図10の実施形態)
21:収納凹部(図7〜図10の実施形態)
23:取付凹部(図7〜図10の実施形態)
25:切欠部(図7,図8の実施形態)
Claims (7)
- 内燃機関の排気ポート管壁に,一面側が高温側面とされると共に他面側が低温側面とされて,該高温側面と低温側面との間の温度差によって発電する熱電変換素子が取付けられ,
前記熱電変換素子は,前記高温側面が排気ポートの径方向中心側を向くようにした状態で,排気ポートの管壁形状に沿うように配設されている,
ことを特徴とする内燃機関の排熱発電装置。 - 請求項1において,
前記高温側面が排気ポート内に露出されている,ことを特徴とする内燃機関の排熱発電装置。 - 請求項1または請求項2において,
排気ポートの周囲に冷却水通路が形成されており,
前記熱電変換素子は,前記低温側面が前記冷却水通路側に向くように配設されている,
ことを特徴とする内燃機関の排熱発電装置。 - 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において,
排気ポートが,湾曲されており,
前記熱電変換素子が,排気ポート管壁のうち湾曲外側となる部分または該湾曲外側部分の下流側延長部分に配設されている,
ことを特徴とする内燃機関の排熱発電装置。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において,
前記熱電変換素子が,排気ポートの周方向に間隔をあけて複数配設されている,ことを特徴とする内燃機関の排熱発電装置。 - 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において,
内燃機関が,1つの気筒に対して複数の排気弁を有する往復動型とされ,
排気ポートが,前記各排気弁によって個々独立して開閉される複数の独立ポート部と,該複数の独立ポート部の下流側端同士が集合された集合ポート部とを有しており,
前記熱電変換素子が,前記集合ポート部の管壁に配設されている,
ことを特徴とする内燃機関の排熱発電装置。 - 請求項1ないし請求項6のいずれか1項において,
前記熱電変換素子における発電電力の出力端子部が,前記低温側面に位置設定されており,
前記出力端子部と内燃機関外部とを連通させる開口部が形成されており,
前記開口部を通して配設されたリード線が,前記出力端子部に接続されている,
ことを特徴とする内燃機関の排熱発電装置。
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- 2005-03-25 JP JP2005088154A patent/JP2006266211A/ja active Pending
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