JP2006266171A - 容積形流体機械 - Google Patents

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Kazuto Higa
一人 比嘉
Hirokatsu Kosokabe
弘勝 香曽我部
Kenji Tojo
健司 東條
Kensaku Kokuni
研作 小国
Masahiko Kumagai
雅彦 熊谷
Daisuke Kuboi
大輔 久保井
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Abstract

【課題】
容積形流体機械において、作動流体の流入タイミングの制御を新たな部品を付加することなく且つ簡単な連通構造で可能とし、信頼性・組立性に優れた低コストのものとすること。
【解決手段】
容積形流体機械は、円筒状内周面8aおよび円筒孔部8bを備えるシリンダ8と、ローラ部10aおよびそのローラ部10aに一体に構成されたベーン部10cを備える揺動ピストン10と、ベーン部10cを円筒孔部8b内で両側面から挟み込み揺動自在に嵌装されたシュー11と、クランク軸4とを備える。シリンダ8には、円筒孔部8bに開口する作動流体の流入通路8d、8eが形成されている。シュー11には、一側が流入通路8eとクランク軸4の所定の回転角で連通・遮断され且つ他側が円筒状内周面内に連通するように連通路11a、11bが形成されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、容積形流体機械に係り、特に冷凍サイクルを構成するための少なくとも膨張機を含む容積形流体機械として好適なものである。
従来、冷凍サイクルで用いられる膨張機としては、特開平8−82296号公報(特許文献1)及び特開2001−153077号公報(特許文献2)に記載のものが知られている。
この特許文献1のものは、ローリングピストン式膨張機で、シリンダの端面を閉塞する閉塞板と軸受との間に流入タイミングを制御する回転円板が設けられ、該回転円板には開口が形成され、駆動軸に固定されている。この回転円板の開口は駆動軸の回転に伴って回転し、閉塞板の冷媒吸入口と軸受の冷媒吸入通路とが所定のタイミングで連通するように構成され、冷媒がシリンダ内の膨張室に流入して膨張するようになっている。
特許文献2のものは、シリンダの端面を閉塞する閉塞部材と軸受との間に流入タイミングを制御する公転部材が設けられている。該公転部材には開口が形成され、駆動軸に連結されると共に自転阻止機構が設けられている。この公転部材の開口は駆動軸の回転に伴って公転し、閉塞板の冷媒吸入口と軸受の冷媒吸入通路とが所定のタイミングで連通するように構成され、冷媒がシリンダ内の膨張室に流入して膨張するようになっている。
特開平8−82296号公報 特開2001−153077号公報
上述した特許文献1の膨張機では、回転円板が駆動軸の回転に伴って回転するため摺動速度が大きく、機械摩擦損失が大きくなる問題があり、高効率化を図ることが難しかった。
また、上述した特許文献1、2の膨張機では、冷媒の流入タイミングを制御するために回転円板や公転部材といった新たな摺動部品を付加する必要があるため、構造が複雑になり信頼性や組立性、コストの面で好ましくなかった。
本発明の目的は、作動流体の流入タイミングの制御を新たな部品を付加することなく且つ簡単な連通構造で可能とし、信頼性・組立性に優れた低コストの容積形流体機械を得ることにある。
前記目的を達成するために、本発明は、作動室を形成する円筒状内周面およびその外側に形成される円筒孔部を備え且つ両端面を端板により閉塞されるシリンダと、前記円筒状内周面内に配置されるローラ部とそのローラ部に一体に構成された板状のベーン部とを備える揺動ピストンと、その揺動ピストンのベーン部を前記円筒孔部内で両側面から挟み込み揺動自在に嵌装されたシューと、前記ローラ部内に回転自在に嵌合する偏心部を備えたクランク軸とを有する膨張機を備えた容積形流体機械において、前記円筒孔部に開口する前記シリンダに設けられた作動流体の流入通路と、一側が前記流入通路と前記クランク軸の所定の回転角で連通・遮断され且つ他側が前記円筒状内周面内に連通するように前記シューに形成された連通路とを有する構成にしたことにある。
前記本発明において、より好ましくは次の構成としたことにある。
(1)前記シューを貫通する連通孔と、その連通孔のベーン側から前記シューの平面部に沿って延び前記円筒状内周面内に開口する連通溝とを備えて前記連通路を構成したこと。
(2)前記シューを貫通する連通孔のみで前記連通路を形成したこと。
(3)前記シューの円筒状内周面側端部を全幅にわたって切欠きを形成したこと。
(4)前記シューを貫通する連通孔のみで前記連通路を形成すると共に、その連通孔を前記シューの切欠き面に開口させたこと。
(5)前記膨張機を2気筒とし、各シリンダの端面を閉塞する端板を介して積層状に配置し、位相を180°程度異ならせたこと。
(6)作動流体として二酸化炭素を冷媒とする冷凍サイクルに接続されること。
本発明によれば、一側が作動流体の流入通路と前記クランク軸の所定の回転角で連通・遮断され且つ他側が円筒状内周面内に連通するように連通路をシューに形成したので、作動流体の流入タイミングの制御を新たな部品を付加することなく且つ簡単な連通構造で可能とし、信頼性・組立性に優れた低コストの容積形流体機械を得ることができる。
また、本発明の好ましい例によれば、シューを貫通する連通孔と、その連通孔のベーン側からシューの平面部に沿って延び作動室に開口する連通溝とを備えて連通路を構成したので、単純な形状の連通孔と連通溝とすることができ、この点からも構造の簡略化を図ることができる。
また、本発明の好ましい例によれば、シューを貫通する連通孔のみで連通路を形成しているので、作動流体が液とガスとの2相状態で連通路に流入しても、シューとベーン部との摺動部の潤滑材に悪影響を与えることなく作動室に供給することができる。従って、この点からも、信頼性の向上を図ることができる。
また、本発明の好ましい例によれば、シューの作動室側端部を全幅にわたって切欠きを形成しているので、ベーン部をシューの作動室側端部に衝突することなく大きく突き出させることができ、揺動ピストンの揺動角を大きくすることができる。これによって、シリンダの流入通路とシューの連通路との連通面積を拡大でき、流入抵抗を低減して効率の向上を図ることができる。
また、本発明の好ましい例によれば、シューを貫通する直線状の連通孔のみで連通路を形成すると共に、その連通孔をシューの切欠き面に開口させているので、作動流体の流入タイミングの制御をより一層簡単な連通構造で可能としている。
また、本発明の好ましい例によれば、膨張機を2気筒とし、各シリンダの端面を閉塞する端板を介して積層状に配置し、位相を180°程度異ならせているので、2つの膨張機でクランク軸一回転中の発生トルク変化が干渉し合って小さくなることからクランク軸の速度変動も小さくなり、スムーズな回転を実現すると共に膨張機の自立起動性をより向上することが可能となる。
また、本発明の好ましい例によれば、冷凍サイクルに膨張機を備えた容積形流体機械を接続することにより冷凍サイクルのCOP(成績係数)向上を図ることができ、地球環境保全の点で優れている二酸化炭素を作動流体として用いることができる。
以下、本発明の複数の実施形態を、図を用いて説明する。各実施形態の図における同一符号は同一物または相当物を示す。
本発明の第1実施形態を、図1〜図7に基づいて説明する。
まず、本実施形態の容積形流体機械の全体に関して図1〜図3を参照しながら説明する。図1は本発明の第1実施形態に係わる容積形流体機械の縦断面図、図2は図1のA−A断面図、図3は図1のB−B断面図である。
容積形流体機械1は、冷凍サイクルにおける作動流体の膨張エネルギーを機械エネルギーに変換する膨張機2と、この変換された機械エネルギーにより仕事をする容積形ブロワ(圧縮機)3とを備えて構成されている。膨張機2と容積形ブロワ3とは積層して配置され、クランク軸4を介して連結されると共に、密閉容器5内に収納されている。
膨張機2は、仕切り板6を挟んで180°位相が異なる2気筒の揺動ピストン式膨張機となっている。その一方は膨張機クランク軸4の軸支持を兼ねた膨張機主軸受7と仕切り板6とにより膨張機シリンダ8の両端開口部が閉塞され、他方はクランク軸4の軸支持を兼ねた膨張機副軸受9と仕切り板6により膨張機シリンダ8の両端開口部が閉塞されており、どちらも基本的な膨張動作は同様である。膨張機主軸受7、仕切り板6および膨張機副軸受9は、それぞれのシリンダ8の両端開口部を閉鎖する端板をこうせいするものである。
シリンダ8には中央部に円筒状内周面8aが形成されている。クランク軸4には、シリンダ8の円筒状内周面8aにあたる部分に偏芯部4aが形成されており(2気筒であるため偏芯部は2個所あり、位相は180°ずれている)、揺動ピストン10のローラ部10aの軸受メタル10bが嵌合された円筒状内周面が回転可能に嵌入されている。ローラ部10aの円筒状外周面には板状のベーン部10cが一体で形成されている。
シリンダ8の円筒状内周面8aで形成される作動室の外側には円筒状内周面8aの中心軸と平行な中心軸を持つ円筒孔部8bが形成されている。円筒孔部8bのシリンダ8中心側はシリンダ8の円筒状内周面8aに連通され、円筒孔部8bの反対側は円筒孔部8bの外側に設けた逃げ孔部8cに連通されている。揺動ピストン10のベーン部10cは円筒孔部8bに挿入され、逃げ孔部8cに出入りされる。ベーン部10cと円筒孔部8bとの間にはベーン部10cの平面部に摺動可能に当接する平面部と円筒孔部8bの円筒面部に摺動可能に当接する円筒面部とを有するシュー11がベーン部10cを挟み込む形に組込まれている。
この結果、ベーン部10cは円筒孔部8bの中心軸を通る往復運動と中心軸廻りの揺動運動を行う。シュー11の円筒状内周面側端部には、全幅にわたって切欠き11cが形成されているので、ベーン部10cをシュー11の作動室側端部に衝突することなく大きく突き出させることができ、揺動ピストンの揺動角を大きくすることができる。これによって、シリンダ8の流入通路とシュー11の連通路との連通面積を拡大でき、流入抵抗を低減して効率の向上を図ることができる。ベーン部10cの先端部は逃げ孔部8cの中で運動し、シリンダ8と干渉することはない。
作動流体は、密閉容器5に取付けられた流入パイプ12から仕切り板6に流入し、分岐部6aで2つの膨張機に分岐され、それぞれシリンダ8の流入通路に導かれる。この流入通路は、流入パイプ12に連通する流入孔8dと、その流入孔8dに連通され円筒孔部8bに開口する流入溝8eとを有して構成されている。
作動流体の流入タイミングの調整は、この分岐部6aからシリンダ8の流入通路の流入孔8dを通って入ってくる高圧の作動流体を、この流入孔8dから円筒孔部8bに向かって形成された流入溝8eと、流入通路側のシュー11に形成された連通路との連通状態を設定することにより容易に実現される(詳細後述)。この連通路は、シュウー11にのみ形成され、ベーン部10cには形成されていない。これによって、ベーン部10cに形成するものと比較して、簡単な連通構造とすることができると共に、ベーン部10cの強度を増大でき、信頼性の向上を図ることができる。また、この連通路は、シュー11を貫通する連通孔11aと、その連通孔11aのベーン側からシュー11の平面部に沿って延び前記円筒状内周面内に開口する連通溝11bとを備えて構成されている。これによって、連通孔11aおよび連通溝11bを単純な形状、例えば直線状で形成することが可能となり、安価に製作することができる。
膨張された作動流体は、流出切欠き8fを通って仕切り板6の合流部6bで他方の膨張機から流出された作動流体と合流し、密閉容器5に取付けられた流出パイプ13から外部の冷凍サイクルに流出される。以上のような構成からなる膨張機2と膨張機主軸受7及び副軸受9、そして仕切り板6は積層上に積み重ねられた状態で膨張機締め付けボルト14によって組み立て固定され、仕切り板6外周部で密閉容器5の内周に嵌合固定されている。
一方、容積形ブロワ(圧縮機)3は、圧縮機クランク軸15の軸支持を兼ねた圧縮機主軸受16と圧縮機副軸受17により圧縮機シリンダ18の両端開口部が閉塞されている。シリンダ18には中央部に円筒状内周面18aが形成されている。クランク軸には、シリンダ18の円筒状内周面18aにあたる部分に偏芯部15aが形成されており、円筒状のローラ19の軸受メタル19aが嵌合された円筒状内周面が回転可能に嵌入されている。ローラ19の円筒状外周面には板状のベーン20がベーンスプリング20aにより押圧されており、このベーンスプリング20aはスプリング台20bで固定されている。
シリンダ18の円筒状内周面18aの外側には、このベーン20が往復摺動可能なベーン溝18bとシリンダ18とベーン20の干渉を防ぐ逃げ孔部18c及びベーンスプリング20aの他端部が嵌入して装着されるスプリング孔部18dが形成されている。また、密閉容器5に取付けられた吸入パイプ21は、シリンダ18の吸入通路18eと接続しており、吸入パイプ21から吸込まれた冷媒ガスは、吸入通路18eを通ってシリンダ18内に導入される。そして、その冷媒ガスは、クランク軸15の回転によってローラ19がシリンダ18の円筒状内周面18aに沿って偏芯回転運動をすることにより移動し、シリンダ18の円筒状内周面18aの一部を切欠く形に形成された吐出切欠き18fを通り、圧縮機副軸受に形成された吐出ポート17aを介して密閉容器5の上部に取付けられた吐出パイプ22から外部の冷凍サイクルに流出する。
以上のような構成からなる容積形ブロワ(圧縮機)3と圧縮機主軸受16及び副軸受17は積層状に積み重ねられた状態で圧縮機締め付けボルト23により膨張機主軸受に組み立て固定されている。
密閉容器5の底部には潤滑油24が貯溜されており、膨張機2及び容積形ブロワ3の大部分がこの潤滑油24中に浸漬した状態のため各摺動部に油供給路を通じて容易に潤滑油を導くことができるが、さらに軸受摺動部(膨張機クランク軸4と圧縮機クランク軸15の各軸受部)に強制的に給油するため、クランク軸4の下端部に給油ピース25を装着し、クランク軸4内に形成した給油通路4bを通してクランク軸4の回転による遠心ポンプ作用で膨張機2の各軸受摺動部に潤滑油を供給するようになっている。さらに、膨張機クランク軸4と圧縮機クランク軸15はキー26によって連結され、軸間の隙間をOリング27でシールすることで、クランク軸15内に形成した給油通路15bまで潤滑油を導き、圧縮機3の各軸受摺動部に潤滑油を供給できる構造になっている。
回転系のバランスは、圧縮機クランク軸15の上端部と、膨張機クランク軸4と圧縮機クランク軸15の連結部分の2個所に取付けられたバランスウェイト28によってとられ、クランク軸15上端部のバランスウェイト28の周囲はバランスウェイトカバー29で囲まれている。
次に、上述した第1実施形態における膨張機2の動作を図4および図5を参照しながら説明する。図4は第1実施形態の膨張機のクランク軸回転角ごとの作動状態を示す動作図、図5は第1実施形態の膨張機の容積変化特性図である。
図4はクランク軸回転角90°毎のシリンダ8内における揺動ピストン10の位置関係を示したものである。図4において、揺動ピストン10のベーン部10cが上死点位置(ベーン部が最もシリンダ8の外周部に突き出した状態)を回転角θの0°とし、クランク軸4は時計廻りに回転する。まず、回転角0°の状態では、シリンダ8の流入溝8eとシュー11の連通孔11aとは連通しておらず、蒸気圧縮冷凍サイクルの膨張過程入口にある高圧の作動流体はシリンダ8内への流入を遮断された状態にある。
一方、シリンダ8の流出切欠き8fはシリンダ8の作動室内に連通しているため、作動流体は膨張過程出口にあたる低圧の圧力状態になっている。この状態からクランク軸4が時計廻りに回転すると(本実施形態の容積形流体機械1の起動法については後述する)、ローラ部10aがクランク軸に対して公転してベーン部10cが傾き、シュー11が揺動するためシリンダ8の流入溝8eとシュー11の連通孔11aとが連通を開始するため、高圧の作動流体がシリンダ8内に流入しはじめ、シリンダ8内の圧力差によりクランク軸4を時計廻りに回転される機械エネルギーが発生する。回転角90°の状態では、シュー11の揺動によりシリンダ8の流入溝8eとシュー11の連通孔11aの連通部分の流路面積も拡大するため作動流体の流入が促進される。さらに90°回転した回転角180°の状態は、シリンダ8の流入溝8eとシュー11の連通孔11aとの連通が遮断された直後で、膨張機における作動流体の流入完了状態である。
この状態でクランク軸4が時計廻りに回転すると、高圧の作動流体の流入が遮断された状態で作動室の容積が拡大することから、作動流体は膨張し機械エネルギーを発生する。回転角270°の状態では、シュー11が回転角90°の状態とは反対方向に揺動運動するため、シリンダ8の流入溝8eとシュー11の連通孔11aとの連通は遮断された状態で、作動流体はさらに膨張して機械エネルギーを発生し続ける。さらに回転が進むと、クランク軸回転角が317°でシリンダ8の流出切欠き8fはシリンダ8内の膨張作動室に連通し、作動流体が流出された後、最初の回転角0°の状態になる。以上の動作を繰り返すことにより、作動流体の持つ膨張エネルギーが機械エネルギーに変換されることになる。
図5は本実施形態の膨張機の容積変化特性図であり、横軸はクランク軸回転角θ、縦軸は膨張機の理論容積(最大)Vthと膨張作動室容積Vの比をとっている。また、本実施形態の膨張機2の設計容積比Vrexは、高圧の作動流体が流入する容積(流入完了容積)をVi、膨張終了容積(流出開始容積)をVoとすると、Vrex=Vo/VIで表される。図5から、本実施形態の膨張機2の設計容積比Vrexは、Vrex=0.98/0.44=2.23であることが分かる。また、図4と図5から、シリンダ8の流入溝8e、またはシュー11の吸入孔11aの幅寸法及び位置を調整することにより、流入開始と流入完了となるクランク角すなわち流入完了容積が容易に変更できるとともに、流出切欠き8fの位置により流出開始容積も変更できることから、設計容積比Vrexも容易に設計変更可能であり、スクリュー式やスクロール式等の固有の設計容積比が組込まれた膨張機に比べて、設計対応が容易であるばかりではなく大幅な小型・低コスト化が図れる。
次に、本実施形態の容積形流体機械1を組込んだ冷凍サイクルについて図6および図7を参照しながら説明する。図6は本発明の第1実施形態に係わる容積形流体機械を備えた冷凍サイクルの模式図、図7は作動流体として自然冷媒である二酸化炭素(R744)を使用した場合について、モリエル線図上に表した本実施形態の容積形流体機械を備えた冷凍サイクル図である。
なお、冷媒としての二酸化炭素(R744)は、自然冷媒であり地球温暖化係数(GWP)もフロン系冷媒の数千分の一と小さく、地球環境保全の点で優れている。反面、高圧冷媒でモリエル線図上の理論COP(成績係数)が低いという欠点があるが、R744は膨張過程の損失がフロン系冷媒に比べて大きいことから、この膨張過程の動力を回収することによりCOPの大幅な改善が可能と期待されており、高効率で信頼性の高い膨張機を備えた容積形流体機械の開発が冷媒R744システム実用化の鍵を握ると考えられている。もちろん、フロン系冷媒のシステムでも改善比率は小さくなるがCOP向上が図れる。ここでは冷媒R744を例に挙げて説明する。
図6、図7において、図1から図3と同一符号を付したものは同一部品であり同一の作用をなし、本実施形態の容積形流体機械1を放熱器(ガスクーラ)31と蒸発器32の間に備えた冷凍(冷蔵)システム30が示されている。33はこの冷凍(冷蔵)システム30の主圧縮機、34は主圧縮機を動作するモータ、35は膨張機前段膨張弁、36は流量調整用膨張弁である。
冷媒の流れとしては、モータ34によって動作する主圧縮機33から吐出された高温・高圧冷媒(図7モリエル線図上の点Cの状態)は、ガスクーラ31に入って放熱し温度低下する。このガスクーラ31から出た冷媒(図7の点D)は本実施形態の容積形流体機械1の膨張機2に流入パイプ12を通って入り、前述の図4で示した膨張動作を行って膨張エネルギーを機械エネルギーに変換し、流出パイプ13から低温・低圧の気液二相冷媒(図7の点E)となって流出される。膨張機2を出た冷媒は蒸発器32に入って吸熱ガス化し、本実施形態の容積形流体機械1の容積形ブロワ(圧縮機)3に吸入パイプ21を通って吸込まれ、(図7の点A)、この容積形ブロワ3内で若干昇圧されて吐出パイプ22から吐出される(図7の点B)。
容積形ブロワ3から吐出された冷媒ガスは主圧縮機33に戻って再び圧縮されて高温・高圧のガス冷媒となる。以上のサイクルが繰り返され冷凍(冷蔵)作用をなす。なお、膨張機前段膨張弁35は膨張機2の前段に取付けられており、膨張機2では高圧の冷媒を膨張しきれない不足膨張の状態を解消する。
ここで、膨張弁35を膨張機2の後ではなく前に取付けたのは、図7のD−Eで表される等エントロピ線でも分かるように、膨張過程の損失が低圧状態よりも高圧状態の方が小さいからである。また、流量調整用膨張弁36は、膨張機2をバイパスする回路に取付けられサイクルの運転条件変化時の流量(圧力)調整等を行う。本実施形態の容積形流体機械1を備えることにより、膨張過程が等エントロピ変化(D−E)となり、膨張機を持たない場合の等エントロピ変化(破線で図示)と比べ、Δhexだけ冷凍効果が増えて容積形ブロワを駆動することで動力回収することにより、単位質量のガスを圧縮するのに必要な仕事がΔhadからΔhad'に減少し、COPを向上することが可能となる。
本実施形態の容積形流体機械1の起動法は、モータ34で主圧縮機33を起動することにより、最初に容積形ブロワ3の吐出パイプ22側が負圧になって圧縮機クランク軸15を回転するトルクが発生し、ついで膨張機クランク軸4にトルクが伝達した後、膨張機2の流入パイプ12に圧力が作用し膨張機2を回転駆動するようになることから自立起動が可能であるが、必要に応じてモータ等の起動装置を付属させることもできる。
次に、本発明の第2実施形態を図8に基づいて説明する。図8は本発明の第2実施形態に係わる容積形膨張機におけるクランク軸回転角ごとの作動流体の流入・流出状態(流入完了、流出開始)を示した動作図である。この第2実施形態は、次に述べる通り第1実施形態と相違するものであり、その他の点については第1実施形態と基本的には同一である。
この第2実施形態の膨張機は、ガスだけでなく、超臨界、液、ガス液二相状態の冷媒をも作動流体の対象としている。特に作動流体に液冷媒が混在して流入する場合に、第1実施形態では液冷媒がシュー11と揺動ピストン10のベーン部10cとの摺動部に接触して潤滑油を洗い流してしまうおそれがあった。そこで、第2実施形態では、シュー11の連通路が直線状の連通孔11aのみで形成すると共に、この連通孔11aを、シュー11の平面部に開口することなく(換言すれば、シュー11の平面部とベーン部10cとの摺動部に開口することなく)、シュー11の切欠き11cの傾斜面に開口するようにしたものである。
この第2実施形態の構成によれば、流入通路8d、8eから連通孔11aに液冷媒が混在した作動冷媒が流入しても、シュー11とベーン部10cとの摺動部を通ることなくこれを迂回してシリンダ8の円筒状内周面内に供給されるので、シュー11とベーン部10cとの摺動部の潤滑油を洗い流すことがなく、その摺動部の高い潤滑性を維持することができる。これによって、容積形流体機械の信頼性を確保することができる。
本発明の第1実施形態に係わる容積形流体機械の縦断面図である。 図1のA−A断面図である。 図1のB−B断面図である。 第1実施形態の膨張機のクランク軸回転角ごとの作動状態を示す説明図である。 第1実施形態の膨張機の容積変化特性図である。 第1実施形態に係わる容積形流体機械を備えた冷凍サイクルの模式図である。 図6の冷凍サイクルのモリエル線図である。 本発明の第2実施形態の容積形流体機械の動作状態の説明図である。
符号の説明
1…容積形流体機械、2…膨張機、3…容積形ブロワ、4…膨張機クランク軸、4a…偏芯部、4b…給油通路、5…密閉容器、6…仕切り板、6a…分岐部、6b…合流部、7…膨張機主軸受、8…膨張機シリンダ、8a…円筒状内周面、8b…円筒孔部、8c…逃げ孔部、8d…流入孔、8e…流入溝、8f…流出切欠き、9…膨張機副軸受、10…揺動ピストン、10a…ローラ部、10b…軸受メタル、10c…ベーン部、11…シュー、11a…連通孔、11b…連通溝、12…流入パイプ、13…流出パイプ、14…膨張機締め付けボルト、15…圧縮機クランク軸、15a…偏芯部、15b…給油通路、16…圧縮機主軸受、17…圧縮機副軸受、17a…吐出ポート、18…圧縮機シリンダ、18a…円筒状内周面、18b…ベーン溝、18c…逃げ孔部、18d…スプリング孔部、18e…吸入通路、18f…吐出切欠き、19…ローラ、19a…軸受メタル、20…ベーン、20a…ベーンスプリング、20b…スプリング台、21…吸入パイプ、22…吐出パイプ、23…圧縮機締め付けボルト、24…潤滑油、25…給油ピース、26…キー、27…Oリング、28…バランスウェイト、29…バランスウェイトカバー、30…冷凍(冷蔵)システム、31…放熱器(ガスクーラ)、32…蒸発器、33…主圧縮機、34…モータ、35…膨張機前段膨張弁、36…流量調整用膨張弁。

Claims (7)

  1. 作動室を形成する円筒状内周面およびその外側に形成される円筒孔部を備え且つ両端面を端板により閉塞されるシリンダと、
    前記円筒状内周面内に配置されるローラ部とそのローラ部に一体に構成された板状のベーン部とを備える揺動ピストンと、
    その揺動ピストンのベーン部を前記円筒孔部内で両側面から挟み込み揺動自在に嵌装されたシューと、
    前記ローラ部内に回転自在に嵌合する偏心部を備えたクランク軸とを有する膨張機を備えた容積形流体機械において、
    前記円筒孔部に開口する前記シリンダに設けられた作動流体の流入通路と、
    一側が前記流入通路と前記クランク軸の所定の回転角で連通・遮断され且つ他側が前記円筒状内周面内に連通するように前記シューに形成された連通路とを有する
    ことを特徴とした容積形流体機械。
  2. 請求項1に記載の容積形流体機械において、前記シューを貫通する連通孔と、その連通孔のベーン側から前記シューの平面部に沿って延び前記円筒状内周面内に開口する連通溝とを備えて前記連通路を構成したことを特徴とする容積形流体機械。
  3. 請求項1に記載の容積形流体機械において、前記シューを貫通する連通孔のみで前記連通路を形成したことを特徴とする容積形流体機械。
  4. 請求項1に記載の容積形流体機械において、前記シューの円筒状内周面側端部を全幅にわたって切欠きを形成したことを特徴とする容積形流体機械。
  5. 請求項4に記載の容積形流体機械において、前記シューを貫通する直線状の連通孔のみで前記連通路を形成すると共に、その連通孔を前記シューの切欠き面に開口させたことを特徴とする容積形流体機械。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載の容積形流体機械において、前記膨張機を2気筒とし、各シリンダの端面を閉塞する端板を介して積層状に配置し、位相を180°程度異ならせたことを特徴とした容積形流体機械。
  7. 請求項1〜6の何れかに記載の容積形流体機械において、作動流体として二酸化炭素を冷媒とする冷凍サイクルに接続されることを特徴とする容積形流体機械。
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