JP2006266141A - 往復動型流体機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】 製造コストの上昇を招くことなく、斜板とシュー並びにシューとピストンとの間の潤滑を大きく改善した往復動型流体機械を提供する。
【解決手段】 往復動型流体機械として斜板式圧縮機は、ミスト状の潤滑オイルを含む冷媒の圧縮に使用され、PF2 C4又はPF2 C1からなる樹脂製のシュー66を備え、シュー66はピストン側の半球形状のシュー面52と、斜板側の平坦なシュー面54と、これらシュー面52,54のそれぞれに同心的に形成された複数の環状のシュー溝56a,56bとを有する。
【選択図】 図5

Description

本発明は往復動型流体機械に係わり、特に、往復動型流体機械として車両用の冷凍回路に組込まれる斜板式又はスワッシュリング式の冷媒圧縮機に関する。
この種の冷媒圧縮機は例えば特許文献1に開示されている。この公知の冷媒圧縮機は、クランク室内に回転可能に配置された斜板を備えている。斜板の外周縁はピストンのテールに一対のシューを介して作動的に係合されており、ピストンは斜板の回転に伴い、シリンダボア内を往復運動する。
より詳しくは、一対のシューは、ピストンテールのシューソケットに受け取られ、斜板の回転を許容しつつ斜板の外周縁を挟み込んでいる。
欧州特許第1172555号明細書
一般的に、シューは鋼材料からなり、鍛造、熱処理及び仕上げ処理を経て成形されている。シューを形成する鋼材料は、斜板やピストンを形成する材料に比べて硬い。それ故、斜板や、ピストンのシューソケットの摩耗を低減するため、斜板の外周縁部及びシューソケットには耐摩耗性のコーティング膜が必要不可欠となる。このようなコーティング膜は特殊な材料から形成されるため、シューの製造コストを高める大きな要因となっている。
本発明の目的は、斜板やシューソケットに特殊且つ高価なコーティング膜を必要とせず、シューと斜板との間並びにシューとシューソケットとの間の潤滑を大きく改善した往復動型流体機械を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明の往復動型流体機械は、ハウジングであって、ミスト状の潤滑オイルを含む作動流体が供給される室及びこの室に開口したシリンダボアを有するハウジングと、前記室に回転可能に収容された板状又はリング状のスワッシュ部材と、シリンダボアに嵌合されたピストンであって、ピストンは前記スワッシュ部材の回転を前記ピストンの往復運動に変換する変換機構とを備えている。本発明の場合、変換機構は、ピストンの軸線方向に離間した一対のシューソケットと、各シューソケットのそれぞれに揺動自在に受け取られ、スワッシュ部材の回転を許容しつつ前記スワッシュ部材の外周縁を挟み付けるシューとを含み、これらシューはその外面に複数の溝を有する(請求項1)。
具体的には、シューは半球形状をなし、シューソケットに摺接する半球形状のシュー面と、スワッシュ部材に摺接する平坦なシュー面を有する(請求項2)。好ましくは、溝は少なくとも一方のシュー面に形成されている(請求項3)。
上述したシューの溝は、流体機械の作動中、作動流体に含まれるオイルミストを捕獲し、その内部に潤滑オイルを蓄える。このようにして溝内に蓄えられた潤滑オイルは、シューとシューソケットとの間、又は、シューとスワッシュ部材との間の潤滑に使用され、シューの摺動抵抗を低減する。
更に、シューは、少なくとも一方のシュー面の中央に形成された凹所を更に含むことができる(請求項4)。このような凹所もまた潤滑オイルを蓄え、潤滑オイルの備蓄量が増加する。
シューは、鋼材料又は添加材料が混合されたフェノール樹脂から形成されているのが好ましい(請求項5,6)。この場合、添加材料は、グラファイト粉末材料及びガラスボールの少なくとも一方を含むことができる(請求項7)。
シューが樹脂から形成される場合、シューは圧縮成形又は射出成形により形成可能である。シューが射出成形により形成される場合、上述した凹所は一方の前記型に設けられ、射出ゲート又はイジェクトピンのガイド孔を有した突起により形成される(請求項8)。
請求項1〜5の往復動型流体機械は、その外面に溝を有したシューを使用しているのでシューソケットとシューとの間、又は、シューとスワッシュ部材との間に流体的な潤滑系が提供され、シューの潤滑を良好に行うができる。この結果、シューソケットやスワッシュ部材のためのコーティング膜を容易且つ安価に形成することができる。
請求項6〜8の往復動型流体機械は樹脂製のシューを使用しているので、シューソケットやスワッシュ部材のためのコーティング膜が不要となる。また、樹脂製のシューはピストンの慣性質量を小さくし、ピストンの動的バランスの改善に寄与する。更に、シューは射出成形のみにより、最終製品として形成可能となる。
図1は往復動型流体機械としての斜板式圧縮機を示す。この圧縮機は車両の空調システム、即ち、空調システムに組み込まれる冷凍回路の冷媒圧縮機として好適する。
圧縮機は円筒状のハウジング10を備え、このハウジング10は図1でみて左側からフロントケーシング12、シリンダブロック14及びシリンダヘッド16を含む。これらフロンケーシング12、シリンダブロック14及びシリンダヘッド16は複数の連結ボルト18を介して互いに連結されている。図1には1本の連結ボルト18のみが示されている。
フロントケーシング12はその内部にシリンダブロック14と協働してクランク室20を気密に規定する。このクランク室20の中央には駆動軸22が配置され、この駆動軸22の両端はフロントケーシング12及びシリンダブロック14に軸受を介して回転自在に支持されている。
図1から明らかなように、駆動軸22の一端はフロントケーシング12の外側に突出し、動力伝達経路を介して車両のエンジン(図示しない)に接続されている。駆動軸22がエンジンからの動力を受取ったとき、駆動軸22は一方向に回転される。
クランク室20には円形の斜板24が収容され、この斜板24は駆動軸22に結合され、駆動軸22と一緒に回転される。駆動軸22に対する斜板24の傾斜角は一定に維持されているか、又は、クランク室20内の圧力PCにより可変される。なお、斜板24の傾斜角が可変される場合、斜板24は駆動軸22に角度可変カプラを介して結合される。
一方、シリンダブロック14はその内部に複数のシリンダボア26を規定しており、これらシリンダボア26はシリンダブロック14の周方向に等間隔を存して配置されている。シリンダボア26は駆動軸22の軸線と平行に延び、シリンダブロック14を貫通する。更に、シリンダブロック14の径方向でみて、各シリンダボア26の軸線と駆動軸22の軸線との間の距離は同一である。
各シリンダボア26内にはピストン28が摺動自在に嵌合され、ピストン28はそのシリンダボア26内を往復動自在である。各ピスント28は前述した斜板24の外周縁に対し、一対のシュー30を介して作動的に係合されている。より詳しくは、各ピストン28はピストンテール32を有し、このピストンテール32はシリンダボア26からクランク室20に常時突出し、その内部に第1実施例の一対のシュー30を保持している。
斜板24が回転されたとき、各ピストン28は一対のシュー30を介してシリンダボア26内を往復運動する。このようなピストン28の往復運動は、作動流体、即ち、冷媒の吸入、圧縮及び吐出プロセスを実行する。なお、この種の圧縮機に使用される冷媒はミス状の潤滑オイルを含んでおり、このオイルミストは圧縮機内における各機構部の潤滑に使用される。
より詳しくは、シリンダブロック14とシリンダヘッド16との間にはバルブプレート34が配置されている。シリンダブロック14とバブルプレート34との間にはシリンダガスケット(図示しない)が挟み込まれており、バルブプレート34とシリンダヘッド16との間にはヘッドガスケット(図示しない)が挟み込まれている。
シリンダヘッド16はその内部に吸入室36及び吐出室38を気密に規定し、これら吸入室36及び吐出室38は互いに分離されている。この実施例の場合、吸入室36はシリンダヘッド16内の中央に位置付けられ、吐出室38は吸入室36を囲む環状をなしている。なお、吸入室36は冷凍回路の蒸発器に接続され、蒸発器から吸入圧PSの冷媒が供給される。一方、吐出室38は冷凍回路の凝縮器に接続され、この凝縮器に吐出圧PDの冷媒を供給する。
前述したバルブプレート34は各シリンダボア26内にそのピストン28と協働して圧縮室40を形成し、この圧縮室40は吸入弁及び吐出弁を介して吸入室36及び吐出室38に連通可能である。より詳しくは、吸入弁及び吐出弁は前述したシリンダガスケット及びヘッドガスケットと一体に形成されたリード弁体を含み、バルブプレート34の吸入孔42及び吐出孔44を開閉する。これら吸入孔42及び吐出孔44は圧縮室40毎に割り当てられ、そして、吐出弁はそのリード弁体の開度を制限するリテーナ(図示しない)を更に含んでいる。
今、ピストン28がクランク室20に向けて移動されるとき、吸入弁が開かれ、吸入室36内の冷媒が吸入孔42を通じて圧縮室40に冷媒が吸入される。この後、ピストン28がバルブプレート34に向けて移動されるとき、圧縮室40内の冷媒は加圧され、そして、冷媒の圧力が吐出弁の締切圧、即ち、吐出圧PDを越えたとき、吐出弁が開かれる。この時点にて、圧縮室40内の高圧の冷媒が吐出孔44を通じて吐出室38に吐出される。
なお、斜板24の傾斜角が制御される場合、前述したクランク室20は吸入室36にオリフィス通路を介して接続される一方、吐出室38に制御弁を備えた圧力制御通路を介して接続されている。従って、クランク室20内の圧力は、吐出室38から供給される冷媒の供給量と、クランク室20から吸入室36に逃げる冷媒の排出量とのバランスにより決定される。この結果、斜板24の傾斜角は制御弁の開度により制御可能となり、これにより、圧縮機の容量は斜板24の傾斜角により可変される。
図2は、ピストンテール32を詳細に示す。
ピストンテール32はU字形状をなし、一対のシューホルダ46を有する。これらシューホルダ46はピストン28の軸線方向に離間し、ブリッジ48を介して互いに連結されている。ピストン28の往復運動中、ブリッジ48はフロントケーシング12の内周面に摺接し、ピストン28の軸線回りに回転を阻止する。
一対のシューホルダ46は互いに対向する内面を有し、これら内面にシューソケット50がそれぞれ形成されている。これらシューソケット50は半球状の凹面から形成されている。
一方、一対のシュー30は半球形状をなし、シューソケット50に嵌め合わせ可能な半球形のシュー面52と、斜板24に摺接する平坦なシュー面54とを有する。それ故、シュー30は対応するシューソケット50に受け取られた状態で、シューソケット50の凹面に従って回転自在且つ揺動自在である。
シュー面52,54の少なくとも一方には複数のシュー溝56が形成されている。図3及び図4から明らかなように各シュー溝56は環状をなし、シュー面52,54のそれぞれに2本ずつ同心的に配置されている。
更に、シュー面52,54の中央には円形の凹所、即ち、オイルリザーバ58,60がそれぞれ形成されている。
上述したシュー30は鋼材料として、例えばボールベアリング鋼(SUJ2:JIS規格)から形成され、この形成プロセスには鍛造、熱処理及び仕上げ加工が含まれる。一方、ピストン28、つまり、シューソケット50や斜板24はアルミニウム合金から形成されている。それ故、シュー30の硬度はシューソケット50及び斜板24に比べて高い。このため、シューがSUJ2から形成される場合、図2に示されるようにシューソケット50及び斜板24の外周縁部の両面には耐摩耗性のコーティング膜62、64がそれぞれ形成されている。
圧縮機の作動中、クランク室20内に供給された冷媒中のオイルミストはシュー30のシュー面52に付着する。付着したオイルミストはシュー30の運動に起因してシュー30の半球形状のシュー面52とシューソケット50、即ち、コーティング膜62との間に移送され、これらシュー面52とコーティング膜62との間を潤滑しながら、シュー溝56a及びオイルリザーバ58に捕獲される。従って、シュー溝56a及びオイルリザーバ58内には潤滑オイルが常時蓄えられ、蓄えられた潤滑オイルはシュー面52とコーティング膜62との間に供給される。
一方、冷媒中のオイルミストは斜板24の外面、即ち、コーティング膜64に付着するので、付着したオイルミストは斜板24の回転によりシュー30の平坦なシュー面54にも同様に供給され、シュー面54と斜板24のコーティング膜64との間を潤滑する。また、シュー面54上のオイルミストは斜板24の傾斜、つまり、シュー面54の傾斜に起因してシュー面54上を移送され、シュー面54のシュー溝56b及びオイルリザーバ60に捕獲される。従って、これらシュー溝56b及びオイルリザーバ60にも潤滑オイルが蓄えられ、蓄えられた潤滑オイルはシュー面54とコーティング膜64との間に供給される。
シュー溝56a,56b及びオイルリザーバ58,60を備えたシュー30は、流体力学的な潤滑系を提供し、コーティング膜62,64の摩耗を大きく低減する。それ故、コーティング膜62,64の形成に特別な材料やプロセスを必要とせず、コーティング膜62,64を容易且つ安価に形成することができる。例えば、コーティング膜62,64として、グラファイトベースの材料やテフロン(登録商標)からなる単一層の膜、又は、ニッケル及びテフロン(登録商標)の二層構造の膜等を使用することができる。
本発明の圧縮機は、上述したSUJ2からなるシュー30に代えて、図5に示される第2実施例の樹脂製のシュー66を使用することもできる。この場合、シュー66は添加材料が混合されたフェノール樹脂から形成される。第2実施例のシュー66は、前述したシュー30と同様な外形形状を有し、それ故、図5中、シュー30のシュー溝56a,56b及びオイルリザーバ58,60と対応するシュー66の部位には同一の参照符号が付されている。
シュー66もまたシュー溝56a,56b及びオイルリザーバ58,60を有するので、第1実施例のシュー30と同様な利点を発揮する。
付け加えて、シュー66の硬度はSUJ2製のシュー30に比べて十分に低いので、前述したコーティング膜62,64を省略することもできる。また、シュー66はシュー30よりも軽いので、ピストン28の慣性質量が小さくなり、圧縮機の作動中、ピストンの動的バランスの改善に大きく寄与する。
シュー66は、圧縮成形又は射出成形により成形することができ、図5中の1点鎖線は、シュー66の成形に使用される型の分離ラインPLを示している。シュー66が射出成形により成形される場合、具体的には、図6に示されるような型68,70が使用される。型68の内面は、シュー66のシュー面52、シュー溝56a及びオイルリザーパ58を形成するプロファイルを有し、これに対し、型70の内面はシュー66のシュー面54、シュー溝56b及びオイルリザーバ60を形成するためのプロファイルを有する。
より詳しくは、型70はその内面にオイルリザーパ60を形成するための円形の突起72を有し、この突起72内に射出ゲート74が形成されている。射出ゲート74は突起72の端面に開口した一端と、射出ノズル76に接続された他端とを有する。射出ノズル76は溶融したフェノール樹脂を添加剤とともに、射出ゲート74を通じて型68,70間のキャビティに注入する。
一方、型68はその内面にオイルリザーバ58を形成するための円形の突起78を有し、この突起78内にはガイド孔80が形成されている。ガイド孔80は突起78の端面に開口した一端と、型68の背面に開口した他端とを有する。ガイド孔80にはイジェクタピン82が摺動自在に挿入されている。このイジェクタピン82は、射出成形されたシュー66を型68から押し出すために使用される。
型68,70を使用してシュー66が射出成形された後、シュー66は付加的な後処理を必要としない。この点に関して詳述すれば、シュー66が射出成形されたとき、前述した射出ゲート74やガイド孔80の開口端に対応したシュー66の部位にバリが発生することもある。しかしながら、このようなバリはオイルリザーバ58,60の底に生じることから、バリがシュー66のシュー面52,54から突出することはない。それ故、シュー66の射出成形後、シュー66は付加的なバリ取り加工を必要としない。
前述した射出ゲート74及びガイド孔80は、型68の突起78及び型70の突起72にそれぞれ形成することも可能である。
前述したフェノール樹脂に混合される添加材料は、グラファイトの粉末材料及びガラスボールの少なくとも一方を含むことができる。グラファイトの粉末材料のみが混合されたフェノール樹脂はPF2 C4(ISO規格)と称され、グラファイトの粉末材料及びガラスボールの両方が混合されたフェノール樹脂はPF2 C1(ISO規格)と称されている。
PF2 C4は完全な等方性材料であるので、PF2 C4から射出成形されたシュー66は残留ストレスを有していない。それ故、この後、シュー66がアニール処理されても、シュー66のサイズや形状に変化が生じることはない。この結果、正確なサイズ及び形状のシュー66が射出成形のみで製造可能となり、シュー66の製造コストを安価することができる。
一方、PF2 C1は完全ではないが、ほぼ等方性材料である。それ故、PF2 C1から射出成形されたシュー66は残留ストレスを有する。このため、シュー66がアニール処理された後、シュー66のサイズや形状に変化が生じる。しかしながら、PF2 C1中にはガラスボールが混合されているので、これらガラスボールはシュー66の上述した変化を効果的に阻止する。たとえ、シュー66に上述の変化が発生しても、この変化はシュー66の平坦なシュー面54のみを仕上げ加工することで解消される。
図7は、所定の試験条件下にて圧縮機が作動されたとき、PF2 C4からなるシュー66及びPF2 C3(ISO規格)からなる参照シューの摩擦係数の範囲及びその経年変化をそれそれ示す。なお、PF2 C3はガラス繊維が混合されたフェノール樹脂である。
図7から明らかなようにシュー66の摩擦係数は殆ど変化せず、参照シューの摩擦係数に比べて約1/2である。なお、参照シューの摩擦係数は、試験開始直後に急激に増加されている。これは、試験開始前、参照シューの外面にフェノール樹脂の層のみが存在し、試験開始後、上述した参照シューの層が摩耗し、参照シューの外面にガラス繊維が露出したことに起因するものと考えられる。
図8は、異なる試験条件下でのシュー66及び参照シューの摩擦係数の範囲及びその経年変化をそれぞれ示す。この場合にも、シュー66の摩擦係数は参照シューの摩擦係数に比べて約1/2である。図8の場合、参照シューの摩擦係数は試験開始直後から高い。これは、参照シューの外面にガラス繊維が予め露出されていたためと考えられる。
なお、PF2 C3と同様に、PF2 C1からなるシュー66の摩擦係数は参照シューに比べて十分に小さく、そして、その経年変化もまた殆ど変化しない。
本発明は、前述した第1及び第2実施例のシュー30,66に制約されるものではなく、種々の変形が可能である。
図9〜図11は、第3実施例のシュー84を示す。
シュー84はシュー30,66に対してシュー溝の形状及び配置のみが異なる。より詳しくは、シュー84における半球形状のシュー面52には例えば12個のシュー溝86が形成されており、これらシュー溝86はシュー面52の周方向に分布され、シュー面52の外周縁から中央のオイルリザーバ58に向けて延びている。
図10から明らかなように、12個のシュー溝86は4つのグループに分けられ、各グループはシュー面52の周方向に等間隔を存して配置されている。シュー面52の直径方向に離間した2つのグループ内にて、対応するシュー溝86同士は図10でみて同一の線上に位置付けられている。
一方、図11に示されるようにシュー84における平坦なシュー面54には例えば8個のシュー溝が形成されており、これらシュー溝は、シュー面54の周方向に等間隔を存して配置され、且つ、シュー面54の径方向に延びる4つの径方向溝88aと、これら径方向溝88a間にそれぞれ配置された4個のL字溝88bとを含み、各L字溝88bはそのコーナをオイルリザーバ60に向けた姿勢を有する。図11から明らかなように、シュー溝88a,88bは何れも、シュー面54の外周縁に達していないことに留意すべきである。
図12〜図14は第4実施例のシュー90を示す。
シュー90の半球形状のシュー面52は、前述した第3実施例のシュー溝86を含む格子状の溝パターン92を有する。また、シュー90の平坦なシュー面54もまた、前述した第3実施例のシュー溝88a,88bを含む格子状の溝パターン94を有する。溝パターン92,94はオイルリザーパ58,60にそれぞれ接続されている。
第3及び第4実施例のシュー84,90は前述した鋼材料又は樹脂材料から形成され、シュー84,90の溝86,88及び溝パターン92,94は、第1及び第2実施例のシュー30,66のシュー溝56と同様な流体的潤滑系を提供する。
更に、上述した第1〜第4実施例のシューが適用可能な圧縮機は図1に示したタイプに制約されるものでもないことは言うまでもない。また、本発明はスワッシュリング式の圧縮機にも適用可能である。
往復動型流体機械としての斜板式圧縮機を示した縦断面図である。 図1中、第1実施例のシューを保持するピストンテールの拡大断面図である。 図2のシューの平面図である。 図2のシューの底面図である。 第2実施例のシューを一部破断して示す側面図である。 図5のシューを射出成形するために使用される一対の型を示した断面図である。 圧縮機が所定の試験条件下にて作動されたとき、第2実施例のシュー及び参照のシューの摩擦係数の範囲及びその経年変化を示したグラフである。 試験条件が異なる場合での摩擦係数の範囲及びその経年変化を示したグラフである。 第3実施例のシューを示した側面図である。 図9のシューの平面図である。 図9のシューの底面図である。 第4実施例のシューを示した側面図である。 図12のシューの平面図である。 図12のシューの底面図である。
符号の説明
12 フロントケーシング(ハウジング)
24 斜板
26 シリンダボア
30,66,84,90 シュー(変換機構)
32 ピストンテール(変換機構)
50 シューソケット(変換機構)
52,54 シュー面
56,86,88 シュー溝
58,60 オイルリザーバ(凹所)
68,70 型
72,78 突起
74 射出ゲート
80 ガイド孔
82 イジェクタピン
92,94 溝パターン(シュー溝)

Claims (8)

  1. 往復動型流体機械は、
    ハウジングであって、ミスト状の潤滑オイルを含んだ作動流体が供給される室及びこの室に開口したシリンダボアを有する、ハウジングと、
    前記室に回転可能に収容された板状又はリング状のスワッシュ部材と、
    前記シリンダボアに嵌合されたピストンであって、前記ピストンは前記スワッシュ部材の回転を前記ピストンの往復運動に変換する変換機構と
    を備え、
    前記変換機構は、
    前記ピストンの軸線方向に離間した一対のシューソケットと、
    前記各シューソケットのそれぞれに揺動自在に受け取られ、前記スワッシュ部材の回転を許容しつつ前記スワッシュ部材の外周縁を挟み付けるシューであって、その外面に複数の溝を有したシューと
    を含む。
  2. 請求項1の往復動型流体機械において、
    前記シューは半球形状をなし、前記シューソケットに摺接する半球形状のシュー面と、前記スワッシュ部材に摺接する平坦なシュー面を有する。
  3. 請求項2の往復動型流体機械において、
    前記溝は、少なくとも一方の前記シュー面に形成されている。
  4. 請求項3の往復動型流体機械において、
    前記シューは、少なくとも一方のシュー面の中央に形成された凹所を更に含む。
  5. 請求項1〜4の何れかの往復動型流体機械において、
    前記シューは鋼材料から形成されている。
  6. 請求項1〜4の何れかの往復動型流体機械において、
    前記シューは、添加材料が混合されたフェノール樹脂から形成されている。
  7. 請求項6の往復動型流体機械において、
    前記添加材料は、グラファイト粉末材料及びガラスボールの少なくとも一方を含む。
  8. 請求項4の往復動型流体機械において、
    前記シューは一対の型を使用した射出成形により、添加材料が混合されたフェノール樹脂から成形され、
    前記凹所は、一方の前記型に設けられ、射出ゲート及びイジェクトピンのガイド孔の一方を有した突起により形成される。
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