JP2006265970A - 有害物質低減システムを備えた居室 - Google Patents

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Abstract

【課題】 住宅などの居室における蛍光灯に代表される室内光でも有害物質を効率よく分解し、有害物質濃度を低減することができる居室を提供する。
【解決手段】 可視光型光触媒をその最表面に備えた有害物質分解能を有する内装建材1と、この内装建材1表面に沿って空気流を発生させる空気流発生装置2とを備え、空気流発生装置2で発生させた空気流中の有害物質を内装建材1表面に吸着させ、有害物質を可視光型光触媒で分解して居室内空気中の有害物質濃度を低減する。
【選択図】図1

Description

本願発明は、有害物質低減システムを備えた居室に関するものである。
近年、住宅用部材から放散されるホルムアルデヒド等の有機化合物が住宅の室内空気を汚染し、いわゆるシックハウス症候群等を引き起こす一因となると指摘されている。また、ペット等に由来するアンモニア等の臭気物質で室内空気が汚染されると、居住者に不快感を与える。
これらの問題を解決するため、シックハウス症候群等の原因物質とされる室内空気中のホルムアルデヒド等の有機化合物やアンモニア等の臭気物質といった有害物質を酸化チタンなどの光触媒により吸着・分解して、居室内空気の有害物質濃度を低減する部材が知られている(たとえば、特許文献1参照)。さらに、表面に凹凸を設けることで消臭性、抗菌性を向上させた内装材(たとえば、特許文献2参照)や導電性板状基材表面の一方の表面に光触媒層を形成し、他方の表面に光触媒層の光励起により生じた電子の還元反応を促進する触媒層を形成して室内照明でもって浄化機能を発揮する光触媒部材(たとえば、特許文献3参照)も提案されている。
しかしながら、これら部材は有害物質の優れた分解能を有するものであるが、有害物質を分解作用部位に能動的に集める機能を有していないため、効率の点で空気清浄器と比べると未だ低く、その向上が望まれているのが実情である。
特開平9−140479号公報 特開2003−334453号公報 特開2002−35599号公報
そこで、本願発明は、以上の通りの背景からなされたものであり、住宅などの居室における蛍光灯に代表される室内光でも有害物質を効率よく分解し、有害物質濃度を低減することができる居室を提供することを課題としている。
本願発明は、前記の課題を解決するものとして、第1には、可視光型光触媒をその最表面に備えた有害物質分解能を有する内装建材と、この内装建材表面に沿って空気流を発生させる空気流発生装置とを備え、空気流発生装置で発生させた空気流中の有害物質を内装建材表面に吸着させ、有害物質を可視光型光触媒で分解して居室内空気中の有害物質濃度を低減するようにしていることを特徴とする。
そして、第2には、上記の有害物質低減システムを備えた居室において、内装建材表面には、空気流発生装置からの空気流の流れ方向に誘引溝が延設され、この誘引溝に流れた空気流の風速を保持するようにしていることを特徴とする。
また、本願発明は、第3には、上記の有害物質低減システムを備えた居室において、内装建材は、少なくとも尿素およびヒドラジン誘導体のうちいずれかの化合物が含有されていることを特徴とする。
上記第1の発明では、可視光型光触媒をその最表面に備えた有害物質分解能を有する内装建材と、この内装建材表面に沿って空気流を発生させる空気流発生装置とを備えていることにより、シックハウス症候群などの原因物質とされる居室内空気中のホルムアルデヒドなどの有機化合物やアンモニアなどの臭気物質といった有害物質が空気流により内装建材表面に導かれてその表面に吸着され、蛍光灯に代表される室内光により可視光型光触媒で効率よく分解される。このため、居室内空気中の有害物質濃度を効率よく低減することができる。
上記第2の発明では、内装建材表面に、空気流発生装置からの空気流の流れ方向に誘引溝が延設されていることにより、誘引溝に流れた空気流の風速が保持される。このため、誘引溝に流れた空気流によって誘引される空気流(誘引流)の誘引範囲が拡張し、居室内空気中の有害物質を内装建材表面に効率的に導くことができる。
上記第3の発明では、内装建材は、少なくとも尿素およびヒドラジン誘導体のうちいずれかの化合物が含有されていることにより、シックハウス症候群などの原因物質とされる居室内空気中のホルムアルデヒドと反応して固着化および無害化され、居室内空気中のホルムアルデヒド濃度を効率よく低減することができる。
本願発明は前記のとおりの特徴をもつものであるが、以下に、発明を実施するための最良の形態を説明する。
本願発明は、可視光型光触媒をその最表面に備えた有害物質分解能を有する内装建材と、この内装建材表面に沿って空気流を発生させる空気流発生装置とを備えている。
内装建材の最表面に備えられる可視光型光触媒は、可視光領域の照射光で光触媒作用を発現するものであれば特に限定されるものではなく、たとえば酸素欠陥型酸化チタン、色素増感型酸化チタン、金属担持型酸化チタンなどを用いることができる。可視光型光触媒を内装建材表面に備える方法としては、特に限定されるものではないが、たとえば可視光型光触媒を含んだ塗料を刷毛塗りやローラ塗りで塗布したり、スプレーで噴霧するなどの方法を例示することができる。
このように内装建材の最表面に有害物質分解能を有する可視光型光触媒が備えられていることにより、内装建材表面では、たとえば、蛍光灯などの室内照明や窓の開口部から入射する太陽光などの微弱な紫外線および近傍の可視光領域によってヒドロキシラジカルやスーパーオキサイドイオンなどの活性酸素種が発生する。これら活性酸素種は強力な酸化作用を発現し、内装建材表面に吸着したホルムアルデヒドなどの有機化合物やアンモニアなどの臭気物質といった有害物質を酸化して無害な物質に分解される。たとえば、ホルムアルデヒドの場合は、二酸化炭素と水に分解される。
本願発明の内装建材は、住宅などの居室の内装仕上げに用いられる内装部材あるいはその材料を含むものであり、その表面が居室内の空気に接触している形態であれば、特に限定されるものではない。たとえば、壁紙、フローリング床材、天井材、内装ドア、クローゼット扉などが挙げられる。また、システムキッチンあるいは一般家具などの建具も用いることができる。
空気流発生装置は、内装建材表面に沿って空気流を発生させ、上述した居室内空気中の有害物質を内装建材表面に導くものである。このような空気流発生装置は、たとえば、攪拌装置や換気装置などが挙げられる。攪拌装置としてはシーリングファンなどの吸引型ファンを例示することができ、この吸引型ファンを用いた場合には、居室内の空気を吸引し内装建材表面に吹き出し流として排出するようにする。換気装置としては給排気同時型換気扇であってもよいし、一部循環型換気扇であってもよい。給排気同時型換気扇を用いた場合には、外部からの給気による吹き出し流を内装建材表面に向けて発生させるようにする。
いずれにしてもこれらの空気流発生装置によって内装建材表面に向けて発生させた吹き出し流は、その周囲の空気が誘引されて形成した誘引流を伴った空気流として内装建材表面に導かれることになる。導かれた空気流は内装建材表面に沿って流れ、内装建材表面における物質移動が促進される。可視光型光触媒を備えた内装建材による有害物質の分解は、内装建材表面への有害物質の吸着から開始されるため、空気流の物質移動により内装建材表面への有害物質の吸着が促進されると有害物質の分解も促進される。この結果、居室内空気中の有害物質濃度を効率よく低減することができるのである。
内装建材表面の空気流の風速としては、可視光型光触媒の性能を十分に発揮させるという観点から、通常の住宅における居室の内装建材表面の空気流の風速(一般に0.1〜0.3m/s程度)を超える速度、すなわち0.3m/sを超えて、2m/s程度までの範囲とすることが考慮される。居室内滞在者に不快感を感じさせないようにするためには1m/s程度以下とすることが望ましい。
したがって、空気流発生装置は、内装建材表面の空気流の風速が0.3m/sを超えて2m/s程度までの範囲になるように設定されることが望ましい。
空気流発生装置の設置場所としては、空気流を内装建材表面に沿って発生させることができるような場所であれば特に限定されることはない。たとえば、可視光型光触媒をその最表面に備えた内装建材が天井材である場合、空気流発生装置を壁面に設けてもよいし、天井材に設けてもよい。
なお、空気流についての詳細な説明は後述する。
図1は、本願発明の有害物質低減システムを備えた居室の一実施形態を模式的に例示した断面図である。この実施形態は、可視光型光触媒をその最表面に備えた内装建材1を天井材11として配設し、空気流発生装置2としての給排気同時型換気扇21を壁面3に設置している。そして、壁面3に設置した給排気同時型換気扇21により、外気を居室内に給気して(矢印A)天井材に向けて吹き出し(矢印B)、居室内の空気を吸引して(矢印C)室外に排気している(矢印D)。この実施形態では、矢印Bで示される吹き出し流に伴って居室内の空気が誘引されて空気中の有害物質が天井材11表面に導かれることになる。したがって、誘引された空気中の有害物質が天井材11表面で分解されるとともに居室の給排気が同時に行われるので、居室内空気中の有害物質濃度を効率よく低減することができる。
図2は、本願発明の有害物質低減システムを備えた居室の別の実施形態を模式的に例示した断面図である。この実施形態は、可視光型光触媒をその最表面に備えた内装建材1を天井材11として配設し、空気流発生装置2としての給排気同時型換気扇21をこの天井材11に設置している。この実施形態も図1の実施形態と同様に、天井材11に設置した給排気同時型換気扇21により、外気を居室内に給気して(矢印A)天井材11表面に沿って吹き出し(矢印B)、居室内の空気を吸引して(矢印C)室外に排気している(矢印D)。この実施形態では、矢印Bで示される吹き出し流に伴って居室内の空気が誘引されて空気中の有害物質が天井材11表面に導かれることになる。したがって、誘引された空気中の有害物質が天井材11表面で分解されるとともに居室の給排気が同時に行われるので、居室内空気中の有害物質濃度を効率よく低減することができる。
図3は、さらに別の実施形態を模式的に例示した断面図である。この実施形態は、可視光型光触媒をその最表面に備えた内装建材1を天井材11として配設し、空気流発生装置2としての吸引型ファン22をこの天井材11に設置している。そして、天井材11に設置した吸引型ファン22により、居室内の空気を吸引して(矢印A)天井材11表面に沿って吹き出している(矢印B)。この実施形態では、居室内空気中の有害物質が、矢印Bで示される吹き出し流とこの吹きだし流に伴う誘引流とにより天井材11表面に導かれることになる。したがって、空気中の有害物質が効率よく天井材11表面に導かれて分解されるので、居室内空気中の有害物質濃度を効率よく低減することができる。
本願発明における空気流は、空気流発生装置からの吹き出し流とこの吹き出し流によって形成された誘引流を伴った空気流としている。
図4は、上記の空気流を説明するための模式図である。図4によれば、攪拌装置や換気扇などの空気流発生装置の吹き出し口4から図中のA方向に向けて吹き出し流が発生している。図中のBは吹き出し流の風速分布を、破線Cは吹き出し流の展開範囲を示しており、吹き出し口4から離れるにつれて展開範囲が拡がり風速が弱まっていることを示している。誘引流5は、吹き出し流近傍の空気が吹き出し流に伴って形成される空気流のことを意味しており、吹き出し口4に近い展開範囲では吹き出し流の風速が強いため誘引流5が形成されやすくなっている。
本願発明は、内装建材表面に、空気流発生装置からの空気流の流れ方向に誘引溝を延設して、この誘引溝に流れた空気流の風速を保持するようにしてもよい。これによって、誘引溝に流れた空気流によって誘引される空気流(誘引流)の誘引範囲が拡張することになり、居室内空気中の有害物質を内装建材表面に効率的に導くことができる。
この誘引溝を複数延設することでより効果的に誘引範囲を拡張することができるが、用いられる場所や空気流発生装置の性能を考慮し、誘引溝の形状も含めて適宜に設定される。
図5は、誘引溝による誘引流の誘引範囲拡張を説明するための模式図である。図5によれば、空気流発生装置の吹き出し口4から図中のA方向に向けて吹き出し流が発生している。そして、この吹き出し流の流れ方向に誘引溝6を延設している。図中のBは吹き出し流の風速分布を、破線Cは吹き出し流の展開範囲を示している。ここで、誘引溝6に流れた吹き出し流は、流路幅が狭いことから風速が大きく、吹き出し口4からの風速の低下度合いも小さいため風速が保持されるようになる。このため、この誘引溝6に流れた吹き出し流によって、吹き出し口4からの吹き出し流の展開範囲が拡張されることになり、誘引流5の誘引範囲も拡張されることになる。
吹き出し流の風速や吹き出し口の形状などにより吹き出し流に伴う誘引流の誘引範囲も変化するので、誘引溝の形状や大きさは、これら吹き出し流の風速や吹き出し口の形状などを考慮して適宜に設定される。
図6は、上記誘引溝を延設した居室の一実施形態を模式的に例示した図である。この実施形態は、可視光型光触媒をその最表面に備えた内装建材1を天井材11として配設し、空気流発生装置2としての給排気同時型換気扇21を壁面3に設置し、さらに、天井材11には、複数の誘引溝6を延設している。
壁面3に設置した給排気同時型換気扇21により、外気を居室内に給気して(図示せず)天井材11に向けて吹き出し(矢印A)、居室内の空気を吸引して(矢印B)室外に排気している(図示せず)。誘引溝6は、給排気同時型換気扇21からの吹き出し流の方向、すなわち図中の矢印A方向に沿って延設されている。この誘引溝6によって、誘引流の誘引範囲が拡張し、空気中の有害物質が天井材11表面に効果的に導かれることになる。
本願発明は、内装建材には、少なくとも尿素およびヒドラジン誘導体のうちいずれかの化合物が含有されていてもよく、たとえば、内装建材の塗膜あるいは基材に含まれていてもよい。
尿素あるいはヒドラジン誘導体は、居室内空気中のアルデヒド類と選択的に反応し、無害化させる能力を有する。特にホルムアルデヒドに対してその効果が強い。ヒドラジン誘導体としては、カルボン酸とヒドラジンの誘導体である酸ヒドラジドが安定性などの点から特に望ましい。分子中に1個の酸ヒドラジド基を有するモノヒドラジド類では、たとえば、ホルムヒドラジド、アセトヒドラジド、プロピオン酸ヒドラジド、安息香酸ヒドラジドなどが挙げられる。分子中に2個の酸ヒドラジド基を有するジヒドラジド類では、たとえば、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジドなどが挙げられる。分子中に3個以上の酸ヒドラジド基を有するポリヒドラジドでは、たとえば、ポリアクリル酸ヒドラジドなどが挙げられる。
以下に実施例を示し、さらに詳しく説明する。もちろん以下の例によって本願発明が限定されることはない。
<実施例1>
市販の壁紙に10重量%の尿素水溶液をスプレーで20g/m塗布し、常温で24時間放置して乾燥させ、尿素を含有する壁紙を得た。
硝酸クロム(III)9水和物(Cr(NO・9HO)0.4部を94.6部の水にて溶解した後、紫外光型の光触媒であるアナターゼ型酸化チタン(商品名:ST−01石原産業株式会社製)5部を加えてよく攪拌し、常温にて24時間放置した。エバポレーターを用いて100℃−24時間の条件で水を蒸発させた後、固形分を500℃−24時間の条件で焼成することによって、酸化チタン表面にクロムを担持した金属担持型可視光型光触媒を得た。
テトラエトキシシラン(商品名:エチルシリケート28 コルコート株式会社製)34部にメタノール60部を加え、さらに水3部および0.01Nの塩酸3部を混合し、ディスパーを用いてよく混合し、60℃恒温槽中にて2時間加熱することにより、無機系塗膜のレジンとなる有機ケイ素アルコキシドの加水分解物および部分加水分解物を得た。ここに金属担持型可視光型光触媒20部を添加した後に全固形分が5%になるようメタノールで希釈することによって、可視光型光触媒含有無機系塗料を得た。
可視光型光触媒含有無機系塗料を尿素を含有する壁紙にスプレーで20g/m塗布し、150℃1分の条件で乾燥させることにより、最表面に可視光型光触媒を含有する塗膜を有し、基材中に尿素を含有する、有害物質を分解・無害化する能力を有した壁紙を得た。
床材としてホルムアルデヒド発散等級がF☆☆である普通合板を用い、壁および天井を市販の石膏ボードとした試験用居室を作製した。この試験用居室の床面積は10m、天井高さは2.4mとした。この試験用居室の天井全面に、上記壁紙を酢酸ビニル系接着剤を用いて貼り付けた。壁面には、特別な処理を施していない市販の壁紙を同様に酢酸ビニル系接着剤を用いて貼り付けた。さらに、試験用居室の壁面の一ヶ所に給排気同時型換気扇を設置した。給排気同時型換気扇の有効換気量は10m/hとした。これにより、試験用居室の換気回数は0.42回/hとなった。
給排気同時型換気扇の吹き出し流によって、上記の最表面に可視光型光触媒を含有する壁紙を張った天井面に沿う空気流が発生するように、吹き出し流の風速と吹き出し口形状を設定した。
天井面近傍(天井面から5cmの位置)における風速を熱式風速計(商品名:クリモマスター風速計 日本力ノマックス株式会社製)にて測定した。測定点は、吹き出し口から1m以上離れ、なおかつ吹き出し口からの噴流が直接あたらない任意の4点とし、さらに、天井面中央も含めた計5点にて測定を行った。計5点の風速測定値を平均すると、0.5m/sであった。
また、室内には白色蛍光灯スタンドを設置し、天井面中央と、天井面の4隅近傍(隅から10cmの位置)の計5点にて照度をデジタル照度計(商品名:LX−1335 株式会社カスタム製)にて測定した。照度測定値の平均が、900〜1100lxの範囲に入るようにスタンドの位置および高さを調節した。
以上により、可視光型光触媒をその最表面に備えた有害物質分解能を有する内装建材と、この内装建材表面に沿って空気流を発生させる空気流発生装置とを備え、有害物質の低減が可能な居室を得た。
<性能の評価>
(ホルムアルデヒド濃度低減性能)
試験用居室内のホルムアルデヒド気中濃度を、給排気同時型換気扇の排出空気を捕集し、分析・定量することで測定した。空気捕集法およびホルムアルデヒド気中濃度の分析・定量方法は、厚生労働省の定める「室内空気中化学物質の採取方法と測定方法」に準拠した。具体的には、給排気同時型換気扇を運転してから16時間以上放置し、試験用居室内の空気が定常状態になってから、給排気同時型換気扇の排出空気をDNPH捕集管(製品名:XpoSureサンプラー 日本ウォーターズ株式会社製)にポンプを用いて10L採取し、排出空気中のホルムアルデヒドを固着化した。次に、DNPH捕集管に固着したホルムアルデヒド誘導体をアセトニトリルで抽出した後、高速液体クロマトグラフ装置にて分析・定量した。
ホルムアルデヒド濃度低減性能としては、後述する比較例1のホルムアルデヒド気中濃度に対する低減率で表した。
この結果を表1に示した。
Figure 2006265970
以下の実施例2〜3、比較例1〜2で得た試験用居室についても同様にホルムアルデヒド気中濃度とホルムアルデヒド濃度低減性能を測定した。
<実施例2>
試験用居室の天井面に、給排気同時型換気扇の吹き出し方向に沿って幅15cm、深さ10cmの溝を、30cm間隔で平行に3ヶ所設置したこと以外は実施例1と同様にして試験用居室を得た。なお、吹き出しロから1m離れた溝内の天井面近傍(天井面から5cmの位置)における風速を熱式風速計にて測定したところ、0.7m/sであった。
<実施例3>
尿素水溶液を壁紙に塗布しないこと以外は実施例1と同様にして試験用居室を得た。
<比較例1>
天井面に、特別な処理を施していない市販の壁紙を同様に酢酸ビニル系接着剤を用いて貼り付けたこと以外は実施例1と同様にして試験用居室を得た。
<比較例2>
実施例1で得た試験用居室において、給排気同時型換気扇の吹き出し口形状を調整して、天井面に沿う空気流が発生しないようした。吹き出しロから1m離れた溝内の天井面近傍(天井面から5cmの位置)における風速を熱式風速計にて測定したところ、0.2m/sであった。
表1より、実施例1〜3の試験用居室は、可視光型光触媒をその最表面に備えた有害物質分解能を有する内装建材と、この内装建材表面に沿って空気流を発生させる空気流発生装置とを備えていることにより、大きなホルムアルデヒド濃度低減性能を示した。一方、比較例1,2では、実施例に比べてホルムアルデヒド濃度低減性能が小さいことが確認された。
可視光型光触媒をその最表面に備えた内装建材を天井材として配設し、給排気同時型換気扇を壁面に設置した居室を模式的に例示した断面図である。 可視光型光触媒をその最表面に備えた内装建材を天井材として配設し、給排気同時型換気扇を天井材に設置した居室を模式的に例示した断面図である。 可視光型光触媒をその最表面に備えた内装建材を天井材として配設し、吸引型ファンをこの天井材に設置した居室を模式的に例示した断面図である。 空気流を説明するための模式図である。 誘引溝による誘引流の誘引範囲拡張を説明するための模式図である。 可視光型光触媒をその最表面に備えた内装建材を天井材として配設し、給排気同時型換気扇を天井材に設置し、誘引溝を延設した居室を模式的に例示した図である。
符号の説明
1 内装建材
11 天井材
2 空気流発生装置
21 給排気同時型換気扇
22 吸引型ファン
3 壁面
4 吹き出し口
5 誘引流
6 誘引溝

Claims (3)

  1. 可視光型光触媒をその最表面に備えた有害物質分解能を有する内装建材と、この内装建材表面に沿って空気流を発生させる空気流発生装置とを備え、空気流発生装置で発生させた空気流中の有害物質を内装建材表面に吸着させ、有害物質を可視光型光触媒で分解して居室内空気中の有害物質濃度を低減するようにしていることを特徴とする有害物質低減システムを備えた居室。
  2. 内装建材表面には、空気流発生装置からの空気流の流れ方向に誘引溝が延設され、この誘引溝に流れた空気流の風速を保持するようにしていることを特徴とする請求項1に記載の有害物質低減システムを備えた居室。
  3. 内装建材は、少なくとも尿素およびヒドラジン誘導体のうちいずれかの化合物が含有されていることを特徴とする請求項1または2に記載の有害物質低減システムを備えた居室。
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