JP2006265786A - ポリトリメチレンテレフタレート極細糸 - Google Patents

ポリトリメチレンテレフタレート極細糸 Download PDF

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【課題】 ソフト性、易染性、発色性に優れたポリトリメチレンテレフタレートを用い、発色性および染色の均一性に優れた極細糸を提供する。
【解決手段】 90モル%以上がトリメチレンテレフタレートの繰り返し単位からなるポリトリメチレンテレフタレートを含む複合繊維を溶出処理して得られるポリトリメチレン
テレフタレート極細糸であって、極限粘度が0.8〜2.0、単繊維繊度が0.01〜0.5dtex、繊度変動度U%が1.0%以下、マルチフィラメント中の単繊維繊度ばらつき(繊度CV)が5%以下であることを特徴とするポリトリメチレンテレフタレート極細糸。
【選択図】なし

Description

本発明は、溶出処理して得られ、人工皮革やスエード調素材として好適な染色均一性に優れたポリトリメチレンテレフタレート極細糸に関するものである。
従来、人工皮革やスエード調織編物は家庭用資材、衣料用として広く利用されている。それらの素材には単繊維繊度が0.5dtex以下の極細糸が多く用いられ、ナイロンやポリエチレンテレフタレートを用いるのが一般的である。しかし、ソフト性と発色性との両立は困難であった。一方、ソフト性、易染性、発色性に優れたポリトリメチレンテレフタレート(以下3GTと称す)は近年、注目を集めており、3GTの特徴を活かした人工皮革やスエード調素材として極細糸の出現が強く求められていた。3GTからなる極細糸は提案されている(特許文献1,特許文献2参照)が、直接製糸による極細糸であり、繊度変動度U%が悪く、染色したときに染め斑となり、染色の均一性で劣るものであった。また、非常に孔径の小さい口金での製糸であるため、経時でモノマー等による口金汚れの堆積により、マルチフィラメント内での単繊維繊度がばらつくなどの悪影響が顕在化し、染色均一性で劣るものとなってしまい、長期間の安定性に欠けるものであった。特許文献2においては、0.2デニール以下の極細糸を得るために、極限粘度の低い0.4〜0.8の3GTを使用しているが、極限粘度の低い3GTでは、繊維化したときに、充分な強度と伸度を実現することができず、発色性で劣るものとなってしまうという問題があった。
特開平8−232117号公報(特許請求の範囲) 特開平11−100721号公報(特許請求の範囲)
本発明は、上記従来の問題点を解決しようとするものであり、ソフト性、易染性、発色性に優れた3GTを用い、発色性および染色の均一性に優れた極細糸を提供することにある。
本発明は、以下の項目を採用することにより達成される。
(1)90モル%以上がトリメチレンテレフタレートの繰り返し単位からなるポリトリメチレンテレフタレートを含む複合繊維を溶出処理して得られるポリトリメチレンテレフタレート極細糸であって、極限粘度が0.8〜2.0、単繊維繊度が0.01〜0.5dtex、繊度変動度U%が1.0%以下、マルチフィラメント中の単繊維繊度ばらつき(繊度CV)が3%以下であることを特徴とするポリトリメチレンテレフタレート極細糸。
(2)強度が3.0〜5.0cN/dtex、伸度が30〜60%であることを特徴とする上記(1)に記載のポリトリメチレンテレフタレート極細糸。
本発明により、従来技術ではなし得なかった発色性および染色の均一性に優れた3GT極細糸を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の3GT極細糸は、複合繊維を溶出処理して得られるものである。該複合繊維は、非溶出成分(成分Aとする)と、溶出成分(成分Bとする)からなり、図1〜図2に示すような海島型複合繊維や分割型複合繊維が例として挙げられる。溶出処理により複数個に分割される形態であれば特に規定はされないが、溶出処理後の極細糸が合同であることが染色均一性を得るうえで好ましい。分割数に特に規定はなく、本発明規定の繊度範囲であればいずれの分割数でも良く、極細糸単繊維繊度、極細糸マルチフィラメント繊度、生産性を考慮し設定すると良い。具体的には3〜200の範囲の分割数であることが好ましい。
複合繊維の非溶出成分である成分Aは、溶出処理後、極細糸を構成する成分であり、90モル%以上がトリメチレンテレフタレートの繰り返し単位からなるポリトリメチレンテレフタレートである。
ポリトリメチレンテレフタレートとはテレフタル酸を主たる酸成分とし、1,3プロパンジオールを主たるグリコール成分として得られるポリエステルである。ただし、10モル%以下の割合で他のエステル結合を形成可能な共重合成分を含むものであっても良い。共重合可能な化合物として、たとえばイソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、ダイマ酸、セバシン酸などのジカルボン酸類、一方、グリコール成分として、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどを挙げることができるが、これらに限られるものではない。
また、艶消剤として、二酸化チタン、滑剤としてのシリカやアルミナの微粒子、抗酸化剤として、ヒンダードフェノール誘導体、着色顔料などを必要に応じて添加することができる。
複合繊維の溶出成分である成分Bは、成分Aに対し、アルカリ減量速度が速い熱可塑性樹脂であれば特に規定はされないが、ポリエチレンテレフタレートよりも融点の低い3GTの熱劣化抑制等を考慮するとポリ乳酸が好ましい。また、ポリ乳酸は有機金属塩を共重合したポリエチレンテレフタレートなどと異なり、溶出に酸処理を必要としないため、酸性溶媒の排出がなく、環境負荷を小さくでき、また、溶出工程の短縮化が図れ、非常に好ましい。
ここで本発明で用いるポリ乳酸とは、−(O−CHCH−CO)−を繰り返し単位とするポリマーであり、乳酸やそのオリゴマーを重合したものをいう。乳酸にはD−乳酸とL−乳酸の2種類の光学異性体が存在するため、その重合体もD体のみからなるポリ(D−乳酸)とL体のみからなるポリ(L−乳酸)および両者からなるポリ乳酸がある。ポリ乳酸中のD−乳酸、あるいはL−乳酸の光学純度は、低くなるとともに結晶化が低下し、融点降下が大きくなる。そのため、耐熱性を高めるために光学純度は90%以上であることが好ましい。より好ましい光学純度はは93%以上、さらに好ましい光学純度は97%以上である。なお、光学純度は前記した様に融点と強い相関が認められ、光学純度90%程度で融点が約150℃、光学純度93%で融点が約160℃、光学純度97%で融点が約170℃となる。
また、上記のように2種類の光学異性体が単純に混合している系とは別に、前記2種類の光学異性体をブレンドして繊維に成型した後、140℃以上の高温熱処理を施してラセミ結晶を形成させたステレオコンプレックスにすると、融点を飛躍的に高めることができ、より好ましい。
本発明の極細糸の断面形状は、特に限定されるものではなく、丸断面のほか、三角断面等の多角断面や扁平形状、T字やY字、X字等のアルファベット断面、星型などが挙げられる。
本発明の極細糸は極限粘度が0.8〜2.0であることが肝要である。極限粘度が0.8を切ると充分な強度、伸度を兼ね備えた繊維を製造することが困難となる。より好ましい極限粘度は0.9以上である。また、極限粘度が2.0を超えると、生産安定性も劣るものとなってしまう。より好ましい極限粘度は1.5以下である。
また、極細糸の単繊維繊度は0.01〜0.5dtexである。0.01dtex未満では、ソフト感は向上するが充分な発色性を得ることが困難となるので好ましくない。より好ましい単繊維繊度は0.03dtex以上である。また、単繊維繊度が0.5dtexを超えると、スエード調素材や人工皮革等への展開に向かないため好ましくない。より好ましい単繊維繊度は0.3dtex以下である。
さらには、繊度変動度U%は1.0%以下である。1.0%を超えると、布帛とした後染色したときに、スジ状に染色むらが顕著となり実用に耐えない。好ましいU%の範囲は0.8%以下である。また、マルチフィラメント中の単繊維繊度ばらつき(繊度CV)は5%以下である必要がある。5%を超えると布帛とした後染色したときに、スジ状に染色むらが顕著となり実用に耐えない。単繊維繊度ばらつきは3%以下が好ましい。これらの規定を満足するためには、極細糸は上述複合繊維から溶出処理されたものである必要があり、直接紡糸法では、繊度が細いために外乱による気流の乱れの影響を受けやすい等の理由により良好なU%を得ることが難しく、また、孔径の小さな口金を使用せざるを得ないため、製糸開始直後は良いものの、経時で析出した口金汚れによって単繊維繊度のばらつきが大きくなってしまう。
本発明の極細糸は、強度が3.0〜5.0cN/dtexであることが好ましい。製織、染色等の後加工において糸切れ、毛羽等の改善効果があるため強度は3.0cN/dtex以上であることが好ましい。より好ましい強度は3.3cN/dtex以上である。また延伸倍率等生産条件に起因する生産性の適正化を考えた場合、強度5.0cN/dtex以下であることが好ましい。より好ましい強度は4.5cN/dtex以下である。また、伸度は、30〜60%が好ましい。伸度が30%以上であると、発色性が良好となり好ましい。より好ましい伸度は35%以上、より好ましくは38%以上である。また、伸度が60%以下であると、強度の適正化が図れ、糸切れや毛羽等の問題を回避しやすくなるため好ましい。より好ましい伸度は55%以下である。
本発明の極細糸の収縮性能は、沸騰収縮率で9〜20%、160℃乾熱収縮率で12〜30%、熱収縮応力ピーク値で0.2〜0.5cN/dtexの範囲が適度なソフト感と発色性を得るうえで適当である。また、初期引張抵抗度は20〜40cN/dtexの範囲が適度なソフト感を得るうえで適当である。
次に以上に述べた極細糸の製造方法について説明する。
本発明の極細糸を得るための複合繊維は、いずれの公知の方法においても製造されるが、複合構造の安定性、生産性を考慮すると、溶融紡糸法が最も優れている。該複合繊維を溶融紡糸する上では、非溶出成分となる3GTは、240〜280℃にて溶融されるのが好ましい。溶融するに際し、プレッシャーメルター法およびエクストルーダー法が挙げられるが、均一溶融と滞留防止の観点からエクストルーダーによる溶融が好ましい。一方、溶出成分であるポリマーはポリマーの融点から10〜40℃高い温度での溶融が好ましい。溶出成分としてポリ乳酸を使用する場合、3GTと同様にエクストルーダーを用い、200〜240℃での溶融が好ましい。別々に溶融されたポリマーは別々の配管を通り、計量された後、口金パックへ流入する。この際、熱劣化を抑制する観点から、配管通過時間が5〜30分であることが好ましい。パックへ流入したポリマーは口金により合流され、公知の技術により海島型、割繊型などの形態に複合され口金より吐出される。この際のポリマー温度は、溶出成分としてポリ乳酸を用いた場合、240〜270℃が適当である。この範囲であれば、生産性の低下や熱劣化による発色性やソフト感の低下を防止できる。
口金から吐出されたポリマーは冷却、固化され、油剤が付与された後、引き取られる。
引き取り速度は500〜6000m/分のいずれの速度においても可能である。2工程法と呼ばれる未延伸糸を一旦巻き取って後、延伸を行う方法においては、引き取り速度は500〜2000m/分で行うのが定法である。また、4000m/分までの領域で引き取り、部分配向糸を一旦巻き取って後、延伸を行っても良い。部分配向糸を得る際には巻き取る前に熱処理を行い、熱による結晶化を促進させた後巻き取る方法が均一な諸物性を得るうえで好ましい。一方、1工程法では、4000〜6000m/分の速度で一気に延伸糸を得る方法が挙げられる。この際も、巻き取り前に熱処理を行うことが効果的である。さらに、直接紡糸延伸法と呼ばれる方法も挙げられる。この方法は、500〜4000m/分の未延伸糸または部分配向糸領域において引き取り、一旦巻き取ることなく、予熱、延伸、熱処理を行い延伸糸とした後巻き取る方法である。以上挙げた紡糸、延伸方法においては、延伸倍率は延伸糸伸度が本件規定の範囲となるように適宜設定するのが良い。また、紡糸、延伸いずれかの工程において、巻取りまでに公知の交絡装置を用い、交絡を施すことも可能である。必要であれば複数回付与することで交絡数を上げることが可能となる。さらには巻取り直前に、追加で油剤を付与するのも良い。
上記のように製造された複合糸は、必要に応じて酸溶液中で処理の後、アルカリ溶液中で溶出処理され極細糸となる。一般的には布帛とした後、溶出処理されるがこれに限ったことではない。溶出成分としてポリ乳酸を用いた場合は酸溶液での処理が不要になり、アルカリ溶液も生分解可能であることから、生産性や環境対応性の上で好ましいといえる。アルカリ溶出処理は、定法に従い水酸化ナトリウム水溶液を用いて溶出することができる。80℃以上に加熱した水酸化ナトリウム水溶液を用いると、溶出時間が短縮されるので、好ましい。
得られた極細糸はスエード調素材や人工皮革に好適であるほか、防風性を兼ね備えた高密度織物としても有用であり、特有のソフト感や発色性、均一な染色性が生み出す均一な表面感が得られる。適用できる用途はこれに限ったことではなく、溶出成分としてポリ乳酸を用いた場合、酸溶液による処理が不要であるために、綿などの天然繊維との交織、交編が可能であり、各種織編物のほか、資材用途にも適用可能である。
以下、実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。なお、実施例の主な測定値は以下の方法で測定した。
(1)極限粘度
極限粘度[η]は、次の定義式に基づいて求められる値である。
Figure 2006265786
定義式のηrは、純度98%以上のO−クロロフェノールで溶解した3GTの希釈溶液の25℃での粘度を、同一温度で測定した上記溶剤自体の粘度で割った値であり、相対粘度と定義されているものである。また、cは上記溶液100ml中のグラム単位による溶質重量値である。
(2)U%
Zellweger社製USTER TESTER 4−CXを使用し、200m/分の速度で1分間糸を給糸しながらノーマルモードで測定を行った。
(3)単繊維繊度ばらつき(繊度CV)
マルチフィラメントの全単繊維の断面写真を撮影し、断面積から単繊維繊度を計算し、マルチフィラメントの全単繊維繊度の標準偏差を平均の単繊維繊度で除した値の百分率とした。任意の点、5点について断面撮影、算出し、その平均値を単繊維繊度ばらつき(繊度CV)とした。
(4)強度、伸度
JIS L1013(1999)に従い測定した。
(5)沸騰水収縮率
沸騰水収縮率(%)={(L0−L1)/L0}×100
L0:原糸を1m×10回巻きのかせ取りをし、測定荷重0.029cN/dtexでのかせ長
L1:原糸を無荷重の状態で100℃の沸騰水にて15分間処理し、風乾後、測定荷重0.029cN/dtexを掛けたときのかせ長
(6)染色均一性
製糸開始直後(サンプルA)と製糸開始24時間後(サンプルB)のサンプルを筒編みし、染料としてテトラシールネイビーブルーSGL0.275%owf、助剤としてテトロシンPE−C5.0%owf、分散剤としてニッカサンソルト#12001.0%owfを用い、浴比1:100にて50℃15分、さらに90℃20分にて染色を行った。染色後のサンプルは染色むら、サンプルA、B間の染色差を総合的に官能検査し3段階評価した。尚、合格レベルは○以上である。
○○:非常に優れている
○ :優れている
× :均一性に乏しい
(7)発色性
(6)と同様の染色後サンプルを用い、官能検査により3段階評価した。尚、合格レベルは○以上である。
○○:非常に優れている
○ :優れている
× :ポリエチレンテレフタレート繊維同等
実施例1
光学純度98.0%のポリ−L−乳酸と極限粘度1.1のホモ3GTをそれぞれエクストルーダーを用い、それぞれ210℃、250℃にて溶融後、ポンプによる計量を行い、250℃にて図1に示すような海島型複合形態を形成すべく公知の口金に流入させた。複合重量比はポリ乳酸3に対し、3GT7の割合とした。各ポリマーの配管通過時間は、ポリ乳酸が20分、3GTは11分であった。口金から吐出された糸条は、冷却、油剤付与後、2700m/分の速度で55℃に加熱されたホットローラーに引き取られ、一旦巻き取ることなく、4300m/分の速度で150℃に加熱されたホットローラーに引き回し、延伸、熱セットを行った。さらに、4200m/分にて2個のゴデットローラーを引き回した後、4080m/分にて巻き取り、72dtex−36フィラメントの8島の海島型複合糸を得た。巻取機入口での張力は0.13cN/dtexであった。得られた複合糸を25℃の3%水酸化ナトリウム水溶液中にてポリ乳酸が完全に溶出するまで処理し極細糸とした。極細糸の物性および風合評価の結果は表1の通りであり、染色均一性、発色性に優れたものであった。
実施例2
70島の海島型複合繊維用の口金を用い、4070m/分で巻き取った以外は、実施例1と同様の条件にて製糸し、72dtex−9フィラメントの70島の海島型複合繊維を得た。実施例1と同様に溶出処理を行い、極細糸を得た。染色均一性、発色性に優れたものであった。
実施例3
140島の海島型複合繊維用の口金を用いた以外は、実施例1と同様の条件にて製糸し、
56dtex−12フィラメントの140島の海島型複合繊維を得た。実施例1と同様に溶出処理を行い、極細糸を得た。超極細糸であったが染色均一性、発色性は良好であった。
実施例4
7島の海島型複合繊維用の口金を用い、複合重量比をポリ乳酸2に対し3GT8とした以外は、実施例1と同様の条件にて製糸し、84dtex−24フィラメントの7島の海島型複合繊維を得た。実施例1と同様に溶出処理を行い、極細糸を得た。染色均一性、発色性に優れたものであった。
実施例5〜6
表1に示すように、3GTの極限粘度をそれぞれ0.9、1.5とした以外は実施例1と同様の条件にて製糸し、72dtex−36フィラメントの8島の海島型複合糸を得た。染色均一性、発色性に優れたものであった。
実施例7
口金を変更し図2に示すような6分割型の割繊型複合繊維とした以外は、実施例1と同様に製糸し複合糸を得た。実施例1と同様に溶出処理を行い、極細糸とした。染色均一性、発色性とも優れており、丸断面では見られない独特の表面感を持った布帛を得た。
比較例1
極限粘度1.1のホモ3GTを用い、260℃でエクストルーダーにて溶融した後、ポンプにて計量を行い、260℃の温度で口金から吐出させた。冷却後、油剤を付与し、1200m/分の速度で一旦巻取り、未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を50℃にてホットロール予熱し、延伸倍率2.5倍、ホットロール熱処理120℃にて延伸、熱処理を行い、800m/分にて巻取り、56dtex−140フィラメントの極細糸を得た。得られた極細糸の物性および風合い評価の結果は表2に示す通りであり、U%が悪く、経時での単繊維ばらつきが大きいため、染色の均一性が悪く、伸度が低く、発色性にも劣るものであった。
比較例2
56dtex−180フィラメントの極細糸を比較例1と同様の条件にて得ようとしたが、製糸性、延伸性が悪く、サンプル採取ができなかったため評価不可であった。
比較例3
極限粘度0.6の3GTを使用した以外は比較例1と同様の条件にて製糸し極細糸を得た。強度、伸度が低く、染色均一性、発色性に劣るものであった。
比較例4
実施例1と同様の条件にて製糸したが、冷却ゾーンにおいて、強制的に外乱風を当てた。得られた極細糸は、U%が悪く、スジ状に染色ムラが確認された。
Figure 2006265786
Figure 2006265786
海島型複合繊維断面の一例を示す。 割繊型複合繊維断面の一例を示す。
符号の説明
1 ポリトリメチレンテレフタレートを主成分とするポリマーからなる領域(非溶出成分)
2 易溶出ポリマーからなる領域(溶出成分)

Claims (2)

  1. 90モル%以上がトリメチレンテレフタレートの繰り返し単位からなるポリトリメチレンテレフタレートを含む複合繊維を溶出処理して得られるポリトリメチレンテレフタレート極細糸であって、極限粘度が0.8〜2.0、単繊維繊度が0.01〜0.5dtex、繊度変動度U%が1.0%以下、マルチフィラメント中の単繊維繊度ばらつき(繊度CV)が5%以下であることを特徴とするポリトリメチレンテレフタレート極細糸。
  2. 強度が3.0〜5.0cN/dtex、伸度が30〜60%であることを特徴とする請求項1記載のポリトリメチレンテレフタレート極細糸。
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