JP2006265455A - インクジェット用インク及びインクカートリッジ - Google Patents

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知洋 山下
Masanori Jinno
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Abstract

【課題】 安価で製造が容易であり、耐オゾン性に優れ、且つ、記録媒体上に印字した際にも金属光沢、いわゆるブロンズ現象の発生が無い良好な画像を得ることが可能なインクジェット用インクを提供すること。
【解決手段】 スルホンアミドまたはスルホン酸塩の基を有する銅フタロシアニンを含有するインクにおいて、以下の条件を満たすことを特徴とするインクジェット用インク。 1.インクの着色剤濃度がインク全量に対して0.5質量%になるように純水を用いて希釈した後、小角X線散乱装置を用いて、かかる希釈インクの分子集合体の分散距離の分布を測定した際に、分布全体の75%を含む分子集合体の分散距離をd75値とした場合、d75値が7.0nm以上8.0nm以下となる。 2.トリメチロールメチルアミンを1.0質量%以上、20質量%以下含有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、安価で製造が容易な特定構造のフタロシアニン構造を有する色材を含有したインクジェット用インクとして、耐オゾン性に優れ、且つ、記録媒体上に印字した際にも金属光沢、いわゆるブロンズ現象の発生が無い良好な画像を得ることが可能なインクジェット用インクに関する。又、このインクを用いたインクカートリッジに関する。
インクジェット記録方法は、インク小滴を普通紙、及び、専用光沢メディア上に飛翔させ、画像を形成する記録方法であり、その低価格化、印字速度の向上により、急速に普及が進んでいる。又、その記録画像の高画質化が進んだことに加えて、デジタルカメラの急速な普及に伴い、銀塩写真と匹敵する写真画像の出力方法として、広く一般的になっている。
ここで、インクジェット用インクは、ますますの低価格化が進む一方で、従来以上に耐オゾン性等の画像保存性が要求されている。例えば、特定のフタロシアニン構造を有したシアン色素混合物及びこれを含有するインクが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
一方、フタロシアニン化合物は、耐オゾン性を向上するとその凝集性の高さに起因する金属光沢、いわゆるブロンズ現象が発生してしまう。例えば、特定の構造を有したフタロシアニン化合物を含有したインクが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2002−105349号公報 特開2003−213167号公報
低価格化が進む近年のインクジェットプリンタにおけるインクとして安価で容易に作製できる、耐オゾン性等の画像保存性に優れ、ブロンズ現象も有効に防止できるインクジェット用インクが求められている。
インクジェット用インクの色材として、C.I.Direct Blue 199等のフタロシアニン化合物は、比較的製造が容易で安価なことから、低価格化が進む近年のインクジェットプリンタでも使用されているが、耐オゾン性等の画像保存性が不十分であった。
又、上記特許文献2に記載されているように、ブロンズ現象の発生を抑える手段として添加剤を添加するということは複数知られているが、画像品質の低下、pHの上昇による安全性の低下等を招くことがあるとの記載のとおり、特に、低価格化が進む近年のインクジェットプリンタにおける、インクジェット用インクとして好適な技術は開示されていない。さらには、ブロンズ現象の発生を抑える添加剤の種類、インク中の量によっては、連続吐出性等の信頼性が悪化する場合もあり、これを回避する必要もある。
そこで、本発明者等は、製造が容易で安価な特定構造のフタロシアニン化合物について様々な観点から検討した結果、小角X線散乱装置を用いて測定される、かかる希釈インクの分子集合体の分散距離の分布が、耐オゾン性に影響するということを見出した。更に検討を続けたところ、かかるインクの着色剤濃度がインク全量に対して0.5質量%になるように純水を用いて希釈した後、小角X線散乱装置を用いて、かかる希釈インクの分子集合体の分散距離の分布を測定した際に、分布全体の75%を含む分子集合体の分散距離をd75値とした場合、d75値が7.0nm以上8.0nm以下となる場合に、効果的な耐オゾン性を有するということを確認した。
しかし、耐オゾン性だけでなく更にブロンズ性も画像特性や安全性に悪影響を与えないように向上させることについて、更に鋭意検討を続けた結果、特定の有機アミン化合物を更に組み合わせることで達成できるということを確認した。
従って、本発明は、耐オゾン性等の画像保存性に優れ、ブロンズ現象も有効に防止でき、更には連続吐出性等の信頼性にも優れたインクジェット用インクを提供することを目的とする。
本発明にかかるインクジェット用インクは、下記式(1)の構造を持つフタロシアニン化合物を含有するインクにおいて、以下の条件を満たすことを特徴とする。
1.かかるインクの着色剤濃度がインク全量に対して0.5質量%になるように純水を用いて希釈した後、小角X線散乱装置を用いて、かかる希釈インクの分子集合体の分散距離の分布を測定した際に、分布全体の75%を含む分子集合体の分散距離をd75値とした場合、d75値が7.0nm以上8.0nm以下となる
2.下記式(2)の構造を持つ有機アミン化合物を1.0質量%以上、20質量%以下含有する
Figure 2006265455
(上記式(1)中、Mはアルカリ金属又はアンモニウムであり、lは1、2、3又は4であり、mは0、1、2又は3である。)
Figure 2006265455
本発明により、安価で製造が容易な特定構造のフタロシアニン構造を有する色材を含有したインクジェット用インクとして、耐オゾン性に優れ、且つ、記録媒体上に印字した際にも金属光沢、いわゆるブロンズ現象の発生が無い良好な画像を得ることが可能なインクジェット用インクが提供される。又、このインクを用いたインクカートリッジも提供される。
以下に、本発明の好ましい実施態様を挙げて、詳細に説明する。
(色材)
本発明においては、化合物が塩である場合は、インク中では塩はイオンに解離して存在しているが、便宜上、「塩を含有する」と表現する。
本発明のインクジェット用インクで使用されるシアン染料は下記式(1)の構造を有することを特徴としている。
Figure 2006265455
(上記式(1)中、Mはアルカリ金属又はアンモニウムであり、lは1、2、3又は4であり、mは0、1、2又は3である。)
上記式(1)の構造の化合物は、製造が容易であり安価であるという特徴を有する。
又、本発明のインクにおいて、かかるインクの着色剤濃度がインク全量に対して0.5質量%になるように純水を用いて希釈した後、小角X線散乱装置を用いて、かかる希釈インクの分子集合体の分散距離の分布を測定した際に、分布全体の75%を含む分子集合体の分散距離をd75値とした場合、d75値が7.0nm以上8.0nm以下となることを特徴とする。
ここで、d75値が7.0nm未満の場合は、本発明の効果の一つである耐オゾン性が不十分となり、d75値が8.0nmを超える場合は、本発明の効果の一つであるブロンズ性能が不十分となる為である。
一般に、フタロシアニン骨格を持つ着色剤は、他の構造の着色剤(トリフェニルメタン、アゾ、キサンテンなど)に比べ凝集性が高く、その凝集性を高めることで堅牢性も高くなる。
一方で、高い凝集性を持った着色剤を用いた場合、インク中での着色剤自身の凝集性も高くなり、記録媒体上に印字した際に画像品位の低下を招くブロンズ現象の発生が顕著になるという傾向がある。
逆に、着色剤自身の凝集性を著しく低くした場合、その堅牢性、特に耐オゾン性の低下を招き、耐オゾン性に優れたイエロー、マゼンタインクと同レベルの画像保存性を得ることができなくなる。
従って、一般式(1)で示される化合物を着色剤として用いる場合、着色剤自身の凝集性を、ブロンズの発生の制御が可能で、所望の耐オゾン性が得られる範囲にコントロールすることが必要不可欠となる。
インク中での凝集性の測定には、小角X線散乱法を用いた。本方法の概要は以下に示す通りである。
小角X線散乱法は、「最新コロイド化学」(講談社サイエンティフィック 北原文雄、古澤邦夫)及び「表面状態とコロイド状態」(東京化学同人 中垣正幸)に書かれているように、コロイド溶液におけるコロイド粒子間の距離を算出するのに汎用に用いられてきた手法である。
装置の概要は図1に示すように、X線源より発生したX線は第1〜第3スリットを通る間に、数mm以下程度まで焦点サイズを絞り、試料溶液に照射される。照射されたX線は溶液中の粒子によって散乱された後、試料後部のイメージングプレート上で検出される。散乱したX線は、その光路差の違いによって干渉が起こるため、得られたθ値から粒子間の距離d値はBraggの式に基づいて下記式(3)によって求められる。
Figure 2006265455
(式(3)中、λ:X線の波長、d:粒子間の距離、θ:散乱角)
又、ここで算出されるd値は一定間隔で配列している粒子の中心から中心までの距離と考えられている。
一般に、溶液中の粒子が規則正しく配列していない場合、散乱角プロファイル上ではピークの発生がないが、フタロシアニン染料水溶液の場合は、2θ=0〜5°の範囲に最大値を持つ強いピークが検出でき、フタロシアニン染料分子の凝集により形成される粒子(分子集合体)が、ある一定規則で配列していることが確認できる。
ここで、図2に示すように、あるフタロシアニン染料の分子集合体の大きさをr1、分子集合体同志の距離をd1と仮定する。フタロシアニン染料の構造が同一であるならば、d1は常に一定と仮定すると、フタロシアニン染料が形成する分子集合体の大きさがr1→r2と大きくなるに従って、小角X線散乱法から測定されたd値もd2→d3へと大きくなると考えられる。そのため、本方法で測定されるd値は、フタロシアニン染料の分子集合体の大きさを表す指数と考えられ、d値が大きいほど、染料分子が形成する分子集合体の大きさが大きくなっているものと考える。
実際にフタロシアニン染料を含むインク溶液のd値とブロンズ性の関係を調べると、同一化学式で示されるフタロシアニン染料の場合には、d値が大きいほどブロンズしやすい傾向があり、記録媒体上での染料分子の集合によってブロンズが発生することを考慮すると、上述のd値と分子集合体の大きさの関係を裏付けるものとなる。
又、散乱角プロファイルのピーク形状については、分子集合体の分散距離の分布を示しており、上述のように、この分散距離が分子集合体の大きさの指数であることを考えると、かかる散乱角プロファイルは溶液中での分子集合体の大きさの分布を示していると考えることができる。つまり、散乱角プロファイルのピーク面積を溶液中の分子集合体全体とすれば、d値の大きさが大きい、つまり、大きい分子集合体の頻度が高いほど、ブロンズしやすい傾向がある。従って、ブロンズしやすい大きな分子集合体の頻度を低減させることでブロンズの発生は抑制できるものと考えられる。但し、著しく小さな分子集合体のみで形成されたインク溶液の場合、その耐オゾン性も同時に低下してしまうため、ブロンズの発生が目視で検知できず、耐オゾン性も高い分子集合体の大きさ(d値の大きさ)のコントロールが必要となる。
色材がある頻度で分布を持つ場合、人間が検知できる視覚限界のしきい値は、その全体量の1/4とされていることから、ブロンズしやすい大きな分子集合体が全体の1/4以下となる点、言い換えれば、ブロンズしにくい小さな分子集合体が全体の3/4以上となる点のd値をd75値とし、そのd75値をある範囲にコントロールすることで、ブロンズの発生が無く、耐オゾン性も高い好適なインクジェット用シアンインクを得ることが可能となる。
実際に散乱角プロファイル上の2θピークから算出したdpeak値と上述のd75値とブロンズの発生レベルの相関性を調査したところdpeak値よりも、分子集合体全体の大きさの分布因子を考慮したd75値の方がブロンズ性との相関性が高いことが判明した。
尚、小角X線散乱によってd値を測定する場合は、溶液中の分子密度を一定にする必要があるため、着色剤濃度を一定にしたインク溶液で測定することが好ましい。従って、本発明においては、着色剤をインク全量に対して0.5質量%含有するように純水を用いて希釈した希釈インクに対して小角X線散乱の測定を行った結果とする。
(有機アミン化合物)
本発明で使用される有機アミン化合物は、下記式(2)の構造を持つ有機アミン化合物であることを特徴とする。
Figure 2006265455
上記構造の有機アミンは、ブロンズ抑制剤として一般的に使用されるアルカノールアミンのようにインクのpHを上昇させすぎることによりインクジェット部材にダメージを与えるということから回避でき、上記色材に対してのブロンズ抑制効果も大きいためである。
又、本発明は、上記構造の有機アミンを1.0質量%以上、20質量%以下含有することを特徴とする。本発明のブロンズ防止効果が十分発揮できる量の範囲だからである。ここで、1.0質量%未満であると、本発明のブロンズ防止効果が十分発揮できず、20質量%を超えるとインクジェット特性に悪影響を与えることがあるためである。
(溶剤及び添加剤)
又、本発明のインク組成物は、水性媒体として、水、及び、水溶性有機溶剤が含まれるが、好ましい水溶性有機溶剤としては、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、第二ブタノール、第三ブタノール等のC1〜C4アルカノール、N,N−ジメチルホルムアミド又はN,N−ジメチルアセトアミド等のカルボン酸アミド、アセトン、メチルエチルケトン、2−メチル−2−ヒドロキシペンタン−4−オン等のケトン、又は、ケトアルコール、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2又は1,3−プロピレングリコール、1,2又は1,4−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジチオグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、アセチレングリコール誘導体、トリメチロールプロパン等のような多価アルコール類、エチレングリコールモノメチル(あるいはエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(あるいはエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノエチル(又はブチル)エーテル等の多価アルコールのアルキルエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルモルホリンなどの複素環類、ジメチルスルホキシド等の含硫黄化合物、尿素、及び、尿素誘導体などが好適な例として挙げられる。
上述の水溶性有機溶剤中で特に、2−ピロリドンに関しては、一般式(1)の化合物と併用した場合、記録媒体上でのブロンズの発生を抑制する効果があり、その添加量としては、着色剤濃度の1/2以上が好適である。
又、同様の効果を有する水溶性有機溶剤としては、ポリエチレングリコール(分子量200以上)、及び、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールのアルキルエーテル類が挙げられる。
これら有機溶剤のブロンズ抑制メカニズムは明確になってはいないが、これら有機溶剤の添加前後で、インク溶液の小角X線散乱におけるd75値に変化がないことから、インク溶液中での着色剤の凝集性を変化させている訳ではなく、記録媒体上に印字した際に分子集合体同志が凝集することを抑制する効果があるものと考えられる。
又、本発明のインク組成物には、これ以外に、界面活性剤、pH調整剤、キレート剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、紫外線吸収剤、粘度調整剤、消泡剤、及び、水溶性ポリマーなど、種々の添加剤を含有させても良い。
界面活性剤としては、例えばアニオン界面活性剤、両面界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤などが挙げられる。
アニオン界面活性剤としてはアルキルスリホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシルアミノ酸及びその塩、N−アシルメチルタウリン塩、アルキル硫酸塩ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型燐酸エステル、アルキル型燐酸エステル、アルキルアリルスルホン塩酸、ジエチルスルホ琥珀酸塩、ジエチルヘキシルスルホ琥珀酸ジオクチルスルホ琥珀酸塩などが挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、2−ビニルピリジン誘導体、ポリ4−ビニルピリジン誘導体などがある。両面活性剤としては、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン、その他イミダゾリン誘導体などがある。
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアリルキルアルキルエーテル等のエーテル系、ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル系、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールなどのアセチレングリコール系(例えば、川研ファインケミカル製アセチレノールE100、日信化学製サーフィノール104、82、465、オルフィンSTG等)などが挙げられる。
防腐、防黴剤としては、例えば、有機硫黄系、有機窒素硫黄系、有機ハロゲン系、ハロアリルスルホン系、ヨードプロパギル系、N−ハロアルキルチオ系、ベンツチアゾール系、ニトチリル系、ピリジン系、8−オキシキノリン系、ベンゾチアゾール系、イソチアゾリン系、ジチオール系、ピリジンオキシド系、ニトロプロパン系、有機スズ系、フェノール系、第4アンモニウム塩系、トリアジン系、チアジアジン系、アニリド系、アダマンタン系、ジチオカーバメイト系、ブロム化インダノン系、ベンジルブロムアセテート系、無機塩系等の化合物が挙げられる。有機ハロゲン系化合物としては、例えばペンタクロロフェノールナトリウムが挙げられ、ピリジンオキシド系化合物としては、例えば、2−ピリジンチオール−1オキサイドナトリウムが挙げられ、無機塩系化合物としては、例えば無水酢酸ソーダが挙げられ、イソチアゾリン化合物としては、例えば1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンマグネシウムクロライド、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド等が挙げられる。その他の防腐防黴剤としてソルビン酸ソーダ安息香酸ナトリウム等、例えば、アベシア製プロキセルGXL(S)、プロキセルXL−2(S)等が挙げられる。
キレート剤としては、例えばクエン酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、二ニトロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム等が挙げられる。
防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグリコール酸アンモニウム、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、桂皮酸系化合物、トリアジン系化合物、スチルベン系化合物、又は、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤も用いることができる。
粘度調整剤としては、水溶性有機溶剤の他に、水溶性高分子化合物が挙げられ、例えばポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアミン、ポリイミン等が挙げられる。
消泡剤としては、フッ素系、シリコーン系化合物が必要に応じて用いられる。
(インクジェット記録方法)
本発明のインクを使用して、インクを記録信号に応じてオリフィスから吐出させて記録媒体上に記録を行うインクジェット記録方法を好ましく使用することができ、特に、インクに熱エネルギーを作用させて記録媒体に記録を行うインクジェット記録方法を更に好ましく使用できる。
(インクカートリッジ)
本発明のインクを用いて記録を行うのに好適なインクカートリッジとしては、これらのインクが収容されるインク収容部を有するインクカートリッジが挙げられる。
以下に本発明のインクを用いて記録を行うのに好適なインクカートリッジの具体例を示す。
図3は、本発明のインクを用いて記録を行うのに好適なインクカートリッジである液体収納容器の概略説明図であり、断面図である。
図3中、液体収納容器(インクタンク)は、上部で大気連通口112を介して大気に連通し下部でインク供給口に連通し内部に負圧発生部材を収容する負圧発生部材収納室134と、液体のインクを収容する実質的に密閉された液体収納室136とに仕切壁138でもって仕切られている。そして、負圧発生部材収納室134と液体収納室136とは液体収納容器(インクタンク)底部付近で仕切壁138に形成された連通孔140及び液体供給動作時に液体収納室への大気の導入を促進するための大気導入溝(大気導入路)150を介してのみ連通されている。負圧発生部材収納室134を画成する液体収納容器(インクタンク)の上壁には、内部に突出する形態で複数個のリブが一体に成形され、負圧発生部材収納室134に圧縮状態で収容される負圧発生部材と当接している。このリブにより、上壁と負圧発生部材の上面との間にエアバッファ室が形成されている。
又、液体供給口114を備えたインク供給筒には、負圧発生部材より毛管力が高くかつ物理的強度の強い圧接体146が設けられており、負圧発生部材と圧接している。
本実施例の負圧発生部材収納室内には、負圧発生部材として、ポリエチレンなどオレフィン系樹脂の繊維からなる第一の負圧発生部材132B及び第二の負圧発生部材132Aの2つの毛管力発生型負圧発生部材を収納している。132Cはこの2つの負圧発生部材の境界層であり、境界層132Cの仕切壁138との交差部分は、連通部を下方にした液体収納容器の使用時の姿勢において大気導入溝(大気導入路)150の上端部より上方に存在している。又、負圧発生部材内に収容されているインクは、インクの液面Lで示されるように、上記境界層132Cよりも上方まで存在している。
ここで、第一の負圧発生部材と第二の負圧発生部材の境界層は圧接しており、負圧発生部材の境界層近傍は他の部位と比較して圧縮率が高く、毛管力が強い状態となっている。すなわち、第一の負圧発生部材の毛管力をP1、第二の負圧発生部材の持つ毛管力をP2、負圧発生部材同士の界面の持つ毛管力をPSとすると、P2<P1<PSなっている。
図4は、本発明のインクを用いて記録を行うのに好適な、更に別のインクカートリッジである液体収納容器の概略説明図であり、断面図である。該インクカートリッジは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の3色のインクを収容する容器41と、容器41を覆う蓋部材42とを有する。
容器41の内部は、3色のインクを収容するために、互いに平行に配置された2つの仕切板411、412により、容量がほぼ等しい3つの空間に仕切られる。これら3つの空間は、互いにインクタンクホルダへカラーインクタンクを装着する際のカラーインクタンクの挿入方向に沿って並んでいる。又、これら各空間に、それぞれイエローのインクを吸収して保持するインク吸収体44Y、マゼンタのインクを吸収して保持するインク吸収体44M、及びシアンのインクを吸収して保持するインク吸収体44Cが収納されている。又、負圧発生部材であるインク吸収体44Y、インク吸収体44M、インク吸収体44C内に収容されているインクは、インクの液面Lで示されるように、夫々のインク吸収体の上部まで存在している。
次に実施例と比較例により、本発明を具体的に説明する。尚、本発明は以下の実施例によって、限定されるものではない。又、特に指定の無い限り、実施例、比較例中のインク成分は「質量部」を意味する。
(フタロシアニン化合物の合成)
クロロスルホン酸に撹拌しながら銅フタロシアニン(顔料)を徐々に仕込み、反応を行った。反応後、冷却し得られた反応液を氷水中に注加し残存するクロロスルホン酸を分解させた。析出している結晶を濾過し、氷水で洗浄し、ウェットケーキ1を得た。氷水中に、前記ウェットケーキ1を添加し、撹拌した。塩化アンモニウムを添加し、苛性ソーダ溶液でpHを調整し、反応させた。この反応液を濾過し、このろ液(反応液)に塩酸と食塩を徐々に加えた。これを撹拌した後、析出した結晶を濾別し、ウェットケーキ2を得た。メタノール中に撹拌しながら、前記ウェットケーキ2を添加し、撹拌した。この結晶を濾別しメタノールで洗浄し、ウェットケーキ3を得た。再度前記ウェットケーキ3をメタノールに添加し、得られたウェットケーキ4を乾燥し、本発明のフタロシアニン化合物を得た。このように、表1に示すような最大吸収波長を有するフタロシアニン化合物1〜5を得た。
Figure 2006265455
(インクの調製)
得られたフタロシアニン化合物1〜5に対して、表2に示す処方で各成分を混合溶解し、0.2μmのメンブランフィルターで濾過し、実施例1〜5及び比較例1〜4のシアンインクを得た。
Figure 2006265455
(d75値の測定)
上記、実施例1〜5、及び、比較例1〜4について、小角X線散乱法を用いて、散乱角プロファイルを測定した。尚、測定に用いた小角X線散乱の条件は以下の通りである。
装置:Nano Viewer(理学製)
X線源:Cu−Kα
出力:45kV−60mA
実効焦点:0.3mmφ+Confocal Max−Flux Mirror
st slit:0.5mm、2nd Slit:0.4mm、3rd Slit:0.8mm
照射時間:240min
ビームストッパー:3.0mmφ
測定法:透過法
検出器:Blue Imaging Plate
測定した散乱角プロファイルからX線回折データ処理ソフトJADE(Material Data,Inc.)を用い、バックグラウンドを除去したピーク面積、及び、同ピーク面積全体の75%以上が含まれる2θ値(2θ75)を測定した。又、2θ75から、下記式(4)に基づいてd75値を算出した。結果を表3に示す。
Figure 2006265455
(ブロンズ性)
インクジェットプリンタ(商品名:Pixus 950i;キヤノン社製)を用いて、インクジェット用光沢メディアPR101(キヤノン社製)に各インク単独を5、12、21、29、35、43、51、58、66、74、85、90、100%と印字dutyを変化させた13段階の階調パターンを印字した。本印字物について、ブロンズ現象が発生し始めるdutyを目視で評価し、そのdutyをブロンズ発生dutyとした。従って、ブロンズ発生dutyが高いほどブロンズしにくいインクと言える。得られたブロンズ発生dutyにより、以下の判定基準に基づいて評価を行った。結果を表3に示す。
A:ブロンズ発生duty88%以上(実画においてほとんどブロンズしないか、実画において視覚判断でブロンズが発生しているかどうか分からないレベル)
B:ブロンズ発生duty63%以上、88%未満(実画において視覚判断でブロンズの発生が分かる場合があるレベル)
C:ブロンズ発生duty63%未満(実画において視覚判断でブロンズ発生が分かるレベル)
(耐オゾン性)
光沢メディアの記録画像をオゾン試験装置(商品名:OMS−H;スガ試験機社製)に投入し、40℃、55%RH、オゾンガス濃度3ppm、の雰囲気下に2時間暴露した。下記式(5)より、記録物における50%duty部の試験前後の反射濃度から残存濃度率を算出した。得られた残存濃度率により、以下の判定基準に基づいて評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 2006265455
(式中、dO3:オゾン暴露後の反射濃度、dini:オゾン暴露前の反射濃度)
A:残存濃度率 88%以上
B:残存濃度率 80%以上、88%未満
C:残存濃度率 80%未満
(連続吐出性)
インクジェットプリンタ(商品名:Pixus 950i;キヤノン社製)を用いて、印字よれのチェックパターンを印字後、印字Duty25%で15000枚まで連続印字を行った。その後、印字よれのチェックパターンを印字させ、印字よれについて以下の判定基準に基づいて評価を行った。結果を表3に示す。
A:連続 15000枚まで問題なく印字できる
B:連続 10000枚まで印字すると許容できる程度の印字よれが生ずる
C:連続 5000枚まで印字すると許容できない印字よれが生ずる
Figure 2006265455
小角X線散乱測定原理図である。 (a)フタロシアニン染料の分子集合体の大きさが小さい場合の分散距離の概念図である。
(b)フタロシアニン染料の分子集合体の大きさが大きい場合の分散距離の概念図である。
本発明のインクを用いて記録を行うのに好適なインクカートリッジである液体収納容器の概略説明図である。 本発明のインクを用いて記録を行うのに好適なインクカートリッジである液体収納容器の概略説明図である。
符号の説明
41 容器
42 蓋部材
43Y、43M、43C インク供給口
44Y、44M、44C インク吸収体
45Y、45M、45C インク供給部材
46 抜け止め爪
47 ラッチレバー
47c 根元斜面
48 ラッチ爪
49 段差部
112 大気連通口
114 液体供給口
132A 第二の負圧発生部材
132B 第一の負圧発生部材
132C 第一の負圧発生部材と第二の負圧発生部材の境界層
134 負圧発生部材収納室
136 液体収納室
138 仕切壁
140 連通孔
146 圧接体
150 大気導入溝(大気導入路)
411、412 仕切板
L 液体−気体界面

Claims (2)

  1. 下記式(1)の構造を持つフタロシアニン化合物を含有するインクにおいて、以下の条件を満たすことを特徴とするインクジェット用インク。
    1.かかるインクの着色剤濃度がインク全量に対して0.5質量%になるように純水を用いて希釈した後、小角X線散乱装置を用いて、かかる希釈インクの分子集合体の分散距離の分布を測定した際に、分布全体の75%を含む分子集合体の分散距離をd75値とした場合、d75値が7.0nm以上8.0nm以下となる
    2.下記式(2)の構造を持つ有機アミン化合物を1.0質量%以上、20質量%以下含有する
    Figure 2006265455
    (上記式(1)中、Mはアルカリ金属又はアンモニウムであり、lは1、2、3又は4であり、mは0、1、2又は3である。)
    Figure 2006265455
  2. 請求項1に記載のインクジェット用インクを収容することを特徴とするインクカートリッジ。
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