JP2006264944A - 搬送用平ベルト - Google Patents

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【課題】 屈曲性に優れるとともに、その表面が撥水撥油性を有する搬送用平ベルトを得る。
【解決手段】 搬送用平ベルト10はベルト本体11を有する。ベルト本体11は心体帆布12の両面に、第1および第2エラストマー層13、14を積層して構成する。ベルト本体11の両面に、外周面帆布15、内周面帆布16を被覆する。これら帆布はそれぞれ搬送用平ベルト10の外周面、内周面を形成する。外周面帆布15を構成する各糸の表面にバインダーとフッ素樹脂とを含む混合物を固着させる。外周面帆布15および内周面帆布16において、ベルト長手方向に沿って延在する糸はマルチフィラメントであって、これら帆布はベルト長手方向に伸縮性を有する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、搬送用平ベルトに関し、特に紙葉類の搬送に用いられる搬送用平ベルトに関する。
搬送用平ベルトは、紙葉類等種々の搬送物を搬送するために使用されており、例えばその搬送面に帆布が接着されたベルト、樹脂やゴムから形成された層が搬送面に設けられたベルトが知られている。
搬送面に帆布が接着された搬送用平ベルトは、搬送する紙葉類が例えば印刷物である場合、未乾燥のインクが帆布に接触し、そのインクが帆布に転写し、帆布を構成する繊維内に含浸されることがある。ここで、帆布を構成する繊維は、所定量のインクを保持することが可能であり、繊維内に含浸されたインク量が所定量以下であるならば、その帆布内に含浸されたインクは帆布表面に染み出すことはない。したがって、所定量以下のインクが含浸された帆布表面に紙葉類が接触したとしても、含浸されたインクが、紙葉類に再転写されることはない。
しかし、繊維内に含浸されるインク量が多くなり、上記所定量を越えると、繊維は含浸されたインクを保持することができなくなる。このような状態で、帆布表面に紙葉類が接触すると、含浸されたインクが紙葉類に再転写し、紙葉類が汚染されることとなる。さらに、繊維内に含浸されたインクは、例えばアルコールで拭い取ることにより、繊維内から除去することは難しく、一旦繊維内に所定量以上のインクが含浸してしまうと、そのベルトは紙葉類の搬送に使用することが困難になる。
また、樹脂から成る層が搬送面に形成された搬送用平ベルトとしては、特許文献1に記載されるように、その表面がフッ素樹脂フィルムによって被覆されたベルトが知られている。フッ素樹脂フィルムは、撥水性、撥油性を有するので、未乾燥のインクはベルト表面に転着されにくい。また、インクが転着されたとしても、転着されたインクはフッ素樹脂層フィルム内に浸透されることはないので、インクをアルコール等で拭い去ることにより、ベルトに転着されたインクの紙葉類への再転写は有効に防止される。
特開2000−136009号公報
しかし、搬送面がフッ素樹脂フィルムによって被覆されたベルトは、その硬度が高く、紙葉類を傷つけやすい。また、フッ素樹脂フィルムを搬送面に設けると、ベルトの屈曲性が悪くなり、例えば搬送用ベルトを小径のプーリに掛け回して使用することが困難になる。さらに、フッ素樹脂フィルムは、ベルト本体との接着性が良好ではなく、ベルト本体から剥がれやすいという問題点もある。そこで、本願発明はこれら問題点に鑑みて成されたものであり、印刷物を搬送するために適した搬送用平ベルトを提供することを主たる目的とする。
本発明に係る搬送用平ベルトは、少なくとも一方の表面が帆布によって被覆された搬送用平ベルトであって、帆布を構成する各糸の表面に、バインダーとフッ素樹脂とを含む混合物が固着されることを特徴とする。
ここで、例えば、混合物を含む混合液を、帆布内に浸透させた後乾燥させることにより、各糸の表面に混合物が固着される。バインダーは、例えばウレタン樹脂、ゴムラテックス、またはアクリル樹脂のいずれかを含む。
帆布は、ベルト長手方向に延在する糸と、ベルト幅方向に延在する糸によって構成され、ベルト長手方向に延在する糸は、好ましくはマルチフィラメントである。マルチフィラメントは、糸の表面積が大きく、従来インクが含浸しやすかったが、混合物を固着させることにより、効果的にインクをはじくことができる。また混合物は帆布に多量に固着されやすくなり、撥水撥油効果が得やすくなる。一方、ベルト幅方向に延在する糸は、例えばモノフィラメントである。
帆布は、ベルト長手方向に延在する糸と、ベルト幅方向に延在する糸によって構成され、ベルト長手方向に延在する糸は伸縮性を有することが好ましい。これにより、帆布は特に長手方向の屈曲性が良くなる。
帆布心体を有するベルト本体の少なくとも一方の表面に帆布が被覆され、帆布心体は、少なくともベルト長手方向において、帆布より引張剛性が高い。これにより、ベルトは、長手方向において搬送に必要な張力が得られるとともに、屈曲性も得ることができる。
本発明に係る搬送用平ベルトにおいては、他方の表面も帆布によって被覆され、この帆布を構成する各糸の表面にも、バインダーとフッ素樹脂とを含む混合物が固着されていても良い。
本発明によれば、ベルト表面に被覆される帆布は、各糸にフッ素樹脂が固着されており、撥水撥油効果を有するので、その表面に接触されたインクをはじくことができる。また、フッ素樹脂は層状に形成されているわけではないので、ベルト表面の柔軟性が損なわれることはない。したがって、本発明の搬送用ベルトは、紙葉類等の搬送物を傷つけることはなく、また一定の屈曲性を有することができる。また、混合物にはバインダーが含まれるので、例えばアルコール等でベルト表面を拭いた後においても、フッ素樹脂は帆布に固着されたままであり、ベルトの撥水撥油効果は長期間に亘り維持可能である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は搬送用平ベルトの斜視図を、図2は搬送用平ベルトの断面斜視図を、図3は搬送用平ベルトの図2におけるIII−III線上における断面図を示す。図1に示すように、搬送用平ベルト10は無端状に形成されたベルトである。
図2、3に示すように、搬送用平ベルト10はベルト本体11を有し、ベルト本体11は心体帆布12の両面に、第1および第2エラストマー層13、14が積層されて構成される。ベルト本体11の両面には、外周面帆布15、内周面帆布16が被覆して積層され、これら帆布はそれぞれ搬送用平ベルト10の外周面、内周面を形成する。
心体帆布12は、ベルトの長手方向に延在する縦糸22と、ベルトの幅方向に延在する横糸23によって織られる織布である。心体帆布12は、ベルトの長手方向、幅方向に作用される力に対して抗張するように縦糸22、横糸23は高剛性の糸で構成され、心体帆布12は、少なくともベルトの長手方向において、外周面帆布15および内周面帆布16より引張剛性が高い。縦糸22、横糸23は好ましくはマルチフィラメントで構成され、また、例えばポリエステル、ナイロン、アラミド、またはこれらの混合繊維等から構成される。ここでポリエステルとしては、例えばポリエチレンテレフタレートが使用される。なお、帆布等の引張剛性の比較は、同一幅の帆布等を引張試験機で長さ方向に同速度で引っ張ったとき、同一の伸び率(例えば元の長さに対して10%)における引張力の比較により行なう。
第1および第2エラストマー層13、14は、熱可塑性エラストマーがポリマー成分として構成され、必要に応じて各種添加剤が添加されている。熱可塑性エラストマーとしては、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー等の単体またはこれらの混合物が使用される。なお、第1および第2エラストマー層13、14には、心体帆布12の縦糸22、横糸23が侵入した状態となっている。
外周面帆布15は、ベルトの長手方向に沿って延在する縦糸25と、ベルトの幅方向に沿って延在する横糸26によって織成された織布である。内周面帆布16も同様に、ベルトの長手方向に沿って延在する縦糸27と、ベルトの幅方向に沿って延在する横糸28によって織成された織布である。
これら帆布の縦糸25、27は伸縮性を有するとともに、横糸26、28は非伸縮性の高剛性な糸で構成されることにより、外周面帆布15、内周面帆布16は、ベルトの長手方向に伸縮性を有するとともに、幅方向に高い剛性を有する。縦糸25、27は、マルチフィラメントであって、例えば嵩高加工糸や、芯糸である弾性糸にカバーリング糸が巻き回されて構成されるマルチフィラメント等である。嵩高加工糸は、例えば複数の糸が束ねられたマルチフィラメントが捲縮加工されることにより得られた捲縮加工糸であって、例えばウーリーナイロン糸である。横糸26、28は、スパン糸またはモノフィラメントであって、例えばポリエステルモノフィラメントが使用される。外周面帆布15および内周面帆布16は、上記の構成から適宜選択されて形成されるが、外周面帆布15と内周面帆布16は、同一の構成であっても良いし、異なる構成であっても良い。
なお、以上述べた「縦糸」および「横糸」それぞれは、ベルトの長手方向および幅方向に沿って延在する糸であることを意味し、「縦糸」は織物構造としての経糸または緯糸であっても良いし、「横糸」も同様に、織物構造としての緯糸または経糸であっても良い。
外周面帆布15の縦糸25および横糸26を構成する各糸(例えば各フィラメント)の表面には、バインダーとフッ素樹脂を含む混合物が固着されている。フッ素樹脂は、撥水撥油効果を有するものであれば特に限定されないが、例えばパーフルオロアルキル基を有する重合体等である。バインダーは、例えばウレタン樹脂、ゴムラテックス、アクリル樹脂、またはこれらの混合物が用いられるが、ウレタン樹脂またはゴムラテックスが好ましい。ウレタン樹脂およびゴムラテックスは、硬度が低く、繊維表面に付着させられても、ベルトの屈曲性をあまり低下させないからである。
ウレタン樹脂には、特に限定されるわけではないが、例えばポリエステルウレタン樹脂が、ゴムラテックスには例えばアクリロニトリル−ブタジエン共重合物ラテックス、カルボキシ変性アクリロニトリル−ブタジエン共重合物ラテックス等が使用される。また、アクリル樹脂は、特に限定されるわけではないが、アクリル酸エステル、又はメタクリル酸エステルにアクリル酸、メタクリル酸、スチレン、アクリロニトリル等の各種モノマーを共重合させて作られたものである。
バインダーとフッ素樹脂を含む混合物は、フッ素樹脂混合液を、縦糸25および横糸26を構成する各糸の間に浸透させ、これら各糸の表面に付着させ、その後加熱乾燥させることにより、各糸の表面に固着されている。フッ素樹脂混合液は、バインダー、フッ素樹脂、およびその他の添加剤を媒体(水または有機溶剤)に分散・溶解させて得られた混合液である。なお、環境負荷の面、取り扱いが容易である点を考慮すると、媒体は水系(特に水)媒体が好ましいので、バインダーおよびフッ素樹脂は、水に分散または溶解可能であるものが好ましく、ウレタン樹脂は水系ウレタン樹脂が使用されたほうが良い。
フッ素樹脂混合液の縦糸25および横糸26への浸透は、フッ素樹脂混合液が外周面帆布15の一方の表面(ベルトの外周面側)にコーティングや吹き付け等されることにより行われる。フッ素樹脂混合液のコーティングや吹き付けは、好ましくは、外周面帆布15がベルト本体11上に接着され、積層体が形成された後、ベルトの外周面に対して行なわれる。勿論、コーティングは、外周面帆布15がベルト本体11上に接着される前において、外周面帆布15単体に対して行なわれても良い。
なお、本実施形態においては、バインダーとフッ素樹脂とを含む混合物が内周面帆布16の各糸の表面に固着されていない。しかし、内周面帆布16を構成する各糸の表面も、外周面帆布15と同様に、バインダーとフッ素樹脂とを含む混合物が固着されていても良い。この場合、内周面帆布16に浸透されるフッ素樹脂混合液は、外周面帆布15に浸透される混合液と同一の配合でも良いし、異なっていても良い。
搬送用平ベルト10は、例えば複数のプーリに掛け回され、かつ搬送用平ベルト10の外周面に搬送物が載せられた状態で、回転させられることにより搬送物を搬送させる。搬送用平ベルト10の外周面は、外周面帆布15で構成され、その外周面帆布15を構成する各糸にはフッ素樹脂およびバインダーの混合物が固着されている。したがって、例えば搬送物が印刷物であり、その印刷物の未乾燥インクが外周面帆布15に接触したとしても、フッ素樹脂の撥水、撥油効果により、インクは外周面帆布15に転写されにくい。また、インクが外周面帆布15に転写されたとしても、フッ素樹脂の撥水、撥油効果により、インクは外周面帆布15の各糸の繊維内部に含浸されることはない。外周面帆布15に転写されたインクは、繊維内部に含浸されなければ、アルコール等で容易に拭い去ることができるので、インクの印刷物への再転写を有効に防止することができる。
また、フッ素樹脂は、バインダーとともに外周面帆布15の各糸の表面に固着されている。したがって、ベルトがアルコール等で拭われたとしても、バインダーの接着作用により、フッ素樹脂は各糸の表面からほとんど取り去られない。したがって、搬送用平ベルト10は、長期間に亘って外周面帆布15の撥水撥油効果を持続させることができる。
さらに、フッ素樹脂とバインダーを含む混合物は、層状に積層されず、外周面帆布15を構成する各糸の表面に固着されている。したがって、ベルト外周面は、帆布の伸縮性および柔軟性を維持することができるので、ベルトの屈曲性は低下せず、かつベルト外周面によって搬送物である紙葉等が傷つけられることもない。
また、本実施形態において、外周面帆布15の縦糸25は、マルチフィラメントであるので、モノフィラメントを使用した場合に比べ、フィラメントの表面積が大きくなる。したがって、混合物は帆布に多量に固着されやすくなり、撥水撥油効果が得やすくなる。
図4、5は、それぞれ搬送用平ベルト10の第1および第2の変形例を示す。本実施形態においては内周面帆布16が設けられたが、第1の変形例に示すように、ベルト本体11の内周面側に内周面帆布16が設けられていなくても良い。第1の変形例においては、、ベルト本体11は、心体帆布12の内周面側に、第3エラストマー層17が、外周面側に第1エラストマー層13が積層されて構成され、第3エラストマー層17が搬送用平ベルト10の内周面を形成する。心体帆布12、第1エラストマー層13、および外周面帆布15は、第1の実施形態と同様の構成を有するのでその記載は省略する。第3エラストマー層17は、ゴムまたは熱可塑性エラストマーがポリマー成分として構成され、必要に応じて各種添加剤が添加されている。ゴムとしては、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、塩素化ポリエチレン、エピクロルヒドリンゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム等の単体またはこれらの混合物が使用される。熱可塑性エラストマーとしては、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー等の単体またはこれらの混合物が使用される。
なお、第1の変形例においては、外周面帆布15が設けられず、内周面帆布16のみが設けられても良い。この場合、内周面帆布16は、フッ素樹脂とバインダーを含む混合物が固着されている。
また、本実施形態ではベルト本体11においては、その中心に心体帆布12が設けられるが、第2の変形例に示すように、ベルト本体11は、心体帆布12が設けられず、エラストマー層のみから構成されても良い。なお、エラストマー層の構成は、本実施形態の第1および第2エラストマー層13、14と同様の構成であるのでその説明は省略する。ただし、第2の変形例において、心体帆布が設けられないので、長手方向に剛性を持たせるため、ベルト本体11は、長手方向において、その引張剛性が外周面帆布15および内周面帆布16より高いほうが良い。
さらに、本実施形態および本変形例では、心体帆布12、外周面帆布15、および内周面帆布16は、織物であったが、編物であっても良い。また、フッ素樹脂とバインダーを含む混合物は、外周面帆布15を構成する各糸には固着されず、内周面帆布16を構成する各糸のみに固着されていても良い。
本実施形態について、以下実施例を用いて説明するが、本発明は以下の実施例の構成に限定されるわけではない。
[フッ素樹脂混合液の構成]
実施例1においては、バインダーとして、水系ウレタン樹脂であるポリエステルウレタン樹脂が、フッ素樹脂として、パーフルオロアルキルアクリレートが使用された。実施例2においては、バインダーとして、アクリル樹脂であるアクリロニトリル・アクリル酸アルキルエステル・スチレン・メタクリル酸共重合樹脂が、フッ素樹脂として、パーフルオロアルキルアクリレートが使用された。実施例3においては、バインダーとしてゴムラテックスであるカルボキシ変性アクリロニトリル−ブタジエン共重合物ラテックスが、フッ素樹脂としてパーフルオロアルキルアクリレートが使用された。なお、実施例1〜3のフッ素樹脂混合液には、添加剤として増粘剤(アクリル酸エステル共重合体樹脂)、消泡剤(炭化水素油)、アニオン活性剤が添加されていた。また、実施例1〜3のフッ素樹脂混合液においては、媒体として水が使用された。
[搬送用平ベルトの構成]
実施例1〜3の搬送用平ベルトは図2に示す構成を有するベルトであって、心体帆布の両面に、第1および第2エラストマー層が積層され、これら第1および第2エラストマー層の外周面側および内周面側それぞれに、外周面帆布、内周面帆布が被覆されたものであった。ここで、心体帆布は、ポリエステルマルチフィラメントの縦糸およびポリエステルスパン糸の横糸で織成された織物であった。第1および第2エラストマー層のポリマーとしては、エステル系熱可塑性ポリウレタンエラストマーが使用された。内周面帆布および外周面帆布は、縦糸がナイロンウーリー糸、横糸がポリエステルモノフィラメントである織物であった。外周面帆布は、第1エラストマー層上に被覆された後、外周面側からフッ素樹脂混合液によってコーティング(ナイフコーティング)され、加熱乾燥されることにより、バインダーとフッ素樹脂を含む混合物が外周面帆布を構成する各糸の表面に固着された。
[比較例]
比較例の搬送用平ベルトにおいては、フッ素樹脂混合液の代わりにフッ素樹脂が配合されていない混合液を用いてコーティングした。比較例の混合液は、フッ素樹脂が配合されていない以外は、実施例1と同様の混合液であった。その他の構成は実施例1と同様であるので、その記載は省略する。
[ベルト評価]
各搬送用平ベルトの外周面上(すなわち外周面帆布上)に、一滴のインクを滴下したときの状態、及び滴下したインクをエタノールで拭き取った後の外周面の状態を目視で確認することにより、各搬送用平ベルトを評価した。
実施例1〜3の搬送用平ベルトにおいては、インクを滴下すると、インクは外周面帆布にはじかれ、外周面帆布の表面上にとどまっていた。一方、比較例の搬送用平ベルトにおいて、インクを滴下すると、インクの一部は外周面帆布の内部に浸透した。
また、実施例1〜3の搬送用平ベルトは、インク滴下後、インクを拭き取ったところ、インクを帆布表面からほぼ完全に除去することができた。一方、比較例のベルトにおいては、インクの一部は、外周面帆布の内部に含浸されたままであった。さらに、実施例1〜3の搬送用平ベルトは、その外周面にインクを繰り返し滴下し、アルコールで繰り返し拭き取っても、インクは外周面帆布の内部にほとんど浸透しなかった。
以上のように本実施例においては、外周面帆布は、その帆布を構成する各フィラメントにフッ素樹脂が固着されているので、撥水撥油効果を有していたことが理解できる。また、混合物にはバインダーが含まれるので、例えばアルコール等でベルト表面を拭った後においても、フッ素樹脂は帆布に固着されたままであり、ベルトの撥水撥油効果は維持されていた。
本実施形態に係る搬送用平ベルトの斜視図である。 搬送用平ベルトの断面斜視図である。 搬送用平ベルトの図2におけるIII−III線上における断面図である。 第1の変形例に係る搬送用平ベルトの断面図である。 第2の変形例に係る搬送用平ベルトの断面図である。
符号の説明
10 搬送用平ベルト
11 ベルト本体
12 心体帆布
13 第1エラストマー層
14 第2エラストマー層
15 外周面帆布
16 内周面帆布
17 第3エラストマー層
25、27 縦糸
26、28 横糸

Claims (8)

  1. 少なくとも一方の表面が帆布によって被覆された搬送用平ベルトであって、前記帆布を構成する各糸の表面に、バインダーとフッ素樹脂とを含む混合物が固着されることを特徴とする搬送用平ベルト。
  2. 前記混合物を含む混合液を、前記帆布内に浸透させた後乾燥させることにより、前記各糸の表面に前記混合物が固着されることを特徴とする請求項1に記載の搬送用平ベルト。
  3. 前記バインダーは、ウレタン樹脂、ゴムラテックス、またはアクリル樹脂のいずれかを少なくとも含むことを特徴とする請求項1に記載の搬送用平ベルト。
  4. 前記帆布は、ベルト長手方向に延在する糸と、ベルト幅方向に延在する糸によって構成され、前記ベルト長手方向に延在する糸がマルチフィラメントであることを特徴とする請求項1に記載の搬送用平ベルト。
  5. 前記ベルト幅方向に延在する糸がモノフィラメントであることを特徴とする請求項4に記載の搬送用平ベルト。
  6. 前記帆布は、ベルト長手方向に延在する糸と、ベルト幅方向に延在する糸によって構成され、前記ベルト長手方向に延在する糸は伸縮性を有することを特徴とする請求項1に記載の搬送用平ベルト。
  7. 帆布心体を有するベルト本体の少なくとも一方の表面に前記帆布が被覆され、前記帆布心体は、少なくともベルト長手方向において、前記帆布より引張剛性が高いことを特徴とする請求項1に記載の搬送用平ベルト。
  8. 前記搬送用平ベルトの他方の表面も帆布によって被覆され、この帆布を構成する各糸の表面にも、バインダーとフッ素樹脂とを含む混合物が固着されることを特徴とする請求項1に記載の搬送用平ベルト。


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