JP2006264285A - サーマルプリンタ及びサーマルプリント方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 サーマルヘッドの搬送負荷変動に起因して発生する濃度ムラの発生を抑える。
【解決手段】 サーマルヘッド6による1ライン記録時の熱エネルギを求める。この熱エネルギに基づき1ライン毎の搬送負荷変動量を求める。1ライン毎の搬送負荷変動量と、この搬送負荷変動を打ち消すためのプラテンローラ7の搬送速度、及びこの搬送速度に変更するタイミングである補正対象記録ラインとの関係を予め求めておき、これらをLUTメモリ26に記憶しておく。LUTメモリ26からライン毎の搬送負荷変動量に基づきプラテンローラ7の搬送速度及び補正対象記録ラインを求め、補正対象記録ラインの記録に際して前記プラテンローラの搬送速度を制御し、搬送負荷変動を抑制する。記録紙張力がほぼ一定になり、搬送負荷変動による画素濃度の変動が少なくなり、濃度ムラの発生が抑制される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、記録紙にサーマルヘッドを用いて画像を熱記録するサーマルプリンタ及びサーマルプリント方法に関するものである。
感熱発色層を備えた感熱記録紙をサーマルヘッドで加熱して画像を発色記録する感熱プリンタが知られている。サーマルヘッドには、多数の発熱素子が主走査方向に沿ってライン状に配列されている。感熱プリンタは、サーマルヘッドと感熱記録紙とを副走査方向に相対移動させながら、画像を1ラインずつ記録する。各発熱素子は、1ライン分の画像データに基づいてそれぞれ駆動され、感熱記録紙に対して熱エネルギを与える。
感熱記録紙とサーマルヘッドとの間の摩擦係数は、前記熱エネルギによって変動する。すなわち、熱エネルギが大きいと、発熱素子の温度が上昇して摩擦係数が低くなり、他方、熱エネルギが小さいと、発熱素子の温度が下がって摩擦係数が大きくなる。したがって、隣接するラインにおいて画像データが大きく変わって原画の濃度が急変する部分では、熱エネルギの変動が大きいため、摩擦係数の変動も大きくなる。摩擦係数が変動すると、感熱記録紙の搬送負荷が変動するので、感熱記録紙の搬送ピッチが変化してしまう。これにより、単位面積あたりに与えられる熱エネルギが変化して濃度ムラが発生してしまうという問題があった。
例えば、特許文献1に示されるように、上記濃度変化に起因する負荷変動が生じても濃度ムラを発生させない感熱プリンタが記載されている。この感熱プリンタでは、ライン毎にサーマルヘッドの負荷量を求めるとともに、記録すべきラインの負荷量と隣接するラインの負荷量との差から負荷変動量を求め、その負荷変動量に基づいて記録すべきラインの熱エネルギを補正している。そのため、搬送負荷変動により感熱記録紙の搬送ピッチが変化した場合でも、その変化に応じて熱エネルギも補正されるから、濃度ムラの発生が防止される。
特開2002−67370号公報
ところで、あるラインから急激に印画率(駆動される発熱素子数を記録エリアの総発熱素子数で割った百分率)が変わって記録紙に加えられる熱エネルギが変更される場合には、搬送負荷変動によって記録するするタイミングと、実際に記録紙が発色するタイミングとにはズレが発生する。このため、単に搬送負荷変動量に基づき対象ラインの熱エネルギを補正するだけでは充分な補正が行えず、印画率が減少する場合には黒スジが発生し、印画率が増加する場合には白スジが発生してしまうという問題がある。また、上記のように搬送負荷変動に基づき熱エネルギを補正しても、記録紙に対して直接に作用させるものではなく、熱エネルギの補正という形で搬送負荷変動を抑えているため、充分な補正が行えないという問題もある。
本発明は、各ライン記録の際に印画率が急激に変化する場合でもスジむらが発生することがないようにしたサーマルプリント方法及びサーマルプリンタを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、主走査方向に沿って複数の発熱素子が配列されたサーマルヘッドを用いて画像データに応じて各発熱素子を発熱させ、プラテンローラにより支持された記録紙を前記主走査方向に交差する副走査方向に送って画像を1ラインずつ記録するサーマルプリンタにおいて、1ライン分の各画素の画像データを前記記録紙に与えるべき熱エネルギに変換し、この熱エネルギに基づき各ライン記録時の搬送負荷変動量を求める搬送負荷変動量演算部と、前記搬送負荷変動量演算部からの搬送負荷変動量に基づき、前記記録紙の搬送負荷変動を抑えるための前記プラテンローラの制御量及びこの制御量でプラテンローラを制御する際の補正対象記録ラインを決定する制御量及び制御対象ライン決定部と、前記制御量及び制御対象ライン決定部で決定された補正対象記録ラインに対して前記制御量でプラテンローラを制御するプラテンローラ制御部とを備えることを特徴とする。
また、本発明のサーマルプリント方法では、1ライン分の各画素の画像データを前記記録紙に与えるべきエネルギに変換し、このエネルギに基づき各ライン記録時の搬送負荷変動量を求め、求めた搬送負荷変動量に基づき前記記録紙の搬送負荷変動を抑えるための前記プラテンローラの制御量及びこの制御量でプラテンローラを制御する際の補正対象記録ラインを決定し、この決定した制御量に基づき補正対象記録ラインの記録時にプラテンローラを制御することを特徴とする。なお、プラテンローラの制御量はプラテンローラの回転速度であることが好ましい。
本発明によれば、1ライン分の各画素の画像データを記録紙に与えるべきエネルギに変換し、このエネルギに基づき各ライン記録時の搬送負荷変動量を求め、求めた搬送負荷変動量に基づき記録紙の搬送負荷変動を抑えるために、前記プラテンローラの制御量及びこの制御量でプラテンローラを制御する際の補正対象記録ラインを決定し、この決定した制御量に基づき補正対象記録ラインの記録時にプラテンローラを制御するから、熱記録するタイミングと発色するタイミングとがずれてしまう場合でも、確実にスジむらの発生が抑えられる。
図1は、本発明を実施したカラー感熱プリンタの要部を示す概略図である。このカラー感熱プリンタでは、図示しない記録紙ロールから給紙された長尺のカラー感熱記録紙(以下、単に記録紙という。)2が用いられる。記録紙2は、搬送ローラ対3によって給紙方向とこの給紙方向とは反対の記録方向とに送られる。搬送ローラ対3は、パルスモータからなる搬送モータ4で駆動されるキャプスタンローラ3aと、このキャプスタンローラ3aに圧接する位置と離れる位置との間で移動自在とされたピンチローラ3bとから構成されている。搬送モータ4はドライバ4aを介しコントローラ10により制御される。
記録紙2は、周知のように、支持体上にシアン感熱発色層、マゼンタ感熱発色層、イエロー感熱発色層、及び保護層が順次層設されている。感熱層として最上層となるイエロー感熱発色層は熱感度が最も高く、小さな熱エネルギでイエローに発色する。最下層となるシアン感熱発色層は熱感度が最も低く、大きな熱エネルギでシアンに発色する。また、イエロー感熱発色層は、420nmの青紫光が照射されたときに、発色能力が消失する。マゼンタ感熱発色層は、イエロー感熱発色層とシアン感熱発色層との中間程度の熱エネルギでマゼンタに発色し、365nmの近紫外線が照射されたときに発色能力が消失する。
搬送ローラ対3の給紙方向の下流側には、サーマルヘッド6が配置されている。サーマルヘッド6は、多数の発熱素子がライン状に配列された発熱素子アレイ6aを備えており、プリンタ内に固定されている。
サーマルヘッド6に対面する位置には、このサーマルヘッド6との間で記録紙2を挟み込むようにプラテンローラ7が配置されている。プラテンローラ7は、上下方向で移動自在とされており、図示しないバネによって、サーマルヘッド6に圧接する方向に付勢されている。また、プラテンローラ7にはパルスモータからなるプラテンモータ8が接続されている。このプラテンモータ8はドライバ8aを介してコントローラ10により回転制御される。そして、搬送モータ4とは別個に回転制御され、各ラインの熱エネルギの変動による搬送付加変動を打ち消す方向にプラテンローラ7の搬送速度が制御される。
サーマルヘッド6は、記録紙2が搬送ローラ対3によって記録方向に搬送される際に、発熱素子アレイ6aの各発熱素子を所定の温度に発熱させ、記録紙2の記録エリア内の各感熱発色層を発色させる。プラテンローラ7は、給紙時及び排紙時にはカムやソレノイド等を用いた図示しないシフト機構によって下降され、これにより、サーマルヘッド6との間に記録紙2の通過用の隙間が形成される。
サーマルヘッド6の給紙方向の下流側には、記録紙2に対面して光定着器11が配置されている。この光定着器11は、イエロー定着ランプ12とマゼンタ定着ランプ13と、リフレクタ14とからなる。イエロー定着ランプ12は、発光ピークが420nmの青紫光を放出し、マゼンタ定着ランプ13は発光ピークが365nmの紫外線を放出する。これらの定着ランプ12,13からの定着光の照射により、記録紙2のイエロー感熱発色層及びマゼンタ感熱発色層は加熱されても発色しないように定着される。
光定着器11の給紙方向の下流側には、カッタ16が設けられている。このカッタ16は、フルカラー画像を未記録エリアから切り離す。これにより、シート状の記録紙は、図示しない排出口からプリンタ外部へ排出される。
コントローラ10は各部を制御して、同一の記録エリアに対してイエロー、シアン、マゼンタの三色面順次記録によりフルカラー画像を記録紙2に記録する。さらに、図2に示すように、各ライン記録時の熱エネルギの変動量に起因する搬送負荷変動に基づく濃度むらの発生を抑えるために、搬送負荷変動の抑制処理を行う。この搬送負荷の抑制処理では、プラテンローラ7の搬送速度Vpを搬送ローラ対3の搬送速度Voと異ならせるように、プラテンモータ8を回転制御し、各ラインの記録時の搬送負荷変動を打ち消す。
このため、コントローラ10には、フレームメモリ21、ラインメモリ22、通電時間演算制御部23、各ラインの熱エネルギに基づき搬送負荷変動量を求める搬送負荷変動量演算部25、搬送負荷変動量からプラテンローラ7の搬送速度及び補正タイミングを求めるプラテンローラ搬送速度・補正タイミングの変換LUT26、搬送負荷変動・搬送速度演算部27、LUT書込み部28が設けられている。
フレームメモリ21に書き込まれた画像データは1ラインずつラインメモリ22に送られる。ラインメモリ22は複数ライン例えば5ライン分の画像データを記憶する。ラインメモリ22に入力された画像データは1ラインずつ通電時間演算制御部23及び搬送負荷変動量演算部25に送られる。通電時間演算制御部23は、1ラインの画像データに基づき各発熱素子の通電時間制御データを求めて、これをサーマルヘッド6に送る。サーマルヘッド6のヘッド駆動部は、通電時間制御データで各発熱素子を発熱させる。この発熱素子の駆動に同期させて、ドライバ4a及び搬送モータ4を介して搬送ローラ対3が回転制御され、記録紙2に1ラインずつ画像が記録される。
搬送負荷変動量演算部25は、エネルギ変換LUTメモリ25a、動摩擦係数LUTメモリ25b、ワークメモリ25cを備えている。エネルギ変換LUTメモリ25aには、画像データの階調レベルをアドレスとし、サーマルヘッド6の発熱素子から記録紙2に与えられる熱エネルギをデータとしたテーブルが書き込まれている。動摩擦係数LUTメモリ25bには、各発熱素子の熱エネルギと記録紙2の表面及び発熱素子の動摩擦係数との関係を示すテーブルが書き込まれている。このテーブルは、発熱素子の熱エネルギが高くなるほど動摩擦係数が低くなる関係になっている。テーブルは予め実験等などにより記録紙の種類毎に求められており、動摩擦係数LUTメモリ25bに書き込まれている。そして、使用する記録紙2の種類に応じて該当するテーブルが選択される。ワークメモリ25cは、搬送負荷変動量演算部25での演算結果等を一時的に記憶する。
搬送負荷変動量演算部25では、エネルギ変換LUTメモリ25aを参照してラインメモリ22から取り込んだ第iライン、第jドットの画像データを熱エネルギE(i,j)に変換し、これをワークメモリ25cに格納する。そして、動摩擦係数LUTメモリ25bから熱エネルギE(i,j)に対応する動摩擦係数μ(E(i,j))を読み出し、これにサーマルヘッド6が記録紙2を押圧する押圧力Pを乗じて、第iライン第jドットの画像データについて、対応する発熱素子が記録紙2に与える搬送負荷量を求める。この搬送負荷量を次式により全発熱素子分について求め、サーマルヘッドが第iラインの画像を記録紙に記録する際に、記録紙が受ける搬送負荷量F(i)を算出する。
F(i)=∫P・μ(E(i,j))dj
そして、前のラインである(i−1)ライン目の搬送負荷量F(i−1)との差を算出することにより第iラインの搬送負荷変動量ΔF(i)(=F(i)−F(i−1))を求める。
次に、求めた第iラインの搬送負荷変動量ΔF(i)に基づきプラテンローラ搬送速度及び補正タイミング変換LUTメモリ26により、各ラインを各発熱素子で記録する際のプラテンローラ7の搬送速度Vp及び補正対象ラインを求め、補正対象ラインの熱記録時にこの搬送速度Vpでプラテンローラ7を駆動する。各ラインの搬送負荷変動量ΔF(i)とこの搬送負荷変動による記録紙搬送速度の変動を打ち消すためのプラテンローラ7の搬送速度Vp及び補正対象ラインとの関係の一例を図3及び図4に示す。この関係は、ルックアップテーブル(LUT)の形態で求められており、搬送負荷変動量ΔF(i)をアドレスとし、このときのプラテンローラの搬送速度をデータとしたテーブルがLUT書込み部28によって書き込まれている。同様にして、搬送負荷変動量ΔF(i)の絶対値をアドレスとし、このときの補正対象ラインをデータとしたテーブルがLUT書込み部28によって書き込まれている。
したがって、各ラインの熱記録前に、搬送負荷変動が+側になる(前ライン(第i−1ライン)の搬送負荷よりも現ライン(第iライン)の搬送負荷が大きくなる)と、その分だけプラテンローラ7の搬送速度Vpが上げられて、搬送ローラ対3による搬送速度Voよりもプラテンローラ7の搬送速度が僅かに高くなり、搬送負荷変動が打ち消される。これにより、1ライン当たりの記録紙搬送量が僅かに減ることで、この分だけ濃度むらの発生が抑制される。また、各ラインの熱記録時に搬送負荷変動が−側になると、その分だけプラテンローラ7の搬送速度Vpが下げられて、搬送ローラ対3による搬送速度Voよりもプラテンローラ7の搬送速度が僅かに低くなり、搬送負荷変動が打ち消される。これにより、1ライン当たりの記録紙搬送量が僅かに増えることで、この分だけ濃度むらの発生が抑制される。また、搬送負荷変動が無い場合や僅かな場合にはプラテンローラ7は搬送ローラ対3と同じ速度Vp=Voで回転制御される。
また、搬送負荷変動量の絶対値に基づき補正対象ラインが特定される。例えば、搬送負荷変動量が大きい場合には、該当する記録ラインに対してその3ライン前の記録時にプラテンローラの搬送速度の補正が行われる。なお、補正対象ラインと搬送速度との関係は、予め対象プリンタの機種毎に実験などにより求めておく。この実施形態では、該当ラインに対して3ライン前、または2ライン前、または1ライン前のように、搬送負荷変動量に応じて補正対象ラインを変えているが、これに限らず、1ライン前で補正が可能な場合には、1ライン前からの補正であってもよい。また、1ラインに対して補正を行っているが、補正対象ラインは複数ラインであってもよい。例えば、3ライン前と、2ライン前と、1ライン前とに対して、それぞれ補正してもよい。また、各補正対象ラインにおける補正量は各ラインで変えるようにしてもよい。
なお、図3における搬送負荷変動量の基準位置を「0」から、「+」側の位置(図中二点鎖線表示)にシフトすることで、常にプラテンローラ7の搬送速度Vpを搬送ローラ対3の搬送速度Voに対して減速し制動をかける制御となり、挙動が常に一方向のみとなるから、搬送負荷変動に基づく濃度むら補正が簡単に行えるようになる。また、逆に搬送負荷変動量の基準位置を「0」から「−」側の位置にシフトさせて、プラテンローラ7を常に増速させる制御を行ってもよい。
前記搬送負荷変動量ΔF(i)とこれを打ち消すためのプラテンローラ7の搬送速度Vpとの関係は、搬送負荷変動・搬送速度演算部27により、次のようにして予め求めておく。まず、プラテンローラ7の搬送速度Vpの変動を検出するためにパルスジェネレータ17をプラテンローラ7の駆動軸7aに連結しておく。そして、各ライン記録時の搬送負荷変動量ΔF(i)を段階的に変えるように各ラインの熱エネルギを加えて、この時のライン記録時のプラテンローラ7における搬送速度変動量をパルスジェネレータ17の出力から求める。次に、この搬送速度変動量を打ち消すようにプラテンローラ7の搬送速度Vpを求める。すなわち、熱エネルギの変動による搬送負荷変動によって前のライン記録よりも今回のライン記録の搬送速度が僅かに上昇する場合には、プラテンローラ7の搬送速度Vpを搬送ローラ対3の搬送速度Voよりも低下させてプラテンローラ7を制動する。また、熱エネルギの変動によって前のライン記録よりも今回のラインの搬送速度が僅かに下降する場合には、プラテンローラ7の搬送速度Vpを搬送ローラ対3の搬送速度Voよりも増加させる。これによって、各ラインの記録時に熱エネルギが変動して搬送負荷が変動しても、搬送ローラ対3とプラテンローラ7との間の記録紙張力をほぼ同じにすることができ、濃度むらの発生が抑制される。
前記搬送負荷変動量ΔF(i)とプラテンローラ7の搬送速度Vpとの関係は、記録紙2の厚み、サイズなどの違いに応じて、記録紙2の種類毎に求めてあり、記録紙種類に応じて最適なものが用いられる。なお、各記録紙の種類毎に上記関係を求めておく他に、代表的または平均的な記録紙において上記関係を1つ求めておき、記録紙種類ごとに補正係数をかけることで、用いる記録紙種類毎に最適なプラテンローラの搬送速度を求めてもよい。
上記搬送負荷変動を打ち消すためのプラテンローラ搬送速度変換LUT26の各データは、組立終了後の出荷前にプリンタ毎に求めて、LUT書込み部28によって、EEPROMなどの不揮発性メモリに記憶される。なお、出荷前に求めて記憶する代わりに、出荷後に一定量のプリントを行った後に定期的に求めてデータを更新したり、修理の際にデータを更新したりしてもよい。また、パルスジェネレータ17などは工場での上記データ取得時のみプラテンローラ7に接続し、製品としてのプリンタからは取り外してもよい。また、プリンタ毎に個々にデータを求める他に同一または類似製品に対しては代表機で求めたデータをそのまま、または補正して用いてもよい。
次に、上記実施形態の作用について説明する。図1に示すように、熱記録に際しては、搬送ローラ対3により記録紙2が記録方向に送られる。そして、記録紙2の記録エリアの先端がサーマルヘッド6に到達したことが検出されると、発熱素子アレイ6aが発熱され、イエロー感熱発色層にイエロー画像が1ライン記録される。以下、記録紙2の送りに同期してイエロー画像が1ラインずつ記録される。
このライン記録に際して、予め画像データに基づき1ライン毎の各発熱素子の熱エネルギが求められる。そして、この熱エネルギに基づき各ラインの搬送負荷が求められる。そして、前のラインと今回のラインとの搬送負荷から、1ライン毎の搬送負荷変動量ΔF(i)が求められる。次に、搬送負荷変動量ΔF(i)からプラテンローラ7の搬送速度Vpが求められ、記録紙2の搬送負荷変動が発生する場合にはこれを打ち消す方向にプラテンローラ7が回転制御される。さらに、搬送負荷変動量ΔF(i)から搬送速度Vpの変更タイミングが図4の関係から求められる。したがって、各ラインを記録する際に熱エネルギが急激に変動し、この熱エネルギの変動によって記録紙2の搬送負荷変動が発生する場合でも、プラテンローラ7によって記録紙2の搬送速度が制御されるため、常にほぼ一定速度での記録紙2の搬送が行われ、濃度むらの発生が抑えられる。
しかも、ライン毎の熱エネルギに基づき搬送負荷変動量ΔF(i)が予測され、この搬送負荷変動が発生するライン記録時にプラテンローラ7の搬送速度Vpが制御され、搬送負荷変動を無くす方向にプラテンローラ7が回転制御されるため、熱エネルギ変動に起因する濃度むらの発生を精度よく抑えることができる。
そして、イエロー画像の全ラインの記録を終了すると、記録紙2の記録方向の送りが停止され、次に記録紙2が給紙方向に送られる。この給紙方向への記録紙送り時には、プラテンローラ7は、図示しないシフト機構によってサーマルヘッド6から離れた退避位置にされる。この給紙方向への搬送と同時に、光定着器11のイエロー定着ランプ12が点灯し、記録紙2の記録エリア内のイエロー感熱発色層を定着する。記録エリアに対して光定着を終了すると、搬送モータ4が停止する。この後、記録紙2が記録方向に送られて、イエロー記録と同様にしてマゼンタ記録及びマゼンタ感熱発色層の定着が行われ、さらに、シアン記録が行われる。このマゼンタ記録及びシアン記録においても、搬送負荷変動量に基づき補正対象ラインが特定され、この補正対象ラインに対してプラテンローラ7の搬送速度Vpが制御され、濃度むらの無い各色記録が行われる。
記録紙2の熱された部分が装置外に排出されると、搬送モータ4が停止された後に、カッタ16が作動する。これにより、記録エリアが未記録エリアから切り離されて、シート状のカラープリントが得られる。本実施形態のカラー感熱プリンタにより得られるカラープリントは、各ラインの記録位置が同じになるので搬送負荷変動に基づく濃度むらの発生がなくなる。また、各色ともに各ラインの記録位置が同じになるので、色むらの発生もなくなる。
特に、図5(A)に示すように、全幅の高濃度ベタパターン60と中央部にのみ形成される帯状の高濃度ベタパターン61とが交互に繰り返されるサンプルパターン62を記録紙に熱記録する場合には、従来は各ベタパターン60,61の境界部分で搬送負荷が変動するため、実際に得られるプリント63には、(B)に示すように各ベタパターン60,61の各境界部分で黒スジ64や、白スジ65が発生してしまう。これに対して、上記の搬送負荷変動に基づくプラテンローラの速度制御を補正対象ラインに対して行うことで、黒スジや白スジの発生がなくなり、(A)に示すサンプルパターン62と同じようなプリントが得られるようになる。
上記実施形態では、1ヘッド3パス方式のカラー感熱プリンタを例にとって説明したが、図6に示すような3ヘッド1パス方式のカラー感熱プリンタに本発明を実施してもよい。なお、上記実施形態と同一構成部材には同一符号が付してある。この場合にも、各色のプラテンローラ30,31,32にプラテンモータ33,34,35を設けて、搬送ローラ対36,37,38とは別個に各プラテンローラ30〜32の回転速度を制御する。そして、各色のプリントステージ41〜43において、各ラインの搬送負荷変動量を求めて、この変動量に基づき搬送負荷変動を打ち消すようにプラテンローラ30〜32を回転制御し、各ライン記録時の搬送負荷変動量に基づく濃度むらの発生を抑える。なお、符号44はイエロー定着器、45はマゼンタ定着器を示している。
また、上記実施形態では、プラテンローラ7の搬送速度Vpを制御することにより、熱エネルギ変動に基づく搬送負荷変動量ΔF(i)に起因する濃度むらを無くすようにしたが、これに代えて、図7に示すように、搬送速度Vpの他に搬送ローラ対3とプラテンローラ7との間の記録紙2を、フリーローラ50及びローラシフト機構51によって搬送方向と交差する方向に移動させたり、図8に示すように、サーマルヘッド6の発熱素子アレイ6aへのプラテンローラ7の押圧力を押圧力調整機構52によって変えたりすることで、記録紙2のバックテンションを変えて、搬送負荷変動に起因する濃度むらの発生を抑えてもよい。
また、上記実施形態は、カラー感熱プリンタについて説明したが、各ラインの熱エネルギの変動量により搬送負荷変動が発生する他のプリンタ、例えばイエロー、マゼンタ、シアンのカラーインクシートを用いる昇華型、熱溶融型の熱転写プリンタに本発明を実施してもよい。
本発明のカラー感熱プリンタを示す概略図である。 画像データに基づくプラテンローラの搬送速度制御処理を示すフローチャートである。 搬送負荷変動量とプラテンローラの搬送速度との関係の一例を示すグラフである。 搬送負荷変動量と補正対象記録ラインとの関係の一例を示すグラフである。 (A)はサンプルパターンの一例を示す説明図であり、(B)は搬送負荷変動抑制制御を行わずにサンプルパターンを記録した場合のプリントの一例を示す説明図である。 1パス3ヘッド方式のカラー感熱プリンタを示す別の実施形態の概略図である。 プラテンローラと搬送ローラ対との間のフリーローラの位置を変えることで記録紙張力を一定にする別の実施形態の要部を示す概略図である。 プラテンローラの記録紙に対する押圧力を変えることで記録紙張力を一定にする別の実施形態の要部を示す概略図である。
符号の説明
2 記録紙
3 搬送ローラ対
4 搬送モータ
6 サーマルヘッド
6a 発熱素子アレイ
7 プラテンローラ
8 プラテンモータ
10 コントローラ
11 光定着器
17 パルスジェネレータ1
30〜32 プラテンローラ
33〜35 プラテンモータ
36〜38 搬送ローラ対
50 フリーローラ
51 ローラシフト機構
52 押圧力調整機構
60,61 高濃度ベタパターン
62 サンプルパターン
63 プリント
64,65 スジ

Claims (4)

  1. 主走査方向に沿って複数の発熱素子が配列されたサーマルヘッドを用いて画像データに応じて各発熱素子を発熱させ、プラテンローラにより支持された記録紙を前記主走査方向に交差する副走査方向に送って画像を1ラインずつ記録するサーマルプリンタにおいて、
    1ライン分の各画素の画像データに基づき前記記録紙に与えるべき熱エネルギを算出し、この熱エネルギに基づき各ライン記録時の搬送負荷変動量を求める搬送負荷変動量演算部と、
    前記搬送負荷変動量演算部からの搬送負荷変動量に基づき、前記記録紙の搬送負荷変動を抑えるための前記プラテンローラの制御量及びこの制御量でプラテンローラを制御する際の補正対象記録ラインを決定する制御量及び制御対象ライン決定部と、
    前記制御量及び制御対象ライン決定部で決定された補正対象記録ラインに対して前記制御量でプラテンローラを制御するプラテンローラ制御部とを備えたことを特徴とするサーマルプリンタ。
  2. 前記プラテンローラの制御量はプラテンローラの回転速度であることを特徴とする請求項1記載のサーマルプリンタ。
  3. 主走査方向に沿って複数の発熱素子が配列されたサーマルヘッドを用いて画像データに応じて各発熱素子を発熱させ、プラテンローラにより支持された記録紙を前記主走査方向に交差する副走査方向に送って画像を1ラインずつ記録するサーマルプリント方法において、
    1ライン分の各画素の画像データを前記記録紙に与えるべき熱エネルギに変換し、
    この熱エネルギに基づき各ライン記録時の搬送負荷変動量を求め、
    求めた搬送負荷変動量に基づき前記記録紙の搬送負荷変動を抑えるための前記プラテンローラの制御量及びこの制御量でプラテンローラを制御する際の補正対象記録ラインを決定し、
    この決定した制御量に基づき補正対象記録ラインの記録時にプラテンローラを制御することを特徴とするサーマルプリント方法。
  4. 前記プラテンローラの制御量はプラテンローラの回転速度であることを特徴とする請求項3記載のサーマルプリント方法。
JP2005090043A 2005-03-25 2005-03-25 サーマルプリンタ及びサーマルプリント方法 Pending JP2006264285A (ja)

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