JP2006264125A - 水圧転写フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 物品の表面に照り感(金色彩色)を有するメタリック調又は木目調の装飾層を水圧転写によって形成するのに好適な水圧転写フィルムを提供する。
【解決手段】 金色高輝性顔料を含有する高輝性インキを含むインキを用いて水溶性フィルム上に印刷された印刷パターンを有する水圧転写フィルムを形成するが、高輝性インキ中の金色高輝性顔料は、マイカ片10に酸化チタン20、酸化鉄30が順次被覆され、更にその上部に保護膜40が被覆されて形成されている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、水圧転写フィルムに関し、更に詳細に述べると、加飾されるべき物品の表面にメタリック調や木目調の照り感を有する装飾層を形成するのに用いられる水圧転写フィルムの改良に関するものである。
複雑な三次元的な表面を有する物品の表面を加飾するために水圧転写方法が用いられている。この水圧転写方法は、代表的には、水溶性フィルムの上に非水溶性の印刷パターンが施されている転写フィルムを転写槽内の水面上に浮かばせ、この転写フィルムの水溶性フィルムを水で湿潤させた上で、物品(被転写体)をこの転写フィルムの印刷パターンに接触させながら転写層内の水中に押入れ、水圧を利用して転写フィルムの印刷パターンを被転写体の表面に転写して装飾層を形成する方法である。
一般的には、転写フィルムは、水溶性フィルム上に印刷パターンが印刷され乾燥されて保管されているため、印刷パターンのインキは乾燥状態にあって付着性を有しないので、水圧転写前に、転写フィルム上の印刷パターンに活性剤やシンナー等の溶剤を塗布して印刷パターンを印刷直後と同様の湿潤状態にする(付着性を発現した状態に戻す)必要があり、この処理は、通常活性化と称されている。また、このように水圧転写によって物品の表面に形成された装飾層に、耐摩耗性、耐溶剤性、耐薬品性、耐候性等の機械的、化学的な表面保護機の機能を付与するために、通常では、装飾層の上部に透明な表面保護層(トップコート層)が形成されている。
このような表面保護層は、装飾層の水圧転写後にスプレー手段や水圧転写方法等によって装飾層とは別途に行う場合と、装飾層の水圧転写と同時に行う場合(特許文献1及び2参照)とがあるが、これらのいずれも、装飾層自体に表面保護機能を有しないので、装飾層とは別個の表面保護層が必要となる。このため、表面保護層が装飾層とは別途に形成する場合には、加飾作業と表面保護作業との2つの作業を必要とするので、作業性が低く、また装飾層と表面保護層とを同時に行う場合には、複雑な構成の転写フィルムを必要とし、いずれも表面保護機能が付与された装飾層を安価に得ることができない欠点があった。
また、本発明者のうちの一部の発明者は、装飾層自体に耐摩耗性、耐溶剤性等を付与しつつ装飾層を水圧転写する方法を発明し、この発明は、特許出願されている(特許文献3及び4参照)。この方法によると、転写フィルムの乾燥印刷パターンに付着性を再現する光重合性モノマーの如き活性化成分を含有する紫外線硬化樹脂組成物を塗布してこの紫外線硬化樹脂組成物の活性化成分によって印刷パターンの付着性が再現され、且つこの紫外線硬化樹脂組成物が印刷パターンに浸透した状態で印刷パターンが被転写物上に水圧転写されるので、この印刷パターン中の紫外線硬化樹脂組成物が紫外線照射によって硬化すると、印刷パターンによって形成される装飾層に紫外線硬化性が付与されてこの装飾層自体に耐溶剤性、耐摩耗性等の化学的、機械的表面保護機能が付与される。
一方、一般に、水圧転写品は、多様な色彩感を呈することが要求され、例えば、水圧転写品が自動車の内装品等に適用される場合に、この内装品に高級感を付与するために、物品の表面にメタリック調や木目調を有するものが要求されている。メタリック調の照り感は、インキに金色高輝性顔料を含有する高輝性インキによって形成されたメタリック層によって得られるが、木目調の照り感は、木目導管部分のパターンの下に直接又は他の暈し層を介してメタリック層を施し、このメタリック層を金色高輝性顔料を含有する高輝性インキを用いて形成することによって得られる。
従来、このような照り感(金色彩色)を有する装飾層を形成するため、印刷パターンのメタリック層を形成する高輝性インキは、マイカ片に酸化チタン、酸化鉄が順次被覆されてなる金色高輝性顔料が配合されているものが用いられていた。しかし、上述したような紫外線硬化樹脂組成物を印刷パターンの活性化成分として使用して印刷パターンを水圧転写する場合に、このような金色高輝性顔料が配合されている高輝性インキを含むインキを用いて印刷パターンを印刷し、これを物品に水圧転写すると、水圧転写品の装飾層の金色の輝度が低下し、所期の色調を得ることができなかった。
このような金色の輝度の低下は、図1に示すように、装飾層内の金色高輝性顔料粒子1とバインダーとなる樹脂層2との界面近傍において、多数の気泡3が発生していることによるものであることが判明した。これらの気泡3は、装飾層の紫外線照射による硬化工程において、金色高輝性顔料粒子1の被覆成分である酸化チタン、酸化鉄と水とが存在する条件の下で紫外線が照射されることによって、一種のケネタック光触媒作用が発生し、これによって生ずる加水分解によって発生するものと思われる。
金色の輝度の低下を防止するために、酸化チタンが被覆されたマイカ顔料に有色顔料をブレンドして金色系の色調を再現する方法も考えられるが、色の再現性、色相の安定性において不安定要素がかなり大きく、好ましくない。
特開平4−197699号公報 特開2003−200698号公報 特願2003−409874号明細書 特開2005−146504号公報
本発明の目的は、このような紫外線硬化樹脂組成物を印刷パターンの活性化成分として使用する水圧転写に利用しても装飾層の金色の輝度を低下することがない水圧転写フィルムを提供することにある。
本発明の課題解決手段は、金色高輝性顔料を含有する高輝性インキを含むインキを用いて水溶性フィルム上に印刷された印刷パターンを有する水圧転写フィルムにおいて、金色高輝性顔料は、マイカ片に酸化チタン、酸化鉄が順次被覆され、さらにその上部に保護膜が被覆されて形成された顔料から成っていることを特徴とする水圧転写フィルムを提供することにある。
本発明の課題解決手段において、金色高輝性顔料の保護膜は、低活性な無機酸化物または有機ポリマーであることが好ましく、特に酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化スズからなる群から選ばれた1つ又は複数であるのが好ましい。
特に本発明の課題解決手段による水圧転写フィルムは、その印刷パターンを紫外線硬化樹脂組成物によって活性化される水圧転写方法に好適に使用されるものである。
本発明によれば、転写フィルムの印刷パターンを紫外線硬化樹脂組成物の活性化成分によって活性化して転写フィルム上の印刷パターンを物品の表面に水圧転写しても、金色高輝性顔料が水の存在の下でインキ内に気泡を発生することがなく、物品表面にメタリック調及び木目調の照り感(金色彩色)を有する装飾層を確実に形成することができ、高級感のある水圧転写品を提供することができる。
以下、本発明の具体的実施形態を以下に詳細に説明する。 本発明に係る水圧転写フィルム200は、図2に示すように、水溶性フィルム210の上に印刷パターン220が印刷されて形成されている。
水溶性フィルム210は、水圧転写時に、転写槽(図示せず)内の水に触れて軟化し、加飾されるべき基材に付き回って、水圧転写を行なうことができるようにするために、水を吸収して湿潤し軟化するものであれば、特に限定されないが、代表的には、例えば、ポリビニルアルコールから成っている。
印刷パターン220は、一般的な水圧転写の場合には、水溶性フィルム210上にグラビア印刷等によって予め施されている。なお、この場合の印刷パターン220は、厳密な意味での模様のほかに無地(無模様)の印刷層も含む。
この印刷パターン220は、転写後に形成される装飾層に照り感を付与するために、金色高輝性顔料を含む高輝性インキと他の着色インキとを独立して又は配合して水溶性フィルム210上に印刷して形成される。
印刷パターン20に用いられる他の着色インキは、有機および無機の各種の顔料を含むことができる。有機系顔料としては、例えば、アゾレーキ系、不溶性アゾ系、縮合アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、アントラキノン系、ペリノン系、チオインジゴ系あるいはペリレン系の顔料が用いられ、また、無機系顔料としては、例えば、カーボンブラック、アルミナ、二酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、各種無機酸化物顔料、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ微粉体、炭化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ホウ素、炭化タングステン、炭化チタン、酸化セリウムが用いられる。
この印刷パターン220の膜厚は、特に限定されないが、後述する紫外線硬化型樹脂組成物の塗布によってその付着性の再現を阻害することがない程度の厚さ、例えば、1〜20μm程度が適当である。
本発明の水圧転写フィルム200を印刷するのに用いられる高輝性インキに含有される金色高輝性顔料は、図3に示すように、マイカ片10に酸化チタン20、酸化鉄30が順次積層され、更に、その上に保護膜40を施して形成されている。この保護層40は、後に述べるように、乾燥されている印刷パターン220に紫外線硬化樹脂組成物を塗布してこの印刷パターン220のインキを活性化して印刷直後と同様の付着性を付与する際に、酸化チタン20や酸化鉄30が光触媒作用を生ずるのを阻止する機能を有する。
従って、この保護層40は、その下層の酸化チタン20及び酸化鉄30の露出を防ぎ、表面活性を抑制できるものであればよく、低活性な無機酸化物や有機金属酸化物等とすることができる。具体的に述べると、無機酸化物としては、例えば、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化セシウム等が用いられ、有機金属酸化物としては、例えば、テトラアルコキシジルコニウム類、オクチル酸スズ、ジブチルスズジラウレート等が用いられる。
また、この保護膜40は、金色高輝性顔料本来の色調を損うことがないように、無色で低屈折率のものが好ましい。この保護膜40は、種々の公知の被覆方法によって被覆することができる。保護膜40の被覆量は、金色高輝性顔料の光学的影響を及ぼさない範囲で行う。好ましい被覆量は、マイカ片10、酸化チタン20及び酸化鉄30から成る金色高輝性顔料基体に対し、0.1〜10質量%の範囲内であるが、特に好ましい範囲は、1〜5質量%である。また、保護膜40の膜厚は、0.07μm以下、特に0.01〜0.05μmが好ましい。
保護膜の被覆方法は、保護膜が金属酸化物である場合、例えば、ゾルゲル法であるのが好ましい。ゾルゲル法は、有機金属化合物等の溶液を加水分解・重縮合、ゾル形成後、ゲル化し、その後、加熱によって金属酸化物を得る方法である。このような加水分解・重縮合反応可能な有機金属化合物としてアルコキシル基含有金属アルコキシドが好適に用いられる。すなわち、ジルコニウム、シリコン、アルミニウム、スズ等の金属のメトキシド、エトキシド、プロポキシド等が用いられる。シリコン系のものを例示すると、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン等がある。アルミニウム系のものを例示すると、トリメトキシアルミネート、トリエトキシアルミネート、トリプロポキシアルミネート等がある。その他の金属種についても同様のものが用いられる。更に、アルコキシシランとアルコキシアルミニウムを併用した共加水分解・重縮合による二成分系シリカ―アルミナ系も可能である。金属アルコキシドを溶解する溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール等が用いられる。そして、これら有機金属化合物を溶解した溶液に水を加え、加水分解・重縮合反応を行う。
また、金色高輝性顔料の平均粒径は、特に限定されないが、例えば、5〜30μm程度が適当である。
次に、本発明の水圧フィルムを用いて水圧転写する方法を図4を参照して述べると、本発明の水圧転写フィルム200の印刷パターン220を物品(基材)に水圧転写する前に、水圧転写フィルム200の印刷パターン220のインキを活性化するために、この印刷パターン220の上に、図4(A)に示すように、紫外線硬化性樹脂組成物230を塗布する。
図示はしていないが、水圧転写フィルム200は、長尺の水溶性フィルム210に予め印刷パターン220を印刷し、乾燥してロール状に巻かれており、この水圧転写フィルム200は、このフィルムロールから連続的に繰り出されながら、又は適当な長さでカットしながら用いられる。
このようにして、乾燥状態にある印刷パターン220上に、紫外線硬化性樹脂組成物230が塗布されると、紫外線硬化性樹脂組成物中の非溶剤活性化成分により印刷パターン220の付着性が再現されて印刷直後の接着性が回避される。
特許文献3及び4によって既に述べたように、紫外線硬化性樹脂組成物230は、紫外線の化学的作用によって比較的短時間に硬化させることのできる樹脂であり、用途に応じて、紫外線硬化型塗料、紫外線硬化型インク、紫外線硬化型接着剤などの形態を採るが、これらは、基本的には、(1)光重合性プレポリマー、(2)光重合性モノマー、(3)光重合開始剤を必須成分とするものである。なお、紫外線硬化型塗料として市販されているものには、一般にシンナーなどの溶剤が添加されており、紫外線硬化型インキの場合にはアルコール等の溶剤が添加されているものもあるが、一般的な紫外線硬化型インキは、溶剤を含まず、光重合性モノマーを希釈剤として機能させるべく配合されている。このように印刷パターン220の付着性を再現するために塗布される「紫外線硬化型樹脂組成物」は、紫外線硬化型樹脂の用途別の形態に拘わらず、光重合性プレポリマー、光重合性モノマー、光重合開始剤を必須成分として配合されて紫外線照射により硬化する前の液体状態のものであるが、特許文献3に記載されているように、溶剤が添加されていないものが特に好ましい。
無溶剤タイプの紫外線硬化型樹脂組成物は、特許文献3に記載されているように、例えば次の組成を有する成分から成っている。
(1)オリゴマー(光重合性プレポリマー) 30〜50質量%
(2)多官能性モノマー(光重合性モノマー) 10〜30質量%
(3)単官能性モノマー(光重合性モノマー) 10〜40質量%
(4)光重合開始剤 0.5〜5質量%
(5)非反応添加物 1〜20質量%
紫外線硬化製樹脂組成物には、必要に応じて、増感剤、充填剤、不活性有機ポリマー、レべリング剤、チキソトロピー付与剤、熱重合禁止剤等が添加されていてもよい。
紫外線硬化性樹脂組成物230を塗布する工程は、グラビアロール、ミヤバー又はスプレー等のいずれの方法で行うことができるが、スプレー法は多量の塗料を浪費する傾向があるので、グラビアロール法又はミヤバー法が好ましい。
印刷パターン220上に紫外線硬化型樹脂組成物230を塗布すると、紫外線硬化型樹脂組成物中の光重合性モノマーが印刷パターン220の乾燥したインキ組成物に浸透し、これを溶解して、印刷パターンに印刷直後と同様な湿潤状態である付着性を再現する。
なお、この紫外線硬化型樹脂組成物の塗布量は、特に限定されないが、印刷パターン22の付着性を充分に再現することができるとともに、転写後の所期の紫外線量の照射によって、充分に硬化することができる量で塗布されることが望ましい。なお、この紫外線硬化型樹脂組成物は、特許文献3で述べたように、印刷パターン220上に塗布すると、そのインキ組成物に浸透し一体化するために、その単独での膜厚を規定することは困難であるが、例えば、印刷パターン220と一体化して活性インキ層となった状態(湿潤状態)で、5〜30μm程度が適当である。
このようにして、印刷パターン220の付着性を再現した後、図4(B)に示すように、転写フィルム200の印刷パターン220が施された面が上面となるようにして、転写槽(図示せず)内の水300上に転写フィルム200を供給して浮かばせ、水圧転写すべき基材100をこの転写フィルム200を介して水300中に押し込んで水圧転写する。なお、図4(B)中で符号240で表される層は、図4(A)で示された印刷パターン220のインキ組成物とこの印刷パターン220に塗布されて印刷パターン220に浸透されて一体化した紫外線硬化型樹脂組成物230との合成物であるインキ−紫外線硬化性樹脂組成物合成パターン層を示す。
このようにして基材100に合成パターン層を水圧転写した後、図4(C)に示すように、紫外線400を照射すると、合成パターン層内の紫外線硬化性樹脂組成物が紫外線硬化して、印刷パターンと紫外線硬化性樹脂組成物が渾然一体となって硬化した状態の表面修飾層250が形成される。
この際、印刷パターンの高輝性インキ中に配合されている金色高輝性顔料中の酸化チタン、酸化鉄は、保護層によって被覆されて安定化されているため、紫外線が照射されても、近在する水に対して触媒作用を生起することがなく、従って加水分解による気泡の発生現象が起こることがなく、金色高輝性顔料は、本来の金彩色を発揮した状態のままで樹脂が硬化される。
なお、図4(C)中で符号211は、転写フィルムの水溶性フィルム210が水と接触することによって膨潤溶解した状態にある、膨潤溶解フィルム層を示す。
紫外線400の照射は、紫外線硬化性樹脂組成物を含む印刷パターンが転写された基材に、転写フィルム100の水溶性フィルム(膨潤溶解フィルム層112)が巻き付いている間に行われるのが好ましく、従って、紫外線照射工程は、物品がまだ水中にあるか、物品が水中から取り出された後であって水溶性フィルムの除去のための水洗作業が行われる前におこなわれるのが好ましい。なお、紫外線400は、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等の光源と照射器(ランプハウス)を含む公知の紫外線硬化装置を用いて照射することができる。
その後、図4(D)に示すように、シャワー等によって、物品を水洗して、基材100上部に形成された表面修飾層250の上部を覆った状態となっている水溶性フィルム(膨潤溶解フィルム層211)を除去し、必要に応じて乾燥工程に付すことにより、所期の金彩色を呈する装飾層を有する、本発明に係る水圧転写品を得ることができる。
以下に本発明の具体的な実施例と比較例と参考例とを説明する。
(実施例)
まずマイカに酸化チタン、酸化鉄を順次被覆してなる市販のゴールドパール顔料に、保護膜として酸化ジルコニウム、酸化スズ混合液をゾルゲル法によって被覆加工して、保護膜被覆ゴールドパール顔料を調製した。
次いで、水溶性フィルム(PVAフィルム:日本合成化学工業(株)製)を使用し、電動式グラビア印刷試験機にて、上記保護膜被覆ゴールドパール顔料を使用したインキを使用して絵柄印刷を行い、本印刷転写フィルムとした。
この転写フィルムを用い、図3に示す工程図に従って、まず、印刷パターン上に、無溶剤型紫外線硬化性樹脂組成物(例えば、大橋化学工業株式会社製、商品名ユービックSクリヤーっsHX−2)を塗布して印刷パターンの付着性を再現して、基材(物品)上に転写フィルム上の印刷パタンを水圧転写し、その後これに紫外線を照射して紫外線硬化性樹脂組成物が浸透された印刷パタ−ンを硬化処理した。引き続き、このようにして硬化処理された基体を脱膜工程、乾燥工程に送って水圧転写品を得た。
このようにして得られた水圧転写品を目視にて確認すると、輝度、光沢ともに良好なものであった。さらに詳細に評価する上で水圧転写品の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて撮影し観察したところ、形成された装飾層内において気泡等の発生は見られず、良好な装飾層を形成していることが確認された。
(比較例)
使用顔料として、市販のゴールドパール顔料をそのまま用いた以外は、実施例と同様にしてインキを調製し、実施例と同様な工程にて水圧転写物を得た。
得られた転写品を目視にて確認すると、装飾層が白っぽく、輝度が低下しており、意匠性が著しく低下していた。更に詳細に評価する上で水圧転写品の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて撮影し観察したところ、形成された装飾層内において顔料粒子上部に多数の気泡が発生していることが確認された。
(参考例1〜2)
参考のため、金色顔料ではないが、異なる色調のパール顔料として酸化鉄の無機顔料(参考例1)及びマイカ片に酸化鉄のみを被覆した無機顔料(参考例2)を使用し、実施例と同様にして水圧転写を行い、水圧転写品を得た。
得られた転写品を目視にて確認すると、実施例と同様に、輝度、光沢ともに良好なものであり、これらの無機顔料は、保護層を設けなくとも、比較例において問題とされるような現象が発生しないことが明らかとなった。
Figure 2006264125
従来技術における水圧転写品における不具合現象を模式的に示す図面である。 本発明の水圧転写フィルムの断面図である。 本発明の水圧転写フィルムに用いられる顔料の構造を模式的に示す断面図である。 本発明の水圧転写フィルムを用いて物品に水圧転写を行う方法の各工程を模式的に示す図面である。
符号の説明
1 金色高輝性顔料粒子1
2 樹脂層
3 気泡
10 マイカ片
20 酸化チタン
30 酸化鉄
40 保護膜
100 基材
200 転写フィルム
210 水溶性フィルム
211 膨潤溶解フィルム層
220 印刷パターン
230 無溶剤タイプの紫外線硬化性樹脂組成物
240 活性インキ層
250 表面修飾層
300 水
400 紫外線

Claims (4)

  1. 金色高輝性顔料を含有する高輝性インキを少なくとも含むインキを用いて水溶性フィルム上に印刷された印刷パターンを有する水圧転写フィルムにおいて、前記金色高輝性顔料は、マイカ片に酸化チタン、酸化鉄が順次被覆され、さらにその上部に保護膜が被覆されて形成された顔料から成っていることを特徴とする水圧転写フィルム。
  2. 請求項1に記載の水圧転写フィルムであって、前記金色高輝性顔料の保護膜は、低活性な無機酸化物または有機ポリマーであることを特徴とする水圧転写フィルム。
  3. 請求項2に記載の水圧転写フィルムであって、前記金色高輝性顔料の保護膜は、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化スズ、 からなる群から選ばれた1つ又は複数であることを特徴とする水圧転写フィルム。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の水圧転写フィルムであって、前記水圧転写フィルムは、その印刷パターンを紫外線硬化樹脂組成物によって活性化される水圧転写方法に使用されるものであることを特徴とする水圧転写フィルム。












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