JP2006263961A - インクジェット記録媒体用生分解性コーティング剤及び生分解性インクジェット記録媒体 - Google Patents
インクジェット記録媒体用生分解性コーティング剤及び生分解性インクジェット記録媒体 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】 シリカと、シリカに対して5〜200質量%のポリ乳酸系樹脂と、シリカに対して3〜10質量%の3価以上の水溶性金属塩とを含有することを特徴とするインクジェット記録媒体用生分解性コーティング剤、およびこれを生分解性基材に塗工してなる生分解性インクジェット記録媒体。
【選択図】 なし
Description
(1)シリカと、シリカに対して5〜200質量%のポリ乳酸系樹脂と、シリカに対して3〜10質量%の3価以上の水溶性金属塩とを含有することを特徴とするインクジェット記録媒体用生分解性コーティング剤。
(2)3価以上の水溶性金属塩がアルミニウム塩であることを特徴とする(1)記載のインクジェット記録媒体用生分解性コーティング剤。
(3)ポリ乳酸樹脂に対して1〜50質量%の可塑剤を含有することを特徴とする(1)または(2)記載のインクジェット記録媒体用生分解性コーティング剤。
(4)上記(1)〜(3)に記載のインクジェット記録媒体用生分解性コーティング剤を生分解性基材に塗工してなる生分解性インクジェット記録媒体。
本発明のインクジェット記録媒体用生分解性コーティング剤は、ポリ乳酸系樹脂、シリカ、および水溶性の金属塩を水性媒体に含有させたものである。
可塑剤としては、エーテルエステル系可塑剤、オキシ酸エステル系可塑剤、グリセリンエステル系可塑剤、多塩基酸エステル系可塑剤、多価アルコールエステル系可塑剤、ロジンエステル系可塑剤、フタル酸誘導体系可塑剤、ポリヒドロキシカルボン酸系可塑剤などが挙げられる。
エーテルエステル系可塑剤の具体例としては、ビスメチルジエチレングリコールアジペート、ビスブチルジエチレングリコールアジペート、ビス[2−(2−メトキシエトキシ)エチル]アジペート、トリエチレングリコールジプロピオネートなどが挙げられる。
オキシ酸エステル系可塑剤の具体例としては、アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチルアセテート、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチルなどが挙げられる。
グリセリンエステル系可塑剤の具体例としては、グリセリンモノカプレート、グリセリンモノラウレート、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノオレート、グリセリンジパルミテート、グリセリンジステアレート、グリセリンジオレート、グリセリントリアセテート、グリセリントリプロピオネート、グリセリントリブチレート、グリセリンジアセトモノカプリレート、グリセリンジアセトモノカプレート、グリセリンジアセトモノラウレート、グリセリンジアセトモノミリスチレート、グリセリンジアセトモノパルミテート、グリセリンジアセトモノステアレート、グリセリンジアセトモノオレート、グリセリンジアセトモノリノレネート、グリセリンモノアセトジカプリレート、グリセリンモノアセトジカプレート、グリセリンモノアセトジラウレート、ジグリセリン酢酸エステルなどが挙げられる。
多塩基酸エステル系可塑剤の具体例としては、ジメチルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジブチルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジブチルジグリコールアジペート、ジブチルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケートなどが挙げられる。
多価アルコールエステル系可塑剤の具体例としては、ジエチレングリコールジベンゾエート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノオレイルエーテル、ジエチレングリコールジアセテート、トリエチレングリコールジアセテート、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノオレイルエーテルなどが挙げられる。
ロジンエステル系可塑剤の具体例としては、アビエチン酸メチル、アビエチン酸ジエチルグリコール、2−ヒドロアビエチン酸ジエチレングリコール、2−ヒドロキシアビエチン酸ジエチレングリコール、ロジンのモノエチレングリコールエステル、ロジンのペンタエリトリットエステルなどが挙げられる。
フタル酸誘導体系可塑剤の具体例としては、エチルフタリルエチルグリコレート、エチルフタリルブチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレートなどが挙げられる。
ポリヒドロキシカルボン酸系可塑剤の具体例としては、ポリカプロラクトン、ポリプロピオラクトンなどが挙げられる。
これらの可塑剤は単独で使用してもよく、あるいは2種類以上を併用してもよい。
粘着付与剤としては天然物系粘着付与樹脂が好ましく、天然物系粘着付与樹脂としては、テルペン系樹脂やロジン系樹脂が挙げられる。テルペン系樹脂としては、テルペン樹脂、テルペンフェノール系樹脂、芳香族変性テルペン樹脂等が挙げられる。一方、ロジン系樹脂としては、ロジン、重合ロジン、水添ロジン、ロジンエステル、水添ロジンエステル、ロジンフェノール樹脂等が挙げられる。
これらは、混合の容易さから水性分散体の形態をとっていることが好ましく、水性分散体の液混合性の観点からその数平均粒子径は2μm未満が好ましい。また、これらの粘着付与剤は単独で使用してもよく、あるいは2種類以上を併用してもよい。
架橋剤としては、自己架橋性を有する化合物、カルボキシル基と反応する官能基を分子内に複数個有する化合物、多価の配位座を有する金属塩等を用いることができ、例えば、イソシアネート化合物、メラミン化合物、尿素化合物、エポキシ化合物、カルボジイミド化合物、オキサゾリン基含有化合物、ジルコニウム塩化合物、シランカップリング剤等が好ましい。
これらの架橋剤は単独で使用してもよく、あるいは2種類以上を併用してもよい。
難燃剤としては、ハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤、無機系難燃剤、窒素含有化合物系難燃剤、シリコーン化合物系難燃剤等従来公知の難燃剤が何れも使用可能である。ハロゲン系難燃剤としては、ヘキサブロモシクロドデカン、テトラブロモビスフェノールA、ポリブロモビスフェニルエーテル類などが挙げられる。リン系難燃剤としては、リン酸エステル化合物、リン酸アンモニウム化合物、リン酸アミド化合物、リン酸メラミン化合物等が挙げられる。無機物系難燃剤としては、アンチモン化合物、亜鉛化合物、スズ化合物、マグネシウム化合物、アルミニウム化合物等が挙げられる。窒素含有化合物系難燃剤としては、トリメチロールメラミン、N−メチロールアクリルアミドなどが挙げられる。シリコーン化合物系難燃剤としては、シリコーンエラストマー、シリコーンオイル類などが挙げられる。しかしながら、環境汚染問題への配慮からハロゲン系難燃剤やアンチモン化合物を含む難燃剤の使用は避けたほうがよい。
これらの難燃剤は単独で使用してもよく、あるいは2種類以上を併用してもよい。
マイクロトラック粒度分布計UPA150(日機装株式会社製、MODEL No.9340)を用い、数平均粒子径(mn)を求めた。
接触式膜厚計により、生分解性インクジェット記録媒体の全体の厚さを求め、その結果から基材の厚さを減じて求めた。
テープ剥離により評価した。受容層上に粘着テープ(ニチバン社製TF−12)を貼り付けた後、勢いよくテープを剥離し、受容層の剥がれ具合を下記の基準で評価した。
◎:粘着テープに付着した受容層の面積が10%未満
〇:粘着テープに付着した受容層の面積が10%以上、30%未満
△:粘着テープに付着した受容層の面積が30%以上、60%未満
×:粘着テープに付着した受容層の面積が60%以上
Canon社製の、水性顔料タイプインク用のインクジェットプリンター(機種名:BJ F850)で、色材として純正の水性顔料タイプインクを使用して印刷を行い、目視にてその印刷性を下記の基準で評価した。
〇:問題なく印刷されている
△:やや隣り合ったインクが混ざり合っている
×:インクが流れて混ざり合い実用的でない
上記(4)と同様の印刷を行い、印刷10分後に印刷物を1分間流水中にさらした後のインクの流出の度合いを目視で観察し、下記の基準で評価した。
〇:流出が殆どない
△:流出が発生し、事実上支障有り
×:流出が著しく、事実上支障有り
L-乳酸99.3%およびD-乳酸0.7%からなるポリ乳酸(融点172℃、ガラス転移点57℃、重量平均分子量14万)を常法によって溶融紡糸し、続いて延伸加工を行うことにより、ポリ乳酸からなるマルチフィラメント糸(250デシテックス/48フィラメント)を得た。このポリ乳酸繊維を撚り数120回/mでS方向に撚糸した後、経密度57本/吋、緯密度46本/吋で1/1平組織の織物基材Aを得た。
60.7gのコロイダルシリカ(日産化学工業社製、スノーテックス−HS−L、固形分濃度:30.5質量%、数平均粒子径:165nm、以下「HS−L」と略称する)に、硫酸ナトリウムアルミニウムを0.9g(HS−Lの固形分に対し5質量%)添加した。さらにポリ乳酸樹脂水性分散体(ユニチカ社製、LAE−013N、固形分濃度:52.0質量%、数平均粒子径:600nm、以下「013N」と略称する)を10.7g(HS−Lの固形分に対し固形分が30質量%)添加し、さらに水を27.7g添加することで固形分濃度25.0質量%のインクジェット記録媒体用生分解性コーティング剤J−1を得た。
実施例1のインクジェット記録媒体用生分解性コーティング剤の調製において、013Nの添加量を17.8g(HS−Lの固形分に対し013Nの固形分が50質量%)とした以外は実施例1と同様にして固形分濃度25.0質量%のインクジェット記録媒体用生分解性コーティング剤J−2を作製し、各種物性の評価を行った。
実施例1のインクジェット記録媒体用生分解性コーティング剤の調製において、硫酸ナトリウムアルミニウムの添加量を1.3g(HS−Lの固形分に対し7質量%)とした以外は実施例1と同様にして固形分濃度25.0質量%のインクジェット記録媒体用生分解性コーティング剤J−3を作製し、各種物性の評価を行った。
実施例1のインクジェット記録媒体用生分解性コーティング剤の調製において、硫酸ナトリウムアルミニウムに替えて、硫酸アンモニウムアルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、乳酸アルミニウムを用いた以外は実施例1と同様にして、それぞれインクジェット記録媒体用生分解性コーティング剤J−4(実施例4)、J−5(実施例5)、J−6(実施例6)、J−7(実施例7)とした。これらを用いて各種物性の評価を行った。
実施例1のインクジェット記録媒体用生分解性コーティング剤の調製において、可塑剤(クエン酸トリブチルアセテート、田岡化学工業社製、ATBC、以下「ATBC」と略称する)を1.1g(013Nの固形分に対し20質量%)添加した以外は実施例1と同様にして固形分濃度25.0質量%のインクジェット記録媒体用生分解性コーティング剤J−8を作製し、各種物性の評価を行った。
インクジェット記録媒体用生分解性コーティング剤の調製において、013Nを単独で用いて固形分濃度25.0質量%のインクジェット記録媒体用生分解性コーティング剤H−1を作製し、各種物性の評価を行った。
実施例1のインクジェット記録媒体用生分解性コーティング剤の調製において、HS−Lを添加しなかった以外は実施例1と同様にして固形分濃度25.0質量%のインクジェット記録媒体用生分解性コーティング剤H−2を作製し、各種物性の評価を行った。
実施例1のインクジェット記録媒体用生分解性コーティング剤の調製において、硫酸ナトリウムアルミニウムを添加しなかった以外は実施例1と同様にして固形分濃度25.0質量%のインクジェット記録媒体用生分解性コーティング剤H−3を作製し、各種物性の評価を行った。
実施例1のインクジェット記録媒体用生分解性コーティング剤の調製において、硫酸ナトリウムアルミニウムに替えて酢酸リチウムを用いた以外は実施例1と同様にして固形分濃度25.0質量%のインクジェット記録媒体用生分解性コーティング剤H−4を作製し、各種物性の評価を行った。
実施例1のインクジェット記録媒体用生分解性コーティング剤の調製において、硫酸ナトリウムアルミニウムに替えて酢酸マグネシウムを用いた以外は実施例1と同様にして固形分濃度25.0質量%のインクジェット記録媒体用生分解性コーティング剤H−5を作製し、各種物性の評価を行った。
実施例1のインクジェット記録媒体用生分解性コーティング剤の調製において、013Nの添加量を355.8g(HS−Lの固形分に対し013Nの固形分が1000質量%)とした以外は実施例1と同様にして固形分濃度25.0質量%のインクジェット記録媒体用生分解性コーティング剤H−6を作製し、各種物性の評価を行った。
実施例1のインクジェット記録媒体用生分解性コーティング剤の調製において、013Nの添加量を3.6g(HS−Lの固形分に対し013Nの固形分が10質量%)とした以外は実施例1と同様にして固形分濃度25.0質量%のインクジェット記録媒体用生分解性コーティング剤H−7を作製し、各種物性の評価を行った。
Claims (4)
- シリカと、シリカに対して5〜200質量%のポリ乳酸系樹脂と、シリカに対して3〜10質量%の3価以上の水溶性金属塩とを含有することを特徴とするインクジェット記録媒体用生分解性コーティング剤。
- 3価以上の水溶性金属塩がアルミニウム塩であることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録媒体用生分解性コーティング剤。
- ポリ乳酸樹脂に対して1〜50質量%の可塑剤を含有することを特徴とする請求項1または2記載のインクジェット記録媒体用生分解性コーティング剤。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録媒体用生分解性コーティング剤を生分解性基材に塗工してなる生分解性インクジェット記録媒体。
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