JP2006262995A - アイアンゴルフクラブセット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ロングクラブの内で最もロフト角の小さいクラブのキックポイント値が40%以上であり、ミドルクラブの内の少なくとも1本のクラブのキックポイント値が37%以上40%未満であり、ショートクラブの内で最もロフト角の大きいクラブのキックポイント値が37%未満であるアイアンゴルフクラブセットとする。更に、ロフト角の小さいクラブから順にキックポイント値をF1、F2、・・・、Fmとしたとき、F1≧F2≧・・・≧Fm とする。
【選択図】 図1
Description
特許文献1では、クラブセット内においてクラブ長さ及びクラブ質量配分がクラブ(番手)ごとに異なる点に鑑み、すべてのクラブにおいてフィーリング的に振りやすくすることを目的としたゴルフクラブセットが開示されている。
このようにすると、セット内の各クラブ相互間における振りやすさの差異を従来よりも小さくできる。
なお、本発明において、ロフト角とはリアルロフト角を意味する。
キックポイント値(%)=〔逆式フレックス/(順式フレックス+逆式フレックス)〕×100
また本発明において、「クラブのキックポイント値」とは、「当該クラブに装着されたシャフトのキックポイント値」を意味する。同様に、「3番アイアンのキックポイント値」などというときは、当該3番アイアンに装着されたシャフトのキックポイント値を意味する。
図1は、本発明の一実施形態であるアイアンゴルフクラブセット(以下、単にクラブセット又はセットともいう)10を構成する全クラブをロフト角の小さい順に左から並べた図である。各クラブのそれぞれは、所定のロフト角を有するアイアンヘッドhと、それぞれ所定の長さとされたシャフト2と、グリップ11とを有している。シャフト2は、全て所謂カーボンシャフトであり、プリプレグシートを材料としてシートワインディング製法により作製されたものである。
ミドルクラブは、前記5番アイアン(#5)に次いでロフト角の小さい6番アイアン(#6)と、この6番アイアン(#6)に次いでロフト角の小さい7番アイアン(#7)と、この7番アイアン(#7)に次いでロフト角の小さい8番アイアン(#8)とから構成されている。
ショートクラブは、前記8番アイアン(#8)に次いでロフト角の小さい9番アイアン(#9)と、セット10内の全クラブ中で最もロフト角の大きいピッチングウエッジ(PW)とから構成されている。
そして、好ましくは、全てのロングクラブのキックポイント値を40%以上とするのがよい。この場合、セット内の番手別設計がより一層顕著となるので、セット内の各クラブ相互間における振りやすさの差異を更に小さくでき、また全てのロングクラブで打出し角が高くなり飛距離が増加しやすくなる。また、全てのロングクラブのキックポイント値を60%以下、更には50%以下とすると、上述した効果が全てのロングクラブにおいて奏されるので更に好ましい。
そして好ましくは、全てのミドルクラブにおいてキックポイント値を37%以上40%未満とするのがよい。この場合、セット内の番手別設計がより一層顕著となるので、差異縮小効果を増大でき、かつ上述した飛距離やコントロール性の効果も全てのミドルクラブで得られる。同様に、全てのミドルクラブで上記効果を得るべく、全てのミドルクラブでキックポイント値を37.5%以上とするのがより好ましく、全てのミドルクラブでキックポイント値を39.5%以下とするのがより好ましい。
そして好ましくは、全てのショートクラブでキックポイント値を37%未満とするのがよい。この場合、セット内の番手別設計がより一層顕著となるので、差異縮小効果を増大でき、また上記コントロール性も全てのショートクラブで得られる。また全てのショートクラブで上記効果を得るべく、全てのショートクラブにおいてキックポイント値を36.5%以下、更には36%以下とするのが好ましい。
ロングクラブのGI分布最小位置(%)は5%以上が好ましく、6%以上がより好ましく、7%以上が更に好ましい。ロングクラブの場合、打球時に作用する捩れ応力が特に大きく、且つ、GI分布最小位置(%)が小さすぎるとGI最小位置がヘッドに近くなるので、打球時における先端部の捩れが過大となり、この捩れに起因して先端部のシャフト強度が低下しやすくなる。また、ロングクラブのGI分布最小位置(%)は10%未満が好ましく、9.5%以下がより好ましく、9%以下が特に好ましい。ロングクラブのGI分布最小位置(%)が大きすぎると、ミドルクラブとのGI分布最小位置(%)の差が小さくなり、上述した差異縮小効果が少なくなりやすい。
キックポイント値を小さくするためには、順式フレックスを逆式フレックスに対して相対的に大きくすれば良く、そのためには、例えば次のような手法を採ることができる。
(1)シャフト先端付近を部分的に補強する材料(以下、先端補強材料ともいう)を増やす。
(2)先端補強材料の繊維弾性率を大きくする。
(3)先端補強材料の長さ(シャフト長手方向長さ)を長くする。
(4)シャフト後端付近を部分的に補強する材料(以下、後端補強材料ともいう)を減らす。
(5)後端補強材料の繊維弾性率を小さくする。
(6)シャフトの全体形状におけるテーパー角(先細り度合い)を小さくする。
(7)先端補強材料を減らす。
(8)先端補強材料の繊維弾性率を小さくする。
(9)先端補強材料の長さ(シャフト長手方向長さ)を短くする。
(10)後端補強材料を増やす。
(11)後端補強材料の繊維弾性率を大きくする。
(12)シャフトの全体形状におけるテーパー角(先細り度合い)を大きくする。
具体的には、GI分布最小位置(%)を小さくするためには、例えばシャフト先端部分のバイアス層に用いられている繊維を当該バイアス層における他の部分の繊維よりも低弾性率とすればよい。また、シャフト先端部分のバイアス層の繊維配向角度を45度よりも小さくし、且つ他の部分のバイアス層の繊維配向角度は45度とすることもできる。
また、GI分布最小位置(%)を大きくするためには、例えばシャフト後端部分のバイアス層に用いられている繊維を当該バイアス層における他の部分の繊維よりも低弾性率とすればよい。また、シャフト後端部分のバイアス層の繊維配向角度を45度よりも小さくし、且つ他の部分のバイアス層の繊維配向角度は45度とすることもできる。
更に、GI分布最小位置(%)を変化させるためには、シャフトの捩れ剛性を部分的に補強する部分的バイアス層を設けても良い。この部分的バイアス層は、シャフト長手方向全長よりも短い長さのバイアス層であり、当該部分的バイアス層のシャフト長手方向配置位置を適宜調整することにより、GI分布最小位置(%)を調整することが可能である。また、シャフト長手方向で部分的にバイアス層が存在しないバイアス層不存在部分を設けることでGI分布最小位置(%)を移動させてもよい。例えば、シャフト先端部分やシャフト後端部分などにバイアス層不存在部分を設けることができる。
順式フレックス及び逆式フレックスは、クラブに装着される状態(各クラブの長さに合わせて所定長さとされた状態)のシャフト2をシャフト単体で測定する。
そして、各測定位置eにおける捩れ剛性GIpは、公知である丸棒の捩れ剛性の算出式から、以下のように求められる。
GIp=〔チャック間隔X(mm)〕×〔ねじりモーメント(kgf・mm)〕/〔捩れ角度f(度)〕
そして、シャフト2において捩れ剛性GIpが最も小さい測定位置eを、当該シャフト2におけるGI最小位置とする。
実施例1〜3及び比較例1,2により本発明の効果を検証した。
全ての例(実施例1〜3及び比較例1,2)において、ヘッド、グリップは共通のものを用い、クラブの長さ体系も同一とした。全ての例で採用した各番手のロフト角及びクラブ長さは以下の表1の通りである。なお、表中の「基準距離」とは、各番手における飛距離の評価基準値であり、これについては後述する。
各例の仕様及び評価結果を表2〜表6に示す。なお、各例のそれぞれにおいて、各クラブ種類(ロングクラブ、ミドルクラブ、ショートクラブ)内ではキックポイント値やGI分布最小位置(%)の仕様を共通とした。
全ての例のシャフトは、プリプレグを材料とするシートワインディング製法により作製されたものである。具体的には、プリプレグを芯金に巻き付けた後、ポリエチレンテレフタレート樹脂製等のテープでラッピングしてオーブン中で加熱加圧し樹脂を硬化させて一体的に成形し、その後、芯金を引き抜いて適宜研磨等を行いシャフトとしたものである。
まず、ストレート層の材料は全例共通であり、プリプレグs1には東レ株式会社製の8255S−12(繊維弾性率30t)を用い、プリプレグs2には東レ株式会社製の3255G−12(繊維弾性率24t)を用い、先端補強のプリプレグs3及びs4には東レ株式会社製の3255G−10(繊維弾性率24t)を用いた。
実施例1 :TR350C−075S(三菱レイヨン株式会社製、繊維弾性率24t)
実施例2 :HRX350C−050S(三菱レイヨン株式会社製、繊維弾性率40t)
実施例3 :HRX350C−075S
比較例1 :TR350C−075S
比較例2 :TR350C−075S
ハンディキャップ5〜20のゴルファー50名により試打テストを行い、タイミングよくスイングすることができる度合いについて以下の4段階で官能評価した。
タイミング良くスイングできず、非常にスイングしにくいものを×
タイミング良くスイングできず、スイングしにくいものを△
タイミング良くスイングできるものを○
タイミング良くスイングでき、非常にスイングしやすいものを◎
そして、50名のゴルファーが各例の10本のクラブについて評価を行い、最も多い評価を当該クラブの評価とした。
長さ45インチのドライバー(W#1)使用時におけるヘッドスピードが40〜45m/sであるゴルファー50名に各例の10本のクラブを試打してもらい、各番手における基準距離以上の飛距離が出た人が6割以上いるクラブを◎とし、4割以上6割未満のクラブを○とし、2割以上4割未満のクラブを△とし、2割未満のクラブを×の評価とした。そして、クラブの評価を集計し、最も多い評価を当該クラブの評価とした。
なお、クラブ各番手の基準距離は表1に示す。
ハンディキャップが5〜20のゴルファー50名が各例の10本のクラブを試打し、コントロール性が非常に良いと感じたものを◎、コントロール性が良いと感じたものを○、コントロール性が悪いと感じたものを△、コントロール性が非常に悪いと感じたものを×として4段階評価した。そして、各クラブの評価を集計し、最も多い評価を当該クラブの評価とした。
ハンディキャップが5〜20のゴルファー50名が各例の10本のクラブを試打し、打球の際に手に振動もしくは衝撃が残るか否かを官能評価した。振動又は衝撃が非常に大きいものを×、振動又は衝撃を感じるものを△、振動又は衝撃が少ないものを○、振動又は衝撃が非常に少ないものを◎として4段階評価した。そして、各クラブの評価を集計し、最も多い評価を当該クラブの評価とした。
10 アイアンゴルフクラブセット
Claims (2)
- ロフト角が28度未満のクラブであるロングクラブを1本以上含み、ロフト角が28度以上40度未満のクラブであるミドルクラブを1本以上含み、ロフト角が40度以上のクラブであるショートクラブを1本以上含むアイアンゴルフクラブセットであって、
ロングクラブの内で最もロフト角の小さいクラブのキックポイント値が40%以上であり、
ミドルクラブの内の少なくとも1本のクラブのキックポイント値が37%以上40%未満であり、
ショートクラブの内で最もロフト角の大きいクラブのキックポイント値が37%未満であり、
全クラブの内でロフト角の最も小さいクラブのキックポイント値をF1とし、次いでロフト角の小さいクラブのキックポイント値をF2とし、ロフト角の最も大きいクラブのキックポイント値をFmとし、ロフト角の小さいクラブから順にキックポイント値をF1、F2、・・・、Fm(mは3以上の整数)としたとき、F1≧F2≧・・・≧Fm を満たすことを特徴とするアイアンゴルフクラブセット。 - シャフト先端からGI最小位置までの長さのシャフト全長に対する割合をGI分布最小位置(%)とし、全クラブの内でロフト角の最も小さいクラブのGI分布最小位置(%)をL1とし、次いでロフト角の小さいクラブのGI分布最小位置(%)をL2とし、ロフト角の最も大きいクラブのGI分布最小位置(%)をLmとし、ロフト角の小さいクラブから順にGI分布最小位置(%)をL1、L2、・・・、Lm(mは3以上の整数)としたとき、L1≦L2≦・・・≦Lm 且つ L1<Lm を満たすことを特徴とする請求項1に記載のアイアンゴルフクラブセット。
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