本実施の形態に係る遊技機1の構成について、以下図面を参照しながら説明する。まず、図1を参照して、遊技機1の概観について説明する。
遊技機1には、リール3L,3C,3Rや後述の主制御回路71(図3参照)などを収容するキャビネット1aとキャビネット1aに対して開閉可能に取り付けられる前面扉1bとが設けられている。
キャビネット1aの内部には、3個のリール3L,3C,3Rが回転自在に横一列に設けられている。3個のリール3L,3C,3Rには、各々の外周面に複数種類の図柄によって構成される図柄列が描かれている。各リール3L,3C,3Rは、定速で回転(例えば80回転/分)するように後述の主制御回路71(図3参照)により制御され、リール3L,3C,3R上に描かれた図柄がリールの回転に伴って変動する。
また、前面扉1bには略垂直面としてのパネル表示部2が形成されており、パネル表示部2の中央には縦長矩形の表示窓4L,4C,4Rが、リール3L,3C,3Rの前方に位置するように設けられる。各リール3L,3C,3R上の図柄は表示窓4L,4C,4Rを通して観察できるようになっている。
また、遊技機1には、リール3L,3C,3Rの回転が停止した際に、表示窓4L,4C,4R内に表示された図柄に基づいて、入賞などの成否を判定する基準となる入賞ラインが設けられている。入賞ラインとしては、水平方向にトップライン8b、センターライン8c及びボトムライン8d、並びに、斜め方向にクロスアップライン8a及びクロスダウンライン8eが設けられている。
5本の入賞ライン8a〜8eは、基本的に、後述の1−BETボタン11、2−BETボタン12、最大BETボタン13を操作すること、或いはメダル投入口22にメダルを投入することなど、単位遊技を行うために投入されるメダルの枚数(即ち、投入枚数)に応じて、それぞれ1本、3本、5本が有効化される(以下、有効化された入賞ラインを有効ラインという)。どの入賞ラインが有効化されたかは、後で説明するBETランプ9a,9b,9cの点灯で表示される。後述の表示役の判定は、この有効ラインに沿って表示された図柄の組合せに基づいて行われる。
表示窓4L,4C,4Rの左側には、1−BETランプ9a、2−BETランプ9b及び最大BETランプ9cが設けられる。1−BETランプ9aは1本の入賞ライン8cに対応し、2−BETランプ9bは3本の入賞ライン8b,8c,8dに対応し、最大BETランプ9cは全ての入賞ライン8a〜8eに対応する。
BETランプ9a,9b,9cの下方には、情報表示部18が設けられる。情報表示部18は、7セグメントLEDから成り、遊技機1に貯留(いわゆる「クレジット」)されているメダルの枚数、遊技者に対して払出されるメダルの枚数(以下、「払出枚数」という)などを表示する。
表示窓4L,4C,4Rの下方には、水平面の台座部10が形成され、その台座部10と表示窓4L,4C,4Rとの間には液晶表示装置5が設けられている。この液晶表示装置5の表示画面5aには、遊技に関連する情報などが表示される。
液晶表示装置5の右側にはメダル投入口22が設けられている。メダル投入口22に投入されたメダルに応じて、前述の入賞ラインが有効化される。尚、遊技機1では、遊技媒体としてメダルを使用するが、遊技機1において使用する遊技媒体はこれに限らず、コイン、遊技球又はトークンなどの他、メダルの数量等の情報を記憶したカード等も適用可能である。
液晶表示装置5の左側には、クレジットされたメダルからメダルを投入するための、1−BETボタン11、2−BETボタン12、及び最大BETボタン13が設けられる。1回の押し操作により、1−BETボタン11では1枚が投入され、2−BETボタン12では2枚が投入され、最大BETボタン13では3枚(即ち、単位遊技において投入することが可能な最大の投入枚数)が投入される。これらのBETボタン11,12,13を操作することにより、前述の入賞ラインが有効化される。
また、BETボタン11,12,13の上方には、十字キー、選択ボタン及び決定ボタンから構成される操作部17が設けられている。遊技者による操作部17の操作に基づいて、液晶表示装置5の表示画面5aに遊技履歴などの遊技に関する情報が表示される。
台座部10の前面部の左寄りには、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット(Credit)/払出し(Pay)の切り換えを行うC/Pボタン14が設けられている。このC/Pボタン14に対する遊技者の操作によって払出モード又はクレジットモードの切り換えが行われる。C/Pボタン14の押し操作によりクレジットモードから払出モードに切り換えが行われると、クレジットされているメダルが正面下部のメダル払出口15から払出される。払出されたメダルはメダル受け部16に溜められる。
メダル受け部16の上方の左右には、スピーカ21L,21Rが設けられている。スピーカ21L,21Rからは遊技の状況に応じた音楽や効果音などが出音され、演出や報知が行われる。また、前面扉1bの上部には、ランプ102が設けられている。ランプ102は、遊技の状況に応じた発光パターンで発光し、演出や報知が行われる。
C/Pボタン14の右側には、開始操作により、リール3L,3C,3Rを回転させ、表示窓4L,4C,4Rに表示された図柄の変動を開始するためのスタートレバー6が設けられている。
台座部10の前面部中央で、液晶表示装置5の下方位置には、停止操作により3個のリール3L,3C,3Rの回転をそれぞれ停止させるための3個のストップボタン7L,7C,7Rが設けられている。
実施の形態では、全てのリール3L,3C,3Rの回転が行われているときに最初に行われる停止操作を第1停止操作といい、これに伴うリールの回転の停止を第1停止という。また、第1停止操作の次に行われる停止操作を第2停止操作といい、これに伴うリールの回転の停止を第2停止という。さらに、第2停止操作の次に行われる停止操作を第3停止操作といい、これに伴うリールの回転の停止を第3停止という。
次に、図2を参照して、リール3L,3C,3R上に配列された図柄列について説明する。各リール3L,3C,3Rの外周面上にはリールシートが装着され、リールシート上に複数種類の図柄が21個配列された図柄列が描かれている。具体的には、赤7(図柄61)、BAR(図柄62)、スイカ(図柄63)、ベル(図柄64)、チェリー(図柄65)、及びReplay(図柄66)の図柄で構成される図柄列が描かれている。各リール3L,3C,3Rは、図柄列が図2の矢印方向に移動するように回転駆動される。また、各図柄には、各図柄の位置を特定するためのコードナンバー「00〜20」が予め定められ、データテーブルとして後で説明する主制御回路71のROM32(図3参照)に記憶されている。
次に、図3を参照して、主制御回路71、副制御回路72、主制御回路71又は副制御回路72に電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)を含む遊技機1の回路構成について説明する。主制御回路71は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ30は、CPU31、記憶手段であるROM32及びRAM33により構成されている。
CPU31には、クロックパルス発生回路34、分周器35、乱数発生器36及びサンプリング回路37が接続されている。
クロックパルス発生回路34及び分周器35は、基準クロックパルスを発生する。乱数発生器36は、一定の数値範囲に属する乱数を発生する。サンプリング回路37は、乱数発生器36により発生された乱数から任意の乱数値を抽出(サンプリング)する。この抽出した乱数値を使用することにより、抽選処理を行い、所定の情報(例えば、後述の内部当選役)の決定を行う。また、クロックパルス発生回路34により発生される基準クロックパルスに基づいて、後述の割込処理(図12参照)などを行う。
尚、乱数サンプリングのための手段として、マイクロコンピュータ30内で、即ちCPU31の動作プログラム上で、乱数サンプリングを実行するように構成してもよい。その場合、乱数発生器36及びサンプリング回路37は省略可能であり、或いは、乱数サンプリング動作のバックアップ用として残しておくことも可能である。
マイクロコンピュータ30のROM32には、CPU31の処理に係るプログラム(例えば、後述の図11〜図14参照)、各種テーブル(例えば、後述の図5、図6参照)、副制御回路72へ送信するための各種制御指令(コマンド)などが記憶されている。
RAM33には、CPU31の処理により得られる種々の情報がセットされる。例えば、内部当選役、遊技状態などを識別する識別情報や、払出枚数などを特定する数値情報などの各種情報がセットされる。これらの情報は、前述のコマンドにより副制御回路72に送信される。
図3の回路において、マイクロコンピュータ30からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、BETランプ9a,9b,9c、情報表示部18、ホッパー40、ステッピングモータ49L,49C,49Rなどがある。
また、マイクロコンピュータ30の出力部には、CPU31から出力される制御信号を受けて、前述の各アクチュエータの動作を制御するための各回路が接続されている。各回路としては、モータ駆動回路39、ランプ駆動回路45、表示部駆動回路48及びホッパー駆動回路41がある。
ランプ駆動回路45は、BETランプ9a,9b,9cを駆動制御する。これにより、BETランプ9a,9b,9cの点灯や消灯が行われる。
表示部駆動回路48は、情報表示部18を駆動制御する。これにより、情報表示部18に各種情報(クレジット数など)の表示が行われる。
ホッパー駆動回路41は、ホッパー40を駆動制御する。これにより、ホッパー40に収容されたメダルの払出しが行われる。
モータ駆動回路39は、ステッピングモータ49L,49C,49Rを駆動制御する。これにより、リール3L,3C,3Rの回転や停止が行われる。
また、マイクロコンピュータ30の入力部には、前述の各回路及び各アクチュエータに制御信号を出力する契機となる入力信号を発生する各スイッチ及び各回路が接続されている。各スイッチ及び各回路としては、スタートスイッチ6S、ストップスイッチ7S、1−BETスイッチ11S、2−BETスイッチ12S、最大BETスイッチ13S、C/Pスイッチ14S、メダルセンサ22S、リール位置検出回路50、払出完了信号回路51がある。
スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6に対する遊技者の開始操作を検出し、単位遊技の開始を指令する信号をマイクロコンピュータ30に出力する。
ストップスイッチ7Sは、ストップボタン7L,7C,7Rの夫々に対する遊技者の停止操作を検出し、検出したストップボタン7L,7C,7Rに対応するリール3L,3C,3Rの回転の停止を指令する信号をマイクロコンピュータ30に出力する。
1−BETスイッチ11S、2−BETスイッチ12S及び最大BETスイッチ13Sは、それぞれ1−BETボタン11、2−BETボタン12及び最大BETボタン13に対する遊技者の投入操作を検出し、クレジットされたメダルから、1枚、2枚又は3枚のメダルの投入を指令する信号をマイクロコンピュータ30に出力する。
C/Pスイッチ14Sは、C/Pボタン14に対する遊技者の切替操作を検出し、クレジットモード又は払出モードを切り替える信号をマイクロコンピュータ30に出力する。また、クレジットモードから払出モードに切り替えられた場合、遊技機1にクレジットされているメダルの払出しを指令する信号をマイクロコンピュータ30に出力する。
メダルセンサ22Sは、遊技者の投入操作によりメダル投入口22に投入されたメダルを検出し、メダルが投入されたことを示す信号をマイクロコンピュータ30に出力する。
リール位置検出回路50は、リール回転センサからのパルス信号を検出し、各リール3L,3C,3R上の図柄の位置を検出するための信号を発生する。
払出完了信号回路51は、メダル検出部40Sにより検出されたメダルの枚数(即ちホッパー40から払出されたメダルの枚数)が指定された枚数に達した際に、メダルの払出しが完了したことを示す信号を発生する。
遊技機1では、メダルの投入を条件に、単位遊技の開始となるスタートスイッチ6Sから信号が出力されると、モータ駆動回路39に制御信号が出力され、ステッピングモータ49L,49C,49Rの駆動制御(例えば、各相への励磁など)によりリール3L,3C,3Rの回転が開始される。この際、ステッピングモータ49L,49C,49Rに出力されるパルスの数が計数され、その計数値はパルスカウンタとしてRAM33の所定の領域にセットされる。ステッピングモータ49L,49C,49Rは、4相モータであり、2つの相の駆動コイルを順次励磁する2相励磁方式が適用されている。ステッピングモータ49L,49C,49Rに、16のパルスが出力されると、リール3L,3C,3Rは図柄1つ分回転することとなる。また、回転した図柄の数は計数され、その計数値は図柄カウンタとしてRAM33の所定の領域にセットされる。つまり、パルスカウンタにより16のパルスが計数される毎に、図柄カウンタが1ずつ更新される。
また、リール3L,3C,3Rからは一回転毎にリールインデックスが得られ、リール位置検出回路50を介してCPU31に出力される。リールインデックスの出力により、RAM33にセットされているパルスカウンタや図柄カウンタが0にクリアされる。このようにして、各リール3L,3C,3Rについて1回転の範囲内における図柄位置を特定することとしている。
ここで、ROM32には、前述のリール3L,3C,3Rの回転位置とリール外周面上に描かれた図柄とを対応づけるために、図柄テーブル(図示せず)が、ROM32内に記憶されている。この図柄テーブルでは、前述のリールインデックスが出力される位置を基準として、各リール3L,3C,3Rの一定の回転ピッチ毎に順次付与される、00から20までのコードナンバーと、それぞれのコードナンバー毎に対応して設けられた図柄の種類を識別する図柄コードとが対応づけられている。
また、スタートスイッチ6Sから信号が出力されると、乱数発生器36やサンプリング回路37により乱数サンプリングが行われ、抽出した乱数値に基づいて後述の確率抽選処理が行われ、内部当選役が決定される。
リール3L,3C,3Rが定速回転に達した後、停止操作によりストップスイッチ7Sから信号が出力されると、出力された信号及び決定された内部当選役に基づいて、リール3L,3C,3Rを停止制御する制御信号がモータ駆動回路39に出力される。モータ駆動回路39はステッピングモータ49L,49C,49Rを駆動制御し、リール3L,3C,3Rの回転を停止させる。
全てのリール3L,3C,3Rの回転が停止すると、所定の位置(例えばセンターライン8c)に表示された図柄の組合せに基づいて表示役の検索処理が行われる。表示役の検索には、後述の図5に示す配当表と類似するものであり、ROM32に記憶された表示役判定テーブル(図示せず)に基づいて行われる。この表示役判定テーブルでは、入賞に係る図柄の組合せと、対応する配当と、対応する判定コードとが設定されている。表示役の検索により、入賞に係る図柄の組合せが表示されたと判別されると、ホッパー駆動回路41に制御信号が出力され、ホッパー40の駆動によりメダルの払出しが行われる。なお、C/Pスイッチ14Sにより、クレジットモードに切り換えられている場合には、払出枚数分のメダルがクレジットされる。ここで、メダルの払出し又はクレジットを総称して単に「払出し」という場合がある。
次に、図4を参照して、副制御回路72の回路構成について説明する。主制御回路71は、遊技の進行など遊技全体を制御するものであるのに対し、副制御回路72は、画像の表示や音・ランプの出力などにより遊技に関する演出を制御するものである。主制御回路71と副制御回路72とはハーネスなどにより電気的に接続されており、副制御回路72は、主制御回路71から送信された各種コマンド(後述するスタートコマンドなど)に基づいて演出内容の決定や実行などの各種処理を行う。ここで、副制御回路72は、演出情報決定手段、演出情報出力手段の一例である。
副制御回路72は、画像制御回路(gSub)72aと、音・ランプ制御回路(mSub)72bとから構成されている。この画像制御回路(gSub)72a又は音・ランプ制御回路(mSub)72bは、主制御回路71を構成する回路基板とは各々別の回路基板上に構成されている。
主制御回路71と画像制御回路(gSub)72aとの間の通信は、主制御回路71から画像制御回路(gSub)72aへの一方向で行われ、画像制御回路(gSub)72aが主制御回路71へコマンド、情報等を入力することはない。また、画像制御回路(gSub)72aと音・ランプ制御回路(mSub)72bとの間の通信は、画像制御回路(gSub)72aから音・ランプ制御回路(mSub)72bへの一方向で行われ、音・ランプ制御回路(mSub)72bが画像制御回路(gSub)72aへコマンド、情報等を入力することはない。
画像制御回路(gSub)72aは、画像制御マイコン81、シリアルポート82、プログラムROM83、ワークRAM84、カレンダIC85、画像制御IC86、制御RAM87、画像ROM{CROM(キャラクタROM)}88及びビデオRAM89で構成される。
画像制御マイコン81は、CPU、割込コントローラ、入出力ポート(シリアルポートは図示)を備えている。画像制御マイコン81に備えられたCPUは、主制御回路71から送信されたコマンドに基づき、プログラムROM83内に記憶された制御プログラム(例えば、後述の図15〜図18参照)に従って、演出データ(画像情報、発光パターン情報、音情報を含む)の決定及び出力など、各種の処理を行う。また、画像制御回路(gSub)72aには、主制御回路71と同様に、クロックパルス発生回路、分周器、乱数発生器及びサンプリング回路を備えており、画像制御マイコン81に接続されている(図示せず)。これらにより乱数サンプリングを実行するように構成されている。
シリアルポート82は、主制御回路71から送信されるコマンド等を受信する。プログラムROM83は、画像制御マイコン81で実行する制御プログラム(例えば、後述の図15〜図18参照)や各種テーブル(例えば、後述の図8、図9参照)等を記憶する。
ワークRAM84は、画像制御マイコン81が前述した制御プログラムを実行する場合の、作業用の一時記憶手段として構成される。ワークRAM84には、主制御回路71から受信した各種コマンドから抽出する情報など、各種の情報がセットされる。本実施の形態では、内部当選役記憶領域(後述の図7参照)が設けられており、後述のスタートコマンドから抽出された内部当選役の情報がセットされる。
カレンダIC85は、日付データを記憶する。画像制御マイコン81には、操作部17が接続されている。この操作部17をホールの店員等が操作することにより日付の設定等が行われるようになっている。画像制御マイコン81は、操作部17から送信される入力信号に基づいて設定された日付情報をカレンダIC85に記憶する。カレンダIC85に記憶された日付情報はバックアップされることとなる。
また、前述のワークRAM84とカレンダIC85は、バックアップ対象となっている。つまり、画像制御マイコン81に供給される電源が遮断された場合であっても、電源が供給され続け、記憶された情報等の消去が防止される。
画像制御IC86は、画像制御マイコン81により決定された演出データに応じた画像を生成し、液晶表示装置5に出力する。
制御RAM87は、画像制御IC86の中に含まれている。画像制御マイコン81は、この制御RAM87に対して情報等の書き込みや読み出しを行う。また、制御RAM87には、画像制御IC86のレジスタと、スプライト属性テーブルと、カラーパレットテーブルと、が展開されている。画像制御マイコン81は、画像制御IC86のレジスタと、スプライト属性テーブルとを所定のタイミングごとに更新する。
画像制御IC86には、液晶表示装置5と、画像ROM88と、ビデオRAM89とが接続されている。尚、画像ROM88が画像制御マイコン81に接続された構成であってもよい。この場合、3次元画像データなど大量の画像データを処理する場合に有効な構成となる場合がある。
画像ROM88は、画像を生成するための画像データ、ドットデータ等を記憶する。例えば、人物や動物などのキャラクタ、記号、文字、図形などのスプライト画像データ、背景画像データなどを記憶する。スプライト画像データは、背景画像(バックグラウンド面)上に重畳して表示させる画像である。また、画像ROM88は、例えば、後述の図10に示すような演出を表示するための画像データを記憶する。
ビデオRAM89は、画像制御IC86で画像を生成する場合の一時記憶手段として構成される。また、画像制御IC86は、ビデオRAM89のデータを液晶表示装置5に転送終了する毎に画像制御マイコン81に信号を送信する。
また、画像制御回路(gSub)72aでは、画像制御マイコン81が、音・ランプの演出の制御も行うこととなっている。画像制御マイコン81は、決定した演出データに基づいて、音・ランプの種類及び出力タイミングを決定する。そして、画像制御マイコン81は、所定のタイミングごとに、音・ランプ制御回路(mSub)72bにシリアルポート82を介してコマンドを送信する。音・ランプ制御回路(mSub)72bでは、主に、画像制御回路(gSub)72aから送信されたコマンドに応じて、音・ランプの出力のみを行うこととなる(後述する音量調節制御を除く)。
音・ランプ制御回路(mSub)72bは、音・ランプ制御マイコン91、シリアルポート92、プログラムROM93、ワークRAM94、音源IC95、パワーアンプ96、音源ROM97で構成される。
音・ランプ制御マイコン91は、CPU、割込コントローラ、入出力ポート(シリアルポートは図示)を備えている。音・ランプ制御マイコン91に備えられたCPUは、画像制御回路(gSub)72aから送信されたコマンドに基づき、プログラムROM93内に記憶された制御プログラムに従って音・ランプの出力処理を行う。また、音・ランプ制御マイコン91には、LED101及びランプ102が接続されている。音・ランプ制御マイコン91は、画像制御回路(gSub)72aから所定のタイミングで送信されるコマンドに応じて、このLED101及びランプ102に出力信号を送信する。これにより、LED101及びランプ102がコマンドに応じた所定の態様で発光することとなる。
シリアルポート92は、画像制御回路(gSub)72aから送信されるコマンド等を受信する。プログラムROM93は、音・ランプ制御マイコン91で実行する制御プログラム等を記憶する。ワークRAM94は、音・ランプ制御マイコン91が前述した制御プログラムを実行する場合の、作業用の一時記憶手段として構成される。
音源IC95は、画像制御回路(gSub)72aから送信されたコマンドに基づいて音源を生成し、パワーアンプ96に出力する。パワーアンプ96は増幅器であり、このパワーアンプ96にはスピーカ21L,21Rが接続されている。パワーアンプ96は、音源IC95から出力された音源を増幅し、増幅した音源をスピーカ21L,21Rから出力させる。音源ROM97は、音源を生成するための音源データ(フレーズ等)等を記憶する。
また、音・ランプ制御マイコン91には、音量調節部103が接続されている。音量調節部103は、遊技場の店員等により操作可能となっており、スピーカ21L,21Rから出力される音量の調節が行われる。音・ランプ制御マイコン91は、音量調節部103から送信される入力信号に基づいて、スピーカ21L,21Rから出力される音を入力された音量に調節する制御を行う。
次に、図5を参照して、表示役と対応する図柄の組合せ及び配当について説明する。遊技機1の表示役には、チェリー、ベル、スイカ、リプレイ、BB(いわゆる「ビッグボーナス」)、RB(いわゆる「レギュラーボーナス」)、SRB(後述のBB一般遊技状態において成立するRBのことをいう)、及びハズレが設定されている。ここで、BB、RB、及びSRBは、「ボーナス」と総称される。
チェリーは、チェリー(図柄65)が左の表示窓4Lの上段、中段又は下段の何れかに表示されることにより成立する。これにより、チェリーの入賞となり、2枚のメダルの払出しが行われる。なお、チェリーが左の表示窓4Lの上段又は下段に表示されると、2つの有効ライン上で成立することとなるので、4枚(2枚×2)のメダルの払出しが行われる。
ベルは、ベル(図柄64)が有効ラインに沿って3つ並んで表示されることにより成立する。これにより、ベルの入賞となり、15枚のメダルの払出しが行われる。
スイカは、スイカ(図柄63)が有効ラインに沿って3つ並んで表示されることにより成立する。これにより、スイカの入賞となり、8枚のメダルの払出しが行われる。
リプレイは、Replay(図柄66)が有効ラインに沿って3つ並んで表示されることにより成立する。これにより、次回の単位遊技において再遊技が行われる。即ち、リプレイが成立した単位遊技における投入枚数と同数のメダルが、次回の単位遊技において、遊技者による投入操作に基づかずに、自動的に投入される。これにより、遊技者はメダルを消費することなく次回の単位遊技を行うことができる。
BBは、赤7(図柄61)が有効ラインに沿って3つ並んで表示されることにより成立する。BBが成立すると、BB遊技状態(より具体的には、BB中一般遊技状態)が作動する。
RBは、BAR(図柄62)が有効ラインに沿って3つ並んで表示されることにより成立する。RBが成立すると、RB遊技状態が作動する。
SRBは、Replay(図柄66)−Replay(図柄66)−ベル(図柄64)が有効ラインに沿って表示されることにより成立する。BB中一般遊技状態においてSRBが成立すると、RB遊技状態が作動する。
また、前述のチェリー、ベル、スイカ、リプレイ、BB、RB、及びSRBに係る図柄の組合せ以外の図柄の組合せが表示されると、ハズレが成立する。
次に、遊技機1に予め定められた遊技状態について説明する。遊技機1に予め定められた遊技状態には、一般遊技状態、内部当選状態、BB中一般遊技状態、及びRB遊技状態がある。各遊技状態間の移行は、前述のROM32に記憶されたプログラムに従ってCPU31により行われる。
一般遊技状態において、ボーナスの作動に係る内部当選役が決定されると、遊技状態が内部当選状態に更新される。遊技機1では、ボーナスの作動に係る内部当選役が決定されると、ボーナスの作動に係る図柄の組合せが表示されるまでの間、これをRAM33の所定領域に記憶する構成としている(一般に、「持ち越し」といい、記憶されている内部当選役を「持越役」という)。ボーナスの作動に係る内部当選役が記憶されているあいだ、内部当選状態が継続する。BBの作動に係る内部当選役が持ち越されている内部当選状態はBB内部当選状態であり、RBの作動に係る内部当選役が持ち越されている内部当選状態はRB内部当選状態である。ここで、持越役は、内部当選役に基づいて決定されることから、内部当選役の下位概念とも言える。
RB内部当選状態において、RBの作動に係る図柄の組合せが表示されると、RBが成立し、RB遊技状態が作動する。RB遊技状態では、他の内部当選役と比較して入賞に係る内部当選役(本実施の形態ではベル)が決定される確率が他の遊技状態よりも高い。また、RB遊技状態は、RB遊技状態において行うことが可能な単位遊技の回数(以下、「遊技可能回数」という)が8回に達するか、又は、入賞の成立が可能な回数(以下、「入賞可能回数」という)が8回に達することにより終了する。なお、RB遊技状態は、第1種特別役物が作動している単位遊技によって構成される遊技状態である。
BB内部当選状態において、BBの作動に係る図柄の組合せが表示されると、BBが成立し、BB中一般遊技状態が作動する。BB中一般遊技状態では、RBの作動に係る内部当選役が決定される確率が他の遊技状態よりも高く、RB遊技状態が高確率で作動する可能性がある。ここで、BB中一般遊技状態とRB遊技状態とからなる遊技状態をBB遊技状態という。BB遊技状態は、BB遊技状態において払い出されたメダルの総数(以下、「払出可能枚数」という)が所定数(例えば、460枚)に達することにより終了する。なお、BB遊技状態は、第1種特別役物に係る役物連続作動装置が作動している単位遊技によって構成される遊技状態である。
また、本実施の形態では、ボーナスの作動に係る内部当選役が決定されると、FTの作動が行われる。FTの作動が行われると、FT作動中の内部当選状態となる。FT作動中は、FT非作動中よりも、リプレイに係る内部当選役が決定される確率が高く構成されており、再遊技を高確率で行うことが可能となる。このため、FTが作動している遊技区間は、遊技者がメダルを消費することなく次回の単位遊技を行う機会を増加させることができる。FT作動中に行われる単位遊技の回数(以下、「FT遊技回数」という)が10回に達するか、ボーナスの成立により、FTの作動が終了する。FTの作動が終了すると、FT非作動中の内部当選状態となる。
次に、図6を参照して、内部当選役を決定する際に使用する確率抽選テーブルについて説明する。確率抽選テーブルは、前述の遊技状態ごとに設けられており、決定される可能性のある内部当選役とその乱数値の範囲とが規定されている。また、この確率抽選テーブルにおいて用いられる乱数値の範囲は「0〜16383」である。用いられる乱数値の全範囲における各内部当選役に割り当てられた乱数値の範囲が、各内部当選役の当選確率となる。各内部当選役に定められた乱数値の範囲及び当選確率は図示のとおりである。
図6の(1)は、一般遊技状態用確率抽選テーブルを示す。一般遊技状態用確率抽選テーブルでは、内部当選役として、チェリー、ベル、スイカ、リプレイ、BB、RB、又はハズレの何れかが決定される可能性がある。
図6の(2)は、FT非作動中の内部当選状態用確率抽選テーブルを示す。FT非作動中の内部当選状態用確率抽選テーブルでは、内部当選役として、チェリー、ベル、スイカ、リプレイ、又はハズレの何れかが決定される可能性がある。リプレイの当選確率は「2245/16384」であり、ハズレの当選確率は「11169/16384」である。
図6の(3)は、FT作動中の内部当選状態用確率抽選テーブルを示す。FT作動中の内部当選状態用確率抽選テーブルでは、内部当選役として、チェリー、ベル、スイカ、リプレイ、又はハズレの何れかが決定される可能性がある。リプレイの当選確率は「4490/16384」であり、ハズレの当選確率は「8924/16384」である。
ここで、内部当選状態用確率抽選テーブルには、FT非作動中とFT作動中とに応じて2種類が設けられているが、夫々の確率抽選テーブルではリプレイの当選確率とハズレの当選確率が異なり、他の内部当選役の当選確率は等しく構成されている。具体的には、FT作動中におけるリプレイの当選確率はFT非作動中のものの2倍となっており、リプレイの当選確率を高くした分ハズレの当選確率が低くなっている。つまり、FT作動中では、FT非作動中よりも、リプレイが決定されやすくなるとともに、ハズレが決定されにくくなっている。また、FTは内部当選状態になるとともに作動されることとなるので、リプレイが成立する回数が増すことにより、遊技者にボーナス当選への期待を抱かせることもできる。
図6の(4)は、BB中一般遊技状態用確率抽選テーブルを示す。BB中一般遊技状態用確率抽選テーブルでは、内部当選役として、チェリー、ベル、スイカ、リプレイ、RB、SRB、又はハズレの何れかが決定される可能性がある。また、BB中一般遊技状態では、SRBが決定される確率が他の内部当選役よりも極めて高い。この結果、BB中一般遊技状態では、RB遊技状態を連続して作動させることが可能となる。
図6の(5)は、RB遊技状態用確率抽選テーブルを示す。RB遊技状態用確率抽選テーブルでは、内部当選役として、チェリー、ベル、スイカ、及びハズレが決定される可能性がある。ここで、RB遊技状態では、他の遊技状態よりも、ベルが決定される確率が極めて高く、ハズレが決定される確率が極めて低い。また、RB遊技状態では、最大投入枚数が1枚に設定されている。したがって、RB遊技状態では、投入枚数に対する払出枚数の割合(いわゆるペイアウト率)を高くすることができる。この結果、RB遊技状態では、遊技者がメダルを獲得する機会を増加させることができる。
次に、図7を参照して、副制御回路72のワークRAM84の内部当選役記憶領域の構成について説明する。前述の副制御回路72のワークRAM84には、主制御回路71から送信されるスタートコマンドから抽出された内部当選役を記憶するための内部当選役記憶領域が設けられている。この内部当選役記憶領域は、領域1と領域2の2つの領域(アドレス)を有し、これらの領域の夫々に1つの内部当選役の情報が記憶可能となっている。
具体的には、主制御回路71から送信されるスタートコマンドから内部当選役(つまり、今回の単位遊技において決定された内部当選役)が抽出されると、この抽出された内部当選役は内部当選役記憶領域の領域2に順次セットされる。そして、スタートコマンドから内部当選役が抽出されるごとに、領域2にセットされていた内部当選役は領域1に順次シフトされる。これにより、内部当選役記憶領域の領域1には、前回の単位遊技において決定された内部当選役が記憶されることとなり、内部当選役記憶領域の領域2には、今回の単位遊技において決定された内部当選役が記憶されることとなる。また、領域1にセットされた内部当選役と領域2にセットされた内部当選役とに基づいて後述の演出抽選テーブルが決定される。
次に、図8を参照して、副制御回路72のプログラムROM83に記憶される演出抽選テーブル決定テーブルについて説明する。演出抽選テーブル決定テーブルは、後述の演出抽選テーブルを決定するために用いられるテーブルである。演出抽選テーブル決定テーブルには、前述の領域1にセットされた内部当選役と領域2にセットされた内部当選役との組合せに応じて決定されることとなる演出抽選テーブルが規定されている。
具体的には、領域1にセットされた内部当選役がハズレであり、領域2にセットされた内部当選役がハズレである場合は、演出抽選テーブル1が決定される。また、領域1にセットされた内部当選役がBBであり、領域2にセットされた内部当選役がリプレイである場合は、演出抽選テーブル2が決定される。また、領域1にセットされた内部当選役がハズレであり、領域2にセットされた内部当選役がリプレイである場合は、演出抽選テーブル3が決定される。尚、図8においては、前述の3通りの組合せに応じた演出抽選テーブルを記載したが、演出抽選テーブル決定テーブルには、これらの他に、他の組合せに応じた演出抽選テーブルを記憶することもできる。例えば、図8においては、RBが記載されていないが、RBとリプレイの組合せの場合にも演出抽選テーブル2が決定されるようにしても良い。
次に、図9を参照して、副制御回路72のプログラムROM83に記憶される演出抽選テーブルについて説明する。演出抽選テーブルは、液晶表示装置5などにおいて実行する演出の内容を決定するために用いられるテーブルである。演出抽選テーブルには、決定される可能性のある演出内容と、これに対応する継続遊技回数と、これらが決定されることとなる乱数値の範囲とが規定されている。また、この演出抽選テーブルにおいて用いられる乱数値の範囲は「0〜255」である。用いられる乱数値の全範囲における各演出内容に割り当てられた乱数値の範囲が、各演出内容の当選確率となる。各演出抽選テーブルにおいて、各演出が決定される乱数値の範囲及び当選確率は、図示の通りである。
各演出抽選テーブルにおいて規定されている演出内容には、演出A、演出B、及び演出Cの3種類がある。継続遊技回数は、各演出が継続する単位遊技の回数を示す。演出A及び演出Bの継続遊技回数は1であり、演出A及び演出Bが決定されると、決定された単位遊技においてその演出が終了することとなる(以下、これらを通常演出という場合がある)。演出Cの継続遊技回数は4であり、演出Cが決定されると、決定された単位遊技を含む4回の単位遊技に亘ってその演出が継続して行われることとなる(以下、これを継続演出という場合がある)。演出Cが決定されると、後述の図10に示すような、複数の単位遊技にわたって一連の物語を構成する演出が行われることとなる。
図9の(1)は、演出抽選テーブル1を示す。演出抽選テーブル1では、演出A又は演出Bの何れかが決定され、演出Cが決定されることはない。
図9の(2)は、演出抽選テーブル2を示す。演出抽選テーブル2では、演出A、演出B、又は演出Cの何れかが決定される。つまり、演出抽選テーブル2では、演出抽選テーブル1では決定されることのない演出Cが決定される。また、演出Cの当選確率は、「110/256」であり、演出A及び演出Bよりも高く、また、他の演出抽選テーブルの中でも最も高い。
図9の(3)は、演出抽選テーブル3を示す。演出抽選テーブル3では、演出A、演出B、又は演出Cの何れかが決定される。演出抽選テーブル3においても、演出抽選テーブル1では決定されることのない演出Cが決定されるが、演出Cの当選確率は、「13/256」であり、演出A及び演出Bよりも低く、また、演出抽選テーブル2よりも低い。
このような構成によれば、前回の内部当選役がBBであり、今回の内部当選役がリプレイである場合に、演出Cが行われやすいようにしていることから、FT作動中に演出Cが行われやすいようにすることができる。また、演出Cは、前回の内部当選役がBBであり、今回の内部当選役がリプレイである場合に行われる可能性が高く、前回の内部当選役がハズレであり、今回の内部当選役がハズレである場合には行われることがないので、演出Cが行われることにより、遊技者のBBが決定されていることへの期待感を高めることができる。また、演出Cは、前回の内部当選役がハズレであり、今回の内部当選役がリプレイである場合にも行われる可能性があり、この結果、実際にはBBが決定されていない場合であっても、BBが決定されているのではないかという期待を遊技者に抱かせることができる。
ここで、以下では、演出抽選テーブル2において決定される演出Cを「演出C1」といい、演出抽選テーブル3において決定される演出Cを「演出C2」という場合がある。
次に、図10を参照して、前述の演出Cが決定された場合に行われる演出の表示例について説明する。演出Cが決定されると、4回の単位遊技に亘って一連の物語を構成する演出が行われることとなる。また、継続演出では、1回の単位遊技中で、スタートスイッチ6Sにより遊技者の開始操作が検出されたとき(以下、「開始操作時」という)、ストップスイッチ7Sにより遊技者の第1停止操作が検出されたとき(以下、「第1停止操作時」という)、遊技者の第2停止操作が検出されたとき(以下、「第2停止操作時」という)、遊技者の第3停止操作が検出されたとき(以下、「第3停止操作時」という)の各タイミングで物語の一部を構成する演出が行われ、これが4回行われることにより、ひとつの物語が完結するようになっている。
図10の(1)の表示例は、開始操作時に行われる演出である。バッターに扮するキャラクタ302とピッチャーに扮するキャラクタ303が対峙している様子を示す演出が表示されている。
図10の(2)の表示例は、第1停止操作時に行われる演出である。キャラクタ302がバットを構えバッティングの体勢に入り、キャラクタ303がピッチングの体勢に入った様子を示す演出が表示されている。
図10の(3)の表示例は、第2停止操作時に行われる演出である。キャラクタ303が拡大表示され、腕を振りかぶってからボールを投げるまでの様子を示す演出が表示されている。
図10の(4)の表示例は、第3停止操作時に行われる演出である。キャラクタ302が拡大表示され、スイングを開始してからボールを打とうとするまでの様子を示す演出が表示されている。
図10の(1)から(4)に示す演出は、継続遊技回数が4から1までにおいて行われる演出である。
図10の(5)の表示例は、第3停止操作時に、図10の(4)の演出に続けて行われる演出であり、図10の(4)の演出から分岐する演出の1つである(以下、第1分岐演出という)。キャラクタ302の打ったボールがファールとなった様子を示す演出が表示されている。この第1分岐演出は、継続遊技回数が4から2まで(つまり、継続演出の終了となる単位遊技の1つ前まで)において行われる。
図10の(1)から(5)に示す演出は、演出C1と演出C2の両方に共通して行われる演出である。
図10の(6)の表示例は、第3停止操作時に、図10の(4)の演出に続けて行われる演出であり、図10の(4)の演出から分岐する演出の1つである(以下、第2分岐演出という)。キャラクタ302が打ったボールがホームランとなった様子を示す演出が表示されている。この第2分岐演出は、継続遊技回数が1の場合(つまり、継続演出の終了となる単位遊技)であって、BBが決定されている場合に行われる。また、この演出は、演出C1のみにおいて行われる演出である。
図10の(7)の表示例は、第3停止操作時に、図10の(4)の演出に続けて行われる演出であり、図10の(4)の演出から分岐する演出の1つである(以下、第3分岐演出という)。キャラクタ302がボールを打つことができずに三振となった様子を示す演出が表示されている。この第3分岐演出は、継続遊技回数が1の場合(つまり、継続演出の終了となる単位遊技)であって、BBが決定されていない場合に行われる。また、この演出は、演出C2のみにおいて行われる演出である。
このようにして、4回の単位遊技に亘って一連の物語を構成する演出を行うことにより、遊技者の演出への興趣を高めることができる。即ち、BBが決定されているか否かにかかわらず、継続演出の終了前までは共通の演出が行われ、継続演出の終了となる単位遊技においてBBが決定されているか否かが報知されることにより、継続演出が終了するまで(つまり物語の結末が表示されるまで)、BBが決定されているか否かがわからないようにすることができるので、遊技者の期待感を高めることができるとともに、これを維持することができる。
次に、図11〜図14に示すフローチャートを参照して、主制御回路71のCPU31の制御動作について説明する。まず、図11を参照して、主制御回路71のCPU31によるリセット割込処理について説明する。CPU31は、電源が投入され、リセット端子に電圧が印加されることにより、リセット割込を発生させ、その割込の発生に基づいて、ROM32に記憶されたリセット割込処理を順次行うように構成されている。
初めに、CPU31は、電源が投入されると、ゲーム開始時の初期化を行う(ステップS1)。具体的には、RAM33の記憶内容の初期化、通信データの初期化等を行う。
次に、CPU31は、ゲーム終了時の指定RAM領域のクリアを行う(ステップS2)。具体的には、CPU31は、前回の単位遊技に使用されたRAM33における書き込み可能領域のデータ消去、RAM33における書き込み可能領域への今回の単位遊技に必要なパラメータの書き込み、今回の単位遊技でのシーケンスプログラムの開始アドレスの指定等を行う。
次に、CPU31は、メダル投入・スタートチェック処理を行う(ステップS3)。まず、メダル投入チェック処理では、CPU31は、メダルセンサ22S、BETスイッチ11S,12S,13S、又はリプレイ作動中フラグに基づいて、投入枚数カウンタを更新する。リプレイ作動中フラグは、リプレイの成立の有無を識別する情報である。投入枚数カウンタは、今回の単位遊技における投入枚数を特定する情報である。また、CPU31は、更新した投入枚数カウンタの値に応じて入賞ラインの有効化を行う。例えば、CPU31は、投入枚数カウンタが3であれば、全ての入賞ライン上に表示された図柄の組合せに基づいて後述の表示役の検索処理を行う。続いて、スタートチェック処理では、CPU31は、遊技者の開始操作によりスタートスイッチ6Sがオンされたか否かを判別する処理を行う。
次に、CPU31は、ステップS3においてスタートスイッチ6Sがオンされたと判別すると、乱数発生器36とサンプリング回路37によって、後述の確率抽選処理などで使用する抽選用の乱数値を抽出する(ステップS4)。
次に、CPU31は、遊技状態監視処理を行う(ステップS5)。この遊技状態監視処理では、CPU31は、BB作動中フラグやRB作動中フラグや持越役の有無に基づいて、今回の単位遊技における遊技状態をRAM33にセットする。具体的には、CPU31は、BB作動中フラグがオンであれば、BB中一般遊技状態をセットする。また、RB作動中フラグがオンであれば、RB遊技状態をセットする。また、持越役があれば、内部当選状態をセットする。
次に、CPU31は、後で図13を参照して説明する確率抽選処理を行う(ステップS6)。この確率抽選処理では、CPU31は、前述の確率抽選テーブル(図6参照)に基づいて内部当選役を決定する。
次に、CPU31は、スタートコマンドを副制御回路72に対して送信する(ステップS7)。スタートコマンドには、前述のステップS6において決定された内部当選役や、ステップS5においてセットされた遊技状態などの情報が含まれている。
次に、CPU31は、前回のリール3L,3C,3Rの回転開始から4.1秒が経過したか否かを判別する(ステップS8)。CPU31は、4.1秒が経過していないと判別したときには、ウェイト処理を行う(ステップS9)。このウェイト処理では、CPU31は、前回のリール3L,3C,3Rの回転開始から4.1秒が経過するまでの間、以降の処理を行わずに待機する処理を行う。
CPU31は、ステップS8において4.1秒が経過していると判別したとき、又は、ステップS9のウェイト処理を行ったときには、ゲーム監視用タイマをRAM33にセットする(ステップS10)。CPU31は、セットしたゲーム監視用タイマにより、前述の4.1秒の計時を行う。
次に、CPU31は、全リールの回転開始を要求する(ステップS11)。例えば、CPU31は、RAM33の回転開始要求フラグをオンにするなどの処理を行う。全リールの回転開始を要求すると、後で図12を参照して説明する1.1msec毎の定期的な割込処理でのリール制御処理(ステップS32)において、リール3L,3C,3Rの回転開始処理及び加速制御処理が行われる。
次に、CPU31は、ストップスイッチがオンであるか否かを判別する(ステップS12)。CPU31は、ストップスイッチ7Sによりストップボタン7L,7C,7Rに対する遊技者の停止操作が検出されたか否かを判別する。
CPU31は、ステップS12においてストップスイッチがオンではないと判別したときには、自動停止タイマは0であるか否かを判別する(ステップS13)。CPU31は、自動停止タイマが0ではないと判別したときには、ステップS12のストップスイッチがオンであるか否かを判別する処理を繰り返す。
CPU31は、ステップS12においてストップスイッチがオンであると判別したとき、又は、ステップS13において自動停止タイマが0であると判別したときには、滑りコマ数決定処理を行う(ステップS14)。この滑りコマ数決定処理では、CPU31は、内部当選役と持越役と遊技状態と停止開始位置とに基づいて、「0〜4」の範囲から滑りコマ数を決定する。具体的には、内部当選状態以外の遊技状態においては、決定された内部当選役と停止開始位置とに基づいて滑りコマ数を決定する。また、内部当選状態においては、ハズレが内部当選役として決定されると、持越役と停止開始位置とに基づいて滑りコマ数を決定する。さらに、内部当選状態において、ハズレ以外が内部当選役として決定されると、内部当選役と持越役と停止開始位置とに基づいて滑りコマ数を決定する。
停止開始位置は、ストップスイッチ7Sにより停止操作が検出された場合(又は、自動停止タイマが0になった場合)に、センターライン8cに位置していた図柄(具体的には、図柄の中心がセンターライン8cの上方に位置し、その中心がセンターライン8cの位置に最も近い図柄)のコードナンバーにより特定される。
ここで、遊技機1では、ストップスイッチ7Sにより検出信号が出力された後、190msec以内にリール3L,3C,3Rの回転を停止させる制御が行われ、いわゆる滑りコマ数が最大4コマに設定されている。例えば、右リール3R(図2参照)の回転中において、コードナンバー05のスイカ(図柄63)がセンターライン8cの位置に到達したときに、ストップスイッチ7Sにより検出信号が出力されると、コードナンバー09のチェリー(図柄65)をセンターライン8c上の位置に表示するように右リール3Rの回転を停止することが可能となる。
滑りコマ数の決定に際して、CPU31は、まず、停止開始位置として、センターライン8c上に位置する図柄を特定し、この特定した図柄に基づいて、有効ライン上の図柄が内部当選役に係る図柄であるか否かを判別する。CPU31は、有効ライン上に内部当選役に係る図柄がないと判別すると、特定した図柄から4コマの範囲内で内部当選役に係る図柄を検索する。検索の結果、内部当選役に係る図柄が得られると、CPU31は、停止開始位置から検索の結果得られた図柄のコードナンバーまでの差分を滑りコマ数として決定し、RAM33にセットする。
また、この際、CPU31は、予め定められた表示優先順位に基づいて滑りコマ数を決定する。遊技機1では、「リプレイ」、「ボーナス(即ち、RB、BB、SRB)」、「スイカ、ベル、又はチェリー(いわゆる小役)」の順に表示優先順位が定められている。この表示優先順位は、有効ライン上に優先的に図柄を表示させる順位である。この表示優先順位に基づいて優先順位の高い図柄を優先的に有効ライン上に表示させるように滑りコマ数を決定する。例えば、内部当選役がリプレイであり、持越役がBBである場合、停止開始位置の図柄から4コマの範囲内に、Replay(図柄66)と赤7(図柄61)の両方が存在するような場合であれば、Replay(図柄66)までの滑りコマ数を優先的に決定することとなる。
ここで、遊技機1の各リール3L,3C,3R上に描かれた図柄の配列例(図2参照)を参照すると、Replay(図柄66)は、前述の最大4コマの範囲で有効ライン上に表示させるように停止制御を行った場合、いずれの位置であっても有効ライン上に表示させることが可能となる範囲(いわゆる引き込み可能な範囲)に配置されている。したがって、ボーナスが持ち越されている際にリプレイが決定された場合は、リプレイに係る図柄の組合せが必ず表示されることとなる。また、FT作動中では、FT非作動中よりもリプレイの当選確率が高い。このような構成から、FT作動中では、リプレイの当選確率を高めることにより、ボーナスに係る図柄の組合せが表示されにくい状態を作りだすことができる。そして、このことを利用して、FT作動中において前述の継続演出を行うようにすることによって、ボーナスを取りこぼした際に表示され得るリーチ目やチャンス目などから、継続演出の途中で、ボーナスが決定されていることを遊技者が察知する虞を低減させることができるようになるので、継続演出に対する遊技者の興趣を維持することができる。
次に、CPU31は、滑りコマ数分、ストップスイッチにより出力された検出信号に対応するリールが回転することを待つ(ステップS15)。例えば、CPU31は、決定された滑りコマ数が2であれば、センターライン8c上を2つの図柄が通過するまで待機する。
次に、CPU31は、リールの回転停止を要求する(ステップS16)。例えば、CPU31は、RAM33のリール回転停止要求フラグをオンにするなどの処理を行う。リールの回転停止を要求すると、後で図12を参照して説明する1.1msec毎の定期的な割込処理でのリール制御処理(ステップS32)において、停止制御処理が行われる。
次に、CPU31は、リール停止コマンドを副制御回路72に対して送信する(ステップS17)。リール停止コマンドには、停止制御の対象となったメインリールの種別や停止順序の情報などが含まれる。
次に、CPU31は、全てのリールが停止したか否かを判別する(ステップS18)。CPU31は、全てのリール3L,3C,3Rが停止していないと判別したときには、ステップS12に移り、残りのリールに対する停止操作がストップスイッチ7Sにより検出されたか否かを判別する処理を行う。
CPU31は、ステップS18において全てのリールが停止したと判別したときには、表示役検索処理を行う(ステップS19)。この表示役検索処理では、CPU31は、有効ライン上に並ぶ図柄のコードナンバーおよびROM32に記憶されている表示役判定テーブルに基づいて表示役を識別する。また、CPU31は、表示役を識別するための表示役フラグや、表示役に対応する払出枚数の情報をRAM33にセットする。
次に、CPU31は、表示役コマンドを副制御回路72に対して送信する(ステップS20)。表示役コマンドには、成立した表示役の情報などが含まれる。
次に、CPU31は、メダル払出処理を行う(ステップS21)。CPU31は、表示役に対応する払出枚数に基づいて、クレジットカウンタの更新又はホッパー40の駆動制御を行う。また、CPU31は、表示役がリプレイであれば、リプレイ作動中フラグをオンにする。
次に、CPU31は、RAM33のBB作動中フラグ又はRB作動中フラグがオンであるか否かを判別する(ステップS22)。CPU31は、BB作動中フラグ又はRB作動中フラグがオンではないと判別したときには、ボーナス作動チェック処理を行う(ステップS23)。ボーナス作動チェック処理では、CPU31は、表示役がBBであると判別したときであれば、BB作動時処理を行う。RB作動時処理では、CPU31は、持越役、FT作動中フラグ、及びFT遊技回数カウンタをクリアするとともに、BB作動中フラグをオンにし、払出可能枚数カウンタに460をセットする。また、表示役がRBであると判別したときに、RB作動時処理を行う。RB作動時処理では、CPU31は、持越役、FT作動中フラグ、及びFT遊技回数カウンタをクリアするとともに、RB作動中フラグをオンにし、遊技可能回数カウンタ及び入賞可能回数カウンタに8をセットする。この処理が終了すると、ステップS2に移る。
CPU31は、ステップS22においてBB作動中フラグ又はRB作動中フラグがオンであると判別したときには、ボーナス終了チェック処理を行う(ステップS24)。CPU31は、BB作動中フラグがオンであれば、表示役に対応する払出枚数を払出可能枚数カウンタから減算する。そして、CPU31は、払出可能枚数カウンタが0に更新されたと判別すると、BB遊技状態の終了時であると判別し、BB作動中フラグ(及びRB作動中フラグ)をオフにするなどのBB終了時処理を行う。また、CPU31は、RB作動中フラグがオンであれば、単位遊技が行われるごとに遊技可能回数カウンタから1を減算し、表示役がスイカ、ベル、又はチェリーであれば入賞可能回数カウンタから1を減算する。そして、CPU31は、遊技可能回数カウンタ又は入賞可能回数カウンタが0に更新されたと判別すると、RB遊技状態の終了時であると判別し、RB作動中フラグをオフにするなどのRB終了時処理を行う。この処理が終了すると、ステップS2に移る。
このように、CPU31は、ステップS2からステップS23又はステップS2からステップS24までの処理を単位遊技における処理として実行し、ステップS23又はステップS24の処理が終了すると、次回の単位遊技における処理を実行すべく、ステップS2の処理に移る。
次に、図12を参照して、主制御回路71における、1.1msec毎の定期的な割込処理について説明する。この割込処理は、主制御回路71におけるメイン処理にクロックパルスに基づいて1.1msec毎の間隔で割り込む処理である。
初めに、CPU31は、入力ポートチェック処理を行う(ステップS31)。具体的には、CPU31は、入力ポートを介してスタートスイッチ6Sなどの各スイッチ及び各回路から入力される信号の有無をチェックする処理を行う。
次に、CPU31は、3つのリール3L,3C,3Rについてのリール制御処理を行う(ステップS32)。このリール制御処理では、CPU31は、リール回転開始要求フラグやリール回転停止要求フラグに基づいてリール3L,3C,3Rの回転の開始及び停止を制御する。
次に、CPU31は、7SEG駆動処理を行う(ステップS33)。この7SEG駆動処理では、RAM33のクレジットカウンタなどの情報に基づいて、クレジットされているメダルの枚数等の情報を情報表示部18に表示させる制御を行う。
次に、CPU31は、ランプ駆動処理を行う(ステップS34)。ランプ駆動処理では、遊技機1の前面に設けられたBETランプ9a,9b,9cなどを点灯させる制御を行う。
次に、図13を参照して、確率抽選処理について説明する。初めに、CPU31は、RAM33にセットされた遊技状態を参照し、BB中一般遊技状態であるか否かを判別する(ステップS61)。CPU31は、BB中一般遊技状態であると判別したときには、抽出した乱数値とBB中一般遊技状態用確率抽選テーブル{図6の(4)参照}とに基づいて、内部当選役を決定する(ステップS62)。この処理が終了すると、確率抽選処理を終了し、図11のステップS7に移る。
CPU31は、ステップS61においてBB中一般遊技状態ではないと判別したときには、RB遊技状態であるか否かを判別する(ステップS63)。CPU31は、RB遊技状態であると判別したときには、抽出した乱数値とRB遊技状態用確率抽選テーブル{図6の(5)参照}とに基づいて、内部当選役を決定する(ステップS64)。この処理が終了すると、確率抽選処理を終了し、図11のステップS7に移る。
CPU31は、ステップS63においてRB遊技状態ではないと判別したときには、内部当選状態であるか否かを判別する(ステップS65)。CPU31は、内部当選状態であると判別したときには、RAM33のFT作動中フラグはオンであるか否かを判別する(ステップS66)。FT作動中フラグがオンであるときには、抽出した乱数値と内部当選状態(FT作動中)用確率抽選テーブル{図6の(3)参照}とに基づいて、内部当選役を決定する(ステップS67)。
次に、CPU31は、後で図14を参照して説明するFT遊技回数制御処理を行う(ステップS68)。このFT遊技回数制御処理では、CPU31は、FT遊技回数カウンタの値を1減算する処理を行う。この処理が終了すると、確率抽選処理を終了し、図11のステップS7に移る。
CPU31は、ステップS66においてFT作動中フラグはオンではないと判別したときには、抽出した乱数値と内部当選状態(FT非作動中)用確率抽選テーブル{図6の(2)参照}とに基づいて、内部当選役を決定する(ステップS69)。この処理が終了すると、確率抽選処理を終了し、図11のステップS7に移る。
CPU31は、ステップS65において内部当選状態ではないと判別したときには、抽出した乱数値と一般遊技状態用確率抽選テーブル{図6の(1)参照}とに基づいて、内部当選役を決定する(ステップS70)。
次に、ステップS70において内部当選役を決定したときには、CPU31は、決定した内部当選役はBB又はRBの何れかであるか否かを判別する(ステップS71)。CPU31は、BB又はRBの何れも決定されていないと判別したときには、確率抽選処理を終了し、図11のステップS7に移る。
CPU31は、ステップS71においてBB又はRBの何れかが決定されたと判別したときには、BB又はRBの何れかを持越役としてセットする(ステップS72)。
次に、CPU31は、持越役をセットしたときには、RAM33のFT作動中フラグをオンにする(ステップS73)。これにより次回の単位遊技からFTが作動する。続いて、CPU31は、RAM33のFT遊技回数カウンタに10をセットする(ステップS74)。これにより、FTの作動は最大10回の単位遊技に亘って継続する。尚、FT遊技回数は、10回に限らず、任意の回数を適用可能である。この処理が終了すると、確率抽選処理を終了し、図11のステップS7に移る。
次に、図14を参照して、FT遊技回数制御処理について説明する。初めに、CPU31は、FT遊技回数カウンタから1を減算する(ステップS81)。
次に、CPU31は、FT遊技回数カウンタは0であるか否かを判別する(ステップS82)。CPU31は、FT遊技回数カウンタは0ではないと判別したときには、FT遊技回数制御処理を終了し、図11のステップS7に移る。
CPU31は、ステップS82においてFT遊技回数カウンタは0であると判別したときには、FT作動中フラグをオフにする(ステップS83)。この処理が終了すると、FT遊技回数制御処理を終了し、図11のステップS7に移る。
次に、図15〜図18に示すフローチャートを参照して、副制御回路72の制御動作について説明する。まず、図15を参照して、副制御回路72で行われるリセット割込処理について説明する。画像制御マイコン81は、電源が投入され、リセット端子に電圧が印加されることにより、リセット割込を発生させ、その割込の発生に基づいて、プログラムROM83に記憶されたリセット割込処理を順次行うように構成されている。
初めに、画像制御マイコン81は、ワークRAM84、制御RAM87、ビデオRAM89などの初期化を行う(ステップS101)。
次に、画像制御マイコン81は、入力監視処理を行う(ステップS102)。この入力監視処理では、画像制御マイコン81は、操作部17から信号が出力されたか否かを監視する処理などを行う。例えば、画像制御マイコン81は、遊技中以外(リールの回転中以外など)において、操作部17の入力があれば、操作部17の入力に対応する演出データ(メニュー画面など)を決定する。ここで決定される演出データには、遊技機1の履歴を表示させるためのデータなどが含まれている。
次に、画像制御マイコン81は、後で図16を参照して説明するコマンド入力処理を行う(ステップS103)。このコマンド入力処理では、画像制御マイコン81は、入力した各コマンドに応じて、液晶表示装置5、LED101、ランプ102、スピーカ21L,21Rなどにより実行する演出内容(演出データを含む)を決定する。
次に、画像制御マイコン81は、コマンド出力処理を行う(ステップS104)。このコマンド出力処理では、画像制御マイコン81は、液晶表示装置5を駆動制御する画像制御IC86や、LED101、ランプ102、スピーカ21L,21Rを駆動制御する音・ランプ制御回路(mSub)72bに対して、決定された演出データに応じたコマンドを出力する。これにより、液晶表示装置5は、決定された演出データに応じた画像を表示する。また、LED101及びランプ102は、決定された演出データに応じた発光パターンを出力する。また、スピーカ21L,21Rは、決定された演出データに応じた音楽又は音声を出力する。画像制御マイコン81は、コマンド出力処理が終了すると、ステップS102からの処理を繰り返す。
次に、図16を参照して、コマンド入力処理について説明する。初めに、画像制御マイコン81は、主制御回路71からコマンドを受信したか否かを判別する(ステップS111)。ここで、主制御回路71から受信するコマンドには、スタートコマンド、リール停止コマンド、表示役コマンドなどがある。画像制御マイコン81は、コマンドを受信していないと判別したときには、コマンド入力処理を終了し、図15のステップS104に移る。
画像制御マイコン81は、ステップS111においてコマンドを受信したと判別したときには、後で図17を参照して説明するコマンド対応実行処理を行う(ステップS112)。この処理が終了すると、コマンド入力処理を終了し、図15のステップS104に移る。
次に、図17を参照して、コマンド対応実行処理について説明する。初めに、画像制御マイコン81は、主制御回路71から受信したコマンドは、スタートコマンドであるか否かを判別する(ステップS121)。画像制御マイコン81は、スタートコマンドであると判別したときには、後で図18を参照して説明する遊技開始処理を行う(ステップS122)。この遊技開始処理では、画像制御マイコン81は、ワークRAM84における内部当選役記憶領域の領域1と領域2とに基づいて、演出A、演出B、又は演出C(演出C1又は演出C2を含む)の何れかを決定する。また、画像制御マイコン81は、決定した演出内容と継続遊技回数カウンタに基づいて開始操作時の演出データを決定する。この処理が終了すると、コマンド対応実行処理を終了し、図15のステップS104に移る。
画像制御マイコン81は、ステップS121においてスタートコマンドではないと判別したときには、主制御回路71から受信した各コマンド(例えば、リール停止コマンドや表示役コマンド)に応じた演出データを決定する(ステップS123)。
例えば、演出Cが決定され、継続遊技回数カウンタが4から1の何れかである場合において、画像制御マイコン81は、リール停止コマンドにより第1停止であると判別したときには、図10の(2)に示す第1停止操作時の演出データを決定する。また、画像制御マイコン81は、リール停止コマンドにより第2停止であると判別したときには、図10の(3)に示す第2停止操作時の演出データを決定する。また、画像制御マイコン81は、リール停止コマンドにより第3停止であると判別したときには、図10の(4)に示す第3停止操作時の演出データを決定する。ここで、画像制御マイコン81は、継続遊技回数カウンタが4から2の何れかであれば、図10の(5)に示す第1分岐演出に対応する演出データを決定する。また、継続遊技回数カウンタが1であれば、演出Cの種別に基づいて、図10の(6)に示す第2分岐演出又は図10の(7)に示す第3分岐演出の何れかに対応する演出データを決定する。この処理が終了すると、コマンド対応実行処理を終了し、図15のステップS104に移る。
次に、図18を参照して、遊技開始処理について説明する。初めに、画像制御マイコン81は、スタートコマンドから内部当選役を識別する情報を取得する(ステップS131)。続いて、画像制御マイコン81は、スタートコマンドから取得した内部当選役をワークRAM84における内部当選役記憶領域の領域2にセットする(ステップS132)。具体的には、画像制御マイコン81は、領域1に記憶されていた内部当選役をクリアするとともに、領域2に記憶されていた内部当選役を領域1にシフトすることにより、空いた領域2にスタートコマンドから取得した内部当選役をセットする。
次に、画像制御マイコン81は、ワークRAM84の継続遊技回数カウンタは1以上であるか否かを判別する(ステップS133)。画像制御マイコン81は、継続遊技回数カウンタは0であると判別したときには、ワークRAM84における内部当選役記憶領域の領域1と領域2を参照し、領域1にセットされている内部当選役と領域2にセットされている内部当選役との組合せと演出抽選テーブル決定テーブル(図8参照)に基づいて演出抽選テーブルを決定する(ステップS134)。
次に、画像制御マイコン81は、ステップS134において決定した演出抽選テーブル(図9参照)に基づいて演出内容、つまり、演出A、演出B、又は演出C(演出C1又は演出C2を含む)の何れかを決定し、決定した演出内容を識別する情報をワークRAM84にセットする(ステップS135)。前述のように、ここでセットされた演出内容は、リール停止コマンドに基づく演出データの決定の際に参照される。
尚、前述のステップS132の内部当選役を領域2に記憶する処理は、一般遊技状態と持越状態において行うようにし、BB一般遊技状態とRB遊技状態では行わないようにしても良い。この場合、ステップS135の処理では、BB一般遊技状態とRB遊技状態特有の演出内容を決定するようにしても良い。
次に、画像制御マイコン81は、演出内容に基づいて継続遊技回数を決定し、決定した継続遊技回数をワークRAM84の継続遊技回数カウンタにセットする(ステップS136)。例えば、画像制御マイコン81は、演出A及び演出Bであれば継続遊技回数カウンタに1をセットし、演出Cであれば継続遊技回数カウンタに4をセットする。
画像制御マイコン81は、ステップS133において継続遊技回数カウンタは1以上であると判別したとき、又は、ステップS136において継続遊技回数カウンタをセットしたときには、演出内容と継続遊技回数カウンタとに基づいて演出データを決定する(ステップS137)。例えば、画像制御マイコン81は、演出Cであり、継続遊技回数カウンタが4から1の何れかであれば、演出データとして、前述の図10の(1)に示す開始操作時の演出データを決定する。
次に、画像制御マイコン81は、継続遊技回数カウンタを1減算する(ステップS138)。この処理が終了すると、遊技開始処理を終了し、図15のステップS104に移る。
このように、本実施の形態の遊技機1では、内部当選役記憶領域の領域1における前回の単位遊技において決定された内部当選役及び領域2における今回の単位遊技において決定された内部当選役との組合せ(つまり、内部当選役の決定履歴)に基づいて、演出内容を決定するようにしている。これにより、演出内容を決定した単位遊技において表示窓4L,4C,4Rにより表示される図柄の組合せから、行われる演出により報知される内部当選役を遊技者が察知することが困難となるので、演出に対する遊技者の興趣を維持することが可能となる。とくに、前述の複数の単位遊技に亘る継続演出を行う場合においては、継続演出が終了する単位遊技まで遊技者の演出に対する興趣を維持することが可能となり、継続演出を効果的に行うことができる。
また、遊技機1では、ボーナスが決定され、内部当選状態となるとともにFTを作動させることとしており、領域1と領域2との内部当選役の組合せが「BBとリプレイ」である場合に、継続演出が行われやすいようにしている。また、前述したように、FT作動中ではFT非作動中よりもリプレイの当選確率が増大しており、ボーナスよりもリプレイの表示が優先される。即ち、FT作動中において継続演出を行うようにすることにより、ボーナスの取りこぼし時の所定の図柄の組合せ(リーチ目やチャンス目)が表示される機会を減少させることができるので、図柄の組合せの表示からボーナスが決定されていることを遊技者が察知することを困難にすることができる。この結果、継続演出が終了する単位遊技まで遊技者の演出に対する興趣を維持することが可能となり、継続演出を効果的に行うことができる。
以上、実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
本実施の形態では、副制御回路72のワークRAM84における内部当選役記憶領域に領域1と領域2の2つの領域を設け、前回の単位遊技において決定された内部当選役と今回の単位遊技において決定された内部当選役とに基づいて演出抽選テーブル及び演出内容を決定することとしたが、これに限らず、内部当選役記憶領域には2つ以上の領域を設けるようにしても良い。例えば、領域3を設けるようにすると、前々回の単位遊技において決定された内部当選役をも加味して演出抽選テーブル及び演出内容を決定することができるので、遊技者の演出に対する興趣を維持するのに好適となる。
また、演出抽選テーブルにより決定される演出内容として、演出A、演出B、及び演出Cの3パターンを設けることとしたが、これに限らず、演出内容の数は任意の数を適用可能である。例えば、演出内容の数を増すと、演出パターンが増すので、遊技の興趣を向上することができる。
また、演出Cに規定した継続遊技回数は4回としたが、これに限らず、任意の回数を適用可能である。この場合、FT遊技回数より少ない回数を適用することが好ましい。
また、前述の図10に示した、演出Cの場合に行う演出は一例にすぎず、この演出の態様は任意の態様を適用可能である。また、実施の形態では、主として液晶表示装置5の表示画面5aに表示させる画像を用いる演出について説明したが、これに限らず、例えば、LED101やランプ102の発光態様(点灯、消灯、点滅、発光色など)を用いる演出や、スピーカ21L,21Rから出力させる音声を用いる演出などに適用することもできる。
また、演出Cでは、1回の単位遊技中に、各遊技操作が行われたこと(つまり、各コマンドが送信されたこと)を契機として演出を切り替えることとしたが、これに限らず、各遊技操作が行われたことにかかわらず、前述の各演出を連続的に表示させるようにしても良い。
また、FTの作動は、10回の単位遊技が行われること又はボーナスが成立することのうち何れかが成立したことにより終了させるとしたが、これに限らず、他の条件を適用することもできる。例えば、チェリーなどの予め定められた内部当選役が決定されたことにより終了するようにしても良く、また、これらの条件を組合せたものを適用し、これらの条件のうち先に成立した条件に基づいて終了させるようにしても良い。
また、内部当選状態(FT作動中)用確率抽選テーブルにおいて適用したリプレイの当選確率は、任意の値を適用することができる。例えば、実施の形態において適用した「4490/16384」よりも高い確率を適用するようにすると、リプレイが決定されやすくなるとともに、ハズレが決定されにくくなり、より一層、ボーナスに係る図柄の組合せが表示されにくい状態を作りだすことができるので、継続演出に対する遊技者の興趣を維持するのに好適となる。
また、内部当選役の種類として、チェリー、ベル、スイカ、リプレイ、RB、BB、SRB、ハズレを適用したが、これに限らず、任意に適用可能である。例えば、特定の図柄の組合せに係る当選役として、RB又はBBのほか、例えば、チャレンジタイム(いわゆる「CT」)の作動に係る内部当選役を適用することもできる。
CTに係る図柄の組合せ(例えば、赤7−BAR−BAR)が表示されることにより作動するCT遊技状態では、決定された内部当選役にかかわらず、停止操作のタイミングに基づいて、チェリー、ベル又はスイカなどを成立させることが可能となる。また、CT遊技状態では、ストップスイッチ7Sにより信号が出力された後、75msec以内(他の遊技状態では190msec以内)にリール3L,3C,3Rの回転が停止され、いわゆる滑りコマ数が最大1コマ(即ち、0コマ又は1コマ)に設定されている。この結果、CT遊技状態では、他の遊技状態よりも、ストップスイッチ7Sにより信号が出力された後に移動させることが可能な図柄の範囲が減少するので、遊技者にとってはより高い技術が要求される。したがって、CT遊技状態は、他の遊技状態よりも目押しの技術が要求されることとなるが、目押し次第でチェリー、ベル又はスイカを任意に成立させることが可能となるので、遊技の結果に遊技者の技量を反映させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、CT遊技状態は、CT遊技状態における払出枚数が所定枚数(例えば、253枚)に達することなどにより終了する。なお、CT遊技状態は、第2種特別役物に係る役物連続作動装置が作動している単位遊技によって構成される遊技状態である。
尚、本発明に係る遊技機を構成する、図柄表示手段、開始操作検出手段、内部当選役決定手段、図柄変動手段、停止操作検出手段、停止制御手段、内部当選役記憶手段、演出情報記憶手段、演出情報決定手段、演出情報出力手段、有利状態作動手段、持越手段、確率状態移行手段などの具体的構成については前述した実施の形態の各要素に限らず任意に変更可能である。
また、実施例のようなパチスロ機の他、スロットマシン、パチンコ機、アレンジボール、雀球遊技機、ビデオスロット、ビデオポーカ等の他の遊技機にも本発明を適用できる。さらに、前述のスロットマシンでの動作を家庭用ゲーム機用として擬似的に実行するようなゲームプログラムにおいても、本発明を適用してゲームを実行することができる。その場合、ゲームプログラムを記録する記録媒体は、CD−ROM、FD(フレキシブルディスク)、その他任意の記録媒体を利用できる。
また、実施例に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施例に記載されたものに限定されるものではない。