JP2006261551A - 半導体モジュール及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 層間を接合するはんだ層におけるボイド発生を低減でき、且つ高い放熱効果を得ることのできる半導体モジュールの提供。
【解決手段】 半導体素子1に、熱拡散用や放熱用部材を含む複数の部材がはんだ層を介して積層される半導体モジュールにおいて、ボイド低減策を、放熱流の最上流である半導体素子自体に施し、放熱効果を最大限に発揮させる。半導体素子1のはんだ接合面(電極面)を、第1電極面22と、この第1電極面と段差なく位置し第1電極面をなす金属よりもはんだ濡れ性の低い金属からなる第2電極面24によって形成する。そしてこの第2電極面24を、半導体素子1のはんだ接合面を複数の小領域に分割し又は部分的に区切る線状パターンとする。
【選択図】 図2
【解決手段】 半導体素子1に、熱拡散用や放熱用部材を含む複数の部材がはんだ層を介して積層される半導体モジュールにおいて、ボイド低減策を、放熱流の最上流である半導体素子自体に施し、放熱効果を最大限に発揮させる。半導体素子1のはんだ接合面(電極面)を、第1電極面22と、この第1電極面と段差なく位置し第1電極面をなす金属よりもはんだ濡れ性の低い金属からなる第2電極面24によって形成する。そしてこの第2電極面24を、半導体素子1のはんだ接合面を複数の小領域に分割し又は部分的に区切る線状パターンとする。
【選択図】 図2
Description
本発明は、半導体素子に、熱拡散用や放熱用の部材を含む複数の部材がはんだ層を介して積層接合されてなる半導体モジュール及びその製造方法に関するものである。
IGBT、ダイオード、トランジスタ等の半導体素子、特にパワー半導体素子をモジュール化した半導体モジュールは、動作時に内部で発生する熱が多大であり、この熱による内部素子の熱暴走、熱破壊を防止するため、効率のよい放熱が行われることが重要である。
このような半導体モジュールは、半導体素子に熱拡散用部材、絶縁部材及び放熱用部材を含む複数の部材がはんだ層を介して積層接合されるのが一般的であるが、はんだを用いて隣接する層間を接合する場合、はんだ層内にボイド(気泡ないし空洞)が発生しやすい。そして、このボイドが熱伝導の妨げとなって上記放熱が効率よく行われなくなるため、従来、次のようなボイド発生を低減する発明が提案された。
一つは、半導体素子に接合される金属板の、同素子との接合面を凸状曲面とし、はんだが固化するまでにボイドを上記凸状曲面の周辺部に向けて逃がすという発明である(特許文献1参照)。
また、モジュール内の絶縁板にメッキを施さないスリットを設けることでボイド低減を図った発明も提案されている(特許文献2参照)。
このような半導体モジュールは、半導体素子に熱拡散用部材、絶縁部材及び放熱用部材を含む複数の部材がはんだ層を介して積層接合されるのが一般的であるが、はんだを用いて隣接する層間を接合する場合、はんだ層内にボイド(気泡ないし空洞)が発生しやすい。そして、このボイドが熱伝導の妨げとなって上記放熱が効率よく行われなくなるため、従来、次のようなボイド発生を低減する発明が提案された。
一つは、半導体素子に接合される金属板の、同素子との接合面を凸状曲面とし、はんだが固化するまでにボイドを上記凸状曲面の周辺部に向けて逃がすという発明である(特許文献1参照)。
また、モジュール内の絶縁板にメッキを施さないスリットを設けることでボイド低減を図った発明も提案されている(特許文献2参照)。
しかしながら特許文献1に記載の発明では、半導体素子に接合される金属板面が凸状に形成されている(平板状でない)ので、これと半導体素子との接合状態、ひいてはボイド低減効果にばらつきが生じやすく、実用的ではなかった。
また、特許文献2に記載の発明では、半導体素子を熱拡散板にはんだ付けし、この熱拡散板を絶縁板にはんだ付けした後、更にこの絶縁板を半導体素子の電極及びモジュール取付け基板兼用の放熱板にはんだ付けした半導体モジュールにおいて、上記絶縁板と放熱板とのはんだ付けにつき、ボイド低減策(非メッキのスリット形成)を施したものである。
しかし、放熱の良否に影響が大きいのは半導体素子直下のはんだ層におけるボイドであり、特許文献2に記載の発明のように放熱流の下流側におけるボイド低減策では放熱効果が著しく低下するという問題があった。
また、ボイド低減策が非メッキのスリットであると、このスリット部分にはんだが付かない、ないしは濡れないことになるが、これではスリット部分においては熱伝導されず、放熱効率を著しく低下させる。そしてこのように、放熱効率を著しく低下させる箇所が、被放熱対象(発熱体)である半導体素子の最も発熱量の多い中央部分とならないように、この素子中央部分に非メッキのスリットを形成しないことにすると、この部分にボイドが発生しやすくなるという問題が生じた。
更に、絶縁板に非メッキのスリットを形成する方法であると、半導体素子の最も発熱量の多い中央位置に対する絶縁板面(上記スリットのパターン面)の中央位置、換言すれば絶縁板面中央位置に対する半導体素子中央位置の注意深い位置決めが必要となり、半導体素子の実装位置精度に大きな制約を加えることになった。
また、特許文献2に記載の発明では、半導体素子を熱拡散板にはんだ付けし、この熱拡散板を絶縁板にはんだ付けした後、更にこの絶縁板を半導体素子の電極及びモジュール取付け基板兼用の放熱板にはんだ付けした半導体モジュールにおいて、上記絶縁板と放熱板とのはんだ付けにつき、ボイド低減策(非メッキのスリット形成)を施したものである。
しかし、放熱の良否に影響が大きいのは半導体素子直下のはんだ層におけるボイドであり、特許文献2に記載の発明のように放熱流の下流側におけるボイド低減策では放熱効果が著しく低下するという問題があった。
また、ボイド低減策が非メッキのスリットであると、このスリット部分にはんだが付かない、ないしは濡れないことになるが、これではスリット部分においては熱伝導されず、放熱効率を著しく低下させる。そしてこのように、放熱効率を著しく低下させる箇所が、被放熱対象(発熱体)である半導体素子の最も発熱量の多い中央部分とならないように、この素子中央部分に非メッキのスリットを形成しないことにすると、この部分にボイドが発生しやすくなるという問題が生じた。
更に、絶縁板に非メッキのスリットを形成する方法であると、半導体素子の最も発熱量の多い中央位置に対する絶縁板面(上記スリットのパターン面)の中央位置、換言すれば絶縁板面中央位置に対する半導体素子中央位置の注意深い位置決めが必要となり、半導体素子の実装位置精度に大きな制約を加えることになった。
本発明は、上記のような問題を解消するためになされたもので、ボイド発生を低減できると共に、これによる放熱効果を最大限に発揮でき、またボイド低減のために放熱効率を著しく低下させることもなく、特に、被放熱対象である半導体素子の最も発熱量の多い中央部分についても何ら弊害(部分的なボイド発生)なく適用できて、全体として放熱効率を最大となし得、しかも、ボイド発生の低減を施したことによって半導体素子の実装位置精度に何ら制約を加えることのない半導体モジュール及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、特許請求の範囲の請求項1に記載の発明は、半導体素子に、熱拡散用又は放熱用の部材を含む複数の部材が、各境界面にはんだ層を介して積層接合されてなる半導体モジュールにおいて、前記半導体素子の、前記境界面をなすはんだ接合面が、第1導電性金属からなる第1電極面と、この第1電極面と同一平面上又はほぼ同一平面上に位置し前記第1導電性金属よりもはんだ濡れ性の低い第2導電性金属からなる第2電極面とによって形成され、この第2電極面が、前記はんだ接合面を複数の小領域に分割し又は部分的に区切るように位置設定された所定のパターンをなすことを特徴とする。
特許請求の範囲の請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、前記第2電極面は、前記はんだ接合面の上下若しくは左右を二等分する線を基準としたほぼ線対称の、又は前記はんだ接合面の中心位置を基準としたほぼ点対称の線状パターンをなすことを特徴とする。
特許請求の範囲の請求項3に記載の発明は、半導体素子に、熱拡散用又は放熱用の部材を含む複数の部材が、各境界面にはんだ層を介して積層接合されてなる半導体モジュールの製造方法において、前記半導体モジュールを構成する、前記半導体素子及び複数の部材を含む複数の積層部材のうち、前記半導体モジュールにおける放熱流の上流側に位置する積層部材の表面に被着形成された下側導電性金属層上に、該下側導電性金属層をなす金属よりもはんだ濡れ性の高い金属からなる上側導電性金属層を被着形成する第1工程と、前記上側導電性金属層の表面を、複数の小領域に分割し又は部分的に区切る線に沿って局所的に低温熱処理し、該上側導電性金属層をなす金属を前記下側導電性金属層をなす下側金属中に拡散させて該下側金属を露出させる第2工程とを備え、はんだ濡れ性の比較的低い前記下側導電性金属層の露出面が、前記放熱流の上流側に位置する積層部材のはんだ接合面を複数の小領域に分割し又は部分的に区切る所定のパターンをなすことを特徴とする。
特許請求の範囲の請求項4に記載の発明は、半導体素子に、熱拡散用又は放熱用の部材を含む複数の部材が、各境界面にはんだ層を介して積層接合されてなる半導体モジュールの製造方法において、前記半導体素子の表面に被着形成された下側導電性金属層上に、該下側導電性金属層をなす金属よりもはんだ濡れ性の高い金属からなる上側導電性金属層を被着形成する第1工程と、前記上側導電性金属層の表面を、複数の小領域に分割し又は部分的に区切る線に沿って局所的に低温熱処理し、該上側導電性金属層をなす金属を前記下側導電性金属層をなす下側金属中に拡散させて該下側金属を露出させる第2工程とを備え、はんだ濡れ性の比較的低い前記下側導電性金属層の露出面が、前記半導体素子のはんだ接合面を複数の小領域に分割し又は部分的に区切る所定のパターンをなすことを特徴とする。
特許請求の範囲の請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、前記第2電極面は、前記はんだ接合面の上下若しくは左右を二等分する線を基準としたほぼ線対称の、又は前記はんだ接合面の中心位置を基準としたほぼ点対称の線状パターンをなすことを特徴とする。
特許請求の範囲の請求項3に記載の発明は、半導体素子に、熱拡散用又は放熱用の部材を含む複数の部材が、各境界面にはんだ層を介して積層接合されてなる半導体モジュールの製造方法において、前記半導体モジュールを構成する、前記半導体素子及び複数の部材を含む複数の積層部材のうち、前記半導体モジュールにおける放熱流の上流側に位置する積層部材の表面に被着形成された下側導電性金属層上に、該下側導電性金属層をなす金属よりもはんだ濡れ性の高い金属からなる上側導電性金属層を被着形成する第1工程と、前記上側導電性金属層の表面を、複数の小領域に分割し又は部分的に区切る線に沿って局所的に低温熱処理し、該上側導電性金属層をなす金属を前記下側導電性金属層をなす下側金属中に拡散させて該下側金属を露出させる第2工程とを備え、はんだ濡れ性の比較的低い前記下側導電性金属層の露出面が、前記放熱流の上流側に位置する積層部材のはんだ接合面を複数の小領域に分割し又は部分的に区切る所定のパターンをなすことを特徴とする。
特許請求の範囲の請求項4に記載の発明は、半導体素子に、熱拡散用又は放熱用の部材を含む複数の部材が、各境界面にはんだ層を介して積層接合されてなる半導体モジュールの製造方法において、前記半導体素子の表面に被着形成された下側導電性金属層上に、該下側導電性金属層をなす金属よりもはんだ濡れ性の高い金属からなる上側導電性金属層を被着形成する第1工程と、前記上側導電性金属層の表面を、複数の小領域に分割し又は部分的に区切る線に沿って局所的に低温熱処理し、該上側導電性金属層をなす金属を前記下側導電性金属層をなす下側金属中に拡散させて該下側金属を露出させる第2工程とを備え、はんだ濡れ性の比較的低い前記下側導電性金属層の露出面が、前記半導体素子のはんだ接合面を複数の小領域に分割し又は部分的に区切る所定のパターンをなすことを特徴とする。
特許請求の範囲の請求項1に記載の発明によれば、ボイド発生を低減できると共に、これによる放熱効果を最大限に発揮でき、またボイド低減のために放熱効率を著しく低下させることもなく、特に、被放熱対象である半導体素子の最も発熱量の多い中央部分についても何ら弊害(部分的なボイド発生)なく適用できて、全体として放熱効率を最大となし得る。しかも、ボイド発生の低減を施したことによって、半導体素子の実装位置精度に何ら制約を加えることのない半導体モジュールを提供できる。
同請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の効果を有し、かつ、溶融はんだの広がりをはんだ接合面においてほぼ均等に進ませ得、また、ボイド低減効果をはんだ接合面の全面に亘ってほぼ均等に発揮させ得る半導体モジュールを提供できる。
同請求項3に記載の発明によれば、半導体モジュールを構成する積層部材間のはんだ層において、ボイド発生の低減と高い放熱効果を得ることを両立できる半導体モジュールの製造方法を提供できる。
同請求項4に記載の発明によれば、半導体素子及びこれと積層接合される部材間のはんだ層において、ボイド発生の低減と高い放熱効果を得ることを両立できる上に、半導体素子の実装位置精度に何ら制約を加えることのない半導体モジュールの製造方法を提供できる。
同請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の効果を有し、かつ、溶融はんだの広がりをはんだ接合面においてほぼ均等に進ませ得、また、ボイド低減効果をはんだ接合面の全面に亘ってほぼ均等に発揮させ得る半導体モジュールを提供できる。
同請求項3に記載の発明によれば、半導体モジュールを構成する積層部材間のはんだ層において、ボイド発生の低減と高い放熱効果を得ることを両立できる半導体モジュールの製造方法を提供できる。
同請求項4に記載の発明によれば、半導体素子及びこれと積層接合される部材間のはんだ層において、ボイド発生の低減と高い放熱効果を得ることを両立できる上に、半導体素子の実装位置精度に何ら制約を加えることのない半導体モジュールの製造方法を提供できる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。なお、各図間において、同一符号は同一又は相当部分を示す。
図1は、本発明による半導体モジュールの一実施形態の要部を示す断面図である。
この図において、1は、例えばMOS形トランジスタ等の半導体素子であり、通常、図示面に垂直な方向に複数個、並設されている。
この半導体素子1には、同素子1側から順に熱拡散板(ヒートスプレッダ)2、絶縁板3、モジュール取付け基板兼用の放熱板4が、各境界面(半導体素子1と熱拡散板2との境界面を含む。)にはんだ層6を介して積層接合され、これらは半導体モジュールの主要部を構成する。
本実施形態において、熱拡散板2及び放熱板4はCu(銅)等からなり、絶縁板3は、上下面をはんだ接合可能にメタライズしその表面にAu(金)、Ag(銀)、Cu等の金属めっきを施した、又は上下面をCu、Al(アルミニウム)板をクラッド接合しはんだ付け可能なNiめっきを施した板状絶縁体からなる。はんだ層6を形成するはんだは、鉛を含有するか否かは問わず、また、ここでは金属ろうの全てを含むものとする。
なお図中7は、半導体素子1にボンディングされたワイヤである。
図1は、本発明による半導体モジュールの一実施形態の要部を示す断面図である。
この図において、1は、例えばMOS形トランジスタ等の半導体素子であり、通常、図示面に垂直な方向に複数個、並設されている。
この半導体素子1には、同素子1側から順に熱拡散板(ヒートスプレッダ)2、絶縁板3、モジュール取付け基板兼用の放熱板4が、各境界面(半導体素子1と熱拡散板2との境界面を含む。)にはんだ層6を介して積層接合され、これらは半導体モジュールの主要部を構成する。
本実施形態において、熱拡散板2及び放熱板4はCu(銅)等からなり、絶縁板3は、上下面をはんだ接合可能にメタライズしその表面にAu(金)、Ag(銀)、Cu等の金属めっきを施した、又は上下面をCu、Al(アルミニウム)板をクラッド接合しはんだ付け可能なNiめっきを施した板状絶縁体からなる。はんだ層6を形成するはんだは、鉛を含有するか否かは問わず、また、ここでは金属ろうの全てを含むものとする。
なお図中7は、半導体素子1にボンディングされたワイヤである。
ここで、図1中の半導体素子1部分の詳細を図2を参照して説明する。
図2(a)は半導体素子1部分の拡大断面図、同(b)は同(a)を下方側から見た図である。
図示するように半導体素子1の、熱拡散板2との境界面をなすはんだ接合面(素子下面)は、はんだ濡れ性の高い第1導電性金属21からなる第1電極面22と、この第1電極面22と同一平面上又はほぼ同一平面上に位置し、第1導電性金属21よりもはんだ濡れ性の低い第2導電性金属23からなる第2電極面24とによって形成されている。
第1導電性金属21には、Au、Ag等が、第2導電性金属23にはNi(ニッケル)、Cu等が用いられる。第1,第2何れの電極面22,24も、半導体素子下面に堅固に被着形成されている。
図2(a)は半導体素子1部分の拡大断面図、同(b)は同(a)を下方側から見た図である。
図示するように半導体素子1の、熱拡散板2との境界面をなすはんだ接合面(素子下面)は、はんだ濡れ性の高い第1導電性金属21からなる第1電極面22と、この第1電極面22と同一平面上又はほぼ同一平面上に位置し、第1導電性金属21よりもはんだ濡れ性の低い第2導電性金属23からなる第2電極面24とによって形成されている。
第1導電性金属21には、Au、Ag等が、第2導電性金属23にはNi(ニッケル)、Cu等が用いられる。第1,第2何れの電極面22,24も、半導体素子下面に堅固に被着形成されている。
この場合、第2電極面24は、半導体素子1の上記熱拡散板2とのはんだ接合面(電極面全面)を、複数の小領域に分割し又は部分的に区切るように位置設定された所定幅の線状パターンを形成している。
図2(b)には、この線状パターン(第2電極面24の配列)が半導体素子下面の図中左右方向に展開するストライプ状をなし、半導体素子1のはんだ接合面を部分的に区切る形態が例示されている。
第2電極面24はボイド低減のために形成したものであるから、本来の電極面である第1電極面22よりは幅狭である。両電極面22,24の幅の比率あるいは単位電極面積に対する第1電極面24の本数や長さ等は、モジュール製造工程中の半導体素子1と熱拡散板2とのはんだ付け工程においてテストを行い、溶融はんだの広がり(濡れ広がり)、ボイド発生等の状況に基づいて決められる。
図2(b)には、この線状パターン(第2電極面24の配列)が半導体素子下面の図中左右方向に展開するストライプ状をなし、半導体素子1のはんだ接合面を部分的に区切る形態が例示されている。
第2電極面24はボイド低減のために形成したものであるから、本来の電極面である第1電極面22よりは幅狭である。両電極面22,24の幅の比率あるいは単位電極面積に対する第1電極面24の本数や長さ等は、モジュール製造工程中の半導体素子1と熱拡散板2とのはんだ付け工程においてテストを行い、溶融はんだの広がり(濡れ広がり)、ボイド発生等の状況に基づいて決められる。
このように、はんだ濡れ性につき高,低分けられた電極面22,24が、図2(b)に示すような線状パターンをなす場合において、半導体素子1のはんだ接合面での溶融はんだの広がりについて以下に説明する。
図3は、一般的な、つまり一種類の導電性金属、例えばAuからなる電極面31で下面全面が形成された半導体素子32の、同電極面31(はんだ接合面)における溶融はんだ33の広がりを説明するための平面図である。この場合、溶融はんだ33は、図3(a)中の矢印イに示すように、電極面31の中央から周辺に向かって広がってゆくが、このはんだ濡れの初期に発生したボイド34ははんだ33中に閉じ込められ、図3(b)に示すように、大きなボイド35として残存した。
図4は、図2に示す半導体素子1における溶融はんだ33の広がりを説明するための平面図である。この場合、溶融はんだ33は、図4(a)中の矢印ロに示すように、はんだ接合面中のはんだ濡れ性の高い各第1電極面22部分に広がってボイド34は大きくならず、抜けてゆく。その後、時間が経過することにより、第1電極面22よりもはんだ濡れ性の低い第2電極面24も含め、全体にはんだ濡れ(溶融はんだ33)が広がり、最終的には、図4(b)に示すように、はんだ33はボイド発生なく素子全面に広がる。
図3は、一般的な、つまり一種類の導電性金属、例えばAuからなる電極面31で下面全面が形成された半導体素子32の、同電極面31(はんだ接合面)における溶融はんだ33の広がりを説明するための平面図である。この場合、溶融はんだ33は、図3(a)中の矢印イに示すように、電極面31の中央から周辺に向かって広がってゆくが、このはんだ濡れの初期に発生したボイド34ははんだ33中に閉じ込められ、図3(b)に示すように、大きなボイド35として残存した。
図4は、図2に示す半導体素子1における溶融はんだ33の広がりを説明するための平面図である。この場合、溶融はんだ33は、図4(a)中の矢印ロに示すように、はんだ接合面中のはんだ濡れ性の高い各第1電極面22部分に広がってボイド34は大きくならず、抜けてゆく。その後、時間が経過することにより、第1電極面22よりもはんだ濡れ性の低い第2電極面24も含め、全体にはんだ濡れ(溶融はんだ33)が広がり、最終的には、図4(b)に示すように、はんだ33はボイド発生なく素子全面に広がる。
本実施形態によれば、半導体モジュールにおける放熱流の最上流となる半導体素子1の下面においてボイド低減を図っているので、放熱効果を最大限に発揮できる。
またボイド低減を、第1電極面22と、この第1電極面22と同一平面上又はほぼ同一平面上に位置(段差なく位置)し、第1電極面22を形成する金属よりもはんだ濡れ性の低い金属からなる第2電極面24との電極面形成により行っている。つまり、はんだ濡れ性に高低の差はあるものの、半導体素子1の電極面全面(はんだ接合面全面)に亘ってはんだ濡れ性を有し、かつ平坦な電極面構造を保持しているので、はんだ接合面全面において熱伝導され、非メッキのスリットを形成する従来技術に比べて放熱効率を著しく高めることができる。また、半導体素子1の電極面全面に亘ってはんだ濡れ性を有する構造であることによれば、被放熱対象である半導体素子1の最も発熱量の多い中央部分についても第2電極面24、つまり線状パターンを形成でき、この中央部分のボイド低減も可能である。
更に、半導体素子1(半導体素子電極面)自体に線状パターンを形成し、ボイド低減を図る構造であるので、この素子1と積層される熱拡散板2、絶縁板3あるいは放熱板4等との放熱効率等を考慮した位置決めに、従来技術(絶縁板に非メッキのスリットを形成する構造)におけるような注意を払う必要がなくなり、半導体素子1の実装位置精度を高めることができる。
ボイド34(図4参照)は、第2電極面24がなす線状パターンにより分割され又は区切られた各部において、溶融はんだ33が広がる初期に大きくならずに抜かれてゆく。特に、第2電極面24がなすパターンを線状としたことによれば、同パターンをドット状ないし島状等に形成した場合に比べ、溶融はんだ33の広がりは円滑に進み、ひいてはボイド低減も良好に行われる。
したがって、ボイド低減は充分に実現され、上述した各効果はこのようなボイド低減が実現されたことに加えて発揮されるもので、本実施形態によれば、ボイド発生の低減と高い放熱効果を得ることを両立でき、しかも半導体素子1の実装位置精度に何ら制約を加えることのない半導体モジュールを提供できる。
またボイド低減を、第1電極面22と、この第1電極面22と同一平面上又はほぼ同一平面上に位置(段差なく位置)し、第1電極面22を形成する金属よりもはんだ濡れ性の低い金属からなる第2電極面24との電極面形成により行っている。つまり、はんだ濡れ性に高低の差はあるものの、半導体素子1の電極面全面(はんだ接合面全面)に亘ってはんだ濡れ性を有し、かつ平坦な電極面構造を保持しているので、はんだ接合面全面において熱伝導され、非メッキのスリットを形成する従来技術に比べて放熱効率を著しく高めることができる。また、半導体素子1の電極面全面に亘ってはんだ濡れ性を有する構造であることによれば、被放熱対象である半導体素子1の最も発熱量の多い中央部分についても第2電極面24、つまり線状パターンを形成でき、この中央部分のボイド低減も可能である。
更に、半導体素子1(半導体素子電極面)自体に線状パターンを形成し、ボイド低減を図る構造であるので、この素子1と積層される熱拡散板2、絶縁板3あるいは放熱板4等との放熱効率等を考慮した位置決めに、従来技術(絶縁板に非メッキのスリットを形成する構造)におけるような注意を払う必要がなくなり、半導体素子1の実装位置精度を高めることができる。
ボイド34(図4参照)は、第2電極面24がなす線状パターンにより分割され又は区切られた各部において、溶融はんだ33が広がる初期に大きくならずに抜かれてゆく。特に、第2電極面24がなすパターンを線状としたことによれば、同パターンをドット状ないし島状等に形成した場合に比べ、溶融はんだ33の広がりは円滑に進み、ひいてはボイド低減も良好に行われる。
したがって、ボイド低減は充分に実現され、上述した各効果はこのようなボイド低減が実現されたことに加えて発揮されるもので、本実施形態によれば、ボイド発生の低減と高い放熱効果を得ることを両立でき、しかも半導体素子1の実装位置精度に何ら制約を加えることのない半導体モジュールを提供できる。
なお、上述の実施形態では、第2電極面24がなす線状パターン(半導体素子下面の第2電極面配列)をストライプ状に形成したが、これのみに限定されることはなく、例えば図5に示すように、相互に向かい合った櫛歯状に形成してもよい。
また図6に示すように、はんだ接合面(素子1の下面)を、その中心周りに8等分するようなパターンであってもよい。
更に図7に示すように、図6に示すパターンにおいて、はんだ接合面の中心部分に位置する第2電極面24を省略したようなパターンに形成してもよい。
いずれにしても、第2電極面24がなす線状パターンは、はんだ接合面の上下若しくは左右を二等分する線を基準としたほぼ線対称に、又ははんだ接合面の中心位置を基準としたほぼ点対称に形成することが望ましい。溶融はんだ33(図4参照)の広がりをはんだ接合面においてほぼ均等に進ませ得、また、ボイド低減効果をはんだ接合面の全面に亘ってほぼ均等に発揮させ得るからである。
なお、図1中の半導体素子1の上面側にも、複数層の部材が各境界面(半導体素子1と熱拡散板2との境界面を含む。)にはんだ層を介して積層接合される構造を備える場合には、同素子1の上面についても、上述した線状パターンを有する構成を適用してもよい。これによれば、半導体素子1の上下両面においてボイド低減が図れ、素子全体としての放熱効率を倍加させ得る。
また半導体素子1の、熱拡散板2との境界面をなすはんだ接合面のみならず、上記熱拡散板2、絶縁板3及び放熱板4の各板間においても、放熱流の上流側に位置する板2又は3の下面について、各々上述した線状パターンを有する構成を適用してもよい。これによれば、半導体モジュールの放熱流方向の全てのはんだ接合面においてボイド低減が図れ、放熱効率を著しく増加させ得る。
また図6に示すように、はんだ接合面(素子1の下面)を、その中心周りに8等分するようなパターンであってもよい。
更に図7に示すように、図6に示すパターンにおいて、はんだ接合面の中心部分に位置する第2電極面24を省略したようなパターンに形成してもよい。
いずれにしても、第2電極面24がなす線状パターンは、はんだ接合面の上下若しくは左右を二等分する線を基準としたほぼ線対称に、又ははんだ接合面の中心位置を基準としたほぼ点対称に形成することが望ましい。溶融はんだ33(図4参照)の広がりをはんだ接合面においてほぼ均等に進ませ得、また、ボイド低減効果をはんだ接合面の全面に亘ってほぼ均等に発揮させ得るからである。
なお、図1中の半導体素子1の上面側にも、複数層の部材が各境界面(半導体素子1と熱拡散板2との境界面を含む。)にはんだ層を介して積層接合される構造を備える場合には、同素子1の上面についても、上述した線状パターンを有する構成を適用してもよい。これによれば、半導体素子1の上下両面においてボイド低減が図れ、素子全体としての放熱効率を倍加させ得る。
また半導体素子1の、熱拡散板2との境界面をなすはんだ接合面のみならず、上記熱拡散板2、絶縁板3及び放熱板4の各板間においても、放熱流の上流側に位置する板2又は3の下面について、各々上述した線状パターンを有する構成を適用してもよい。これによれば、半導体モジュールの放熱流方向の全てのはんだ接合面においてボイド低減が図れ、放熱効率を著しく増加させ得る。
次に、本発明による半導体モジュールの製造方法の一実施形態を図8を参照して説明する。
まず、図8(a)に示すように、半導体素子1の表面、つまり半導体素子直下の部材、ここでは図1中の熱拡散板2とのはんだ接合面(図8(a)中、上面)側に下側導電性金属層(図2中の第2導電性金属23の層に相当する層)81を被着する。そしてこの下側導電性金属層81の表面に、同下側導電性金属層81をなす金属よりもはんだ濡れ性の高い金属からなる上側導電性金属層(図2中の第1導電性金属22の層に相当する層)82を被着する(第1工程)。本実施形態では、下側導電性金属層81はNi膜、上側導電性金属層82はAu膜とされているので、以下、81をNi膜、82をAu膜と記す。
まず、図8(a)に示すように、半導体素子1の表面、つまり半導体素子直下の部材、ここでは図1中の熱拡散板2とのはんだ接合面(図8(a)中、上面)側に下側導電性金属層(図2中の第2導電性金属23の層に相当する層)81を被着する。そしてこの下側導電性金属層81の表面に、同下側導電性金属層81をなす金属よりもはんだ濡れ性の高い金属からなる上側導電性金属層(図2中の第1導電性金属22の層に相当する層)82を被着する(第1工程)。本実施形態では、下側導電性金属層81はNi膜、上側導電性金属層82はAu膜とされているので、以下、81をNi膜、82をAu膜と記す。
これらNi膜81、Au膜82が積層形成されると、図8(b)に示すように、Au膜82の表面にレーザ光83を照射する。この照射は、予め設定された線状パターン、ここでは図2(b)に示す線状パターンを描くように移動させて行う(第2工程)。
この移動は、レーザ光83側又は半導体素子1側のいずれの移動であってもよい。またレーザ光83の強度は、Au膜82の照射箇所が局部的に300℃程度になる(低温熱処理される)ような条件とする。
図8(c)は、同(b)中の一点鎖線で囲んだ箇所の拡大図で、レーザ光83を照射した部分(照射済み部分)84と、照射しつつある部分(照射部分)85とが拡大して示されている。この図において、レーザ光83をAu膜82の表面に照射すると、図中に点を付して示すように、Au膜82を形成するAuがその下層のNi膜81を形成するNi中に拡散し、最終的にNiが露出する。その結果、同図8(c)の上側(レーザ光83の照射方向)からみると、図2(b)に示すような線状パターン、つまり、はんだ濡れ性の高いAu膜82の表面を複数の小領域に分割し又は部分的に区切る線状パターンが得られる。
ここで、Au膜82は極めて薄く、特にはんだ層6(図1参照)に比べると無視できるほど薄いので、レーザ光83の照射後における半導体素子1のはんだ接合面(電極面全面)は平坦とみなせる。例えば、Ni膜81は4μm、Au膜82は0.1μm、はんだ層6は100〜200μm程度の厚さとされており、レーザ光照射後の半導体素子1のはんだ接合面は平坦とみなせる。
つまり、図2(a)に示すように、第2電極面24(照射済み部分84におけるNi膜81の露出面に相当する電極面)が、第1電極面22(Au膜82の表面に相当する電極面)とほぼ同一平面上に位置するという、図2に示す構造が実現される。したがって、この構造により得られる効果、つまりボイド発生の低減と高い放熱効果を得ることを両立でき、しかも半導体素子の実装位置精度に何ら制約を加えることのない半導体モジュールを得ることができる。
また、通常の半導体素子の電極パターンの形成は、フォトリソ技術を応用したパターン形成が主であるが、これによると工程数が多い等、容易にパターン形成することができないが、本実施形態のようなレーザ光83を用いた低温熱処理方法によれば、容易にパターン(線状パターン)形成できる。
なお上述実施形態では、半導体素子1の、熱拡散板2とのはんだ接合面に線状パターンを形成する例について述べたが、これのみに限定されることはない。例えば、上記熱拡散板2、絶縁板3又は放熱板4の板間においても、放熱流の上流側に位置する板の下面に上述した線状パターンを形成してもよい。半導体素子1から放熱板4に至る全てのはんだ接合面において、放熱流の上流側に位置する素子1又は板2若しくは3の下面に上述した線状パターンを形成してもよい。
この移動は、レーザ光83側又は半導体素子1側のいずれの移動であってもよい。またレーザ光83の強度は、Au膜82の照射箇所が局部的に300℃程度になる(低温熱処理される)ような条件とする。
図8(c)は、同(b)中の一点鎖線で囲んだ箇所の拡大図で、レーザ光83を照射した部分(照射済み部分)84と、照射しつつある部分(照射部分)85とが拡大して示されている。この図において、レーザ光83をAu膜82の表面に照射すると、図中に点を付して示すように、Au膜82を形成するAuがその下層のNi膜81を形成するNi中に拡散し、最終的にNiが露出する。その結果、同図8(c)の上側(レーザ光83の照射方向)からみると、図2(b)に示すような線状パターン、つまり、はんだ濡れ性の高いAu膜82の表面を複数の小領域に分割し又は部分的に区切る線状パターンが得られる。
ここで、Au膜82は極めて薄く、特にはんだ層6(図1参照)に比べると無視できるほど薄いので、レーザ光83の照射後における半導体素子1のはんだ接合面(電極面全面)は平坦とみなせる。例えば、Ni膜81は4μm、Au膜82は0.1μm、はんだ層6は100〜200μm程度の厚さとされており、レーザ光照射後の半導体素子1のはんだ接合面は平坦とみなせる。
つまり、図2(a)に示すように、第2電極面24(照射済み部分84におけるNi膜81の露出面に相当する電極面)が、第1電極面22(Au膜82の表面に相当する電極面)とほぼ同一平面上に位置するという、図2に示す構造が実現される。したがって、この構造により得られる効果、つまりボイド発生の低減と高い放熱効果を得ることを両立でき、しかも半導体素子の実装位置精度に何ら制約を加えることのない半導体モジュールを得ることができる。
また、通常の半導体素子の電極パターンの形成は、フォトリソ技術を応用したパターン形成が主であるが、これによると工程数が多い等、容易にパターン形成することができないが、本実施形態のようなレーザ光83を用いた低温熱処理方法によれば、容易にパターン(線状パターン)形成できる。
なお上述実施形態では、半導体素子1の、熱拡散板2とのはんだ接合面に線状パターンを形成する例について述べたが、これのみに限定されることはない。例えば、上記熱拡散板2、絶縁板3又は放熱板4の板間においても、放熱流の上流側に位置する板の下面に上述した線状パターンを形成してもよい。半導体素子1から放熱板4に至る全てのはんだ接合面において、放熱流の上流側に位置する素子1又は板2若しくは3の下面に上述した線状パターンを形成してもよい。
1:半導体素子、2:熱拡散板、3:絶縁板、4:放熱板、6:はんだ層、21:はんだ濡れ性の高い第1導電性金属、22:第1導電性金属からなる第1電極面、23:はんだ濡れ性の低い第2導電性金属、24:第2導電性金属からなる第2電極面、81:Ni膜(はんだ濡れ性の低い下側導電性金属層)、82:Au膜(はんだ濡れ性の高い上側導電性金属層)、83:レーザ光。
Claims (4)
- 半導体素子に、熱拡散用又は放熱用の部材を含む複数の部材が、各境界面にはんだ層を介して積層接合されてなる半導体モジュールにおいて、
前記半導体素子の、前記境界面をなすはんだ接合面が、第1導電性金属からなる第1電極面と、この第1電極面と同一平面上又はほぼ同一平面上に位置し前記第1導電性金属よりもはんだ濡れ性の低い第2導電性金属からなる第2電極面とによって形成され、
この第2電極面が、前記はんだ接合面を複数の小領域に分割し又は部分的に区切るように位置設定された所定のパターンをなすことを特徴とする半導体モジュール。 - 前記第2電極面は、前記はんだ接合面の上下若しくは左右を二等分する線を基準としたほぼ線対称の、又は前記はんだ接合面の中心位置を基準としたほぼ点対称の線状パターンをなすことを特徴とする請求項1に記載の半導体モジュール。
- 半導体素子に、熱拡散用又は放熱用の部材を含む複数の部材が、各境界面にはんだ層を介して積層接合されてなる半導体モジュールの製造方法において、
前記半導体モジュールを構成する、前記半導体素子及び複数の部材を含む複数の積層部材のうち、前記半導体モジュールにおける放熱流の上流側に位置する積層部材の表面に被着形成された下側導電性金属層上に、該下側導電性金属層をなす金属よりもはんだ濡れ性の高い金属からなる上側導電性金属層を被着形成する第1工程と、
前記上側導電性金属層の表面を、複数の小領域に分割し又は部分的に区切る線に沿って局所的に低温熱処理し、該上側導電性金属層をなす金属を前記下側導電性金属層をなす下側金属中に拡散させて該下側金属を露出させる第2工程とを備え、
はんだ濡れ性の比較的低い前記下側導電性金属層の露出面が、前記放熱流の上流側に位置する積層部材のはんだ接合面を複数の小領域に分割し又は部分的に区切る所定のパターンをなすことを特徴とする半導体モジュールの製造方法。 - 半導体素子に、熱拡散用又は放熱用の部材を含む複数の部材が、各境界面にはんだ層を介して積層接合されてなる半導体モジュールの製造方法において、
前記半導体素子の表面に被着形成された下側導電性金属層上に、該下側導電性金属層をなす金属よりもはんだ濡れ性の高い金属からなる上側導電性金属層を被着形成する第1工程と、
前記上側導電性金属層の表面を、複数の小領域に分割し又は部分的に区切る線に沿って局所的に低温熱処理し、該上側導電性金属層をなす金属を前記下側導電性金属層をなす下側金属中に拡散させて該下側金属を露出させる第2工程とを備え、
はんだ濡れ性の比較的低い前記下側導電性金属層の露出面が、前記半導体素子のはんだ接合面を複数の小領域に分割し又は部分的に区切る所定のパターンをなすことを特徴とする半導体モジュールの製造方法。
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JP2008135613A (ja) * | 2006-11-29 | 2008-06-12 | Denso Corp | 半導体装置の製造方法 |
JP2020004806A (ja) * | 2018-06-26 | 2020-01-09 | 住友電工デバイス・イノベーション株式会社 | 半導体装置、および、半導体チップの搭載方法 |
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-
2005
- 2005-03-18 JP JP2005079607A patent/JP2006261551A/ja not_active Withdrawn
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