JP2006261050A - 冷陰極放電管用インバータ回路 - Google Patents

冷陰極放電管用インバータ回路 Download PDF

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Abstract

【課題】 ロイヤー回路方式において、輝度立ち上げ時間の短縮ができ、低価格で実現できる冷陰極放電管用インバータ回路を提供する。
【解決手段】 直流の電源Vccと、電圧を変換・昇圧・共振させる共振トランスTFと、回路を共振させるNPNバイポーラ形のトランジスタQ1、Q2と、トランジスタQ1、Q2を共振させる共振コンデンサC1a、C1bと、トランジスタQ1、Q2にベース電流を供給する抵抗R1、R2と、チョークコイルL1と、共振トランスTFに接続される負荷としての冷陰極放電管CCFLと、この冷陰極放電管CCFLに流れる管電流を制限するバラストコンデンサC2と、電源をオン/オフさせる電源スイッチSWと、ゲート信号発生・タイマー回路CONT1と、双方向制御整流素子TR1とを備えて構成される冷陰極放電管用インバータ回路である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、冷陰極放電管やキセノン放電管などの放電管を点灯させるための冷陰極放電管用インバータ回路に係り、特にロイヤー回路の輝度立ち上がり時間の短縮に関する。
放電管の一種である冷陰極放電管は、スキャナ、複写機やファクシミリなどの光学電子機器の読み取り光源として広く用いられている。ロイヤー回路は、構成が簡単で安いコストで実現できるため、これら光学電子機器に用いられる冷陰極放電管の点灯回路として多く使用されている(特許文献1〜3参照)。
図4にロイヤー回路で構成された従来の冷陰極放電管用インバータ回路の例を示す。
図4を参照すると、ロイヤー回路で構成された従来の冷陰極放電管用インバータ回路は、電源Vccと、電源Vccを供給するために開閉する電源スイッチSWと、共振して自励発振を生じさせる共振トランスTFと、共振して回路に自励発振を生じさせる共振コンデンサC1と、交互にオン/オフさせることで回路に共振を生じさせるNPN型のバイポーラトランジスタQ1、Q2と、トランジスタQ1、Q2にベース電流を供給する抵抗R1、R2と、チョークコイルL1と、冷陰極放電管CCFLに流れる管電流を制限するバラストコンデンサC2とで構成され、共振トランスTFに負荷として冷陰極放電管CCFLが接続されている。
電源Vccの正極側は、電源スイッチSWの一端に接続されており、電源スイッチSWの他端はチョークコイルL1の一端に接続されており、チョークコイルL1の他端は、抵抗R1、R2の一端および共振トランスTFの一次側のタップ端子に接続されている。
抵抗R2の他端は、トランジスタQ1のベース端子に接続され、トランジスタQ1のコレクタ端子は、共振コンデンサC1の一端に接続されている。
抵抗R1の他端は、トランジスタQ2のベース端子に接続され、トランジスタQ2のコレクタ端子は、共振コンデンサC1の他端に接続されている。
電源Vccの負極側は、トランジスタQ1、Q2のエミッタ端子に接続されており、トランジスタQ1のコレクタ端子は共振コンデンサC1の一端および共振トランスTFの一次側のタップ端子がある側の巻き線の一端に接続されており、トランジスタQ2のコレクタ端子は共振コンデンサC1の他端および共振トランスTFの一次側のタップ端子がある一次側の巻き線の他端に接続されている。
抵抗R2の他端は、共振トランスTFの一次側のタップ端子がない一次側の巻き線の一端に接続されており、抵抗R1の他端は、共振トランスTFの一次側のタップ端子がない一次側の巻き線の他端に接続されている。
共振トランスTFの二次側巻き線の一端は、バラストコンデンサC2の一端に接続され、バラストコンデンサC2の他端は、冷陰極放電管CCFLの一端に接続され、冷陰極放電管CCFLの他端は、電源Vccの負極側および共振トランスTFの二次側巻き線の他端に接続されている。
図4に示すこのような冷陰極放電管用インバータ回路は、電源スイッチSWを閉じて電源Vccをロイヤー回路に供給すると、トランジスタQ1、Q2、共振コンデンサC1、共振トランスTFなどが共振することにより冷陰極放電管用インバータ回路が自励発振を開始し、一定時間後に安定した発振状態に達する。
ロイヤー回路が発振状態になると電源スイッチSWを開くまでの間は、トランジスタQ1、Q2が交互にオン/オフを繰り返し、それぞれのトランジスタQ1、Q2のベース−エミッタ間には、一定の電圧が発生する。このロイヤー回路の自励発振により、冷陰極放電管CCFLが発光して、一定時間後には一定の輝度の光を放出する。
このような、従来の冷陰極放電管用インバータ回路により冷陰極放電管CCFLを発光させた場合の冷陰極放電管CCFLの輝度の立ち上がり特性を図5に示す。
図5のグラフの横軸は時間T(単位:分)を示し、グラフの左方の左側の縦軸は冷陰極放電管CCFLの温度上昇の時間的変化を示し、グラフの左方の右側の縦軸は冷陰極放電管CCFLの相対輝度を示し、図中の実線で示す曲線Jは冷陰極放電管CCFLの輝度の立ち上がり・変化を示し、図中の破線で示す曲線Kは冷陰極放電管CCFLの温度上昇の時間的変化を示す。
ここでいう冷陰極放電管CCFLの相対輝度は、一般に冷陰極放電管用インバータ回路の電源スイッチSWを閉じた(図5中、SW ONと表示した時間T=0)後、点灯開始後の一定時間(図5中に、T100で示した時間で、例えば3分)経過後の冷陰極放電管CCFLの輝度を100%としてこの100%の輝度を基準として相対的に定義され、冷陰極放電管CCFLの輝度の立ち上がり時間は、点灯開始から相対輝度90%に達するまでの時間(図5中に、時間T90で示した時間)で定義される。
このように、従来の冷陰極放電管用インバータ回路は自励発振の開始後、冷陰極放電管CCFLの輝度の立ち上がり特性を有しており、冷陰極放電管CCFLが一定輝度の光を放出するまでには、一定時間を要する。
特開平5−343190号公報 特開平8−250290号公報 特第2879523号公報
しかしながら、冷陰極放電管を読み取り光源として用いた場合、冷陰極放電管の点灯開始直後から読み取り光源としての所望の輝度が得られることがスキャナ、複写機やファクシミリなどの光学電子機器にとって望ましい。
ところが冷陰極放電管は、高効率発光のために管内部に放電ガスと共に水銀を封入した構造となっている。そして冷陰極放電管は、管内の放電による温度上昇によって封入された水銀は水銀蒸気となり、水銀蒸気となった水銀分子に電子が衝突して紫外線を放出する。
その放出された紫外線によって管内面に塗布された蛍光体が発光して、冷陰極放電管は所望の光を外部に放出する。
そのため管内部の水銀蒸気圧が発光輝度に大きく影響するが、点灯直後は冷陰極放電管の温度が低く、管内部の水銀蒸気圧も低いため冷陰極放電管の輝度が低い。冷陰極放電管は、放電を継続すると、放電によって冷陰極放電管が徐々に加熱され、それに伴って水銀蒸気圧が高まり、この水銀蒸気圧の高まりにしたがって冷陰極放電管の輝度が徐々に上昇する。
すなわち、冷陰極放電管は、所望の輝度が得られるまでに点灯開始から数秒〜数分の時間が必要となるため、冷陰極放電管をスキャナやコピー機の読み取り光源に使用した場合、読み取りが開始されるまでに数秒から数分の待ち時間が発生してしまい、スキャナやコピー機の使い勝手を悪くするという問題があった。
そこで、図6、図7に示すような輝度の立ち上がり時間を改善した冷陰極放電管用インバータ回路が提案されている。
図6は、輝度立ち上がり特性を改善した従来の冷陰極放電管用インバータ回路の構成例を示すブロック図である。
なお、図6中において、図4に示す従来の冷陰極放電管用インバータ回路例と同じ構成部品、接続であって、図4と同様の動作をする部分については図4に示す同じ記号番号を用いて表し、部品および動作の説明を省略する。
図6を参照すると、輝度立ち上がり特性を改善した冷陰極放電管用インバータ回路は、図4に示す冷陰極放電管用インバータ回路(ロイヤー回路)の電源スイッチSWの他端とチョークコイルL1の一端の間に、スイッチングを行うトランジスタQ3と、トランジスタQ3のスイッチングを制御する信号を出力するPMW制御回路CONT2と、回路に発生する逆起電力を吸収するフライホイールダイオードD1とを追加して構成した回路である。
電源スイッチSWの他端はトランジスタQ3のエミッタ端子に接続され、トランジスタQ3のコレクタ端子はチョークコイルL1の一端およびフライホイールダイオードD1のカソード端子に接続され、トランジスタQ3のベース端子はPMW制御回路CONT2に接続されている。
フライホイールダイオードD1のアノード端子は、電源Vccの負極側、トランジスタQ1、Q2のエミッタ端子、冷陰極放電管CCFLの他端ならびに共振トランスTFの二次側巻き線の他端に接続されている。図中のその他の接続は、図4に示す従来の冷陰極放電管用インバータ回路例と同じである。
この冷陰極放電管用インバータ回路は、図4の回路と同様に、共振コンデンサC1が共振トランスTFの1次側コイル側のインダクタンスと共振し、冷陰極放電管用インバータ回路の発振周波数を決定し、自励発振する。
電源スイッチSWが閉じられた状態では、PWM制御回路CONT2によって発生するPWM信号によって、スイッチングトランジスタQ3はオン/オフされ、フライホイールダイオードD1およびこのトランジスタQ3のオン/オフのスイッチング動作によって電源Vccの供給を断続する。
フライホイールダイオードD1とスイッチングトランジスタQ3とのスイッチング動作により、フライホイールダイオードD1のアノード端子には、ピーク電圧がほぼ電圧Vccである方形波の電圧が発生する。この発生した方形波の電圧は、フライホイールダイオードD1の右側に接続されたチョークコイルL1によって平均化されて冷陰極放電管用インバータ回路に電源として供給される。このため、電源電圧Vccに方形波のデューティーを乗じた電圧の電源を冷陰極放電管用インバータ回路に接続したことと等価になる。
図6に示すこのような冷陰極放電管用インバータ回路において、冷陰極放電管CCFLの輝度の立ち上がり時間を短縮する動作について、次に説明する。
電源スイッチSWがオン後、冷陰極放電管CCFLの点灯初期においては、スイッチングトランジスタQ3は常にオン状態とする。この時に、冷陰極放電管CCFLに流れる管電流を定常の管電流よりも大きくなるようにバラストコンデンサC2の回路定数を設定する。さらに一定時間経過後、PWM制御回路CONT2によってスイッチングトランジスタQ3を一定の周期でオン/オフさせる。
その時、冷陰極放電管CCFLに流れる管電流値が冷陰極放電管CCFLに規定された定格電流になるように印加する方形波のデューティー比を適切な値に設定する。このように冷陰極放電管用インバータ回路を作動させることによって、冷陰極放電管CCFLの点灯初期には電源電圧Vccが印加され、一定時間後には平均化された方形波の電圧が等価的に電圧Vccよりも低い電源電圧として印加された状態となる。
一方冷陰極放電管CCFLに流れる管電流値は、電源電圧Vccに概ね比例して増減するため、冷陰極放電管CCFLの点灯初期には冷陰極放電管CCFLに規定された定格電流よりも大きい管電流を流して急速に冷陰極放電管CCFLを暖めて冷陰極放電管CCFLの輝度を上昇させ、その後管電流を定格電流まで減少させて所望の輝度が得られるように制御している。このようにして、図6に示す従来の冷陰極放電管用インバータ回路で冷陰極放電管CCFLの立ち上がり時間を短縮させることができる。
しかしながら、図6に示す従来の冷陰極放電管用インバータ回路の例においては、次のような問題点があった。
(1)冷陰極放電管用インバータ回路に用いるPWM制御回路CONT2は、多くの構成部品を必要とするため、回路の低コスト化や小型化ができなかった。
(2)冷陰極放電管用インバータ回路は、定常動作時には常にスイッチングトランジスタQ3がスイッチング動作をしており、このスイッチングトランジスタQ3のスイッチング動作により大きなノイズを発生する。当然のことながら、冷陰極放電管用インバータ回路の定常動作時にはスキャナやコピー機などの光学電子機器が読み取り動作を行っているため、発生したノイズが読み取り信号に混入する恐れがあり、スイッチングトランジスタQ3によるノイズの発生はスキャナやコピー機の動作上大きな障害となっていた。
図7は、輝度立ち上がり特性を改善した従来の冷陰極放電管用インバータ回路の他の構成例を示すブロック図である。
なお、図7中において、図4に示す従来の冷陰極放電管用インバータ回路例と同じ構成部品、接続であって、図4と同様の動作をする部分については図4に示す同じ記号番号を用いて表し、部品および動作の説明を省略する。
図7を参照すると、輝度立ち上がり特性を改善した冷陰極放電管用インバータ回路は、図4に示す冷陰極放電管用インバータ回路(ロイヤー回路)の電源スイッチSWの他端とチョークコイルL1の一端の間に、電源電圧Vccよりも低い電圧を回路の供給するための3端子レギュレータIC1と、3端子レギュレータIC1の入出力を制御するトランジスタQ4と、トランジスタQ4を制御する信号を出力するオン/オフ制御回路CONT3とを追加して構成した回路である。
電源スイッチSWの他端は3端子レギュレータIC1の入力端子およびトランジスタQ4のエミッタ端子に接続され、3端子レギュレータIC1の出力端子はチョークコイルL1の一端およびトランジスタQ4のコレクタ端子に接続され、3端子レギュレータIC1の接地端子は電源Vccの負極側、トランジスタQ1、Q2のエミッタ端子、冷陰極放電管CCFLの他端ならびに共振トランスTFの二次側巻き線の他端に接続されている。トランジスタQ4のベース端子はオン/オフ制御回路CONT3に接続されている。
図7中のその他の接続は、図4に示す従来の冷陰極放電管用インバータ回路例と同じである。
図7に示すこのような冷陰極放電管用インバータ回路において、冷陰極放電管CCFLの輝度の立ち上がり時間を短縮する動作について、次に説明する。
冷陰極放電管用インバータ回路の電源スイッチSWをオンすると、電源電圧Vccは、3端子レギュレータIC1の入力端子およびトランジスタQ4のエミッタ端子に印加される。このときオン/オフ制御回路CONT3がオフ信号を出力し、トランジスタQ4のベース端子に入力することによりトランジスタQ4はオフとなっている。このため、トランジスタQ4のエミッタ端子−コレクタ端子間は非導通状態となっており、このため3端子レギュレータIC1の入力端子に印加された電圧Vccにより、3端子レギュレータIC1の出力端子には電源電圧Vccより低い電圧が出力される。この電源電圧Vccより低い電圧は、冷陰極放電管用インバータ回路(ロイヤー回路)に電源として供給される。
オン/オフ制御回路CONT3の出力するオン信号により、このオン信号がトランジスタQ4のベース端子に入力されたときは、トランジスタQ4はオンとなり、このためトランジスタQ4のエミッタ端子−コレクタ端子間は導通状態となる。このトランジスタQ4のエミッタ端子−コレクタ端子間の導通状態のため、トランジスタQ4は3端子レギュレータIC1の入力端子と出力端子を短絡することになり、3端子レギュレータIC1の出力端子の電圧は、電源電圧Vccとほぼ等しくなり、この電源電圧Vccが冷陰極放電管用インバータ回路に電源として供給される。
電源スイッチSWオン後、冷陰極放電管CCFLの点灯初期においてはトランジスタQ4は常にオン状態とし、回路に対して電源電圧Vccを印加する。さらに一定時間経過後、オン/オフ制御回路CONT3によってオフ信号を出力し、トランジスタQ4のベース端子に入力し、トランジスタQ4をオフさせる。
このトランジスタQ4をオフによって3端子レギュレータIC1の出力端子に出力された電圧が冷陰極放電管用インバータ回路に印加されるが、その出力電圧は電源電圧Vccよりも低くなっている。この時、冷陰極放電管CCFLに流れる管電流値が定格電流になるようにバラストコンデンサC2の回路定数を適切な値に設定する。
以上のような回路の動作によって、冷陰極放電管用インバータ回路には点灯初期においては電源電圧Vccが印加され、一定時間経過後にはVccよりも低い電圧である3端子レギュレータIC1の出力電圧が印加された状態となる。
一方冷陰極放電管CCFLに流れる管電流値は、電源電圧Vccに概ね比例して増減するため、冷陰極放電管CCFLの点灯初期には冷陰極放電管CCFLに規定された定格電流よりも大きい管電流を流して急速に冷陰極放電管CCFLを暖めて冷陰極放電管CCFLの輝度を上昇させ、その後管電流を定格電流まで減少させて所望の輝度が得られるように制御して、冷陰極放電管CCFLの立ち上がり時間を短縮させている。
しかしながら、図7に示す従来の冷陰極放電管用インバータ回路の例においては、次のような問題点があった。
(a)冷陰極放電管用インバータ回路は、使用している3端子レギュレータが比較的高価な部品であるため構成部品の部品コストが上がり、低コスト化できない。
(b)冷陰極放電管用インバータ回路は、定常動作時には常に3端子レギュレータが動作をしており、(3端子レギュレータの入出力間電圧差×入力電流)に相当する電力損失が定常的に発生する。スキャナーやコピー機は小型化とともに省電力化が求められており、冷陰極放電管用インバータ回路の実装空間はますます狭められる傾向にある。そのため、損失による冷陰極放電管用インバータ回路の消費電力の増加と、損失に伴う発熱と放熱に対する対策が必要となる。
そこで本発明の目的は、ロイヤー回路方式において、輝度立ち上げ時間の短縮ができ、低価格で実現できる冷陰極放電管用インバータ回路を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の冷陰極放電管用インバータ回路の第1の発明は、 放電管を点灯させるロイヤー方式の冷陰極放電管用インバータ回路であって、
直流の電源と、電圧を変換させる共振トランスと、互いに交互にオン/オフするトランジスタと、前記共振トランスを共振させる共振コンデンサと、前記トランジスタにベース電流を供給する抵抗と、チョークコイルと、共振トランスに接続される前記放電管と、前記放電管に流れる電流を制限するバラストコンデンサと、前記電源をオン/オフさせる電源スイッチと、
前記放電管の点灯初期にゲート制御信号を発生するゲート信号発生・タイマー回路と、前記ゲート信号によりオン/オフする双方向制御整流素子と、前記共振トランスを共振させる他の共振コンデンサと
で構成される冷陰極放電管用インバータ回路である。
第2の発明は、前記他の共振コンデンサが、前記双方向制御整流素子に直列接続され、この前記他の共振コンデンサと前記双方向制御整流素子とが、前記共振コンデンサと並列接続されるものである。
放電管の輝度は水銀蒸気圧が高くなることで上昇し、水銀蒸気圧は冷陰極放電管の温度上昇に伴って上昇し、冷陰極放電管の温度は管電流が大きいほど早く上昇し、管電流はインバータの発振周波数が高いほど大きくなる。
本発明は、このことを利用して、点灯直後にはインバータの発振周波数を高くすることで定格管電流を超える比較的大きい管電流を冷陰極放電管に流して急速に放電管の温度を上昇させ、その後インバータの発振周波数を低下させて所望の定格管電流となるように制御する。
この作用によって点灯開始から所望の輝度に達するまでの輝度立ち上がり時間を短縮することができる冷陰極放電管のインバータを提供する。
これは、特にスキャナーやコピー機の読み取り光源に使用される冷陰極放電管の点灯回路に好適し、本発明を適用することによって冷陰極放電管の輝度立ち上がり時間が短縮できることからスキャン開始操作から実際のスキャンが開始するまでの待ち時間を短縮することができるため快適な作業を可能とし、スキャナやコピー機の商品価値を高めることが可能となる。
本発明によれば、ロイヤー回路方式において、輝度立ち上げ時間の短縮ができ、低価格で実現できる冷陰極放電管用インバータ回路を得られる。
本発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施形態のロイヤー方式の冷陰極放電管用インバータ回路の回路構成例を示すブロック図である。
図1を参照すると、本実施形態の冷陰極放電管用インバータ回路は、直流の電源Vccと、電圧を変換・昇圧し共振する共振トランスTFと、互いに交互にオン/オフして回路を共振させるNPNバイポーラ形のトランジスタQ1、Q2と、トランジスタQ1、Q2、共振トランスTFを共振させる共振コンデンサC1aと、トランジスタQ1、Q2、共振トランスTFを共振させる他の共振コンデンサC1bと、トランジスタQ1、Q2にベース電流を供給する抵抗R1、R2と、チョークコイルL1と、共振トランスTFに接続される負荷としての冷陰極放電管CCFLと、この冷陰極放電管CCFLに流れる管電流を制限するバラストコンデンサC2と、電源Vccをオン/オフさせる電源スイッチSWと、ゲート制御信号を発生するゲート信号発生・タイマー回路CONT1と、双方向制御整流素子TR1とを備えて構成される。
本実施形態の冷陰極放電管用インバータ回路は、従来のロイヤー回路に、放電管の点灯初期の輝度立ち上がり時間を短縮する手段として、ゲート信号発生・タイマー回路CONT1と、双方向制御整流素子TR1と、双方向制御整流素子TR1に直列接続される他の共振コンデンサC1bとを配置・接続したことを特徴とする。
共振コンデンサC1a、C1bは、冷陰極放電管用インバータ回路において、共振トランスTFの一次巻き線と接続されて、共振トランスTF、トランジスタQ1、Q2などの構成部品とともに共振回路を構成する共振用コンデンサである。
バラストコンデンサC2は、その有するインピーダンスによって冷陰極放電管CCFLに流れる管電流を点灯に適した値に制限することができる。このバラストコンデンサC2の有するインピーダンスは、冷陰極放電管用インバータ回路の発振周波数に逆比例することが分かっている。
双方向制御整流素子TR1は、ゲート端子Gの制御によってオフしている間は、共振コンデンサC1bを冷陰極放電管用インバータ回路から切り離すのと同等の効果があり、ゲート端子Gの制御によってオンすることによって、共振コンデンサC1bを冷陰極放電管用インバータ回路に接続する機能を有する。このような、共振コンデンサC1bの冷陰極放電管用インバータ回路からの切り離し/接続により、冷陰極放電管用インバータ回路は自励発振の発振周波数を変化させることができる。
共振トランスTFは、共振コンデンサC1a、C1bなどの構成部品とともに共振して冷陰極放電管用インバータ回路に自励発振を生じさせたり、一次側に入力された電圧を昇降圧させ二次側に出力する機能を有する。
ゲート信号発生・タイマー回路CONT1は、双方向制御整流素子TR1のゲート端子Gに入力されるゲート信号を発生する機能を有し、このゲート信号により双方向制御整流素子TR1をオン/オフさせることができる。
また、ゲート信号発生・タイマー回路CONT1は、このゲート信号発生機能の他、必要に応じて冷陰極放電管CCFLの点灯開始から一定時間後にゲート信号を発生させるためのタイマー機能や、外部信号の入力制御によってゲート信号を発生させる機能を含むとよく、さらには外気温や冷陰極放電管の温度によって双方向制御整流素子TR1をオンさせるまでの時間を調整する機能を持たせるとよい。
図1に示す冷陰極放電管用インバータ回路の接続について、次に説明する。
電源Vccの正極側は、電源スイッチSWの一端に接続されており、電源スイッチSWの他端は、ゲート信号発生・タイマー回路CONT1の一端およびチョークコイルL1の一端に接続されている。チョークコイルL1の他端は、抵抗R1、R2の一端および共振トランスTFの一次側巻線であるコイルW1のタップ端子に接続されている。
抵抗R2の他端は、トランジスタQ1のベース端子に接続され、トランジスタQ1のコレクタ端子は、共振コンデンサC1aの一端および共振コンデンサC1bの一端ならびに共振トランスTFの一次側巻線であるコイルW1の黒点側端子に接続されている。
共振コンデンサC1bの他端は双方向制御整流素子TR1の一端に接続され、双方向制御整流素子TR1の他端は、共振コンデンサC1aの他端および共振トランスTFの一次側巻線であるコイルW1の非黒点側端子に接続されている。
抵抗R1の他端は、トランジスタQ2のベース端子に接続され、トランジスタQ2のコレクタ端子は、共振コンデンサC1aの他端に接続されている。
電源Vccの負極側は、ゲート信号発生・タイマー回路CONT1の他端およびトランジスタQ1、Q2のエミッタ端子に接続されている。
抵抗R2の他端は、共振トランスTFの一次側のコイルW3の非黒点側端子に接続されており、抵抗R1の他端は、共振トランスTFの一次側巻線のコイルW3の黒点側端子に接続されている。ゲート信号発生・タイマー回路CONT1の出力端子は、双方向制御整流素子TR1のゲート端子Gに接続されている。
共振トランスTFの二次側巻き線コイルW2の黒点側端子は、バラストコンデンサC2の一端に接続され、バラストコンデンサC2の他端は、冷陰極放電管CCFLの一端に接続され、冷陰極放電管CCFLの他端は、電源Vccの負極側および共振トランスTFの二次側巻き線コイルW2の非黒点側端子に接続されている。
次に図1に示す冷陰極放電管用インバータ回路の動作について説明する。
冷陰極放電管用インバータ回路は、図示したような回路構成で、ロイヤー回路と呼ばれる自励式発振回路を形成し、トランジスタQ1、Q2、共振コンデンサC1a、C1b、共振トランスTFなどが共振して発振し、共振トランスTFの昇電圧作用によって昇圧して、冷陰極放電管CCFLの点灯に必要な高周波交流高電圧を得て、共振トランスTFの2次側から冷陰極放電管CCFLに供給する。
先ず、ゲート信号発生・タイマー回路CONT1から出力されるゲート信号により双方向制御整流素子TR1がオフとなっており、共振コンデンサC1bが冷陰極放電管用インバータ回路から切り離された状態の動作について説明する。
電源スイッチSWをオン(閉)にすると、電源Vccから電源スイッチSW、チョークコイルL1、抵抗R1、R2を経由して、トランジスタQ1、Q2に電流が流れ込もうとし、トランジスタQ1、Q2の僅かな特性の違いから、トランジスタQ1のベース−エミッタ間、トランジスタQ2のベース−エミッタ間のいずれかに電流が流れる。
例えば、トランジスタQ1のベース側に電流が流れた場合には、トランジスタQ1はオンになり、電流の流れは、電源Vccの正極側から電源スイッチSW、チョークコイルL1、抵抗R2、トランジスタQ1のベースからエミッタを経て、電源Vccの負極側に至る経路である。このとき、トランジスタQ2のベース−エミッタ間には電流は流れておらず、トランジスタQ2はオフとなっている。
トランジスタQ1がオンになったことにより、トランジスタQ1のコレクタ−エミッタ間にも電流が流れ始め、共振トランスTFの一次側巻線コイルW1の非黒点側から黒点側に電流が流れる。この電流の流れにより発生する誘導磁界は、共振トランスTFの一次側巻線コイルW3の非黒点側から黒点側に誘導電流を流すようにはたらく。
このコイルW3の誘導電流は、トランジスタQ2がオフ状態にあるためトランジスタQ2には流れ込めず、抵抗R1、R2を介してトランジスタQ1のベース端子に流れ込み、トランジスタQ1のオン状態をより深いオン状態にする。このトランジスタQ1のオン状態により、コイルW1の非黒点側から黒点側にさらに電流が流れるようになる。
この共振トランスTFの一次側コイルW1の電流の流れにより発生する磁界で、共振トランスTFの二次側のコイルW2の非黒点側から黒点側、バラストコンデンサC2を経由して誘導電流が冷陰極放電管CCFLに流れ、冷陰極放電管CCFLが点灯を始める。
共振トランスTFの一時巻線であるコイルW1、W3の両端に生じる誘起電圧は、時間とともに電圧降下するが、共振トランスTFの磁気飽和により、共振トランスTFの磁束は増加する。この共振トランスTFの磁束が飽和磁束に至ると、磁束の変化はなくなるので、一次側のコイルW1、W3の両側に誘起される電圧は降下して0になる。この誘起電圧が0になることで、トランジスタQ1のベース電流およびコレクタ電流は流れなくなる。
トランジスタQ1に電流が流れなくなると、コイルW1〜W3の両端には黒点側から非黒点側に逆電圧が発生し、コイルW3から、抵抗R2、R1を介してトランジスタQ2にベース電流が流れるとともに、コイルW1の非黒点側からトランジスタQ2のコレクタ−エミッタに向かい電流が流れ込もうとし、トランジスタQ2がオンになる。電源Vccからの電流の流れは、電源Vccの正極側から電源スイッチSWを経由して、チョークコイルL1、抵抗R1、トランジスタQ2のベース−エミッタ、電源Vccの負極側の順に流れる。
このとき、トランジスタQ1のベース−エミッタ間には電流は流れておらず、トランジスタQ1はオフとなっている。
トランジスタQ2がオンになり、トランジスタQ2のコレクタ−エミッタ間にも電流が流れ、コイルW1の黒点側から非黒点側に電流が流れる。この電流の流れにより発生する誘導磁界は、コイルW3の黒点側から非黒点側に誘導電流を流すようにはたらく。
この誘導電流は、トランジスタQ1がオフ状態にあるためトランジスタQ1には流れ込めず、抵抗R2、R1を介してトランジスタQ2のベース端子に流れ込み、トランジスタQ2のオン状態をより深いオン状態にする。このトランジスタQ2のオン状態により、コイルW1の黒点側から非黒点側にさらに電流が流れるようになる。
この共振トランスTFの一次側コイルW1の電流の流れにより発生する磁界で、バラストコンデンサC2を経由して共振トランスTFの二次側のコイルW2の黒点側から非黒点側に誘導電流が流れ、冷陰極放電管CCFLに流れ込み、冷陰極放電管CCFLが点灯する。
共振トランスTFの一時巻線であるコイルW1、W3の両端に生じる誘起電圧は、時間とともに電圧降下するが、共振トランスTFの磁気飽和により、共振トランスTFの磁束は増加する。この共振トランスTFの磁束が飽和磁束に至ると、磁束の変化はなくなるので、一次側のコイルW1、W3の両側に誘起される電圧は降下して0になる。この誘起電圧が0になることで、トランジスタQ2のベース電流およびコレクタ電流は流れなくなり、トランジスタQ2はオフになる。
このように、トランジスタQ1、Q2は、交互にオン/オフを繰返し、冷陰極放電管用インバータ回路(ロイヤー回路)は、共振コンデンサC1a、トランジスタQ1、Q2、コイルW1、W3などの構成部品が互いに共振して、自励発振を開始し、一定時間後に安定した発振状態になり、負荷として接続された冷陰極放電管CCFLが点灯する。
このように、電源スイッチSWをオンして冷陰極放電管用インバータ回路に電源投入してから、双方向制御整流素子TR1がオンする前までの間は、双方向制御整流素子TR1はオフであることから共振コンデンサC1bは、共振トランスTFに接続されておらず切り離されていることと同じであるため、冷陰極放電管用インバータ回路の自励発振(共振)には寄与しない。
したがって、共振コンデンサC1aのみが共振トランスTFに接続されて、共振コンデンサC1aの有する回路定数と共振トランスの一次側巻線コイルW1の回路定数とで決まる固有の発振周波数(この周波数を説明の便宜上、周波数faとする)で発振して、冷陰極放電管CCFLを点灯する。この時、冷陰極放電管CCFLにはコンデンサC2のインピーダンスによって制限された管電流が流れる。この管電流は、定格管電流よりも大きくなるようにコンデンサC2などの各部品定数(回路定数)を設定するとよい。
このような冷陰極放電管用インバータ回路は、共振トランスTFの二次側巻線コイルW2に発生する高周波交流電圧の振幅は電源Vccの電圧に比例し、高周波交流電圧の周波数は共振コンデンサC1a、C1bの静電容量の1/2乗にほぼ逆比例するという特性を有することが分かっている。
次に、電源スイッチSWがオンし冷陰極放電管CCFLの点灯開始後、ゲート信号発生・タイマー回路に内蔵されているタイマ機能(タイマ回路)が作動して、このタイマ機能により予め設定した時間経過後、あるいは点灯開始後に外部から与えられる制御信号を受信した後、ゲート信号発生・タイマー回路が、双方向制御整流素子TR1のオン/オフを制御するためのゲート信号を双方向制御整流素子TR1のゲート端子Gに出力する。
このゲート信号はこのときオン状態に制御する制御信号となっており、このゲート信号によって、双方向制御整流素子TR1はオン状態となり、双方向制御整流素子TR1の一端と他端が繋がった状態となるので、共振コンデンサC1bは、共振トランスTFの一次側に共振コンデンサC1aと並列接続されたことになり、冷陰極放電管用インバータ回路の自励発振(共振)に寄与する。
したがって、共振コンデンサC1a、C1bの有する回路定数と共振トランスの一次側巻線コイルW1の回路定数とで決まる固有の発振周波数(この周波数を説明の便宜上、周波数fbとする)で発振して、冷陰極放電管CCFLを点灯する。
共振コンデンサC1bが共振コンデンサC1aに並列接続されたことで、共振コンデンサC1bの静電容量が、共振コンデンサC1aの静電容量に加算されるため、冷陰極放電管用インバータ回路の自励発振(共振)の発振周波数fbは、双方向制御整流素子TR1がオフ状態の時の発振周波数faと比較すると周波数が低下する。
ここで、既に説明したようにバラストコンデンサC2のインピーダンスは、冷陰極放電管用インバータ回路の発振周波数に逆比例することが分かっているので、発振周波数がfaからfbに低下することによって、バラストコンデンサC2のインピーダンスが大きくなり、冷陰極放電管CCFLに流れる管電流が減少する。この時の冷陰極放電管CCFLの管電流が所望の定格管電流となるように、冷陰極放電管用インバータ回路の各回路定数を設定するとよい。
本実施形態では、点灯開始直後には発振周波数faが高いため冷陰極放電管CCFLには定格管電流以上の比較的大きな管電流が流れ、冷陰極放電管CCFLを急速に加熱することで冷陰極放電管CCFL内部の水銀蒸気圧が急速に高まり、冷陰極放電管CCFLの輝度の立ち上がりを早めることができる。
その後、双方向制御整流素子TR1がゲート制御回路CONT1のゲート信号によってオンし、発振周波数が低下して周波数fbになった結果、バラストコンデンサC2のインピーダンスが大きくなり、冷陰極放電管CCFLに流れる管電流が減少し、所望の定格管電流となり所望の輝度に達する。
次に、図1に示す冷陰極放電管用インバータ回路の輝度の立ち上がり特性の状態を、図2、図3を参照して説明する。
図2は、冷陰極放電管CCFLに定格電流を流した場合の冷陰極放電管CCFLの輝度の変化と、冷陰極放電管CCFLに定格電流よりも大きい電流を流した場合の冷陰極放電管CCFLの輝度の変化と、各々の管電流の場合の冷陰極放電管CCFLの管温度の時間的な変化とを表す特性図である。
図2のグラフの横軸は時間T(単位:分)を示し、グラフの左方の左側の縦軸は冷陰極放電管CCFLの温度上昇の時間的変化を示し、グラフの左方の右側の縦軸は冷陰極放電管CCFLの相対輝度を示す。
図中の実線で示す曲線Aは冷陰極放電管CCFLの管電流が定格電流よりも大きい場合の冷陰極放電管CCFLの輝度の立ち上がり・変化を示し、破線で示す曲線Bは冷陰極放電管CCFLの管電流が定格電流と等しい場合の冷陰極放電管CCFLの輝度の立ち上がり・変化を示し、実線で示す曲線Cは冷陰極放電管CCFLの管電流が定格電流よりも大きい場合の冷陰極放電管CCFLの温度上昇の時間的変化を示し、破線で示す曲線Dは冷陰極放電管CCFLの管電流が定格電流と等しい場合の冷陰極放電管CCFLの温度上昇の時間的変化を示す。
図3は、本実施形態の冷陰極放電管用インバータ回路の冷陰極放電管CCFLの輝度の立ち上がり特性および冷陰極放電管CCFLの温度上昇の時間的変化と、従来の冷陰極放電管用インバータ回路の冷陰極放電管CCFLの輝度の立ち上がり特性および冷陰極放電管CCFLの温度上昇の時間的変化とを示す。
図3のグラフの横軸は時間T(単位:分)を示し、グラフの左方の左側の縦軸は冷陰極放電管CCFLの温度上昇の時間的変化を示し、グラフの左方の右側の縦軸は冷陰極放電管CCFLの相対輝度を示す。
図中の実線で示す曲線Pは本実施形態の冷陰極放電管用インバータ回路の冷陰極放電管CCFLの輝度の立ち上がり特性を示し、破線で示す曲線Qは従来の冷陰極放電管用インバータ回路の冷陰極放電管CCFLの輝度の立ち上がり特性を示し、実線で示す曲線Rは本実施形態の冷陰極放電管用インバータ回路の冷陰極放電管CCFLの温度上昇の時間的変化を示し、破線で示す曲線Sは従来の冷陰極放電管用インバータ回路の冷陰極放電管CCFLの温度上昇の時間的変化を示す。
ここでいう冷陰極放電管CCFLの相対輝度は、一般に従来の冷陰極放電管用インバータ回路の電源スイッチSWを閉じた(図2、図3中、SW ONと表示した時間T=0)後、点灯開始後の一定時間(図2、図3中に、T100で示した時間で、例えば3分)経過後の冷陰極放電管CCFLの輝度を100%としてこの100%の輝度を基準として相対的に定義され、また、ここで言う冷陰極放電管CCFLの輝度の立ち上がり時間は、点灯開始から相対輝度90%に達するまでの時間(図2、図3中、時間T90で示した時間)で定義される。
先ず図2を見ると、曲線Aは、曲線Bよりも冷陰極放電管CCFLの輝度立ち上がり速度が速いことが分かる。これは、冷陰極放電管CCFLを流れる管電流が、曲線Bの場合よりも曲線Aの場合の方が大きいことに対応している。すなわち、冷陰極放電管CCFLを流れる管電流が大きいほど、輝度立ち上がり速度が速く、ある一定の輝度に達するまでの時間が短いことが分かる。
また、曲線Cは、曲線Dよりも冷陰極放電管CCFLの温度上昇が速いことが分かる。これは、冷陰極放電管CCFLを流れる管電流が、曲線Dの場合よりも曲線Cの場合の方が大きいことに対応している。すなわち、冷陰極放電管CCFLを流れる管電流が大きいほど冷陰極放電管CCFLの温度上昇が速くなる傾向にあることが分かる。
次に図3を見ると、曲線Pは、曲線Qよりも冷陰極放電管CCFLの輝度立ち上がり速度が速く、図3中に示すように冷陰極放電管CCFLの輝度立ち上がり時間が時間T90から時間T90‘に短縮されていることが読み取れ、本実施形態の冷陰極放電管用インバータ回路により輝度立ち上がり時間の改善効果が得られていることが分かる。
また、曲線Rは、曲線Sよりも冷陰極放電管CCFLの温度上昇が速いことが分かる。これは、冷陰極放電管CCFLを流れる管電流が、図3中に示した時間T1までの時間、従来の冷陰極放電管用インバータ回路の曲線Dの場合より大きい管電流を流していることに対応している。
この冷陰極放電管CCFLの点灯開始時点から時間T1までに本実施形態の冷陰極放電管CCFLに流れる管電流は、図1で説明したように、双方向制御整流素子TR1がオフしており、共振コンデンサC1bは回路から切り離され共振コンデンサC1aのみが共振していることによって、冷陰極放電管用インバータ回路の自励発振の周波数が周波数faと高くなって、冷陰極放電管CCFLに流れる管電流が大きくなっていることによる温度上昇の改善を意味している。
すなわち、本実施形態の冷陰極放電管用インバータ回路は、従来の冷陰極放電管用インバータ回路例によって定格管電流を流し続けた場合よりも放電管の温度上昇速度や輝度上昇速度が大きくなることが分かる。
なお、時間T1の時点以降は双方向制御整流素子TR1がオンするため、共振コンデンサC1bはC1aに並列接続される。この接続によって冷陰極放電管用インバータ回路の自励発振の周波数fbが低下し、管電流値も定格電流まで低下する。
したがって時間T1以降は、従来の冷陰極放電管用インバータ回路例で定格電流を流した場合と同じ温度上昇速度と輝度上昇速度になるが、本実施形態の冷陰極放電管用インバータ回路は、時間T1までに定格電流よりも大きい管電流を流したことにより急速に輝度と温度が上昇したため輝度の立ち上がり時間は短縮される。
冷陰極放電管CCFLの輝度は管内の水銀蒸気圧が高くなることで上昇し、この水銀蒸気圧は冷陰極放電管の温度上昇に伴って上昇することが分かっている。冷陰極放電管CCFLの管の温度は管電流が大きいほど早く上昇し、この管電流は冷陰極放電管用インバータ回路の発振周波数が高いほど大きくなることから、点灯直後には冷陰極放電管用インバータ回路の発振周波数を高くすることで定格管電流を超える比較的大きい管電流を冷陰極放電管に流して急速に放電管の温度を上昇させ、その後インバータの発振周波数を低下させて所望の定格管電流となるように制御することができる。
以上説明した冷陰極放電管用インバータ回路により、次に示すような優れた効果を得られる。
(1)冷陰極放電管用インバータ回路は、冷陰極放電管の点灯初期には冷陰極放電管の定格管電流よりも大きい管電流を流して急速に放電管を暖めて輝度を上昇させ、その後管電流を定格電流まで減少させているので立ち上がり時間を短縮できる。
(2)冷陰極放電管用インバータ回路は、構成部品として一般に広く製品化され用いられている安価な双方向制御整流素子を主要な構成要素としているため簡単な回路構成で安価かつ小型に実現できることである。
(3)冷陰極放電管用インバータ回路に用いられる双方向制御整流素子は、T1(図3参照)時点以外はスイッチング動作をしないため、ノイズをほとんど発生させない。
(4)冷陰極放電管用インバータ回路は、冷陰極放電管の点灯初期には定常時よりも大きい電力で冷陰極放電管を駆動するため、低温時の安定放電を開始しにくい状況下であっても、安定して冷陰極放電管の点灯を開始することができる。
(5)冷陰極放電管用インバータ回路は、上記に上げた効果を電力損失をほとんど発生させずに実現できる。
なお、本回路は冷陰極放電管の点灯回路として用いられるロイヤー回路に限定するものではなく、キセノン放電管等の放電灯の点灯回路に用いられるロイヤー回路や類似した回路にも適用できる。
また、実施の形態や従来回路例には、バラストコンデンサC2で放電管に流れる冷陰極管電流を制限する回路の形態を示したが、バラストコンデンサC2を用いず共振トランスTFに漏洩インダクタンスを持たせることによって放電管に流れる管電流を制限するロイヤー回路にも同様の効果が得られる。
さらに、本発明の冷極放電管用インバータ回路の本質は、従来のロイヤー方式の回路に、放電管点灯初期の立ち上がり時間を短縮するゲート信号発生・タイマー回路CONT1と、双方向制御整流素子TR1と、双方向制御整流素子TR1に直列接続される共振コンデンサC1bとを配置・接続したことにあり、実施例では図1に示した位置に配置・接続したが、同様の効果を得られる配置・接続であれば、図1の構成にのみ限定されるものではなく、また構成部品も同様の動作をし、同様の効果を得られるものであれば図1の構成部品にのみ限定されるものではないし、同様の冷陰極放電管であるキセノン管などに使用することも可能である。
また、トランジスタQ1、Q2は、バイポーラ型のNPNタイプのトランジスタに限定されず、他の素子も含めて同様の動作をする素子であればよい。
本実施形態の冷陰極放電管用インバータ回路の構成例を示すブロック図である。 本実施形態の冷陰極放電管用インバータ回路の管電流による輝度立ち上がり特性の変化を説明する図である。 本実施形態の冷陰極放電管用インバータ回路の輝度立ち上がり時間の改善短縮効果を示す図である。 従来の冷陰極放電管の点灯に用いられる冷陰極放電管用インバータ回路の構成例を示すブロック図である。 従来の冷陰極放電管用インバータ回路例の輝度立ち上がり特性および温度上昇を示す特性図である。 輝度立ち上がり特性を改善した従来の冷陰極放電管用インバータ回路の構成例を示すブロック図である。 輝度立ち上がり特性を改善した従来の冷陰極放電管用インバータ回路の他の構成例を示すブロック図である。
符号の説明
C1 共振コンデンサ
C1a 共振コンデンサ
C1b 共振コンデンサ
C2 バラストコンデンサ
CCFL 冷陰極放電管(放電管)
CONT1 ゲート信号発生・タイマー回路
CONT2 PWM制御回路
CONT3 オン/オフ制御回路
D1 フライホイールダイオード
G 双方向制御整流素子のゲート端子
IC1 3端子レギュレータ
L1 チョークコイル
W1 共振トランスの一次側巻線コイル
W2 共振トランスの二次側巻線コイル
W3 共振トランスの一次側巻線コイル
Q1、Q2、Q4 トランジスタ
Q3 スイッチングトランジスタ
R1、R2 抵抗
SW 電源スイッチ
T1 時間
T90 立ち上がり時間
T100 相対輝度100%の時間
TF 共振トランス(発振トランス)
TR1 双方向制御整流素子
Vcc 電源

Claims (2)

  1. 放電管を点灯させるロイヤー方式の冷陰極放電管用インバータ回路であって、
    直流の電源と、電圧を変換させる共振トランスと、互いに交互にオン/オフするトランジスタと、前記共振トランスを共振させる共振コンデンサと、前記トランジスタにベース電流を供給する抵抗と、チョークコイルと、共振トランスに接続される前記放電管と、前記放電管に流れる電流を制限するバラストコンデンサと、前記電源をオン/オフさせる電源スイッチと、
    前記放電管の点灯初期にゲート制御信号を発生するゲート信号発生・タイマー回路と、前記ゲート信号によりオン/オフする双方向制御整流素子と、前記共振トランスを共振させる他の共振コンデンサと
    で構成されることを特徴とする冷陰極放電管用インバータ回路。
  2. 前記他の共振コンデンサが、前記双方向制御整流素子に直列接続され、この前記他の共振コンデンサと前記双方向制御整流素子とが、前記共振コンデンサと並列接続される請求項1記載の冷陰極放電管用インバータ回路。
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