JP2006260806A - 電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 負荷特性、低温特性およびサイクル特性などの電池特性を向上させることができる電池を提供する。
【解決手段】 正極13と負極14とを電解質層15およびセパレータ16を介して積層し、巻回した電池素子10を有する。電解質15は、γ−ブチロラクトンなどの環式カルボン酸エステルを含む電解液と、高分子化合物とを含んでいる。セパレータ16の透気度は、40s/100ml〜200s/100ml以下の範囲内とされている。セパレータ16の透気度を小さくすることにより、溶媒にγ−ブチロラクトンを用いても高いサイクル特性を得ることができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、正極と負極とがセパレータおよび電解質を介して対向配置された電池に関する。
近年、携帯型電子機器が次々と開発されており、その電源として二次電池が重要な位置を占めるようになっている。特に最近では、携帯型電子機器の小型化および軽量化が進められており、それに伴い二次電池に対しても、機器内の収納スペースに応じるように小型であること、また機器の重量を極力増やさないように軽量であることが求められている。
このような要求に応える二次電池としては、リチウムイオン二次電池などがあり、電解液を高分子化合物に保持させたいわゆるゲル状の電解質を備えたものも実用化されている(例えば、特許文献1参照)。このようにゲル状の電解質を備えたリチウムイオン二次電池では、液漏れの心配がなく、また、外装部材としてアルミラミネートフィルムを用いることができ、形状の自由度を高めることができると共に小型化あるいは軽量化を実現することができる。
特開2001−167797号公報
しかしながら、フィルム状の外装部材を用いる場合には、金属缶の外装部材と異なり、電池内でガスが発生すると膨れてしまうという問題があった。よって、電解液の溶媒に、粘性が小さく沸点が低い直鎖状の炭酸エステルを用いると、膨れの原因となりやすいので好ましくない。また、環状の炭酸エステルは、沸点が高く膨れの原因となりにくいので好ましいが、低温特性に劣るという問題がある。そこで、沸点が比較的高く、低粘性高誘電率でもあるγ−ブチロラクトンなどの環式カルボン酸エステルを用いることも考えられるが、サイクル特性が悪いという問題があった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、負荷特性、低温特性およびサイクル特性を向上させることができる電池を提供することにある。
本発明の電池は、正極と負極とがセパレータおよび電解質を介して対向配置されたものであって、電解質は、環式カルボン酸エステルを含む電解液と、高分子化合物とを含み、セパレータの透気度は、40s/100ml以上200s/100ml以下の範囲内のものである。
本発明の電池によれば、電解液に環式カルボン酸エステルを含むと共に、セパレータの透気度を40s/100ml以上200s/100ml以下の範囲内とするようにしたので、正極と負極との間におけるイオン伝導性を向上させることができ、負荷特性、低温特性およびサイクル特性を向上させることができる。また、セパレータの透気度を小さくすると、過充電時および加熱時に電池温度が上昇しやすいが、本発明では電解液に環式カルボン酸エステルを含んでいるので、電池温度の上昇が抑えられ、高い安全性を得ることができる。
特に、正極側と負極側とをあわせた電解質の面積密度を、2.0mg/cm2 以上8.0mg/cm2 以下の範囲内とするようにすれば、より高い効果を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施の形態に係る二次電池の構成を表すものである。この二次電池は、正極リード11および負極リード12が取り付けられた電池素子10をフィルム状の外装部材21の内部に収納した構成を有している。
正極リード11および負極リード12は、それぞれ例えば短冊状であり、外装部材21の内部から外部に向かい例えば同一方向にそれぞれ導出されている。正極リード11は、例えばアルミニウム(Al)などの金属材料により構成されており、負極リード12は、例えばニッケル(Ni)などの金属材料により構成されている。
外装部材21は、例えば、絶縁層、金属層および最外層をこの順に積層しラミネート加工などにより貼り合わせた構造を有している。外装部材21は、例えば、絶縁層の側を内側として、各外縁部が融着あるいは接着剤により互いに密着されている。
絶縁層は、例えば、ポリエチレン,ポリプロピレン,変性ポリエチレン,変性ポリプロピレンあるいはこれらの共重合体などのポリオレフィン樹脂により構成されている。水分透過性を低くすることができ、気密性に優れているからである。金属層は、箔状あるいは板状のアルミニウム, ステンレス,ニッケルあるいは鉄(Fe)などにより構成されている。最外層は、例えば絶縁層と同様の樹脂により構成されていてもよいし、ナイロンなどにより構成されていてもよい。破れや突き刺し等に対する強度を高くすることができるからである。外装部材21は、絶縁層、金属層および最外層以外の他の層を備えていてもよい。
外装部材21と正極リード11および負極リード12との間には、正極リード11および負極リード12と、外装部材21の内側との密着性を向上させ、外気の侵入を防止するための密着フィルム22が挿入されている。密着フィルム22は、正極リード11および負極リード12に対して密着性を有する材料により構成され、例えば、正極リード11および負極リード12が上述した金属材料により構成される場合には、ポリエチレン,ポリプロピレン,変性ポリエチレンあるいは変性ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂により構成されることが好ましい。
図2は、図1に示した電池素子10のI−I線に沿った断面構造を表すものである。電池素子10は、正極13と負極14とを電解質15およびセパレータ16を介して積層し、巻回したものであり、最外周部は保護テープ17により保護されている。
正極13は、例えば、正極集電体13Aと、この正極集電体13Aの両面に設けられた正極活物質層13Bとを有している。正極集電体13Aは、例えば、アルミニウム箔などの金属箔により構成されており、一端部に正極リード11が取り付けられている。
正極活物質層13Bは、例えば、正極活物質として、リチウム(Li)を吸蔵および放出することが可能な正極材料のいずれか1種または2種以上を含んでおり、必要に応じて炭素材料などの導電剤およびポリフッ化ビニリデンあるいはポリテトラフルオロエチレンなどの結着剤を含んでいてもよい。リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、例えば、リチウムと遷移金属とを含むリチウム複合酸化物あるいはリチウムリン酸化合物が好ましい。これらは高電圧を発生可能であると共に、高密度であるため、高容量化を図ることができるからである。
リチウム複合酸化物としては、遷移金属として、コバルト(Co),ニッケル,マンガン(Mn),鉄,バナジウム(V)、チタン(Ti)、クロム(Cr)および銅(Cu)からなる群のうちの少なくとも1種を含むものが好ましく、特に、コバルト,ニッケルおよびマンガンからなる群のうちの少なくとも1種を含むものがより好ましい。このようなリチウム複合酸化物の具体例としては、LiCoO2 ,LiNiO2 ,LiMn2 4 あるいはLiNi0.5 Co0.5 2 などが挙げられる。リチウムリン酸化合物としては、例えばLiFePO4 あるいはLiFe0.5 Mn0.5 PO4 が挙げられる。
負極14は、例えば、正極13と同様に、負極集電体14Aと、この負極集電体14Aの両面に設けられた負極活物質層14Bとを有している。負極集電体14Aは、例えば、銅箔などの金属箔により構成されており、一端部に負極リード12が取り付けられている。
負極活物質層14Bは、例えば、負極活物質として、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料のいずれか1種または2種以上を含んでおり、必要に応じてポリフッ化ビニリデンあるいはスチレンブタジエンゴムなどの結着剤を含んでいてもよい。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、黒鉛,難黒鉛化性炭素あるいは易黒鉛化炭素などの炭素材料が挙げられる。炭素材料には、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよく、また、平均粒子径の異なる2種以上を混合して用いてもよい。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、また、リチウムと合金を形成可能な金属元素または半金属元素を構成元素として含む材料が挙げられる。具体的には、リチウムと合金を形成可能な金属元素の単体,合金,あるいは化合物、またはリチウムと合金を形成可能な半金属元素の単体,合金,あるいは化合物、またはこれらの1種あるいは2種以上の相を少なくとも一部に有する材料が挙げられる。
このような金属元素あるいは半金属元素としては、例えば、スズ(Sn),鉛(Pb),アルミニウム,インジウム(In),ケイ素(Si),亜鉛(Zn),アンチモン(Sb),ビスマス(Bi),カドミウム(Cd),マグネシウム(Mg),ホウ素(B),ガリウム(Ga),ゲルマニウム(Ge),ヒ素(As),銀(Ag),ジルコニウム(Zr),イットリウム(Y)またはハフニウム(Hf)が挙げられる。中でも、長周期型周期表における14族の金属元素あるいは半金属元素が好ましく、特に好ましいのはケイ素あるいはスズである。ケイ素およびスズはリチウムを吸蔵および放出する能力が大きく、高いエネルギー密度を得ることができるからである。
ケイ素の合金としては、例えば、ケイ素以外の第2の構成元素として、スズ,ニッケル,銅,鉄,コバルト,マンガン,亜鉛,インジウム,銀,チタン(Ti),ゲルマニウム,ビスマス,アンチモンおよびクロムからなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。スズの合金としては、例えば、スズ以外の第2の構成元素として、ケイ素,ニッケル,銅,鉄,コバルト,マンガン,亜鉛,インジウム,銀,チタン,ゲルマニウム,ビスマス,アンチモンおよびクロムからなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。
ケイ素の化合物あるいはスズの化合物としては、例えば、酸素(O)あるいは炭素(C)を含むものが挙げられ、ケイ素またはスズに加えて、上述した第2の構成元素を含んでいてもよい。
電解質15は、電解液と、この電解液を保持する高分子化合物とを含み、いわゆるゲル状となっている。電解質15は、例えば、正極13とセパレータ16との間、および負極14とセパレータ16との間にそれぞれ設けられており、電解液は正極13、負極14およびセパレータ16にそれぞれ含浸している。
電解液は、電解質塩と、この電解質塩を溶解する溶媒とを含んでいる。電解質塩としては、例えば、LiClO4 ,LiPF6 ,LiBF4 ,LiN(SO2 CF3 2 ,LiN(SO2 2 5 2 ,あるいはLiAsF6 などのリチウム塩が挙げられる。電解質塩にはいずれか1種を用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもよい。
溶媒は、γ−ブチロラクトン,γ−ヴァレロラクトン,δ−ヴァレロラクトンあるいはε−カプロラクトンなどの環式カルボン酸エステルを含んでいる。沸点が比較的高く、低粘性高誘電率でもあるので、電池の膨れを抑えつつ、負荷特性および低温特性を向上させることができるからである。環式カルボン酸エステルは、1種を単独で用いてもよく、複数種を混合して用いてもよい。
また、溶媒は、環式カルボン酸エステルのみにより構成するようにしてもよいが、他の1種または2種以上の材料と混合して用いてもよい。他の材料としては、例えば、炭酸エチレン,炭酸プロピレン,炭酸ブチレン,炭酸ビニレン,炭酸ジメチル,炭酸エチルメチルあるいは炭酸ジエチルなどの炭酸エステル系溶媒、1,2−ジメトキシエタン,1−エトキシ−2−メトキシエタン,1,2−ジエトキシエタン,テトラヒドロフランあるいは2−メチルテトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、アセトニトリルなどのニトリル系溶媒、スルフォラン系溶媒、リン酸類、リン酸エステル溶媒、またはピロリドン類などの非水溶媒が挙げられる。但し、溶媒における環式カルボン酸エステルの割合は、20質量%以上とすることが好ましい。環式カルボン酸エステルを用いる効果を十分得ることができないからである。
高分子化合物は、溶媒を吸収してゲル化するものであればよく、例えば、ポリフッ化ビニリデンあるいはビニリデンフルオロライドとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体などのフッ素系高分子化合物、ポリエチレンオキサイドあるいはエチレンオキサイドを含む架橋体などのエーテル系高分子化合物、アクリロニトリル、プロピレンオキサイドあるいはメタクリル酸メチルを繰返し単位として含むものなどが挙げられる。高分子化合物には、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
特に、酸化還元安定性の点からは、フッ素系高分子化合物が望ましく、中でも、ビニリデンフルオライドとヘキサフルオロプロピレンとを成分として含む共重合体が好ましい。更に、この共重合体は、モノメチルマレイン酸エステルなどの不飽和二塩基酸のモノエステル、三フッ化塩化エチレンなどのハロゲン化エチレン、炭酸ビニレンなどの不飽和化合物の環式炭酸エステル、またはエポキシ基含有アクリルビニルモノマーなどを成分として含んでいてもよい。より高い特性を得ることができるからである。ビニリデンフルオライドに共重合させる成分の共重合量、例えば、ヘキサフルオロプロピレン、不飽和二塩基酸を有するモノエステル、ハロゲン化エチレン、不飽和化合物の環式炭酸エステルおよびエポキシ基含有アクリルビニルモノマーを合計した共重合量は、共重合体全体に対して、3質量%以上20質量%以下であることが好ましい。これよりも少ないと共重合体の合成が困難であり、これよりも多いと共重合体の電気化学的安定性が低下し、電池特性が低下してしまうからである。
電解質15の面積密度は、正極13の側と負極14の側とを合計して、2.0mg/cm2 以上8.0mg/cm2 以下の範囲内であることが好ましい。面積密度が小さいと、負荷特性、低温特性およびサイクル特性は向上するものの、過充電時および加熱時における温度上昇が大きくなってしまい、逆に面積密度が大きいと、過充電時および加熱時における温度上昇は抑制することができるものの、負荷特性、低温特性およびサイクル特性が低下してしまうからである。
セパレータ16は、電気的に安定であると共に、正極活物質,負極活物質あるいは溶媒に対して化学的に安定であり、かつ電気伝導性を有していなければどのようなものを用いてもよい。例えば、高分子の不織布,多孔質フィルム,ガラスあるいはセラミックスの繊維を紙状にしたものを用いることができ、これらを複数積層して用いてもよい。特に、多孔質ポリオレフィンフィルムを用いることが好ましく、これをポリイミド,ガラスあるいはセラミックスの繊維などよりなる耐熱性の材料と複合させたものを用いてもよい。
セパレータ16の透気度は、40s/100ml以上200s/100ml以下の範囲内となっている。セパレータ16の透気度を小さくすることにより、溶媒に環式カルボン酸エステルを用いてもサイクル特性を向上させることができるからである。また、セパレータ16の透気度を小さくすると、過充電時および加熱時における温度上昇が大きくなるという問題があるが、溶媒に環式カルボン酸エステルを含むことにより温度の上昇を抑制することもできるからである。但し、小さくし過ぎると、過充電時および加熱時における温度上昇が大きくなるので、40s/100ml程度は必要である。なお、セパレータ16の透気度は、JIS K7126に規定されている方法により測定する。
このような構成を有する二次電池は、例えば次のようにして製造することができる。
まず、例えば、正極集電体13Aに正極活物質層13Bを形成し正極13を作製する。正極活物質層13Bは、例えば、正極活物質の粉末と導電材と結着材とを混合して正極合剤を調製したのち、この正極合剤をN−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させてペースト状の正極合剤スラリーとし、この正極合剤スラリーを正極集電体13Aに塗布し乾燥させ、圧縮成型することにより形成する。また、例えば、正極13と同様にして、負極集電体14Aに負極活物質層14Bを形成し負極14を作製する。次いで、正極集電体13Aに正極端子11を取り付けると共に、負極集電体14Aに負極端子12を取り付ける。
続いて、電解液と、高分子化合物とを、混合溶剤を用いて混合し、この混合溶液を正極活物質層13Bの上、および負極活物質層14Bの上に塗布し、混合溶剤を揮発させて、電解質15を形成する。次いで、正極13、セパレータ16、負極14、およびセパレータ16を順に積層して巻回し、最外周部に保護テープ17を接着して電池素子10を形成したのち、外装部材21の間に挟み込み、外装部材21の外周縁部を熱融着する。その際、正極リード11および負極リード12と外装部材21との間には密着フィルム22を挿入する。これにより図1,2に示した二次電池が得られる。
この二次電池では、充電を行うと、正極13からリチウムイオンが放出され、電解質15およびセパレータ16を介して負極14に吸蔵される。放電を行うと、例えば、負極14からリチウムイオンが放出され、電解質15およびセパレータ16を介して正極13に吸蔵される。その際、電解質15には環式カルボン酸エステルが含まれ、セパレータ16の透気度が40s/100ml以上200s/100ml以下の範囲内となっているので、イオン伝導性が向上すると共に、充放電を繰り返しても容量の低下が抑制され、かつ、過充電時および加熱時における温度上昇が抑制される。
このように本実施の形態によれば、電解質15に環式カルボン酸エステルを含むと共に、セパレータ16の透気度を上記範囲内とするようにしたので、正極13と負極14との間におけるイオン伝導性を向上させることができ、負荷特性、低温特性およびサイクル特性を向上させることができる。また、セパレータ16の透気度を小さくすると過充電時および加熱時に電池温度が上昇しやすいが、電解質15に環式カルボン酸エステルを含むことにより抑制されるので、高い安全性を得ることができる。
特に、溶媒における環式カルボン酸エステルの含有量を20質量%以上とするようにすれば、または、電解質15の面積密度を、正極13の側と負極14の側とを合計して、2.0mg/cm2 以上8.0mg/cm2 以下の範囲内とするようにすれば、より高い効果を得ることができる。
更に、本発明の具体的な実施例について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施例1−1〜1−7)
まず、正極活物質としてコバルト酸リチウム(LiCoO2 )92質量%と、結着剤として粉末状ポリフッ化ビニリデン3質量%と、導電剤として粉末状黒鉛5質量%とを、溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンを用いて混練し、正極合剤スラリーを作製した。次いで、正極合剤スラリーをアルミニウム箔よりなる正極集電体13Aの両面に均一に塗布し、乾燥させたのち、減圧状態において乾燥させた。続いて、ロールプレス機で圧縮成型して正極活物質層13Bを形成し、正極13を作製した。そののち、正極13の端部にアルミニウムリボンよりなる正極リード11を溶接した。
また、負極活物質としてメソフェーズ系球状黒鉛90質量%と、結着剤として粉末状ポリフッ化ビニリデン10質量%とを、溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンを用いて混練し、負極合剤スラリーを作製した。次いで、負極合剤スラリーを銅箔よりなる負極集電体14Aの両面に均一に塗布し、乾燥させたのち、減圧状態において乾燥させた。続いて、ロールプレス機で圧縮成型して負極活物質層14Bを形成し、負極14を作製した。そののち、負極14の端部にニッケルリボンよりなる負極リード12を溶接した。
次いで、炭酸エチレン35質量%と、環式カルボン酸エステルであるγ−ブチロラクトン65質量%とを混合した溶媒に、電解質塩としてLiPF6 を1mol/lの濃度で溶解し、電解液を調製した。続いて、この電解液と、ポリフッ化ビニリデンとを、混合溶剤を用いて混合したのち、正極13および負極14の表面にそれぞれ塗布し、混合溶剤を揮発させてゲル状の電解質15を形成した。
そののち、電解質15を形成した正極13と負極14とを、多孔質ポリエチレンフィルムよりなるセパレータ16を介して積層し、扁平巻回して電池素子10を形成し、アルミラミネートフィルムよりなる外装部材21の内部に収納した。その際、実施例1−1〜1−7で、セパレータ16の透気度を50s/100ml〜190s/100mlの範囲内で変化させた。これにより、図1,2に示した二次電池を得た。
実施例1−1〜1−7に対する比較例1−1〜1−6として、セパレータの透気度を30s/100ml、または210s/100ml以上としたことを除き、他は実施例1−1〜1−7と同様にして二次電池を作製した。比較例1−7,1−8として、電解液の溶媒にγ−ブチロラクトンを用いず、炭酸エチレンのみを用い、セパレータの透気度を150s/100ml、または300s/100mlとしたことを除き、他は実施例1−1〜1−7と同様にして二次電池を作製した。
作製した実施例1−1〜1−7および比較例1−1〜1−8の二次電池について充放電を行い、負荷特性、低温特性およびサイクル特性を評価した。また、過充電試験および加熱試験も行い、電池温度の上昇を測定した。それらの結果を表1および図3,4に示す。
なお、負荷特性は、23℃において電流0.2C、終止電圧3Vで定電流放電を行った時の放電容量と、23℃において電流3C、終止電圧3Vで定電流放電を行った時の放電容量とから、式1により求めた。その際、充電は、23℃において上限電圧4.2V、電流1Cで充電時間の総計が3時間に達するまで定電流定電圧充電を行った。なお、0.2Cは理論容量を5時間で放電しきる電流値であり、3Cは理論容量を20分で放電しきる電流値であり、1Cは理論容量を1時間で放電しきる電流値である。
(式1)
負荷特性(%)=(電流3Cでの放電容量/電流0.2Cでの放電容量)×100
低温特性は、23℃において電流0.5C、終止電圧3Vで定電流放電を行った時の放電容量と、−20℃において電流0.5C、終止電圧3Vで定電流放電を行った時の放電容量とから、式2により求めた。その際、充電は、23℃において上限電圧4.2V、電流1Cで充電時間の総計が3時間に達するまで定電流定電圧充電を行った。なお、0.5Cは理論容量を2時間で放電しきる電流値である。
(式2)
低温特性(%)=(−20℃での放電容量/23℃での放電容量)×100
サイクル特性は、23℃において上限電圧4.2V、電流1Cで充電時間の総計が3時間に達するまで定電流定電圧充電を行ったのち、23℃において電流1C、終止電圧3Vで定電流放電を行い、1サイクル目の放電容量と、500サイクル目の放電容量とから、式3により求めた。
(式3)
サイクル特性(%)
=(1サイクル目の放電容量/500サイクル目の放電容量)×100
過充電試験では、電池を充電装置と接続して23℃の恒温槽に投入し、1C、12Vで2.5時間に渡り電流を流し続け、電池温度の変化を調べた。加熱試験では、4.2Vに充電した電池を150℃の恒温槽に投入して10分間放置し、電池温度の変化を調べた。
Figure 2006260806
表1および図3,4に示したように、セパレータ16の透気度を小さくするに従い、負荷特性、低温特性およびサイクル特性は向上する傾向が見られた。また、セパレータの透気度を30s/100mlとした比較例1−1では、過充電試験および加熱試験における温度上昇が著しかった。更に、溶媒にγ−ブチロラクトンを用いていない比較例1−7,1−8では、サイクル特性は高いものの、負荷特性および低温特性は低く、セパレータの透気度を小さくした比較例1−7では、過充電試験および加熱試験における温度上昇も大きかった。
すなわち、電解質15に環式カルボン酸エステルを含むと共に、セパレータ16の透気度を40s/100ml以上200s/100ml以下の範囲内とするようにすれば、負荷特性、低温特性およびサイクル特性を向上させることができると共に、過充電時および加熱時における電池温度の上昇を抑制することができることが分かった。
(実施例2−1〜2−5)
溶媒における炭酸エチレンとγ−ブチロラクトンとの割合を表2に示したように変化させたことを除き、他は実施例1−5と同様にして二次電池を作製した。セパレータ16の透気度は150s/100mlである。作製した実施例2−1〜2−5の二次電池ついても、実施例1−5と同様にして、負荷特性、低温特性、サイクル特性、過充電試験および加熱試験を評価した。これらの結果を実施例1−5および比較例1−7の結果と共に表2および図5に示す。
Figure 2006260806
表2および図5に示したように、γ−ブチロラクトンの含有量を少なくするとサイクル特性は向上するものの、負荷特性および低温特性は低下し、過充電試験および加熱試験における温度上昇も大きくなる傾向が見られ、γ−ブチロラクトンの含有量が20質量%未満において著しい特性の低下が見られた。すなわち、環式カルボン酸エステルの溶媒における含有量は、20質量%以上とすることが好ましことが分かった。
(実施例3−1〜3−3)
環式カルボン酸エステルとしてγ−ブチロラクトンに代えてγ−ヴァレロラクトンを用いたことを除き、他は実施例1−1〜1−7と同様にして二次電池を作製した。セパレータ16の透気度は、実施例3−1が50s/100ml、実施例3−2が150s/100ml、実施例3−3が190s/100mlである。また、実施例3−1〜3−3に対する比較例3−1,3−2として、セパレータの透気度を30s/100ml、または210s/100mlとしたことを除き、他は実施例3−1〜3−3と同様にして二次電池を作製した。
作製した実施例3−1〜3−3および比較例3−1,3−2の二次電池ついても、実施例1−1〜1−7と同様にして、負荷特性、低温特性、サイクル特性、過充電試験および加熱試験を評価した。これらの結果を比較例1−7,1−8の結果と共に表3に示す。
Figure 2006260806
表3に示したように、溶媒にγ−ヴァレロラクトンを用い、セパレータ16の透気度を所定の範囲内とした実施例3−1〜3−3によれば、実施例1−1〜1−7と同様に、負荷特性、低温特性およびサイクル特性を向上させることができ、過充電試験および加熱試験における温度上昇も抑制することができた。すなわち、他の環式カルボン酸エステルを用いても、同様の効果を得られることが分かった。
(実施例4−1〜4−4)
実施例4−1〜4−3では、電解質15における高分子化合物の種類を変えたことを除き、他は実施例1−5と同様にして二次電池を作製した。高分子化合物には、実施例4−1ではポリエチレンオキシドを用い、実施例4−2ではポリアクリロニトリルを用い、実施例4−3ではポリメタクリル酸メチルを用いた。実施例4−4では、セパレータ16をポリエチレンとポリプロピレンとにより構成したことを除き、他は実施例1−5と同様にして二次電池を作製した。実施例4−1〜4−4のいずれも、電解液の溶媒は炭酸エチレン35質量%とγ−ブチロラクトン65質量%との混合物であり、セパレータ16の透気度は150s/100mlである。
作製した実施例4−1〜4−4の二次電池ついても、実施例1−5と同様にして、負荷特性、低温特性、サイクル特性、過充電試験および加熱試験を評価した。これらの結果を実施例1−5の結果と共に表4に示す。
Figure 2006260806
表4に示したように、実施例4−1〜4−4のいずれについても、実施例1−5と同等の結果が得られた。すなわち、電解質15に他の高分子化合物を用いても、また、セパレータ16を他の材料により構成するようにしても、同様の効果を得られることが分かった。
(実施例5−1〜5−10)
電解質15の塗布量を変えることにより正極13の側と負極14の側とを合計した面積密度を表5に示したように変化させたことを除き、他は実施例1−1〜1−7と同様にして二次電池を作製した。作製した実施例5−1〜5−10の二次電池ついても、実施例1−1〜1−7と同様にして、負荷特性、低温特性、サイクル特性、過充電試験および加熱試験を評価した。これらの結果を表5および図6,7に示す。
Figure 2006260806
表5および図6,7に示したように、電解質15の面積密度を小さくすると負荷特性、低温特性およびサイクル特性は向上するものの、過充電試験および加熱試験における温度上昇が大きくなる傾向が見られ、2.0mg/cm2 〜8.0mg/cm2 の範囲内において高い特性が得られた。すなわち、電解質15の面積密度を2.0mg/cm2 以上8.0mg/cm2 以下の範囲内とすれば、より高い効果を得られることが分かった。
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は実施の形態および実施例に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態および実施例では、電池素子10が巻回されている場合について説明したが、正極と負極とを電解質およびセパレータを介して1層ずつ積層したカード型の電池素子を備える場合、または、2以上の正極と負極とを電解質およびセパレータを介して交互に積層した積層型の電池素子を備える場合、または、正極と負極とを電解質およびセパレータを介して積層しつづら折りにした電池素子を備える場合についても、本発明を同様に適用することができる。
また、上記実施の形態および実施例では、電解質15を正極13および負極14の上に形成したのちに正極13および負極14を巻回して外装部材21に収納する場合について説明したが、正極13および負極14をセパレータ16を介して巻回し、外装部材21の間に挟み込んだのち、電解液と高分子化合物のモノマーとを含む電解質組成物を注入し、外装部材21の内部でモノマーを重合させることにより電解質15を形成するようにしてもよい。
更に、上記実施の形態および実施例では、高分子化合物を電解液の保持体として用いる場合について説明したが、高分子化合物に加えて無機化合物を混合して用いてもよい。
加えて、上記実施の形態および実施例では、電極反応にリチウムを用いる場合を説明したが、ナトリウム(Na)あるいはカリウム(K)などの他のアルカリ金属,またはマグネシウムあるいはカルシウム(Ca)などのアルカリ土類金属、またはアルミニウムなどの他の軽金属、またはリチウムあるいはこれらの合金を用いる場合についても、本発明を適用することができ、同様の効果を得ることができる。その場合、正極活物質, 負極活物質および電解質塩については、その軽金属に応じた物質が用いられる。他は上記実施の形態と同様に構成することができる。
更にまた、本発明は二次電池に限らず、一次電池についても適用することができる。
本発明の一実施の形態に係る二次電池の構成を表す部分断面斜視図である。 図1に示した電池素子のI−I線に沿った構成を表す断面図である。 セパレータの透気度と、負荷特性,低温特性およびサイクル特性との関係を表す特性図である。 セパレータの透気度と、過充電試験および加熱試験の結果との関係を表す特性図である。 環式カルボン酸エステルの含有量と、電池特性との関係を表す特性図である。 電解質の面積密度と、負荷特性,低温特性およびサイクル特性との関係を表す特性図である。 電解質の面積密度と、過充電試験および加熱試験の結果との関係を表す特性図である。
符号の説明
10…電池素子、11…正極リード、12…負極リード、13…正極、13A…正極集電体、13B…正極活物質層、14…負極、14A…負極集電体、14B…負極活物質層、15…電解質、16…セパレータ、17…保護テープ、21…外装部材、22…密着フィルム

Claims (5)

  1. 正極と負極とがセパレータおよび電解質を介して対向配置された電池であって、
    前記電解質は、環式カルボン酸エステルを含む電解液と、高分子化合物とを含み、
    前記セパレータの透気度は、40s/100ml以上200s/100ml以下の範囲内である
    ことを特徴とする電池。
  2. 前記電解質は、前記正極と前記セパレータとの間および前記負極と前記セパレータとの間にそれぞれ設けられており、それらの面積密度は、合計して2.0mg/cm2 以上8.0mg/cm2 以下の範囲内であることを特徴とする請求項1記載の電池。
  3. 前記高分子化合物は、ビニリデンフルオライド、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、アクリロニトリル、またはメタクリル酸メチルの成分を含む重合体を含有することを特徴とする請求項1記載の電池。
  4. 前記高分子化合物は、ビニリデンフルオライドとヘキサフルオロプロピレンとの成分を含む共重合体を含有することを特徴とする請求項1記載の電池。
  5. 前記共重合体は、更に、不飽和二塩基酸を有するモノエステル,エポキシ基含有アクリル酸ビニルモノマー,ハロゲン化エチレンおよび不飽和化合物の環状炭酸エステルからなる群のうち少なくとも1種を成分として含むことを特徴とする請求項4記載の電池。
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