JP2006259481A - 電子写真感光体とそれを用いた画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

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Abstract

【課題】 長期の使用においても高感度と機械的強度を保持し、かつ、画像流れ、耐ガス劣化のない、帯電電位が安定な電子写真感光体と、それを用いた画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供する。
【解決手段】 導電性支持体上に、少なくとも電荷発生層と電荷輸送層とを順次積層してなる電子写真感光体において、該電荷輸送層が少なくとも2つの層からなり、導電性支持体側の構成層中に含有された酸化防止剤の融点が50℃以上90℃未満であり、表面側の構成層に含有される酸化防止剤の融点が90℃以上300℃未満であり、かつ、表面層側の構成層中に数平均一次粒径が3〜150nmである無機微粒子を含有することを特徴とする電子写真感光体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真感光体とそれを用いた画像形成装置及びプロセスカートリッジに関するものである。
近年、電子写真感光体には有機感光体が広く用いられている。有機感光体は可視光から赤外光まで各種露光光源に対応した材料が開発しやすいこと、環境汚染のない材料を選択できること、製造コストが安い事など他の感光体に対して有利な点があるが、欠点としては機械的強度、化学的な耐久性が弱く、多数枚のプリント時に感光体の静電特性の劣化や、表面の傷の発生等を起こしやすい。
即ち、有機感光体(以下単に感光体とも云う)の表面には帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段などにより電気的、機械的な外力が直接加えられるため、それらに対する耐久性が要求される。
具体的には摩擦による感光体表面の摩耗や傷の発生、コロナ帯電時に発生するオゾン等の活性酸素、チッソ酸化物などによる表面の劣化などに対する耐久性が不十分である。
上記のような機械的、化学的耐久性の問題を解決するために、有機感光体はその層構成を電荷発生層と、電荷輸送層の積層構成にし、表面層の電荷輸送層を高強度且つ活性ガスが透過しにくい均一層にし、電荷輸送層の膜厚を20μmより厚くする構成が多く採用されている。
これまで、電荷輸送層を薄膜化し、静電潜像の拡散を防止する有機感光体は既に特開平5−119503号等で提案されている。しかしながら、これらの提案された有機感光体は、感光体の耐久性、及び高画質化の要求に対して、尚十分な解決とはなり得ていない。
有機感光体の耐摩耗特性を改良する方法としては、前記した硬化性シリコーン樹脂を用いる保護層等の他に、特開昭56−117245号、同63−91666号及び特開平1−205171号の各公報等で、感光体の最表面層にシリカ粒子を含有せしめ、感光体表面の機械的強度を高め、耐久性を向上せしめることができるとの記載がされている。更に特開昭57−176057号、又は同61−117558号等の各公報並びに特許文献1には前記シリカ粒子をシランカップリング剤等で処理して成る疎水性シリカ粒子を感光体の最表面層に含有せしめ、感光体の機械的強度を高めると共に潤滑性を付与すると高耐久性の感光体が得られることが記載されている。
しかしながら、これらの耐摩耗性改良技術は、繰り返し画像形成を行い、多数枚の複写画像を形成すると、画像品質、特に鮮鋭性が低下する傾向が見られる。
電荷輸送層中に酸化防止剤を添加する方法も多年の検討が成されている(例えば特許文献2参照)。
さらに、感光体としての帯電特性を高く保ちながら、電荷輸送層表面の物理的強度を上げるため、電荷輸送層を複層化する試みも多数の事例がある(例えば特許文献3参照)。
これらは、有機感光体の特性を改善するのに有効であったが、今日、有機感光体に対する性能向上の要求レベルは高く、その意味では十分な特性とはいえなかった。
一方、デジタル画像で高解像度の画像形成のためには、感光体表面に形成された静電潜像に正確にトナーが付着し、デジタルのドット潜像を正確に顕像化することが必要である。即ち、有機感光体の表面にトナーを飛散させないで、静電潜像を忠実に再現するトナー像を形成するには、有機感光体の表面に異物が付着しないこと、及び繰り返し使用しても表面が荒れない特性にすることが重要である。
特開平3−155558号公報 特開平1−106066号公報 特開平2−160247号公報
本発明は、上記問題を解決するためになされた。
特に上記の改善技術はすべて採用すれば、それらの加え合わされた効果が得られるとは必ずしもいえず、むしろ併用していけば互いに他の作用を相殺しあってしまうため、どの様な組み合わせで用いるかが、大きな課題であることが判明した。そこで、本願発明の発明者は、長期の使用においても高感度と機械的強度を保持し、かつ、画像流れ、耐ガス劣化のない、帯電電位が安定な電子写真感光体を提供するに適した、各耐久性向上技術の組み合わせを検討した。
即ち、本発明の目的は、長期の使用においても高感度と機械的強度を保持し、かつ、画像流れ、耐ガス劣化のない、帯電電位が安定な電子写真感光体と、それを用いた画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することである。
本発明の発明者は、鋭意検討した結果、積層タイプの感光体における電荷輸送層を少なくとも2層構成とし、下層側の構成層には、融点の低い酸化防止剤を含有させ、上層側の構成層中に下層側より融点の高い酸化防止剤を含有させることにより、耐ガス性が高く、画像流れ等がない電子写真感光体が得られることを見いだし、本発明に至った。
即ち、本発明の目的は、下記構成を採ることにより達成される。
(請求項1)
導電性支持体上に、少なくとも電荷発生層と電荷輸送層とを順次積層してなる電子写真感光体において、該電荷輸送層が少なくとも2つの層からなり、導電性支持体側の構成層中に含有された酸化防止剤の融点が50℃以上90℃未満であり、表面側の構成層に含有される酸化防止剤の融点が90℃以上300℃未満であり、かつ、表面層側の構成層中に数平均一次粒径が3〜150nmである無機微粒子を含有することを特徴とする電子写真感光体。
(請求項2)
前記無機微粒子が金属酸化物粒子であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
(請求項3)
前記金属酸化物粒子が酸化チタン粒子であることを特徴とする請求項2に記載の電子写真感光体。
(請求項4)
前記金属酸化物粒子がアルミナ粒子であることを特徴とする請求項2に記載の電子写真感光体。
(請求項5)
前記無機微粒子がシリカ粒子であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
(請求項6)
前記無機微粒子はケイ素原子を有する化合物で表面処理されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
(請求項7)
請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子写真感光体を有し、該電子写真感光体の周辺に、少なくとも帯電手段、像露光手段、現像手段、転写手段を有することを特徴とする画像形成装置。
(請求項8)
前記画像形成装置がフルカラー画像形成装置であることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
(請求項9)
電子写真感光体と帯電器、像露光器、現像器、クリーニング器の少なくとも1つを一体として構成されたプロセスカートリッジであって、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子写真感光体を用い、画像形成装置本体に出し入れ可能に設置されることを特徴とするプロセスカートリッジ。
本発明の目的が、上記構成により達成される理由については、下記の如く考えられる。
構成層中の下層側に融点の低い酸化防止剤を含有させると、これらはバインダー(結着樹脂)との相溶性が良いので、感光体の繰り返し使用によって受ける熱履歴による偏在化を起こしにくく、高感度を保持し帯電安定性を確保することが出来る。構成層の上層側にはより融点の高い酸化防止剤を含有させることにより、局所的な摩擦熱に耐えられるために耐ガス性を確保することができるものと推定される。
本発明の目的を達成するためには、前記電荷輸送層の構成層の中、導電性支持体側の構成層中に含有された酸化防止剤の融点が50℃以上90℃未満であるが、80℃未満であることがより好ましい。しかし、低く過ぎれば使用時・未使用時の感光体保存性に問題が出る。一方、表面側の構成層に含有される酸化防止剤の融点は90℃以上300℃未満であるが、100℃以上であることがより好ましい。また、あまりに高い必要はなく、実際の化合物も300℃以上といったものはあまり存在しない。
本発明により、長期の使用においても高感度と機械的強度を保持し、かつ、画像流れ、耐ガス劣化のない、帯電電位が安定な電子写真感光体と、それを用いた画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することができる。
以下、本発明に用いられる化合物、感光体の構成、画像形成装置等につき更に説明する。
〔酸化防止剤〕
本発明に用いられる酸化防止剤は、融点が本発明の要件を満たすものであればよく、化学構造により限定されるものではない。
構成層中に含有される融点が50℃以上90℃未満の酸化防止剤としては、例えばエチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート](IRGANOX 245、IRGANOX 245FF、IRGANOX 245 DWJ 76〜79℃:チバ・スペシャリテイ・ケミカルズ社製)、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](IRGANOX 1035、IRGANOX 1035FF 63℃:チバ・スペシャリテイ・ケミカルズ社製)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(IRGANOX 1076、IRGANOX 1076FF IRGANOX 1076FD IRGANOX 1076DWJ 50〜55℃:チバ・スペシャリテイ・ケミカルズ社製)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(Sumilizer BHT、Sumilizer BHT−P 69℃:住友化学社製)、ジステアリル3,3’−チオジプロピオネート(Sumilizer TPS 63℃:住友化学社製)等がある(温度℃は融点、以下も同じ)。
一方、上層の構成層中に含有される融点が90℃以上300℃未満の酸化防止剤としては、例えばペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](IRGANOX 1010、IRGANOX 1010FP、IRGANOX 1010FF 110〜125℃:チバ・スペシャリテイ・ケミカルズ社製)、2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート(Sumilizer GM 128℃:住友化学社製)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)(Sumilizer MDP−S 128℃:住友化学社製)、3,9−ビス[2−〔3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン(Sumilizer GA−80 110℃:住友化学社製)、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](IRGANOX 259 104〜108℃:チバ・スペシャリテイ・ケミカルズ社製)、カルシウムジエチルビス[[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフェート](50%)とポリエチレンワックス(50%)(IRGANOX 1425 WL:90〜300℃:チバ・スペシャリテイ・ケミカルズ社製)、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルへニル)エチル]−4,6−di−tert−ペンチルフェニルアクリレート(Sumilizer GS 115℃:住友化学社製)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)(Sumilizer BBM−S 209℃:住友化学社製)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)(Sumilizer WX−R、Sumilizer WX−RC、Sumilizer WX−RA 160℃:住友化学社製)、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド](IRGANOX 1098 156〜161℃:チバ・スペシャリテイ・ケミカルズ社製)等がある。
前記した如く、下層の構成層中に含有される融点が50℃以上90℃未満の酸化防止剤においては、さらには融点が60℃以上80℃未満のものが好ましい。一方、上層の構成層中に含有される融点が90℃以上300℃未満の酸化防止剤としては、融点が100以上200℃未満のものがより好ましい。
中でも、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(Sumilizer BHT、Sumilizer BHT−P 69℃:住友化学社製)と、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](IRGANOX 1010、IRGANOX 1010FP、IRGANOX 1010FF 110〜125℃:チバ・スペシャリテイ・ケミカルズ社製)の組み合わせが特によい。
酸化防止剤の各構成層中での濃度は、各層の固形成分(主には電荷輸送物質とバインダー樹脂)の0.5〜5質量%が好ましく、0.5質量%より低いと酸化防止剤としての効果を十分に得られず、5質量%より多いと膜物性、塗布性及び繰り返し現像安定性(帯電安定性)が劣化する等好ましくない現象が現れることもある。
〔無機微粒子〕
本発明に用いられる無機微粒子とは、金属酸化物(特に酸化チタン、アルミナ粒子)やシリカ等の微粒子が好ましい。
シリカ微粒子においては、アルミニウム成分を1000ppm以下、カルシウム成分を300ppm以下及び鉄分を1000ppm以下含有するか、又は含有しないシリカ粒子がよい。
かつ、これら本発明で用いられる無機微粒子は数平均一次粒径が3〜150nmである。これら微粒子は、例えばシリカ粒子の場合、実質的に球形粒子で化学炎CVD法により製造される。
本発明の無機粒子の数平均一次粒径は、透過型電子顕微鏡観察によって10000倍に拡大し、ランダムに300個の粒子を一次粒子として観察し、画像解析によりフェレ径の数平均径として測定値を算出する。
又、別の好ましい態様としては、前記シリカ粒子が疎水化処理された疎水性シリカ粒子を用いる方が好ましい。
上記疎水性シリカの疎水化度は、メタノールに対する濡れ性の尺度(メタノールウェッタビリティ)で示される疎水化度で50%以上のものが好ましい。疎水化度が50%未満であると、クリープ率が小さくなり、且つ感光体表面に湿気を帯びやすく、残留電位が上昇したり、クリーニング不良を発生することもある。より好ましい疎水化度は65%以上、最も好ましくは70%以上である。
表面処理に用いる好ましい反応性有機ケイ素化合物としては、シラザン、シランカップリング剤あるいはポリシロキサン化合物が挙げられる。該ポリシロキサン化合物の分子量は1000〜20000のものが一般に入手しやすく、又、黒ポチ発生防止機能も良好である。
特にメチルハイドロジェンポリシロキサンを最後の表面処理に用いると良好な効果が得られる。
無機微粒子としての酸化チタン粒子の表面処理を少なくとも2回以上行うことにより、酸化チタン粒子表面が均一に表面被覆(処理)され、該表面処理された酸化チタン粒子を用いると、酸化チタン粒子の分散性が良好で、感光体の表面強度を上げる他に、黒ポチ等の画像欠陥を発生させない良好な感光体を得ることができる。
更に別の好ましい実施態様としては、感光体の最表面層に含有させるのが好ましい。本発明においては、この層には電荷輸送物質も含有されているが、添加量としては、電荷輸送物質とバインダー樹脂の合計質量に対し5〜100質量%がよい。
以下に本発明に用いられる感光体の構成についてさらに説明する。
〔導電性支持体〕
本発明の感光体に用いられる導電性支持体としてはシート状或いは円筒状の導電性支持体が用いられる。
本発明の円筒状の導電性支持体とは回転することによりエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒状の支持体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ0.1mm以下の範囲にある導電性の支持体が好ましい。この真直度及び振れの範囲を超えると、良好な画像形成が困難になる。
導電性支持体の材料としてはアルミニウム、ニッケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用することができる。導電性支持体としては常温で比抵抗103Ωcm以下のものが好ましい。
本発明で用いられる導電性支持体は、その表面に封孔処理されたアルマイト膜が形成されたものを用いても良い。アルマイト処理は、通常例えばクロム酸、硫酸、シュウ酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸等の酸性浴中で行われるが、硫酸中での陽極酸化処理が最も好ましい結果を与える。硫酸中での陽極酸化処理の場合、硫酸濃度は100〜200g/l、アルミニウムイオン濃度は1〜10g/l、液温は20℃前後、印加電圧は約20Vで行うのが好ましいが、これに限定されるものではない。又、陽極酸化被膜の平均膜厚は、通常20μm以下、特に10μm以下が好ましい。
〔中間層(下引き層)〕
本発明においては導電性支持体と感光層の間に、バリヤー機能を備えた中間層を設けることが好ましい。
本発明の中間層には吸水率が小さいバインダー樹脂中に酸化チタンを含有させることが好ましい。該酸化チタン粒子の平均粒径は、数平均一次粒径で10nm以上400nm以下の範囲が良く、15nm〜200nmが特に好ましい。10nm未満では中間層によるモアレ発生の防止効果が小さい。一方、400nmより大きいと、中間層塗布液の酸化チタン粒子の沈降が発生しやすく、その結果中間層中の酸化チタン粒子の均一分散性が悪く、又黒ポチも増加しやすい。数平均一次粒径が前記範囲の酸化チタン粒子を用いた中間層塗布液は分散安定性が良好で、且つこのような塗布液から形成された中間層は黒ポチ発生防止機能の他、環境特性が良好で、且つ耐クラッキング性を有する。
〔感光層〕
電荷発生層(CGL)
導電性支持体上またはその上に塗設されている中間層の上には、電荷発生層(CGL)が塗設される。電荷発生層中には電荷発生物質(CGM)を含有させる。その他の物質としては必要によりバインダー樹脂、その他の添加剤を含有しても良い。
本発明の有機感光体には、電荷発生物質として、例えば、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニウム顔料などを単独で或いは併用して用いることができる。
電荷発生層にCGMの分散媒としてバインダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用いることができる。最も好ましい樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し20〜600質量部が好ましい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さくできる。電荷発生層の膜厚は0.1μm〜2μmが好ましい。
電荷輸送層(CTL)
前記電荷発生層の上には、本発明においては、少なくとも2層の電荷輸送層(CTL)が塗設される。
電荷輸送層に含有される電荷輸送物質(CTM)としては、例えばオキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、ベンジジン化合物、ピラゾリン誘導体、スチルベン化合物、アミン誘導体、オキサゾロン誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン、ポリ−9−ビニルアントラセン等が挙げられる。これらのCTMは通常バインダーと共に層形成が行われる。
これらの中で特に好ましいCTMとしては下記一般式で示される化合物のものがあげられる。
Figure 2006259481
(式中、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4は置換、無置換の芳香族炭化水素基または複素環基を表し、R2は水素原子もしくは置換、無置換の芳香族炭化水素基または複素環基を表す。nは1もしくは2である。Ar4とR2は互いに結合していてもよい。)
Figure 2006259481
(式中、R3、R4は置換、無置換の芳香族炭化水素基、複素環基またはアルキル基を表し、互いに連結していてもよい。R5は水素原子もしくは置換、無置換の芳香族炭化水素基、複素環基、アルキル基を表し、Ar5は置換、無置換の芳香族炭化水素基または複素環基を表す。mは0もしくは1である。)
Figure 2006259481
(式中、Yは置換、無置換のベンゼン、ナフタレン、ピレン、フルオレン、カルバゾール及び4,4′−アルキリデンジフェニル基を表し、Ar6、Ar7は置換、無置換の芳香族炭化水素基または複素環基を表す。lは1〜3の整数である。)
Figure 2006259481
(式中、Ar8、Ar9、Ar10、Ar11の置換、無置換の芳香族炭化水素基または複素環基を表す。)
これらの中、本発明の感光体に好ましく用いられる具体的化合物例を以下に例示する。
Figure 2006259481
Figure 2006259481
Figure 2006259481
Figure 2006259481
Figure 2006259481
Figure 2006259481
なお、本発明においては、CTLの上下構成層共に同じCTMを用いるのが好ましい。しかし、CTL層のその他の構成成分や画像形成装置の特性から、上下構成層で別のCTMを用いてもよい。
前記積層構成の場合のCTLに含有されるバインダー樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノール樹脂、ポリシラン樹脂、ポリビニルカルバゾール等が挙げられる。
CTLに含有されるバインダー樹脂は好ましくは機械的衝撃に強く耐摩耗性が大であり、かつ電子写真性能を阻害しないものがよい。特に好ましいバインダー樹脂としては下記一般式〔I〕〜〔IV〕の構造単位を有するポリカーボネート樹脂があげられる。
Figure 2006259481
(式中、R1〜R8は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、シクロアルキル基又はアリール基、jは4〜11の整数、R9は炭素原子数1〜9のアルキル基又はアリール基である。)
Figure 2006259481
(式中、R35〜R42はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基を表す。)
Figure 2006259481
(式中、R63〜R70はそれぞれ独立した水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表す。)
Figure 2006259481
(式中、R83〜R98はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、置換、無置換アルキル基はアリール基を表し、kおよびmは正の整数であって、k/mが1〜10になるように選択される。)
なお、前記一般式で示される構造単位を有するポリカーボネート樹脂は、好ましくは重量平均分子量30,000以上のものがよい。
次に、前記各層を形成する際に用いられる溶媒又は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、イソプロピナール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではないが、ケトン系溶媒を用いた場合に感度、繰り返し使用時に電位変化等が更に良好となる。また、これらの溶媒は単独あるいは2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
又、電荷輸送層は電荷輸送物質とバインダー樹脂を適当な溶剤に溶解し、その溶液を塗布乾燥することによって形成される。電荷輸送物質とバインダー樹脂との混合割合は質量比で3:1〜1:3が好ましく、特には2:1〜1:2が好ましい。
また、電荷輸送層の膜厚は5〜50μm、特には10〜40μmが好ましい。
〔画像形成装置〕
次に、本発明の有機感光体を用いた画像形成装置について説明する。
図1は画像形成装置1の断面図であり、デジタル方式による画像形成装置であって、画像読取り部A、画像処理部B、画像形成部C、転写紙搬送手段としての転写紙搬送部Dから構成されている。
画像読取り部Aの上部には原稿を自動搬送する自動原稿送り手段が設けられていて、原稿載置台11上に載置された原稿は原稿搬送ローラ12によって1枚宛分離搬送され読み取り位置13aにて画像の読み取りが行われる。原稿読み取りが終了した原稿は原稿搬送ローラ12によって原稿排紙皿14上に排出される。
一方、プラテンガラス13上に置かれた場合の原稿の画像は走査光学系を構成する照明ランプ及び第1ミラーから成る第1ミラーユニット15の速度vによる読み取り動作と、V字状に位置した第2ミラー及び第3ミラーから成る第2ミラーユニット16の同方向への速度v/2による移動によって読み取られる。
読み取られた画像は、投影レンズ17を通してラインセンサである撮像素子CCDの受光面に結像される。撮像素子CCD上に結像されたライン状の光学像は順次電気信号(輝度信号)に光電変換されたのちA/D変換を行い、画像処理部Bにおいて濃度変換、フィルタ処理などの処理が施された後、画像データは一旦メモリに記憶される。
画像形成部Cでは、画像形成ユニットとして、像担持体であるドラム状の感光体21と、その外周に、該感光体21を帯電させる帯電手段(帯電器でもある)22、帯電した感光体の表面電位を検出する電位検出手段220、現像手段(現像器でもある)23、転写手段(転写器でもある)である転写搬送ベルト装置45、前記感光体21のクリーニング手段(クリーニング器でもある)26及び光除電手段としてのPCL(プレチャージランプ)27が各々動作順に配置されている。これらの少なくとも1つと感光体21を組み合わせてプロセスカートリッジを構成させることが出来、本発明の好ましい態様の一つである。これらプロセスカートリッジは、画像形成装置本体から容易に出し入れ出来るように(出し入れ可能に)装着することが出来る。
また、現像手段23の下流側には感光体21上に現像されたパッチ像の反射濃度を測定する反射濃度検出手段222が設けられている。感光体21には、本発明の有機感光体が使用され、図示の時計方向に駆動回転される。
回転する感光体21へは帯電手段22による一様帯電がなされた後、像露光手段(像露光器でもある)としての露光光学系30により画像処理部Bのメモリから呼び出された画像信号に基づいた像露光が行われる。書き込み手段である像露光手段としての露光光学系30は図示しないレーザダイオードを発光光源とし、回転するポリゴンミラー31、fθレンズ34、シリンドリカルレンズ35を経て反射ミラー32により光路が曲げられ主走査がなされるもので、感光体21に対してAoの位置において像露光が行われ、感光体21の回転(副走査)によって静電潜像が形成される。本実施の形態の一例では文字部に対して露光を行い静電潜像を形成する。
本発明の画像形成方法においては、感光体上に静電潜像を形成するに際し、像露光をスポット面積が2×10-92以下の露光ビームを用いて行うことが好ましい。このような小径のビーム露光を行っても、本発明の有機感光体は、該スポット面積に対応した画像を忠実に形成することができる。より好ましいスポット面積は、0.01×10-9〜1×10-92である。その結果400dpi(dpiとは2.54cm当たりのドット数)以上で、256階調を実現するところのきわめて優れた画像品質を達成することができる。
前記ビーム光のスポット面積とは該ビーム光の強度がピーク強度の1/e2以上の光強度に対応する面積で表される。
用いられる光ビームとしては半導体レーザを用いた走査光学系、及びLEDや液晶シャッター等の固定スキャナー等があり、光強度分布についてもガウス分布及びローレンツ分布等があるがそれぞれのピーク強度の1/e2までの部分をスポット面積とする。
感光体21上の静電潜像は現像手段23によって反転現像が行われ、感光体21の表面に可視像のトナー像が形成される。転写紙搬送部Dでは、画像形成ユニットの下方に異なるサイズの転写紙Pが収納された転写紙収納手段としての給紙ユニット41(A)、41(B)、41(C)が設けられ、また側方には手差し給紙を行う手差し給紙ユニット42が設けられていて、それらの何れかから選択された転写紙Pは案内ローラ43によって搬送路40に沿って給紙され、給紙される転写紙Pの傾きと偏りの修正を行うレジストローラ対44によって転写紙Pは一時停止を行ったのち再給紙が行われ、搬送路40、転写前ローラ43a、給紙経路46及び進入ガイド板47に案内され、感光体21上のトナー画像が転写位置Boにおいて転写極24及び分離極25によって転写搬送ベルト装置45の転写搬送ベルト454に載置搬送されながら転写紙Pに転写され、該転写紙Pは感光体21面より分離し、転写搬送ベルト装置45により定着手段50に搬送される。
定着手段(定着器でもある)50は定着ローラ51と加圧ローラ52とを有しており、転写紙Pを定着ローラ51と加圧ローラ52との間を通過させることにより、加熱、加圧によってトナーを定着させる。トナー画像の定着を終えた転写紙Pは排紙トレイ64上に排出される。
以上は転写紙の片側への画像形成を行う状態を説明したものであるが、両面複写の場合は排紙切換部材170が切り替わり、転写紙案内部177が開放され、転写紙Pは破線矢印の方向に搬送される。
更に、搬送機構178により転写紙Pは下方に搬送され、転写紙反転部179によりスイッチバックさせられ、転写紙Pの後端部は先端部となって両面複写用給紙ユニット130内に搬送される。
転写紙Pは両面複写用給紙ユニット130に設けられた搬送ガイド131を給紙方向に移動し、給紙ローラ132で転写紙Pを再給紙し、転写紙Pを搬送路40に案内する。
再び、上述したように感光体21方向に転写紙Pを搬送し、転写紙Pの裏面にトナー画像を転写し、定着手段50で定着した後、排紙トレイ64に排紙する。
本発明の有機感光体は電子写真複写機、レーザプリンター、LEDプリンター及び液晶シャッター式プリンター、カラープリンター、フルカラー複写機等の電子写真装置一般に適応するが、更に、電子写真技術を応用したディスプレー、記録、軽印刷、製版及びファクシミリ等の装置にも幅広く適用することができる。
本発明の感光体は高画質画像が安定して得られるために、各基本色別に画像形成して重ね合わせて1枚の画像を形成するため、実質的には極めて高い耐久性を要求されるフルカラー複写機などフルカラー画像形成装置として用いるのに適している。
次に、本発明の代表的な態様を示しさらに説明する。しかし、無論、本発明の範囲がこれらに限定されるわけではない。
〔実施例1〕
〈感光体1の作製〉
直径100mmのアルミニウムドラム上にポリアミド樹脂から成る厚さ0.3μmの中間層を設けた。CGL(電荷発生層)中のCGM(電荷発生物質)として、CuKα特性X線を用いたX線回折図に於いて、ブラック角(2θ±0.2℃)が27.3°に最大ピークを有し、その他に9.5°,9.7°,11.6°,15.0°,24.1°等にもピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンを30質量部用い、ブチラール樹脂「エスレックB(BX−L)」(積水化学社製)10質量部、メチルエチルケトン1600質量部から成る塗布液を前記中間層上に浸漬塗布して、乾燥後の膜厚0.3μmのCGLを形成した。
次いでCTMとして例示化合物(T−1)500質量部、ポリカーボネート樹脂「ユーピロンZ300」(三菱瓦斯化学社製)600質量部を、非ハロゲン系混合溶媒のテトラヒドロフラン(THF)/トルエン=8/2の3000質量部に溶解して成る塗布液を、前記CGL上に浸漬塗布して乾燥後の膜厚25μmの下層CTLを形成した。更にCTMとして前記例示化合物(T−1)50質量部とポリカーボネート樹脂「ユーピロンZ800」(三菱瓦斯化学社製)100質量部を、非ハロゲン系混合溶媒のテトラヒドロフラン(THF)/トルエン=8/2の2000質量部に溶解した溶液に、さらにシリカ粒子(平均粒径50nm)50質量部を混合分散して成る塗布液を、前記下層CTL上に円形スライドホッパー塗布機により塗布して、乾燥後の膜厚5μmの上層CTLを形成して感光体1−1を得た。
なお、上層、下層の各CTLには表1に示す種類の酸化防止剤を記載した量加えた。
〈感光体1−2〜1−3及び比較感光体1〜4の作製〉
上記実施例1の感光層中の酸化防止剤を表1に記載した如く変更して、感光体1−2,1−3及び比較感光体1−1〜1−3を造り、さらに、この他に比較感光体1−4を作製した。
比較感光体1−4
上記実施例1−1の構成から、シリカ粒子Hを除いた感光体を作製し、比較感光体1−4とした。
Figure 2006259481
以上のようにして得た7種類の電子写真感光体を、コロナ帯電、レーザードット露光、反転現像、静電転写、爪分離、クリーニング補助ブラシローラー及びブレードクリーニングプロセスを採用するKonica 7075(現コニカミノルタビジネステクノロジーズ(株)社製)を用い、該複写機に装着して評価した。画像評価は、画素率が7%の文字画像、人物顔写真、ベタ白画像、ベタ黒画像がそれぞれ1/4等分ずつあるオリジナル画像をA4中性紙にコピーして行った。外部環境は、常温、常湿(23℃,60%RH)下で連続5万コピーを行い、下記の評価を行った。
評価基準
〈画像濃度〉
マクベス社製RD−918を使用して測定し、転写紙の反射濃度を「0」として相対反射濃度で測定した。初期及び5万枚コピー後の画像で評価した。
◎:ベタ黒画像が濃度1.2以上
○:ベタ黒画像が濃度1.0以上
×:ベタ黒画像が濃度1.0未満
〈カブリ(初期及び1万枚コピー後のベタ白画像で判定)〉
マクベス社製RD−918を使用して、印字されていない転写紙(白紙)の濃度を20箇所、絶対画像濃度で測定し、その平均値を白紙濃度とする。次に、画像形成が成された転写紙の白地部分を同様に20箇所、絶対画像濃度で測定し、その平均濃度から前記白紙濃度を引いた値をカブリ濃度として評価した。
◎:0.005以下(良好)
○:0.005より大で、0.01以下(実用上問題ないレベル)
×:0.01より大(明らかに、実用上問題あり)
〈画像評価〉
前記7種類の感光体を順次前記複写機に装着し、中間調を有する原稿を用いて50,000回の画出しを行った。この間クリーニング不良や、画像流れの有無、画像傷の有無について評価した。
〈膜厚減耗量〉
感光体の均一膜厚部分をランダムに10ヶ所測定し、その平均値を感光体の膜厚とする。膜厚測定器EDDY 560C(HELMUT FISCHER GMBHT CO社製)を用いて1回目と5万コピー後の膜厚を測定し、その差を膜厚減耗量とした。
Figure 2006259481
上記の如く本発明の感光体は繰り返しの静電特性、画像評価、及び膜厚減耗特性共に優れた性能を有する。
〔実施例2〕
〈感光体2−1〜2−3、比較感光体2−1〜1−4の作製〉
実施例1で用いた感光体を、下記の変更を行って実施例2用の感光体を作製した。
CGL(電荷発生層)中のCGM(電荷発生物質)として、CuKα特性X線を用いたX線回折図に於いて、ブラック角(2θ±0.2℃)が27.3°に最大ピークを有し、その他に9.5°,9.7°,11.6°,15.0°,24.1°等にもピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンを用い、上層CTL中のシリカ粒子を100nmのものに変え、酸化防止剤を表3に記すものた変えた以外は、実施例1と同じ条件で実施例2用の感光体2−1〜2−3、比較感光体2−1〜1−4を作製した。
さらに、感光体2−1のCTLの厚さを下層CTL膜厚を20μm、上層CTL10μmとしたもの(感光体2−4)、CTLの厚さを下層CTL膜厚30μm、上層CTL5μmとしたもの(感光体2−5)を作製した。
上記各感光体の構成を下記に示す。
Figure 2006259481
これら感光体を実施例1と同様に性能評価した結果を表4に示す。
Figure 2006259481
上記結果から、本発明内のものは何れの性能も良好なことがわかる。
〔実施例3〕
〈感光体3−1〜3−6の作製〉
酸化防止剤を下記表5の如く変更した以外は、実施例2と同様にして感光体3−1〜3−6を作製した。
Figure 2006259481
これを実施例2と同様に評価して、下記表6に記載する結果を得た。
Figure 2006259481
これらの感光体は全て本発明内の酸化防止剤を本発明の組み合わせで用いているが、その特性評価結果には、若干の相違があった。
即ち、上層用の酸化防止剤として融点が100〜200℃のものを使用し、下層用として酸化防止剤の融点が60〜90℃のものを用いたものがそれ以外のものに比して、更によい特性を示すことがわかる。
デジタル方式による画像形成装置の断面図。
符号の説明
1 画像形成装置
21 有機感光体
22 帯電手段
23 現像手段
24 転写極
25 分離極
26 クリーニング手段
30 露光光学系
45 転写搬送ベルト装置
50 定着手段
P 転写紙

Claims (9)

  1. 導電性支持体上に、少なくとも電荷発生層と電荷輸送層とを順次積層してなる電子写真感光体において、該電荷輸送層が少なくとも2つの層からなり、導電性支持体側の構成層中に含有された酸化防止剤の融点が50℃以上90℃未満であり、表面側の構成層に含有される酸化防止剤の融点が90℃以上300℃未満であり、かつ、表面層側の構成層中に数平均一次粒径が3〜150nmである無機微粒子を含有することを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記無機微粒子が金属酸化物粒子であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記金属酸化物粒子が酸化チタン粒子であることを特徴とする請求項2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記金属酸化物粒子がアルミナ粒子であることを特徴とする請求項2に記載の電子写真感光体。
  5. 前記無機微粒子がシリカ粒子であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  6. 前記無機微粒子はケイ素原子を有する化合物で表面処理されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子写真感光体を有し、該電子写真感光体の周辺に、少なくとも帯電手段、像露光手段、現像手段、転写手段を有することを特徴とする画像形成装置。
  8. 前記画像形成装置がフルカラー画像形成装置であることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 電子写真感光体と帯電器、像露光器、現像器、クリーニング器の少なくとも1つを一体として構成されたプロセスカートリッジであって、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子写真感光体を用い、画像形成装置本体に出し入れ可能に設置されることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009186968A (ja) * 2007-11-09 2009-08-20 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体、並びにこれを用いた画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP2015114454A (ja) * 2013-12-11 2015-06-22 コニカミノルタ株式会社 有機感光体、画像形成装置および画像形成方法

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