JP2006259292A - 反射防止構造体を有する部材およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 開口部を有する部材であっても、この開口部を含めて部材に反射防止構造体を容易に形成でき、遮光性が要求される部材であっても反射を防止すべき光の入射を抑制して迷光を解消できる反射防止構造体を有する部材の製造方法および部材を提供する。
【解決手段】 熱可塑性樹脂にて形成されるとともに円形開口部を有する被成形体としての部材1と、曲面形状を有し、曲面に形成すべき反射防止構造体の反転形状が形成された型7とを準備する。型7の曲面を部材1の円形開口部2に押圧するとともに、部材1を加熱により軟化させつつ、反転形状を円形開口部のエッジ部に転写する。次に、部材1と型7とを離型させるとともに、部材1を冷却する。これにより、部材1の円形開口部のエッジ部5に、反射防止構造体が形成される。
【選択図】 図1
【解決手段】 熱可塑性樹脂にて形成されるとともに円形開口部を有する被成形体としての部材1と、曲面形状を有し、曲面に形成すべき反射防止構造体の反転形状が形成された型7とを準備する。型7の曲面を部材1の円形開口部2に押圧するとともに、部材1を加熱により軟化させつつ、反転形状を円形開口部のエッジ部に転写する。次に、部材1と型7とを離型させるとともに、部材1を冷却する。これにより、部材1の円形開口部のエッジ部5に、反射防止構造体が形成される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、反射防止構造体を有する部材およびその製造方法に関し、より特定的には、熱可塑性樹脂からなり、開口部に反射防止構造体が形成された部材およびその製造方法に関する。
入射光に対する反射防止処理が施されたレンズなどの光学素子やカメラ鏡筒などの光学部品は、様々な用途で用いられている。これらの光学素子や光学部品の光学機能面には、蒸着、スパッタリング、および塗装等の手法により反射防止処理が一般的に施されており、低屈折率層からなる単層膜や低屈折率層と高屈折率層とを積層した多層膜等の反射防止膜が形成されている(例えば、特許文献1)。
このような反射防止膜は、蒸着やスパッタリングという一般的な方法で形成できるため広く用いられていたが、反射防止膜の光学的膜厚を高精度に制御するためには複雑な工程が必要となるため、生産性やコスト面での改善が望まれていた。また、このような反射防止膜は、波長依存性があるため、所定の波長以外での反射防止効果は小さくなり、撮像光学機器において必要とされる可視光領域全域で良好な反射防止を達成することは非常に困難であり、さらに、入射角が大きくなると反射防止効果が小さくなるという角度依存性の問題もあるため、波長依存性と角度依存性とが改善された反射防止の方法が望まれていた。
そこで、これらの問題点を改善する方法として、近年、光学素子あるいは光学部品の表面に、反射防止構造体と呼ばれる、非常に微細な錐状凹凸形状をアレイ状に配列した構造体を形成する技術が注目を集めている。反射防止構造体とは、より具体的には、錐状凹凸形状が入射光の波長以下のピッチ(例えば、可視光であればサブミクロンピッチ)でアレイ状に並べられたものであり、この錐状凹凸形状のピッチと高さの比であるアスペクト比は1以上である。
このような反射防止構造体を光学素子あるいは光学部品の表面に形成すると、表面の屈折率分布は非常に滑らかに変化するようになり、錐状凹凸形状の配列ピッチよりも長い波長の入射光は、ほとんど全て光学素子あるいは光学部品の内部に進入する。したがって、光学素子あるいは光学部品の表面からの光の反射を防止することができる。また、入射光の入射角度が大きくなっても、反射防止効果はそれほど小さくならないという特徴を持つ。このように、光学素子あるいは光学部品の表面に反射防止構造体を形成できれば、反射防止膜での課題である波長依存性と入射角依存性とが解決できる。
反射防止構造体を形成するには、サブミクロンレベル以下の超微細加工技術が必要となる。例えば、特許文献2に記載された方法では、まず、石英ガラス等からなる光学素子の材料表面に、電子ビーム(EB)描画法によりパターニングすることによりレジストパターンを形成し、このレジストパターンを元にして、光学素子の材料表面に直接にサブミクロンピッチのクロム(Cr)マスクを形成する。そして、光学素子材料のマスクで覆われた以外の部分をドライエッチング処理により微細加工し、反射防止構造体を形成するものである。
サブミクロンピッチの非常に細かなパターンの形成には、特許文献2のように、EB描画法が用いられるのが一般的である。しかしながら、サブミクロンパターンのパターニングにEB描画法を用いると、非常に長時間の描画時間を要する。描画するパターン形状や条件にもよるが、例えば、5mm角の領域に0.25μmピッチで円形パターン(直径0.2μm)を描画するには、約5時間の描画時間を要する。したがって、カメラ鏡筒の内面全体に対応する面積(50mm角)に描画するには、500時間もの描画時間が必要となり、直接に、光学材料に反射防止構造体を形成して量産することは現実的に不可能である。また、EB描画法を用いる方法では、レンズなどの曲面形状の表面に微細パターンを描画することは非常に困難であり、非常に特殊な3次元位置制御のできるステージを備えた電子ビーム描画装置が必要となる。
一方、最近では、X線リソグラフィの技術を用いた、サブミクロンレベルの微細な構造体を形成する技術が提案されている(例えば、特許文献3および特許文献4)。X線は、波長が短く直進性に優れているので、従来は困難であったサブミクロンレベルの微細な構造を加工するのに適している。
特開2001−127852号公報
特開2001−272505号公報
特開2000−035500号公報
特許第3521205号公報
ところで、カメラレンズのアパーチャ等のように、光路中に配置される部材には、レンズ等の光学素子に不要な光が入らないように、高い遮光性が要求されるものがある。このような部材は、量産性を考慮して、熱可塑性樹脂にて形成されるものが多く、また、その一部に曲面形状を有していることが多い。したがって、このような部材の曲面に反射防止構造体を形成する方法としては、上記したX線リソグラフィにより形成しようとする反射防止構造体とは反転形状がパターニングされた型を用いて、この型を部材に押圧することにより、反射防止構造体を形成する方法が考えられる。
しかしながら、遮光性が要求される部材は、内部にレンズ等の光学素子を保持するために開口部が形成されている。したがって、上述のように、型を用いた成形方法では、開口部の周辺において反射防止構造体の形成が困難であるという問題がある。図5(a)は、開口部を有する部材を示す斜視図であり、図5(b)は、図5(a)において矢印Aで示す枠内の拡大模式図である。図5(a)において、部材1は、熱可塑性樹脂にて形成された円筒形状のカメラレンズのアパーチャであり、円筒形状の両端には、開口部2が形成されている。また、内周面3および開口端面4には、図5(b)に示すように反射防止構造体6が形成されているので、内周面3および開口端面4からの反射光を防止できる。
ところが、図5(b)に示すように、開口部2付近では、内周面3と開口端面4との間に反射防止構造体6が形成されていない部分(以下、エッジ部5と称す)がある。これは、反射防止構造体6を形成するためには、内周面3を形成するための内金型と開口端面4及び外周面を形成するための外金型とを組み合わせた金型を使用するのであるが、内金型および外金型には、その構造上、エッジ部5に対応する部分に反射防止構造体に対応する形状を形成できないためである。そこで、前記した金型を用いた成形後に、エッジ部5にのみ直接にX線リソグラフィによる反射防止構造体6を形成することが考えられるが、X線マスクを用いたX線リソグラフィでは、X線マスクとエッジ部5との距離や配置等を決めることが困難であり、反射防止構造体6の形成は困難である。さらには、X線に感光する材料しか使用できず、遮光性が不十分であったり、強度上の問題が発生する可能性がある。また、EB描画法を用いて、エッジ部5にのみ反射防止構造体6を形成することも考えられるが、上述のように、EB描画法は、開口部2付近のエッジ部5のように曲面形状の表面に反射防止構造体6を形成するのは不向きであり、しかも反射防止構造体6の形成に時間がかかり量産性に劣るという問題がある。
そのため、従来は、エッジ部5に反射防止構造体6が形成されていない状態の部材1を、カメラレンズのアパーチャ等として利用していた。しかしながら、反射防止構造体6が形成されていないエッジ部5は、なんら反射防止処理を施していない状態と等しい状態となるため、入射光が入ると、エッジ部5で屈折率が急激に変化し、上記したような滑らかな表面の屈折率分布が得られず、反射光が発生する。したがって、必要光以外の光を遮断する目的に用いられる部材においては、迷光が発生し、十分な遮光性が得られないという問題がある。
それ故に、本発明は、開口部を有する部材であっても、この開口部を含めて部材に反射防止構造体を容易に形成でき、遮光性が要求される部材であっても反射を防止すべき光の入射を抑制して迷光を解消できる反射防止構造体を有する部材の製造方法および部材を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明は、以下の工程からなる反射防止構造体を有する部材の製造方法である。すなわち、まず、熱可塑性樹脂にて形成されるとともに開口部を有する被成形体としての部材と、曲面形状を有し、この曲面に形成すべき反射防止構造体の反転形状が形成された型とを準備する第1の工程を行う。次に、反転形状が形成された型の曲面を部材の開口部に押圧するとともに、部材を加熱により軟化させつつ、反転形状を部材に転写する第2の工程を行う。そして、部材と型とを離型させるとともに、この部材を冷却する第3の工程を行う。このような製造方法によると、開口部のように断面の角度が急激に変化する場所であっても、容易に反射防止構造体を形成することができる。
また、部材に形成された開口部が円形状であるときには、型として、開口部の半径よりも実質的に大きな曲率半径で近似される曲面を有するものを用いることが好ましい。これにより、第2の工程において、型を開口部に押圧するだけで、反転形状を開口部のエッジ部に転写することができる。
また、第2の工程は、加熱した型を部材に押圧させることにより部材を軟化させるように構成しても良い。このような構成によると、より簡易に反射防止構造体を形成できる。さらに、第1の工程では、熱可塑性樹脂として黒色樹脂を用いると、より一層反射防止効果に優れた部材を得ることができる。
また、本発明は、上記した製造方法により作成された部材にも向けられている。すなわち、熱可塑性樹脂にて形成された本体部と、本体部に形成された開口部とを備えており、開口部には、本体部にかけて連続した反射防止構造体が形成された部材に向けられている。このような構成によると、開口部のように断面の角度が急激に変化する場所であっても、反射防止構造体が形成されていることで、入射光が入っても、開口部から本体部にわたって滑らかな表面の屈折率分布が得られるため、優れた反射防止効果を有するものとなる。
部材に形成された開口部が円形状であるときには、反射防止構造体は、開口部のエッジ部に形成される。本体部は、円盤状または円筒状であることが好ましい。また、反射防止構造体は、アスペクト比が1以上である錐形状を構造単位とし、錐形状が反射を防止すべき光の波長以下のピッチでアレイ状に配置してなることが好ましい。さらに、前記熱可塑性樹脂は黒色樹脂であることが好ましい。
以上のように本発明によれば、熱可塑性樹脂からなる部材の開口部に、曲面に形成すべき反射防止構造体の反転形状が形成された型を押圧させるという簡易な構成で、従来は困難であった開口部においても容易に反射防止構造体を形成できる。このような方法により反射防止構造体が形成された部材は、レンズ鏡筒やアパーチャ等のように、光路中に配置される光学素子を保持するための機構部品等として好適に使用できる。
以下に、本発明の実施形態に係る反射防止構造体を有する部材およびその製造方法について説明する。本実施形態では、上記従来例を示す図5と同様に構成された、開口部2のエッジ部5に反射防止構造体6が形成されていない部材1を用い、この部材1のエッジ部5に反射防止構造体6を形成するための方法について説明する。
図1は、本実施形態に係る反射防止構造体を形成する工程を説明する図である。図1(a)は、部材1および型7の準備工程を示す。図1(a)において、部材1は、熱可塑性樹脂にて形成された円筒形状を有するアパーチャであり、本体部の内周面3および開口端面4には、従来例と同様に反射防止構造体6が形成されている。ただし、開口部2のエッジ部5には、反射防止構造体6は形成されていない。型7は、球体形状を有する金型であり、その表面には、形成しようとする反射防止構造体6とは反転形状が形成されている。型7は、図示されていない冶具によって保持され、上下方向に昇降自在に構成されており、部材1の開口部2の上部に配置される。なお、型7には、加熱機構(図示せず)が備えられている。
図1(b)は、型7による部材1の押圧工程を示す模式図である。型7は、あらかじめ、部材1を形成する熱可塑性樹脂の軟化温度よりも高い温度に加熱される。加熱された型7は、矢印方向に下降して、部材1の開口部2に押圧される。ここで、開口部2と型7との関係について説明する。図2は、型7と部材1の開口部2とが当接している状態を示す模式図である。開口部2のエッジ部5に反射防止構造体6を容易に形成するためには、図2に示すように、型7の曲率半径R1を、開口部2の半径r1よりも大きく設定することが好ましい。これにより、開口部2に型7を押し込むだけで、エッジ部5に型7が容易に当接するようになる。
部材1は、上述のように熱可塑性樹脂にて形成されているため、加熱された型7により押圧されると、型7の熱が部材1の側に伝わって熱可塑性樹脂が軟化し、部材1のエッジ部5に、型7の表面に形成された形状が転写される。転写が終了した型7は、上昇し、部材1から離型される。
図1(c)は、型7を離型した状態を示す模式図である。型7から離型された部材1は、冷却あるいは放冷することにより常温状態となり、図3に示すように、部材1の開口端面4と内周面3とに形成されている反射防止構造体6を損傷することなく、エッジ部5にも反射防止構造体6が形成される。すなわち、得られた部材1には、開口端面4から内周面3にかけて連続した周期構造体が形成される。
以上のように本実施形態によると、従来は反射防止構造体6の形成が困難であった部材1の開口部2においても、EB法等のように高コストで生産性の低い方法によらずに、容易に反射防止構造体6を形成することができる。これにより、カメラレンズのアパーチャ等といった光路中に配置される部材1のように、高い遮光性が要求される部材1についても、反射を防止すべき光の入射を防止でき、優れた反射防止効果を付与できる。ただし、エッジ部5に形成される反射防止構造体6の反射を防止すべき光に対する傾きは、開口端面4および内周面3に形成された反射防止構造体6の傾きとは異なるため、開口端面4から内周面3にかけての反射防止構造体の周期構造は乱されるが、このように周期構造が乱された反射防止構造体6であっても、反射防止効果に問題はない。
なお、上記説明では、型7を部材1から離型した後に、部材1を冷却したが、本発明はこれに限定されるものではなく、型7と部材1とを当接させた状態で部材1を冷却しても良い。また、冷却方法は、特に限定されるものではない。
以下に、本実施形態について、より具体的に説明する。本実施形態に係る部材1は、熱可塑性樹脂からなる部材1であり、レンズ鏡筒のように、光路中に配置される光学素子を保持するための機構部品等である。部材1は、少なくとも開口部2の周辺が熱可塑性樹脂にて形成されているものであれば良く、全体が熱可塑性樹脂にて形成されたものであっても良い。熱可塑性樹脂は、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)樹脂やポリカーボネート系樹脂等が好適に使用できる。ただし、反射防止効果を考慮すると、黒色の熱可塑性樹脂であることがより好ましいため、ポリカーボネート系樹脂や、PMMA樹脂等に顔料や染料を含有したものが好適である。
部材1の形状は、開口部2が形成されているものであれば特に限定されるものではないが、円筒形状や円錐面を有するもの、あるいは、円盤形状のものなどについて好適に使用できる。部材1に形成される反射防止構造体6は、ピッチと高さの比であるアスペクト比が1以上である構造単位が、反射を防止すべき光の波長以下のピッチでアレイ状に配列されているものである。このような配列を有する構造単位の形状はとしては、図4(a)に示すような円錐形状の反射防止構造体6aや、図4(b)に示すような角錐形状の反射防止構造体6bや、図4(c)および(d)に示すような釣鐘形状の反射防止構造体6cおよび6dや、図4(e)および(f)に示すように先端部が平坦化された錐台形状の反射防止構造体6eおよび6f等が挙げられる。ただし、各構造単位は、円錐形状、角錐形状、釣鐘形状、および錐台形状といった厳密な幾何学的形状である必要はなく、実質的に円錐形状、角錐形状、釣鐘形状、および錐台形状であればよい。また、各構造単位は、前記した各種形状を有する凸部のみならず、この凸部の反転形状である凹部により構成されたものであっても良い。
本実施形態に係る型7は、曲面形状を有し、この曲面に、上記した反射防止構造体6とは反転形状が形成されたものである。具体的には、上記した球形状の型7の他にも、半球状やローラ形状等であっても良い。また、曲面は、非球面形状であっても良い。すなわち、反射防止構造体6を形成しようとする部材1の開口部2の形状に応じた形状を有するものであれば良い。
本実施形態に係る型7としては、電鋳処理によって形成された型であっても良い。このような型7の製造には、ある程度の時間がかかるが、一度、型7を作成してしまえば、上記した本実施形態に係る製造方法を適用することで、反射防止構造体6を有する部材1の量産が可能となる。
また、上記説明では、駆動軸によって昇降自在に構成された型7を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、型7の移動方向、型7を保持する保持具、さらにその移動方法についても、適宜必要に応じて変更可能である。
以下に、本実施形態に係る具体例について説明する。部材1には、カーボンブラックを含有した黒色ポリカーボネート樹脂を射出成形することにより、内周面3および開口端面4に反射防止構造体6を形成した円筒形状のアパーチャを用いた。開口部2の内径は5mmであり、開口端面の厚みは1mmである。
型7は、以下の手順で作成した。まず、半径10mmの石英ガラスボールの表面半分に、PMMAレジストを500nmの厚みとなるようにディッピング法により塗布した。次に、この石英ガラスボールをX線露光装置に入れ、X線マスクをレジスト塗布面に対して干渉縞が生じる距離だけ離して設置した。X線マスクには、円形のホールパターンが300nmピッチでアレイ状に形成されたものを用いた。そして、この状態でX線露光を行った。次に、露光後の石英ガラスボールに現像処理を施し、現像処理後の石英ガラスボールをRFエッチング装置に設置した。そして、得られたレジストパターンをマスクとして、レジストマスクが完全になくなるまで、CHF3 を主成分とする反応性ガスによるドライエッチングを行った。これにより、石英ガラスボールの表面には、円錐形状の反転パターンが300nmピッチでアレイ状に形成された構造体が形成された。この構造体が形成された石英ガラスボールを型7として用いた。
上記した部材1および型7を、図1(a)に示す成形装置に設置し、型7を180℃まで昇温して、図1(a)〜図1(c)に示す成形工程を順次行った。これにより、部材1の開口端面4と内周面3とに形成されている反射防止構造体6を損傷することなく、部材1のエッジ部5には、図3に示すように、反射防止構造体6が形成されており、部材1の開口端面4から内周面3にかけて連続した周期構造体が形成されていた。この部材1を撮像光学装置におけるレンズのアパーチャとして用いたところ、エッジ部5における反射光は全く観察できなかった。
本発明は、デジタルカメラやプリンタ装置などに用いられる、光路中の光線に対する反射防止処理が必要な開口部を有する構造部材などに適用することができる。その他、本発明は、光学機器に用いられる開口部を有する反射防止処理が必要なあらゆる部材に対して広く適用可能である。
1 部材
2 開口部
3 内周面
4 開口端面
5 エッジ部
6、6a〜6f 反射防止構造体
7 型
2 開口部
3 内周面
4 開口端面
5 エッジ部
6、6a〜6f 反射防止構造体
7 型
Claims (10)
- 熱可塑性樹脂にて形成されるとともに開口部を有する被成形体としての部材と、曲面形状を有し、前記曲面に形成すべき反射防止構造体の反転形状が形成された型とを準備する第1の工程と、
前記反転形状が形成された前記型を前記部材の開口部に押圧するとともに、当該部材を加熱により軟化させつつ、当該反転形状を前記部材に転写する第2の工程と、
前記部材と前記型とを離型させるとともに当該部材を冷却する第3の工程とを備える、反射防止構造体を有する部材の製造方法。 - 前記開口部は円形状であり、
前記型は、前記開口部の半径よりも実質的に大きな曲率半径で近似される曲面を有し、
前記第2の工程は、前記型を前記開口部に押圧することにより、前記反転形状を前記開口部のエッジ部に転写する、請求項1に記載の反射防止構造体を有する部材の製造方法。 - 前記第2の工程は、加熱した前記型を前記部材に押圧させることにより当該部材を軟化させることを特徴とする、請求項1に記載の反射防止構造体を有する部材の製造方法。
- 前記反射防止構造体は、アスペクト比が1以上である錐形状を構造単位とし、前記構造単位が反射を防止すべき光の波長以下のピッチでアレイ状に配置してなることを特徴とする、請求項1に記載の反射防止構造体を有する部材の製造方法。
- 前記第1の工程では、前記熱可塑性樹脂として黒色樹脂を用いることを特徴とする、請求項1に記載の反射防止構造体を有する部材の製造方法。
- 熱可塑性樹脂にて形成された本体部と、
前記本体部に形成された開口部とを備え、
前記開口部には、前記本体部にかけて連続した反射防止構造体が形成されていることを特徴とする、反射防止構造体を有する部材。 - 前記開口部は、円形状であり、
前記反射防止構造体は、前記開口部のエッジ部に形成されていることを特徴とする、請求項6に記載の反射防止構造体を有する部材。 - 前記本体部は、円盤状または円筒状であることを特徴とする、請求項6に記載の反射防止構造体を有する部材。
- 前記反射防止構造体は、アスペクト比が1以上である錐形状を構造単位とし、前記構造単位が反射を防止すべき光の波長以下のピッチでアレイ状に配置してなることを特徴とする、請求項6に記載の反射防止構造体を有する部材。
- 前記熱可塑性樹脂は黒色樹脂であることを特徴とする、請求項6に記載の反射防止構造体を有する部材。
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JP2011027867A (ja) * | 2009-07-23 | 2011-02-10 | Konica Minolta Opto Inc | 光学部品、光学部品の製造方法、レンズ集合体及びレンズ集合体の製造方法 |
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