JP2006258787A - 感知装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 微量に存在する例えば環境汚染物質などを高い精度をもってかつ瞬時に検出することのできる感知装置を提供すること。
【解決手段】水晶振動子からの周波数信号を基準クロック発生部からの周波数信号によりサンプリングしてそのサンプリング値をディジタル信号として出力し、この出力信号に対応する周波数信号に対してディジタル信号による直交検波を行い、当該周波数信号の周波数と直交検波に用いた正弦波の周波数との差の周波数で回転する回転ベクトルを取り出し、回転ベクトルの速度を各サンプリング値に基づいて検出することにより周波数の変化分を検出する。また前記回転ベクトルに対してその速度に対応する逆回転ベクトルを乗算させることで、周波数変化の測定レンジを広げることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、感知対象物を吸着するための吸着層がその表面に形成され、感知対象物の吸着により固有振動数が変わるセンサ用振動子例えば水晶振動子を用い、このセンサ用振動子の固有振動数の変化分を検出して感知対象物を感知する感知装置に関する。
環境保全を図る上で、河川や土壌中における種々の環境汚染物質の濃度を把握する必要に迫られているが、汚染物質によっては極めて微量であっても人体への毒性が強いものもあり、このため微量な汚染物質の計測技術の確立が望まれている。最近注目を集めている汚染物質の一つとしてダイオキシンがあるが、このダイオキシンを測定する手法としては、ガスクロマトグラフ質量分析計を用いる方法及びELISA法(適用酵素免疫測定法)が知られている。ガスクロマトグラフ質量分析計によれば、10−12g/mlオーダの高精度な微量分析を行うことができるが、装置価格が極めて高く、このため分析コストも可成り高いものになっており、更に分析に長い期間を必要とするという欠点がある。またELISA法は、ガスクロマトグラフ質量分析計に比べて装置価格、分析価格が低く、分析に要する時間も短いが、分析精度が10−9g/mlオーダと低いという課題がある。
そこで本発明者は、感知対象物が水晶振動子に付着するとその固有振動数がその付着量に応じて変化することから、ダイオキシンなどの汚染物質の測定装置として水晶振動子に着眼している。一方、水晶振動子を用いた化学センシング装置として特許文献1に記載された技術がある。この装置は、センサ振動子の発振周波数と基準振動子で発生させた基準周波数との差周波数の絶対値を出力させるサンプリング回路と、差周波数を所要の分周比で分周する分周回路と、その分周出力の周期を基準周波数の周期をクロックとしてカウントするカウンタと、カウントされた周期を基にセンサ振動子の発振周波数を求める演算装置とを備えた構成であり、吸着ガスの同定を行うためのものである。この化学センシング装置によれば、差周波数を求めるようにしているので、測定すべき周波数の絶対値を小さくでき、測定範囲を広げることなく分解能の高い測定が可能になる利点がある。
しかしながら特許文献1の技術は、分周回路を用いることによりカウンタのクロック周波数を低くするようにしており、このため前記差周波数が高いと分周回路の段数が多くなり、その段数が多くなると位相雑音が増大することから、前記差周波数は現実的にはあまり高くできず、従って高い測定精度を確保することが困難であるという課題がある。この結果適用範囲が限定され、ダイオキシンなどのように極めて微量な物質を高い精度で検出することが要求される場合には適用し難い。またカウンタを用いていることから、分解能を高くしようとすると測定時間が長くなる欠点もある。
特開平6−241972号公報
本発明はこのような事情の下になされたものであり、その目的は、微量に存在する例えば環境汚染物質などの感知対象物を高い精度をもって検出することのできる感知装置を提供することにある。他の目的は、感知対象物を高い精度をもってかつ瞬時に検出することのできる感知装置を提供することにある。更にまた他の目的は、感知対象物を高い精度をもって検出するにあたり、測定レンジを広げることのできる感知装置を提供することにある。
感知対象物を吸着するための吸着層がその表面に形成され、感知対象物の吸着により固有振動数が変わるセンサ用振動子を用い、このセンサ用振動子の固有振動数の変化により感知対象物を感知する感知装置において、
前記センサ用振動子を発振させるセンサ用発振回路と、
前記センサ用振動子からの周波数信号をサンプリングするためのクロック信号を発生させる基準クロック発生部と、
前記センサ用振動子からの周波数信号を前記基準クロック発生部からのクロック信号によりサンプリングしてそのサンプリング値をディジタル信号として出力するアナログ/ディジタル変換部と、
このアナログ/ディジタル変換部からの出力信号に対応する周波数信号に対してディジタル信号による直交検波を行い、当該周波数信号における周波数と直交検波に用いたディジタル信号により特定される周波数との周波数差に相当する角速度で回転する回転ベクトルを複素表示したときの実数部分及び虚数部分を取り出す回転ベクトル取り出し手段と、
この回転ベクトル取り出し手段で得られた前記実数部分及び虚数部分の各時系列データに基づいて、回転ベクトルの角速度を求める回転ベクトル速度演算手段と、を備えたことを特徴とする。
また本発明は、センサ用振動子が第1の環境に置かれているときの回転ベクトルの角速度と、センサ用振動子が第2の環境に置かれているときの回転ベクトルの角速度と、の差を求める手段を備えた構成としてもよい。第1の環境としては、例えば純水などの溶媒を挙げることができ、第2の環境としては、その溶媒に感知対象物が含まれている場合を挙げることができる。
前記回転ベクトル取り出し手段は、アナログ/ディジタル変換部からの出力信号に対応する周波数信号を直交検波する手段と、この手段で得られたデータに含まれる高周波成分を除去する手段と、を含む構成とすることができる。またあるタイミングにおける前記サンプリング値に対応する実数部分及び虚数部分を夫々I(n)及びQ(n)とし、当該タイミングよりも前のタイミングにおける前記サンプリング値に対応する実数部分及び虚数部分を夫々I(n−1)及びQ(n−1)とすると、前記回転ベクトル速度演算手段は、{Q(n)−Q(n−1)}・I(n)−{I(n)−I(n−1)}・Q(n)の演算に基づいて周波数の変化量を求める手段として構成することができる。
前記回転ベクトル速度演算手段は、前記演算の演算結果に対して所定時間内の平均値を求める手段を備えている構成とすることができ、より具体的な一例としては、移動平均を求める手段として構成される。また前記回転ベクトル速度演算手段の前段に、前記実数部分及び虚数部分を、これら実数部分及び虚数部分により決定されるベクトルのスカラー量により割り算する補正処理部を設けることが好ましい。
更に本発明は、次のように構成することが好ましい。即ち、前記回転ベクトル速度演算手段により求められた周波数の変化量に相当する角速度で、前記回転ベクトルとは逆向きに回転する逆回転ベクトルを複素表示したときの実数部分及び虚数部分を作成する逆回転ベクトル生成部と、
前記回転ベクトル速度演算手段の前段に設けられ、前記回転ベクトル取り出し手段により得られた前記回転ベクトルの実数部分及び虚数部分と、前記逆回転ベクトル生成部により生成された逆回転ベクトルの実数部分及び虚数部分と、を演算して前記回転ベクトルの角速度を遅くすることにより、周波数の変化分のレンジを補正する周波数レンジ補正部と、を更に備えた構成とする。
この場合、逆回転ベクトル生成部は、複素表面上における逆回転ベクトルの位置を規定する実数部分及び虚数部分の組を回転方向に沿って順番に配列したデータテーブルと、前記周波数の変化量に相当するインクリメント数またはデクリメント数により前記データテーブルのアドレスを発生させることにより逆回転ベクトルを生成するアドレス制御部と、を備えた構成とすることができる。より具体的な例としては、逆回転ベクトル生成部は、前記回転ベクトル速度演算手段により求められた周波数の変化量をディジタル信号で表したときの下位ビットの値に応じたデューティ比のパルス列を出力するパルス幅制御部と、前記周波数の変化量をディジタル信号で表したときの上位ビットの値と前記パルス幅制御部により作成されたパルスのレベルとを加算して前記アドレス制御部に出力する加算部と、を備え、
前記アドレス生成部は、この加算部からの出力値を積分し、この積分値を前記データテーブルのアドレスとする構成を挙げることができる。
本発明は、例えば水晶振動子などのセンサ用振動子からの周波数信号を基準クロック発生部からのクロック信号によりサンプリングしてそのサンプリング値をディジタル信号として出力し、この出力信号に対応する周波数信号に対してディジタル信号による直交検波を行い、前記サンプリング値により特定される周波数信号(アナログ/ディジタル変換部の出力信号)の周波数と直交検波に用いたデイジタル信号により特定される周波数との差に相当する周波数で回転する回転ベクトルを取り出している。この回転ベクトルの角速度はセンサ用振動子の発振周波数(国有振動数)に対応しているので、例えば純水などの溶媒にセンサ用振動子を浸漬したときの回転ベクトルの角速度とその溶媒に感知対象物を含む液を供給したときの回転ベクトルの角速度とを検出することで、回転ベクトルの角速度の変化分を検出することができ、センサ用振動子に吸着した感知対象物の吸着量を知ることができる。なお本発明では、例えば予め溶媒中における感知対象物の種々の濃度と回転ベクトルの角速度との対応を検量線などにより把握しておくことにより、回転ベクトルの角速度を基に前記検量線などと照らし合わせることにより感知対象物の濃度を推定するようにしてもよい。
このためパルスをカウントして周波数を求める手法に比べてセンサ用振動子の発振周波数を高い精度でしかも極く短時間で検出することができる。従ってまたセンサ用振動子の発振周波数の変化分も高い精度でしかも極く短時間で検出することができ、環境汚染物質をはじめ微量物質を検出する装置として有用なものである。
また前記回転ベクトル速度演算手段により求められた周波数の変化量に相当する角速度で、即ち前記回転ベクトルに対応する角速度で、当該回転ベクトルとは逆向きに回転する逆回転ベクトルを生成し、前記回転ベクトルに逆回転ベクトルを乗算することで、前記回転ベクトルの角速度を遅くすることができる。その結果、センサ用振動子の発振周波数が高くても回転ベクトルの角速度を遅くすることでその角速度を検出することができるから、結果として周波数の測定レンジを広くすることができる。
図1は本発明に係る感知装置の実施の形態の全体構成を示す図である。1はセンサ部であり、このセンサ部1はセンサ用振動子である圧電振動子例えば水晶振動子11の一方の面を石英などにより密閉すると共に他方の面が露出していて、感知対象物質が存在する溶液12に例えば浸漬されるランジュバン型振動子として構成されている。前記水晶振動子11における溶液に接触する面には、感知対象物質を吸着(捕獲)するための吸着層、例えばダイオキシンを吸着するための抗体を含む吸着層が形成されている。13は水晶振動子11を発振させる発振回路であり、例えば周波数信号としての正弦波の高周波信号を出力する。
2は基準クロック発生部であり、発振回路13からの高周波信号をサンプリングするために周波数の安定性が極めて高い周波数信号であるクロック信号を出力する。21はA/D(アナログ/ディジタル)変換器であり、発信回路13からの高周波信号を基準クロック発生部2からのクロック信号によりサンプリングしてそのサンプリング値をディジタル信号として出力する。このディジタル信号で特定される高周波信号は基本波の他に高調波も含まれている。即ち高調波ひずみを有する正弦波をサンプリングする場合、その高調波成分が折り返しの影響を受けて、場合によっては周波数スペクトルにおける周波数軸上で基本波周波数と高調波の周波数とが重なる場合が想定される。そこでこのような重なりを避けて正しい感知動作が得られるようにする必要がある。
一般に周波数f1の正弦波信号を周波数fsのクロック信号でサンプリングした場合、その取り込み結果の周波数f2は(1)式で表される。ただしmod(,)はmodulo関数を表している。
f2=|mod(f1+fs/2,fs)−fs/2| ……(1)
この取り込み結果において、基本波周波数に対してn次の高調波の周波数はn×(基本波周波数)として表されるので、これをf2と置いて上記の(1)式に代入すれば、高調波がどのような周波数として取り込まれるかを計算することができる。この計算を用いることにより基本波の周波数と高調波の周波数とが重ならないように、発振回路13からの高周波信号の周波数をfcとサンプリング周波数(クロック信号の周波数)fsとを設定することができ、例えばfcを11MHz、fsを12MHzに設定する。この場合、A/D変換器21からのディジタル信号である出力信号で特定される周波数信号の基本波は1MHzの正弦波となる。なおfc/fsを11/12にすれば、基本波の周波数と高調波の周波数とが重ならないが、fc/fsはこの値に限られるものではない。
A/D変換器21の後段には、キャリアリムーブ31及びローパスフィルタ32がこの順に設けられている。キャリアリムーブ31及びローパスフィルタ32は、A/D変換器21からのディジタル信号により特定される例えば1MHzの正弦波信号の周波数と、直交検波に用いられる正弦波信号の周波数との差の周波数で回転する回転ベクトルを取り出すために用いられている。
回転ベクトルを取り出す作用をわかりやすく説明するために、A/D変換器21からのディジタル信号により特定される正弦波信号をAcos(ω0t+θ)とする。一方、キャリアリムーブ31は、図2に示すように前記正弦波信号に対してcos(ω0t)を掛け算する掛け算部31aと前記正弦波信号に対して−sin(ω0t)を掛け算する掛け算部31bとを備えている。即ちこのような演算をすることにより直交検波される。掛け算部31aの出力及び掛け算部31bの出力は夫々(2)式及び(3)式により表される。
Acos(ω0t+θ)・cos(ω0t)
=1/2・Acosθ+1/2{cos(2ω0t)・cosθ+sin(2ω0t)・sinθ}……(2)
Acos(ω0t+θ)・−sin(ω0t)
=1/2・Asinθ−1/2{sin(2ω0t)・cosθ+cos(2ω0t)・sinθ}……(3)
従って掛け算部31aの出力及び掛け算部31bの出力を夫々ローパスフィルタ32a及び32bを通すことにより、2ω0の周波数信号は除去されるので、結局ローパスフィルタ32からは1/2・Acosθと1/2・Asinθとが取り出される。なおローパスフィルタ32は、ローパスフィルタ32a及び32bから構成されるものとして記載してある。ローパスフィルタ32における実際のディジタル処理は、キャリアリムーブ31から出力される時系列データについて連続する複数個のデータ例えば6個のデータの移動平均を演算している。
そしてAcos(ω0t+θ)で表される正弦波信号の周波数が変化すると、Acos(ω0t+θ)はAcos(ω0t+θ+ω1t)となる。ただしω1はω0よりも十分小さいものとする。従って1/2・Acosθは1/2・Acos(θ+ω1t)となり、1/2・Asinθは1/2・Asin(θ+ω1t)となる。即ち、ローパスフィルタ32から得られた出力は、正弦波信号[Acos(ω0t+θ)]の周波数の変化分ω1/2πに対応する信号である。つまりこれらの値は、A/D変換器21からのディジタル信号により特定される正弦波信号の周波数と直交検波に用いた正弦波信号の周波数ω0/2πとの差の周波数で回転する回転するベクトルを複素表示したときの実数部分(I)及び虚数部分(Q)である。
図3はこの回転ベクトルを表した図であり、この回転ベクトルは長さがAであり、角速度がω1である。図2及び図3ではω1tをφとして表している。従って例えば水晶振動子11に感知対象物質が吸着されていないときのA/D変換部21からの周波数信号の周波数がω0/2πであれば、ω1はゼロであるからこの回転ベクトルの角速度はゼロであるが、水晶振動子11に感知対象物質が吸着されて水晶振動子11の周波数が変化し、これにより前記正弦波信号の周波数が変化すると、その変化分に応じた角速度で回転することになる。また水晶振動子11に感知対象物質が吸着されていないときのA/D変換部21からの周波数信号の周波数がω0/2πからずれていれば、そのずれた周波数に応じた角速度で回転ベクトルが回転することになる。いずれにしても回転ベクトルの角速度は、水晶振動子11の発振周波数に対応する値であるから、例えば溶媒中に水晶振動子11を浸漬したときと、その溶媒に感知対象物を加えて感知対象物を水晶振動子11に吸着させたときと、の夫々の回転ベクトル角速度を求めてその角速度差を求めれば、感知対象物を水晶振動子11に吸着させたことによる発振周波数の変化分を知ることができる。
このようにキャリアリムーブ31は前記正弦波信号に対して直交検波を行い、ローパスフィルタ32はその検波結果に対して高周波成分を除去するものであり、従ってこれらは、A/D変換部21からの周波数信号に対してディジタル信号による直交検波を行い、当該周波数信号における周波数と直交検波に用いた正弦波信号の周波数ω0/2πとの周波数差に相当する角速度で回転する回転ベクトルを複素表示したときの実数部分及び虚数部分を取り出す手段をなすものである。
図1に戻って、ローパスフィルタ32の後段には、減数処理部4が設けられている。この減数処理部4は、ローパスフィルタ32から得られる時系列のディジタル信号つまり12MHzのクロック信号により得られるディジタル値の群について、例えば120個おきにデータを取り出す減数処理(間引き処理)を行うものである。このように減数処理することにより、コンピュータの演算の負担が軽くなる。そしてこの実施の形態では後述のように、サンプリング間隔において回転ベクトルがどのくらい回転したかを把握して当該回転ベクトルの角速度を求めるようにしているため、ディジタル値群を多少間引いても前記角速度の検出精度(周波数の変化分の検出精度)には影響を及ぼさない。
減数処理部4の後段には、補正処理部5が設けられており、この補正処理部5は、ローパスフィルタ32を通りかつ減数処理された前記回転ベクトルの実数部分であるI値と回転ベクトルの虚数部分であるQ値とについて、夫々回転ベクトルのスカラー量で割り算することにより、回転ベクトルの単位長さ当たりのI値及びQ値を求める処理を行う。即ち、回転ベクトルに符号Vを割り当てると、補正処理部5は図4に示すように、I値とQ値とを夫々2乗して加算し、その加算値の平方根を算出して回転ベクトルVのスカラー量|V|を求め、I値及びQ値を|V|で割り算するように構成されている。
このようにI値及びQ値を補正する理由は次の通りである。この実施の形態では、回転ベクトルVがサンプリング間隔でどれだけ回転したかを算出するにあたり、図5に示すようにn番目のサンプリングにより求めた回転ベクトルV(n)と(n−1)番目のサンプリングにより求めた回転ベクトルV(n−1)とを結ぶベクトルΔVを含む因子により評価している。このため発振回路13からの高周波信号の波形のゆらぎなどにより回転ベクトルがいわば間延びしてΔVがΔV`になってしまうと、ΔVと回転ベクトルの回転量Δφとの対応関係が崩れてしまい、回転ベクトルの角速度の検出値の信頼性を損ねるおそれがある。そこで既述のように補正処理を行うことにより、各タイミングにおけるI値及びQ値が回転ベクトルの単位長さに対応する値として揃えられるので、回転ベクトルの間延びの影響を排除することができる。
更に図1に示すように前記補正処理部5の後段には、回転ベクトルの角速度を求めるための速度演算部6が設けられている。この速度演算部6について図6及び図7を参照して説明すると、図6に示すように、(n−1)番目のサンプリングにより求めた回転ベクトルV(n−1)とn番目のサンプリングにより求めた回転ベクトルV(n)=V(n−1)+ΔVとのなす角度Δφは、定数をKとすると、回転ベクトルの角速度(周波数)がサンプリング周波数よりも十分に小さければ、(4)式で近似できる。ただしΔφは、V(n)の位相φ(n)とV(n−1)の位相φ(n−1)との差であり、またimagは虚数部分、conj{V(n)}はV(n)の共役ベクトルである。
Δφ=K・imag[ΔV・conj{V(n)}] ……(4)
ここでI値及びQ値についてn番目のサンプリングに対応する値を夫々I(n)及びQ(n)とすれば、ΔV及びconj{V(n)}は複素表示すると夫々(5)式及び(6)式で表される。
ΔV=ΔI+jΔQ ……(5)
conj{V(n)}=I(n)−jQ(n) ……(6)
ただしΔIはI(n)−I(n−1)であり、ΔQはQ(n)−Q(n−1)である。(5)式及び(6)式を(4)式に代入して整理すると、Δφは(7)式で表されることになる。
Δφ=ΔQ・I(n)−ΔI・Q(n) ……(7)
前記速度演算部6は、この(7)式の演算を行ってΔφの近似値を求めるものであり、その構成は図7に示す通りである。速度演算部6に入力されたI値がn番目のサンプリングに対応する値であるI(n)であるとすると、レジスタ61には、一つ前のタイミングである(n−1)番目のサンプリングに対応するI(n−1)が保持されており、これらが突き合わせ回路部62で突き合わされてI(n)とI(n−1)との差分ΔIが取り出され、I(n)及びΔIが演算部65に入力される。またQ値についてもレジスタ63及び突き合わせ回路部64により同様に処理されてQ(n)及びΔQが演算部65に入力される。そして演算部65では、(7)式の演算を行ってΔφを求める。詳しくは演算部65の演算結果はΔφとして評価したものである。
ここで回転ベクトルV(n−1)とV(n)とが求まればこの間の角度Δφを求める手法あるいは評価する手法は種々の数学的手法を使うことができ、その一例として(4)式の近似式を挙げたに過ぎない。その数式としてはV(n)とV(n−1)の各終点を結ぶ線の中点と原点とを結ぶベクトルVOである{V(n)+V(n−1)}/2を用い、(4)式においてV(n)に代えてこのベクトルVOを代入してもよい。このような(4)式が近似できる理由は、VOとΔVとが直交しているとみなすことができ、このためΔVの長さは、VOを実軸と見たてたときのΔVの虚数値に相当すると取り扱えられるからである。そしてΔφを求める手法として直感的に分かりやすい方法は、argV(n)及びargV(n−1)を求めて差し引けばよいが、この場合には各ベクトルの虚数値と実数値との組とそのベクトルの位相φとを対応付けたテーブルが必要になるので、既述の(4)式に基づいて演算を行う方がコンピュータの負荷という点で得策である。なおargV(n)はtan-1(虚数値/実数値)である。
この速度演算部6の後段には、図1に示すように、時間平均化処理部7が設けられており、時間平均化処理部7は、速度演算部6で得られた演算結果であるΔφの時系列データについて時間的な平均化処理、例えば所定数のデータの移動平均を取り出して出力する。ここで得られた出力値は周波数差検出部71に入力される。この周波数差検出部71は、
第1の環境である例えば純水などの溶媒中に水晶振動子11を置いたときの回転ベクトルの角速度と、第2の環境である、感知対象物が供給された溶媒中に水晶振動子11を置いたときの回転ベクトルの角速度と、の差を検出するためのものである。回転ベクトルの角速度は、水晶振動子11の発振周波数に対応している値であるため、周波数差検出部71にて検出された角速度検出差は、水晶振動子11が感知物質を吸着したことによる発振周波数の変化分に対応する値であり、感知物質の吸着量を評価した値であるといえる。周波数差検出部71は、より具体的には、各回転ベクトルの角速度を記憶するメモリ、このメモリ内の各回転ベクトルの角速度を読み出してその角速度差を演算する手段などを備えている。
以上のようにこの実施の形態の構成をブロック化して説明したが、実際の演算あるいはデータ処理は、ソフトウエアにより実行される。
次に上述の実施の形態の作用について説明する。センサ部1の水晶振動子(発振回路13)から発振される、基本波として正弦波を含む例えば11MHzの周波数信号が例えば12MHzの周波数信号によりA/D変換部21で変換され、A/D変換部21からは約1MHzの基本波である正弦波信号を含む信号が出力される。ここで説明の便宜上この正弦波信号をAcos(ω0t+ω1t+θ)とすると(ω1はω0よりも十分小さい)、この正弦波信号が直交検波され更に低周波成分が除去されることにより、当該正弦波信号の周波数の変化量に対応する角速度で回転する回転ベクトルが取り出される。即ち、この回転ベクトルの実数部分及び虚数部分が夫々I値及びQ値として取り出される。これらI値及びQ値は減数処理部4で減数処理され、更に補正処理部5にて回転ベクトルVのスカラー量|V|で割り算されて、回転ベクトルの間延びの影響を取り除き、周波数差演算部6に入力される。なお説明の煩雑さを避けるために補正処理前後の回転ベクトルに対して、同じ符号「V」を付して説明する。
この回転ベクトルVは、正弦波信号Acos(ω0t+ω1t+θ)の周波数と直交検波に用いた正弦波信号の周波数ω0/2πとの差、つまりω1の角速度で回転するものである(図3参照)。ここで説明をわかりやすくするために、センサ部1を感知対象物質の存在を検出するための溶液内に例えば浸漬し、かつ感知対象物質が存在しないとき(水晶振動子11の検出限界以下のとき)の水晶振動子11の固有振動数に対応する角速度がω0であったとすると、ω1はゼロであるから、回転ベクトルVは静止している。従って時間平均化処理部7の出力であるΔφはゼロである。
一方前記溶液中に感知対象物質例えばダイオキシンが存在する場合には、水晶振動子11に吸着されたダイオキシンの量に応じてその発振周波数(固有振動数)が変化する。この場合周波数の変化量に対応する角速度で前記回転ベクトルVが回転し始める。説明を簡略化するために仮に周波数の変化量が1Hzであるとすると、回転ベクトルVは1秒間に1回転することになる。ここで本実施の形態では、サンプリングが相前後するV(n)の位相φ(n)とV(n−1)の位相φ(n−1)との差Δφを把握して回転ベクトルの角速度を検出しようとするものであり、このサンプリング間隔が仮に1/100秒であるとすると、Δφは3.6度になる。言い換えればサンプリング間隔の時間だけで回転ベクトルVの角速度が求まり、水晶振動子11の発振周波数の変化量を知ることができるのである。
ところで感知対象物質が存在しないときの水晶振動子11の発振周波数に対応する角速度が直交検波に用いた正弦波信号の角速度に一致することはかなり稀であることから、実際には、感知対象物質が存在しないときの水晶振動子11の発振周波数に対応する回転ベクトルの角速度と感知対象物質が存在するときの水晶振動子11の発振周波数に対応する回転ベクトルの角速度とを夫々求め、その角速度の差が求められる。この回転ベクトルの角速度の差は、水晶振動子11に感知対象物質が吸着したことによる水晶振動子11の周波数の変化分に対応する値であるから、予め感知対象物質の吸着量と周波数の変化分との関係を把握しておくことにより、そのときの感知対象物質の吸着量を求めることができる。そして溶液中における感知対象物質の濃度と感知対象物の吸着量との関係を予め求めておけば、感知対象物質の吸着量つまり水晶振動子11の周波数の変化分に基づいて溶液中の感知対象物質の濃度がわかる。このため水晶振動子11が浸漬されている溶液(図1中の符号12)に供給された試料液中の感知物質の濃度がわかる。
このように上述の実施の形態によれば、水晶振動子11の発振周波数(発振回路13からの周波数信号の周波数)をディジタル処理し、回転ベクトルの角速度をサンプリング間隔に応じた位相差により検出している。この結果従来のようにパルスをカウントする手法に比べて水晶振動子11の発振周波数の変化分を後述の実施例にて裏付けられるように高い精度でしかも極く短時間で検出することができる。従来のようなパルスカウントの方法では、正弦波をパルスにしてカウントするため、例えば10MHzのパルスを1Hzの分解能で識別するためには1秒もの時間がかかる。以上の説明から分かるように、本発明は、環境汚染物質をはじめ微量物質を検出する装置として極めて有用なものである。
本発明の使用方法としては、センサ部1を溶液中に浸漬することに限られず、溶液を水晶振動子11の表面に垂らすようにしてもよく、またダイオキシン以外の環境汚染物質例えばPCBなどを感知するものであってもよいし、あるいはウイルスを感知するものであってもよい。
そして本発明では、例えば水晶振動子11に接触する溶液中の感知対象物質の濃度を種々変えて、予め各濃度と回転ベクトルの角速度との関係を求めておき、水晶振動子11に溶液を接触させたときの回転ベクトルの角速度とこの関係とに基づいて感知対象物質の吸着量を推定するようにしてもよい。
また水晶振動子1を純水などの溶媒に接触させた状態をいわゆるブランク値としてもよいが、水晶振動子1を溶媒に接触させずに大気に晒した状態をブランク値とし、水晶振動子1に溶液を接触させて感知対象物質が吸着したときの回転ベクトルの回転数の変化分を捉えるようにしてもよい。
更にまた本発明は、液体中に存在する物質の感知に限られるものではなく、石油の臭い検知、火災時の煙検知、あるいはサリンガスなどの毒ガスの検知、部品内のガスの検知、半導体製造工場などのクリーンルーム内のガスの検知など種々の分野にて適用できる。
また本発明は、周波数の変化量そのものを表示して感知対象物質の濃度検出として使用できるが、その濃度を検出することなく、例えば周波数の変化量に対して閾値を持たせ、感知対象物質の存在の有無のみを知らせる装置として構成することもできる。この場合も周波数の変化量を捉えているので、本発明の技術的範囲に含まれることは当然である。
続いて本発明の他の実施の形態について説明する。この実施の形態の目的は、上記の実施の形態において、更に周波数差の測定レンジを広げることにある。先の実施の形態では、図6に示すように回転ベクトルの角速度をV(n)とV(n−1)との各終点を結ぶ直線の長さとして評価しているため、これら回転ベクトルの位相差が大きいと測定誤差が大きくなってしまう。そこで、この実施の形態では、回転ベクトルの角速度に応じた角速度で逆回転する逆回転ベクトルを作成し、前記回転ベクトルとこの逆回転ベクトルとを乗算することにより、回転ベクトルの角速度を落とすようにして、回転ベクトルが早くても遅くても、V(n)とV(n−1)との位相差即ち回転ベクトルの角速度を高精度に検出し、こうして試料溶液をセンサに供給したときの周波数の変化分(周波数差)の測定レンジを広くしようとするものである。
図8は、この実施の形態の全体構成を示し、周波数差演算部6の出力端と時間平均化処理部7との間には積分器70が設けられている。一方ローパスフィルタ32と減数処理部4との間には、周波数レンジ補正部8が設けられると共に、積分器70の出力に応じて、既述の回転ベクトルVとは逆向きに回転する逆回転ベクトルを生成する逆回転ベクトル生成部9が設けられ、ここで生成された逆回転ベクトルとローパスフィルタ32から出力される時系列データにより特定される回転ベクトルとが周波数レンジ補正部8にて乗算される。
今、周波数差(周波数変化分)が例えば500Hzであったと仮定し、この500Hzに対応する回転ベクトルにおいて、図9に示すようにあるタイミングのサンプリング例えばn回目のサンプリング値がI(n)+jQ(n)であったとする。このベクトルを実軸に沿った位置まで戻す場合には、周波数差500Hzに対応する角速度で前記回転ベクトルVに対して逆回転する逆回転ベクトルV`を作成し、この逆回転ベクトルV`を乗算すればよい。回転ベクトルVが逆回転ベクトルV`により戻されたベクトルI+jQは、{I(n)+jQ(n)}×{I`(n)+jQ`(n)}となる。この式を整理すると、(8)式となり、周波数レンジ補正部8は、この式の演算を行っている。
I+jQ={I(n)・I`(n)−Q(n)・Q`(n)}+j{I(n)・Q`(n)+I`(n)・Q(n)} ……(8)
逆回転ベクトルV`を発生するとは、実際には複素平面上におけるベクトルが逆回転するように当該ベクトルの実数部分及び虚数部分の値つまり逆回転ベクトルV`の位相をφとすると、cosφとsinφとの値を発生させることである。図10は、ベクトルのcosφとsinφとの組がベクトルの回転方向に沿って順番には配列されたI/Qテーブル90を示しており、逆回転ベクトル生成部9は、この例では前記I/Qテーブル90を備えていて、積分器70の出力に応じたインクリメント数またはデクリメント数でI/Qテーブル90のアドレスを読み出し、周波数レンジ補正部8に出力している。例えばアドレスを「0」から「11」までクロックの読み出しのタイミングにより1個づつ読み出し、再び「0」に戻ると、12クロックでベクトルが複素平面にて時計回りで1回転することになり、インクリメント数を2にして1個おきにアドレスを読み出すと、ベクトルの角速度が倍速になる。従って積分器70の大きさに応じてインクリメント数を決めておくことで、既述の周波数差演算部6(図8参照)により演算された周波数差Δφに応じた角速度(回転ベクトルVの角速度に応じた角速度)で逆回転する逆回転ベクトルを生成することができる。
回転ベクトルVは、既に述べたように、正弦波信号Acos(ω0t+θ)がAcos(ω0t+θ+ω1t)に変化したときに、ω1の角速度で回転するものであるから(図3参照)、ω1の値によって、時計回りになるか反時計回りになるかが決まってくる。従って逆回転ベクトルV`の向きも回転ベクトルVの向きに応じて決まってくることになり、積分器70の出力はその向きに応じて正の値または負の値になり、I/Qテーブル90のアドレスの読み出しについては、積分器70の出力が正の値の場合には、その値に応じたインクリメント数で読み出しが行われ、積分器70の出力が負の値の場合には、その値に応じたデクリメント数で読み出しが行われる。即ち、I/Qテーブル90はcos,sinの関係となっており、アドレス制御部103でI/Qテーブル90のアドレスをインクリメントまたはデクリメントすることにより回転ベクトルVの補正方向が制御されることになる。なお図10のI/Qテーブルは、本発明の理解を容易にするために模式的に作成されたものであり、実際のテーブルの好ましい作成例を挙げたものではない。
逆回転ベクトル生成部9の好ましい例について図11に示しておく。この例では、逆回転ベクトル生成部9は、積分器70の出力値を上位ビットの値と下位ビットの値とに分けるビット分割部100を備えている。例えば積分器の出力値が16ビットであるとすると、上位8ビットの値と、下位8ビットの値とに分割されて出力される。この例では、16ビットで表される積分器70の出力値のうち、上位8ビットのBCDコード(2進化10進数)の値に1/M(Mは10のマイナス8乗)を乗算することで上位8ビットの値(10進変換値)を作成し、この値にMを乗算して元の上位8ビットのBCDコードの値に戻した値を、前記出力値である16ビットのBCDコードの値から差し引くことで下位8ビットの値(10進変換値)を作成している。なお積分器70の出力値を上位ビットの値と下位ビットの値とに分ける手法は、このような手法に限らず単に上位ビットの値と下位ビットの値とを取り出すようにしてもよい。
そしてビット分割部100の下位のビットの出力側(この例では下位8ビットの値を出力する出力端側)には、パルス幅制御部101が設けられ、更にこのパルス幅制御部101の後段には加算器102が設けられており、下位ビットの値に応じてパルス幅制御して出力されたパルス列と上位ビットの値とが加算器102にて加算されるようになっている。またこの加算器102の後段側にはアドレス制御部103が設けられ、このアドレス制御部103は加算器102の値を積分し、その積分値に応じてI/Qテーブル90におけるアドレスの読み出しを制御する、即ちアドレスのインクリメント数あるいはディクリメント数を制御するように構成されている。
次ぎにこの実施の形態の作用について説明する。先ず水晶振動子11に感知対象物が吸着されることにより、感知対象物が吸着されない状態から水晶振動子11の周波数が変化すると、その周波数の変化分である周波数差に対応する角速度で回転ベクトルVが回転する。そして回転ベクトルVの角速度に対応する積分器70の出力値の上位ビット例えば上位8ビットの値であるレベルの信号が加算器102に入力される。一方積分器70の出力値の下位ビット例えば下位8ビットの値がパルス幅制御部101に入力される。パルス幅制御部101ではコンピュータのクロックパルスについて予め設定したパルス数毎に発生するサンプリング信号により、パルス幅演算を行って、入力値に応じたデューティ比のパルス列が出力される。
このパルス列は、1クロックで発生する+1のレベルのパルスと1クロックで発生する−1のレベルのパルスを組み合わせたものであり、仮に20クロック毎にパルス幅演算が行われるとし、パルス幅制御部101の入力値に対応するデューティ比が50%であるとすると、図12に示すように+1のレベルのパルスと−1のレベルのパルスとが交互に夫々10個づつ出力されることになる。そして例えば上位8ビットの値に相当するレベルが「5」であるとすると、サンプリング信号が発生されてから次のサンプリング信号が発生されるまでの間、加算器102からは「6」と「4」とが交互に出力され、アドレス制御部103は、この出力値を積分し、その積分値がI/Qテーブル90のアドレスとなる。つまりこの場合、積分値の増加分は「6」と「4」とが交互に繰り返されるので、アドレスのインクリメント数は「6」と「4」とが交互に繰り返され、結局上位8ビットの値に相当するレベルである平均「5」のインクリメント数でアドレスにアクセスされ、そのアドレスに記載されている逆回転ベクトルV`の実数部分及び虚数部分が読み出される。つまりこの「5」に対応する角速度の逆回転ベクトルV`が発生したことになる。なお図10のI/Qテーブル90は理解を容易にしたものであり、この場合の動作とは対応しない。
こうしてI/Qテーブル90から読み出された実数部分及び虚数部分の各値は、周波数レンジ補正部8にて、既述の(8)式の演算が行われ、回転ベクトルVに逆回転ベクトルV`が乗算されることになる。なお81はビット処理部であり、周波数差演算部6以降の演算ビット数を削減させるために下位ビットの丸め処理が行われる。
そして図11に示す逆回転ベクトル発生部9はPLL(Phase Lock Loop)を構成することになるので、ローパスフィルタ32側から周波数レンジ補正部8に入力される信号値が安定すれば、回転ベクトルVの角速度及び逆回転ベクトルV`の角速度は直ぐにロックされ、安定した状態になり、各信号については図12に示すようになる。即ち回転ベクトルVは、逆回転ベクトルV`により角速度が落とされて安定するが、この角速度は逆回転ベクトルV`が乗算されないときの角速度に対応するので、PLLによりロックされた回転ベクトルVの角速度は、水晶振動子の周波数差に対応していることになり、結果として測定レンジが広がったことになる。即ち、周波数の変化分が大きくて回転ベクトルの角速度が大きくても、その角速度を求められること、つまりその周波数の変化分を測定することができる。
またパルス幅制御部101の入力値に対応するデューティ比が50%よりも大きい場合には、図13に示すように50%を越えた分に応じた数だけ+1のレベルのパルスが連続し、その後+1のレベルのパルスと−1のレベルのパルスとが交互に発生する。従ってこのパルス列の積分値の増加分は、初め「6」が連続しするので、アドレスのインクリメント数は連続して「6」となり、やがて「6」と「4」とが交互に繰り返される。このためパルス幅制御部101の入力値がサンプリングされてから次のサンプリングの間隔までの逆回転ベクトルV`の角速度の平均値は、「5」に対応する角速度と「6」に対応する角速度との間であって、前記デューティ比に応じた大きさになる。つまりこの角速度は「5」に小数点以下の値を加えた値に対応する角速度になり、このことはパルス幅制御部101の入力値(積分器70の出力の下位ビットの値)に応じて「5」と「6」との間が補間されたことを意味する。なおこの例では、パルス幅演算のタイミングを20クロック毎としているが、このクロック数は、例えば下位ビットのビット数、この例では8個とし、8クロック毎にパルス幅演算を行うようにしてもよい。
このようにビット分割部100及びパルス幅制御部101を設けずに積分器70の出力の出力値に応じてI/Qテーブル90のアドレスのインクリメント数を決定する手法の場合は、I/Qテーブル90は要求精度(周波数差検出分解能)に応じた数である必要があり、パルス幅制御を用いた場合よりも大きくなる。これに対して本実施の形態のように構成すれば、パルス幅制御で補完する分だけI/Qテーブル90のメモリ容量を削減できる。
ここで積分器70の出力値が上位ビットに現れない場合として、水晶振動子の周波数差が500Hzである場合を例にとり、パルス幅制御部101の入力レベルの変化と出力レベルの変化とをシミュレーションにより調べた結果を夫々図14及び図15に示す。図14に示すようにパルス幅制御部101の入力レベルはほぼ1msecで安定しており、逆回転ベクトル生成部9を含むPPLにより回転ベクトルVの角速度が瞬時でロックされることが分かる。またパルス幅制御部101の出力は実際には+1と−1とのレベル信号であり、この値がアドレス制御部103に入力されることになるが、描画の解像度との関係で+1と−1とにおいて直線で引かれている。また積分器70の出力値が上位ビットに現れる場合として、水晶振動子の周波数差が10000Hzである場合を例にとり、加算器102の出力レベルを図16に示す。この例では加算器102の出力はおよそ「81」にて安定している。
上述の他の実施の形態によれば、先の実施の形態の効果に加えて更に次の効果がある。水晶振動子の周波数(固有振動数)の変化分に対応する回転ベクトルVに逆回転ベクトルV`を乗算し、回転ベクトルVの角速度を落とすようにしているので、例えば図6に示すように、回転ベクトルVの角速度をあるタイミングのベクトルと次のタイミングのベクトルとを結んだ直線の長さとして評価するような場合においても、高い精度で回転ベクトルVの角速度を求めることができ、従って回転ベクトルVの角速度が速くても遅くてもその角速度を高い精度で求めることができることになるので、水晶振動子の固有振動数の変化分が大きい値から小さい値まで測定することができ、結果として測定レンジが広がる。またフィードバックする回転ベクトルVの角速度に対して上位ビットの値と下位ビットの値とに分け、下位ビットの値についてはパルス幅制御を利用して、I/Qテーブル90のデータ値を補間するようにしているので、既に詳述したようにI/Qテーブル90のサイズを小さくすることができ、回路規模を小さくできる。
本発明の装置を検証する実験として、発振回路13からの周波数信号の周波数fcを1MHzとし、基準クロック信号の周波数fsを12MHzとして、実際にコンピュータによりデータ処理を行った。発振回路13からの周波数信号として使用した試験用の高周波信号(正弦波信号)は、周波数を僅かに1MHzから変化させておいた。図17は、試験用の高周波信号を基準クロック信号によりサンプリングしてディジタル値を求める様子を示す図である。こうして求められたディジタル値で特定される信号について周波数スペクトルを調べたところ図18に示すとおりであった。従ってここでは1MHzの正弦波信号を基本波とする高周波信号がA/D変換部21から取り出されることになる。
図19は、キャリアリムーブ31から出力されるI値及びQ値を示し、図20はローパスフィルタ32から得られるI値及びQ値を示している。この例では試験用の高周波信号について周波数を変化させているので、ローパスフィルタ32の出力値は上昇している。また図21は、この実施例においてオフセット周波数(周波数変化量)と検出出力との関係を示したものであり、オフセット周波数が大きくなると誤差が大きくなるが、オフセット周波数が小さい領域では、極めて両者の対応関係が良好であり、高い信頼性で周波数変化量を検出できることが理解される。また図22は、前記試験用の高周波信号の周波数を変化させた直後の時間的平均化処理部7の出力を示すものであり、0.1秒以内で周波数の変化量を検出できることが理解される。また周波数検出精度は、出力の上昇が止まって時間軸に平行になった領域の脈動の振幅に相当するが、この値は0.0035Hzであり、周波数検出精度が極めて高いことが裏付けされている。
本発明に係る感知装置の実施の形態の全体構成を示すブロック図である。 上記の実施の形態に用いられるキャリアリムーブ及びローパスフィルタを示す構成図である。 水晶振動子の周波数信号における周波数の変化分に対応する回転ベクトルを示す説明図である。 上記の実施の形態に用いられる補正処理部示す構成図である。 回転ベクトルが間延びしたときに検出誤差が生じる様子を示す説明図である。 相前後するタイミングでサンプリングした回転ベクトルの位相差を示す説明図である。 上記の実施の形態に用いられる速度演算部を示す構成図である。 本発明の他の実施の形態の全体構成を示すブロック図である。 上記の他の実施の形態における回転ベクトルと逆回転ベクトルの乗算の様子を示す説明図である。 上記の他の実施の形態において逆回転ベクトルを発生させるためのデータテーブルを示す説明図である 上記の他の実施の形態における要部の構成を詳しく示すブロック図である。 上記の他の実施の形態における一部の作用を示すタイムチャートである。 上記の他の実施の形態における一部の作用を示すタイムチャートである。 上記の他の実施の形態において用いられるパルス幅回路部の入力値の一例を示す特性図である。 前記パルス幅回路部の出力値の一例を示す特性図である。 上記の他の実施の形態において用いられる加算器の出力値の一例を示す特性図である。 本発明の具体的な実施例において、水晶振動子の発振回路からの周波数信号をサンプリングしてディジタル値に変換する様子を示す説明図である。 図8にて得られた出力信号について周波数スペクトルを検証した結果を示す特性図である。 上記の実施例においてキャリアリムーブにて得られるI値及びQ値を示す特性図である。 上記の実施例においてローパスフィルタにて得られるI値及びQ値を示す特性図である。 上記の実施例においてオフセット周波数と検出出力との関係を示す特性図である。 上記の実施例において周波数変化量の検出値の立ち上がりの様子を示す特性図である。
符号の説明
1 センサ部
11 センサ用振動子である水晶振動子
13 発振回路
2 基準クロック発生部
31 キャリアリムーブ
32 ローパスフィルタ
4 減数処理部
5 補正処理部
6 速度演算部
7 時間平均化処理部
8 周波数レンジ補正部
9 逆回転ベクトル発生部
90 I/Qテーブル
100 ビット分割部
101 パルス幅制御部
103 アドレス制御部

Claims (10)

  1. 感知対象物を吸着するための吸着層がその表面に形成され、感知対象物の吸着により固有振動数が変わるセンサ用振動子を用い、このセンサ用振動子の固有振動数の変化により感知対象物を感知する感知装置において、
    前記センサ用振動子を発振させるセンサ用発振回路と、
    前記センサ用振動子からの周波数信号をサンプリングするためのクロック信号を発生させる基準クロック発生部と、
    前記センサ用振動子からの周波数信号を前記基準クロック発生部からのクロック信号によりサンプリングしてそのサンプリング値をディジタル信号として出力するアナログ/ディジタル変換部と、
    このアナログ/ディジタル変換部からの出力信号に対応する周波数信号に対してディジタル信号による直交検波を行い、当該周波数信号における周波数と直交検波に用いたディジタル信号により特定される周波数との周波数差に相当する角速度で回転する回転ベクトルを複素表示したときの実数部分及び虚数部分を取り出す回転ベクトル取り出し手段と、
    この回転ベクトル取り出し手段で得られた前記実数部分及び虚数部分の各時系列データに基づいて、回転ベクトルの角速度を求める回転ベクトル速度演算手段と、を備えたことを特徴とする感知装置。
  2. センサ用振動子が第1の環境に置かれているときの回転ベクトルの角速度と、センサ用振動子が第2の環境に置かれているときの回転ベクトルの角速度と、の差を求める手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の感知装置。
  3. 前記回転ベクトル取り出し手段は、アナログ/ディジタル変換部からの出力信号に対応する周波数信号を直交検波する手段と、この手段で得られたデータに含まれる高周波成分を除去する手段と、を含むことを特徴とする請求項1記載の感知装置。
  4. あるタイミングにおける前記サンプリング値に対応する実数部分及び虚数部分を夫々I(n)及びQ(n)とし、当該タイミングよりも前のタイミングにおける前記サンプリング値に対応する実数部分及び虚数部分を夫々I(n−1)及びQ(n−1)とすると、前記回転ベクトル速度演算手段は、{Q(n)−Q(n−1)}・I(n)−{I(n)−I(n−1)}・Q(n)の演算に基づいて回転ベクトルの角速度を求めることを特徴とする請求項1記載の感知装置。
  5. 前記回転ベクトル速度演算手段により求められた演算結果に対して所定時間内の平均値を求める手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の感知装置。
  6. 所定時間内の平均値を求める手段は移動平均を求める手段であることを特徴とする請求項5記載の感知装置。
  7. 前記回転ベクトル速度演算手段の前段に、前記実数部分及び虚数部分を、これら実数部分及び虚数部分により決定されるベクトルのスカラー量により割り算する補正処理部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の感知装置。
  8. 前記回転ベクトル速度演算手段により求められた角速度で、前記回転ベクトルとは逆向きに回転する逆回転ベクトルを複素表示したときの実数部分及び虚数部分を作成する逆回転ベクトル生成部と、
    前記回転ベクトル速度演算手段の前段に設けられ、前記回転ベクトル取り出し手段により得られた前記回転ベクトルの実数部分及び虚数部分と、前記逆回転ベクトル生成部により生成された逆回転ベクトルの実数部分及び虚数部分と、を演算して前記回転ベクトルの角速度を遅くすることにより、周波数の変化分のレンジを補正する周波数レンジ補正部と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の感知装置。
  9. 逆回転ベクトル生成部は、複素表面上における逆回転ベクトルの位置を規定する実数部分及び虚数部分の組を回転方向に沿って順番に配列したデータテーブルと、前記周波数の変化量に相当するインクリメント数またはデクリメント数により前記データテーブルのアドレスを発生させることにより逆回転ベクトルを生成するアドレス制御部と、を備えたことを特徴とする請求項8記載の感知装置。
  10. 逆回転ベクトル生成部は、前記回転ベクトル速度演算手段により求められた周波数の変化量をディジタル信号で表したときの下位ビットの値に応じたデューティ比のパルス列を出力するパルス幅制御部と、前記周波数の変化量をディジタル信号で表したときの上位ビットの値と前記パルス幅制御部により作成されたパルスのレベルとを加算して前記アドレス制御部に出力する加算部と、を備え、
    前記アドレス生成部は、この加算部からの出力値を積分し、この積分値を前記データテーブルのアドレスとすることを特徴とする請求項9記載の感知装置。





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