JP2006258062A - 動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法 - Google Patents

動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法 Download PDF

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和宏 一本
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Abstract

【課題】 内燃機関の燃焼が不安定な状態のときでも内燃機関が失火するなどの不都合が生じるのを抑制する。
【解決手段】 燃料の性状が重質であると共にエンジンの出力トルクが不安定であるか空燃比フィードバック補正量Tsetが不安定であるときには(S300〜S350)、エンジンの運転ポイント(目標回転数,目標トルク)をホールドするホールド要求を設定し(S360)、その後、エンジンの出力トルクが安定し、且つ、空燃比フィードバック補正量Tsetが安定したときには(S340,S350)、設定したホールド要求の設定を解除する(S370)。これにより、エンジンの燃焼が不安定なときにその運転ポイントを変更することにより生じる失火などの不都合を抑制することができる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法に関する。
従来、この種の動力出力装置としては、車両に搭載され、エンジンからの出力トルクが不安定なエンジンの冷温時には電動モータをできる限り車両の駆動源として用いるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、クラッチツウクラッチ変速である2−3変速や直接圧制御による変速である1−2変速のときに電動モータをできる限り車両の駆動源として用いることにより、変速時のショックを低減している。
特開平9−294306号公報
このようにエンジンの冷温時にエンジンからの出力トルクが不安定になる状態としては、エンジンの燃焼が安定して良好に行なわれないことに起因する場合があり、例えば、エンジンに供給される燃料が重質なものであるためにエンジンの燃焼が不安定になる場合を挙げることができる。このように、エンジンの燃焼が不安定なときに要求されるパワーの変更によりエンジンから出力するパワーを変更すると、パワーの変更に伴ってエンジンの燃焼が更に不安定となり、場合によっては失火する場合も生じる。
本発明の動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法は、内燃機関の燃焼が不安定な状態のときでも内燃機関が失火するのを抑制することを目的の一つとする。また、本発明の動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法は、内燃機関の燃焼が不安定な状態のときでも要求された動力を出力することを目的の一つとする。
本発明の動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
本発明の動力出力装置は、
駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
前記駆動軸に動力を出力可能な内燃機関と、
前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、
前記駆動軸に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
前記設定された要求駆動力に基づいて前記内燃機関から出力すべき目標パワーを設定する目標パワー設定手段と、
前記内燃機関に供給される燃料の性状が重質であるか否かを判定する燃料性状判定手段と、
前記燃料性状判定手段により前記燃料の性状が重質ではないと判定されたときには前記設定された目標パワーが前記内燃機関から出力されると共に前記要求駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電動機とを制御し、前記燃料性状判定手段により前記燃料の性状が重質であると判定されたときには所定の解除条件が成立するまで前記燃料の性状が重質であると判定されたときに設定されている目標パワーが前記内燃機関から出力されると共に前記要求駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電動機とを制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の動力出力装置では、内燃機関に供給される燃料の性状が重質であるか否かを判定し、燃料の性状が重質ではないと判定されたときには駆動軸に要求される要求駆動力に基づいて設定された目標パワーが内燃機関から出力されると共に要求駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関と電動機とを制御し、燃料の性状が重質であると判定されたときには所定の解除条件が成立するまで燃料の性状が重質であると判定されたときに設定されている目標パワーが内燃機関から出力されると共に要求駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関と電動機とを制御する。これにより、燃料の性状が重質であるために内燃機関の燃焼が不安定なときでも内燃機関が失火するのを抑制することができると共に要求駆動力を駆動軸に出力することができる。ここで、燃料の性状が重質であるとは、同一の温度で通常の燃料より気化の程度が低い燃料をいう。
こうした本発明の動力出力装置において、前記内燃機関の燃焼状態を判定する燃焼状態判定手段を備え、前記所定の解除条件は前記燃焼状態判定手段により前記内燃機関の燃焼状態が安定した燃焼状態であると判定される条件であるものとすることもできる。こうすれば、内燃機関の燃焼状態が安定した燃焼状態に至ったときには内燃機関から目標パワーを出力することができ、装置の性能を発揮させることができる。この場合、前記燃焼状態判定手段は、前記内燃機関に供給する燃料における空燃比に関する補正量に基づいて燃焼状態を判定する手段であるものとすることもできるし、前記内燃機関から出力されるトルクの状態に基づいて燃焼状態を判定する手段であるものとすることもできる。
また、本発明の動力出力装置において、所定の制約を用いて前記設定された目標パワーを出力すべき目標運転ポイントを設定する目標運転ポイント設定手段を備え、前記制御手段は、前記燃料性状判定手段により前記燃料の性状が重質ではないと判定されたときには前記設定された目標運転ポイントで前記内燃機関が運転されるよう制御し、前記燃料性状判定手段により前記燃料の性状が重質であると判定されたときには前記所定の解除条件が成立するまで前記燃料の性状が重質であると判定されたときに設定されている目標運転ポイントで前記内燃機関が運転されるよう制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、所定の制約を満たす運転ポイントで内燃機関を運転することができる。ここで、「所定の制約」には、内燃機関を効率よく運転する制約を含めることができる。こうすれば、装置のエネルギ効率の向上を図ることができる。
さらに、本発明の動力出力装置において、前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸とに接続され電力と動力の入出力を伴って前記内燃機関からの動力の少なくとも一部を前記駆動軸に出力可能な電力動力入出力手段を備え、前記制御手段は前記燃料性状判定手段による前記燃料の性状の判定結果に基づいて前記電力動力入出力手段をも制御する手段であるものとすることもできる。この場合、前記電力動力入出力手段は、前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸と回転軸との3軸に接続され、該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記回転軸に動力を入出力可能な発電機と、を備える手段であるものとすることもできるし、前記内燃機関の出力軸に接続された第1の回転子と前記駆動軸に接続された第2の回転子とを有し前記第1の回転子と前記第2の回転子との相対的な回転により回転する対回転子電動機であるものとすることもできる。
本発明の自動車は、上述のいずれかの態様の本発明の動力出力装置、即ち、基本的には、駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、前記駆動軸に動力を出力可能な内燃機関と、前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、前記駆動軸に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、前記設定された要求駆動力に基づいて前記内燃機関から出力すべき目標パワーを設定する目標パワー設定手段と、前記内燃機関に供給される燃料の性状が重質であるか否かを判定する燃料性状判定手段と、前記燃料性状判定手段により前記燃料の性状が重質ではないと判定されたときには前記設定された目標パワーが前記内燃機関から出力されると共に前記要求駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電動機とを制御し、前記燃料性状判定手段により前記燃料の性状が重質であると判定されたときには所定の解除条件が成立するまで前記燃料の性状が重質であると判定されたときに設定されている目標パワーが前記内燃機関から出力されると共に前記要求駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電動機とを制御する制御手段と、を備える動力出力装置を搭載し、車軸が前記駆動軸に連結されてなることを要旨とする。
この本発明の自動車では、上述のいずれかの態様の本発明の動力出力装置を搭載するから、本発明の動力出力装置が奏する効果、例えば、燃料の性状が重質であるために内燃機関の燃焼が不安定なときでも内燃機関が失火するのを抑制することができる効果や燃料の性状が重質であるために内燃機関の燃焼が不安定なときでも要求駆動力を駆動軸に出力することができる効果などと同様の効果を奏することができる。
本発明の動力出力装置の制御方法は、
駆動軸に動力を出力可能な内燃機関および電動機を備える動力出力装置の制御方法であって、
前記駆動軸に要求される要求駆動力に基づいて前記内燃機関から出力すべき目標パワーを設定する要求動力設定ステップと、
前記内燃機関に供給される燃料の性状が重質であるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより前記燃料の性状が重質ではないと判定されたときには前記設定された目標パワーが前記内燃機関から出力されると共に前記要求駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電動機とを制御し、前記判定ステップにより前記燃料の性状が重質であると判定されたときには所定の解除条件が成立するまで前記燃料の性状が重質であると判定されたときに設定されている目標パワーが前記内燃機関から出力されると共に前記要求駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電動機とを制御する制御ステップと
を備えることを要旨とする。
この本発明の動力出力装置の制御方法では、内燃機関に供給される燃料の性状が重質であるか否かを判定し、燃料の性状が重質ではないと判定されたときには駆動軸に要求される要求駆動力に基づいて設定された目標パワーが内燃機関から出力されると共に要求駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関と電動機とを制御し、燃料の性状が重質であると判定されたときには所定の解除条件が成立するまで燃料の性状が重質であると判定されたときに設定されている目標パワーが内燃機関から出力されると共に要求駆動力が駆動軸に出力されるよう内燃機関と電動機とを制御する。これにより、燃料の性状が重質であるために内燃機関の燃焼が不安定なときでも内燃機関が失火するのを抑制することができると共に要求駆動力を駆動軸に出力することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例である動力出力装置を搭載したハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに取り付けられた減速ギヤ35と、この減速ギヤ35に接続されたモータMG2と、動力出力装置全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、例えばガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力可能な内燃機関として構成されており、図2に示すように、エアクリーナ122により清浄された空気をスロットルバルブ124を介して吸入すると共に燃料噴射弁126からガソリンを噴射して吸入された空気とガソリンとを混合し、この混合気を吸気バルブ128を介して燃料室に吸入し、点火プラグ130による電気火花によって爆発燃焼させて、そのエネルギにより押し下げられるピストン132の往復運動をクランクシャフト26の回転運動に変換する。エンジン22からの排気は、一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC),窒素酸化物(NOx)の有害成分を浄化する浄化装置(三元触媒)134を介して外気へ排出される。
エンジン22は、エンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により制御されている。エンジンECU24には、エンジン22の状態を検出する種々のセンサからの信号が図示しない入力ポートを介して入力されている。例えば、エンジンECU24には、エアクリーナ122に取り付けられた温度センサ123からの吸入空気温Taやクランクシャフト26の回転位置を検出するクランクポジションセンサ140からのクランクポジション,エンジン22の冷却水の温度を検出する水温センサ142からの冷却水温Tw,燃焼室へ吸排気を行なう吸気バルブ128や排気バルブを開閉するカムシャフトの回転位置を検出するカムポジションセンサ144からのカムポジション,スロットルバルブ124のポジションを検出するスロットルバルブポジションセンサ146からのスロットルポジション,エンジン22の負荷としての吸入空気量を検出するバキュームセンサ148からの吸入空気量Ga,浄化装置134の上流側に取り付けられた空燃比センサ135aからの空燃比AF,浄化装置134の下流側に取り付けられた酸素センサ135bからの酸素信号などが入力ポートを介して入力されている。また、エンジンECU24からは、エンジン22を駆動するための種々の制御信号が図示しない出力ポートを介して出力されている。例えば、エンジンECU24からは、燃料噴射弁126への駆動信号や、スロットルバルブ124のポジションを調節するスロットルモータ136への駆動信号、イグナイタと一体化されたイグニッションコイル138への制御信号、吸気バルブ128の開閉タイミングの変更可能な可変バルブタイミング機構150への制御信号などが出力ポートを介して出力されている。なお、エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータを出力する。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構60およびデファレンシャルギヤ62を介して、最終的には車両の駆動輪63a,63bに出力される。
モータMG1およびモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば,バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51からの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、バッテリECU52では、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)も演算している。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特にエンジン22に供給される燃料が重質な燃料であるためにエンジン22の燃焼が不安定な状態に至っている際の動作について説明する。ここで、重質な燃料とは、気化の程度が通常の燃料より低い燃料をいう。図3はハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートであり、図4は、エンジンECU24により実行されるホールド要求設定ルーチンの一例を示すフローチャートである。これらのルーチンは、所定時間毎(例えば数msec毎)に繰り返し実行される。実施例では説明の容易のために、まず、図4のホールド要求設定ルーチンを用いてエンジン22の要求パワーPe*のホールド要求の設定の様子について説明し、その後、図3の駆動制御ルーチンを用いて車両の駆動制御について説明する。
ホールド要求設定ルーチンが実行されると、エンジンECU24は、まず、温度センサ123からの吸入空気温Taや水温センサ142からの冷却水温Tw,バキュームセンサ148からの吸入空気量Ga,空燃比センサ135aからの空燃比AF,燃料噴射時間Tf,空燃比フィードバック補正量Tset,モータMG1のトルク指令Tm1*などエンジン22の要求パワーPe*のホールド要求を設定するか設定されているホールド要求を解除するかを判定するのに必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS300)。ここで、燃料噴射時間Tfは、吸入空気量Gaや吸入空気温Taなどに基づいて設定したものを入力するものとした。また、空燃比フィードバック補正量Tsetは、燃料噴射時間Tfを設定する際に空燃比センサ135aに基づいて設定されたものを入力するものとした。さらに、モータMG1のトルク指令Tm1*は、図3の駆動制御ルーチンにより設定されたものをハイブリッド用電子制御ユニット70から通信により入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、エンジン22に供給されている燃料の性状が重質であるか否かを判定すると共に(ステップS310)、エンジン22の出力トルクが安定しているか否かを判定し(ステップS320)、さらに、空燃比フィードバック補正量Tsetが安定しているか否かを判定する(ステップS330)。ここで、燃料の性状が重質であるか否かの判定は、通常の燃料に対して気化の程度が小さいか否かの判定に基づく。例えば、吸入空気温Taや冷却水温Twにより外気が低温のときやエンジン22の暖機が完了していないときに吸入空気量Gaに対する燃料噴射量(燃料噴射時間Tf)が通常時に比して大きいときに燃料の性状が重質であると判定したり、吸入空気温Taや冷却水温Twにより外気が低温のときやエンジン22の暖機が完了していないときに空燃比フィードバック補正量Tsetが安定していないときに燃料の性状が重質であると判定したり、モータMG1のトルク指令Tm1*が変動することからエンジン22の出力トルクが不安定であるときに燃料の性状が重質であると判定したりすることができる。エンジン22の出力トルクが安定しているか否かの判定は、実施例では、モータMG1のトルク指令Tm1*が安定しているか否かにより判定するものとした。これは、動力分配統合機構30を介してエンジン22とモータMG1とが接続されているために、モータMG1の出力トルクがエンジン22の出力トルクを反映することに基づく。空燃比フィードバック補正量Tsetが安定しているか否かの判定は、空燃比フィードバック補正量Tsetの履歴からその変動量が所定変動量以内にあるか否かを判定することにより行なうことができる。
こうして各種判定すると、燃料の性状が重質であると判定されると共にエンジン22の出力トルクが不安定であるか空燃比フィードバック補正量Tsetが不安定であるときには(ステップS340,S350)、エンジン22を安定して運転するために、エンジン22から出力すべき要求パワーPe*をホールドするホールド要求を設定して(ステップS360)、本ルーチンを終了する。一方、燃料の性状が重質でないと判定されたときや燃料の性状が重質であると判定されてもエンジン22の出力トルクが安定しており且つ空燃比フィードバック補正量Tsetが安定しているときには(ステップS340,S350)、エンジン22は通常に運転可能と判断し、ホールド要求が設定されているときにはホールド要求を解除して(ステップS370)、本ルーチンを終了する。
次に、図3の駆動制御ルーチンに基づいて車両の駆動制御について説明する。駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,バッテリ50の入出力制限Win,Woutなど制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されるモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて計算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。また、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、温度センサ51により検出されたバッテリ50の電池温度Tbとバッテリ50の残容量(SOC)とに基づいて設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車両に要求されるトルクとして駆動輪63a,63bに連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*を設定する(ステップS110)。要求トルクTr*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTr*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。図5に要求トルク設定用マップの一例を示す。
続いて、ホールド要求がなされているか否かを判定する(ステップS120)。ホールド要求の設定については図4のホールド要求設定ルーチンを用いて説明した。ホールド要求がなされていないときには、設定した要求トルクTr*にリングギヤ軸32aの回転数Nrを乗じたものとバッテリ50が要求する充放電要求パワーPb*とロスLossとの和として要求パワーPe*を計算し(ステップS130)、計算した要求パワーPe*に基づいてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する(ステップS140)。ここで、リングギヤ軸32aの回転数Nrは、車速Vに換算係数kを乗じることによって求めたり、モータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで割ることによって求めることができる。また、エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*の設定は、エンジン22を効率よく動作させる動作ラインと要求パワーPe*とに基づいて行う。エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を図6に示す。図示するように、目標回転数Ne*と目標トルクTe*は、動作ラインと要求パワーPe*(Ne*×Te*)が一定の曲線との交点により求めることができる。
続いて、設定した目標回転数Ne*とリングギヤ軸32aの回転数Nr(Nm2/Gr)と動力分配統合機構30のギヤ比ρとを用いて次式(1)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を計算すると共に計算した目標回転数Nm1*と現在の回転数Nm1とに基づいて式(2)によりモータMG1のトルク指令Tm1*を計算する(ステップS160)。ここで、式(1)は、動力分配統合機構30の回転要素に対する力学的な関係式である。動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図を図7に示す。図中、左のS軸はモータMG1の回転数Nm1であるサンギヤ31の回転数を示し、C軸はエンジン22の回転数Neであるキャリア34の回転数を示し、R軸はモータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで除したリングギヤ32の回転数Nrを示す。式(1)は、この共線図を用いれば容易に導くことができる。なお、R軸上の2つの太線矢印は、エンジン22を目標回転数Ne*および目標トルクTe*の運転ポイントで定常運転したときにエンジン22から出力されるトルクTe*がリングギヤ軸32aに伝達されるトルクと、モータMG2から出力されるトルクTm2*が減速ギヤ35を介してリングギヤ軸32aに作用するトルクとを示す。また、式(2)は、モータMG1を目標回転数Nm1*で回転させるためのフィードバック制御における関係式であり、式(2)中、右辺第2項の「k1」は比例項のゲインであり、右辺第3項の「k2」は積分項のゲインである。
Nm1*=Ne*・(1+ρ)/ρ-Nm2/(Gr・ρ) (1)
Tm1*=前回Tm1*+k1(Nm1*-Nm1)+k2∫(Nm1*-Nm1)dt (2)
こうしてモータMG1の目標回転数Nm1*とトルク指令Tm1*とを計算すると、バッテリ50の入出力制限Win,Woutと計算したモータMG1のトルク指令Tm1*に現在のモータMG1の回転数Nm1を乗じて得られるモータMG1の消費電力(発電電力)との偏差をモータMG2の回転数Nm2で割ることによりモータMG2から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tmin,Tmaxを次式(3)および式(4)により計算すると共に(ステップS170)、要求トルクTr*とトルク指令Tm1*と動力分配統合機構30のギヤ比ρを用いてモータMG2から出力すべきトルクとしての仮モータトルクTm2tmpを式(5)により計算し(ステップS180)、計算したトルク制限Tmin,Tmaxで仮モータトルクTm2tmpを制限した値としてモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する(ステップS190)。このようにモータMG2のトルク指令Tm2*を設定することにより、駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力する要求トルクTr*を、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で制限したトルクとして設定することができる。なお、式(5)は、前述した図7の共線図から容易に導き出すことができる。
Tmin=(Win-Tm1*・Nm1)/Nm2 (3)
Tmax=(Wout-Tm1*・Nm1)/Nm2 (4)
Tm2tmp=(Tr*+Tm1*/ρ)/Gr (5)
こうしてエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*についてはエンジンECU24に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40にそれぞれ送信して(ステップS200)、駆動制御ルーチンを終了する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによって示される運転ポイントで運転されるようにエンジン22における燃料噴射制御や点火制御などの制御を行なう。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
一方、ステップS120でホールド要求がなされていると判定されると、エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とに前回このルーチンが実行されたときに設定された目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定し(ステップS150)、設定した目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを用いて上述したようにモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定し(ステップS160〜S190)、設定した目標回転数Ne*や目標トルクTe*,トルク指令Tm1*,Tm2*をエンジンECU24やモータECU40に送信して(ステップS200)、本ルーチンを終了する。ここで、目標回転数Ne*と目標トルクTe*とに前回値を設定する処理は、ホールド要求がなされている間中継続されるから、ホールド要求がなされたときに目標回転数Ne*と目標トルクTe*とをホールドすること、即ち、ホールド要求がなされたときにエンジン22の運転ポイント(要求パワーPe*)をホールドすることになる。ホールド要求がなされているときには、ホールド要求が燃料の性状が重質であると判定されると共にエンジン22の出力トルクが不安定であるか空燃比フィードバック補正量Tsetが不安定であるときに設定されることを考慮すると、エンジン22の燃焼状態は良好な状態であるとは言えない。実施例では、こうしたエンジン22の燃焼状態が良好な状態にあるとは言えないときにエンジン22の運転ポイントを変更することにより生じる失火や更なるエンジン22の出力トルクの不安定化などの不都合を抑制するために、エンジン22の運転ポイントをホールドするのである。これにより、燃料の性状が重質でありエンジン22の出力トルクが不安定であるか空燃比フィードバック補正量Tsetが不安定であるときでも、エンジン22の運転をより安定して行なうことができる。さらに、このように、エンジン22の運転ポイントをホールドしても、駆動軸としてのリングギヤ軸32aに要求トルクTr*がバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で出力されるようモータMG2のトルク指令Tm2*が設定されるから、リングギヤ軸32aには要求トルクTr*に基づくトルクを出力することができる。即ち、エンジン22の運転ポイントをホールドしても運転者の要求するトルクにより走行することができるのである。
なお、ホールド要求がなされてエンジン22の運転ポイント(要求パワーPe*)をホールドした後に、エンジン22の出力トルクが安定し、且つ、空燃比フィードバック補正量Tsetが安定したときには、図4のホールド要求設定ルーチンのステップS370によりホールド要求の設定が解除されるから、その後は、ステップS130により要求トルクTr*に基づいて要求パワーPe*が計算され、これに基づいて制御される。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、燃料の性状が重質であると共にエンジン22の出力トルクが不安定であるか空燃比フィードバック補正量Tsetが不安定であるときには、エンジン22の運転ポイント(目標回転数Ne*,目標トルクTe*)をホールドするから、エンジン22の運転ポイントを変更することにより生じる失火や更なるエンジン22の出力トルクの不安定化などの不都合を抑制することができる。この結果、より安定してエンジン22を運転することができる。しかも、エンジン22の運転ポイントをホールドしているときでも、駆動軸としてのリングギヤ軸32aに要求トルクTr*がバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で出力されるようモータMG2のトルク指令Tm2*が設定されるから、リングギヤ軸32aには要求トルクTr*に基づくトルク、即ち運転者が要求するトルクを出力することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、燃料の性状が重質であると共にエンジン22の出力トルクが不安定であるか空燃比フィードバック補正量Tsetが不安定であるときには、エンジン22の運転ポイント(目標回転数Ne*,目標トルクTe*)をホールドするものとしたが、燃料の性状が重質であるときには、エンジン22の出力トルクが不安定であるか否かや空燃比フィードバック補正量Tsetが不安定であるか否かを考慮せず、他の要因、例えばエンジン22の暖機完了か否かなどを考慮して、エンジン22の運転ポイント(目標回転数Ne*,目標トルクTe*)をホールドするものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、ホールド要求がなされていないときには、要求トルクTr*にリングギヤ軸32aの回転数Nrを乗じたものとバッテリ50が要求する充放電要求パワーPb*とロスLossとの和として要求パワーPe*を計算すると共にエンジン22を効率よく動作させる動作ラインを用いてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定するものとしたが、エンジン22の暖機が終了していないときや浄化装置134の触媒の暖機が終了していないときであって、大きな要求トルクTr*が要求されておらず、さらに バッテリ50の残容量(SOC)が十分なときには、エンジン22や浄化装置134の触媒を暖機するための暖機運転用の要求パワーPe*を設定すると共に暖機運転用の目標回転数Ne*や目標トルクTe*を設定するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、燃料の性状が重質であるか否かの判定として、吸入空気温Taや冷却水温Twにより外気が低温のときやエンジン22の暖機が完了していないときに吸入空気量Gaに対する燃料噴射量(燃料噴射時間Tf)が通常時に比して大きいときに燃料の性状が重質であると判定したり、吸入空気温Taや冷却水温Twにより外気が低温のときやエンジン22の暖機が完了していないときに空燃比フィードバック補正量Tsetが安定していないときに燃料の性状が重質であると判定したり、モータMG1のトルク指令Tm1*が変動することからエンジン22の出力トルクが不安定であるときに燃料の性状が重質であると判定したりするものとしたが、これらの判定手法に限られず、如何なる判定手法を用いるものとしても構わない。また、エンジン22の出力トルクが安定しているか否かの判定として、モータMG1のトルク指令Tm1*が安定しているか否かにより判定するものとしたが、エンジン22の出力トルクを実際に検出して出力トルクが安定しているか否かを判定するものとするなど、他の手法を用いて判定するものとしても構わない。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2の動力を減速ギヤ35により変速してリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図8の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪63a,63bが接続された車軸)とは異なる車軸(図8における車輪64a,64bに接続された車軸)に接続するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の動力を動力分配統合機構30を介して駆動輪63a,63bに接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図9の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、エンジン22のクランクシャフト26に接続されたインナーロータ232と駆動輪63a,63bに動力を出力する駆動軸に接続されたアウターロータ234とを有し、エンジン22の動力の一部を駆動軸に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機230を備えるものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22からの動力を動力分配統合機構30と二つのモータMG1,MG2とによりトルク変換可能なものとして構成したが、車軸に連結された駆動軸にエンジンからの動力を出力することができると共にモータからの動力を出力することができるタイプであれば、如何なる構成としても構わない。
実施例では、動力出力装置を搭載するハイブリッド自動車20の形態として説明したが、動力出力装置をハイブリッド自動車20以外の車両や船舶,航空機などの移動体に搭載するものとしたり、動力出力装置を建設設備などの移動しない設備やシステムに組み込むものとしてもよい。また、動力出力装置の制御方法の形態としても構わない。
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明の一実施例であるハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 エンジン22の構成の概略を示す構成図である。 実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 エンジンECU24により実行されるホールド要求設定ルーチンの一例を示すフローチャートである。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*および目標トルクTe*を設定する様子を示す説明図である。 動力分配統合機構30の回転要素を力学的に説明するための共線図の一例を示す説明図である。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。 変形例のハイブリッド自動車220の構成の概略を示す構成図である。
符号の説明
20,120,220 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35,減速ギヤ、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 ギヤ機構、62 デファレンシャルギヤ、63a,63b 駆動輪、64a,64b 車輪、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、122 エアクリーナ、123 温度センサ、124 スロットルバルブ、126 燃料噴射弁、128 吸気バルブ、130 点火プラグ、132 ピストン、134 浄化装置、135a 空燃比センサ、135b 酸素センサ、136 スロットルモータ、138 イグニッションコイル、140 クランクポジションセンサ、142 水温センサ、144 カムポジションセンサ、146 スロットルバルブポジションセンサ、148 バキュームセンサ、150 可変バルブタイミング機構、230 対ロータ電動機、232 インナーロータ 234 アウターロータ、MG1,MG2 モータ。

Claims (10)

  1. 駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
    前記駆動軸に動力を出力可能な内燃機関と、
    前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、
    前記駆動軸に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
    前記設定された要求駆動力に基づいて前記内燃機関から出力すべき目標パワーを設定する目標パワー設定手段と、
    前記内燃機関に供給される燃料の性状が重質であるか否かを判定する燃料性状判定手段と、
    前記燃料性状判定手段により前記燃料の性状が重質ではないと判定されたときには前記設定された目標パワーが前記内燃機関から出力されると共に前記要求駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電動機とを制御し、前記燃料性状判定手段により前記燃料の性状が重質であると判定されたときには所定の解除条件が成立するまで前記燃料の性状が重質であると判定されたときに設定されている目標パワーが前記内燃機関から出力されると共に前記要求駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電動機とを制御する制御手段と、
    を備える動力出力装置。
  2. 請求項1記載の動力出力装置であって、
    前記内燃機関の燃焼状態を判定する燃焼状態判定手段を備え、
    前記所定の解除条件は、前記燃焼状態判定手段により前記内燃機関の燃焼状態が安定した燃焼状態であると判定される条件である
    動力出力装置。
  3. 前記燃焼状態判定手段は、前記内燃機関に供給する燃料における空燃比に関する補正量に基づいて燃焼状態を判定する手段である請求項2記載の動力出力装置。
  4. 前記燃焼状態判定手段は、前記内燃機関から出力されるトルクの状態に基づいて燃焼状態を判定する手段である請求項2または3記載の動力出力装置。
  5. 請求項1ないし4いずれか記載の動力出力装置であって、
    所定の制約を用いて前記設定された目標パワーを出力すべき目標運転ポイントを設定する目標運転ポイント設定手段を備え、
    前記制御手段は、前記燃料性状判定手段により前記燃料の性状が重質ではないと判定されたときには前記設定された目標運転ポイントで前記内燃機関が運転されるよう制御し、前記燃料性状判定手段により前記燃料の性状が重質であると判定されたときには前記所定の解除条件が成立するまで前記燃料の性状が重質であると判定されたときに設定されている目標運転ポイントで前記内燃機関が運転されるよう制御する手段である
    動力出力装置。
  6. 請求項1ないし5いずれか記載の動力出力装置であって、
    前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸とに接続され、電力と動力の入出力を伴って前記内燃機関からの動力の少なくとも一部を前記駆動軸に出力可能な電力動力入出力手段を備え、
    前記制御手段は、前記燃料性状判定手段による前記燃料の性状の判定結果に基づいて前記電力動力入出力手段をも制御する手段である
    動力出力装置。
  7. 前記電力動力入出力手段は、前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸と回転軸との3軸に接続され、該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記回転軸に動力を入出力可能な発電機と、を備える手段である請求項6記載の動力出力装置。
  8. 前記電力動力入出力手段は、前記内燃機関の出力軸に接続された第1の回転子と前記駆動軸に接続された第2の回転子とを有し、前記第1の回転子と前記第2の回転子との相対的な回転により回転する対回転子電動機である請求項6記載の動力出力装置。
  9. 請求項1ないし8いずれか記載の動力出力装置を搭載し、車軸が前記駆動軸に連結されてなる自動車。
  10. 駆動軸に動力を出力可能な内燃機関および電動機を備える動力出力装置の制御方法であって、
    前記駆動軸に要求される要求駆動力に基づいて前記内燃機関から出力すべき目標パワーを設定する要求動力設定ステップと、
    前記内燃機関に供給される燃料の性状が重質であるか否かを判定する判定ステップと、
    前記判定ステップにより前記燃料の性状が重質ではないと判定されたときには前記設定された目標パワーが前記内燃機関から出力されると共に前記要求駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電動機とを制御し、前記判定ステップにより前記燃料の性状が重質であると判定されたときには所定の解除条件が成立するまで前記燃料の性状が重質であると判定されたときに設定されている目標パワーが前記内燃機関から出力されると共に前記要求駆動力が前記駆動軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電動機とを制御する制御ステップと
    を備える動力出力装置の制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010120510A (ja) * 2008-11-19 2010-06-03 Toyota Motor Corp 内燃機関装置およびこれを備えるハイブリッド車並びに燃料性状判定方法

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