JP2006257001A - 気液反応方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】反応基質を含む液体と反応気体との気液共存系において、効率的に気液反応を行う。
【解決手段】微小管状反応器を用いて、液相の反応基質を反応気体と反応させて該反応物を得る気液反応方法。反応器の内径の相当直径は5〜50,000μmであり、微小管状反応器内に、反応不活性充填物が、微小管状反応器容積に対する反応不活性充填物の総表面積と微小管状反応器内壁面積の和の割合が800cm/cm以上となるように充填されている。所定の相当直径で、所定の充填条件で反応不活性充填物を充填した微小管状反応器を用いることにより、反応器内部の体積に対する気、液相の表面積の割合、気液界面積が増加し、気液反応速度が増加する。
【選択図】図1

Description

本発明は気液反応方法に係り、特に、微小流路内に反応不活性物質を充填した微小管状反応器を用いて、気液混相流での反応を効率的に行う方法に関する。
従来、気体と液体が共存する有機合成反応においては、フラスコや金属容器等の大容量の容器に所定の試料を収容し、気体を流通あるいは閉じこめることにより合成反応が行われていた。また、工業的には、気泡塔や、充填塔などの比較的大きなスケールでの反応が行われてきた。
しかし、このような閉じこめ反応やスケールの大きな反応器を用いる方法により、気体と液体との反応を気液共存系で実施しようとすると、気相部分から液相部分への気体の溶解速度が反応の律速となるために、反応速度が低く、生産性が低いものとなる。また、気体の溶解速度が十分でないことから、液相の気体濃度が低下し、触媒の安定性が問題となる場合があった。加えて、反応による生成熱が大きいために、反応温度の制御に困難をきたす場合があった。
これに対して、近年ではマイクロリアクターなどの微小な反応流路を用いた化学合成についての研究が行われてきている。例えば、特表2001−521816号公報には、微小流路中にフッ素を含むガスと反応基質の溶液とを流通させることにより、直接フッ素化を実施する方法が開示されている。このような、微小流路を用いた化学合成反応は、反応を効率的に行えると共に、高い除熱効率が達成できるため、発熱反応を伴う合成反応を安全に行える点や、収率が向上する点、更には取り扱いが容易な点から近年特に注目されている。
特表2001−521816号公報
上記特表2001−521816号公報ではフッ素化反応についてマイクロリアクターを使用することが記載されているが、リアクター内部の表面積を向上させることについては全く検討されておらず、気液共存系の反応をより効率的に行うための方法の開発が望まれている。
従って、本発明は、反応基質を含む液体と反応物を含む気体との気液共存系において、効率的に気液反応を行う方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、かかる事情に鑑み鋭意検討した結果、気液の反応速度の向上のためには、気液界面積を増加させて気体の溶解速度を向上させる方法が有効であるが、そのためには微小管状反応器を用いることが好適であること、更には、その微小管内に反応に不活性な充填物を充填した微小管状反応器を用いることにより、反応器内部の体積に対する気、液相の表面積の割合が大幅に増加する結果、反応速度が増加することを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は、
微小管状反応器を用いて、液相の反応基質を反応気体と反応させて該反応物を得る気液反応方法において、
該微小管状反応器の内径の相当直径が5〜50,000μmであり、
該微小管状反応器内に反応不活性充填物が充填されており、
該微小管状反応器容積に対する、該反応不活性充填物の総表面積と該微小管状反応器内壁面積との和の割合(以下「有効総面積/容積比」と称す。)が800cm/cm以上であることを特徴とする気液反応方法(請求項1)、を要旨とするものである。
なお、本発明において、微小管状反応器の内径の相当直径とは、反応不活性充填物を充填していない状態で、反応器を反応流体の進行方向に垂直な断面(以下、この面を単に「断面」と称す。)で切断した場合について、4×S(断面積)/L(断面の周の長さ)で定義される値であり、断面が完全な円であった場合には、その直径が相当直径となる。なお、微小管状反応器の内径の相当直径が部分的に変化する場合、本発明に係る内径の相当直径は、その最大径とする。
また、微小管状反応器容積とは、反応不活性充填物を充填していないときの微小管状反応器の反応有効領域の容積をさし、微小管状反応器内壁面積とは、反応不活性充填物を充填していないときの微小管状反応器の反応有効領域の壁面の総表面積をさす。
本発明において、この微小管状反応器の内径の相当直径は10〜5,000μmであることが好ましい(請求項2)。
また、該反応不活性充填物は、
微小管状反応器容積に対する反応不活性充填物の総表面積の割合(以下「充填物面積/容積比」と称す。)が500cm/cm以上となるように(請求項3)、
下記式(1)で定義される反応不活性充填物の相当直径が、微小管状反応器の内径の相当直径の35%以下であるように(請求項4)、
不活性充填物の相当直径=6×V/S ‥(1)
ただし、V:反応不活性充填物の総体積(cm
S:反応不活性充填物の総表面積(cm
また、反応不活性充填物充填後の微小管状反応器内の空隙率(微小管状反応器容積に対する空隙の割合。以下単に「空隙率」と称す。)が50%以下であるように(請求項5)、
充填されていることが好ましい。
本発明において、反応基質の液相中には均一触媒が含まれていることが好ましい(請求項6)。
本発明は、特に、気液共存系での酸化反応方法、とりわけ、気体として酸素を含む気体を使用し、この気体中の酸素により酸化する酸化反応方法に有効である(請求項7〜9)。
本発明の気液反応方法によれば、微小管状反応器を用いることによる気体の溶解速度の向上及び熱交換効率の向上と、この微小管状反応器に反応不活性充填物を充填することによる反応器内部の体積に対する気、液相の表面積の割合の大幅な増加で、気液反応速度が向上すると共に発熱量の大きい反応や反応条件の精密制御が困難な気液反応を行う場合であっても、効率的にかつ安全に反応を実施することが可能となる。
以下に本発明の気液反応方法の実施の形態を詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々に変形して実施することができる。
[微小管状反応器]
本発明で使用する微小管状反応器の内径の相当直径の下限は、通常5μm以上、好ましくは10μm以上、更に好ましくは50μm以上、最も好ましくは150μm以上で、上限は通常50,000μm以下、好ましくは10,000μm以下、最も好ましくは5,000μm以下である。微小管状反応器の相当直径が50,000μmを超えると微小管状反応器を用いることによる気液界面積の確保、及びそれによる気液反応速度の向上効果を十分に得ることができず、5μm未満では反応流体の流通抵抗が大きくなりすぎ、処理効率が低下する。
微小管状反応器の断面の形状は、円状、楕円状、正方形、長方形等、その他多角形状等種々の形状のものが使用できる。この微小管状反応器の断面形状及びその内径の相当直径は微小管状反応器の位置によって異なるものであっても良い。
微小管状反応器の長さは、反応が進行するのに十分に長い時間、反応流体が反応器内に滞留するように決定される。滞留時間を長くとる目的から、反応器の長さが長くなる場合には、装置が大型になるのを避けるために、反応器をコイル状にしても良い。
反応器の材質は、反応によって発生する熱を反応器壁面から高効率に除去する目的から、熱伝導率の高い材質が好ましい。更に、反応器内圧に対する強度を確保する目的から、機械的強度に優れた材質が好ましい。具体的には、金属、ガラス、石英、有機高分子が挙げられる。金属としては、単体でも合金でも構わないが、鉄、銅、ニッケル、ステンレス、ハステロイが使用でき、中でも、ステンレス鋼管が好適に使用される。これらの材料よりなる反応器の肉厚は特に限定されない。
[反応不活性充填物]
本発明で使用する反応不活性充填物の材質は、その材質が反応に対して安定であるものが選ばれる。更に、反応器内圧に対する強度を確保する目的から、機械的強度に優れた材質が好ましい。具体的には、金属、ガラス、石英、有機高分子が挙げられる。金属としては、単体でも合金でも構わないが、反応に応じて鉄、銅、ニッケル、ステンレス、ハステロイが使用できる。
不活性充填物の相当直径は、反応効率等の点から、通常、10,000μm以下、好ましくは1000μm以下、より好ましくは500μm以下、更に好ましくは300μm以下の範囲から選ばれる。また、粒子の取り扱い性の点から、通常1μm以上、好ましくは10μm以上の相当直径とするのがよい。
反応不活性充填物は、微小管状反応器容積に対する反応不活性充填物の総表面積と微小管状反応器の内壁面積の和の割合である有効総面積/容積比が、通常800cm/cm以上、好ましくは1000cm/cm以上、更に好ましくは1500cm/cm以上となるように充填される。
また、微小管状反応器容積に対する反応不活性充填物の総表面積の割合である充填物面積/容積比は、好ましくは500cm/cm以上、更に好ましくは800cm/cm以上、最も好ましくは1200cm/cm以上である。
また、反応不活性充填物充填後の微小管状反応器内の空隙率は好ましくは50%以下であり、更に好ましくは45%以下、最も好ましくは40%以下である。
更に、下記式(1)で定義される反応不活性充填物の相当直径は、微小管状反応器の内径の相当直径の好ましくは35%以下、更に好ましくは30%以下、最も好ましくは25%以下である(以下において、微小管状反応器の内径の相当直径に対する反応不活性充填物の相当直径の割合を「相当直径比」と称す。)。
不活性充填物の相当直径=6×V/S ‥(1)
ただし、V:反応不活性充填物の総体積(cm
S:反応不活性充填物の総表面積(cm
有効総面積/容積比が800cm/cm未満であると、反応不活性充填物を充填したことによる気、液相の表面積の増大効果を十分に得ることができず、よって、気液反応速度を十分に高めることができない。なお、この値の上限については特に制限はないが、過度に大きくすると反応不活性充填物の過充填となり、反応流体の流通抵抗が大きくなって、処理効率が低下するおそれがあることから、通常1,000,000cm/cm以下程度である。
また、充填物面積/容積比が500cm/cm未満であっても、上記と同様に反応不活性充填物を充填したことによる気、液相の表面積の増大効果を十分に得ることができず、よって、気液反応速度を十分に高めることができない。なお、この値の上限については特に制限はないが、過度に大きくすると上記と同様に反応不活性充填物の過充填となって、反応流体の流通抵抗が大きくなり、処理効率が低下するおそれがあることから、通常1,000,000cm/cm以下程度である。
また、空隙率が50%を超えると、反応不活性充填物の充填量が少なく、気、液相の表面積の増大効果を十分に得ることができず、よって、気液反応速度を十分に高めることができない。なお、この値の下限については、特に制限はないが、過度に小さいと上記と同様に反応不活性充填物の過充填となって、反応流体の流通抵抗が大きくなり、処理効率が低下するおそれがあることから、通常1%以上程度である。
なお、相当直径比の下限については特に制限はないが、通常0.1%以上程度である。
反応不活性充填物の形態(形状)は、上記好適な充填条件を満たすことができるものであれば良く、特に制限はない。例えば、粒径、繊維状、シート状、棒状、塊状等の様々な形態を採用し得る。反応不活性充填物の大きさについても、上記好適な充填条件を満たすことができるものであれば任意である。
[液相の反応基質]
<反応基質>
本発明で実施される気液反応としては、特に制限はなく、ヒドロキシカルボニル基の有機過酸化物への酸化反応、アルコールのアルデヒド及び/又はケトンへの酸化反応、アルカンのアルケンへの脱水素反応、アルケンのアルデヒド及び/又はケトンへの酸化反応、アルケンのケタール及び/又はアセタールへの酸化反応、アルケンのアルキンへの脱水素反応、アルケンの溶媒付加反応、アルケンのアルケンオキサイドへの酸化反応、アミンの酸化反応によるニトロ基合成反応、アミンの酸化反応によるN−Oラジカル合成反応、アルケンのヒドロホルミル化反応、アルケンのカルボキシル化反応、アルケンのエステル化反応、アルケンの水素付加反応、アルキンの水素付加反応、カルボニル基の水素付加反応、アルキンのハロゲン付加反応、メチレン基のハロゲン置換反応、芳香族基のハロゲン置換反応、炭化水素結合へのヒドロキシル基導入反応、その他の各種の付加反応等が挙げられる。これらのうち、本発明は特に、アルコールのアルデヒド及び/又はケトンへの酸化等に有効である。また、本発明は、炭化水素結合へのヒドロキシル基導入反応、特にケトエステルの酸素によるヒドロキシル化反応にも有効である。
<均一系触媒>
本発明においては、反応基質を反応させる際に、触媒を使用しても良いし、使用しなくても良い。触媒を用いる場合は均一系触媒が好適に用いられ、特に周期律表4〜12族の元素(金属)及びランタノイドから選ばれる元素(金属)の少なくとも1種を含有するものが用いられる。また触媒は、周期律表4〜12族の元素(金属)、及びランタノイドから選ばれる該触媒金属以外の金属の少なくとも1種を含有するものであっても良い。触媒はまたハロゲンを含むものであっても良い。
これらの触媒は、通常、反応基質の液相中に含有されて微小管状反応器に供給される。
触媒の使用量は特に制限はないが、反応基質に対して有効成分量として0.1ppm以上、特に1ppm以上、10,000,000ppm以下、特に1,000,000ppm以下とすることが好ましい。触媒量がこの範囲より少ないと十分な気液反応速度を得ることができず、多いと製造コストの面で不利である。
<溶媒>
本発明においては、反応基質を反応させる際に、溶媒を使用しても良いし、反応基質自体を溶媒量使用して反応を行っても良い。溶媒を使用する場合には、反応基質を溶解させて反応器に供給してもよいし、反応基質と別々に供給しても良い。
溶媒としては、水、有機溶媒、イオニックリキッド、液体の無機化合物等の1種又は2種以上が使用可能である。有機溶媒としては、ヘキサンなどの脂肪族系炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ブチルアルデヒドなどのアルデヒド類、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエ−テル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジ−n−オクチルフタレ−ト等のエステル類、トリエチルアミン、ピロリジン、ピペリジンなどのアミン類、ジメチルホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等のアルコール類、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール等のジオール類、アセトニトリル等のニトリル類、トリエチルアミン等のアミン類、ピリジン等の複素芳香族化合物、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン溶媒、酢酸、蟻酸等のカルボン酸類、スルホン酸類が挙げられ、これらの2種以上の任意の割合の混合溶媒を用いることもできる。液体の無機化合物としては、硫酸、リン酸、亜リン酸等のリン酸類、硝酸、過酸化水素水等が挙げられる。溶媒としては、中でも、水系溶媒と有機溶媒が好ましく、更に好ましくは炭化水素類やアルコール類が好ましく、特にアルコール類が好適である。
溶媒を用いる場合、その使用量には特に制限はなく、用いる反応基質の種類やその他の反応条件等によって適宜決定されるが、反応基質の濃度が溶媒1リットルに対して通常0.01モル以上、好ましくは0.1モル以上、更に好ましくは1モル以上で、20モル以下、好ましくは10モル以下、更に好ましくは6モル以下となるような量の溶媒を用いるのがよい。溶媒の使用量がこの範囲より多いと生産性が低下して不利であり、少ないと触媒或いは反応基質を溶解させる点で不利である。
[反応気体]
反応に用いる気体としては、酸素、オゾン、水素、フッ素、塩素、一酸化炭素、二酸化炭素、二酸化硫黄、塩酸ガス、アンモニアガス等が挙げられ、酸素は一重項酸素および三重項酸素が挙げられる。またこれらの混合ガス、或いは、反応気体と他の気体との混合ガスを使用しても良い。
気体中の反応気体の濃度は特に制限はないが、0.01〜100%の範囲から選ばれ、好ましくは0.1%以上、より好ましくは5%以上で、特に好ましくは10%以上であり、好ましくは99%以下である。反応気体の濃度が上記範囲よりも低いと十分な反応効率を得ることができない。
[反応条件]
微小管状反応器に供給する反応気体を含む気体の体積Vは、反応基質及び均一系触媒を含む液体の総体積Vに対して、標準状態の体積比V/V(以下「気液体積比V/V」と称す。)で1以上、中でも10以上、特に20以上、とりわけ50以上であることが好ましい。また、この気液体積比V/Vは10,000以下であることが好ましく、特に1,000以下あることが好ましい。気液体積比V/Vが1未満では、十分な気液の混合効果を得ることができず、10,000を超えると反応器内での滞留時間を十分に確保することができない。
本発明の気液反応を行う際の反応圧力は、通常常圧〜300気圧(30MPa)、好ましくは常圧〜100気圧(10MPa)、特に好ましくは常圧〜30気圧(3MPa)、最も好ましくは常圧〜11気圧(1.1MPa)の範囲から選ばれる。
反応温度については、従来用いられてきた条件が使用でき、通常−80℃以上、好ましくは−60℃以上、更に好ましくは−30℃以上で、通常1000℃以下、好ましくは500℃以下、更に好ましくは300℃以下、最も好ましくは200℃以下の範囲から選ばれる。
[反応方法]
本発明の気液反応は、気体と液体からなる混相流の気液反応であり、反応不活性充填物を有する微小管状反応器内で実施される。代表的には、反応気体を含む気体と、反応基質及び均一系触媒を含む液体とを各々導入管より反応器に供給し、合流後、反応器内において反応させる。また、反応気体を含む気体と、反応基質を含む液体と、触媒を含む液体とを各々導入管から反応器に供給し、合流後、反応器内において反応させることもでき、この場合の合流の順番は適宜選ばれる。また、気液混相流を導入管より反応器に供給しても良い。反応器に供給する液体及び気体は、それぞれ一回で供給されても良いし、複数回供給されても良い。
なお、微小管状反応器内での反応基質と反応気体との反応時に、必要に応じて第3成分を存在させても良く、このような第3成分としては、有機塩基、有機酸、及び無機物等が挙げられ、有機塩基としては、ピリジン、トリエチルアミン、ピペリジンなどの含窒素化合物が挙げられ、有機酸としては、安息香酸、トルエンスルホン酸等が挙げられ、無機物としては、モレキュラーシーブ、水酸化ナトリウム、塩化水素等が挙げられる。これらは、溶解するものは予め溶解して供給され、溶解しないものは、スラリーとして、或いは、微小管状反応器の壁面に固定化する形で存在させることができる。また、反応器に導入される気体は、溶媒や反応基質、生成物等の他の成分の蒸気を含んでいても良い。
本発明の気液反応方法は、特に、後述するように、微小管状反応器と、その供給部の上流側の液体供給装置及び気体供給装置とを有する合成反応装置を用いて、反応気体を含む気体と、反応基質及び均一系触媒を含む液体を微小管状反応器に流通させて実施することが好ましい。これにより、反応速度の増加と、触媒の安定化、反応温度の精緻な制御が図れる。
反応器に加熱及び/又は冷却装置を設けて反応温度を制御する場合、特に反応が高温もしくは低温で行われる場合には、熱交換器を用いて熱回収を図ることが、経済的に有利である。また、反応器の部分によって温度、濃度、圧力等の反応条件を変えてもよく、反応に応じて最適な形式が選択されることが好ましい。
気液反応により得られた気液混相流は、微小反応器内の下流側で反応気体含有量の低い不活性ガスと混合することも可能である。特に反応気体として爆発性のものを用いる場合には、このようにして、気液混相流もしくはオフガスを反応器から取り出す前に不活性ガスで希釈し、気相の雰囲気を爆発範囲外とすることで安全性を高めることができる。この場合、希釈用の不活性ガスとしては、窒素、ヘリウム、アルゴンもしくは二酸化炭素等、或いはこれらの混合ガスが使用できるが、窒素の使用が経済的に最も好ましい。
[反応装置]
図1に本発明の気液反応方法に好適な合成反応装置の一例を示す。
この合成反応装置は、反応気体流通用気体送給装置1、原料(反応基質)溶液流通用送液装置2及び触媒液流通用送液装置3から、それぞれ反応気体、原料溶液、触媒液が反応不活性充填物を有する微小管状反応器であるマイクロリアクター4に送給されるように構成されている。
原料(反応基質)溶液流通用送液装置2からの原料溶液と触媒液流通用送液装置3からの触媒液は合流点11で合流し、これらの液流は更に反応気体流通用気体送給装置1からの反応気体と合流点12で合流し、反応気体、原料及び触媒を含む気液混相流は、マイクロリアクター4に送給される。このマイクロリアクター4は恒温槽5内に配置され、温度が一定に保持されている。マイクロリアクター4内で気液反応した後の気液混相流は、マイクロリアクター4から流出し、冷却塔6を流通して冷却された後背圧弁を備える気液分離装置7で気液分離され、液体の反応生成物が貯留槽8に貯留される。9は窒素流通用気体供給装置である。
マイクロリアクター4からの排出側配管は、マイクロリアクター4への気液混相流の導入側配管と熱交換されるように設けられていても良い。また、マイクロリアクター4からの排出側配管には、希釈用の不活性ガスの導入配管が接続されていても良い。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に制約されるものではない。
実施例1
硝酸セリウム6水和物(12.9413g)を248.0mLのイソプロピルアルコールに加え、触媒液を調製した。
以下のようにして、図2に示す構成の合成反応装置を組み立てた。図2において、図1に示す部材と同一機能を奏する部材には同一符号を付してある。マイクロリアクター4として使用した微小管状反応器は内径(相当直径)1.58mm、長さ1.2m、容積2.35cm、内壁面積59.5cmのテフロン製であり、反応器内には反応不活性充填物として前記(1)式で算出される相当直径が214μmのガラス製ビーズを充填した。反応不活性充填物充填後の反応器内の空隙率39.0%であり、有効総面積/容積比は1963cm/cm、充填物面積/容積比は1710cm/cmであった。また、相当直径比は13.5%であった。
この微小管状反応器(マイクロリアクター4)を水平に置き、その微小管状反応器の一方の端に、PEEK製のT字型ユニオン(合流点12)を取り付けた。そのT字型ユニオンの一つの端を、酸素ガスを導入するためにマスフローコントローラー(反応気体流通用気体送給装置1)と繋いだ。もう一つの端は、別のT字型ユニオン(合流点11)とチューブで繋いだ。新たに繋いだT字型ユニオンの一つの端は、反応基質溶液を導入するため、プランジャーポンプ(原料(反応基質)溶液流通用送液装置2)とチューブで繋ぎ、もう一つの端は、触媒液を導入するため、プランジャーポンプ(触媒液流通用送液装置3)とチューブで繋いだ。微小管状反応器は25℃に保たれるように外気を調整した。チューブの他端は0.10MPaに固定しており、生成液は気液分離装置7を経て貯留槽8に回収した。
マスフローコントローラーからは7.55SCCMの酸素ガスを流通させ、プランジャーポンプからは、反応基質であるエチル−2−オキソシクロペンタカルボキシレートと触媒液を、それぞれ0.100ml/min、0.200ml/minの量で流通させた(気液体積比V/V=25.2)。反応中の液相のセリウム濃度は11210ppmであった。
微小管状反応器の出口で回収した気液混相流は、気液分離後にガスクロマトグラフィーで分析し、生成物であるエチル−1−ヒドロキシ−2−オキソシクロペンタカルボキシレートと生成物が加水分解した1−ヒドロキシ−2−オキソシクロペンタカルボキシルアシッドの合計の収率を求めた。反応後の液は、均一であり、沈殿等は観察されなかった。
生成液の分析からエチル−1−ヒドロキシ−2−オキソシクロペンタカルボキシレートの収率が94.9%、1−ヒドロキシ−2−オキソシクロペンタカルボキシルアシッドの収率が2.4%であり、合計は97.3%であった。
これらの結果をまとめて表1に示す。
実施例2
実施例1において、反応不活性充填物として前記(1)式で算出される相当直径が115μmのガラス製ビーズを表1の充填条件となるように充填したこと以外は同様に実験を行い、同様に反応を評価し、結果を表1に示した。なお、反応後の液は、いずれも均一であり、沈殿等は観察されなかった。
比較例1〜3
実施例1において、微小管状反応器として表1に示すテフロン製チューブを用い、反応不活性充填物を充填しなかったこと以外は各々同様に実験を行い、同様に反応を評価し、結果を表1に示した。なお、反応後の液は、いずれも均一であり、沈殿等は観察されなかった。
比較例4
実施例1において、反応不活性充填物として前記(1)式で算出される相当直径が605μmのガラス製ビーズを表1の充填条件となるように充填したこと以外は同様に実験を行い、同様に反応を評価し、結果を表1に示した。
Figure 2006257001
上記比較例1〜4と実施例1〜2との対比から、本発明によれば、格段に高い酸化反応効率が達成されることが分かる。
実施例3
実施例1の装置において、液供給管を1本としたこと以外は、同様の構成の装置を組み立てた。
Pd(CHCOO)(48.4mg)と、ピリジン(1.6089g)、ベンジルアルコール(0.4413g)、及びジベンジル(0.3781g)をトルエンに溶解させて、総量を44mlとしたものを反応基質及び触媒含有液とした。このもののパラジウム濃度は4.9mmol/lであった。
微小管状反応器出口圧力を0.14MPaに固定して、この溶液と酸素ガスとを用い、上記装置により80℃で反応を行ったこと以外は実施例1と同様に実験を行った(気液体積比V/V=20)。
反応後、ジベンジルとの比率から求めた反応生成物のベンズアルデヒドの収率は12.7%であった。
比較例5
比較例3の装置において、液供給管を1本としたこと以外は、同様の構成の装置を組み立てた。
Pd(CHCOO)(47.1mg)と、ピリジン(1.6413g)、ベンジルアルコール(0.4497g)、及びジベンジル(0.3785g)をトルエンに溶解させて、総量を44mlとしたものを反応基質及び触媒含有液とした。このもののパラジウム濃度は4.8mmol/lであった。
微小管状反応器出口圧力を0.14MPaに固定して、この溶液と酸素ガスとを用い、上記装置により80℃で反応を行ったこと以外は比較例3と同様に実験を行った。
反応後、ジベンジルとの比率から求めた反応生成物のベンズアルデヒドの収率は6.2%であった。
上記比較例5と実施例3との対比からも、本発明によれば、格段に高い酸化反応効率が達成されることが分かる。
本発明の気液反応方法の実施に好適な合成反応装置の一例を示す系統図である。 実施例1〜2、及び比較例1〜4で用いた合成反応装置を示す系統図である。
符号の説明
1 反応気体流通用気体送給装置
2 原料(反応基質)溶液流通用送液装置
3 触媒液流通用送液装置
4 マイクロリアクター
5 恒温槽
6 冷却塔
7 気液分離装置
8 貯留槽
9 窒素流通用気体供給装置

Claims (9)

  1. 微小管状反応器を用いて、液相の反応基質を反応気体と反応させて該反応物を得る気液反応方法において、
    該微小管状反応器の内径の相当直径が5〜50,000μmであり、
    該微小管状反応器内に反応不活性充填物が充填されており、
    該微小管状反応器容積に対する、該反応不活性充填物の総表面積と該微小管状反応器内壁面積との和の割合が800cm/cm以上であることを特徴とする気液反応方法。
  2. 請求項1において、前記微小管状反応器の内径の相当直径が10〜5,000μmであることを特徴とする気液反応方法。
  3. 請求項1又は2において、前記微小管状反応器容積に対する該反応不活性充填物の総表面積の割合が500cm/cm以上であることを特徴とする気液反応方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、下記式(1)で定義される前記反応不活性充填物の相当直径が、前記微小管状反応器の内径の相当直径の35%以下であることを特徴とする気液反応方法。
    不活性充填物の相当直径=6×V/S ‥(1)
    ただし、V:反応不活性充填物の総体積(cm
    S:反応不活性充填物の総表面積(cm
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、前記反応不活性充填物充填後の微小管状反応器内の空隙率が50%以下であることを特徴とする気液反応方法。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項において、前記液相中に均一触媒が含まれていることを特徴とする気液反応方法。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項において、気液共存系での酸化反応方法であることを特徴とする気液反応方法。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項において、前記気体が酸素を含むことを特徴とする気液反応方法。
  9. 請求項8において、該気体中の酸素により前記反応基質を酸化する酸化反応方法であることを特徴とする気液反応方法。
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