JP2006256753A - エレベータ設備の清掃方法及びエレベータ設備の清掃装置 - Google Patents

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清 小林
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Abstract

【課題】 昇降路や乗りかごの少なくとも一部に設けられた透明板を、容易かつ確実に清掃することができるエレベータ設備の清掃方法及び清掃装置を提供すること。
【解決手段】 先端部に清掃体6を取り付けた清掃装置の基端部4をエレベータかごの外面に分離可能に接着させ、かつ前記清掃体6をガラス面2に接触させた状態で、前記エレベータかごを、通常時の運行速度より低速で移動させ、前記清掃体6をガラス面2に摺動させて清掃する。
【選択図】図1

Description

本発明は、エレベータかごの昇降路の少なくとも一部に設けられた透明板またはエレベータかご外面の少なくとも一部に設けられた透明板を清掃するエレベータ設備の清掃方法及び清掃装置に関する。
エレベータ設備は、周知のように、各階床毎に乗場ドアが設けられ、乗りかごの着床時、乗りかごドアと共に開閉するように構成されている。これら乗場ドア及び乗りかごドアには、防犯のために透明なガラス窓が一体にはめ込まれている構造のものがある。これらのガラス窓は、透明であることから汚れが目立つので、比較的頻繁に清掃する必要がある。
これらの清掃に当って、乗り場ドアでは乗り場側の面、乗りかごドアではかご内側の面は、乗り場側及びかご内から容易に清掃できるが、これらとの反対面(以下、裏面と呼ぶ)については、昇降路内から清掃を行わなければならず安全性に充分注意を払う必要がある。
例えば、乗場ドアガラス窓の裏面を清掃する場合は、乗りかご内に保守員が乗り込み、乗りかごを、清掃対象の乗り場ドア階床からずれた高さ(窓ガラスの清掃作業可能な高さ)に停止させた後、乗りかごドアを開いて、保守員が乗場ドアの窓ガラス裏面を清掃するようにしていた。
この場合、乗りかごを、通常の階床停止位置と異なる位置に停止させたり、乗りかごドアだけ開いたりするので、通常時とは異なる特殊の操作が必要となる。また、通常の階床停止位置と異なる位置にて、しかも乗りかごドアだけ開くので、安全性の面で充分に注意しなければならない。
このような課題に対し、以下のように、各種の清掃手法(例えば、特許文献1,2,3,4,5,6参照)が提案されている。
特許文献1では、清掃具のブラシを戸体の窓ガラスに接触させておき、この戸体の開閉動作に連動して清掃具を窓ガラス面に沿って摺動させ、清掃するものである。
この手法では、戸体に連動して清掃具を駆動する駆動機構を、戸体の開閉機構に組み込まなければならず、構造が複雑になる。また、常時、清掃具が乗客から目視可能な状態で窓ガラスに接触しているため、外観上、好ましくない。
特許文献2では、乗りかごの下面に、先端に清掃部材を取り付けた連結棒を乗場側に向って進退させる機構を設けると共に、昇降路内背面側の所定高さ位置(乗場ドア窓ガラスの高さに対応する位置)にガイド部材を設けている。そして、乗りかごの昇降動作に伴って、前記連結棒後端のローラがガイド部材に乗り上げることにより、連結棒を乗りかごの前方に押し出し、その先端に設けた清掃部材を乗場ドア窓ガラス面に接触させる。この清掃部材は、乗りかごの昇降動作に伴って窓ガラス面上を摺動し、清掃する。
この手法では、乗りかごの下面に清掃部材の進退機構を設けなければならず、また、昇降路内にも各階床の乗場ドア窓ガラス位置に対応してガイド部材を設置しなければならないため、設備構成が複雑になる。特に、乗りかごには前記清掃部材の進退機構を備えた構造を用いなければならず、このような機構を持たない既設品には対応できない。
特許文献3では、乗りかごの窓ガラスの左右両縁部に縦方向のガイド部材を設け、また、この窓ガラスの外面を横切る方向に案内部材を設け、この案内部材の両端部を上記ガイド部材により上下動可能に案内する。作業員は乗りかご上に載って、この案内部材と窓ガラスとの間に払拭具の操作棒を差し込み、この操作棒を、案内具に沿って上下動させることにより窓ガラス面を清掃している。
この手法では、作業員は乗りかご上に載って手動で清掃操作しなければならず、操作員に対する負担が大きく、安全性の上でも問題がある。
特許文献4では、エレベータのドアパネルに設けられた窓ガラスの裏面に、清掃体を接触させておき、清掃時、ドアパネルの戸当り面を貫通するアームを介して清掃体を手動で窓ガラス面上に摺動させ、清掃する。
この手法では、作業者は清掃体を手動で窓ガラス面上に摺動させねばならず、操作が面倒である。また、常時、清掃体が乗客から目視可能な状態で窓ガラスに接触しているため、外観上、好ましくない。
特許文献5では、乗りかごのドア以外の部分に設けられたガラス部分の外面を清掃するために、昇降路内の壁面に、先端に清掃ブレードを取り付けた折り曲げ可能なアームを取り付けている。清掃に当っては、作業員が乗りかご上に載り、このアームを乗りかご上から操作レバーにより手動で屈伸操作し、アームを伸ばした状態で先端の清掃ブレードをガラス面に接触させ、乗りかごの昇降動作によりガラス面を清掃している。
この手法では、専用の折り曲げ可能なアームを昇降路内に設置しなければならず、構造が複雑化する。また、乗りかご外面と昇降路内面との間に充分な間隔がなければ設置困難であり、設置場所に制約を受ける。
特許文献6では、乗りかごのドア下辺とシルとの間に清掃具を挟み込み、この清掃具の先端を乗場ドアのガラス面に接触させ、乗りかごを昇降させることによりガラス面を清掃している。
この手法では、乗りかごのドアは、そのドア下辺とシルとの間に清掃具を挟みこむ隙間を持たなければならず、このような隙間を持たない既設品には適用できない。
特開平10−258978号公報 特開平10−43094号公報 実開昭48−107451号公報 特開2001−63946号公報 特開2002−87719号公報 特開2003−238058号公報
このように、従来の清掃手法では、人手による清掃作業であったり、清掃体をガラス面に接触させ、乗りかごの移動により、人手によらず清掃するものもあるが、清掃体を保持したり進退させたりするため専用の保持装置や進退装置が必要となる。このため、装置構成が複雑化すると共に、これら装置を持たない既設品には適用できないなどの課題があった。
本発明の目的は、昇降路や乗りかごの少なくとも一部に設けられた透明板を、容易かつ確実に清掃することができるエレベータ設備の清掃方法及び清掃装置を提供することにある。
本発明によるエレベータ設備の清掃方法は、エレベータかごの昇降路の少なくとも一部に設けられた透明板を清掃するエレベータ設備の清掃方法であって、先端部に清掃体を取り付けた清掃装置の基端部をエレベータかごの外面に分離可能に接着させ、かつ前記清掃体を前記透明板に接触させた状態で、前記エレベータかごを、通常時の運行速度より低速で移動させ、前記透明板を清掃体との摺動により清掃することを特徴とする。
また、本発明によるエレベータ設備の清掃方法は、エレベータかごの外面の少なくとも一部に設けられた透明板を清掃するエレベータ設備の清掃方法であって、先端部に清掃体を取り付けた清掃装置の基端部をエレベータかごの昇降路の内面に分離可能に接着させ、かつ前記清掃体を前記透明板に接触させた状態で、前記エレベータかごを、通常時の運行速度より低速で移動させ、前記透明板を清掃体との摺動により清掃している。
また、本発明によるエレベータ設備の清掃装置は、エレベータ設備に設けられる透明板との摺動接触によりこの透明板を清掃する清掃体と、この清掃体を先端部に取り付け、基端部には、支持面上に分離可能に接着する支持板を設けたアーム部材とを備え、
前記基端部の支持板をエレベータかごの表面またはエレベータ昇降路内面に接着させ、前記清掃体を、前記昇降路の少なくとも一部に設けられた透明板または前記エレベータかご外面の少なくとも一部に設けられた透明板に接触させて、対応する透明板を清掃することを特徴とするエレベータ設備の清掃装置。
本発明装置では、アーム部材をパンタグラフ構造として、清掃体と基端部との間隔を変化可能に構成するとよい。
また、本発明装置では、アーム部材をボールねじ構造として、清掃体と基端部との間隔を変化可能に構成してもよい。
さらに、本発明装置では、清掃体は、ガラス面に接触する清掃本体と、この清掃本体を回転させるモータとを有している。
本発明の清掃方法によれば、エレベータかごの少なくとも一部またはエレベータ昇降路の少なくとも一部に設けられた透明板を、容易かつ確実に清掃することができる。また、本発明の清掃装置は、取り扱いが容易であり、清掃体を支持するための専用装置を要しないので構造が簡素化されると共に、専用装置を持たない既設品についても適用することができる。
以下、本発明によるエレベータ設備の清掃方法および清掃装置の一実施の形態について図面を用いて説明する。
図1は本実施の形態における清掃状態を表す側面図、図2は同上平面図、図3は清掃装置の一例を示す平面図、図4は同上清掃装置における清掃体の構成を示している。
図1において、1は各階床に設けられる乗場ドアで、エレベータ昇降路の一部を構成している。この乗場ドア1のドア面には防犯用等のために透明板(以下、窓ガラスとして説明する)2が、乗場ドア1の裏面から図示しない金具により取り付けられ、一体的にはめ込まれている。3はエレベータの乗りかご側に設けられた乗りかごドアで、乗りかごが目的とする階床に到着することにより、乗場ドア1と連動して開閉動作する。また、この乗りかごドア3のドア面にも、乗場ドア3と同様の構成で、防犯用の窓ガラス2が一体的にはめ込まれている。
5は清掃装置を構成するアームで、その両端部には支持板4及び7がそれぞれ一体的に設けられている。一方の支持板4は清掃装置の基端部となるもので、その内部には、図3で示すように、マグネット8が設けられており、清掃装置の基端部を、支持面である乗りかごドア3の金属部分に分離可能に接着させる。
また、他方の支持板7には清掃体6が取り付けられている。清掃体6は、図4で示すように、円板状を成す先端面をブラシ状とした清掃本体11と、この清掃本体11を回転させる扁平なモータ(例えば、円形のリニアモータなど)と、これらを支持板7に取り付けるマグネット9とからなる。
上記清掃装置により乗場ドア1の窓ガラス2の裏面(乗りかごと対面する図示左面)を清掃する場合を説明する。
図1及び図2に示すように、まず、乗りかごドア3の外面下部に、清掃装置の基端部を取り付ける。すなわち、アーム5の一端に設けた支持板4を、内蔵したマグネット8により乗りかごドア3の金属部分に分離可能に接着させる。このため、アーム5の他端に設けられた清掃体6の先端ブラシ部分(図4の清掃本体)は、乗場ドア1の窓ガラス2の裏面に接触する。この状態で、図4で示した扁平なモータ10を動作させ、ブラシ状の清掃本体11を回転させる。さらに、乗りかごを通常時の運行速度より低速(低速モード)で昇降させる。この動作により、ブラシを有する清掃本体11が、回転しながら乗場ドア1の窓ガラス2の裏面を摺動するので、窓ガラス2の裏面は清掃本体11により清掃される。
次に、上記清掃装置により乗場かごドア3の窓ガラス2の外面(図示右面)を清掃する場合を説明する。
この場合は、清掃装置の取付け方向を、上述の場合と反対向きにし、乗場ドア1の図示左面に清掃装置の基端部を取り付ける。すなわち、アーム5の一端に設けた支持板4を、内蔵したマグネット8により乗場ドア1の金属部分に分離可能に接着させ、アーム5の他端に設けられた清掃体6の先端ブラシ部分を、乗りかごドア3の窓ガラス2の裏面に接触させる。この状態で、扁平モータ10により、ブラシ状の清掃本体11を回転させ、さらに、乗りかごを低速モードで昇降させる。この動作により、ブラシ状の清掃本体11が回転しながら乗りかごドア3の窓ガラス2の外面を摺動し、この窓ガラス2の外面を清掃する。
このように、清掃装置を乗りかごドア3或いは乗場ドア1のいずれかに着脱自在に取り付け、乗りかごを低速モードで上昇・下降させることにより、対応するガラス面を清掃することができ、清掃人の労力は殆ど要しない。また、清掃人に無理な姿勢を強いることがなく、さらに、従来のように乗りかご上に載って清掃具を操作することもないので、作業が安全になり短時間で効率的に清掃を行うことができる。
また、清掃装置は、支持面にマグネット8などにより分離可能に取り付ける、いわゆる着脱可能な構成であるため、従来装置のように、清掃装置取り付けのための特別な構造を要せず、構造が簡素化されると共に、このような構造のない既設設備を含め、あらゆる機種に適用可能である。
上記実施の形態では、昇降路の少なくとも一部に設けられた透明板として乗場ドア1の窓ガラス2を例示し、また、乗りかごの少なくとも一部に設けられた透明板として乗りかごドア3に設けられた防犯用窓ガラス2を例示して、これらを清掃する場合を説明したが、これら窓ガラス2に限らず、ドア全体や昇降路壁面の清掃にも使用できる。最近は展望エレベータのように、昇降路全体を透明部材で形成したり、乗りかごの多くの部分に透明部材を適用したエレベータ設備が多く設置されているが、本発明はこれら透明部材の清掃にも適用できる。特に、このような大面積の透明部分の清掃に適用すると、清掃効率の上で効果的である。
また、清掃本体11としてブラシを例示したが、これに代ってスポンジ状のものや、洗剤を含ませたスポンジ状のものを用いてもよく、これらに交換することにより、清掃対象に応じた適切な清掃を行うことができる。
さらに、清掃装置を構成するアーム5は固定長さのものでなくともよく、パンタグラフ構造や、ボールねじ構造により伸縮可能な構成としてもよい。このように、アーム5を伸縮可能な構成にすると、清掃装置の取付けに当って、清掃体6を清掃対象に接触させる作業が容易になる。また、乗りかご外面と昇降路内面との間隔が異なる設備に対しても適用可能となり、適用範囲が拡大する。
また、清掃装置の支持板4を支持面に対して分離可能に接着させる手段として、マグネット8を例示したが、勿論マグネット以外でもよく、例えば、バキュームチャックのようなものを用いてもよい。
このように、エレベータ設備に汚れが生じたとき、対応箇所に清掃装置を接着により取り付け、乗りかごを低速運転することにより清掃を行うので、エレベータ設備の改造を要することなく、また、清掃者に対しては労力を課すことなく、安全かつ効率よく清掃を行うことができる。
本発明によるエレベータ設備の清掃方法の一実施の形態における動作状態を説明する設備構成図である。 図1の平面図である。 本発明のエレベータの清掃装置の一実施の形態を示す平面図である。 同上一実施の形態に用いる清掃本体の構成を示す側面図である。
符号の説明
1 乗場ドア
2 窓ガラス
3 乗りかごドア
4 清掃装置の支持板(基端部)
6 清掃体

Claims (6)

  1. エレベータかごの昇降路の少なくとも一部に設けられた透明板を清掃するエレベータ設備の清掃方法であって、
    先端部に清掃体を取り付けた清掃装置の基端部をエレベータかごの外面に分離可能に接着させ、かつ前記清掃体を前記透明板に接触させた状態で、前記エレベータかごを、通常時の運行速度より低速で移動させ、前記透明板を清掃体との摺動により清掃することを特徴とするエレベータ設備の清掃方法。
  2. エレベータかごの外面の少なくとも一部に設けられた透明板を清掃するエレベータ設備の清掃方法であって、
    先端部に清掃体を取り付けた清掃装置の基端部をエレベータかごの昇降路の内面に分離可能に接着させ、かつ前記清掃体を前記透明板に接触させた状態で、前記エレベータかごを、通常時の運行速度より低速で移動させ、前記透明板を清掃体との摺動により清掃することを特徴とするエレベータ設備の清掃方法。
  3. エレベータ設備に設けられる透明板との摺動接触により、この透明板を清掃する清掃体と、
    この清掃体を先端部に取り付け、基端部には、支持面上に分離可能に接着する支持板を設けたアーム部材とを備え、
    前記基端部の支持板をエレベータかごの表面またはエレベータ昇降路内面に接着させ、前記清掃体を、前記昇降路の少なくとも一部に設けられた透明板または前記エレベータかご外面の少なくとも一部に設けられた透明板に接触させて、対応する透明板を清掃することを特徴とするエレベータ設備の清掃装置。
  4. アーム部材をパンタグラフ構造として、清掃体と基端部との間隔を変化可能に構成したことを特徴とする請求項3に記載のエレベータ設備の清掃装置。
  5. アーム部材をボールねじ構造として、清掃体と基端部との間隔を変化可能に構成したことを特徴とする請求項3に記載のエレベータ設備の清掃装置。
  6. 清掃体は、清掃本体と、この清掃本体を回転させるモータとを有することを特徴とする請求項3に記載のエレベータ設備の清掃装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103466415A (zh) * 2013-09-25 2013-12-25 吴江骏达电梯部件有限公司 一种电梯轿厢清洗装置
CN106513344A (zh) * 2016-12-08 2017-03-22 宁波永良电梯技术发展有限公司 电梯清洁装置
CN109368448A (zh) * 2018-11-22 2019-02-22 重庆工程职业技术学院 一种电梯智能维保方法
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