JP2006256134A - インクジェット記録用紙 - Google Patents

インクジェット記録用紙 Download PDF

Info

Publication number
JP2006256134A
JP2006256134A JP2005077447A JP2005077447A JP2006256134A JP 2006256134 A JP2006256134 A JP 2006256134A JP 2005077447 A JP2005077447 A JP 2005077447A JP 2005077447 A JP2005077447 A JP 2005077447A JP 2006256134 A JP2006256134 A JP 2006256134A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
recording paper
water
ink absorbing
support
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005077447A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideo Sugimoto
英夫 杉本
Toshihiko Iwasaki
利彦 岩崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Photo Imaging Inc
Original Assignee
Konica Minolta Photo Imaging Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Photo Imaging Inc filed Critical Konica Minolta Photo Imaging Inc
Priority to JP2005077447A priority Critical patent/JP2006256134A/ja
Publication of JP2006256134A publication Critical patent/JP2006256134A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Abstract

【課題】 高い画像濃度、及び写像性が得られると共にインク吸収層の耐傷性が高いうえに、生産性向上の一環としての塗布スピード上昇に由来する、ハジキ故障に対しても優れた、高品位なインクジェット記録用紙を提供する。
【解決手段】 支持体上にシリカ微粒子、ポリビニルアルコール、水溶性多価金属化合物を含有する少なくとも2層のインク吸収層を有し、支持体から最も離れた位置にある、乾燥膜厚がLμmの最表層インク吸収層は、1μm≦Lμm≦10μmであり、平均粒径がdμmの球状微粒子を含有し、かつ、0.1≦d/L≦1.0であることを特徴とするインクジェット記録用紙。
【選択図】 なし

Description

本発明はインクジェット記録用紙に関し、詳しくはインク吸収性、経時滲みに優れ、高い画像濃度が得られると共に印字後の濃度変動が小さい高品位なインクジェット記録用紙に関する。
近年、インクジェット記録材料は、急速にその画質向上が図られ、写真画質に迫りつつある。特に、写真画質に匹敵する画質をインクジェット記録で達成するために、インクジェット記録用紙(以下、単に記録用紙ともいう)の面からもその改良が進んでおり、高平滑性の支持体上に無機微粒子と親水性ポリマーからなる微小な多孔質層を設けた空隙型の記録用紙は、高い光沢を有し、鮮やかな発色を示し、インク吸収性及び乾燥性に優れていることから、最も写真画質に近いものの一つになりつつある。特に、非吸水性支持体を使用した場合は、吸水性支持体に見られるようなプリント後のコックリング、いわゆる「しわ」の発生がなく、高平滑な表面を維持できるため、より高品位なプリントを得ることができる。
インク受容層としては、例えば、高平滑性を有する支持体上に、インク吸収層としてゼラチンやPVAなどの親水性バインダーを塗布してインク受容層とする記録用紙が考案されている。このタイプの記録用紙は、バインダーの膨潤性を利用してインクを吸収する方法で、膨潤型インクジェット記録用紙と呼ばれている。この膨潤型のインク受容層は、構成するバインダーが水溶性樹脂であるが故に、皮膜透明性が高く、高発色性の利点がある。しかしながらプリント後のインク乾燥性に難があり、画像や皮膜が水分に対して弱いため耐水性に乏しい。特に昨今のインクジェットプリンタにおいては印画速度が速いため、バインダーの膨潤によるインク吸収性がインクの吐出量や吐出速度に追いつかず、インク溢れやまだらが発生するため高速プリントには不適であるという問題があった。
一方、微小な空隙を有する多孔質層をインク吸収層として設けた空隙型の記録用紙は、高インク吸収性と高速乾燥性を有しているが、無機微粒子の屈折率の関係で膨潤型記録用紙に対し皮膜透明性は低く、その結果発色性が劣る。発色性を向上させる考え方として、皮膜の透明性を如何に高めるか、とインク中の染料を如何に上部に定着するかが重要であるが、前者は無機微粒子の屈折率の関係で限界があるため、後者がより重要となる。
インク中の染料をインク吸収層の上部に定着させる手段として、本発明者らの鋭意検討により、水溶性多価金属化合物を最表面に高密度に局在化させることによって、空隙型記録用紙特有の問題である画像濃度を大幅に向上できることが判明した。
上記効果を得るには、該最表面の(乾燥)膜厚の薄膜化によって染料をより上層部に定着させることが一因であるが、その一方で、プリント後の保管時に擦れたりして生じるプリント面の傷が従来品よりも目立ちやすいという問題が生じた。これは、最表層のインク吸収層が薄いがために生じた傷が強調されて(反射光としてより増幅されて)認識されたものと思われる。
この問題を回避するために、大小2種類の粒径違いの有機微粒子を用いた方法が開示されている(例えば、特許文献1、2参照。)が、この方法では、本発明の効果の一つである、発色性に関しては言及されていないうえ、最表層の膜厚よりも大きい粒径の有機微粒子を用いており、本発明者らによる検討では、発色性について満足いくものではなかった。
また、乾燥膜厚よりも同等以下の粒径を有する有機微粒子を用いた方法が開示されている(例えば、特許文献3参照。)が、光沢性に関しては効果を謳ってはいるものの、前記特許についても発色性に関しては言及されておらず、また、最表層の乾燥膜厚についても、特に規定が無いことから、本発明が意図するところと異なる。
一方、近年、記録用紙の需要の増加に伴い、生産能力の向上が要求されるようになってきている。その一つの手段として、塗布スピードの上昇による生産性の向上が挙げられる。しかしながら、塗布スピードを上昇させることは、塗布面へのハジキ箇所の発生を伴うことがある。これについて、従来の知見では、最表層の表面張力を下げることに効果があることが知られている。しかしながら、最表層膜厚を薄膜化した本構成に対して、最表層のみに適用しただけでは、充分な効果が得られなかった。
特開2002−264481号公報 特開2002−274017号公報 特開2002−283711号公報
本発明は上記の実態に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は高い画像濃度、及び写像性が得られると共にインク吸収層の耐傷性が高いうえに、生産性向上の一環としての塗布スピード上昇に由来する、ハジキ故障に対しても優れた、高品位なインクジェット記録用紙を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
(請求項1)
支持体上にシリカ微粒子、ポリビニルアルコール、水溶性多価金属化合物を含有する少なくとも2層のインク吸収層を有し、支持体から最も離れた位置にある、乾燥膜厚がLμmの最表層インク吸収層は、1μm≦Lμm≦10μmであり、平均粒径がdμmの球状微粒子を含有し、かつ、0.1≦d/L≦1.0であることを特徴とするインクジェット記録用紙。
(請求項2)
支持体から最も離れた位置にある最表層インク吸収層が支持体から数えてn層目であり、支持体から数えてm層目に当たるインク吸収層をmとした場合、n−m層とn−m−1層塗布液の静的表面張力をSST(n−m)及びSST(n−m−1)とし、n−m層とn−m−1層塗布液の動的表面張力を、DST(n−m)及びDST(n−m−1)とすると、以下の式(1)及び式(2)を満たすことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用紙。
式(1)
0<SST(n−m)−SST(n−m−1)≦15(mN/m)
式(2)
0<DST(n−m)−DST(n−m−1)≦10(mN/m)
但し、n≧4の場合は、n−m≧n−2であり、
2≦n≦3の場合は、m=0又は1であり、n−m≧2である。
(請求項3)
支持体上に積層した少なくとも2層のインク吸収層の内、最表層に含有される水溶性多価金属化合物とシリカの比率が水溶性多価金属化合物を酸化物に換算した質量比で以下に示す式(3)を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録用紙。
式(3)
SiO2/Mxy≦10
但し、Mは2価以上の金属カチオンを表し、yはMxを満足する酸素原子の数を表す。
(請求項4)
前記水溶性多価金属化合物が水溶性アルミニウム化合物または水溶性ジルコニウム化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録用紙。
(請求項5)
インク吸収層表面が、JIS K 7105規定されるC値が70%以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット記録用紙。
本発明により、高い画像濃度、及び写像性が得られると共にインク吸収層の耐傷性が高いうえに、生産性向上の一環としての塗布スピード上昇に由来する、ハジキ故障に対しても優れた、高品位なインクジェット記録用紙を提供することができた。
本発明を更に詳しく説明する。本発明者の鋭意検討の結果、水溶性多価金属化合物を最表面に高密度に局在化させることによって、空隙型記録用紙特有の問題である画像濃度を大幅に向上でき、かつ印字後の濃度変動を抑制できることに想到した。また水溶性多価金属化合物が最表面に高密度に局在化しているか否かを検証するために本発明のTOF−SIMSによる分析が有効であり、驚くべき事に水溶性多価金属化合物含有液の含浸又はオーバーコートのような方法では最表面に局在しないことがわかった。また、最表層と他層の膜厚バランスも発色性、インク吸収性に対して重要であることが本発明者の研究の結果判明した。
本発明に好ましく用いられるシリカ微粒子とは、珪酸ソーダを原料として沈降法またはゲル法により合成された湿式シリカまたは気相法シリカである。
例えば湿式シリカでは沈降法による(株)トクヤマのファインシールが、ゲル法によるシリカとしては日本シリカ工業(株)のNIPGELが市販されている。沈降法シリカは概ね10〜60nm、ゲル法シリカは概ね3〜10nmの一次粒子が二次凝集体を形成したシリカ粒子として特徴づけられる。
湿式シリカの一次粒子径に関する下限に特に制約はないが、シリカ粒子の製造安定性の観点から3nm以上であり、皮膜の透明性の観点から50nm以下であることが好ましい。一般的にはゲル法により合成される湿式シリカの方が沈降法に対して一次粒径が小さい傾向にあり好ましい。
気相法シリカとは、四塩化ケイ素と水素を原料にして燃焼法により合成されるものであり例えば日本アエロジル株式会社製のアエロジルシリーズが市販されている。
中でも高い空隙率が得られ、カチオン性複合微粒子分散液を製造する場合に粗大凝集体が形成されにくい気相法シリカが好ましい。また気相法シリカにおいては、二次凝集体は湿式シリカに対して比較的弱い相互作用により形成されているため、湿式シリカに対して低いエネルギーで分散できるという特徴を有している。
シリカ微粒子はその一次粒子の平均粒径は3〜100nmのものが好ましい。一次粒子の平均粒径が100nm以下であれば、記録用紙の高光沢性を達成することができ、また表面での乱反射による最高濃度の低下を防いで鮮明な画像をえることができる。上記においての微粒子の平均粒径は、粒子そのものあるいは空隙層の断面や表面を電子顕微鏡で観察し、多数個の任意の粒子の粒径を求めてその単純平均値(個数平均)として求められる。ここで個々の粒径はその投影面積に等しい円を仮定した時の直径で表したものである。
特に好ましい態様として、二次粒子以上の粒子を形成して多孔質インク吸収層を形成する場合、その粒子径は、20〜200nmが高インク吸収性及び高光沢を達成した記録用紙を得るという観点において好ましい
前記気相法シリカを湿度20〜60%で3日以上保存して気相法シリカの含水率を調整することも好ましい。
シリカ微粒子の添加量は、要求されるインク吸収容量、空隙層の空隙率、ポリビニルアルコールの種類に大きく依存するが、一般には記録用紙1m2当たり、通常5〜30g、好ましくは10〜25gである。多孔質層に用いられるシリカ微粒子とポリビニルアルコールの比率は質量比で通常2:1〜20:1であり、特に3:1〜10:1であることが好ましい。
シリカ微粒子の添加量に従いインク吸収容量も増加するが、カールやひび割れといった取り崩しもあるため、空隙率によって容量を増加させる方法が好ましい。好ましい空隙率は40〜75%である。空隙率は選択するシリカ微粒子、バインダーの種類によって、あるいはそれらの混合比によって、またはその他の添加剤の量によって調節することができる。
ここでいう空隙率とは、空隙層の体積における空隙の総体積の比率であり、その層の構成物の総体積と層の厚さから計算で求められる。また空隙の総体積は、J.TAPPI紙パルプ試験方法No.51−87に記載されるブリストー測定による飽和転移量、吸水量測定などによって簡易に求められる。
本発明のインクジェット記録用紙の含有するポリビニルアルコールについて説明する。本発明に用いられるポリビニルアルコールとしては、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のポリビニルアルコールの他に、末端をカチオン変性したポリビニルアルコールやアニオン性基を有するアニオン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールも含まれる。
酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビニルアルコールは平均重合度が1000以上のものが好ましく用いられ、特に平均重合度が1500〜5000のものが好ましく用いられ、更に、ケン化度は70〜100%のものが好ましく、80〜99.5%のものが特に好ましい。
カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開昭61−10483号に記載されているような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム基を上記ポリビニルアルコールの主鎖または側鎖中に有するポリビニルアルコールであり、カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体をケン化することにより得られる。
カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えばトリメチル−(2−アクリルアミド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメチルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、ヒドロキシルエチルトリメチルアンモニウムクロライド、トリメチル−(2−メタクリルアミドプロピル)アンモニウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド等が挙げられる。
カチオン変性ポリビニルアルコールのカチオン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%である。
アニオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開平1−206088号に記載されているようなアニオン性基を有するポリビニルアルコール、特開昭61−237681号、及び同63−307979号に記載されているような、ビニルアルコールと水溶性基を有するビニル化合物との共重合体及び特開平7−285265号に記載されているような水溶性基を有する変性ポリビニルアルコールが挙げられる。
また、ノニオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開平7−9758号に記載されているようなポリアルキレンオキサイド基をビニルアルコールの一部に付加したポリビニルアルコール誘導体、特開平8−25795号に記載された疎水性基を有するビニル化合物とビニルアルコールとのブロック共重合体等が挙げられる。
また、ポリビニルアルコールは重合度や変性等の種類違いのものを2種類以上併用してもよい。
本発明のインクジェット記録用紙は、光沢性に優れ、高い空隙率を被膜の脆弱性を劣化させずに得るために、ポリビニルアルコールが硬膜剤により硬膜されていることが好ましい。
硬膜剤は、一般的にはポリビニルアルコールと反応し得る基を有する化合物、あるいはポリビニルアルコールが有する異なる基同士の反応を促進するような化合物であり、例えば、エポキシ系硬膜剤(ジグリシジルエチルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ジグリシジルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル等)、アルデヒド系硬膜剤(ホルムアルデヒド、グリオキザール等)、活性ハロゲン系硬膜剤(2,4−ジクロロ−4−ヒドロキシ−1,3,5−s−トリアジン等)、活性ビニル系化合物(1,3,5−トリスアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビスビニルスルホニルメチルエーテル等)、ホウ酸及びその塩、ホウ砂、アルミ明礬、イソシアネート化合物等が挙げられる。これらの中でも、ホウ酸及びその塩、エポキシ系硬膜剤及びイソシアネート化合物が好ましい。
ホウ酸及びその塩としては、ホウ素原子を中心原子とする酸素酸及びその塩のことを示し、具体的にはオルトほう酸、二ほう酸、メタほう酸、四ほう酸、五ほう酸、八ほう酸及びそれらの塩が含まれる。
硬膜剤の使用量はポリビニルアルコールの種類、硬膜剤の種類、無機微粒子の種類やポリビニルアルコールに対する比率等により変化するが、通常ポリビニルアルコール1g当たり5〜500mg、好ましくは10〜300mgである。
上記硬膜剤は、本発明に用いられる多孔質層形成用水溶性塗布液を塗布する際に、該塗布液中に添加してもよく、あるいは多孔質層形成用水溶性塗布液(硬膜剤非含有)を塗布・乾燥した後でその溶液をオーバーコートするなどして供給することができる。
上記インク吸収層は支持体の同じ側に少なくとも2層以上形成されることが本発明の記録用紙では必要であり、これらのインク吸収層のうち、支持体から最も遠い位置に設けられるインク吸収層(以下最表層という)が平均粒子径がdμmの球状微粒子を含有する。
最表層に含有する球状微粒子とは、有機または無機微粒子であり、例えば酸化チタン、シリカ、ガラス粉、硫酸バリウム、ポリスチレン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリレート共重合樹脂などが挙げられる。また、この球状微粒子は単分散のものがよくその分散度(標準偏差/平均粒径)は0.2〜10のものを用いることができる。
この球状粒子は、平均粒径が0.5〜10μmのものが好ましく、特に1〜5μmのものが好ましいが、球状粒子の平均粒径は最表層の乾燥膜厚との関係で決定される。すなわち、球状粒子の粒径をdμm、最表層の乾燥膜厚をLμmとしたとき、本発明いにおいてはd/Lを0.1〜1.0の範囲にすることが、画像の鮮明度の低下を最小限度にして適度の光沢を得る観点から必要である。d/Lが0.1未満の時は、充分な耐傷性が得られない上、画像の鮮明度が低下する。また、d/Lが1を超えると球状粒子が最表層から剥離して製造時に粉落ちする現象が出るだけでなく、プリント前後の球状粒子の脱離による点状故障の発生、あるいは表面の異常に大きな突起によりプリント品位を損なう。
本発明に係るインクジェット記録用紙を製造する過程において、生産性の観点から塗布速度を150m/分以上に上げた際には新たにハジキ故障を伴うことがある。その改善策として、各層に用いる塗布液の静的表面張力(以下SST)、及び動的表面張力(以下DST)を以下の範囲に規定することが好ましいことが分かった。
最表層から下層までの塗布液のSSTの値が15mN/m、好ましくは10mN/m以下の差を保つこと。例えば、該記録用紙が4層以上の構成の場合には、最表層から3層目までのSST値の差が15mN/m、好ましくは10mN/mを保つように設定することである。同様にDSTの値に関しては、最表層から下層までの塗布液のDSTの値が10mN/mを保つことである。
このように各層間の表面張力のバランスを保つのは、濡れ性を向上させることで、各層の表層面を平滑化させる点にある。
なぜなら、最表層膜厚が薄い系においては、内部の層の面の凹凸を解消することができないため、それが起因となってハジキ等の故障が起きると推定する。また、小粒径の(有機)球状微粒子を用いた場合、前記凹凸部に堆積しハジキ故障を誘発するものと考える。さらに、表層のみの表面張力を下げただけであっても、前記凹凸は解消されないことが本検討を進めていくに当たり判った。
本発明に係る水溶性多価金属化合物について説明する。本発明に係る水溶性多価金属化合物としては、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄、ストロンチウム、バリウム、ニッケル、銅、スカンジウム、ガリウム、インジウム、チタン、ジルコニウム、スズ、鉛などの金属の塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩、クロロ酢酸塩等が挙げられる。
中でもアルミニウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、ジルコニウムからなる水溶性塩はその金属イオンが無色のため好ましい。特に好ましくは、水溶性アルミニウム化合物、水溶性ジルコニウム化合物である。水溶性アルミニウム化合物の具体例としてはポリ塩化アルミニウム(塩基性塩化アルミニウム)、硫酸アルミニウム、塩基性硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム(ミョウバン)、硫酸アンモニウムアルミニウム(アンモニウムミョウバン)、硫酸ナトリウムアルミニウム、硝酸アルミニウム、リン酸アルミニウム、炭酸アルミニウム、ポリ硫酸ケイ酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、塩基性乳酸アルミニウム等をあげることができる。ここで、水溶性多価金属化合物における水溶性とは、20℃の水に1質量%以上、より好ましくは3質量%以上溶解することを意味する。その中でも塩基性塩化アルミニウム、塩基性硫酸アルミニウム、塩基性乳酸アルミニウム、塩基性酢酸アルミニウムがより好ましい。さらに最も好ましいのは塩基度80%以上の塩基性塩化アルミニウムであり、次の分子式で表すことができる。
〔Al2(OH)nCl6-nm (ただし、0<n<6、m≦10)
塩基度はn/6×100(%)で表される。
水溶性ジルコニウム化合物の具体例としては、炭酸ジルコニル、炭酸ジルコニルアンモニウム、酢酸ジルコニル、硝酸ジルコニル、酸塩化ジルコニウム、乳酸ジルコニル、クエン酸ジルコニルが好ましい。炭酸ジルコニルアンモニウム、酢酸ジルコニルは特に好ましい。特に酸塩化ジルコニウム、酢酸ジルコニルが好ましい。
本発明の課題を解決するためには水溶性多価金属化合物を高濃度にインク吸収層の表面に局在させる必要がある。具体的には飛行時間型二次イオン質量分析法で得られる、水溶性多価金属化合物由来の二次イオンフラグメントのインク吸収層厚さ方向のプロファイルにおいて、図1に示される様な最表面から10μm以内に明確なイオン強度ピーク有する様に、最表層の膜厚をコントロールすることを意味する。
また、最表層中に含まれる水溶性多価金属化合物は酸化物換算で0.2g/m2〜1.0g/m2であることが本発明の課題を解決する上で好ましい。最表層以外の層に水溶性多価金属化合物を含有させることもできる。この場合は最表層に含有される水溶性多価金属化合物に対し、該最表層以外の層に含有される水溶性多価金属化合物が酸化物に換算した質量比で20%以下である事が好ましい。いずれにしても、最表面から10μm以内に明確なイオン強度ピーク有することが必要である。
最表層に含有される水溶性多価金属化合物とシリカの比率が酸化物に換算した質量比で前記、式(3)の関係を満たす事が好ましく、より好ましくは5以下である。
インク吸収層厚さ方向の多価金属存在位置はミクロトームなどで作製したインク受容層の断面試料について、エレクトロンプローブマイクロアナライザー(EPMA)や飛行時間型二次イオン質量分析計(TOF−SIMS)を用いてインク吸収層の厚み方向に多価金属特有の元素あるいは特有の二次イオンフラグメントの分布を求めることが出来る。特に化学構造情報が得られる飛行時間型二次イオン質量分析計を用いて媒染剤に特有の二次イオンフラグメントの分布を測定し、多価金属存在部分の厚みを求める方法が好ましい。二次イオン質量分析法についてはJohn C.Vickerman and David Briggs編ToF−SIMS:Surface Analysis by Mass Spectrometry(Surface Spectra社)、日本表面科学会「二次イオン質量分析法(表面分析技術選書)」(丸善)等を参考にすることが出来る。
測定の具体的手段としてはミクロトームなどで平滑なインク受容層断面を露出させ、このインク受容層についてTOF−SIMS測定を行う。TOF−SIMS測定時の一次イオンとして好ましいイオン種はAu+,In+,Cs+,Ga+など液体金属イオン種であるがこのうちIn+、Ga+が好ましい。検出すべき好ましい二次イオンとしては、事前に測定した多価金属の二次イオン質量スペクトルから選択する。一次イオンの加速電圧は20kV〜30kVが好ましく、ナイフエッジ法により測定されるビーム直径が0.25μm以下となるように各種の調整を実施することが好ましい。ビーム電流等照射条件および照射時間は任意である。典型的な例としては一次イオンビーム電流0.9nA、照射時間20分などが好ましく用いられる。尚、インクジェット記録用紙、インク受容層は導電性に乏しいので中和電子銃を用いるなど帯電中和を適宜施すことが好ましい。
一次イオンビームはインク受容層全域を測定できる範囲で走査する。典型的には40μm角の領域を走査する。一次イオンビームの走査位置と検出される二次イオンから、インク受容層に存在する化学種のイメージを得ることが可能である。好ましくは上記走査領域内で256×256点での2次イオン質量スペクトルを得て、その質量スペクトルから目的の二次イオンピークの強度を記録することにより、化学種のイメージを得る。更にこのイメージから同一厚み部分のピーク強度を積分することにより、特定の二次イオンの厚さ方向のプロファイルを得ることが出来る。二次イオンのイメージの作製、プロファイルの作製は通常二次イオン質量分析計のデータ処理用のソフトウエアに付属の機能であり、本発明においても、この機能を用いることが可能である。
本発明においては上記厚さ方向のプロファイルに於いて、インク受容層のおける多価金属由来の二次イオンの強度の最低値の1.5倍以上の部分を多価金属存在部分と規定する。インク受容層の位置、インク受容層の厚みは多価金属と同様、インク受容層に存在するシリカ微粒子に含有される金属イオンが検出される領域とする。尚、各層の位置は厚さ方向のプロファイルにおける積分イオン強度の50%位置とする。本発明ではPysical Electronics社製 TRIFT−IIを使用し、上記方法でインク吸収層厚さ方向の多価金属存在位置を図1に示す様に確認した。
本発明のインクジェット記録用紙のインク吸収層表面のJIS K 7105によるC値が、70%以上であることが好ましい。
本発明に係るC値とは、JIS K 7105に規定される像鮮明度であり、その値は下記式で表される。
C={(M−m)/(M+m)}×100
式中、Cは像鮮明度(%)、Mは透明部の透過光最大値、mは不透明部の最小値を表す。
一般に、このC値が大きければ、鮮明度が高く、小さければ「ぼけ」または「歪み」を有していることを意味する。
このC値は、表面の微細な凹凸、表面のマクロ的な平滑性、被膜最表層の透明度の3要素によって、ほとんど決まってくる値である。
本発明の最表層には界面活性剤を含有することが好ましい。該界面活性剤としては、カチオン系、ベタイン系及びノニオン系の炭化水素系、フッ素系、シリコン系界面活性剤等のいずれも使用可能である。その中でも塗布故障などの塗膜品質と重層塗布適性から特開2003−312134号公報記載のカチオン系、ベタイン系界面活性剤が好ましい。界面活性剤の使用量は0.0001〜1.0g/m2、好ましくは0.001〜0.5g/m2である。
本発明のインク吸収層については、特開平11−321079号、特開2000−158807号公報などに記載の方法でシリカ微粒子と親水性バインダー及びカチオン性ポリマーを含有する多孔質のインク吸収層を用いることができる。
カチオン性ポリマーは、ポリマー主鎖または側鎖に第1〜3級アミン、第4級アンモニウム塩基、または第4級ホスホニウム塩基などを有するポリマーであり、インクジェット記録用紙で公知の化合物が用いられる。製造の容易性から、実質的に水溶性であるものが好ましい。
カチオン性ポリマーの例としては、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ジシアンジアミドポリアルキレンポリアミン縮合物、ポリアルキレンポリアミンジシアンジアミドアンモニウム塩縮合物、ジシアンジアミドホルマリン縮合物、エピクロルヒドリン−ジアルキルアミン付加重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド・SO2共重合物、ポリビニルイミダゾール、ビニルピロリドン・ビニルイミダゾール共重合物、ポリビニルピリジン、ポリアミジン、キトサン、カチオン化澱粉、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド重合物、(2−メタクロイルオキシエチル)トリメチルアンモニウムクロライド重合物、ジメチルアミノエチルメタクリレート重合物、などが挙げられる。
または、化学工業時報平成10年8月15日及び25日に記載されるカチオン性ポリマー、「高分子薬剤入門」(三洋化成工業株式会社発行、p787、1992年)に記載される高分子染料固着剤が例として挙げられる。
カチオン性ポリマーの平均分子量としては2000〜50万の範囲であることが好ましく、更に好ましくは、1万〜10万の範囲である。
平均分子量とは数平均分子量のことであり、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーから求めたポリエチレングリコール換算値を言う。
また、カチオン性ポリマーを塗布液にあらかじめ添加する場合、均一に塗布液に添加するのみならず、無機微粒子とともに複合粒子を形成する形で添加してもよい。無機微粒子とカチオン性ポリマーによって複合粒子を作製する方法としては、無機微粒子にカチオン性ポリマーを混合し吸着被覆させる方法、その被覆粒子を凝集させてより高次の複合粒子を得る方法、さらには混合して得られる粗大粒子を分散機によってより均一な複合粒子にする方法などが挙げられる。
カチオン性ポリマーは概ね水溶性基を有するために水溶性を示すが、例えば共重合成分の組成によって水に溶解しないことがある。製造の容易性から水溶性であることが好ましいが、水に難溶であっても水混和性有機溶媒を用いて溶解し使用することも可能である。
ここで水混和性有機溶媒とは、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノールなどのアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリンなどのグリコール類、酢酸エチル、酢酸プロピル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類など、水に対して概ね10%以上溶解し得る有機溶媒を言う。この場合、有機溶媒の使用量は水の使用量以下であることが好ましい。
カチオン性ポリマーはインクジェット記録用紙1m2当たり通常0.1〜10g、好ましくは0.2〜5gの範囲で用いられる。
本発明のインクジェト記録用紙のインク吸収層および必要に応じて設けられるその他の層には、前記した以外に各種の添加剤を添加することが出来る。
特に、紫外線吸剤、酸化防止剤、ニジミ防止剤等の画像保存性向上剤を含有することが好ましい。
これら紫外線吸剤、酸化防止剤、ニジミ防止剤としては、アルキル化フェノール化合物(ヒンダードフェノール化合物を含む)、アルキルチオメチルフェノール化合物、ヒドロキノン化合物、アルキル化ヒドロキノン化合物、トコフェロール化合物、チオジフェニルエーテル化合物、2個以上のチオエーテル結合を有する化合物、ビスフェノール化合物、O−,N−,S−ベンジル化合物、ヒドロキシベンジル化合物、トリアジン化合物、ホスホネート化合物、アシルアミノフェノール化合物、エステル化合物、アミド化合物、アスコルビン酸、アミン系抗酸化剤、2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール化合物、2−ヒドロキシベンゾフェノン化合物、アクリレート、水溶性又は疎水性の金属塩、有機金属化合物、金属錯体、ヒンダードアミン化合物(所謂TEMPO化合物を含む。)、2−(2−ヒドロキシフェニル)1,3,5,−トリアジン化合物、金属不活性化剤、ホスフィット化合物、ホスホナイト化合物、ヒドロキシアミン化合物、ニトロン化合物、過酸化物スカベンジャー、ポリアミド安定剤、ポリエーテル化合物、塩基性補助安定剤、核剤、ベンゾフラノン化合物、インドリノン化合物、ホスフィン化合物、ポリアミン化合物、チオ尿素化合物、尿素化合物、ヒドラジト化合物、アミジン化合物、糖化合物、ヒドロキシ安息香酸化合物、ジヒドロキシ安息香酸化合物、トリヒドロキシ安息香酸化合物等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル化フェノール化合物、2個以上のチオエーテル結合を有する化合物、ビスフェノール化合物、アスコルビン酸、アミン系抗酸化剤、水溶性又は疎水性の金属塩、有機金属化合物、金属錯体、ヒンダードアミン化合物、ヒドロキシアミン化合物、ポリアミン化合物、チオ尿素化合物、尿素化合物、ヒドラジド化合物、ヒドロキシ安息香酸化合物、ジヒドロキシ安息香酸化合物、トリヒドロキシ安息香酸化合物等が好ましい。
また、ポリスチレン、ポリアクリル酸エステル類、ポリメタクリル酸エステル類、ポリアクリルアミド類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、またはこれらの共重合体、尿素樹脂、またはメラミン樹脂等の有機ラテックス微粒子、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等の油滴微粒子、カチオンまたはノニオンの各種界面活性剤、特開昭57−74193号公報、同57−87988号公報及び同62−261476号公報に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号公報、同60−72785号公報、同61−146591号公報、特開平1−95091号公報及び同3−13376号公報等に記載されている退色防止剤、特開昭59−42993号公報、同59−52689号公報、同62−280069号公報、同61−242871号公報および特開平4−219266号公報等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤等の公知の各種添加剤を含有させることもできる。
本発明の記録用紙に用いられる支持体について説明する。本発明で使用することのできる支持体としては特に制限はないが、紙のような吸水性支持体を用いた場合には、プリント後および記録用紙に水がかかった場合、支持体の平滑性が低下してコックリングを生じやすい。また、支持体中に染料やジルコニウム化合物またはアルミニウム化合物が拡散して耐水性、滲み、画像濃度の低下を起こす場合が有るという問題を抱えている。従って、支持体として非吸水性支持体を用いる方が、本発明の効果を顕著に奏するという点において好ましい。
本発明で用いる支持体は従来インクジェット記録用紙に公知のものを適宜使用できる。本発明で用いることのできる吸水性支持体としては、例えば一般の紙、布、木材等からなるシートや板等を挙げることができるが、特に紙は基材自身の吸水性に優れかつコスト的にも優れるために最も好ましい。紙支持体としては、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、CGP、RMP、TMP、CTMP、CMP、PGW等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等の木材パルプを主原料としたものが使用可能である。また、必要に応じて合成パルプ、合成繊維、無機繊維等の各種繊維状物質も原料として適宜使用することができる。
上記紙支持体中には必要に応じて、サイズ剤、顔料、紙力増強剤、定着剤等、蛍光増白剤、湿潤紙力剤、カチオン化剤等の従来公知の各種添加剤を添加することができる。
紙支持体は前記の木材パルプなどの繊維状物質と各種添加剤を混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機等の各種抄紙機で製造することができる。また、必要に応じて抄紙段階又は抄紙機にスターチ、ポリビニルアルコール等でサイズプレス処理したり、各種コート処理したり、カレンダー処理したりすることもできる。
本発明で好ましく用いることのできる非吸水性支持体には、プラスチック樹脂フィルム支持体、あるいは紙の両面をプラスチック樹脂フィルムで被覆した支持体が挙げられる。
プラスチック樹脂フィルム支持体としては、ポリエステルフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリプロピレンフィルム、セルローストリアセテートフィルム、ポリスチレンフィルムあるいはこれらの積層したフィルム支持体等が挙げられる。
これらのプラスチック樹脂フィルムは透明、または半透明なものも使用できる。
本発明で特に好ましい支持体は紙の両面をプラスチック樹脂で被覆した支持体であり、最も好ましいのは紙の両面をポリオレフィン樹脂で被覆した支持体である。
以下本発明で特に好ましい支持体である紙の両面をポリオレフィン樹脂で被覆した支持体について説明する。
本発明の支持体に用いられる紙は、木材パルプを主原料とし、必要に応じて木材パルプに加えてポリプロピレン等の合成パルプあるいはナイロンやポリエステル等の合成繊維を用いて抄紙される。木材パルプとしてはLBKP、LBSP、NBKP、NBSP、LDP、NDP、LUKP、NUKPのいずれも用いることができるが短繊維分の多いLBKP、NBSP、LBSP、NDP、LDPをより多く用いることが好ましい。但し、LBSP及び/またはLDPの比率は10〜70%が好ましい。
上記パルプは不純物の少ない化学パルプ(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましく用いられ、また漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも有用である。
紙中には、高級脂肪酸、アルキルケテンダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタン等の白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増白剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散剤、4級アンモニウム等の柔軟化剤等を適宜添加することができる。
抄紙に使用するパルプの濾水度はCSFの規定で200〜500mlが好ましく、また、叩解後の繊維長がJIS P 8207に規定される24メッシュ残分と42メッシュ残分の和が30〜70%が好ましい。なお、4メッシュ残分は20%以下であることが好ましい。
紙の坪量は50〜250gが好ましく、特に70〜200gが好ましい。紙の厚さは50〜210μmが好ましい。
紙は抄紙段階または抄紙後にカレンダー処理して高平滑性を与えることもできる。紙密度は0.7〜1.2g/m2(JIS P 8118)が一般的である。更に原紙剛度はJIS P 8143に規定される条件で20〜200gが好ましい。
紙表面には表面サイズ剤を塗布しても良く、表面サイズ剤としては前記原紙中に添加できるのと同様のサイズ剤を使用できる。
紙のpHはJIS P 8113で規定された熱水抽出法により測定された場合、5〜9であることが好ましい。
次に、この紙の両面を被覆するポリオレフィン樹脂について説明する。この目的で用いられるポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリエチレンが挙げられるが、プロピレンを主体とする共重合体等のポリオレフィン類が好ましく、ポリエチレンが特に好ましい。
以下、特に好ましいポリエチレンについて説明する。紙表面及び裏面を被覆するポリエチレンは、主として低密度のポリエチレン(LDPE)及び/または高密度のポリエチレン(HDPE)であるが、他のLLDPEやポリプロピレン等も一部使用することができる。
特に塗布層側のポリオレフィン層は、ルチルまたはアナターゼ型の酸化チタンをその中に添加し、不透明度及び白色度を改良したものが好ましい。酸化チタン含有量はポリオレフィンに対して概ね1〜20%、好ましくは2〜15%である。
ポリオレフィン層中には白地の調整を行うための耐熱性の高い顔料や蛍光増白剤を添加することができる。
着色顔料としては、群青、紺青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、マンガンブルー、セルリアン、タングステンブルー、モリブデンブルー、アンスラキノンブルー等が挙げられる。
蛍光増白剤としては、ジアルキルアミノクマリン、ビスジメチルアミノスチルベン、ビスメチルアミノスチルベン、4−アルコキシ−1,8−ナフタレンジカルボン酸−N−アルキルイミド、ビスベンズオキサゾリルエチレン、ジアルキルスチルベン等が挙げられる。
紙の表裏のポリエチレンの使用量は、インク吸収層の膜厚やバック層を設けた後で低湿及び高湿化でのカールを最適化するように選択されるが、一般にはポリエチレン層の厚さはインク吸収層側で15〜50μm、バック層側で10〜40μmの範囲である。表裏のポリエチレンの比率はインク受容層の種類や厚さ、中紙の厚み等により変化するカールを調整する様に設定されるのが好ましく、通常は表/裏のポリエチレンの比率は厚みで概ね3/1〜1/3である。
更に上記ポリエチレンで被覆紙支持体は以下(1)〜(7)の特性を有していることが好ましい。
(1)引っ張り強さは、JIS P 8113で規定される強度で縦方向が2〜30kg、横方向が1〜20kgであることが好ましい。
(2)引き裂き強度は、JIS P 8116で規定される強度で縦方向が10〜200g、横方向が20〜200gが好ましい。
(3)圧縮弾性率は、9.8kN/cm2が好ましい。
(4)不透明度は、JIS P 8138に規定された方法で測定したときに80%以上、特に85〜98%が好ましい。
(5)白さは、JIS Z 8727で規定されるL*、a*、b*が、L*=80〜96、a*=−3〜+5、b*=−7〜+2であることが好ましい。
(6)クラーク剛直度は、記録用紙の搬送方向のクラーク剛直度が50〜300cm3/100である支持体が好ましい。
(7)原紙中の水分は、中紙に対して4〜10%が好ましい。本発明のインクジェット記録用紙は、滲み防止効果を更に顕著に奏すべく、カチオン性ポリマーを含有することが好ましい。
多孔質層は2層以上から構成されていることが好ましい。
この時、最表層の乾燥膜厚が全インク吸収層の乾燥膜厚に対し2%〜20%であることが好ましく、本発明の効果をより発現させるには5%〜15%がより好ましい。
インクジェット記録媒体の製造方法としては、インク吸収層を含む各構成層を、各々単独にあるいは同時に、公知の塗布方式から適宜選択して、支持体上に塗布、乾燥して製造することができる。塗布方式としては、例えば、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法、あるいは米国特許第2,761,419号、同第2,761,791号公報に記載のホッパーを使用するスライドビード塗布方法、エクストルージョンコート法等が好ましく用いられる。
同時重層塗布を行う際の各塗布液の粘度としては、スライドビード塗布方式を用いる場合には、5〜100mPa・sの範囲が好ましく、さらに好ましくは10〜50mPa・sの範囲である。また、カーテン塗布方式を用いる場合には、5〜1200mPa・sの範囲が好ましく、さらに好ましくは25〜500mPa・sの範囲である。
また、塗布液の15℃における粘度としては、100mPa・s以上が好ましく、100〜30,000mPa・sがより好ましく、さらに好ましくは3,000〜30,000mPa・sであり、最も好ましいのは10,000〜30,000mPa・sである。
塗布および乾燥方法としては、塗布液を30℃以上に加温して、同時重層塗布を行った後、形成した塗膜の温度を1〜15℃に一旦冷却し、10℃以上で乾燥することが好ましい。塗布液調製時、塗布時及び乾燥時おいて、表層に含まれる熱可塑性樹脂が製膜しないように、該熱可塑性樹脂のTg以下の温度で塗布液の調製、塗布、乾燥することが好ましい。より好ましくは、乾燥条件として、湿球温度5〜50℃、膜面温度10〜50℃の範囲の条件で行うことである。また、塗布直後の冷却方式としては、形成された塗膜均一性の観点から、水平セット方式で行うことが好ましい。
また、その製造過程で35℃以上、70℃以下の条件で24時間以上、60日以下保存する工程を有することが好ましい。
加温条件は、35℃以上、70℃以下の条件で24時間以上、60日以下保存する条件であれば特に制限はないが、好ましい例としては、例えば、36℃で3日〜4週間、40℃で2日〜2週間、あるいは55℃で1〜7日間である。この熱処理を施すことにより、水溶性バインダーの硬化反応の促進、あるいは水溶性バインダーの結晶化を促進することができ、その結果、好ましいインク吸収性を達成することができる。
以下、本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。尚、実施例中で「%」は、特に断りのない限り質量%を表す。
実施例1
[シリカ分散液D−1の調製]
予め均一に分散されている、1次粒子の平均粒径が約0.007μmの気相法シリカ(日本アエロジル社製;アエロジル300)を25%とアニオン性蛍光増白剤(チバスペシャリティケミカルズ製;UVITEX NFW LIQUID)0.6Lを含むシリカ分散液B−1(pH2.6、エタノール0.5%含有)の400Lを、カチオン性ポリマーP−1を12%、n−プロパノールを10%およびエタノールを2%含有する水溶液C−1(pH2.5、サンノプコ社製の消泡剤SN−381を2g含有)の110Lに、室温で3000rpmで攪拌しながら添加した。次いで硼酸とホウ砂の1:1質量比の混合水溶液A−1(各々3%の濃度)54Lを攪拌しながら、徐々に添加した。
次いで、三和工業株式会社製の高圧ホモジナイザーで3000N/cm2の圧力で分散し、全量を純水で630Lに仕上げて、ほぼ透明なシリカ分散液D−1を得た。
Figure 2006256134
[シリカ分散液D−2の調製]
上記シリカ分散液D−1の調製においてアニオン性蛍光増白剤を除いた以外は同様にして、シリカ分散液D−2を得た。
[シリカ分散液D−3の調製]
上記シリカ分散液D−2の調製においてカチオン性ポリマーP−1の代わりに塩基性塩化アルミニウム水溶液(多木化学製:タキバイン#1500、Al23として23.75%)を使用した以外は同様にして、シリカ分散液D−3を得た。
上記シリカ分散液D−1、D−2、D−3について特開平11−321079号報記載の方法で分散状態を調べた所、極めて安定なカチオン変換された複合粒子になっている事を確認した。
上記シリカ分散液D−1、D−2、D−3を30μmの濾過精度を有するアドバンテック東洋社製のTCP−30タイプのフィルターを用いて濾過を行った。
[インク受容層塗布液の調製]
上記シリカ分散液を使用して、以下に記載の各添加剤を順次混合して、多孔質層用の各塗布液を調製した。なお、各添加量は塗布液1L当りの量で表示した。
(第1層用塗布液:最下層)
シリカ分散液D−1 580ml
ポリビニルアルコール(平均重合度:3800 ケン化度88%)8.0%水溶液
250ml
界面活性剤(ネオス社製;フタージェント400S)4%水溶液 2.0ml
純水で全量を1000mlに仕上げる。
(第2層用塗布液)
シリカ分散液D−1 580ml
ポリビニルアルコール(平均重合度:3800 ケン化度88%)8.0%水溶液
240ml
アクリル共重合エマルジョン樹脂(大同化成工業製;ビニゾール1083) 30ml
純水で全量を1000mlに仕上げる。
(第3層用塗布液)
シリカ分散液D−2 630ml
ポリビニルアルコール(平均重合度:3800 ケン化度88%)8.0%水溶液
250ml
純水で全量を1000mlに仕上げる。
(第4層用塗布液:最表層)
シリカ分散液D−2 660ml
ポリビニルアルコール(平均重合度:3800 ケン化度88%)6.5%水溶液
250ml
界面活性剤(花王製;コータミン24P)6%水溶液 3.0ml
純水で全量を1000mlに仕上げる。
上記の様に調製した各塗布液を、20μmの濾過精度を持つアドバンテック東洋社製のTCPD−30フィルターで濾過した後、TCPD−10フィルターで濾過した。
[インクジェット記録用紙−1の作製]
次に、上記の各塗布液を下記に記載の湿潤膜厚となるよう、40℃で両面にポリエチレンを被覆した紙支持体(RC紙)上に、スライドホッパー型コーターを用いて4層同時塗布した。塗布スピードは100m/分。
〈湿潤膜厚〉
第1層:42μm
第2層:42μm
第3層;40μm
第4層:40μm
なお、上記RC紙は幅が約1.5m、長さが約4000mのロール上に巻かれた下記の支持体を用いた。
使用したRC紙は、含水率が8%で、坪量が170gの写真用原紙表面を、アナターゼ型酸化チタンを6%含有するポリエチレンを厚さ35μmで押し出し溶融塗布し、裏面には厚さ40μmのポリエチレンを厚さ35μmで押し出し溶融塗布した。表面側はコロナ放電した後、ポリビニルアルコール(クラレ社製 PVA235)を記録媒体1m2当り0.05gになるように下引き層を塗布し、裏面側にはコロナ放電した後、Tgが約80℃のスチレン・アクリル酸エステル系ラテックスバインダー約0.4g、帯電防止剤(カチオン性ポリマー)0.1gおよび約2μmのシリカ0.1gをマット剤として含有するバック層を塗布した。
インク受容層塗布液の塗布後の乾燥は、5℃に保った冷却ゾーンを15秒間通過させて膜面の温度を13℃にまで低下させた後、複数設けた乾燥ゾーンの温度を適宜設定して乾燥を行った後、ロール状に巻き取ってインクジェット記録用紙(以後、記録用紙、又は用紙ともいう)−1を得た。このようにして形成されるインク吸収層の全乾燥膜厚は41.5μm、乾燥時の固形分塗工量は24.0g/m2であり、第4層の乾燥膜厚は10μm(全乾燥膜厚の24%)であった。
[記録用紙−2の作製]
記録用紙−1の塗工面に塩基性塩化アルミニウム水溶液(多木化学製:タキバイン#1500)をAl23換算付量で0.5g/m2になるようにオーバーコートして記録用紙−2を得た。
[記録用紙−3の作製]
記録用紙−1の第4層のシリカ分散液D−2をシリカ分散液D−3に変更した以外は同様にして記録用紙−3を得た。
なお、第4層のSiO2付量は4.0g/m2、Al23付量は0.5g/m2(SiO2/Al23=8)、乾燥膜厚は10μm(全乾燥膜厚の24%)であった。
[記録用紙−4の作製]
記録用紙−3と同様にして、表1に示す、球状微粒子を第4層に含有させた記録用紙−4〜15を作製した。
[記録用紙−5の作製]
記録用紙−4の第4層のSiO2付量を2.0g/m2、Al23付量を0.5g/m2(SiO2/Al23=4)、乾燥膜厚を3.5μm(全乾燥膜厚の10%)とし、第3層から第1層に均等にシリカを配分して全SiO2付量を同じにした以外は同様にして記録用紙−5を得た。
[記録用紙−6の作製]
記録用紙−5の第4層のシリカ分散液D−3をシリカ分散液D−2に変更した以外は同様にして記録用紙−6を得た。
[記録用紙−7の作製]
記録用紙−5の第4層に表1に示す、球状微粒子を含有させた記録用紙−7を作製した。
[記録用紙−8の作製]
記録用紙−4の第4層のSiO2付量を1.0g/m2、Al23付量を0.5g/m2(SiO2/Al23=2)、乾燥膜厚を1.5μm(全乾燥膜厚の3.6%)とし、第3層から第1層に均等にシリカを配分して全SiO2付量を同じにした以外は同様にして記録用紙−8を得た。
[記録用紙−9の作製]
記録用紙−4の第4層のSiO2付量を12.0g/m2、Al23付量を0.5g/m2(SiO2/Al23=6)、乾燥膜厚を15.0μm(全乾燥膜厚の36%)とし、第3層から第1層に均等にシリカを配分して全SiO2付量を同じにした以外は同様にして記録用紙−9を得た。
[記録用紙−10の作製]
記録用紙−4の第4層に表1に示す、球状微粒子を含有させた記録用紙−10を作製した。
[記録用紙−11の作製]
記録用紙−5の第4層に表1に示す、球状微粒子を含有させた記録用紙−11を作製した。
[記録用紙−12の作製]
記録用紙−4の第4層に表1に示す、球状微粒子を含有させた記録用紙−12を作製した。
[記録用紙−13の作製]
記録用紙−9の第4層に表1に示す、球状微粒子を含有させた記録用紙−13を作製した。
[記録用紙−14の作製]
記録用紙−4の第4層のSiO2付量を2.5g/m2、Al23付量を0.5g/m2(SiO2/Al23=2.5)、乾燥膜厚を5.0μm(全乾燥膜厚の12.0%)とし、第3層から第1層に均等にシリカを配分して全SiO2付量を同じにし、表1に示す球状微粒子を含有させた以外は同様にして記録用紙−14を得た。
[記録用紙−15の作製]
記録用紙−5の第4層に表1に示す、球状微粒子を含有させた記録用紙−15を作製した。
[記録用紙−16の作製]
記録用紙−3の第4層に酢酸ジルコニル(第一稀元素化学工業製:ジルコゾールZA)をZrO2換算付量で0.5g/m2になるよう塗布直前にインライン添加した以外は同様にして記録用紙−16を得た。
以上のようにして得られた記録用紙−1〜16についてTOF−SIMS測定によりアルミニウムイオンのインク吸収層深さ方向の分布を求めた。代表例を図2(記録用紙−2)、図3(記録用紙−4)に示す。
また、以下の項目について記録用紙−1〜16を評価した結果を表1に示す。
(発色性)
セイコーエプソン株式会社製インクジェットプリンタPM−950Cを用い、イエロー、マゼンタ、シアン、黒のベタ画像を印字し、3時間自然放置で乾燥した後に得られた黒の濃度を反射濃度計にて測定した。
(擦過性、手触り)
セイコーエプソン株式会社製インクジェットプリンタPM−950Cを用い、3枚連続して黒のベタ画像を印字し、3枚重ね合わせた際に、一番上にある用紙と一番下にある用紙を指で挟み、擦った際に間にある用紙の表面状態を目視で評価を行なうとともに、手触りでも表面状態を確かめた。
(光沢C値)
評価サンプルの黒ベタチャート部の画像を写像性測定器ICM−1DP(スガ試験機械社製)で反射60度、光学くし2mmでの写像性(光沢値C値%)を測定した。
Figure 2006256134
表1から明らかなように、本発明のインクジェット記録用紙は発色性、擦過性、手触り及び光沢C値に優れている。
実施例2
実施例1の記録用紙−4の塗布スピードを150m/分に上げた際、塗布・乾燥後の塗布試料のハジキ箇所を目視評価した。
その際の隣接層とのSST、及びDSTの差(mN/m)を表2に示す。
DSTの測定は、クルス社製のBP2を使用し、連続的に泡を発生させたバブルプレッシャー法により、40℃における100ms時の動的表面張力を測定した。SSTの測定は、協和界面科学製のウィルヘルミープレート法により、40℃における静的表面張力を測定した。
表2において、
Δ3は、4層目のSST、及びDST値−3層目のSST、及びDST値を示し、
同様にΔ2及びΔ1は、4層目のSST、及びDST値−2層目及び1層目のSST、及びDST値を示す。
ハジキ故障1は、塗布スピード;100m/sにおける塗布面のハジキの有無(目視評価)を示し、
ハジキ故障2は、塗布スピード;150m/sにおける塗布面のハジキの有無(目視評価)を示す。
Figure 2006256134
表2から、本発明の試料は、塗布スピード;150m/sでもハジキ故障がないことが判る。
インクジェット記録用紙に係る、水溶性多価金属化合物由来の二次イオンフラグメントのインク吸収層厚さ方向のプロファイルである。 インクジェット記録用紙−2のTOF−SIMS測定によりアルミニウムイオンのインク吸収層深さ方向の分布である。 インクジェット記録用紙−4のTOF−SIMS測定によりアルミニウムイオンのインク吸収層深さ方向の分布である。

Claims (5)

  1. 支持体上にシリカ微粒子、ポリビニルアルコール、水溶性多価金属化合物を含有する少なくとも2層のインク吸収層を有し、支持体から最も離れた位置にある、乾燥膜厚がLμmの最表層インク吸収層は、1μm≦Lμm≦10μmであり、平均粒径がdμmの球状微粒子を含有し、かつ、0.1≦d/L≦1.0であることを特徴とするインクジェット記録用紙。
  2. 支持体から最も離れた位置にある最表層インク吸収層が支持体から数えてn層目であり、支持体から数えてm層目に当たるインク吸収層をmとした場合、n−m層とn−m−1層塗布液の静的表面張力をSST(n−m)及びSST(n−m−1)とし、n−m層とn−m−1層塗布液の動的表面張力を、DST(n−m)及びDST(n−m−1)とすると、以下の式(1)及び式(2)を満たすことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用紙。
    式(1)
    0<SST(n−m)−SST(n−m−1)≦15(mN/m)
    式(2)
    0<DST(n−m)−DST(n−m−1)≦10(mN/m)
    但し、n≧4の場合は、n−m≧n−2であり、
    2≦n≦3の場合は、m=0又は1であり、n−m≧2である。
  3. 支持体上に積層した少なくとも2層のインク吸収層の内、最表層に含有される水溶性多価金属化合物とシリカの比率が水溶性多価金属化合物を酸化物に換算した質量比で以下に示す式(3)を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録用紙。
    式(3)
    SiO2/Mxy≦10
    但し、Mは2価以上の金属カチオンを表し、yはMxを満足する酸素原子の数を表す。
  4. 前記水溶性多価金属化合物が水溶性アルミニウム化合物または水溶性ジルコニウム化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録用紙。
  5. インク吸収層表面が、JIS K 7105規定されるC値が70%以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット記録用紙。
JP2005077447A 2005-03-17 2005-03-17 インクジェット記録用紙 Pending JP2006256134A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005077447A JP2006256134A (ja) 2005-03-17 2005-03-17 インクジェット記録用紙

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005077447A JP2006256134A (ja) 2005-03-17 2005-03-17 インクジェット記録用紙

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006256134A true JP2006256134A (ja) 2006-09-28

Family

ID=37095866

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005077447A Pending JP2006256134A (ja) 2005-03-17 2005-03-17 インクジェット記録用紙

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006256134A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2002160442A (ja) インクジェット記録用紙
JP2006026905A (ja) インクジェット記録用紙の製造方法及びインクジェット記録用紙
JP3969255B2 (ja) 水性染料インク用インクジェット記録用紙
JP2006198973A (ja) インクジェット記録用紙
JP2007076228A (ja) インクジェット記録方法及び記録物
JP2003054118A (ja) インクジェット記録用紙
JP2004188767A (ja) インクジェット記録用紙
US20060210732A1 (en) Ink-jet recording sheet and production method of the same
WO2006046312A1 (ja) インクジェット記録用紙
JP2006312277A (ja) インクジェット記録用紙
JP2005131802A (ja) インクジェット記録用紙
JP2006256134A (ja) インクジェット記録用紙
JP2007076034A (ja) インクジェット記録方法及び記録物
JP2007098747A (ja) インクジェット記録用紙、インクジェット記録方法および記録物
JP2007069417A (ja) インクジェット記録方法及び記録物
JP2006123298A (ja) インクジェット記録用紙及びその製造方法
JP2005088333A (ja) インクジェット記録用紙
JP3557821B2 (ja) インクジェット記録方法
JP2007111985A (ja) インクジェット記録用紙
JP2003326838A (ja) インクジェット記録用紙
JP2001080208A (ja) インクジェット記録用紙
JP2006218719A (ja) インクジェット記録用紙
JP2007055070A (ja) インクジェット記録用紙
JP2007050575A (ja) インクジェット記録用シートとこれを製造する方法
JP2007160670A (ja) インクジェット記録媒体の製造方法