JP2006255939A - 弁装置及び液体噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】温度上昇変化に際して可撓性弁体が基材から剥離することを防止できる弁装置及び液体噴射装置を提供する。
【解決手段】一側面(表面30a)に円形凹部37を有し、該円形凹部37内に液体流路の上流側に連通する供給口39と液体流路の下流側に連通する排出口42とが開口形成された基材30と、該基材30に対して円形凹部37に対応する撓み変形可能な可撓部分31aを有して固着されるフィルム31とを有する弁装置(チョーク弁40)が液体流路の途中に配置される。そして、可撓部分31aにおける円形凹部37の直径φに対応する可撓長さLは、円形凹部37の直径φに所定の撓み許容長さを付加した長さとされ、当該撓み許容長さは、チョーク弁40が設置される設置環境の温度上昇に基づく基材30とフィルム31との熱膨張によるそれぞれの変位長さの差分以上とされている。
【選択図】 図4

Description

本発明は、弁装置及び液体噴射装置に関する。
従来から、液体をターゲットに対して噴射させる液体噴射装置として、インクジェット式プリンタ(以下、「プリンタ」という。)が広く知られている。このプリンタは、往復移動するキャリッジに記録ヘッド(液体噴射ヘッド)を搭載し、この記録ヘッドに供給されるインク(液体)を記録ヘッドに形成されたノズルから噴射することにより、ターゲットとしての記録媒体に印刷を施すようになっている。そして、こうしたプリンタにあっては、インク流路(液体流路)となるインク供給チューブ(又はインク排出チューブ)の途中に弁装置(例えば、チョーク弁等)を設け、その弁装置を介してインクがインク流路内を上流側から下流側へ効率良く流れるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
図6(a)(b)は、こうした弁装置の一種であるチョーク弁を示す断面図である。図6(a)に示すように、チョーク弁50は、一側面に凹部51が形成された基材52と、その基材52の一側面に凹部51を被覆するように固着された可撓性材質からなるフィルム54(可撓性弁体)とを備えている。基材52における凹部51の内面53には、上流側となるインクカートリッジ側から供給されるインクを凹部51内へ流入させるための供給口55が開口形成されている。また、基材52における凹部51の内面53の略中央には凸部56が形成されており、この凸部56の先端には、下流側となる記録ヘッド側へ凹部51内からインクを排出するための排出口57が開口形成されている。そして、基材52における凹部51の内面とフィルム54の可撓部分54aの裏面(凹部51側の面)とによって、インク流路の一部を構成する密閉状の圧力室58が囲み形成されるようになっている。
以上のように構成されるチョーク弁50は、供給口55から圧力室58内に流入したインクの供給圧に基づき可撓部分54aが可撓することで、フィルム54が二点鎖線で示す閉弁状態と実線で示す開弁状態とを切り替えるように構成されている。
特開2001―38925号公報
ところで、上記チョーク弁50では、フィルム54の可撓部分54aが、供給口55から供給されるインクの供給圧に基づいて可撓するように、基材52の凹部51に対応する可撓部分54aの可撓長さL1は、凹部51の直径φ1に所定の撓み許容長さS1(図示略)を付加した長さに設定されている(可撓長さL1=直径φ1+撓み許容長さS1)。
しかし、一般に、基材52はポリプロピレンからなり、フィルム54はポリプロピレンとポリエチレンテレフタレートのシリカ蒸着による2層構造からなっており、基材52とフィルム54の形成材料が異なっている。このため、フィルム54の可撓長さL1を上記のように凹部51の直径φ1より長く設定してあっても、プリンタ10の設置環境が変化して温度上昇し、基材52の熱膨張量とフィルム54の熱膨張量とに顕著な差が生じた場合には、図6(b)に示すように基材52に固着されたフィルム54が基材52から剥離してしまうことがあった(剥離部位59)。そして、この剥離部位59におけるように、フィルム54が基材52から剥離すると、圧力室58の水蒸気バリア性やガスバリア性が損なわれる虞があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、温度上昇変化に際して可撓性弁体が基材から剥離することを防止できる弁装置及び液体噴射装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の弁装置は、液体流路の途中に配置される弁装置であって、一側面に円形の凹部を有し、該凹部内に前記液体流路の上流側に連通する供給口と前記液体流路の下流側に連通する排出口とが開口形成された基材と、該基材に対して前記凹部に対応する撓み変形可能な可撓部分を有して固着され、該可撓部分が閉弁方向へ撓んだ場合には前記供給口及び排出口のうち少なくとも前記排出口を閉塞して供給口と排出口との間での液体の流動を遮断する一方、前記可撓部分が開弁方向へ撓んだ場合には前記供給口及び排出口を開放して供給口と排出口との間での液体の流動を許容する可撓性弁体とを有し、該可撓性弁体は、前記可撓部分における前記凹部の直径に対応する可撓長さが、前記凹部の直径に所定の撓み許容長さを付加した長さとされ、当該撓み許容長さは、前記弁装置が設置される設置環境の温度上昇に基づく前記基材と前記可撓性弁体との熱膨張によるそれぞれの変位長さの差分以上とされている。
基材と可撓性弁体とは一般にその形成材料が異なり、熱膨張率が相違する。このため、弁装置の設置環境が変化して温度上昇した場合には、熱膨張率の相違により熱膨張時のそれぞれの変位長さ(以下、「熱膨張量」という。)に差が生じる。本構成では、可撓性弁体の撓み許容長さが、温度上昇時における基材と可撓性弁体のそれぞれの熱膨張量の差分以上に設定されているため、可撓性弁体が可撓することで熱膨張量の差分を吸収できる。従って、熱膨張量の差分が生じることにより可撓性弁体の一部が基材から剥離することを抑制することができる。
本発明の弁装置において、前記可撓部分の可撓長さは、前記凹部の内面における該凹部の直径に対応する沿面長さ以下とされている。
この構成によれば、可撓部分の可撓長さが凹部の内面における凹部の直径に対応する沿面長さ以下であるため、閉弁時に可撓性弁体が凹部の内面側に撓んだ際に、可撓性弁体が波打つことなく排出口付近に余分な空間を形成しないため、確実に排出口を閉塞して閉弁することができる。
本発明の弁装置において、前記排出口は、前記凹部に突出形成された凸部の前記可撓性弁体側に開口形成されている。
この構成によれば、可撓性弁体の閉弁時において、可撓部分が可撓することにより排出口を速やかに閉塞できる。
本発明の弁装置において、前記供給口及び排出口は、供給口の方が排出口よりも鉛直方向下方に位置している。
この構成によれば、例えば、凹部と可撓部分とで囲み形成される密閉状の圧力室内に気泡が混入した場合であっても、その気泡が供給口に流入することを防止できる。
本発明の液体噴射装置は、液体を噴射する液体噴射ヘッドに前記液体を供給する液体流路及び前記液体噴射ヘッドから廃液として吐出された液体を排出する液体流路のうち少なくとも一方の液体流路の途中に上記構成の弁装置を設けた。
可撓性弁体の基材からの剥離が抑制された弁装置では、基材の凹部の内面と可撓性弁体の可撓部分とで囲み形成される圧力室内における水蒸気バリア性やガスバリア性が確保される。このため、液体流路を介して好適に液体が流れる液体噴射装置とすることができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図5に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態における液体噴射装置としてのインクジェット式プリンタ(以下、「プリンタ」という。)10は、直方体形状の本体ケース11を備えている。本体ケース11内の下部には、その長手方向に沿ってプラテン12が架設されている。プラテン12は、ターゲットとしての紙を支持する支持台であり、紙送り機構によって、給紙トレイから給送される紙を排紙トレイ(いずれも図示略)から本体ケース11外へ排送するようになっている。
また、本体ケース11内においてプラテン12の上方にはガイド軸13が架設され、このガイド軸13にはキャリッジ14が移動可能に挿通支持されている。また、キャリッジ14には、本体ケース11内に設けられたキャリッジモータが、一対のプーリに掛装されたタイミングベルト(いずれも図示略)を介して連結されている。従って、キャリッジ14は、ガイド軸13にガイドされながら、キャリッジモータの駆動によりタイミングベルトを介してプリンタ10の長手方向に移動可能となっている。
キャリッジ14の下面には、液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド15が設けられている。この記録ヘッド15の下面側には、複数の噴射ノズル(図示略)が形成されると共に、記録ヘッド15内には圧電素子(図示略)が各ノズルと個別対応するように配設されている。そして、各圧電素子が駆動制御されることにより、記録ヘッド15の下方に至った紙に向けて、各ノズルからインク(液体)が噴射されるようになっている。また、キャリッジ14には、記録ヘッド15にインク(収容液体)を供給するサブタンク16(バルブユニットとも言う)が搭載されている。
また、本体ケース11内において、キャリッジ14の移動空間域から外れた左右位置には、カートリッジホルダ18,19がそれぞれ固定配置されている。そして、各カートリッジホルダ18,19には複数(本実施形態では3つ)のインクカートリッジ21(図3参照)が着脱可能に装着されている。この点で、本実施形態のプリンタ10は、インクカートリッジ21がキャリッジ14と共に移動する所謂オンキャリッジタイプのプリンタではなく、インクカートリッジがプリンタ10上において移動しない所謂オフキャリッジタイプのプリンタ10として構成されている。なお、各インクカートリッジ21には、インクを充填したインクパック(図示略)がそれぞれ収容されている。
そして、インクカートリッジ21及びサブタンク16はインク色(例えばブラック、イエロー、マゼンタ、シアン、ライトマゼンタ、ライトシアン)の数(本実施形態では6つ)だけ配設され、サブタンク16は各色毎にインク供給チューブ22を介して各色のインクカートリッジ21に接続されている。各サブタンク16はインクカートリッジ21から取り込んだインクを一時貯留し、その貯留インクを所定圧に圧力調整して記録ヘッドに供給するようになっている。
また、本体ケース11内において、各カートリッジホルダ18,19の上方位置には、蛇腹ポンプ等で構成された加圧ポンプ23,24が設けられると共に、カートリッジホルダ18,19のプラテン12側となる位置には、各インクカートリッジ21と接続される第1流路形成体25、第2流路形成体26がそれぞれ支持されている。そして、加圧ポンプ23,24が駆動された場合には、その加圧ポンプ23,24から加圧空気を送り込まれたインクカートリッジ21内のインクパックが押し潰されるように変形することで、そのインクカートリッジ21に収容されたインクが対応する各流路形成体25,26へ圧送されるようになっている。
流路形成体25,26は、略四角形状の平板に形成された取着部25a,26aと、取着部25a,26aの上端部から本体ケース11内の中央位置に延出した延出部25b,26bとを備えている。取着部25a,26a及び延出部25b,26bには、インクカートリッジ21側にインクを供給する3つのインク流路(図2、図3参照、第1流路34、第2流路36、第3流路43)が液体流路として形成され、延出部25b,26bの先端部には、インク供給チューブ22の基端部が接続されている。インク供給チューブ22には、6つのインク流路(図示略)が形成されており、流路形成体25,26の各インクの流路34,36,43とそれぞれ連通している。なお、この流路形成体25,26に設けられるチョーク弁40(弁装置)は本発明の要部であるため、流路形成体25,26の詳細構成はチョーク弁40の構成と併せて詳細に後述するものとする。
インク供給チューブ22の先端部は、同じく6つのインク流路(図示略)が形成された接続部材(図示略)を介してキャリッジ14上のサブタンク16に接続されている。したがって、インクカートリッジ21内のインクは、加圧ポンプ23,24から供給される加圧空気の加圧力により、流路形成体25,26の対応する各インク流路(第1流路34、第2流路36、第3流路43)からインク供給チューブ22の各インク流路、接続部材の各インク流路及び各サブタンク16を介して、記録ヘッドの対応する各ノズルにそれぞれ供給される。
また、本体ケース11においてキャリッジ14の下方位置には、記録ヘッド15のノズル(図示略)内から増粘したインクを廃液として吐出させて排出するためのクリーニング機構20が設けられている。このクリーニング機構20は、記録ヘッド15のノズル形成面を封止可能なキャップ27と、吸引ポンプ29と、キャップ27と吸引ポンプ29とを接続するインク排出チューブ28とを備えている。そして、記録ヘッド15のノズル形成面をキャップ27で封止した状態で吸引ポンプ29を駆動することにより、記録ヘッド15内のノズルから廃液となるインクを吸引し、そのインクをキャップ27及びインク排出チューブ28を介して廃液タンク(図示略)へ排出するようになっている。
次に、第1及び第2流路形成体25,26について、図2〜図5を参照して説明する。なお、以下の説明においては、図2〜図5における上方を「上」として説明する。また、第1及び第2流路形成体25,26は、インク供給チューブ22との接続部やインク流路が左右対称である点のみが異なり、その他は同様の構成であるため、説明の便宜上、第1流路形成体25について説明する。
第1流路形成体25は、合成樹脂からなる基材30と、基材30の表面30a(一側面)と裏面30bとに固着される熱可塑性樹脂からなるフィルム31とで構成されている。また、第1流路形成体25は、上記したように取着部25aと延出部25bとを備えている。延出部25bは、取着部25aの上部から左側に屈曲するように延出形成されている。なお、第2流路形成体26の延出部26bは、取着部26aから右側に屈曲するように形成され、図1に示すように第1及び第2流路形成体25,26を一直線状に並べると、各延出部25b,26bの先端が中央で向かい合うようになっている。
取着部25aは、正方形状に形成され、取着部25aに対応する基材30の下部には、空気供給チューブ(図示略)が貫挿される複数(本実施形態では3つ)の貫挿孔32が、水平方向に一列に貫通形成されている。また、各貫挿孔32の上側には、カートリッジホルダ18に設けられるインク針(図示略)に連通する複数(本実施形態では3つ)の連通孔33がそれぞれ貫通形成されている。また、取着部25aには、各連通孔33に連続する3本の第1流路34が溝状に形成されている。これらの各第1流路34は、取着部25aに連続して形成された延出部25bに向かって延びるように形成されている。第1流路34の上端(下流端)は延出部25bの一端(図2において右端)寄りで行き止まっており、そこから裏面30bまで貫通する貫通孔35に連通している。
また、基材30の裏面30bには、図3に示すように貫通孔35を介して第1流路34と連通する3つの第2流路36が溝状に形成されている。各第2流路36は、その終端(下流端)が、基材30の表面30aに並列状(本実施形態では3つ)に凹設された各円形凹部37の内面38で開口し、その開口部分が円形凹部37にインクを供給する供給口39となっている。
図4に示すように、円形凹部37の内面38は、凹部の周縁部が浅く、中央部に向かって徐々に深くなる断面形状がテーパ状をなすように形成されている。そして、円形凹部37の内面38の略中央には、凸部41が形成されており、その凸部41の先端には、円形凹部37からインクを排出するための排出口42が開口形成されている。そして、基材30の裏面30bには、この排出口42を上流端とする第3流路43が溝状に形成されている。第3流路43は延出部25bの先端(図3において右端)に向かって延び、インク供給チューブ22との連結口25cに連通している。なお、供給口39及び排出口42は、供給口39の方が排出口42よりも鉛直方向下方に位置している。
なお、基材30の表面30aに形成される前記各第1流路34及び円形凹部37は、基材30の表面30aに可撓性弁体としてのフィルム31が熱溶着されることにより密閉される。同様に、基材30の裏面30bに形成される前記各第2流路36及び第3流路43は、基材30の裏面30bに同じく可撓性弁体としてのフィルム31が熱溶着されることにより密閉される。
そして、図4に示すように、延出部25bの円形凹部37の内面38とフィルム31(具体的には、供給口39及び排出口42の形成領域たる円形凹部37に対応する可撓部分31a)とによって、密閉状の圧力室44が囲み形成されている。すなわち、フィルム31は、基材30の表面30aにおける円形凹部37及び凸部41以外の部分に対して熱溶着されている。そして、フィルム31は、円形凹部37に対応する可撓部分31aが、圧力室44内のインク供給圧によって、供給口39及び排出口42の双方を開放する開弁状態(図4参照)と排出口42を閉塞する閉弁状態(図5参照)との間で可撓するようになっている。
さて、上記チョーク弁40では、フィルム31の可撓部分31aが、供給口39から供給されるインクのインク供給圧に基づいて可撓するように、その可撓部分31aにおける円形凹部37の直径φに対応する可撓長さLが、円形凹部37の直径φに所定の撓み許容長さS(図示略)を付加した長さに設定されている。すなわち、可撓部分31aの可撓長さL=円形凹部37の直径φ+撓み許容長さSとなるように設定されている。ちなみに、本実施形態では、円形凹部37の直径φは18mm、撓み許容長さSは0.04mm、可撓長さLは18.04mmとなっている。また、円形凹部37の内面38における円形凹部37の直径φに対応する沿面長さMは18.77mmとなっている。
また、基材30はポリプロピレンからなり、フィルム31はポリプロピレンとポリエチレンテレフタレートのシリカ蒸着による2層構造からなる。このように、基材30とフィルム31の形成材料が異なるため、プリンタ10の設置環境が温度上昇した場合には、熱膨張による基材30の熱膨張量とフィルム31の変位長さ(以下、「熱膨張量」という。)とに差分が生じる。
ここで、基材30(ポリプロピレン)の線膨張係数α1は0.00011cm/cm/℃、フィルム31(ポリエチレンテレフタレート)の線膨張係数α2は0.00006cm/cm/℃である。なお、フィルム31はポリプロピレンとポリエチレンテレフタレートの2層構造であるが、ここでは、線膨張係数がより小さい方のポリエチレンテレフタレートをフィルム31の線膨張係数として計算する。例えば、プリンタ10の設置環境の温度上昇が35℃である場合に、基材30の熱膨張量ΔL1は0.10019mm、フィルム31の熱膨張量ΔL2は0.0693mmとなる。よって、両者の熱膨張量の差分である0.03088mm(=ΔL1−ΔL2)だけ、基材30よりフィルム31の熱膨張量が小さいことになる。
両者の熱膨張量の差分ΔLが生じ、この差分ΔLが大きすぎると、基材30に熱溶着されているフィルム31が、可撓部分31aの端縁付近から徐々に剥離してしまう虞がある(図6(b)参照)。しかし、本実施形態では、フィルム31における撓み許容長さSが、基材30とフィルム31の熱膨張量ΔL1,ΔL2の差分ΔLより大きく設定されているため(S>ΔL)、基材30が主に上下方向へ熱膨張するに伴い可撓部分31aが上下に張られる方向に変位して熱膨張量の差分ΔLが吸収される。
一方、フィルム31の可撓部分31aの可撓長さLは、円形凹部37の内面38における円形凹部37の直径φに対応する沿面長さMより小さくなっている(L<M)。このため、インクカートリッジ21からインクが供給されておらず(即ち、インク供給圧が付与されていない状態)、大気圧によりフィルム31が凸部41の排出口42を閉塞している閉弁状態時に、可撓部分31aが波打つことなく排出口42付近に余分な空間を形成することなく閉弁される。
以上のように、本実施形態では、フィルム31の可撓部分31aの可撓長さLは、円形凹部37の直径φに基材30とフィルム31との熱膨張量ΔL1,ΔL2の差分ΔLより大きい撓み許容長さSが付加された長さであって、かつ、円形凹部37の内面38における円形凹部37の直径φに対応する沿面長さMよりも小さい長さに設定されている(φ+S<L<M)。
以上説明した実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、フィルム31の可撓部分31aの撓み許容長さSが、プリンタ10の設置環境の温度上昇時における基材30とフィルム31のそれぞれの熱膨張量ΔL1,ΔL2の差分ΔL以上に設定されている。従って、可撓部分31aが上下に張られる方向に可撓することで基材30とフィルム31との熱膨張量の差分ΔLが吸収されるため、熱膨張量の差分が生じることによりフィルム31の一部が基材30から剥離することを抑制することができる。
(2)上記実施形態では、フィルム31の可撓長さLが円形凹部37の直径φに対応する円形凹部37の内面38の沿面長さM以下であるため、閉弁時にフィルム31が内面38側に撓んだ際に、フィルム31が波打つことなく排出口42付近に余分な空間を形成しないため、確実に排出口42を閉塞して閉弁することができる。
(3)上記実施形態では、排出口42が、円形凹部37の内面38に突出形成された凸部41のフィルム31側に開口形成されているため、閉弁時において、可撓部分31aが可撓することで排出口42を速やかに閉塞して閉弁状態とすることができる。
(4)上記実施形態では、円形凹部37において、排出口42の方が供給口39よりも鉛直方向下方に位置している。このため、例えば圧力室44内に気泡が混入した場合でも、その気泡が供給口39に流入することを防止できる。
なお、上記実施形態は以下のような別の実施形態(別例)に変更してもよい。
・ 上記実施形態では、円形凹部37の内面38を、凹部の周縁部が浅く、中央部に向かって徐々に深くなる断面形状がテーパ状をなすように形成したが、断面形状がテーパ状でなくてもよい。
・ 上記実施形態では、円形凹部37において、供給口39の方が排出口42よりも鉛直方向下方に位置しているものとしたが、供給口39から排出口42へのインク流路が確保される形態であれば、排出口42及び供給口39の相対的な位置関係は適宜変更できる。
・ 上記実施形態では、円形凹部37の内面38に突出形成された凸部41に排出口42が開口形成されるものとしたが、この凸部41は形成しなくてもよく、排出口42を内面38に直接に開口形成してもよい。
・ 上記実施形態の撓み許容長さSは、温度上昇を35℃とした場合の基材30とフィルム31との熱膨張量ΔL1,ΔL2の差分ΔLを考慮して設定されるものとしたが、この温度上昇域に限定されるものではない。例えば、プリンタ10の輸送時に通常考えられる温度上昇(例えば60度前後)を想定した撓み許容長さに設定してもよい。また、基材30及びフィルム31の材質によっても適宜変更できる。
・ 上記実施形態では、流路形成体25,26に形成されるチョーク弁40に本発明の弁装置を具体化したが、その他の流体流路に形成される弁装置に具体化してもよい。例えば、クリーニング機構20におけるインク排出チューブ(液体流路)28の途中に設けられる弁装置に具体化してもよい。なお、この弁装置をインク排出チューブ(液体流路)28の途中に設けると共に、上記実施形態におけるチョーク弁40をインク供給チューブ(液体流路)22の途中に設けるようにしてもよい。
・ 上記実施形態において、可撓性弁体は、フィルム31に代えて、ゴム製シート等により構成してもよい。この場合、可撓性弁体の材質であるゴムの線膨張係数に基づいて撓み許容長さSを設定することができる。
・ 上記実施形態では、オフキャリッジタイプのインクジェット式プリンタ10に具体化したが、これに限らず、オンキャリッジタイプのインクジェット式プリンタに具体化してもよい。
・ 上記実施形態においては、液体噴射装置として、インクを吐出するプリンタ10について説明したが、その他の液体噴射装置であってもよい。例えば、ファックス、コピア等を含む印刷装置や、液晶ディスプレイ、ELディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材などの液体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとしての試料噴射装置であってもよい。また、液体噴射装置以外の装置に使用する弁装置に応用してもよい。また、液体もインクに限られず、他の液体に応用してもよい。
本実施形態のインクジェット式プリンタの要部斜視図。 流路形成体の正面図。 流路形成体の裏面図。 チョーク弁の概略構成を示す断面図であって、開弁状態を示す図。 チョーク弁の概略構成を示す断面図であって、閉弁状態を示す図。 (a)(b)は、従来のチョーク弁の概略構成を示す断面図。
符号の説明
10…液体噴射装置としてのインクジェット式プリンタ、15…液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド、22…インク供給チューブ(液体流路)、28…インク排出チューブ(液体流路)、30…基材、30a…表面(一側面)、31…フィルム(可撓性弁体)、31a…可撓部分、34…第1流路(液体流路)、36…第2流路(液体流路)、37…円形凹部、38…内面、39…供給口、40…弁装置としてのチョーク弁、41…凸部、42…排出口、43…第3流路(液体流路)、ΔL…差分、L…可撓長さ、M…沿面長さ、S…撓み許容長さ、φ…円形凹部の直径。

Claims (5)

  1. 液体流路の途中に配置される弁装置であって、
    一側面に円形の凹部を有し、該凹部内に前記液体流路の上流側に連通する供給口と前記液体流路の下流側に連通する排出口とが開口形成された基材と、
    該基材に対して前記凹部に対応する撓み変形可能な可撓部分を有して固着され、該可撓部分が閉弁方向へ撓んだ場合には前記供給口及び排出口のうち少なくとも前記排出口を閉塞して供給口と排出口との間での液体の流動を遮断する一方、前記可撓部分が開弁方向へ撓んだ場合には前記供給口及び排出口を開放して供給口と排出口との間での液体の流動を許容する可撓性弁体とを有し、
    該可撓性弁体は、前記可撓部分における前記凹部の直径に対応する可撓長さが、前記凹部の直径に所定の撓み許容長さを付加した長さとされ、当該撓み許容長さは、前記弁装置が設置される設置環境の温度上昇に基づく前記基材と前記可撓性弁体との熱膨張によるそれぞれの変位長さの差分以上とされていることを特徴とする弁装置。
  2. 前記可撓部分の可撓長さは、前記凹部の内面における該凹部の直径に対応する沿面長さ以下とされていることを特徴とする請求項1に記載の弁装置。
  3. 前記排出口は、前記凹部に突出形成された凸部の前記可撓性弁体側に開口形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の弁装置。
  4. 前記供給口及び排出口は、供給口の方が排出口よりも鉛直方向下方に位置していることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の弁装置。
  5. 液体を噴射する液体噴射ヘッドに前記液体を供給する液体流路及び前記液体噴射ヘッドから廃液として吐出された液体を排出する液体流路のうち少なくとも一方の液体流路の途中に請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の弁装置を設けたことを特徴とする液体噴射装置。
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